JP2004260342A - トランシーバ - Google Patents

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Abstract

【課題】電気光学素子におけるレーザ光の干渉を除去し、高い通信品質をもって適確にデータ通信を行い得るトランシーバを提供する。
【解決手段】生体100からの電界を送受信電極15を介して電気光学素子13に結合し、周波数可変信号発生器31で繰り返し周波数を制御されバイアス回路35で直流バイアスを制御されて間欠的に発生する駆動信号でレーザダイオード11を駆動して間欠的に発生するレーザ光を電界の結合された電気光学素子13に入射し、レーザ光の偏光を偏光検出光学系17で検出し、フォトダイオード部19、信号処理回路113、波形整形回路115を介して入出力回路101に受信信号として出力する場合においてレーザダイオード11による電気光学素子へのレーザ光の間欠照射の繰り返し周波数を変更するように制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばウェアラブルコンピュータ(身体につけるコンピュータ)間のデータ通信のために使用されるトランシーバに関し、更に詳しくは、送信すべき信号に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させ、この誘起した電界を用いて情報の送受信を行うトランシーバであって、特に電界伝達媒体からの電界を結合される電気光学素子での干渉を低減したトランシーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯端末の小型化および高性能化によりウェアラブルコンピュータが注目されてきているが、図8はこのようなウェアラブルコンピュータを人間に装着して使用する場合の例を示している。同図に示すように、ウェアラブルコンピュータ1はそれぞれトランシーバ3を介して人間の腕、肩、胴体などに装着されて互いにデータの送受信を行うとともに、更に手足の先端に接触するトランシーバ3a,3bを介して外部に設けられたパソコン(PC)5とケーブルを介して通信を行うようになっている。
【0003】
このようにウェアラブルコンピュータ1はトランシーバ3を介して生体である人間に装着してデータ通信を行うが、このトランシーバ3ではウェアラブルコンピュータ1からの送信データを電界として電界伝達媒体である生体に誘起し、図8において波線で示すように電界として生体の他の部位に伝達し、また生体に誘起され伝達されてくる電界を受信データとしてトランシーバ3で受信してウェアラブルコンピュータ1に送るようになっている。
【0004】
トランシーバ3は、図9に示すように構成され、ウェアラブルコンピュータ1からの送信データを入出力(I/O)回路101を介して受け取ると、この送信データを送信部103を介して送受信電極105に供給し、該送受信電極105から絶縁膜107を介して電界伝達媒体である生体100に電界を誘起させ、この電界を生体100を介して生体の他の部位に伝達させる。
【0005】
また、トランシーバ3は、生体100の他の部位に装着された別のトランシーバ3から生体100に誘起させられて伝達されてくる電界を絶縁膜107を介して送受信電極105で受信し、この受信した電界を電界検出光学部110に結合して電気信号に変換する。この電気信号は、信号処理回路113で増幅、雑音除去などの信号処理を施され、更に波形整形回路115で波形整形されデジタル信号に変換されてから、入出力回路101を介してウェアラブルコンピュータ1に供給されるようになっている。なお、電界検出光学部110と信号処理回路113は受信部を構成している。
【0006】
電界検出光学部110は、レーザ光と電気光学結晶を用いた電気光学的手法により電界を検出するものであり、レーザ光源を構成するレーザダイオードとこのレーザダイオードからのレーザ光を照射される電気光学結晶である電気光学素子を有する。電気光学素子は、送受信電極105を介して結合される電界によって光学特性である複屈折率が変化し、この複屈折率の変化によりレーザダイオードからのレーザ光の偏光を変化させ、このレーザ光の偏光変化を電気信号に変換して出力するようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−352298号公報
【特許文献2】
特開2001−298425号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、電気光学素子を使用するトランシーバにおいては、従来、レーザダイオードからレーザ光を連続発光させ、この連続発光させたレーザダイオードからのレーザ光を電気光学素子に照射しているが、この場合、電気光学素子の内端面、すなわち電気光学素子の結晶と空気の境界でのレーザ光の僅かな反射により電気光学素子内外で干渉が発生するという問題がある。
【0009】
更に詳しくは、例えば図10(a)に示すように、電気光学素子111に対してその一方の端面側、同図において左端面側からレーザ光を照射すると、このレーザ光は電気光学素子111内を進行し、他方の端面から出射するが、この他方の端面からの出射以外に、レーザ光は他方の端面の内側で反射されて、一方の端面に戻り、この一方の端面で更に反射され、電気光学素子内を進行し、他方の端面から遅れて出射するものがある。なお、このような端面で反射され遅れて出射されるレーザ光は図10(a)では簡単化のため1つのみ図示しているが、更に端面で反射されて、すなわち多重反射されて更に遅れて出射されるレーザ光も複数存在する。
【0010】
この結果、電気光学素子の他方の端面から反射もなく最初に出射したレーザ光と各端面で反射されてから遅れて出射するレーザ光は、受光部に入力されるに当り、互いに同じ位相になったり、逆の位相になったりし、この結果として両レーザ光は重なり合って強まったり、打ち消し合って弱まるという干渉が発生する。
【0011】
このような干渉は、例えば周囲温度やレーザダイオードの駆動電流の変動によりレーザ光の波長が揺らぐと、干渉の度合いが変化し、電界検出光学部で検出される信号強度や雑音が時間的にゆらぎ非常に不安定な状態になり、この結果として通信品質が劣化するという問題がある。
【0012】
なお、上述した反射による干渉を防止するために電気光学素子の入射面と出射面に反射防止コーティングを施して、反射率を1%以下に低減することも不可能ではないが、高品質な反射防止コーティングは容易ではないとともに、また多額のコストを要するという問題がある。
