JP2004260531A - タイミング検出方法と装置およびそれを利用した受信装置 - Google Patents

タイミング検出方法と装置およびそれを利用した受信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の伝搬路を経由して到来した信号からシンボルのタイミングを検出する。
【解決手段】逆拡散部48は、デジタル受信信号200を逆拡散処理してMF出力信号210を出力する。乗算部68は、先頭候補タイミングと異なったMF出力信号210と、先頭候補タイミングのMF出力信号210間の位相差を計算して、位相差信号212を出力する。遅延候補タイミング選択部58は、遅延候補タイミングに相当する位相差信号212を選択する。比較部74は、位相差信号212が、同一象限に属する確率を計算する。判定部76は、比較部74の出力値が、予め定めたしきい値の比較によって、シンボルの先頭タイミングを判定して、これを先頭タイミング信号208として出力する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタイミング検出技術とそれを利用した受信技術に関する。特に、スペクトル拡散通信システムにおけるタイミング検出方法と装置およびそれを利用した受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線LAN(Local Area Network)などに使用されているスペクトル拡散技術では、シンボルのベースバンドの占有帯域幅よりも高い周波数の拡散符号を使用して、シンボルを拡散処理する。シンボルは、より幅広い周波数帯域幅に拡散処理されるため、パワースペクトル密度が低くなり、その結果他の通信システムに与える干渉が小さくなる。さらに拡散処理されたシンボルは、一般に拡散処理されていないシンボルより検出が困難なため、他の通信システムとの間で混信も生じにくい。
【0003】
拡散符号に公知の擬似ランダム符号語が使用されると、同一の擬似ランダム符号語を有しない受信装置は、当該擬似ランダム符号語によって拡散処理された変調信号を復調できない。擬似ランダム符号語は、一般にチップのシーケンスで構成され、当該チップは「−1」または「+1」あるいは「0」と「1」の値を有する。擬似ランダム符号語の一例は、M系列、ゴールド符号(Gold codes)があるが、IEEE802.11標準に準拠した無線LANは、バーカー符号語(Barker codes)を使用する。このバーカー符号語は、シーケンス「01001000111」あるいは「+1、−1、+1、+1、−1、+1、+1、+1、−1、−1、−1」の値を有する11個のチップで構成されている。
【0004】
無線LANのひとつのIEEE802.11標準においては、送信されるバーストの先頭部分にトレーニングプリアンブルが配置され、その後データフィールドが続く。さらに、トレーニングプリアンブルには、SYNC(同期)フィールド、SFD(フレームデミリター開始)フィールド、SIGNALフィールドなどが含まれる。SYNCフィールドを含むトレーニングプリアンブルは、差分二進位相シフトキーイング(DBPSK:Differential Binary Phase Shift Keying)変調をした後、拡散処理して送信される。受信装置では、SYNCフィールドを検出し、検出したSYNCフィールドのシンボルに受信装置の内部クロックを整合させた固定基準フレームを確立し、当該固定基準フレームをもとにSYNCフィールドに続くSFDフィールド等を解釈する(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−215205号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
受信装置は固定基準フレームを確立する、すなわち送信装置とのタイミング同期を確立するために、一般に拡散処理されたSYNCフィールドを拡散符号によって逆拡散処理し、その結果得られる逆拡散処理された信号の強度のピークを検出する。すなわち逆拡散処理された信号の強度のピークにおけるタイミングがシンボルの先頭タイミングに対応する。一方、無線LANなどの無線通信システムにおける送信装置と受信装置間の無線伝搬路においては、送信装置を出力した信号が直接受信装置に到達する直接波に加えて、所定の反射物で反射された後に受信装置に到達する遅延波が存在する場合もある。
【0007】
そのような無線伝搬路を経由した受信信号が逆拡散処理された場合、逆拡散処理された信号には、直接波と遅延波のそれぞれに対応した強度のピークが存在する。一般に、信号の強度の複数のピークのうち、直接波に対応するピークは不明であるため、ひとつのシンボルに複数の先頭タイミングの候補が存在する。特に、無線通信システムにおいては、遅延波に対応した逆拡散処理された信号の強度のピークが、直接波に対応したものより大きい場合もあるので、先頭タイミングを強度の最大値に対応したタイミングに決定すると、受信特性を劣化させる場合もある。さらに、直接波と遅延波の時間差がシンボル期間の半分以内ならば、ひとつのシンボル期間内で集中して存在する信号の強度の複数のピークの先頭を先頭タイミングに決定できるが、当該時間差がシンボル期間の半分以上になれば、そのような方法による先頭タイミングの検出が困難になる。
【0008】
