JP2004260031A - 電子回路基板用cadシステムとそれに使用するコンピュータプログラム、及び電子回路基板の製造方法 - Google Patents

電子回路基板用cadシステムとそれに使用するコンピュータプログラム、及び電子回路基板の製造方法 Download PDF

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友重 尾野
Kenji Yokoi
健二 横井
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Abstract

【課題】本発明の課題は、適正な製造用データの抽出が可能な電子回路基板用CADシステム、該CADシステムの機能をコンピュータ上にて実現するためのコンピュータプログラム、さらに、前記電子回路基板用CADシステムを用いた電子回路基板の製造方法とを提供することにある。
【解決手段】本発明の電子回路基板用CADシステムでは、
複数の導体層が絶縁層を介して積層された電子回路基板を設計かつ製造するためのCADシステムであって、
電子回路基板に形成すべき導体層及び絶縁層に対応する複数の作図レイヤを設定する作図レイヤ設定手段と、
前記電子回路基板を構成する基板要素を作図対象とし、該作図対象の外形線を少なくとも始点及び終点を有する作図線により作図するため、該作図線の設計上の寸法、形状及び配置位置を特定するCADデータを、前記作図レイヤ上に入力するCADデータ入力手段と、
前記作図対象は前記作図レイヤ上の閉じた面領域を規定する面要素であり、前記CADデータは該面要素の閉じた外形線を特定する外形線特定データを含むものであり、当該外形線特定データに基づいて、前記面要素の閉じた外形線の内側に属する領域を当該面要素固有の面領域として一義的に特定できるか否かを判別し、特定できない場合に禁則作図状態が発生したと判定する禁則作図状態判別手段と、
を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、電子回路基板用CADシステムとそれに使用するコンピュータプログラム、及び電子回路基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ICやマイクロプロセッサ等の半導体チップは、近年高集積化が急速に進んでいることから、チップの入出力部の端子数も大幅に増大しつつある。これを受けて、そのようなチップを接続するための電子回路基板も配線部の数が急増しており、高分子材料やセラミック等の絶縁層を介して多層の配線部を作り込んだ積層型のパッケージ基板が増えてきている。最近では、このような電子回路基板の設計を効率よく行うために、コンピュータ作図処理を用いた設計システム、いわゆるCAD(Computer Aided Design)システムが使用されている(特許文献1)
。これは、表示装置上に作図画面を開き、配線部、接地用あるいは電源用の面導体パターン、異なる配線層同士を接続するビア、あるいは配線端子部をなすパッドやランドなどの基板要素を、CADデータとして、マウス等の入力装置を用いて作図レイヤ上に描くことにより基板設計図を得るものである。
【0003】
電子回路基板を作製する際には、各層毎に基板要素のパターンが用意され、この1つの層の基板要素を作製するために、各工程別にそれぞれ異なるパターン(例えば、レジスト層を作るためのパターン等)が設計されるが、上記のようなCADシステムを用いた場合、フォトマスクの製造は、次に述べるような手順によって行われている。まず、パターン設計者、或いは、コンピュータが描いた回路図に基づいて配線図が作成される。次いで、配線図中の配線パターンやパッド等の基板要素の位置・形状に関するCADデータから、製造用データが抽出され、プロッタ側のメモリに転送される。そして、プロッタが、該データをレーザ光走査用のデータに展開し、感光性樹脂を塗布したフィルム上にレーザを露光する。このフィルムのレーザ未露光部を溶剤で現像処理することによって、フォトマスクを作成する。
【0004】
ここで、製造用データの抽出方法としては、例えば配線パターンやパッド等に関するCADデータをガーバーデータに置き換えるという方法が知られている。ガーバーデータとは、アパーチャを特定するデータと、そのアパーチャの移動軌跡を表す座標データとからなるデータを指す。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−276505号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
製造用データが上記のような構造で記述されているため、その基となるCADデータは、製造用データを抽出しやすいよう、基板要素の外形線を表す作図線の始点及び終点の座標データによって基板要素を特定するというデータ構造となっているのが一般的である。CADデータがこのようなデータ構造で記述されていることにより、例えばアパーチャの移動軌跡を表す座標データを容易に抽出することができる。また、基板要素を面要素としてその位置・形状を表すデータによって特定するような設計利便性の良いCADを用いて電子回路基板の設計を行った場合であっても、上記の理由から製造用のデータを抽出する際には、得られたCADデータを一旦前記のようなデータ構造のCADデータに変換した後、抽出を行うという手順を踏んでいる。
【0007】
このようなデータ構造のCADシステムにおいては、データ入力ミス等の人為的な問題や、データ構造の異なるCADデータからの変換トラブル等のコンピュータ上での問題から、基板要素が設計画面上で作図線によって特定されていると設計者等に認識される場合であっても、実際にはデータ上で基板要素が特定できていないという事態が生じることがある。その場合、パターンマスク等の製造が正常に行われず、電子回路基板の製造に重大な支障を来たしていた。
【0008】