【0013】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、電気光学素子内外でのレーザ光の干渉を抑制し、高い通信品質をもって適確にデータ通信を行い得るトランシーバを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、送信すべき信号に基づく電界を電界伝達媒体に誘起し、この誘起した電界を用いて信号の送受信を行うトランシーバであって、電界伝達媒体からの電界を結合される電気光学素子と、この電界を結合された電気光学素子に対してレーザ光を照射するレーザ光源と、電気光学素子におけるレーザ光の偏光変化を電気信号に変換し、受信信号として出力する受信部と、前記電気光学素子に対するレーザ光の照射を間欠的に行うべく変更可能な繰り返し周波数で間欠的に駆動信号を発生し、該駆動信号でレーザ光源を駆動する信号発生手段と、レーザ光による電気光学素子への間欠照射の繰り返し周波数を変更すべく前記信号発生手段を制御する周波数制御手段とを有することを要旨とする。
【0015】
請求項1記載の本発明にあっては、変更可能な繰り返し周波数で間欠的に発生する駆動信号でレーザ光源を駆動して、電気光学素子に対するレーザ光の照射を間欠的に行うとともに、このレーザ光による電気光学素子への間欠照射の繰り返し周波数を変更するように制御しているため、電気光学素子におけるレーザ光の干渉を低減し、トランシーバによるデータ通信品質を向上することができる。
【0016】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記電気光学素子を照射するレーザ光のパルス継続時間を変更すべく前記駆動信号を可変制御するパルス継続時間制御手段を更に有することを要旨とする。
【0017】
請求項2記載の本発明にあっては、電気光学素子を照射するレーザ光のパルス継続時間を変更するように制御するので、前記繰り返し周波数の制御によるレーザ光の干渉の抑制に加えて、更にパルス継続時間でも干渉を抑制でき、電気光学素子におけるレーザ光の干渉を更に低減し、トランシーバによるデータ通信品質を更に向上することができる。
【0018】
更に、請求項3記載の本発明は、請求項1または2記載の発明において、前記周波数制御手段による制御が、電気光学素子の構造、特性および取付状態に基づいて行われることを要旨とする。
【0019】
請求項4記載の本発明は、請求項2記載の発明において、前記パルス継続時間制御手段による制御が、電気光学素子の構造、特性および取付状態に基づいて行われることを要旨とする。
【0020】
また、請求項5記載の本発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記受信信号のSN比を計測するSN比計測手段と、この計測した受信信号のSN比に基づき前記周波数制御手段による制御を調整する調整手段とを有することを要旨とする。
【0021】
請求項5記載の本発明にあっては、受信信号のSN比を計測し、このSN比に基づき周波数制御手段による制御を調整するため、電気光学素子の構造、特性および取付状態に基づいて干渉がないように調整した後において例えば周囲温度の変化や経年変化などにより電気光学素子の結晶の長さL、実装や取付構造などが変化したことなどにより干渉が現れてきた場合でも、この変化が現れる受信信号に基づき干渉がないように調整することができる。
【0022】
更に、請求項6記載の本発明は、請求項2または4記載の発明において、前記受信信号のSN比を計測するSN比計測手段と、この計測した受信信号のSN比に基づき前記パルス継続時間制御手段による制御を調整する調整手段とを有することを要旨とする。
【0023】
請求項6記載の本発明にあっては、受信信号のSN比を計測し、このSN比に基づきパルス継続時間制御手段による制御を調整するため、電気光学素子の構造、特性および取付状態に基づいてレーザ光の繰り返し周波数とパルス継続時間により干渉がないように調整した後において例えば周囲温度の変化や経年変化などにより電気光学素子の結晶の長さL、実装や取付構造などが変化したことなどにより干渉が現れてきた場合でも、この変化が現れる受信信号に基づき干渉がないように調整することができる。
【0024】
請求項7記載の本発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、このA/D変換器の出力信号を信号処理して雑音および信号の大きさを算出する信号処理手段と、この算出した雑音および信号の大きさに基づき前記周波数制御手段による制御を調整する調整手段とを有することを要旨とする。
【0025】
請求項7記載の本発明にあっては、受信信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号を信号処理して雑音および信号の大きさを算出し、この雑音および信号の大きさに基づき周波数制御手段による制御を調整するため、電気光学素子の構造、特性および取付状態に基づいて干渉がないように調整した後において例えば周囲温度の変化や経年変化などにより電気光学素子の結晶の長さL、実装や取付構造などが変化したことなどにより干渉が現れてきた場合でも、この変化が現れる受信信号に基づき干渉がないように調整することができる。
【0026】
また、請求項8記載の本発明は、請求項2または4記載の発明において、前記受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、このA/D変換器の出力信号を信号処理して雑音および信号の大きさを算出する信号処理手段と、この算出した雑音および信号の大きさに基づき前記パルス継続時間制御手段による制御を調整する調整手段とを有することを要旨とする。
【0027】
請求項8記載の本発明にあっては、受信信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号を信号処理して雑音および信号の大きさを算出し、この雑音および信号の大きさに基づきパルス継続時間制御手段による制御を調整するため、電気光学素子の構造、特性および取付状態に基づいてレーザ光の繰り返し周波数とパルス継続時間により干渉がないように調整した後において例えば周囲温度の変化や経年変化などにより電気光学素子の結晶の長さL、実装や取付構造などが変化したことなどにより干渉が現れてきた場合でも、この変化が現れる受信信号に基づき干渉がないように調整することができる。
【0028】
更に、請求項9記載の本発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記受信信号を所定のしきい値と比較し、受信信号がしきい値より大きい場合に、出力信号を発生する比較手段と、この比較手段の出力信号を積分する積分手段と、この積分信号に基づき前記周波数制御手段による制御を調整する調整手段とを有することを要旨とする。
