JP2004260961A - 停電時に電池で点灯する防災用照明 - Google Patents
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Abstract
【課題】電源回路とDC/DC電圧調整回路のコイルと平滑コンデンサーを併用して回路構成を簡素化する。
【解決手段】停電しないときに光源を点灯する電源回路1は、DC/DC電圧調整回路3のコイルL2とダイオードD15の直列回路17を介して光源8に接続している。商用電源が停電すると、DC/DC電圧調整回路3が動作状態となって、二次電池10の電圧を制御して光源8を点灯する。非停電状態では、DC/DC電圧調整回路3を非動作状態として、コイルL2を電源回路1の平滑用のコイルL2に併用し、コイルL2と平滑コンデンサーC21、C24で脈流を平滑にする。
【選択図】 図1
【解決手段】停電しないときに光源を点灯する電源回路1は、DC/DC電圧調整回路3のコイルL2とダイオードD15の直列回路17を介して光源8に接続している。商用電源が停電すると、DC/DC電圧調整回路3が動作状態となって、二次電池10の電圧を制御して光源8を点灯する。非停電状態では、DC/DC電圧調整回路3を非動作状態として、コイルL2を電源回路1の平滑用のコイルL2に併用し、コイルL2と平滑コンデンサーC21、C24で脈流を平滑にする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商用電源が停電すると、二次電池で光源を点灯させる誘導灯や非常灯等の防災用照明に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘導灯や非常灯等の防災用照明は、24時間連続して点灯するために、商用電源が停電しても点灯させる必要がある。これ等の防災用照明は、日本においては交流100Vの商用電源で光源を点灯する。商用電源が停電すると、二次電池に切り換えて光源を点灯する。二次電池は、商用電源が停電したときに光源を点灯できるように、商用電源で充電してつねに満充電された状態に保持される。
【0003】
このことを実現する防災用照明は、特許文献1に記載される。この防災用照明は、商用電源の電圧を、光源の点灯電圧に降圧する電源回路と、二次電池を充電する充電回路と、二次電池の電圧を調整するDC/DC電圧調整回路とを備えている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−338784号公報
【0005】
この防災用照明は、停電していない状態では、電源回路の出力で光源を点灯する。さらに、この時、充電回路が二次電池をトリクル充電して満充電された状態に保持する。商用電源が停電すると、DC/DC電圧調整回路が二次電池の電圧を調整して光源を点灯させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この構造の防災用照明は、停電しないときに商用電源で光源を点灯する電源回路と、停電したときに二次電池の電圧を調整するDC/DC電圧調整回路とを備えている。電源回路は、商用電源を降圧するトランスと、このトランスで降圧された交流を整流するダイオードと、ダイオードで整流された脈流を平滑にするコイルと平滑コンデンサーからなる平滑回路とを備えている。さらに、二次電池の電圧を調整するDC/DC電圧調整回路は、電池電圧を制御するコイルと、このコイルにパルス電流を流して電圧を調整するために、数十kHz〜数百kHzの周波数でオンオフに切り換えられるスイッチング素子と、コイルで電圧調整された交流を平滑にする平滑コンデンサーとを備えている。
【0007】
以上の防災用照明は、電源回路とDC/DC電圧調整回路の両方に、コイルと平滑コンデンサーを備えるので、回路構成が複雑になって製作コストが高くなる。本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、電源回路とDC/DC電圧調整回路のコイルと平滑コンデンサーを併用することで、回路構成を簡単にして安価に多量生産できる停電時に電池で点灯する防災用照明を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の停電時に電池で点灯する防災用照明は、商用電源が停電しないときは商用電源で光源8を点灯し、商用電源が停電すると二次電池10に切り換えて光源8を点灯する。この防災用照明は、商用電源を光源8の点灯電圧とする電源回路1と、商用電源で充電される二次電池10と、商用電源で二次電池10を充電する充電回路2と、商用電源の非停電状態では非動作状態となって、停電状態で動作状態となって二次電池10の電圧を制御して光源8を点灯するDC/DC電圧調整回路3とを備えている。光源8を電源回路1又はDC/DC電圧調整回路3で点灯するために、電源回路1の出力側と、DC/DC電圧調整回路3の出力側を、直接又は間接に光源8に接続している。商用電源が非停電状態では、DC/DC電圧調整回路3を非動作状態として、電源回路1の出力で光源8を点灯する。商用電源が停電すると、DC/DC電圧調整回路3が動作状態に切り換えられて、DC/DC電圧調整回路3が二次電池10の電圧を制御して光源8を点灯する。さらに、本発明の防災用照明は、DC/DC電圧調整回路3が、コイルL2とダイオードD15との直列回路17と、この直列回路17のコイルL2とダイオードD15との接続点に接続しているスイッチング素子Q12とを備えており、電源回路1の出力側を、DC/DC電圧調整回路3の直列回路17を介して光源8に接続している。この防災用照明は、停電しないときには、DC/DC電圧調整回路3を動作させないので、DC/DC電圧調整回路3のコイルL2は、電源回路1の平滑用のコイルとなって電源回路1の脈流を平滑にする。商用電源が停電すると、DC/DC電圧調整回路3のコイルL2は、スイッチング素子Q12でパルス電流が流されて、二次電池10の電圧を光源8の点灯電圧に制御する。
【0009】