本発明者はこうした状況を認識して、本発明をなしたものであり、その目的はスペクトル拡散通信システムにおけるタイミング検出方法と装置およびそれを利用した受信装置を提供することである。また、伝搬時間の異なった複数の無線伝搬路を経由した信号に対応したタイミング検出方法と装置およびそれを利用した受信装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様はタイミング検出装置である。この装置は、所定のシンボルが拡散処理された信号を入力する入力部と、入力した信号を逆拡散処理する逆拡散処理部と、逆拡散処理した信号の強度のピークに対応したタイミングを起点として、シンボル間隔で出現すべき先頭候補タイミングを検出し、さらに逆拡散処理した信号の強度のピークとは別の強度のピークに対応したタイミングを起点として、シンボル間隔で出現すべき遅延候補タイミングを検出する候補タイミング検出部と、先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号と、遅延候補タイミングにおける逆拡散処理した信号間における位相差をそれぞれ検出する位相検出部と、検出した位相差のそれぞれが、位相平面における所定の領域内に属する確率が所定のしきい値より大きい場合に、先頭候補タイミングをシンボルの先頭タイミングに決定する決定部とを含む。
【0010】
「強度」は、電力、振幅、振幅の絶対値などを含むものとする。
「位相差」は、先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号と、遅延候補タイミングにおける逆拡散処理した信号間の直接的な位相差だけでなく、先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号に含まれた情報成分と、遅延候補タイミングにおける逆拡散処理した信号間の位相差のような、別の信号を介した間接的な位相も含むものとする。
「しきい値より大きい場合」には、しきいと同じ値を含んでもよいとする。
【0011】
候補タイミング検出部は、ひとつのシンボル期間内において、逆拡散処理した信号の強度のふたつのピークのうち前方のピークに対応した第1のタイミングと、後方のピークに対応した第2のタイミングをそれぞれ検出するピークタイミング検出部と、第1のタイミングと第2のタイミングの間隔が、第1のタイミングをシンボル期間遅延させたタイミングと第2のタイミングの間隔より小さければ第1のタイミングから先頭候補タイミングを決定し、大きければ第2のタイミングから先頭候補タイミングを決定する基準決定部とを含んでもよい。
「強度のふたつのピーク」には、逆拡散処理した信号をさらに統計処理した信号における強度のふたつのピークも含むものとする。
【0012】
位相検出部は、先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号と所定の基準信号から、先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号に含まれたシンボルの情報成分を推定する推定部と、遅延候補タイミングにおける逆拡散処理した信号と推定した情報成分間の位相差を計算する計算部とを含んでもよい。この装置において、推定部は、先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号から推定した情報成分を除去し、さらに当該情報成分を除去した先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号を統計処理して、基準信号を生成してもよい。
「統計処理」には、例えば平均処理などを含むが、その処理期間などは限定しないものとする。
【0013】
位相検出部は、決定部においてシンボルの先頭タイミングが決定されない場合に、先頭候補タイミングと遅延候補タイミングを入れ替えて、再度位相差検出処理を行ってもよい。
【0014】
以上の装置により、先頭候補タイミングと遅延候補タイミングにおける信号の位相差を複数のシンボル期間で観測し、その結果の分散で先頭のタイミングを判定するため、遅延波が存在する無線伝搬路を経由した受信信号からもシンボルの先頭タイミングを検出可能である。
【0015】
本発明の別の態様は受信装置である。この装置は、タイミング検出装置と、タイミング検出装置で検出されたシンボルの先頭タイミングにもとづいてシンボルを復調処理する復調部とを含む。この装置において、タイミング検出装置は、拡散処理されたシンボルを逆拡散処理した信号の強度の複数のピークをひとつのシンボル期間内において検出してから、当該強度の複数のピークに対応したタイミング間における位相差を複数のシンボル期間で観測し、位相差のそれぞれが所定の範囲内となる確率がしきい値より大きければ、強度の複数のピークのうち先頭のピークに対応したタイミングをシンボルの先頭タイミングとして検出してもよい。
【0016】
本発明のさらに別の態様はタイミング検出方法である。この方法は、拡散処理されたシンボルを逆拡散処理した信号の強度の複数のピークをひとつのシンボル期間内において検出してから、当該強度の複数のピークに対応したタイミング間における位相差を複数のシンボル期間で観測し、位相差のそれぞれが所定の範囲内となる確率がしきい値より大きければ、強度の複数のピークのうち先頭のピークに対応したタイミングをシンボルの先頭タイミングとして検出してもよい。
【0017】
本発明のさらに別の態様もタイミング検出方法である。この方法は、所定のシンボルが拡散処理された信号を入力するステップと、入力した信号を逆拡散処理するステップと、逆拡散処理した信号の強度のピークに対応したタイミングを起点として、シンボル間隔で出現すべき先頭候補タイミングを検出し、さらに逆拡散処理した信号の強度のピークとは別の強度のピークに対応したタイミングを起点として、シンボル間隔で出現すべき遅延候補タイミングを検出するステップと、先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号と、遅延候補タイミングにおける逆拡散処理した信号間における位相差をそれぞれ検出するステップと、検出した位相差のそれぞれが、位相平面における所定の領域内に属する確率が所定のしきい値より大きい場合に、先頭候補タイミングをシンボルの先頭タイミングに決定するステップとを含む。
【0018】