本発明の課題は、適正な製造用データの抽出が可能な電子回路基板用CADシステム、該CADシステムの機能をコンピュータ上にて実現するためのコンピュータプログラム、さらに、前記電子回路基板用CADシステムを用いた電子回路基板の製造方法とを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用・発明の効果】
上記課題を解決するため、本発明の電子回路基板用CADシステムでは、
複数の導体層が絶縁層を介して積層された電子回路基板を設計かつ製造するためのCADシステムであって、
電子回路基板に形成すべき導体層及び絶縁層に対応する複数の作図レイヤを設定する作図レイヤ設定手段と、
前記電子回路基板を構成する基板要素を作図対象とし、該作図対象の外形線を少なくとも始点及び終点を有する作図線により作図するため、該作図線の設計上の寸法、形状及び配置位置を特定するCADデータを、前記作図レイヤ上に入力するCADデータ入力手段と、
前記作図対象は前記作図レイヤ上の閉じた面領域を規定する面要素であり、前記CADデータは該面要素の閉じた外形線を特定する外形線特定データを含むものであり、当該外形線特定データに基づいて、前記面要素の閉じた外形線の内側に属する領域を当該面要素固有の面領域として一義的に特定できるか否かを判別し、特定できない場合に禁則作図状態が発生したと判定する禁則作図状態判別手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
CADデータが、外形線特定データに基づいて、面要素の閉じた外形線の内側に属する領域を面要素固有の面領域として一義的に特定できない状態である場合、そこから製造用データを抽出して電子回路基板の製造を行う際には、例えばプロッタが形成すべき領域を正しく認識することができずに、作製されたパターンが設計者にとって意図しないパターンとなってしまうといったような重大な支障が生じる。そこで本発明の電子回路基板用CADシステムでは、CADデータがそのような状態である場合を禁則作図状態とし、作図設計により得られたCADデータが禁則作図状態であるかどうかをチェックする禁則作図状態判別手段を備えることによって、上記のような製造の際に生じる問題を未然に防ぐことが可能となっている。
【0011】
次に、本発明の電子回路基板用CADシステムでは、前記禁則作図状態は、前記外形線特定データにより前記面要素の閉じた外形線を特定できない状態であることを特徴とする。
【0012】
前記禁則作図状態とは、第一に、外形線特定データにより面要素の閉じた外形線を特定できない状態が考えられる。外形線とは閉じていることによって、1つの領域を内側領域と外側領域の2つの領域に二分することができるので、面要素が閉じた外形線で記述されている場合は面要素を特定することができる。一方、閉じていない外形線(本来、外形線と呼ぶべきものではないが)では、領域が二分されず面要素を特定することができないため、製造用データを抽出して製造を行う際に、面要素が基板要素として認識されず、あるべきはずの基板要素が形成されないといった状況が生じてしまう惧れがある。
【0013】
次に、本発明の電子回路基板用CADシステムでは、前記禁則作図状態は、前記外形線特定データにより前記面要素の閉じた外形線を特定することはできるが、同一の前記作図レイヤ上に前記面要素固有の面領域が特定できない状態であることを特徴とする。
【0014】
前記禁則作図状態とは、第二に、外形線特定データにより面要素の閉じた外形線を特定することはできるが、同一の作図レイヤ上に面要素固有の面領域が特定できない状態が考えられる。閉じた外形線によって面要素を特定することができても、同一の作図レイヤ上に面要素固有の面領域が特定できない状態、例えば異なる面要素同士が少なくとも一部以上の領域(外形線を含む)を共有している状態では、製造用データを抽出して製造を行う際に、領域の共有個所に2度同じ操作を行ってしまい実際の寸法と設計上の寸法とに狂いが生じる惧れがある。また、外形線が製造において出力を行う領域と行わない領域(例えば、ネガ/ポジ領域)の境界として設定されている場合にあっては、領域の共有個所が本来属する領域とは反対の領域として認識されて製造が行われてしまい、設計者の意図したパターンと異なるパターンとなってしまう惧れがある。
【0015】
本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータにインストールすることにより、本発明の電子回路基板用CADシステムを構成する各手段として当該コンピュータを機能させることを特徴とする。これにより、上記本発明のCADシステムをコンピュータ上にて簡単に実現することができる。該コンピュータプログラムは、光記録媒体(CD−ROM、DVDなど)や光磁気記録媒体(MOなど)などの、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しておき、専用の読取装置にてこれを読み取りつつ、コンピュータ側に設けられた固定記憶装置(例えばハードディスクドライブなど)上にインストールすることもできるし、プログラムの全体又は一部を、インターネットなどの電気通信回線を通じて上位コンピュータからダウンロードすることによっても、同様にインストールが可能である。
【0016】
本発明の電子回路基板の製造方法は、
上記電子回路基板用CADシステムを用いて、得るべき電子回路基板に必要な前記基板要素を前記作図レイヤ上に前記CADデータの集合として作成する電子回路基板設計工程と、
前記基板要素又は該基板要素と関連付けた形で前記電子回路基板に形成される付加要素を製造対象要素として、該製造対象要素自体又は該製造対象要素の製造用治具の対応部分の、製造工程上の寸法、形状及び配置位置を特定する製造用データを、前記CADデータに基づいて生成し、該製造用データを用いて前記電子回路基板を製造する電子回路基板製造工程と、
を含むことを特徴とする。
【0017】
上記本発明の電子回路基板の製造方法では、前記CADシステムを用いた電子回路基板設計工程を有することによって、禁則作図状態ではないCADデータのみを得ることが可能となるので、電子回路基板製造工程において適正な製造用データを得ることができる。したがって、上記のような製造の際の問題を未然に防ぐことが可能となり、電子回路基板の製造を円滑に行うことができる。