さらに、本発明の防災用照明は、直列回路17の両端に平滑コンデンサーC21、C24を接続して、脈流をリップルの少ない直流とすることができる。また、DC/DC電圧調整回路3は、電源回路1の出力電圧で停電状態を検出し、停電状態で動作状態として、二次電池10の電圧を調整して光源8を点灯することができる。さらに、防災用照明は、電源回路1とDC/DC電圧調整回路3の出力側と光源8との間に、光源8の点灯を制御する点灯回路9を接続することができ、この点灯回路9に一時オフ回路14を設けて、一時オフ回路14でもって、商用電源が停電状態になると一時的に点灯回路9をオフに切り換えて、光源8を一時的に消灯することができる。この防災用照明は、停電したときにDC/DC電圧調整回路3を軽負荷で安定して起動できる。一時オフ回路14は、タイマー回路とし、あるいは、停電状態を検出して点灯回路9をオフに切り換え、DC/DC電圧調整回路3の出力電圧が設定電圧よりも高くなると点灯回路9をオンに切り換える回路とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための防災用照明を例示するものであって、本発明は防災用照明を以下のものに特定しない。
【0011】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0012】
図1のブロック図と図2の回路図に示す防災用照明は、通常は商用電源で光源8を点灯するが、商用電源が停電すると、二次電池10で光源8を点灯する。光源8は、直流で点灯するLEDが利用できるが、直流を交流に変換して蛍光灯ランプを利用することもできる。この図の防災用照明は、商用電源で光源8を点灯電圧とする電源回路1と、商用電源で充電される二次電池10と、商用電源で二次電池10を充電する充電回路2と、商用電源が停電しない状態では動作状態とならず、停電すると動作状態となって二次電池10の電圧を制御して光源8を点灯するDC/DC電圧調整回路3と、光源8の点灯を制御する点灯回路9を備えている。この図の防災用照明は、電源回路1の出力側とDC/DC電圧調整回路3の出力側を、点灯回路9を介して光源8に接続している。ただし、電源回路とDC/DC電圧調整回路の出力側は、点灯回路を介することなく、直接に光源に接続することもできる。
【0013】
以上の防災用照明は、商用電源が停電しない状態では、DC/DC電圧調整回路3を動作させない状態として、電源回路1の出力で光源8を点灯する。商用電源が停電すると、DC/DC電圧調整回路3を動作状態として二次電池10の電圧を調整して光源8を点灯する。
【0014】
電源回路1は、入力される商用電源である交流の100Vを、光源8の点灯電圧の直流に変換する。図の電源回路1は、入力される商用電源を直流に変換した後、商用電源よりも高い周波数の交流に変換してトランスで電圧を低下させるスイッチング電源である。この電源回路1は、商用電源を整流して直流に変換するブリッジダイオードREと平滑コンデンサーC3からなる第1整流回路15と、この第1整流回路15の直流をスイッチングして高い周波数に変換するスイッチングIC1と、このスイッチングIC1を一次側に接続しているトランスT1と、トランスT1の二次側に接続しているダイオードD11と平滑コンデンサーC21からなる第2整流回路16とを備える。この図の防災用照明は、電源回路1をスイッチング電源としているが、本発明は、電源回路をスイッチング電源には特定しない。電源回路は、商用電源を周波数変換することなくトランスで電圧を低下して、ダイオードで整流して平滑コンデンサーで平滑にすることもできる。
【0015】
図2の電源回路1は、点灯回路9を制御して、点灯回路9をオンオフに切り換える消灯回路11を備えている。消灯回路11は、フォトカップラPC2を介して点灯回路9に接続している。フォトカップラPC2は、入力端子12をオープンにすると、LEDが消灯されて、点灯回路9をオフとする。入力端子12を一方の電源端子13に接続すると、フォトカップラPC2のLEDは点灯され、点灯回路9のフォトカップラPC2を導通状態として、光源8を点灯できる状態とする。
【0016】
二次電池10は、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池、リチウムイオン二次電池等の充電できる電池である。二次電池10は、ひとつの電池で構成され、あるいは複数の電池を直列または並列に接続したもので構成される。二次電池10は、満充電された状態での電圧を電源回路1の出力電圧よりも低くしている。二次電池10の電圧を電源回路1の出力電圧よりも低くすると、簡単な充電回路2で充電できる。ただし、二次電池の電圧は、必ずしも電源回路の出力電圧よりも低くする必要はない。
【0017】
充電回路2は、二次電池10を電源回路1の出力で充電して、つねに満充電された状態とする。図の充電回路2は、電源回路1と二次電池10との間に接続している電流制限抵抗R21A、R21Bでもって、二次電池10を微小電流でトリクル充電する。この充電回路2は、0.03〜0.1Cの電流で二次電池10を常に充電して満充電された状態に保持するように、電流制限抵抗R21A、R21Bの抵抗値を設定する。この充電回路2は、極めて簡単な回路構成にできる。ただし、本発明の防災用照明は、0.1C以上の電流で二次電池を充電して、満充電を検出して充電を停止し、その後、二次電池が自己放電して残容量が少なくなると、再び充電を開始する充電回路とすることもできる。
【0018】
DC/DC電圧調整回路3は、コイルL2とダイオードD15との直列回路17と、この直列回路17のコイルL2とダイオードD15との接続点に接続しているスイッチング素子Q12と、スイッチング素子Q12を所定の周期でオンオフに切り換えるスイッチング回路IC2とを備える。
【0019】
コイルL2とダイオードD15の直列回路17は、電源回路1の出力側と光源8との間に接続されて、電源回路1の出力を、コイルL2とダイオードD15の直列回路17を介して光源8に接続している。図の防災用照明は、点灯回路9を備えるので、正確には電源回路1の出力側と点灯回路9との間に直列回路17を接続しており、直列回路17は点灯回路9を介して光源8に接続している。点灯回路9は、必ずしも必要としないので、点灯回路のない防災用照明は、直列回路を直接に光源に接続する。
【0020】
電源回路1の出力側に接続しているDC/DC電圧調整回路3のコイルL2は、停電していない状態においては、電源回路1の平滑用のコイルとなって電源回路1の脈流を平滑にする。商用電源が停電するときに、DC/DC電圧調整回路3コイルL2は、二次電池10の電圧を調整する。
【0021】