遅延候補タイミングを検出するステップは、ひとつのシンボル期間内において、逆拡散処理した信号の強度のふたつのピークのうち前方のピークに対応した第1のタイミングと、後方のピークに対応した第2のタイミングをそれぞれ検出するステップと、第1のタイミングと第2のタイミングの間隔が、第1のタイミングをシンボル期間遅延させたタイミングと第2のタイミングの間隔より小さければ第1のタイミングから先頭候補タイミングを決定し、大きければ第2のタイミングから先頭候補タイミングを決定するステップとを含んでもよい。
【0019】
位相差をそれぞれ検出するステップは、先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号と所定の基準信号から、先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号に含まれたシンボルの情報成分を推定するステップと、遅延候補タイミングにおける逆拡散処理した信号と推定した情報成分間の位相差を計算するステップとを含んでもよい。この方法において、シンボルの情報成分を推定するステップは、先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号から推定した情報成分を除去し、さらに当該情報成分を除去した先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号を統計処理して、基準信号を生成してもよい。
【0020】
位相差をそれぞれ検出するステップは、先頭候補タイミングをシンボルの先頭タイミングに決定するステップにおいてシンボルの先頭タイミングが決定されない場合に、先頭候補タイミングと遅延候補タイミングを入れ替えて、再度位相差検出処理を行ってもよい。
【0021】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0022】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
実施の形態1は、スペクトル拡散通信システムの受信装置において、逆拡散処理した信号から、送信された信号に含まれたシンボルの先頭タイミングを検出するタイミング検出装置に関する。所定の情報成分を含んだシンボルは、拡散処理の後、送信装置から複数の無線伝搬路を経由して受信装置に到達する。一般に、送信装置から受信装置に直接伝送された直接波のタイミングがシンボルの先頭タイミングに相当するが、受信信号を逆拡散処理した信号には、それぞれの無線伝搬路の遅延時間に応じた信号の強度のピークが検出されるため、それらの中から直接波のタイミングの検出は困難となる。
【0023】
本実施の形態におけるタイミング検出装置は、逆拡散処理した信号の強度のピークから、シンボル期間内に存在する直接波に対応したタイミングの候補(以下、「先頭候補タイミング」という)と遅延波に対応したタイミングの候補(以下、「遅延候補タイミング」という)を検出し、先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号と遅延候補タイミングにおける逆拡散処理した信号の位相差を複数シンボル間で観測する。無線伝搬路に急激な変化がなければ、先頭候補タイミングと遅延候補タイミングに含まれるシンボルの情報成分が等しい場合、上記の位相差は複数のシンボル間においてもほぼ一定の値となる。一方、先頭候補タイミングと遅延候補タイミングに含まれるシンボルの情報成分が異なる場合、上記の位相差には、先頭候補タイミングと遅延候補タイミングに含まれるシンボルの情報成分が反映された値になるため、一定の値ではなくなる。
【0024】
図1は、実施の形態1に係る通信システム100を示す。通信システム100は、送信装置10と受信装置16を含む。送信装置10は、1次変調部18、2次変調部20、DA変換部22、直交変調部24、周波数変換部26、増幅部28、送信装置用アンテナ12、制御部30を含む。受信装置16は、受信装置用アンテナ14、周波数変換部32、AGC34、AFC36、直交検波部38、AD変換部40、2次復調部42、1次復調部44、制御部46を含む。また、信号として、デジタル受信信号200、タップ初期係数202、逆拡散処理信号204を含む。
【0025】
1次変調部18は、送信したい情報信号を変調して、送信信号を生成する。変調方式は、QPSK(Qudrature Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)、GMSK(Gaussian filtered Minimum Shift Keying)等の任意のものでよい。
【0026】
2次変調部20は、拡散符号系列にもとづき送信信号を拡散処理して、拡散信号を生成する。ここで、送信信号のひとつの信号を「シンボル」、その速度を「シンボル速度」、拡散符号系列の1ビットの拡散符号を「チップ」、その速度を「チップ速度」、拡散符号の1周期分のチップ数を「拡散符号長」といい、通常チップ速度はシンボル速度よりも高速に設定されているため、拡散処理によって、信号の速度がシンボル速度からチップ速度に高くされる。
【0027】
DA変換部22は、拡散信号をアナログ信号に変換し、直交変調部24はアナログ信号を直交変調し、周波数変換部26は無線周波数に周波数変換する。さらに、無線周波数の送信信号は、増幅部28で増幅された後、送信装置用アンテナ12から送信される。
【0028】
送信された無線周波数の信号は、受信装置用アンテナ14で受信され、周波数変換部32で中間周波数に周波数変換される。
AGC34は、中間周波数の信号の振幅が後述するAD変換部40のダイナミックレンジになるように、中間周波数の信号の振幅を調節する。
【0029】
AFC36は、送信装置10と受信装置16のそれぞれに含まれた図示しない周波数発振器間の周波数誤差を補正する。