【0018】
前記電子回路基板製造工程は、前記製造用データに基づいて該製造用データが特定する開口部を有するパターンマスクを作製し、該パターンマスクを用いて、パターン露光用感光性樹脂膜に得るべきパターンを露光・現像する工程を含むことを特徴とする。これにより、適正なパターンを有するパターンマスクを得ることが可能となり、パターンの形成を円滑に行うことができる。
【0019】
前記電子回路基板製造工程は、前記製造用データに基づいて、前記電子回路基板を構成する導体層又は絶縁層に得られるべきパターンを読み取り可能な外観検査用資料を作製し、該外観検査用資料を用いて外観検査を行い、その検査結果によって前記電子回路基板の選別を行う工程を含むことを特徴とする。これにより、電子回路基板が適正なパターンを有しているかどうかを検査し、選別を行うことが容易となる。
【0020】
また、前記外観検査は、実際に得られた前記導体層のパターンと、前記外観検査用資料から読み取り可能な前記得られるべきパターンとが合致するか否かを判定することを特徴とする。具体的には、得られるべきパターンをプリントしたフィルムを用いて目視による検査を行う方法や、得られるべきパターンのデータをあらかじめ読み込ませた自動外観検査機(Automatic Optical Inspection Machine, AOI)等の装置を用いて、画像処理により実際に得られた導体層パターンとの比較を行う方法等が取られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照して説明する。
図2は本発明の電子回路基板用CADシステム1(以下、単にCADシステムともいう)の一実施例の全体構成を示すブロック図である。CADシステム1は、CPU3と、ROM4、RAM5、入出力インターフェース2等からなるコンピュータ本体12を備え、これに周辺機器として、キーボード6あるいはマウス7等の入力手段、CD−ROMドライブ8あるいはフロッピーディスク(登録商標)ドライブ9等の記録媒体読取手段、ハードディスクドライブ(以下、HDDと記す)10、モニタ制御部11を介して接続されるモニタ13、プリンタ14等が接続されたコンピュータシステムとして、全体が構築されている。
【0022】
なお、CPU3は、作図レイヤ設定手段、CADデータ入力手段、及び禁則作図状態判別手段等の主体をなすものである。また、キーボード6あるいはマウス7は、CPU3とともにCADデータ入力手段手段の主体をなすものである。さらに、本実施形態では、上記システム内にてCADデータから製造用データ(以下、CAMデータともいう)を変換・生成し、出力するCAMシステムを採用しているが、この場合、CPU3はCAMデータ生成手段及びCAMデータ出力手段の主体ともなる。また入出力インターフェース2は、作図が終了した電子回路基板の設計図面を印刷出力する図面出力手段の他、CAMデータ生成手段がCADデータに基づいて変換・生成したCAMデータを出力するCAMデータ出力手段としてCPU3とともに機能する。
【0023】
HDD10には、オペレーティングシステムプログラム(以下、OSという)61及びアプリケーションプログラム(以下、アプリケーションという)62が格納されている。アプリケーション62は、CADシステム1の機能を実現するためのコンピュータプログラムであり、OS61上にてアプリケーションワークメモリ52を作業領域とする形で作動するものである。これは、例えばCD−ROM20等にコンピュータ読み取り可能な状態で記憶され、HDD10上の所定の記憶領域にインストールされるものである。また、HDD10には、作成済の図面のデータファイル(CADデータファイル)63と、それに基づいて変換・生成されたCAMデータファイル64、さらに、CADデータをCAMデータに変換する際に使用する、補正テーブル(変換テーブル)などを含んだ補正データファイル65に記憶されている。一方、RAM5には、OS61のワークメモリ51、及びアプリケーションのワークメモリ52がそれぞれ形成される。
【0024】
図1は、上記CADシステム1の適用対処となる電子回路基板の一例を断面構造にて示している(この電子回路基板1はオーガニック基板として構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、セラミック基板への適用も可能である)。すなわち、電子回路基板1は、耐熱性樹脂板(例えばビスマレイミド−トリアジン樹脂板)や、繊維強化樹脂板(例えばガラス繊維強化エポキシ樹脂)等で構成された板状のコア材2の両表面に、所定のパターンにコア導体層M1,M11がそれぞれ形成される。これらコア導体層M1,M11はコア材2の表面の大部分を被覆する面導体パターンとして形成され、電源層又は接地層として用いられるものである。他方、コア材2には、ドリル等により穿設されたスルーホール12が形成され、その内壁面にはコア導体層M1,M11を互いに導通させるスルーホール導体30が形成されている。また、スルーホール12は、エポキシ樹脂等の樹脂製穴埋め材31により充填されている。
【0025】
また、コア導体層M1,M11の上層には、感光性樹脂組成物6にて構成された第一ビア層(絶縁層あるいはビルドアップ層)V1,V11がそれぞれ形成されている。さらに、その表面にはそれぞれ配線部7を有する第一配線導体層M2,M12がCuメッキにより形成されている。なお、コア導体層M1,M11と第一配線導体層M2,M12とは、それぞれビア34により層間接続がなされている。同様に、第一配線導体層M2,M12の上層には、感光性樹脂組成物6を用いた第二ビア層(絶縁層あるいはビルドアップ層)V2,V12がそれぞれ形成されている。その表面にはそれぞれ第二配線導体層M3,M13がCuメッキにより形成されている。これら第一配線導体層M2,M12と第二配線導体層M3,M13とも、それぞれビア34により層間接続がなされている。ビア34は、図7に示すように、ビアホール34hとその内周面に設けられたビア導体34sと、底面側にてビア導体34sと導通するように設けられたビアパッド34pと、ビアパッド34pと反対側にてビア導体34hの開口周縁から外向きに張り出すビアランド34lとを有している。