直列回路17は、両端に平滑コンデンサーC21、C24を接続している。入力側であるコイルL2に接続している平滑コンデンサーC21は、電源回路1の出力を平滑にするコンデンサーである。この平滑コンデンサーC21は、停電状態では二次電池10と並列に接続されて、二次電池10からDC/DC電圧調整回路3に出力する、パルス電流のピーク値を大きくする。すなわち、二次電池10の実質的な出力インピーダンスを低くする働きをする。直列回路17の出力側であるダイオードD15に接続している平滑コンデンサーC24は、DC/DC電圧調整回路3の出力と、電源回路1の出力の両方を平滑にする電解コンデンサーである。したがって、この平滑コンデンサーC24は、停電しないときは、電源回路1の出力を平滑化してリップルの少ない直流とし、停電状態ではDC/DC電圧調整回路3の出力を平滑にしてリップルを少なくする。
【0022】
図の防災用照明は、DC/DC電圧調整回路3のコイルL2と平滑コンデンサーC24を、電源回路1の出力側に接続している。すなわち、電源回路1の出力側を、コイルL2と平滑コンデンサーC24を介して光源8に接続している。したがって、DC/DC電圧調整回路3のコイルL2と平滑コンデンサーC24は、停電しないで電源回路1が光源8を点灯するとき、電源回路1のダイオードD11で整流された脈流を平滑にする平滑回路として使用される。商用電源が停電して、電源回路1から出力されなくなると、DC/DC電圧調整回路3が動作状態となり、コイルL2で二次電池10の電圧を昇圧し、平滑コンデンサーC24で平滑にして光源8を点灯する。
【0023】
コイルL2で二次電池10の電圧を昇圧するために、スイッチング回路IC2が、所定の周期でスイッチング素子Q12をオンオフに切り換える。スイッチング回路IC2は、スイッチング素子Q12をオンオフに切り換えるデューティを制御して、平滑コンデンサーC24の電圧、すなわちDC/DC電圧調整回路3の出力電圧を調整する。図のスイッチング回路IC2は、出力電圧を調整するフィードバック回路を有する。フィードバック回路は、出力電圧をスイッチング回路IC2の▲1▼と▲2▼の端子に入力している。
【0024】
ところで、DC/DC電圧調整回路3は、商用電源が停電したときに限って動作状態となり、非停電状態では動作状態とならない。DC/DC電圧調整回路3は、商用電源が停電すると動作状態となってスイッチング素子Q12を所定の周期でオンオフに切り換えて二次電池10の電圧を昇圧するが、商用電源が停電していない状態では動作状態とならずに、スイッチング素子Q12をオフ状態に保持する。
【0025】
図のスイッチング回路IC2は、電源回路1の出力電圧を検出して停電状態を検出する。商用電源が停電すると動作状態となって二次電池10の電圧を昇圧して光源8を点灯する。図2のスイッチング回路IC2は、電源回路1の出力電圧を、ダイオードD14を介して電圧検出端子(▲7▼ピン)に入力している。このスイッチング回路IC2は、停電して電圧検出端子の電圧が”Low”になると、動作状態となって、スイッチング素子Q12をオンオフに切り換える。商用電源が停電していない状態では、電圧検出端子の電圧が”High”となるので、この状態では動作しなくなってスイッチング素子Q12をオフに保持する。
【0026】
スイッチング回路IC2が動作状態になってスイッチング素子Q12をオンオフに切り換えると、コイルL2とダイオードD15との接続点の電圧は、パルス状に変動する。スイッチング素子Q12がオンの状態で接続点の電圧は0Vになる。このときコイルL2に電流が流れて、コイルL2に電流のエネルギーが蓄えられる。スイッチング素子Q12がオフになると、コイルL2に蓄えられるエネルギーが接続点の電圧を上昇させる。コイルL2に蓄えられる電流のエネルギーは、コイルL2に流れる電流の自乗と、コイルL2のインダクタンスの積に比例する。したがって、コイルL2に流れる電流の大きさで接続点の電圧を調整できる。コイルL2はスイッチング素子Q12をオンにする時間が長くなると、電流が増加する。したがって、スイッチング素子Q12のオン時間でコイルL2に流れる電流、すなわち、コイルL2に蓄えられるエネルギーを調整して、接続点の電圧を制御できる。したがって、スイッチング素子Q12をオンオフにする毎に、接続点の電圧はパルス状に変動する。このパルス電圧はダイオードD15で整流される。整流された脈流は、ダイオードD15の出力側に接続している平滑コンデンサーC24で平滑化される。このとき、平滑コンデンサーC24は、パルスのピーク電圧に近い電圧で充電される。したがって、平滑コンデンサーC24の充電電圧、いいかえると接続点のピーク電圧は、スイッチング素子Q12をオンにする時間、すなわちスイッチング素子Q12をオンオフに切り換えるデューティで調整できる。スイッチング素子Q12のオフ時間に比較してオン時間が長くなると、コイルL2に流れる電流が大きくなって、コイルL2に蓄えられるエネルギーが大きくなり、接続点の電圧が高くなって、平滑コンデンサーC24の電圧も高くなる。反対にオン時間を短くすると、コイルL2の電流が小さくなり、コイルL2に蓄えられるエネルギーが小さくなって平滑コンデンサーC24の電圧は低くなる。図のスイッチング回路IC2は、平滑コンデンサーC24の電圧を検出し、この検出電圧を▲1▼と▲2▼の端子にフィードバックして、出力電圧を設定電圧に安定化させている。二次電池10は、放電が進行すると電圧が低下する。電圧が低下すると、スイッチング回路はスイッチング素子Q12をオンオフに切り換えるデューティを調整して、光源8の点灯電圧を一定にする。
【0027】
以上のように、商用電源が停電すると、DC/DC電圧調整回路3のコイルL2は、二次電池10の電圧を設定電圧に昇圧するトランスの作用をするが、商用電源が停電しないときには、電源回路1の脈流を平滑化するチョークコイルの作用をする。平滑化するチョークコイルは、電源電圧を低下させることはあっても高くすることはない。すなわち、コイルL2は、商用電源が停電する時と停電しないときとで、全く異なる作用をして、電源回路1の平滑用チョークコイルと、二次電池10の電圧を昇圧する昇圧トランスとに併用される。
【0028】