直交検波部38が、直交検波した後、AD変換部40がチップ速度以上のサンプリング速度でデジタル変換し、その結果をデジタル受信信号200として出力する。
【0030】
2次復調部42は、拡散符号系列にもとづきデジタル受信信号200を逆拡散処理して、送信信号に対応した逆拡散処理信号204を出力する。さらに、出力を正確にするためには、ひとつの拡散信号に乗算する1チップの拡散符号が、拡散処理において当該ひとつの拡散信号を生成するために乗算した1チップの拡散符号と同一である、すなわち両者のタイミングが同期している必要があるため、2次復調部42はこれらのタイミングの同期処理を実行する。
【0031】
1次復調部44は、逆拡散処理信号204を復調して、送信した情報信号を出力する。復調に同期検波を使用する場合、逆変調法、逓倍法などによるキャリア再生も行うが、ここでは、適応等化器を使用する。そのために、2次復調部42から出力されるタップ初期係数202を使用する。
制御部30と制御部46は、それぞれ送信装置10と受信装置16のタイミングを制御する。
【0032】
図2は、実施の形態1に係るバーストフォーマットを示すが、これはCSMA(Carrier Sense Multiple Access)をベースとした無線LAN(Local Area Network)のひとつであるIEEE802.11b標準のバーストフォーマットである。バーストの先頭から144ビットの間にプリアンブルが、それに続く48ビットの間に、ヘッダが配置されている。プリアンブルのなかにタイミング検出に使用可能なSYNCフィールドが含まれる。
【0033】
図3(a)−(g)は、実施の形態1に係るタイミング検出処理の原理を示す。図3(a)は、送信装置10から送信される信号を示す。図中の「0」あるいは「1」は、シンボルに含まれた情報成分を示し、さらに各シンボルは拡散処理されているものとする。図3(b)は、送信された信号が直接に受信装置16で受信された場合の直接受信信号を示す。ここで、送信した信号と直接受信信号との絶対的な遅延時間は無視するものとし、また無線伝搬路による直接受信信号の符号誤りもないものとする。図3(c)は、直接受信信号を2次復調部42で逆拡散処理したMF出力信号を示す。MF出力信号は、シンボルの情報成分に応じて正と負の方向に振幅のピークを有する。図3(d)は、MF出力信号の振幅のピークに対応した位相を示す。ここでは、シンボル間における位相の回転等はないものとする。
【0034】
図3(e)は、送信した信号が遅延して受信装置16で受信された場合の遅延受信信号を示す。遅延受信信号は直接受信信号と比較して、同一の情報成分を有したシンボルを含むが、時間的に遅延している。実際には、受信装置16によって受信される信号は直接受信信号と遅延受信信号が合成されているため、図3(b)と図3(e)のように分離されていないが、ここでは説明の便宜にため分離して表示している。図3(f)は、図3(c)に対応した遅延受信信号におけるMF出力信号である。図3(g)は、図3(f)のMF出力信号の振幅のピークに対応した位相を示す。
【0035】
受信した信号を逆拡散処理した信号における振幅のピークは、A1からA4とB1からB4で得られる。ここで、A1からA4を先頭候補タイミングとすれば、それぞれの先頭候補タイミングからシンボル期間内においてB1からB4が存在するため、B1からB4は遅延候補タイミングに相当する。次に、シンボル期間内において、先頭候補タイミングと遅延候補タイミングのMF出力信号間の位相差を計算する。すなわち、A1とB1間の位相差、A2とB2間の位相差、A3とB3間の位相差、A4とB4間の位相差をそれぞれ計算する。その結果、それらの位相差は同一になる。一方、B1からB4を先頭タイミング候補とし、A2からA4を遅延候補タイミングとすれば、B1とA2間の位相差、B2とA3間の位相差、B3とA4間の位相差がそれぞれ計算されるが、それぞれの位相差の値はシンボルに含まれた情報成分の影響で異なる。そのため、シンボルの先頭タイミングは、上述の位相差を観測することによって、検出可能である。
【0036】
図4は、2次復調部42の構成を示す。2次復調部42は、逆拡散部48、切替部50、位相検出部52、統計処理部54、ピーク検出部56、遅延候補タイミング選択部58、決定部60を含む。位相検出部52は、ラッチ部62、選択部64、ラッチ部66、乗算部68を含む。決定部60は、象限判定部70、ラッチ部72、比較部74、判定部76を含む。また、信号として、制御信号206、先頭タイミング信号208、MF出力信号210、位相差信号212を含む。
【0037】
逆拡散部48は、デジタル受信信号200を拡散符号によって逆拡散処理し、その結果をMF出力信号210として出力する。構成は、ここではマッチドフィルタとするが、スライディング相関器でもよい。なお、逆拡散部48はサンプリング速度で動作する。
【0038】
切替部50は、制御部46から入力した制御信号206をもとに、MF出力信号210の出力先を変更する。また、シンボルの先頭タイミングが検出された後は、MF出力信号210を逆拡散処理信号204として直接出力する。シンボルの先頭タイミングが検出される前の動作は後述する。
【0039】
ピーク検出部56は、バーストフォーマットにおけるSYNCフィールドの先頭において、MF出力信号210からシンボル期間内におけるふたつの電力あるいは振幅のピークを検出し、これらを先頭候補タイミングと遅延候補タイミングとする。ふたつの電力のピークのうち、前側のピークの時間をt1、後側のピークの時間をt2、シンボル間隔をTとした場合、時間差(t2−t1)と、(t1+T−t2)を比較し、前者が小さければ、ふたつの電力のピークのうち前側のピークに相当するタイミングおよび当該タイミングからシンボル間隔で出現するタイミングを先頭候補タイミングとする。一方、後者が小さければ、ふたつの電力のピークのうち後側のピークに相当するタイミングおよび当該タイミングからシンボル間隔で出現するタイミングを先頭候補タイミングとする。その情報は、位相検出部52にも伝えられる。なお、ピークの検出のために、平均処理のような統計処理が行われてもよい。以上の処理期間中、切替部50の切替はピーク検出部56を選択する。