【0029】
請求項9記載の本発明にあっては、受信信号を所定のしきい値と比較し、受信信号がしきい値より大きい場合に出力信号を発生し、この出力信号を積分し、この積分信号に基づき周波数制御手段による制御を調整するため、電気光学素子の構造、特性および取付状態に基づいて干渉がないように調整した後において例えば周囲温度の変化や経年変化などにより電気光学素子の結晶の長さL、実装や取付構造などが変化したことなどにより干渉が現れてきた場合でも、この変化が現れる受信信号に基づき干渉がないように調整することができる。
【0030】
請求項10記載の本発明は、請求項2または4記載の発明において、前記受信信号を所定のしきい値と比較し、受信信号がしきい値より大きい場合に、出力信号を発生する比較手段と、この比較手段の出力信号を積分する積分手段と、この積分信号に基づき前記パルス継続時間制御手段による制御を調整する調整手段とを有することを要旨とする。
【0031】
請求項10記載の本発明にあっては、受信信号を所定のしきい値と比較し、受信信号がしきい値より大きい場合に出力信号を発生し、この出力信号を積分し、この積分信号に基づきパルス継続時間制御手段による制御を調整するため、電気光学素子の構造、特性および取付状態に基づいてレーザ光の繰り返し周波数とパルス継続時間により干渉がないように調整した後において例えば周囲温度の変化や経年変化などにより電気光学素子の結晶の長さL、実装や取付構造などが変化したことなどにより干渉が現れてきた場合でも、この変化が現れる受信信号に基づき干渉がないように調整することができる。
【0032】
また、請求項11記載の本発明は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の発明において、前記信号発生手段が、前記繰り返し周波数で間欠的に発生する駆動信号としてパルス信号または正弦波信号を発生する手段を有することを要旨とする。
【0033】
更に、請求項12記載の本発明は、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の発明において、前記周波数制御手段が、本トランシーバの作動開始時に前記制御動作を行い、この制御状態を保持する保持手段を有することを要旨とする。
【0034】
請求項13記載の本発明は、請求項2,4,6,8,10または11記載の発明において、前記パルス継続時間制御手段が、本トランシーバの作動開始時に前記制御動作を行い、この制御状態を保持する保持手段を有することを要旨とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るトランシーバの構成を示すブロック図である。同図に示す実施形態のトランシーバは、図9に示したトランシーバ3に対して上述した電気光学素子による干渉を除去すべくレーザダイオードによる電気光学素子へのレーザ光の照射を間欠的に行うために制御信号発生器31、周波数可変信号発生器33、バイアス回路35を新たに設けた点が異なるものであり、その他の構成および作用は同じであり、同じ構成要素には同じ符号を付している。
【0036】
なお、図1においては、受信部を構成する電界検出光学部110および信号処理回路113の構成を詳細に示すように、電界検出光学部110は、レーザ光を発生するレーザダイオード11、このレーザ光を照射され、生体100から絶縁体107、送受信電極105、電極15を介して結合される電界によって光学特性が変化し、この光学特性の変化によりレーザ光の偏光を変化させる電気光学素子13、この電気光学素子13を透過したレーザ光の偏光変化を検出する偏光検出光学系17、およびこの検出したレーザ光の偏光変化を電気信号に変換するフォトダイオード部19から構成され、また信号処理回路113は、フォトダイオード部19からの電気信号を増幅するアンプ21およびこのアンプ21の出力信号に混在する雑音を除去するフィルタ23から構成されている。
【0037】
図1において新たに追加された周波数可変信号発生器33は、本発明の信号発生手段を構成するものであり、電気光学素子13に対するレーザダイオード11からのレーザ光の照射を間欠的に行うために変更可能な繰り返し周波数で間欠的に駆動信号を出力し、バイアス回路35を介してレーザダイオード11に供給する。また、バイアス回路35は、本発明のパルス継続時間制御手段を構成するものであり、電気光学素子13を照射するレーザダイオード11のレーザ光のパルス継続時間(パルス幅)を変更すべく周波数可変信号発生器33からの駆動信号の直流バイアスレベルを可変するように制御する。
【0038】
そして、制御信号発生器31は、本発明の周波数制御手段およびパルス継続時間制御手段を構成するものであり、入出力回路101を介して図示しないコンピュータなどからの調整信号を受け取り、この調整信号に基づき周波数可変信号発生器33における間欠照射の繰り返し周波数を干渉の生じない繰り返し周波数に制御するための制御信号を生成して周波数可変信号発生器33に供給するとともに、また電気光学素子13を照射するレーザダイオード11のレーザ光のパルス継続時間を干渉の生じないように制御すべくレーザダイオード11を駆動する駆動信号の直流電流バイアスを可変するための制御信号を生成してバイアス回路35に供給するように構成されている。
【0039】
更に具体的に説明すると、本実施形態では、上述したように、電気光学素子13における干渉を除去するために、レーザダイオード11を間欠的に発光させて干渉しにくくするとともに、更に干渉の度合いがSN比のゆらぎとして現れることを利用し、SN比のゆらぎの程度を監視し、SN比が安定するように間欠照射の繰り返し周波数およびレーザダイオード11を駆動する駆動信号の直流電流バイアスを可変にし、これにより安全に干渉現象を除去しようとするものである。また、電気光学素子13において干渉の発生する波長および繰り返し周波数は、電気光学素子13における反射位置、電気光学素子13を構成する電気光学結晶の材質から解析的に求まるので、このように求まった繰り返し周波数などの条件を避けるように入出力回路101を介してコンピュータなどから供給される調整信号を制御信号発生器31に供給し、この調整信号に基づき制御信号発生器31が周波数可変信号発生器33における間欠照射の繰り返し周波数を干渉の生じない繰り返し周波数に制御するための制御信号を生成して周波数可変信号発生器33に供給するとともに、また制御信号発生器31が電気光学素子13を照射するレーザダイオード11のレーザ光のパルス継続時間(パルス幅)強度を干渉の生じないように制御すべくレーザダイオード11を駆動する駆動信号の直流電流バイアスを可変するための制御信号を生成してバイアス回路35に供給する。