点灯回路9は、電源回路1及びDC/DC電圧調整回路3の出力側と光源8との間に接続される。点灯回路9は、光源8を点灯するときにオン、消灯するときにオフに切り換えられる点滅用スイッチング素子Q16と、この点滅用スイッチング素子Q16をオンオフに切り換える一時オフ回路14とを備える。点滅用スイッチング素子Q16は、一時オフ回路14にオンオフに制御される。点灯回路9の一時オフ回路14は、電源回路1とDC/DC電圧調整回路3の両方で制御されて、点滅用スイッチング素子Q16をオンオフに制御する。
【0029】
一時オフ回路14は、商用電源が停電状態になると、一時的に点灯回路9をオフに切り換えて、光源8を一時的に消灯する。消灯回路11が停電した瞬間から、点灯回路9が光源8を点灯すると、DC/DC電圧調整回路3が動作を開始したときに、負荷が大きくなる。この状態で負荷が大きいと、過電流で部品が破損したり、あるいはドライブ電力が不足して正常に動作できないことがある。消灯回路11が停電したときに、一時オフ回路14が光源8を一時的に消灯する状態で、DC/DC電圧調整回路3をスタートさせると、DC/DC電圧調整回路3は無負荷でスタートされて動作状態となる。動作状態となったDC/DC電圧調整回路3は、平滑コンデンサーC24を設定電圧に充電する。この状態で、一時オフ回路14は、点滅用スイッチング素子Q16をオンに切り換える。このようにすれば、DC/DC電圧調整回路3を確実に安定して動作状態に切り換えできる。安定して動作する状態になったDC/DC電圧調整回路3は、その後に点滅用スイッチング素子Q16をオンに切り換えて、光源8を点灯できる。
【0030】
図2の点灯回路9は、一時オフ回路14をタイマーとしている。タイマー回路は、点滅用スイッチング素子Q16をドライブするドライブトランジスターQ15のベースに接続しているタイミングコンデンサーC25と、このタイミングコンデンサーC25に接続しているタイミング抵抗R34で実現される。このタイマー回路は、タイミング抵抗R34とタイミングコンデンサーC25でもって、ドライブトランジスターQ15のベース電圧の上昇時間を遅らせて、ドライブトランジスターQ15がオンに切り換えられるのを遅らせる。ドライブトランジスターQ15がオンになって、点滅用スイッチング素子Q16をオンに切り換えるからである。
【0031】
ただし、一時オフ回路は、DC/DC電圧調整回路の出力電圧を検出し、この出力電圧が設定電圧になると点滅用スイッチング素子をオフからオンに切り換える回路とすることもできる。
【0032】
以上の防災用照明は、停電しない非停電状態においては、電源回路1が光源8を点灯する。このとき、DC/DC電圧調整回路3のコイルL2は、電源回路1の平滑用のコイルとなって脈流を平滑にして光源8を点灯する。商用電源が停電すると、DC/DC電圧調整回路3が光源8を点灯するが、このときDC/DC電圧調整回路3のコイルL2は、二次電池10の電圧を昇圧し、コイルL2で昇圧された交流を平滑コンデンサーC24で平滑にして光源8を点灯する。
【0033】
また、本実施例に、以下の追加の機能を付加することもできる。光源寿命または電池寿命に達すると、光源自体を点滅させたり、別途設けられるLEDモニターを点滅、点灯させて、光源または電池の交換時期を知らせる機能を追加してもよい。このような交換時期は、光源の累計点灯時間(電池のトリクル充電累積時間でもある)を清算することにより、所定の累積時間に到達したとき認識できるものである。また、特に、光源自体が点滅するときは、人がすぐに点滅していることを認識することができるので、光源寿命、電池寿命を忘れることなく認識できる。また、このような光源の点滅を、手動又は自動で復帰させる機能をも備えている。そして、寿命に達した光源、電池を交換しないかぎりは、繰り返し寿命を知らせるため、周期的(例えば、1日に一度)に点滅させることもできる。
【0034】
【発明の効果】
本発明の防災用照明は、回路構成を簡単にして、しかも安価に多量生産できる特長がある。それは、DC/DC電圧調整回路に備える昇圧用のコイルと、このコイルで昇圧された交流を整流して平滑にする平滑コンデンサーの両方を、商用電源を直流に変換するチョークコイルと平滑用のコンデンサーに併用しているからである。DC/DC電圧調整回路は、コイルと直列に整流用のダイオードが接着される。このため、電源回路の出力側は、コイルとダイオードの直列回路を介して光源に接続される。ダイオードは、電源回路が光源を点灯するときに、順方向に電流が流れる。このため、DC/DC電圧調整回路のダイオードは、電源回路の脈流を平滑化する作用を阻害することはない。したがって、本発明の防災用照明は、商用電源が停電するときには、DC/DC電圧調整回路を動作状態としてコイルにパルス電流を流して二次電池の電圧を昇圧し、コイルで昇圧した交流をダイオードで整流して平滑コンデンサーで平滑にするが、商用電源が停電しないときは、DC/DC電圧調整回路の動作を停止し、DC/DC電圧調整回路のコイルにパルス電流を流すことなく、このコイルを商用電源を整流した脈流を平滑化する平滑用のチョークコイルとして使用し、さらにコイルの出力側に接続している平滑コンデンサーで脈流を平滑にする。このため、商用電源が停電するときと、停電しないときのリップルを少なくしながら、コイルと平滑コンデンサーの回路を簡単にできる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかかる防災用照明のブロック図
【図2】図1に示す防災用照明の回路図
【符号の説明】
1…電源回路
2…充電回路
3…DC/DC電圧調整回路
8…光源
9…点灯回路
10…二次電池
11…消灯回路
12…入力端子
13…電源端子
14…一時オフ回路
15…第1整流回路
16…第2整流回路
17…直列回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、商用電源が停電すると、二次電池で光源を点灯させる誘導灯や非常灯等の防災用照明に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘導灯や非常灯等の防災用照明は、24時間連続して点灯するために、商用電源が停電しても点灯させる必要がある。これ等の防災用照明は、日本においては交流100Vの商用電源で光源を点灯する。商用電源が停電すると、二次電池に切り換えて光源を点灯する。二次電池は、商用電源が停電したときに光源を点灯できるように、商用電源で充電してつねに満充電された状態に保持される。
【0003】