【0026】
次に、図1に戻り、コア材2の第一主表面側の第二ビア層V2上には表面配線導体層M3が形成され、ここに複数の半田ランド10や、その一部と導通する配線部7が設けられている。これら半田ランド10は、無電解Ni−PメッキおよびAuメッキにより基板のほぼ中央部分に正方形状に配列し、各々その上に形成された半田バンプ11とともにフリップチップ搭載部40(図4)を形成している。
【0027】
他方、コア材2の第二主表面側の第二ビア層V12上には、裏面配線導体層M13が形成されている。裏面配線導体層M13には、ボールグリッドアレー(BGA)やピングリッドアレー(PGA)などの周知の接続形態にて、基板1をマザーボードなどの主基板に接続するための複数のランド17が形成されている。そして、表面配線導体層M3及び裏面配線導体層M13上に、それぞれ、感光性樹脂組成物よりなるソルダーレジスト層8,18(SR1,SR11)が形成されている。表面側のソルダーレジスト層8には、半田ランド10を露出させるために、これら半田ランド10に一対一に対応する形で開口部8aが形成されてなり、その内側に半田ランド10と導通する形で半田バンプ11が配置されている。
【0028】
ここで、ビア層V1,V12,V2,V12、及びソルダーレジスト層8,18は、以下のようにして製造できる。すなわち、感光性樹脂組成物ワニスをフィルム化した感光性接着フィルムをラミネート(貼り合わせ)し、ビアホール34hに対応したパターンを有する透明マスク(例えばガラスマスクである)を重ねて露光する。ビアホール34h以外のフィルム部分は、この露光により硬化する一方、ビアホール34h部分は未硬化のまま残留するので、これを溶剤に溶かして除去すれば、所期のパターンにてビアホール34hを簡単に形成することができる(いわゆるフォトビアプロセス)。
【0029】
以下、CADシステム1の作動について詳細に説明する。
図2のアプリケーションプログラム62を起動させると、モニタ13(図2)には、図4に示すように、作図画面40が表示される。本実施例のアプリケーションプログラム62は、公知のCADシステムと同様にドロー系グラフィックソフトウェアとして構築されており、作図画面40上にて、マウス7の操作により、電子回路基板1の基板要素(以下、エレメントともいう)の図形を、CADデータとして個別に入力しながら作図作業を進めるものである。本実施例では、新規図面の作図画面40を立ち上げると、別途HDD10等に記憶された表示データに基づき、該作図画面40内には、設計・作図すべき基板の主面外形線に対応した四辺形状の基準領域51と、デフォルトエレメント図形として、基板表面に標準的に形成される基板要素(本実施形態では、パッド53,55)の図形が表示されるようになっている。この場合、デフォルトエレメントデータを品番と対応付けて記憶するデフォルトエレメントデータ記憶部を例えばHDD10に設けておき、品番をキーボード6(あるいはマウス7による画面上のソフトボタンクリック)により入力することで、対応するデフォルトエレメントデータを読み出し、これを作図画面に表示するようにしておけば、標準的に形成される基板要素上に配線部54等の図形を直ちに作図・入力できるので便利である。
【0030】
ここで、設計の対象となる基板は、複数の配線層が絶縁層を介して積層されるパッケージ基板等である。そして、形成すべき配線層に対応する複数の作図レイヤが作図画面40に対して設定される。これら作図レイヤ(以下、単にレイヤともいう)は、図4においては重なっているため視覚的には判別できない。また、各レイヤに書き込まれた図形は作図画面40上では重ね表示されるが、特定のレイヤ上の図形のみを表示させたり、あるいは色彩、明るさ、濃淡、塗りつぶしパターンの変更等により、他のレイヤ上の図形とは表示状態を異ならせることが可能である。
【0031】
図18は、作図処理の流れを示すフローチャートである。まずS1では、エレメントを書き込みたいレイヤを選択する。このレイヤ選択は、例えばマウス7(図2)により、画面上に表示されたレイヤ選択のためのソフトボタン(図示せず)をクリックすることで行うことができる。そして、図形として入力できるのは上記したエレメントと、異レイヤ間のエレメント同士を接続するためのビアの図形であり、S2及びS8では、そのどちらを選択するかがコマンド入力により決定される。このコマンド入力も、エレメント入力あるいはビア入力を選択するソフトボタン(図示せず)のマウスクリックにより行うことができる。
【0032】
エレメント入力が選択されたらS2からS3に進み、エレメント描画を行う。エレメントの描画に際しては、公知のCADシステムソフトウェアと同様に、配線描画、パッドやランドあるいは面導体パターンの描画など、描きたいエレメントの種別毎に描画ツールが用意されている。描画ツールも、画面上にソフトボタンとして形成された描画ツール選択ボタン(図示せず)のマウスクリックにより選択できる。そして、所望の描画ツールを選択したら、図4に示すように、作図位置を示すポインタPをマウス操作により移動させつつ、マウスクリックあるいはドラッグ(マウスボタンを押したままマウスを移動させること)等の操作を組み合せながらエレメントを描いてゆく。図4では、各パッド53と55とをつなぐ配線部の図形をエレメントとして描き終わった状態を示している。
【0033】