【0040】
図2は、上述した繰り返し周波数で電気光学素子13を間欠照射するようにレーザダイオード11から出力されるレーザ光の電気光学素子13への入射パルス列とこのパルス列のレーザ光が入射される電気光学素子13とこの電気光学素子13から出射されるレーザ光の出射パルス列の関係を示す図である。
【0041】
図2に示すように、レーザダイオード11から周期Tの繰り返し周波数で間欠的に発生する継続時間τのレーザ光の入射パルス列200が電気光学素子13に入射すると、この入射パルス列200のうち、電気光学素子13の端面で反射されないものは電気光学素子13をそのまま透過し、0往復したパルス列201(往復回数m=0)として出射されるが、電気光学素子13の後側の内端面で反射されたものは更に前側の内端面で反射されてから電気光学素子13を透過し、1往復したパルス列202(m=1)として出射され、また後側の内端面で反射されたものは更に前側の内端面で反射されてから電気光学素子13を透過し、2往復したパルス列203(m=2)として出射され、更に同様にして3往復したパルス列204(m=3)として出射され、結果としてこれらの出射パルス列が加算され、電気光学結晶を透過したパルス列205として電気光学素子13から出射される。
【0042】
上述したように、レーザダイオード11から出力されるレーザ光が周期Tの繰り返し周波数を有するパルスである場合には、電気光学素子13から出射されるパルス列205は、同図からわかるように、電気光学素子13で反射されたパルス列も含んで互いに重なり合うことがない。従って、電気光学素子13から出射されるパルス列からなるレーザ光が互いに重なり合って強まったり、打ち消し合って弱まるという干渉が発生することがない。
【0043】
また、電気光学素子13から出射されるパルス列の強度は、電気光学素子13の内端面で反射されて往復する度に小さくなるので、考慮すべき往復回数mは事実上有限である。この往復回数mは、電気光学素子の内端面での反射率やトランシーバに要求される性能から判断すべきである。
【0044】
ここで電気光学素子13を透過したパルス列205に含まれる個々のパルスが互いに重なり合わない条件を求める。まず、m往復したパルスがm+1往復したパルスと重ならないための条件は、図2に示すように、パルスの継続時間をτ、パルスの繰り返し周期をT、パルスが電気光学素子13内を1往復するのに要する時間をTRTとすると、継続時間τが往復時間TRTよりも小さいこと、すなわちτ<TRTである。また、m往復したパルスが後ろのパルスと重ならないための条件は、mTRT<(T−τ)/mである。従って、往復時間TRTに対する条件は、次式のようになる。
【0045】
τ<TRT<(T−τ)/m …(1)
また、電気光学素子13の結晶の長さ、屈折率、真空中の光速をそれぞれL,n,cとすると、次式が成立する。
【0046】
RT=2nL/c …(2)
(1),(2)式から電気光学素子13の結晶の長さLに対する条件を求めると、次式のようになる。
【0047】
【数1】
cτ/2n<L<c(T−τ)/2mn …(3)
ここで、一例としてT=1(ns),τ=100(ps),m=3,n=2.74,c=3×10(m/s)とすると、電気光学素子13の結晶の長さLは、次のようにすればよいことがわかる。
【0048】
5.5(mm)<L<16.4(mm)
なお、上記説明では、電気光学素子13に入射するレーザ光は図2に示すようにパルスを用いて説明したが、図1の実施形態ではパルスである必要はなく、例えば図10(b)に示すように、周期Tの繰り返し周波数を有する間欠的な半波整流のような波形や正弦波の信号であってもよいものである。すなわち、図10(b)においては、半波整流のような波形を有する連続した3つのレーザ光信号が周期Tの繰り返し周波数で電気光学素子13に入射すると、このレーザ光は電気光学素子13の端面で反射されずにそのまま電気光学素子13を透過して出射されるものや、また電気光学素子13の後側の内端面で反射され、更に前側の内端面で反射されてから電気光学素子13を透過して出射されるというように多重反射されるものが存在するが、この場合の反射されずにそのまま出射したレーザ光と反射されてから出射したレーザ光とは、図10(b)に示すように互いに重なり合うことがなく、従って干渉することがない。なお、図10(b)において、3つの連続したレーザ光信号の先端から後端までの時間が図2に示す継続時間τに相当するものである。
【0049】
図3は、上述した繰り返し周波数などの条件を避けるように入出力回路101を介してコンピュータなどから供給される調整信号に基づき制御信号発生器31で生成される制御信号によりバイアス回路35がレーザダイオード11を駆動する駆動信号の直流電流バイアスを可変し、レーザダイオード11の発光特性に基づきレーザダイオード11のレーザ光のパルス継続時間を変更する様子を説明するためのレーザダイオードの電流に対する発光特性を示すグラフ図である。
【0050】
図3において、周波数可変信号発生器33から出力されるレーザダイオード11の駆動信号、すなわち上述した繰り返し周波数などの条件を避けるように入出力回路101を介してコンピュータなどから供給される調整信号に基づき制御信号発生器31で生成される制御信号により周波数可変信号発生器33において繰り返し周波数を干渉の生じない繰り返し周波数に制御されて生成されるレーザダイオード11の駆動信号は、その直流電流バイアスがバイアス回路35により図3の横軸の電流に沿って可変され、これにより図3に示すレーザダイオード11の発光特性によりレーザダイオード11の駆動信号であるレーザ光のパルス継続時間が干渉の生じないように制御される。
【0051】
すなわち、図3において、レーザダイオード11の正弦波の駆動信号が図3において例えば右方向に移行されて直流電流バイアスが大きくなるように制御されると、図3の横軸に沿って示されているレーザダイオード11の駆動信号が大きくなり、レーザ光のパルス継続時間が長くなるように制御されるのに対して、駆動信号が図3で左方向に移行されて直流電流バイアスが小さくなるように制御されると、図3の横軸に沿って示されているレーザダイオード11の駆動信号が小さくなり、レーザ光のパルス継続時間が短くなるように制御されることになる。
【0052】