このことを実現する防災用照明は、特許文献1に記載される。この防災用照明は、商用電源の電圧を、光源の点灯電圧に降圧する電源回路と、二次電池を充電する充電回路と、二次電池の電圧を調整するDC/DC電圧調整回路とを備えている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−338784号公報
【0005】
この防災用照明は、停電していない状態では、電源回路の出力で光源を点灯する。さらに、この時、充電回路が二次電池をトリクル充電して満充電された状態に保持する。商用電源が停電すると、DC/DC電圧調整回路が二次電池の電圧を調整して光源を点灯させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この構造の防災用照明は、停電しないときに商用電源で光源を点灯する電源回路と、停電したときに二次電池の電圧を調整するDC/DC電圧調整回路とを備えている。電源回路は、商用電源を降圧するトランスと、このトランスで降圧された交流を整流するダイオードと、ダイオードで整流された脈流を平滑にするコイルと平滑コンデンサーからなる平滑回路とを備えている。さらに、二次電池の電圧を調整するDC/DC電圧調整回路は、電池電圧を制御するコイルと、このコイルにパルス電流を流して電圧を調整するために、数十kHz〜数百kHzの周波数でオンオフに切り換えられるスイッチング素子と、コイルで電圧調整された交流を平滑にする平滑コンデンサーとを備えている。
【0007】
以上の防災用照明は、電源回路とDC/DC電圧調整回路の両方に、コイルと平滑コンデンサーを備えるので、回路構成が複雑になって製作コストが高くなる。本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、電源回路とDC/DC電圧調整回路のコイルと平滑コンデンサーを併用することで、回路構成を簡単にして安価に多量生産できる停電時に電池で点灯する防災用照明を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の停電時に電池で点灯する防災用照明は、商用電源が停電しないときは商用電源で光源8を点灯し、商用電源が停電すると二次電池10に切り換えて光源8を点灯する。この防災用照明は、商用電源を光源8の点灯電圧とする電源回路1と、商用電源で充電される二次電池10と、商用電源で二次電池10を充電する充電回路2と、商用電源の非停電状態では非動作状態となって、停電状態で動作状態となって二次電池10の電圧を制御して光源8を点灯するDC/DC電圧調整回路3とを備えている。光源8を電源回路1又はDC/DC電圧調整回路3で点灯するために、電源回路1の出力側と、DC/DC電圧調整回路3の出力側を、直接又は間接に光源8に接続している。商用電源が非停電状態では、DC/DC電圧調整回路3を非動作状態として、電源回路1の出力で光源8を点灯する。商用電源が停電すると、DC/DC電圧調整回路3が動作状態に切り換えられて、DC/DC電圧調整回路3が二次電池10の電圧を制御して光源8を点灯する。さらに、本発明の防災用照明は、DC/DC電圧調整回路3が、コイルL2とダイオードD15との直列回路17と、この直列回路17のコイルL2とダイオードD15との接続点に接続しているスイッチング素子Q12とを備えており、電源回路1の出力側を、DC/DC電圧調整回路3の直列回路17を介して光源8に接続している。この防災用照明は、停電しないときには、DC/DC電圧調整回路3を動作させないので、DC/DC電圧調整回路3のコイルL2は、電源回路1の平滑用のコイルとなって電源回路1の脈流を平滑にする。商用電源が停電すると、DC/DC電圧調整回路3のコイルL2は、スイッチング素子Q12でパルス電流が流されて、二次電池10の電圧を光源8の点灯電圧に制御する。
【0009】
さらに、本発明の防災用照明は、直列回路17の両端に平滑コンデンサーC21、C24を接続して、脈流をリップルの少ない直流とすることができる。また、DC/DC電圧調整回路3は、電源回路1の出力電圧で停電状態を検出し、停電状態で動作状態として、二次電池10の電圧を調整して光源8を点灯することができる。さらに、防災用照明は、電源回路1とDC/DC電圧調整回路3の出力側と光源8との間に、光源8の点灯を制御する点灯回路9を接続することができ、この点灯回路9に一時オフ回路14を設けて、一時オフ回路14でもって、商用電源が停電状態になると一時的に点灯回路9をオフに切り換えて、光源8を一時的に消灯することができる。この防災用照明は、停電したときにDC/DC電圧調整回路3を軽負荷で安定して起動できる。一時オフ回路14は、タイマー回路とし、あるいは、停電状態を検出して点灯回路9をオフに切り換え、DC/DC電圧調整回路3の出力電圧が設定電圧よりも高くなると点灯回路9をオンに切り換える回路とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための防災用照明を例示するものであって、本発明は防災用照明を以下のものに特定しない。
【0011】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0012】
図1のブロック図と図2の回路図に示す防災用照明は、通常は商用電源で光源8を点灯するが、商用電源が停電すると、二次電池10で光源8を点灯する。光源8は、直流で点灯するLEDが利用できるが、直流を交流に変換して蛍光灯ランプを利用することもできる。この図の防災用照明は、商用電源で光源8を点灯電圧とする電源回路1と、商用電源で充電される二次電池10と、商用電源で二次電池10を充電する充電回路2と、商用電源が停電しない状態では動作状態とならず、停電すると動作状態となって二次電池10の電圧を制御して光源8を点灯するDC/DC電圧調整回路3と、光源8の点灯を制御する点灯回路9を備えている。この図の防災用照明は、電源回路1の出力側とDC/DC電圧調整回路3の出力側を、点灯回路9を介して光源8に接続している。ただし、電源回路とDC/DC電圧調整回路の出力側は、点灯回路を介することなく、直接に光源に接続することもできる。
【0013】
以上の防災用照明は、商用電源が停電しない状態では、DC/DC電圧調整回路3を動作させない状態として、電源回路1の出力で光源8を点灯する。商用電源が停電すると、DC/DC電圧調整回路3を動作状態として二次電池10の電圧を調整して光源8を点灯する。