図6に示すように、エレメントは1つ描き終わる毎に、その図形データであるエレメント記述データが、エレメント特定データ(例えばエレメントコード)及びレイヤ特定データ(例えばレイヤ番号)と対応付けた形で、図2の図面データメモリ52gに記憶されてゆく。エレメント記述データは、例えば図5に示すように、エレメントOB11,OB12,OB13,OB14等の形状、大きさ及び描画位置を、画面40(図4)上に設定される座標平面上で規定するためのベクトルデータ、関数式データあるいは特定の基準点の座標及び半径や長さ等の寸法規定データの組として表される。例えば、エレメントOB11は、基準点A11(x0,y0)を起点として所定の向き(例えば右回り)に周回しながら、A11(x1,y1)、A11(x2,y2)、A11(x3,y3)、A11(x0,y0)の順でベクトルを連ねることによりエレメントの外形輪郭を描いた場合の、各ベクトルの終点位置の座標のデータ組として表わされている。エレメントOB12も同じである。また、パッドやランド等を表す円形のエレメントOB13は、その中心座標C13と半径r13とのデータ組として表わされている。さらに、例えば幅Wが一定した配線部の図形であるエレメントOB14などは、その起点位置B14(X0,Y0)及び終点位置B14(X1,Y1)の座標と線幅W14のデータ組として表わすことができる。なお、図5では、4つのエレメントOB11,OB12,OB13,OB14が全て同じレイヤ(M1)に描かれている。
【0034】
一方、図18においてビア入力が選択された場合には、S9に進んでビア入力処理となる。図7に示すように、ビアVは、異配線層の配線部W1,W2同士を接続するものであるが、本実施例ではそのビアVの図形の入力は、ビア層単位で行なわれ、複数のビア層にまたがるビアは、複数のビアが重ねられたスタックドビアの形で入力される。従って、ビアを入力すべきビア層を指定することにより、単位となるビアを一つ入力することができる。なお、3つ以上のビア層が設けられ、3つ以上のビア層にまたがるビアを入力する場合は、ビア開始層とビア終了層とを指定することにより、中間層のビアを自動発生させるようにしてもよい。そして、このビア図形(これも基板要素の一つである)のデータは、図8に示すように、ビア位置データと、ビア層に対応したレイヤの特定情報(ビア形成レイヤVLY##)との組として、ビア特定データ(例えばビアコード)と対応付けた形で図面データメモリ52gに記憶される。
【0035】
図18に戻り、エレメントの描画を行った場合はS4に進み、図9に示すように、同一レイヤ内にその入力したエレメントOB12に部分的に重なる(すなわち、接続されている)入力済のエレメントOB11が存在するか否かを判定する。NoであればさらにS5に進み、図11に示すように、ビアVA11を介した異レイヤ間接続により別のエレメントOB31に接続していないかどうかを判定する。これもNoであればS6に進み、そのエレメントOB12を配線ネット図形として、例えばエレメント特定情報のみを、図面データメモリ52g内の配線ネットデータ登録メモリ52i(図3)に、ネット特定情報(例えばネット番号)を付与して新ネットデータとして書き込み、これを登録する。
【0036】
また、図18のS4(図9参照)あるいはS5(図11参照)においてYesの場合はともにS7へ進み、そのエレメントを接続先となるエレメントが属する登録済の配線ネット図形に組み込む処理、すなわち新たに描いたエレメントのエレメント特定データを、配線ネットデータ登録メモリ52i内の対応するネットデータに付加する処理を行う(S4→S7)。また、ビアによる接続の場合は、そのビア特定データもネット特定情報に付加する(S5→S7)。こうして、図3に示すように、配線ネットデータ登録メモリ52i内には、各ネット特定情報net1,net2,・・と、その配線ネットに属するエレメントの特定データOB11,OB12,・・あるいはビアの特定データVA11,VA12,・・とが互いに対応付けられたネットデータが記憶されてゆくこととなる。
【0037】
他方、図10に示すように、異レイヤ間で重なるエレメントが発生した場合は、それらエレメント特定データの重なり先のネットデータへの付加は行われない。しかしながら、図18のS10において、新たに入力されたビア図形により互いに接続される配線ネット図形が発生した場合はS11に進み、それらの配線ネット図形のネットデータ同士を統合(マージ)して、それを1つの配線ネット図形のネットデータとして再登録する処理が行われる。この場合、ネット特定情報は、統合前の配線ネット図形の一方に対応するものを残し、他方を削除してこれを欠番として扱うようにしてもよいし、両方のネット特定情報を消して新たなネット特定情報を付与するようにしてもよい。
【0038】
上記のようなエレメントやビアの入力の作図入力を繰り返した後、作図作業を終了する場合は、S12からS13へ進み、図面データメモリ52g内に蓄積されている図形のデータ、すなわち図面データを、配線ネットデータ登録メモリ52i内のネットデータとともにファイル名を付与して、HDD10(図2)の図面データファイル63に書き込み、保存する。
【0039】
上記のようにして作成された、各エレメント(作図対象要素)のCADデータは、設計を反映したCAMデータを生成するため、一旦、エレメントの外形線が少なくとも始点及び終点を有する作図線データにより記述される外形線特定データに変換される。例えば、四角形のエレメントであれば、図12(a)に示すように、四角形の1角に対応する始点Sと、四角形の他の3角に対応する3つの中点C(時計回りにC1、C2、C3と順序付けられる)と、始点Sと同じ角に対応する終点Eとからなる構成点の座標データによって特定され、対応する構成点間(構成点を時計回り)に直線が描かれて四角形を表示する。また、円形のエレメントであれば、図12(b)に示すように、中心CCの座標、半径R、及び水平線を基準とした始角α及び終角βのデータ(始点S及び終点Eはこれらより求まる)から特定される円弧により、円が描かれる。
【0040】