上述したように構成される図1に示すトランシーバにおいて、図示しないコンピュータなどから入出力回路101を介して入力される送信信号は、送信部103を介して送受信電極105に供給され、この送受信電極105から絶縁体107を介して生体100に電界として誘起される。この生体100に誘起された電界は、生体内を伝わって、別のトランシーバの送受信電極105により絶縁体107を介して受信され、電気光学素子13に結合され、電気光学素子13に入射されるレーザダイオード11からの周波数可変信号発生器33により変更可能な繰り返し周波数で間欠的に発生するレーザ光の偏光を変化させるが、ここでレーザダイオード11からのレーザ光の電気光学素子13における上述した干渉を防止するために、電気光学素子13の例えば電気光学結晶の長さや屈折率などのような構造、特性および取付状態などに基づいてレーザ光の繰り返し周波数やパルス継続時間を調整する処理が行われる。
【0053】
具体的には、電気光学素子13の構造、特性および取付状態などに基づいて設定された調整信号が図示しないコンピュータなどから入出力回路101を介して制御信号発生器31に供給される。制御信号発生器31は、この調整信号に基づき周波数可変信号発生器33におけるレーザ光の間欠照射の繰り返し周波数を干渉の生じない繰り返し周波数に制御するための制御信号を生成して周波数可変信号発生器33に供給するとともに、レーザ光のパルス継続時間を干渉の生じないように変更すべくレーザダイオード11を駆動する駆動信号の直流電流バイアスを可変するための制御信号を生成してバイアス回路35に供給する。
【0054】
この結果、周波数可変信号発生器33からは、干渉の生じない繰り返し周波数の駆動信号が生成され、この駆動信号は更にバイアス回路35において干渉の生じないパルス継続時間に対応する直流電流バイアスの駆動信号としてレーザダイオード11を駆動する。この結果、レーザダイオード11は、干渉の生じない繰り返し周波数を有し、かつ干渉の生じないパルス継続時間を有するレーザ光を出力し、このレーザ光を電気光学素子13に入射する。従って、このようなレーザ光を入射された電気光学素子13は、その結晶と空気との境界の内端面においてレーザ光の反射が発生しても、レーザ光同士の干渉を生じることがなく、レーザダイオード11から入射されたレーザ光を透過させる。
【0055】
このように干渉を生じないで電気光学素子13を透過したレーザ光の前記電界による偏光変化は、偏光検出光学系17でレーザ光のパルス継続時間変化に変換され、フォトダイオード部19で電気信号に変換され、アンプ21、フィルタ23からなる信号処理回路113で信号処理され、波形整形回路115で波形整形され、受信信号として入出力回路101を介して図示しないコンピュータなどに供給される。本実施形態では、上述したように、電気光学素子13においてレーザ光の干渉が生じないので、通信品質の劣化も生じることもない。
【0056】
なお、入出力回路101を介してコンピュータなどから制御信号発生器31に供給される調整信号によるレーザ光の繰り返し周波数およびパルス継続時間の調整制御は、常時行う必要はなく、例えばトランシーバの作動開始時などに一度行って、この調整された制御状態を制御信号発生器31または周波数可変信号発生器33やバイアス回路35などにおいて保持していればよいものである。
【0057】
次に、図4を参照して、本発明の他の実施形態に係るトランシーバについて説明する。
【0058】
図4に示す実施形態のトランシーバは、図1に示したトランシーバに対して信号処理回路113から出力される受信信号を取り出すスイッチ41およびこのスイッチ41で取り出した受信信号のSN比をモニタして計測するSNモニタ43を新たに追加し、これにより受信信号のSN比のゆらぎの程度から干渉の度合いを判断し、干渉が大きい場合には、ゆらぎが少なくなるような制御信号を制御信号発生器31および周波数可変信号発生器33に供給し、これにより干渉を除去するように構成している点が異なるものであり、その他の構成および作用は同じであり、同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0059】
本実施形態は、図1に示すように制御信号発生器31の制御信号による周波数可変信号発生器33およびバイアス回路35の制御によりレーザ光の繰り返し周波数およびパルス継続時間を干渉の生じないように調整して設定した後などにおいて、例えば周囲温度の変化や経年変化などにより電気光学素子13の結晶の長さL、実装や取付構造などが変化したことなどにより干渉が現れてきたことを入出力回路101に接続されたコンピュータなどにおいて識別した場合には、コンピュータなどから入出力回路101を介してスイッチ41をオンし、これにより信号処理回路113からの受信信号をSNモニタ43に供給し、この受信信号のSN比をSNモニタ43で計測し、この計測したSN比のゆらぎの程度に基づき制御信号発生器31を介してゆらぎが少なくなるように制御し、すなわち制御信号発生器31によりゆらぎが少なくなるように制御信号を生成して周波数可変信号発生器33およびバイアス回路35に供給し、これにより周波数可変信号発生器33およびバイアス回路35を介してレーザ光の繰り返し周波数およびパルス継続時間を干渉の生じないように調整制御しようとするものである。
【0060】
従って、スイッチ41は周波数可変信号発生器33およびバイアス回路35によるレーザ光の繰り返し周波数およびパルス継続時間の調整時にオンされ、信号処理回路113をSNモニタ43に接続するが、調整後にはオフされて、信号処理回路113をSNモニタ43から切り離すものである。また、図1に示したように、入出力回路101を介したコンピュータなどからの調整信号による制御信号発生器31、周波数可変信号発生器33、バイアス回路35を介したレーザ光の繰り返し周波数およびパルス継続時間の初期時点などにおける調整は、図示しない別経路を介して行われてもよいし、または入出力回路101からスイッチ41、SNモニタ43を介して調整信号に対応する信号を制御信号発生器31に供給して行ってもよいし、または本実施形態のトランシーバの検査時などに調整し、この調整した状態を制御信号発生器31または周波数可変信号発生器33、バイアス回路35に例えばROMなどにより保持しておいたり、またはこの保持した調整状態にトランシーバの作動開始時に設定するようにしてもよいものである。
【0061】