【0014】
電源回路1は、入力される商用電源である交流の100Vを、光源8の点灯電圧の直流に変換する。図の電源回路1は、入力される商用電源を直流に変換した後、商用電源よりも高い周波数の交流に変換してトランスで電圧を低下させるスイッチング電源である。この電源回路1は、商用電源を整流して直流に変換するブリッジダイオードREと平滑コンデンサーC3からなる第1整流回路15と、この第1整流回路15の直流をスイッチングして高い周波数に変換するスイッチングIC1と、このスイッチングIC1を一次側に接続しているトランスT1と、トランスT1の二次側に接続しているダイオードD11と平滑コンデンサーC21からなる第2整流回路16とを備える。この図の防災用照明は、電源回路1をスイッチング電源としているが、本発明は、電源回路をスイッチング電源には特定しない。電源回路は、商用電源を周波数変換することなくトランスで電圧を低下して、ダイオードで整流して平滑コンデンサーで平滑にすることもできる。
【0015】
図2の電源回路1は、点灯回路9を制御して、点灯回路9をオンオフに切り換える消灯回路11を備えている。消灯回路11は、フォトカップラPC2を介して点灯回路9に接続している。フォトカップラPC2は、入力端子12をオープンにすると、LEDが消灯されて、点灯回路9をオフとする。入力端子12を一方の電源端子13に接続すると、フォトカップラPC2のLEDは点灯され、点灯回路9のフォトカップラPC2を導通状態として、光源8を点灯できる状態とする。
【0016】
二次電池10は、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池、リチウムイオン二次電池等の充電できる電池である。二次電池10は、ひとつの電池で構成され、あるいは複数の電池を直列または並列に接続したもので構成される。二次電池10は、満充電された状態での電圧を電源回路1の出力電圧よりも低くしている。二次電池10の電圧を電源回路1の出力電圧よりも低くすると、簡単な充電回路2で充電できる。ただし、二次電池の電圧は、必ずしも電源回路の出力電圧よりも低くする必要はない。
【0017】
充電回路2は、二次電池10を電源回路1の出力で充電して、つねに満充電された状態とする。図の充電回路2は、電源回路1と二次電池10との間に接続している電流制限抵抗R21A、R21Bでもって、二次電池10を微小電流でトリクル充電する。この充電回路2は、0.03〜0.1Cの電流で二次電池10を常に充電して満充電された状態に保持するように、電流制限抵抗R21A、R21Bの抵抗値を設定する。この充電回路2は、極めて簡単な回路構成にできる。ただし、本発明の防災用照明は、0.1C以上の電流で二次電池を充電して、満充電を検出して充電を停止し、その後、二次電池が自己放電して残容量が少なくなると、再び充電を開始する充電回路とすることもできる。
【0018】
DC/DC電圧調整回路3は、コイルL2とダイオードD15との直列回路17と、この直列回路17のコイルL2とダイオードD15との接続点に接続しているスイッチング素子Q12と、スイッチング素子Q12を所定の周期でオンオフに切り換えるスイッチング回路IC2とを備える。
【0019】
コイルL2とダイオードD15の直列回路17は、電源回路1の出力側と光源8との間に接続されて、電源回路1の出力を、コイルL2とダイオードD15の直列回路17を介して光源8に接続している。図の防災用照明は、点灯回路9を備えるので、正確には電源回路1の出力側と点灯回路9との間に直列回路17を接続しており、直列回路17は点灯回路9を介して光源8に接続している。点灯回路9は、必ずしも必要としないので、点灯回路のない防災用照明は、直列回路を直接に光源に接続する。
【0020】
電源回路1の出力側に接続しているDC/DC電圧調整回路3のコイルL2は、停電していない状態においては、電源回路1の平滑用のコイルとなって電源回路1の脈流を平滑にする。商用電源が停電するときに、DC/DC電圧調整回路3コイルL2は、二次電池10の電圧を調整する。
【0021】
直列回路17は、両端に平滑コンデンサーC21、C24を接続している。入力側であるコイルL2に接続している平滑コンデンサーC21は、電源回路1の出力を平滑にするコンデンサーである。この平滑コンデンサーC21は、停電状態では二次電池10と並列に接続されて、二次電池10からDC/DC電圧調整回路3に出力する、パルス電流のピーク値を大きくする。すなわち、二次電池10の実質的な出力インピーダンスを低くする働きをする。直列回路17の出力側であるダイオードD15に接続している平滑コンデンサーC24は、DC/DC電圧調整回路3の出力と、電源回路1の出力の両方を平滑にする電解コンデンサーである。したがって、この平滑コンデンサーC24は、停電しないときは、電源回路1の出力を平滑化してリップルの少ない直流とし、停電状態ではDC/DC電圧調整回路3の出力を平滑にしてリップルを少なくする。
【0022】
図の防災用照明は、DC/DC電圧調整回路3のコイルL2と平滑コンデンサーC24を、電源回路1の出力側に接続している。すなわち、電源回路1の出力側を、コイルL2と平滑コンデンサーC24を介して光源8に接続している。したがって、DC/DC電圧調整回路3のコイルL2と平滑コンデンサーC24は、停電しないで電源回路1が光源8を点灯するとき、電源回路1のダイオードD11で整流された脈流を平滑にする平滑回路として使用される。商用電源が停電して、電源回路1から出力されなくなると、DC/DC電圧調整回路3が動作状態となり、コイルL2で二次電池10の電圧を昇圧し、平滑コンデンサーC24で平滑にして光源8を点灯する。
【0023】
コイルL2で二次電池10の電圧を昇圧するために、スイッチング回路IC2が、所定の周期でスイッチング素子Q12をオンオフに切り換える。スイッチング回路IC2は、スイッチング素子Q12をオンオフに切り換えるデューティを制御して、平滑コンデンサーC24の電圧、すなわちDC/DC電圧調整回路3の出力電圧を調整する。図のスイッチング回路IC2は、出力電圧を調整するフィードバック回路を有する。フィードバック回路は、出力電圧をスイッチング回路IC2の▲1▼と▲2▼の端子に入力している。
【0024】