詳しくは、作図線データは、直線データ及び/又は円弧データの集合体からなり、該集合体からエレメント(作図対象要素)が特定できる場合(例えば、エレメントの外形線を一筆書きすることができるような場合)に、当該集合体を一つのエレメントを特定するエレメント記述データとする。例えば、図13に示すような2つの直線A、Cとそれらの端部を結ぶ2つの円弧B、Dからなる図形の場合では、直線Aの始点S(A)を図形の始点Sとし、直線Aの終点E(A)と円弧Bの始点S(B)を中点C1、円弧Bの終点E(B)と直線Cの始点S(C)を中点C2、直線Cの終点E(C)と円弧Dの始点S(D)を中点C3とし、円弧Dの終点E(D)を図形の終点Eとして、この図形を一つのエレメントとして認識する。なお、直線は2点の座標データによって特定され、円弧に関しては上述のように中心座標、半径、及び水平線を基準とした始角及び終角を表すデータにより特定される。
【0041】
以上のようなデータ構造を有する外形線特定データは、変換時のトラブルや変換後の設計者による修正等での入力ミスなどによって、エレメントが正確に特定されない場合が生じる。エレメントが正確に特定されない場合とは、エレメントの閉じた外形線の内側に属する領域を面要素固有の面領域として一義的に特定できない状態のことであり、詳しくは後述する。このような外形線特定データからは誤ったCAMデータが生成されてしまうので、電子回路基板の製造に重大な支障が生じる。そのため、本実施形態のCADシステム1では、そのようなエレメントが特定されない状態のエレメントがある場合、そのエレメントを禁則作図状態と判別し、モニタ13にエラー表示を行う禁則作図状態判別手段を備える。
【0042】
上述したエレメントの閉じた外形線の内側に属する領域を面要素固有の面領域として一義的に特定できない状態とは、2つの状態が考えられる。1つ目は、外形線特定データにより面要素の閉じた外形線を特定できない状態である。外形線特定データは、エレメントの外形線を少なくとも始点及び終点を有する作図線で記述することによりエレメントを特定するデータ構造であるので、エレメントを特定するには閉じた外形線である必要がある。しかし、上述した入力ミスや変換トラブルにより、外形線特定データにより特定される外形線の始点及び終点の座標が一致していない状態が生じてしまうことがある。これにより外形線が開いた状態になってしまった場合、エレメントとなる面領域が特定されなくなってしまう。なお、モニタ13に表示された外形線から、座標の不一致が設計者等の目に明らかである場合には設計者により修正が行われることが予想されるので、このような問題は、座標の不一致がデータ上における微小なズレで、実際には面領域が特定されていないのに、設計者等の目から見るとあたかも面領域が特定されていると認識されてしまう程度である場合に深刻となる。
【0043】
図で説明すると、例えば、図14(a)の四角形や図14(c)の円のように始点と終点が一致している場合は、それぞれエレメントとなる面領域が特定されるのに対し、図14(b)、(d)のように一見四角や円に見える図でも、拡大してみると始点と終点が一致していない場合がある。このような場合には、エレメントとなる面領域は特定されないことになる。したがって、外形線特定データにより特定される外形線が閉じた状態であるかどうかのチェックを行う必要がある。また、図14(e)のように始点と終点が一致していなくても、線が交差することによって内側領域が特定される場合が考えられるが、このような線は面要素の外形線と呼ぶことはできない。
【0044】
そこで、本実施形態の電子回路基板用CADシステムでは、前記面要素の閉じた外形線を特定できない状態とは、前記外形線特定データにより特定される外形線の始点及び終点の座標が一致していない状態であるとして、禁則作図状態判別手段は、外形線の始点と終点の座標が一致しているかどうかをチェックする外形線チェック処理を行う。図15のフローチャートに処理の概要を示す。また、本実施形態において、外形線チェック処理は、始点と終点間の距離が一定距離以下である場合に、始点と終点を一致させる補正を行う処理を含むものである。
【0045】
図15のフローチャートによると、まずO1において、エレメント特定データ(図6参照:以下、番号ともいう)の付された全てのエレメントのうち、最初の番号のエレメントをチェック対象エレメントとする。そして、O2においてチェック対象エレメントとなったエレメントを特定する外形線特定データにおいて、始点Sと終点Eの座標が一致しているかどうかをチェックする。そこで一致しない場合は、O5に移り、始点Sと終点E間の距離がL以下であれば、始点Sと終点Eが一致するよう補正を行う(O6)。該補正は、例えばエレメントが多角形であるならば(図14(b)に四角形の場合を示す)、始点Sを含む直線(始点Sと最初の中点Cを結ぶ直線)と終点Eを含む直線(終点Eと最後の中点Cを結ぶ直線)の交点を算出し、該交点と一致するよう両直線を延長又は短縮させる。また、エレメントが円形であるならば終角を始角に一致させる。一方、始点Sと終点E間の距離がL以上であるならば、O7に移り、エラーリストにエレメントの番号を入力する。以上の処理を行ったら、次の番号のエレメントをチェック対象エレメントとしてO2に戻り(O3及びO4を経由して)、次のチェック対象エレメントのチェックを行っていく。このループを最後の番号のエレメントをチェックするまで繰り返して、全てのエレメントに対してチェックが終了したら、O8に移り前記エラーリストをモニタ13に表示する。以上の手順を経て外形線チェック処理が終了する。
【0046】
また、上述したエレメントの閉じた外形線の内側に属する領域を面要素固有の面領域として一義的に特定できない状態の2つ目としては、外形線特定データにより面要素の閉じた外形線を特定することはできるが、同一の作図レイヤ上に面要素固有の面領域が特定できない状態が考えられる。これは、閉じた外形線によって面要素を特定することができても、同一の作図レイヤ上に面要素固有の面領域が特定できない状態、例えば異なる面要素同士が少なくとも一部以上の領域(外形線を含む)を共有している状態である。このような状態の場合、領域の共有個所がどちらのエレメント(面要素)に属するかの認識が不能となり、CAMデータを生成して製造を行う際に、領域の共有個所に2度同じ操作を行ってしまって実際の寸法と設計上の寸法との間に狂いが生じてしまったり、領域の共有個所に本来行われるべき操作がなされなかったりといった不具合が起こる惧れがある。
【0047】