そして、このように設定された後、周囲温度の変化や経年変化などにより電気光学素子13の結晶の長さL、実装や取付構造などが変化したことなどにより干渉が生じたことをコンピュータなどにおいて識別した場合には、コンピュータなどから入出力回路101を介してスイッチ41をオンし、信号処理回路113からの受信信号をSNモニタ43に供給し、この受信信号のSN比をSNモニタ43で計測し、この計測したSN比のゆらぎの程度に基づき制御信号発生器31を介してゆらぎが少なくなるように制御し、すなわち制御信号発生器31からゆらぎが少なくなるような制御信号を生成して周波数可変信号発生器33およびバイアス回路35に供給し、これにより周波数可変信号発生器33およびバイアス回路35を介してレーザ光の繰り返し周波数およびパルス継続時間を干渉の生じないように調整制御する。
【0062】
次に、図5を参照して、本発明の別の実施形態に係るトランシーバについて説明する。
【0063】
図5に示す実施形態のトランシーバは、図4に示したトランシーバにおいて周波数可変信号発生器33を周波数可変パルス発生器33aに変更し、レーザダイオード11を駆動する信号をパルスに変更した点が異なるものであり、その他の構成および作用は同じであり、同じ構成要素には同じ符号を付している。
【0064】
このように周波数可変パルス発生器33aによりレーザダイオード11の駆動信号をパルスとし、これにより例えば図2に示すようなパルス状のレーザ光を電気光学素子13に入射するが、作用および効果的には図1のトランシーバと実質的に同じである。
【0065】
なお、図5では、フォトダイオード部19の構成を詳しく示すとともに、電気光学素子13の一方端面に取り付けられた第1電極15に対向して他方の端面に第2電極16を取り付け、この第2電極16にグランド電極18を接続し、これにより生体100からの電界を引き抜き易くしている。また、アンプ21は具体的に差動アンプとして示されている。
【0066】
フォトダイオード部19は、偏光検出光学系17に接続された第1、第2フォトダイオード91,93、およびこの第1、第2フォトダイオード91,93とアースとの間に接続された第1、第2負荷抵抗95,97から構成され、第1、第2フォトダイオード91,93と第1、第2負荷抵抗95,97とのそれぞれの間の信号が出力信号として差動アンプ21に入力されている。
【0067】
次に、図6を参照して、本発明の更に他の実施形態に係るトランシーバについて説明する。
【0068】
図6に示す実施形態のトランシーバは、図5に示したトランシーバにおいてSNモニタ43の代わりにA/D変換器45および信号処理装置47を設けるとともに、周波数可変パルス発生器33aを周波数可変正弦波発生器33bに変更し、駆動信号としてパルスの代わりに正弦波を用いた点が異なるのみであり、その他の構成および作用は図5と実質的に同じであり、同じ構成要素には同じ符号を付している。
【0069】
A/D変換器45は、スイッチ41を介して供給される信号処理回路113からの受信信号をデジタル信号に変換し、信号処理装置47はA/D変換器45から出力されるデジタル信号を信号処理して雑音および信号の大きさを算出して制御信号発生器31に供給する。制御信号発生器31は、信号処理装置47の出力信号に基づき前記制御信号を生成する。
【0070】
更に詳しくは、図6の実施形態においては、制御信号発生器31の制御信号による周波数可変正弦波発生器33bおよびバイアス回路35の制御によりレーザ光の繰り返し周波数およびパルス継続時間を干渉の生じないように調整して設定した後などにおいて、図4で説明したように、例えば周囲温度の変化や経時変化などにより電気光学素子13の結晶の長さL、実装や取付構造などが変化したことなどにより干渉が現れてきたことを入出力回路101に接続されたコンピュータなどにおいて識別した場合には、コンピュータなどから入出力回路101を介してスイッチ41をオンし、これにより信号処理回路113からの受信信号をA/D変換器45に供給してデジタル信号に変換し、このA/D変換器45から出力されるデジタル信号を信号処理装置47で信号処理して雑音および信号の大きさを算出して、制御信号発生器31に供給する。
【0071】
制御信号発生器31は、信号処理装置47から供給される受信信号における雑音と信号の大きさに基づき制御信号を生成し、この制御信号により周波数可変正弦波発生器33bおよびバイアス回路35を制御し、これによりレーザ光の繰り返し周波数およびパルス継続時間を干渉の生じないように調整して設定する。
【0072】
従って、スイッチ41は上述したと同様に周波数可変正弦波発生器33bおよびバイアス回路35によるレーザ光の繰り返し周波数およびパルス継続時間の調整時にオンされ、信号処理回路113をA/D変換器45、信号処理装置47に接続するが、調整後にはオフされて、信号処理回路113をA/D変換器45、信号処理装置47から切り離すものである。また、図1に示したように、入出力回路101を介したコンピュータなどからの調整信号による制御信号発生器31、周波数可変正弦波発生器33b、バイアス回路35を介したレーザ光の繰り返し周波数およびパルス継続時間の初期時点などにおける調整は、図示しない別経路を介して行われてもよいし、または入出力回路101からスイッチ41、A/D変換器45、信号処理装置47を介して調整信号に対応する信号を制御信号発生器31に供給して行ってもよいし、または本実施形態のトランシーバの検査時などに調整し、この調整した状態を制御信号発生器31または周波数可変正弦波発生器33b、バイアス回路35に例えばROMなどにより保持しておいたり、またはこの保持した調整状態にトランシーバの作動開始時に設定するようにしてもよいものである。
【0073】
そして、このように設定された後、周囲温度の変化や経年変化などにより電気光学素子13の結晶の長さL、実装や取付構造などが変化したことなどにより干渉が生じたことをコンピュータなどにおいて識別した場合には、コンピュータなどから入出力回路101を介してスイッチ41をオンし、信号処理回路113からの受信信号をA/D変換器45、信号処理装置47に供給し、上述したように周波数可変正弦波発生器33bおよびバイアス回路35を介してレーザ光の繰り返し周波数およびパルス継続時間を干渉の生じないように調整制御する。
【0074】
次に、図7を参照して、本発明の更に別の実施形態に係るトランシーバについて説明する。
【0075】
図7に示す実施形態のトランシーバは、図6に示したトランシーバにおいてA/D変換器45および信号処理装置47の代わりにコンパレータ51およびローパスフィルタ53を設けた点が異なるのみであり、その他の構成および作用は図6と実質的に同じであり、同じ構成要素には同じ符号を付している。
【0076】
コンパレータ51は、比較手段であり、スイッチ41を介した信号処理回路113からの受信信号を所定のしきい値と比較し、受信信号がしきい値より大きい場合に出力信号を発生し、積分手段を構成するローパスフィルタ53に供給する。ローパスフィルタ53は、コンパレータ51からの出力信号を積分し、この積分信号を制御信号発生器31に供給する。制御信号発生器31は、この積分信号に基づき前記制御信号を生成する。