ところで、DC/DC電圧調整回路3は、商用電源が停電したときに限って動作状態となり、非停電状態では動作状態とならない。DC/DC電圧調整回路3は、商用電源が停電すると動作状態となってスイッチング素子Q12を所定の周期でオンオフに切り換えて二次電池10の電圧を昇圧するが、商用電源が停電していない状態では動作状態とならずに、スイッチング素子Q12をオフ状態に保持する。
【0025】
図のスイッチング回路IC2は、電源回路1の出力電圧を検出して停電状態を検出する。商用電源が停電すると動作状態となって二次電池10の電圧を昇圧して光源8を点灯する。図2のスイッチング回路IC2は、電源回路1の出力電圧を、ダイオードD14を介して電圧検出端子(▲7▼ピン)に入力している。このスイッチング回路IC2は、停電して電圧検出端子の電圧が”Low”になると、動作状態となって、スイッチング素子Q12をオンオフに切り換える。商用電源が停電していない状態では、電圧検出端子の電圧が”High”となるので、この状態では動作しなくなってスイッチング素子Q12をオフに保持する。
【0026】
スイッチング回路IC2が動作状態になってスイッチング素子Q12をオンオフに切り換えると、コイルL2とダイオードD15との接続点の電圧は、パルス状に変動する。スイッチング素子Q12がオンの状態で接続点の電圧は0Vになる。このときコイルL2に電流が流れて、コイルL2に電流のエネルギーが蓄えられる。スイッチング素子Q12がオフになると、コイルL2に蓄えられるエネルギーが接続点の電圧を上昇させる。コイルL2に蓄えられる電流のエネルギーは、コイルL2に流れる電流の自乗と、コイルL2のインダクタンスの積に比例する。したがって、コイルL2に流れる電流の大きさで接続点の電圧を調整できる。コイルL2はスイッチング素子Q12をオンにする時間が長くなると、電流が増加する。したがって、スイッチング素子Q12のオン時間でコイルL2に流れる電流、すなわち、コイルL2に蓄えられるエネルギーを調整して、接続点の電圧を制御できる。したがって、スイッチング素子Q12をオンオフにする毎に、接続点の電圧はパルス状に変動する。このパルス電圧はダイオードD15で整流される。整流された脈流は、ダイオードD15の出力側に接続している平滑コンデンサーC24で平滑化される。このとき、平滑コンデンサーC24は、パルスのピーク電圧に近い電圧で充電される。したがって、平滑コンデンサーC24の充電電圧、いいかえると接続点のピーク電圧は、スイッチング素子Q12をオンにする時間、すなわちスイッチング素子Q12をオンオフに切り換えるデューティで調整できる。スイッチング素子Q12のオフ時間に比較してオン時間が長くなると、コイルL2に流れる電流が大きくなって、コイルL2に蓄えられるエネルギーが大きくなり、接続点の電圧が高くなって、平滑コンデンサーC24の電圧も高くなる。反対にオン時間を短くすると、コイルL2の電流が小さくなり、コイルL2に蓄えられるエネルギーが小さくなって平滑コンデンサーC24の電圧は低くなる。図のスイッチング回路IC2は、平滑コンデンサーC24の電圧を検出し、この検出電圧を▲1▼と▲2▼の端子にフィードバックして、出力電圧を設定電圧に安定化させている。二次電池10は、放電が進行すると電圧が低下する。電圧が低下すると、スイッチング回路はスイッチング素子Q12をオンオフに切り換えるデューティを調整して、光源8の点灯電圧を一定にする。
【0027】
以上のように、商用電源が停電すると、DC/DC電圧調整回路3のコイルL2は、二次電池10の電圧を設定電圧に昇圧するトランスの作用をするが、商用電源が停電しないときには、電源回路1の脈流を平滑化するチョークコイルの作用をする。平滑化するチョークコイルは、電源電圧を低下させることはあっても高くすることはない。すなわち、コイルL2は、商用電源が停電する時と停電しないときとで、全く異なる作用をして、電源回路1の平滑用チョークコイルと、二次電池10の電圧を昇圧する昇圧トランスとに併用される。
【0028】
点灯回路9は、電源回路1及びDC/DC電圧調整回路3の出力側と光源8との間に接続される。点灯回路9は、光源8を点灯するときにオン、消灯するときにオフに切り換えられる点滅用スイッチング素子Q16と、この点滅用スイッチング素子Q16をオンオフに切り換える一時オフ回路14とを備える。点滅用スイッチング素子Q16は、一時オフ回路14にオンオフに制御される。点灯回路9の一時オフ回路14は、電源回路1とDC/DC電圧調整回路3の両方で制御されて、点滅用スイッチング素子Q16をオンオフに制御する。
【0029】
一時オフ回路14は、商用電源が停電状態になると、一時的に点灯回路9をオフに切り換えて、光源8を一時的に消灯する。消灯回路11が停電した瞬間から、点灯回路9が光源8を点灯すると、DC/DC電圧調整回路3が動作を開始したときに、負荷が大きくなる。この状態で負荷が大きいと、過電流で部品が破損したり、あるいはドライブ電力が不足して正常に動作できないことがある。消灯回路11が停電したときに、一時オフ回路14が光源8を一時的に消灯する状態で、DC/DC電圧調整回路3をスタートさせると、DC/DC電圧調整回路3は無負荷でスタートされて動作状態となる。動作状態となったDC/DC電圧調整回路3は、平滑コンデンサーC24を設定電圧に充電する。この状態で、一時オフ回路14は、点滅用スイッチング素子Q16をオンに切り換える。このようにすれば、DC/DC電圧調整回路3を確実に安定して動作状態に切り換えできる。安定して動作する状態になったDC/DC電圧調整回路3は、その後に点滅用スイッチング素子Q16をオンに切り換えて、光源8を点灯できる。
【0030】
図2の点灯回路9は、一時オフ回路14をタイマーとしている。タイマー回路は、点滅用スイッチング素子Q16をドライブするドライブトランジスターQ15のベースに接続しているタイミングコンデンサーC25と、このタイミングコンデンサーC25に接続しているタイミング抵抗R34で実現される。このタイマー回路は、タイミング抵抗R34とタイミングコンデンサーC25でもって、ドライブトランジスターQ15のベース電圧の上昇時間を遅らせて、ドライブトランジスターQ15がオンに切り換えられるのを遅らせる。ドライブトランジスターQ15がオンになって、点滅用スイッチング素子Q16をオンに切り換えるからである。
【0031】
ただし、一時オフ回路は、DC/DC電圧調整回路の出力電圧を検出し、この出力電圧が設定電圧になると点滅用スイッチング素子をオフからオンに切り換える回路とすることもできる。