【0040】
ラッチ部62、選択部64、ラッチ部66は、制御信号206をもとに、乗算部68における乗算の対象となる値が、先頭候補タイミングのMF出力信号210と先頭候補タイミングの1チップ前のMF出力信号210の組合わせ、先頭候補タイミングのMF出力信号210と先頭候補タイミングの1チップ後のMF出力信号210の組合わせ、先頭候補タイミングのMF出力信号210と先頭候補タイミングの2チップ後のMF出力信号210の組合わせ、先頭候補タイミングのMF出力信号210と先頭候補タイミングの3チップ後のMF出力信号210の組合わせのような、先頭候補タイミングと異なったMF出力信号210と、先頭候補タイミングのMF出力信号210の組み合わせとなるように動作する。以上の処理期間中、切替部50の切替も位相検出部52を選択する。
【0041】
乗算部68は、ふたつの信号の位相差を計算して、位相差信号212を出力する。その際、一方の値を複素共役処理してもよい。
遅延候補タイミング選択部58は、サンプリング速度で出力される信号から遅延候補タイミングに相当する位相差信号212を選択する。
【0042】
象限判定部70は、後述する方法によって、遅延候補タイミングに相当する位相差信号212の位相が属する領域を判定する。
ラッチ部72は、位相差の判定の基準とするために、最初の遅延候補タイミングに相当する位相差信号212の象限を記憶する。
【0043】
比較部74は、最初の遅延候補タイミングに相当する位相差信号212の象限と、最初の遅延候補タイミングに続く遅延候補タイミングに相当する位相差信号212の象限を比較し、同一象限に属する確率を計算する。
【0044】
判定部76は、比較部74の出力値が、予め定めたしきい値の比較によって、シンボルの先頭タイミングを判定して、これを先頭タイミング信号208として出力する。すなわち、同一象限に属する確率がしきい値より大きければ、先頭候補タイミングをシンボルの先頭タイミングに決定し、確率がしきい値以下の場合には、先頭候補タイミングは先頭タイミングでないため、先頭候補タイミングを変更して、先頭タイミングの検出処理を再び実行する。
【0045】
統計処理部54は、チップまたは逆拡散部48の動作タイミングごとに位相差信号212を統計処理する。所定の期間経過後、タップ初期係数202として1次復調部44に出力する。1次復調部44では、タップ初期係数202を適応等化器のタップ係数の初期値に使用する。
【0046】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされた予約管理機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0047】
図5は、逆拡散部48の構成を示す。逆拡散部48は、遅延部78と総称される第1遅延部78a、第2遅延部78b、第(L−1)遅延部78(l−1)、データ記憶部80と総称される第1データ記憶部80a、第2データ記憶部80b、第3データ記憶部80c、第(L−1)データ記憶部80(l−1)、第Lデータ記憶部80l、乗算部82と総称される第1乗算部82a、第2乗算部82b、第3乗算部82c、第(L−1)乗算部82(l−1)、第L乗算部82l、加算部84を含む。
【0048】
遅延部78は、デジタル受信信号200をサンプリング速度に対応した時間間隔で遅延させる。
データ記憶部80のそれぞれは、1チップの拡散符号を記憶し、データ記憶部80すべてで拡散符号長の拡散符号を記憶する。
【0049】
乗算部82は、遅延部78から出力されたデジタル受信信号200とデータ記憶部80をそれぞれ乗算する。乗算結果は、加算部84で加算され、MF出力信号210として出力される。
【0050】
図6は、統計処理部54の構成を示す。統計処理部54は、切替部86、加算部88と総称される第1加算部88a、第2加算部88b、第N加算部88n、ラッチ部90と総称される第1ラッチ部90a、第2ラッチ部90b、第Nラッチ部90n、後処理部92を含む。
【0051】
切替部86は、制御信号206によるタイミングをもとに、位相差信号212の出力をチップ間隔ごとに切り替える。なお、サンプリング速度に対応した間隔でもよい。
ラッチ部90は、それぞれ位相差信号212を1シンボル期間遅延させ、加算部88は、遅延された過去の位相差信号212と、新たに入力された位相差信号212を加算する。
【0052】
後処理部92は、統計処理部54への最初の位相差信号212の入力から所定期間経過後に、ラッチ部90と加算部88で積算されたそれぞれの結果を、例えば平均処理などの統計処理を行って、その結果の値それぞれをタップ初期係数202として出力する。なお、所定期間経過の指示は、制御信号206によってなされる。
【0053】
図7は、象限判定部70による象限判定を示す。最初に入力された遅延候補タイミングにおける位相差信号212の位相は、図中のPで示されるように、位相平面の位相0に設定する。続いて、最初の遅延候補タイミングからシンボル間隔で出現する遅延候補タイミングにおける位相差信号212の位相が、位相平面にプロットされる。その際、最初に入力された遅延タイミングにおける位相差信号212の位相と位相0の位相差によって、位相差信号212の位相がそれぞれ変換される。さらに、比較部74は、後に入力される位相差信号212が第1象限と第4象限に存在すれば、同一領域であると判定し、第2象限と第3象限に存在すれば、非同一領域であると判定する。
【0054】