【0077】
更に詳しくは、図7の実施形態においては、制御信号発生器31の制御信号による周波数可変正弦波発生器33bおよびバイアス回路35の制御によりレーザ光の繰り返し周波数およびパルス継続時間を干渉の生じないように調整して設定した後などにおいて、図4などで説明したように、例えば周囲温度の変化や経年変化などにより電気光学素子13の結晶の長さL、実装や取付構造などが変化したことなどにより干渉が現れてきたことを入出力回路101に接続されたコンピュータなどにおいて識別した場合には、コンピュータなどから入出力回路101を介してスイッチ41をオンし、これにより信号処理回路113からの受信信号をコンパレータ51に供給して、所定のしきい値と比較し、受信信号がしきい値よりも大きい場合に出力信号をローパスフィルタ53に供給する。ローパスフィルタ53は、この出力信号を積分し、この積分信号を制御信号発生器31に供給する。
【0078】
制御信号発生器31は、ローパスフィルタ53から供給される積分信号に基づき制御信号を生成し、この制御信号により周波数可変正弦波発生器33bおよびバイアス回路35を制御し、これによりレーザ光の繰り返し周波数およびパルス継続時間を干渉の生じないように調整して設定する。
【0079】
従って、スイッチ41は上述したと同様に周波数可変正弦波発生器33bおよびバイアス回路35によるレーザ光の繰り返し周波数およびパルス継続時間の調整時にオンされ、信号処理回路113をコンパレータ51、ローパスフィルタ53に接続するが、調整後にはオフされて、信号処理回路113をコンパレータ51、ローパスフィルタ53から切り離す。また、図1に示したように、入出力回路101を介したコンピュータなどからの調整信号による制御信号発生器31、周波数可変正弦波発生器33b、バイアス回路35を介したレーザ光の繰り返し周波数およびパルス継続時間の初期時点などにおける調整は、図示しない別経路を介して行われてもよいし、または入出力回路101からスイッチ41、コンパレータ51、ローパスフィルタ53を介して調整信号に対応する信号を制御信号発生器31に供給して行ってもよいし、または本実施形態のトランシーバの検査時などに調整し、この調整した状態を制御信号発生器31または周波数可変正弦波発生器33b、バイアス回路35に例えばROMなどにより保持しておいたり、またはこの保持した調整状態にトランシーバの作動開始時に設定するようにしてもよいものである。
【0080】
そして、このように設定された後、周囲温度の変化や経年変化などにより電気光学素子13の結晶の長さL、実装や取付構造などが変化したことなどにより干渉が生じたことをコンピュータなどにおいて識別した場合には、コンピュータなどから入出力回路101を介してスイッチ41をオンし、信号処理回路113からの受信信号をコンパレータ51、ローパスフィルタ53に供給し、上述したように周波数可変正弦波発生器33bおよびバイアス回路35を介してレーザ光の繰り返し周波数およびパルス継続時間を干渉の生じないように調整制御する。
【0081】
なお、上記各実施形態においては、トランシーバは送信電極と受信電極を一体化した送受信電極105を用いているが、本発明はこれに限定されるものでなく、送信電極と受信電極が別々に構成されていてもよいものである。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、変更可能な繰り返し周波数で間欠的に発生する駆動信号でレーザ光源を駆動して、電気光学素子に対するレーザ光の照射を間欠的に行うとともに、このレーザ光による電気光学素子への間欠照射の繰り返し周波数を変更するように制御しているので、電気光学素子におけるレーザ光の干渉を低減し、トランシーバによるデータ通信品質を向上することができる。
【0083】
また、本発明によれば、繰り返し周波数を変更することに加えて、電気光学素子を照射するレーザ光のパルス継続時間を変更するように制御するので、前記繰り返し周波数の制御によるレーザ光の干渉の抑制に加えて、更にパルス継続時間でも干渉を抑制でき、電気光学素子におけるレーザ光の干渉を更に低減し、トランシーバによるデータ通信品質を更に向上することができる。
【0084】
更に、本発明によれば、受信信号のSN比を計測し、このSN比に基づき周波数制御手段および/またはパルス継続時間制御手段による制御を調整するので、電気光学素子の構造、特性および取付状態に基づいて繰り返し周波数および/またはパルス継続時間により干渉がないように調整した後において例えば周囲温度の変化や経年変化などにより電気光学素子の結晶の長さL、実装や取付構造などが変化したことなどにより干渉が現れてきた場合でも、この変化が現れる受信信号に基づき干渉がないように調整することができる。
【0085】
本発明によれば、受信信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号を信号処理して雑音および信号の大きさを算出し、この雑音および信号の大きさに基づき周波数制御手段および/またはパルス継続時間制御手段による制御を調整するので、電気光学素子の構造、特性および取付状態に基づいて繰り返し周波数および/またはパルス継続時間により干渉がないように調整した後において例えば周囲温度の変化や経年変化などにより電気光学素子の結晶の長さL、実装や取付構造などが変化したことなどにより干渉が現れてきた場合でも、この変化が現れる受信信号に基づき干渉がないように調整することができる。
【0086】
また、本発明によれば、受信信号を所定のしきい値と比較し、受信信号がしきい値より大きい場合に出力信号を発生し、この出力信号を積分し、この積分信号に基づき周波数制御手段および/またはパルス継続時間制御手段による制御を調整するので、電気光学素子の構造、特性および取付状態に基づいて繰り返し周波数および/またはパルス継続時間により干渉がないように調整した後において例えば周囲温度の変化や経年変化などにより電気光学素子の結晶の長さL、実装や取付構造などが変化したことなどにより干渉が現れてきた場合でも、この変化が現れる受信信号に基づき干渉がないように調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るトランシーバの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す実施形態のトランシーバにおいて繰り返し周波数で電気光学素子を間欠照射するようにレーザダイオードから出力されるレーザ光の入射パルス列のレーザ光とこのパルス列のレーザ光が入射される電気光学素子と電気光学素子から出射される出射パルス列の関係を示す図である。