【0032】
以上の防災用照明は、停電しない非停電状態においては、電源回路1が光源8を点灯する。このとき、DC/DC電圧調整回路3のコイルL2は、電源回路1の平滑用のコイルとなって脈流を平滑にして光源8を点灯する。商用電源が停電すると、DC/DC電圧調整回路3が光源8を点灯するが、このときDC/DC電圧調整回路3のコイルL2は、二次電池10の電圧を昇圧し、コイルL2で昇圧された交流を平滑コンデンサーC24で平滑にして光源8を点灯する。
【0033】
また、本実施例に、以下の追加の機能を付加することもできる。光源寿命または電池寿命に達すると、光源自体を点滅させたり、別途設けられるLEDモニターを点滅、点灯させて、光源または電池の交換時期を知らせる機能を追加してもよい。このような交換時期は、光源の累計点灯時間(電池のトリクル充電累積時間でもある)を清算することにより、所定の累積時間に到達したとき認識できるものである。また、特に、光源自体が点滅するときは、人がすぐに点滅していることを認識することができるので、光源寿命、電池寿命を忘れることなく認識できる。また、このような光源の点滅を、手動又は自動で復帰させる機能をも備えている。そして、寿命に達した光源、電池を交換しないかぎりは、繰り返し寿命を知らせるため、周期的(例えば、1日に一度)に点滅させることもできる。
【0034】
【発明の効果】
本発明の防災用照明は、回路構成を簡単にして、しかも安価に多量生産できる特長がある。それは、DC/DC電圧調整回路に備える昇圧用のコイルと、このコイルで昇圧された交流を整流して平滑にする平滑コンデンサーの両方を、商用電源を直流に変換するチョークコイルと平滑用のコンデンサーに併用しているからである。DC/DC電圧調整回路は、コイルと直列に整流用のダイオードが接着される。このため、電源回路の出力側は、コイルとダイオードの直列回路を介して光源に接続される。ダイオードは、電源回路が光源を点灯するときに、順方向に電流が流れる。このため、DC/DC電圧調整回路のダイオードは、電源回路の脈流を平滑化する作用を阻害することはない。したがって、本発明の防災用照明は、商用電源が停電するときには、DC/DC電圧調整回路を動作状態としてコイルにパルス電流を流して二次電池の電圧を昇圧し、コイルで昇圧した交流をダイオードで整流して平滑コンデンサーで平滑にするが、商用電源が停電しないときは、DC/DC電圧調整回路の動作を停止し、DC/DC電圧調整回路のコイルにパルス電流を流すことなく、このコイルを商用電源を整流した脈流を平滑化する平滑用のチョークコイルとして使用し、さらにコイルの出力側に接続している平滑コンデンサーで脈流を平滑にする。このため、商用電源が停電するときと、停電しないときのリップルを少なくしながら、コイルと平滑コンデンサーの回路を簡単にできる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかかる防災用照明のブロック図
【図2】図1に示す防災用照明の回路図
【符号の説明】
1…電源回路
2…充電回路
3…DC/DC電圧調整回路
8…光源
9…点灯回路
10…二次電池
11…消灯回路
12…入力端子
13…電源端子
14…一時オフ回路
15…第1整流回路
16…第2整流回路
17…直列回路
Claims (6)
- 商用電源で光源(8)を点灯すると共に、商用電源の停電状態においては二次電池(10)で光源(8)を点灯するようにしてなる停電時に電池で点灯する防災用照明であって、
商用電源を光源(8)の点灯電圧とする電源回路(1)と、商用電源で充電される二次電池(10)と、商用電源で二次電池(10)を充電する充電回路(2)と、商用電源の非停電状態では非動作状態となって、停電状態で動作状態となって二次電池(10)の電圧を制御して光源(8)を点灯するDC/DC電圧調整回路(3)とを備えており、
電源回路(1)の出力側とDC/DC電圧調整回路(3)の出力側を直接又は間接に光源(8)に接続しており、
商用電源が非停電状態では、DC/DC電圧調整回路(3)を非動作状態として、電源回路(1)の出力で光源(8)を点灯し、停電状態においてはDC/DC電圧調整回路(3)が動作状態となって二次電池(10)の電圧を制御して光源(8)を点灯するようにしており、
さらに、DC/DC電圧調整回路(3)が、コイル(L2)とダイオード(D15)との直列回路(17)と、この直列回路(17)のコイル(L2)とダイオード(D15)との接続点に接続されて、停電状態においては所定の周期でオンオフに切り換えられるスイッチング素子(Q12)とを備え、電源回路(1)の出力側をDC/DC電圧調整回路(3)の直列回路(17)を介して光源(8)に接続しており、
非停電状態においてDC/DC電圧調整回路(3)のコイル(L2)が電源回路(1)の平滑用のコイルとなって電源回路(1)の脈流を平滑にし、停電時にはコイル(L2)でもって二次電池(10)の電圧を制御するようにしてなる停電時に電池で点灯する防災用照明。 - 直列回路(17)の両端に平滑コンデンサー(C21)、(C24)を接続している請求項1に記載される停電時に電池で点灯する防災用照明。
- DC/DC電圧調整回路(3)が、電源回路(1)の出力電圧で停電状態を検出し、停電状態で動作状態となって二次電池(10)の電圧を調整して光源(8)を点灯する請求項1に記載される停電時に電池で点灯する防災用照明。
- 電源回路(1)とDC/DC電圧調整回路(3)の出力側と光源(8)との間に、光源(8)の点灯を制御する点灯回路(9)を接続しており、この点灯回路(9)は一時オフ回路(14)を備えており、一時オフ回路(14)は商用電源が停電状態になると一時的に点灯回路(9)をオフに切り換えて、光源(8)を一時的に消灯するようにしてなる請求項1に記載される停電時に電池で点灯する防災用照明。
- 一時オフ回路(14)が、タイマー回路である請求項4に記載される停電時に電池で点灯する防災用照明。
- 一時オフ回路(14)が、停電状態を検出して点灯回路(9)をオフに切り換え、DC/DC電圧調整回路(3)の出力電圧が設定電圧よりも高くなると点灯回路(9)をオンに切り換える回路である請求項4に記載される停電時に電池で点灯する防災用照明。
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