図8は、受信処理のフローチャートを示す。受信した信号をもとにAGC34は、振幅を調整する(S10)。ピーク検出部56は、位相差信号212からシンボル期間内に存在する位相差信号212の電力についての先頭候補タイミングと遅延候補タイミングを検出する(S12)。その後、AGC34は再び振幅を調整する(S14)。AFC36は、周波数偏差を計測して、補正する(S16)。象限判定部70は、先頭候補タイミングと遅延候補タイミングにおけるMF出力信号210の位相差を測定する(S18)。
【0055】
比較部74は、位相差が最初の位相差と同一領域に存在する確率を計算する。同一領域の確率がしきい値より大きくない場合(S20のN)、先頭候補タイミングと遅延候補タイミングを入れ替えて、位相差の測定を再び実行する(S22)。同一領域の確率がしきい値より大きい場合(S20のY)、先頭候補タイミングをシンボルの先頭タイミングに決定する。統計処理部54は、タップ初期係数202を計算する(S24)。1次復調部44における適応等化器は、統計処理部54で計算されたタップ初期係数202から、タップ係数を更新し(S26)、データ受信処理を実行する(S28)。
【0056】
図9(a)は図2のバーストフォーマットをもとに受信処理のタイミングを示す。バーストの先頭においてAGC34が受信した信号の振幅を調節する。ピーク検出部56は、ふたつのピークを検出し、それらから先頭候補タイミングと遅延候補タイミングを決定する。ピークが検出されるとAGC34は再び振幅を調節する。AFC36が受信した信号に含まれた周波数偏差を補正する。2次復調部42は、遅延プロファイルを測定するとともに、シンボルの先頭タイミングを検出する。シンボルの先頭タイミングの検出に成功すれば、測定した遅延プロファイルをもとに1次復調部44で使用するためのタップ初期係数202を計算する。
【0057】
一方、図9(b)は、最初に決定した先頭候補タイミングがシンボルの先頭タイミングで無かった場合の受信処理のタイミングを示す。2次復調部42が1回目の遅延プロファイルを測定するとともに、シンボルの先頭タイミングを検出する。シンボルの先頭タイミングが検出できなければ、先頭候補タイミングと遅延候補タイミングを入れ替えて、シンボルの先頭タイミングを検出する。シンボルの先頭タイミングの検出に成功すれば、測定した遅延プロファイルをもとに1次復調部44で使用するためのタップ初期係数202を計算する。
【0058】
以上の構成による2次復調部42の動作は以下の通りである。逆拡散部48は、入力したデジタル受信信号200を逆拡散処理して、MF出力信号210を出力する。切替部50は、MF出力信号210をピーク検出部56に出力し、ピーク検出部56は、MF出力信号210からシンボル期間内に存在するふたつのMF出力信号210の電力のピークを検出し、そのうちの一方に対応したタイミングを先頭候補タイミングに決定し、他方に対応したタイミングを遅延候補タイミングに決定する。
【0059】
その後、切替部50は、MF出力信号210を位相検出部52に出力し、位相検出部52は、それぞれのタイミングにおける信号と、先頭候補タイミングにおける信号から位相差信号212を計算する。遅延候補タイミング選択部58は、位相差信号212から遅延候補タイミングに相当した位相差信号212を選択する。決定部60は、選択された位相差信号212の位相が属する象限を判定し、さらに複数の象限の判定結果から、先頭候補タイミングがシンボルの先頭タイミングであると決定した場合、先頭タイミング信号208を出力する。また、その際、統計処理部54が位相差信号212を統計処理したタップ初期係数202を出力する。その後、切替部50は、MF出力信号210をそのまま逆拡散処理信号204として出力する。
【0060】
本実施の形態によれば、シンボル期間内のふたつのタイミングにおける信号間の位相差をもとに、シンボルの先頭タイミングを検出するため、精度の高いタイミング検出を可能にする。特に、逆拡散処理された信号に周波数偏差が含まれている場合でも、上述したふたつのタイミングの間隔が小さければ、周波数偏差の影響を小さくできる。
【0061】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1と同様に、先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号と遅延候補タイミングにおける逆拡散処理した信号の位相差を複数シンボル間で観測して、逆拡散処理した信号におけるシンボルの先頭タイミングを検出する。実施の形態1では、ひとつのシンボル期間内での先頭候補タイミングと遅延候補タイミングにおける逆拡散処理された信号の位相差を検出するのに対して、実施の形態2では、最初のシンボルでの遅延候補タイミングと、当該最初のシンボルから連続して受信されるシンボルでの遅延候補タイミングのそれぞれにおける逆拡散処理された信号の位相をもとに、シンボルの先頭タイミングを判定する。異なるシンボル間では、それぞれ含まれたシンボルの情報成分が異なるため、最初のシンボルに含まれたシンボルと情報成分が同一となるように、先頭候補タイミングの逆拡散処理された信号をもとに、遅延候補タイミングにおける逆拡散処理された信号から情報成分を除去する。実施の形態2におけるタイミング検出装置では、遅延候補タイミングにおける逆拡散処理された信号と情報成分の位相差をもとにタイミング検出を行うため、雑音成分の影響が小さくなり、タイミング検出の特性の向上が可能である。
【0062】
図10は、実施の形態2に係る2次復調部42の構成を示す。2次復調部42は、逆拡散部48、切替部50、位相検出部52、統計処理部54、ピーク検出部56、遅延候補タイミング選択部58、決定部60を含む。位相検出部52は、ラッチ部94、π反転部96、データ選択部98、推定部102を含み、推定部102は、π反転部104、直交/位相変換部106、比較部108、位相選択部110を含む。決定部60は、象限判定部70、ラッチ部72、比較部74、判定部76を含む。
【0063】