【図3】図1に示す実施形態のトランシーバにおいてバイアス回路がレーザダイオードを駆動する駆動信号の直流電流バイアスを可変し、レーザダイオードの発光特性に基づきレーザダイオードのレーザ光のパルス継続時間を変更する様子を説明するためのレーザダイオードの電流に対する発光特性を示すグラフ図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るトランシーバの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の別の実施形態に係るトランシーバの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態に係るトランシーバの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の更に別の実施形態に係るトランシーバの構成を示すブロック図である。
【図8】トランシーバを介してウェアラブルコンピュータを人間に装着して使用する場合の例を示す説明図である。
【図9】従来のトランシーバの構成を示すブロック図である。
【図10】従来のトランシーバにおいて電気光学素子の内外で干渉が発生することおよび本発明のトランシーバの電気光学素子において干渉が発生しないことを説明するための図である。
【符号の説明】
11 レーザダイオード
13 電気光学素子
17 偏光検出光学系
31 制御信号発生器
33 周波数可変信号発生器
33a 周波数可変パルス発生器
33b 周波数可変正弦波発生器
35 バイアス回路
41 スイッチ
43 SNモニタ
45 A/D変換器
47 信号処理装置
101 入出力回路
103 送信部
110 電界検出光学部
113 信号処理回路

Claims (13)

  1. 送信すべき信号に基づく電界を電界伝達媒体に誘起し、この誘起した電界を用いて信号の送受信を行うトランシーバであって、
    電界伝達媒体からの電界を結合される電気光学素子と、
    この電界を結合された電気光学素子に対してレーザ光を照射するレーザ光源と、
    電気光学素子におけるレーザ光の偏光変化を電気信号に変換し、受信信号として出力する受信部と、
    前記電気光学素子に対するレーザ光の照射を間欠的に行うべく変更可能な繰り返し周波数で間欠的に駆動信号を発生し、該駆動信号でレーザ光源を駆動する信号発生手段と、
    レーザ光による電気光学素子への間欠照射の繰り返し周波数を変更すべく前記信号発生手段を制御する周波数制御手段と
    を有することを特徴とするトランシーバ。
  2. 前記電気光学素子を照射するレーザ光のパルス継続時間を変更すべく前記駆動信号を可変制御するパルス継続時間制御手段を更に有することを特徴とする請求項1記載のトランシーバ。
  3. 前記周波数制御手段による制御は、電気光学素子の構造、特性および取付状態に基づいて行われることを特徴とする請求項1または2記載のトランシーバ。
  4. 前記パルス継続時間制御手段による制御は、電気光学素子の構造、特性および取付状態に基づいて行われることを特徴とする請求項2記載のトランシーバ。
  5. 前記受信信号のSN比を計測するSN比計測手段と、
    この計測した受信信号のSN比に基づき前記周波数制御手段による制御を調整する調整手段と
    を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトランシーバ。
  6. 前記受信信号のSN比を計測するSN比計測手段と、
    この計測した受信信号のSN比に基づき前記パルス継続時間制御手段による制御を調整する調整手段と
    を有することを特徴とする請求項2または4記載のトランシーバ。
  7. 前記受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
    このA/D変換器の出力信号を信号処理して雑音および信号の大きさを算出する信号処理手段と、
    この算出した雑音および信号の大きさに基づき前記周波数制御手段による制御を調整する調整手段と
    を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトランシーバ。
  8. 前記受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
    このA/D変換器の出力信号を信号処理して雑音および信号の大きさを算出する信号処理手段と、
    この算出した雑音および信号の大きさに基づき前記パルス継続時間制御手段による制御を調整する調整手段と
    を有することを特徴とする請求項2または4記載のトランシーバ。
  9. 前記受信信号を所定のしきい値と比較し、受信信号がしきい値より大きい場合に、出力信号を発生する比較手段と、
    この比較手段の出力信号を積分する積分手段と、
    この積分信号に基づき前記周波数制御手段による制御を調整する調整手段と
    を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトランシーバ。
  10. 前記受信信号を所定のしきい値と比較し、受信信号がしきい値より大きい場合に、出力信号を発生する比較手段と、
    この比較手段の出力信号を積分する積分手段と、
    この積分信号に基づき前記パルス継続時間制御手段による制御を調整する調整手段と
    を有することを特徴とする請求項2または4記載のトランシーバ。
  11. 前記信号発生手段は、前記繰り返し周波数で間欠的に発生する駆動信号としてパルス信号または正弦波信号を発生する手段を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のトランシーバ。
  12. 前記周波数制御手段は、本トランシーバの作動開始時に前記制御動作を行い、この制御状態を保持する保持手段を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のトランシーバ。
  13. 前記パルス継続時間制御手段は、本トランシーバの作動開始時に前記制御動作を行い、この制御状態を保持する保持手段を有することを特徴とする請求項2,4,6,8,10または11記載のトランシーバ。
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