図で説明すると、同一作図レイヤ上において、例えば、変換前の面要素自体を特定するデータ構造のCADを使って設計を行う設計者が図16(a)のような形状の面要素Hを意図した場合、図16(b)のように2つの四角形I及びJを重ねて設計を行うことがある。このようなCADデータを外形線特定データに変換した場合、外形線特定データでは図16(c)のように異なるエレメントが一部の領域を共有し合っている状態となってしまう。このような状態では共有領域が、どちらのエレメントもしくは非エレメントに属するのかが認識不能となる。したがって、このような同一の作図レイヤ上で面要素固有の面領域が特定できない状態であるかどうかのチェックを行う必要がある。なお、図16(d)のように大小の異なる2つの面要素B及びSにおいて、一方(大きい方の面要素B)の面要素領域内に、もう一方(小さい方の面要素S)の面要素が、外形線を共有せずに含まれている状態で作図が行われている場合には、面要素B及び面要素Sの外形線はともに枠状面要素Fの外形線とすることができ、作図レイヤ上において枠状面要素Fの固有の面領域が定義されていると認識できる。
【0048】
そこで、本実施形態の電子回路基板用CADシステムでは、前記面要素固有の面領域が特定できない状態とは、前記外形線特定データにより特定される前記面要素の閉じた外形線の一部が、同一の前記作図レイヤ上に存在する前記面要素とは異なる面要素の閉じた外形線の一部を共有している状態であるとして、エレメント(面要素)の外形線が他のエレメントの外形線と共有していないかどうかをチェックする重複チェック処理を行う。図17のフローチャートに処理の概要を示す。なお、ここで「外形線の共有」とは、エレメントの外形線が他のエレメントの外形線と交わっているか、もしくは接している状態のことを指す。
ことを特徴とする請求項4に記載。
【0049】
以下に図17のフローチャートの説明を行う。なお、当該重複チェック処理は同一作図レイヤ上のエレメント同士の重複をチェックするものであり、以下の説明で番号(エレメント特定データ)の最初及び最後とは、同一作図レイヤに属するエレメント(図6のレイヤ特定データにより判別)の中での最初及び最後の番号のことを意味する。まずR0において、チェック処理を行う作図レイヤを選択する(レイヤ特定データにより)。次にR1で、同一作図レイヤに属するエレメントのうち、最初の番号のエレメントをチェック対象エレメントとし、R2においてチェック対象エレメントとなったエレメントの次の番号のエレメントを比較対象エレメントとする。そして、R3において、チェック対象エレメントを構成する外形線(ライン)が比較対象エレメントを構成する外形線(ライン)と共有していないかどうかをチェックする。
【0050】
該チェックの方法の例を以下に列挙する。多角形同士間のチェックならば、図20(a)に示すように、チェック対象エレメントMの外形線に含まれるある構成点間ライン(A〜Dのいずれか)に対して、比較対象エレメントM´の外形線に含まれる構成点間ライン(A´〜D´)が共有していないかどうかをそれぞれチェックし、この操作をチェック対象エレメントMの外形線に含まれる全ての構成点間ライン(A〜D)に渡って行う。2つの構成点間ラインが共有しているかどうかの判定は、該ラインが含む2つの構成点により求まる直線の式と該ラインの範囲を比較することにより判別可能である。詳しくは、2つの直線の式から交点が存在するかを確かめ、存在するならばその交点が2つの構成点間ライン上に位置するかどうかを調べ、位置するならば2つの構成点間ラインは共有していると判定する。
【0051】
次に、多角形と円形の間のチェックならば、例えば図20(b)に示すように、チェック対象エレメントの多角形Mの外形線に含まれるある構成点間ライン(A〜Dのいずれか)を含む直線に対して、比較対象エレメントの円R´の中心CCとの距離z(直線への垂線の長さ)を求める。当該距離zが円の半径r以下であるならば、前記構成点間ラインの範囲と、円R´の中心CCの座標及び半径Rとを比較して、共有しているかを判定し、この操作をチェック対象エレメントMの外形線に含まれる全ての構成点間ライン(A〜D)に渡って行う。また、これとは反対にチャック対象エレメントが円形で、比較対象エレメントが多角形である場合にも同様の処理を行う。上記の比較の方法としては、例えば図(d)に示すように、始点Sから終点Eを結ぶ前記構成点間ラインLがある場合、それとは垂直で且つ始点S、終点Eをそれぞれ含む2つの直線VLS及びVLEについて、それぞれの切片(例えば、直線がy軸と交わる場合のy座標)の値IS及びIEを求める。そして、ラインLを含む直線から距離r以下の範囲(直線L´及びL”に挟まれた領域)に中心CCが存在する円R´について、前記2つの直線VLS及びVLEと平行(ラインLと垂直)で中心CCを通る直線VLCCを求め、その切片の値ICCが前記2つの直線VLS及びVLEにより求まる2つの切片値IS及びIEの間の範囲内(図では領域P)にあるならば、ラインLと円R´は共有しているとする。また、それに該当しないものでも、円R´の中心CCから、始点Sもしくは終点Eのいずれかまでの距離がr以下の範囲(図では領域Q)にある場合に関しても、ラインLと円R´は共有しているとする。
【0052】
次に、円形と円形の間のチェックならば、例えば図20(c)に示すように、チェック対象エレメントの円Rの中心CCと比較対象エレメントの円R´の中心CC´との間の距離zを求め、距離zが円Rの半径rと円R´の半径r´の差(|z−z´|)以上で且つ和(z+z´)以下の範囲ならば、ラインが共有していると判定する。
【0053】