π反転部104は、先頭候補タイミングにおけるMF出力信号210の位相をπ回転させる。MF出力信号210が直交したふたつの信号の場合、同相成分および直交成分の符号を反転させる。
【0064】
直交/位相変換部106は、π反転部104の出力と、MF出力信号210のそれぞれを位相値に変換する。一般に、直交したふたつの信号から位相値への変換には、ROM(Read Only Memory)が使用される。
【0065】
比較部108は、ふたつの位相値のそれぞれと、統計処理部54から出力される基準信号の位相値をそれぞれ比較して、それらの差分を出力する。
【0066】
位相選択部110は、ふたつの差分の絶対値を比較し、小さいほうの差分を選択する。さらに、小さいほうの差分に対応する位相値が、π反転部104でπ回転された信号あるいはMF出力信号210かを判定し、MF出力信号210のシンボルに含まれた情報成分を推定する。この推定は、シンボル間隔で実行される。
【0067】
ラッチ部94は、推定部102の処理期間に応じて、MF出力信号210を遅延させる。π反転部96は、π反転部104と同一の動作をする。
データ選択部98は、位相選択部110から出力される情報成分に関する信号をもとに、MF出力信号210からシンボルの情報成分を除去する。
【0068】
統計処理部54は、図4における統計処理部54と同様の動作をするが、それに加えて前述のとおり、先頭候補シンボルにおける位相値を平均処理のような統計処理して、比較部108に基準信号を出力する。
【0069】
以上の構成による2次復調部42の動作は以下の通りである。逆拡散部48は、入力したデジタル受信信号200を逆拡散処理して、MF出力信号210を出力する。切替部50は、MF出力信号210をピーク検出部56に出力し、ピーク検出部56は、MF出力信号210からシンボル期間内に存在するふたつのMF出力信号210の電力のピークを検出し、そのうちの一方に対応したタイミングを先頭候補タイミングに決定し、他方に対応したタイミングを遅延候補タイミングに決定する。
【0070】
その後、切替部50は、MF出力信号210を位相検出部52に出力し、位相検出部52は、MF出力信号210から情報成分を除去した信号を出力する。遅延候補タイミング選択部58は、遅延候補タイミングに相当し、かつMF出力信号210から情報成分を除去した信号を選択する。決定部60は、MF出力信号210から情報成分を除去した信号の位相が属する象限を判定し、さらに複数の象限の判定結果から、先頭候補タイミングがシンボルの先頭タイミングであると決定した場合、先頭タイミング信号208を出力する。また、その際、統計処理部54が位相差信号212を統計処理したタップ初期係数202を出力する。その後、切替部50は、MF出力信号210をそのまま逆拡散処理信号204として出力する。
【0071】
本実施の形態によれば、シンボルの先頭タイミングの検出について、直接ふたつのタイミングにおける信号の位相差から計算するのではなく、一方のタイミングにおける信号と情報成分の位相差をもとに判定するため、雑音の影響が少なくなり、タイミング検出の精度がより向上する。また、情報成分の推定は、統計処理した信号を基準信号として使用するため、正確な推定が可能である。
【0072】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0073】
実施の形態1において、位相検出部52は位相情報の検出に乗算部68を使用し、実施の形態2において、位相検出部52は位相情報の検出に直交/位相変換部106を使用しているが、これらの組み合わせは任意のものでよい。つまり、位相情報が検出されればよい。
【0074】
実施の形態1または2において、ピーク検出部56は、シンボル期間に存在するふたつのMF出力信号210の電力のピークを検出している。しかし、これに限らず、ふたつより多いMF出力信号210の電力のピークを検出してもよい。その際、遅延候補タイミング選択部58は、複数種類存在する遅延候補タイミングについての位相差信号212を選択してもよい。本変形例によれば、複数のタイミングで位相誤差を測定するため、タイミングの検出精度が向上する。つまり、シンボルの先頭タイミングを基準としなかった場合に、位相差に情報成分が含まれるようなタイミングが選択されればよい。
【0075】
実施の形態1または2において、判定部76は、シンボルの先頭タイミングの検出のために、位相差が同一領域に属する確率を計算している。しかし、これに限らず、例えば、所定の期間に同一領域に属する位相差の数を計算してもよい。本変形例によれば、除算処理が不要になる。つまり、位相差が非同一領域に入る度合いが検出できればよい。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、スペクトル拡散通信システムにおけるタイミング検出方法と装置およびそれを利用した受信装置を提供できる。また、伝搬時間の異なった複数の無線伝搬路を経由した信号に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る通信システムを示す図である。
【図2】実施の形態1に係るバーストフォーマットを示す図である。
【図3】図3(a)−(g)は、実施の形態1に係るタイミング検出処理の原理を示す図である。
【図4】図1の2次復調部の構成を示す図である。
【図5】図4の逆拡散部の構成を示す図である。
【図6】図4の統計処理部の構成を示す図である。
【図7】図4の象限判定部による象限判定を示す図である。
【図8】図1の受信処理を示すフローチャートである。
【図9】図9(a)−(b)は、図1の受信処理のタイミングを示す図である。
【図10】実施の形態2に係る2次復調部の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 送信装置、 12 送信装置用アンテナ、 14 受信装置用アンテナ、 16 受信装置、 18 1次変調部、 20 2次変調部、 22 DA変換部、 24 直交変調部、 26 周波数変換部、 28 増幅部、 30制御部、 32 周波数変換部、 34 AGC、 36 AFC、 38 直交検波部、 40 AD変換部、 42 2次復調部、 44 1次復調部、46 制御部、 48 逆拡散部、 50 切替部、 52 位相検出部、 54 統計処理部、 56 ピーク検出部、 58 遅延候補タイミング選択部、 60 決定部、 62 ラッチ部、 64 選択部、 66 ラッチ部、 68 乗算部、 70 象限判定部、 72 ラッチ部、 74 比較部、 76 判定部、 78 遅延部、 80 データ記憶部、 82 乗算部、 84加算部、 86 切替部、 88 加算部、 90 ラッチ部、 92 後処理部、 94 ラッチ部、 96 π反転部、 98 データ選択部、 100通信システム、 102 推定部、 104 π反転部、 106 直交/位相変換部、 108 比較部、 110 位相選択部、 200 デジタル受信信号、 202 タップ初期係数、 204 逆拡散処理信号、 206 制御信号、 208 先頭タイミング信号、 210 MF出力信号、 212 位相差信号。

Claims (6)

  1. 所定のシンボルが拡散処理された信号を入力する入力部と、
    前記入力した信号を逆拡散処理する逆拡散処理部と、
    前記逆拡散処理した信号の強度のピークに対応したタイミングを起点として、シンボル間隔で出現すべき先頭候補タイミングを検出し、さらに前記逆拡散処理した信号の強度のピークとは別の強度のピークに対応したタイミングを起点として、シンボル間隔で出現すべき遅延候補タイミングを検出する候補タイミング検出部と、
    前記先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号と、前記遅延候補タイミングにおける逆拡散処理した信号間における位相差をそれぞれ検出する位相検出部と、
    前記検出した位相差のそれぞれが、位相平面における所定の領域内に属する確率が所定のしきい値より大きい場合に、前記先頭候補タイミングをシンボルの先頭タイミングに決定する決定部と、
    を含むことを特徴とするタイミング検出装置。
  2. 前記候補タイミング検出部は、
    ひとつのシンボル期間内において、前記逆拡散処理した信号の強度のふたつのピークのうち前方のピークに対応した第1のタイミングと、後方のピークに対応した第2のタイミングをそれぞれ検出するピークタイミング検出部と、
    前記第1のタイミングと前記第2のタイミングの間隔が、前記第1のタイミングをシンボル期間遅延させたタイミングと前記第2のタイミングの間隔より小さければ前記第1のタイミングから前記先頭候補タイミングを決定し、大きければ前記第2のタイミングから前記先頭候補タイミングを決定する基準決定部と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のタイミング検出装置。
  3. 前記位相検出部は、
    前記先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号と所定の基準信号から、前記先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号に含まれたシンボルの情報成分を推定する推定部と、
    前記遅延候補タイミングにおける逆拡散処理した信号と前記推定した情報成分間の位相差を計算する計算部と、
    を含み、
    前記推定部は、前記先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号から前記推定した情報成分を除去し、さらに当該情報成分を除去した先頭候補タイミングにおける逆拡散処理した信号を統計処理して、前記基準信号を生成することを特徴とする請求項1または2に記載のタイミング検出装置。
  4. 前記位相検出部は、前記決定部において前記シンボルの先頭タイミングが決定されない場合に、前記先頭候補タイミングと前記遅延候補タイミングを入れ替えて、再度位相差検出処理を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のタイミング検出装置。
  5. タイミング検出装置と、
    前記タイミング検出装置で検出されたシンボルの先頭タイミングにもとづいてシンボルを復調処理する復調部とを含み、
    前記タイミング検出装置は、拡散処理されたシンボルを逆拡散処理した信号の強度の複数のピークをひとつのシンボル期間内において検出してから、当該強度の複数のピークに対応したタイミング間における位相差を複数のシンボル期間で観測し、前記位相差のそれぞれが所定の範囲内となる確率がしきい値より大きければ、前記強度の複数のピークのうち先頭のピークに対応したタイミングをシンボルの先頭タイミングとして検出することを特徴とする受信装置。
  6. 拡散処理されたシンボルを逆拡散処理した信号の強度の複数のピークをひとつのシンボル期間内において検出してから、当該強度の複数のピークに対応したタイミング間における位相差を複数のシンボル期間で観測し、前記位相差のそれぞれが所定の範囲内となる確率がしきい値より大きければ、前記強度の複数のピークのうち先頭のピークに対応したタイミングをシンボルの先頭タイミングとして検出することを特徴とするタイミング検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013535153A (ja) * 2010-06-24 2013-09-09 スティヒティング・イメック・ネーデルラント フレームデリミタの開始を検出する方法及び装置

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