図17のフローチャートに戻り、R3のチェック処理により上記のようなライン間の共有が見つかった場合にはR5に移り、その2つのエレメントの番号を関連付けてエラーリストに入力する。そして、比較対象エレメントとなっているエレメントの次の番号のエレメントを新しい比較対象エレメントに設定し(R6)、R3に戻って再びチェック処理を行うといったループを、比較対象エレメントが最後の番号のエレメントとなるまで繰り返し続ける(R4)。以上の処理は、エレメントが、それよりも次の番号から最後の番号までのそれぞれのエレメントとラインの共有がないかどうかのチェックを行うものである。そして、次にチェック対象エレメントとなっているエレメントの次の番号のエレメントを新しいチェック対象エレメントに設定し(R8)、R2に戻り、新しいチェック対象エレメントとなっているエレメントの次の番号のエレメントを最初の比較対象エレメントとし、上記と同様のチェック処理(R3〜R6)を行う。この一連の処理をチェック対象エレメントとなっているエレメントの番号が最後よりも一つ前の番号となるまで繰り返す(R7)。以上の処理が終了したら、R9に移り前記エラーリストをモニタ13に表示する。以上の手順を経て、選択された作図レイヤにおけるエレメント同士の重複をチェックする重複チェック処理が終了する。なお、全ての作図レイヤに関してこのようなチェックを一度の処理で行うようにするため、前記のような処理を作図レイヤ毎に次々と行い、最後にエラーリストをまとめて表示するような処理形態も考えられる。
【0054】
上記のようにして変換され、チェックの行われた外形線特定データを含むCADデータは、CAMデータに変換される。CAMデータは、エレメント又は該エレメントと関連付けた形で電子回路基板1に形成される付加要素(例えばエレメントをなす配線パターン)からなる製造対象要素の、製造途上での寸法、形状及び配置位置、あるいは製造対象要素を製造するための治具(例えば、ビアパターンや配線パターンを露光するためのマスクや、半田バンプ形成に使用する半田ペースト塗布用マスクなど)の、該製造対象要素に対応した部分の寸法、形状及び配置位置を特定する図形データである。
【0055】
図19は、CADデータをCAMデータに変換する処理の一例を示すフローチャートである。S51以降は、CADデータファイルのレイヤ毎の変換処理となる。図19の処理においては、図1の各レイヤのエレメントCADデータを、順次自動的にCAMデータ変換する処理になっているが、工程別に、必要なエレメントのCADデータのみを選択して、CAMデータ変換するようにしてもよい。以下、ステップ毎に説明する。まず、S51で最初のレイヤを選択し、そのレイヤがソルダーレジスト層ならばS57に進んで、ソルダーレジスト層用のCAMデータを作成する。具体的には、半田充填用の開口部(図1:符号8a)の設計上の寸法(あるいは形状)及び形成位置を表す図形データを、感光性樹脂組成物フィルムに該開口部のパターンを転写するための、露光用マスク上の対応部分(ネガ型組成物の場合は遮光部、ポジ型組成物の場合は露光部)の寸法(あるいは形状)及び形成位置を表す図形データに変換する。
【0056】
また、選択したレイヤが導体層である場合はS56に進み、導体層用のCAMデータを作成する。具体的には、配線部、パッド、ランドあるいは面導体パターンの、設計上の寸法(あるいは形状)及び形成位置を表す図形データを、メッキ用レジスト層を配線部や面導体パターンに合わせてパターニングするための、フォトリソグラフィー用露光マスク上の対応部分(ネガ型フォトレジストを用いるの場合は遮光部、ポジ型フォトレジストを用いる場合は露光部)の寸法(あるいは形状)及び形成位置を表す図形データに変換する。さらに、選択したレイヤがビア層である場合はS55に進み、ビア層用のCAMデータを作成する。具体的には、形成すべきビアの設計上の寸法(あるいは形状)及び形成位置を表す図形データを、フォトビアプロセス用露光マスク上の対応部分(ビルドアップ層を、ネガ型感光性樹脂組成物フィルムを用いて形成する場合はマスク上の遮光部、ポジ型感光性樹脂組成物フィルムを用いて形成する場合はマスク上の露光部)の寸法(あるいは形状)及び形成位置を表す図形データに変換する。なお、レイヤが上記のいずれでもなかった場合は、CADデータが不存在のレイヤとしてスキップする。上記の処理を、S58、S59→S51の流れでレイヤを次々と変えながら実行し、全てのレイヤについてCAMデータ変換処理が完了すれば処理を終了する。
【0057】
以上のようなCAMデータは、製造中や製造後の電子回路基板1の外観検査を行うための外観検査用フィルムを製造するのに用いるデータともなる。該外観検査用フィルムには、レイヤ上の得られるべきパターンがプリントされ、これを用いて実際電子回路基板1に得られたパターンを目視によって比較することにより外観検査が行われる。また、前記CAMデータは、自動外観検査機(Automatic Optical Inspection Machine, AOI)等の装置により外観検査を行う場合にも、当該装置にあらかじめ読み込ませるデータとして用いることが可能である。これにより、レイヤ上の得られるべきパターンが前記装置に認識され、実際に得られた導体層パターンとの比較を画像処理により行うことで外観検査が行われる。
【0058】
以上のようにして作成されたCAMデータは、必要に応じて図2の入出力インターフェース2から出力され、電子回路基板1の製造に供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子回路基板の一例を示す断面図。
【図2】本発明の電子回路基板用CADシステムの電気的構成を示すブロック図。
【図3】配線ネットデータ登録メモリの内容を示すマップ。
【図4】本発明の電子回路基板用CADシステムにおける作図画面上での操作過程の説明図。
【図5】エレメントの概念図。
【図6】エレメントのCADデータの概念図。
【図7】ビア図形の概念図。
【図8】ビア図形のCADデータの概念図。
【図9】エレメントの重なり接続状態の第一説明図。
【図10】エレメントの重なり接続状態の第二説明図。
【図11】エレメントのビア接続状態の説明図。
【図12】外形線特定データのデータ構造の第一説明図。
【図13】外形線特定データのデータ構造の第二説明図。
【図14】外形線特定データにより面要素の閉じた外形線を特定できない状態の説明図。
【図15】外形線チェック処理の流れを示すフローチャート。
【図16】同一の作図レイヤ上に面要素固有の面領域が特定できない状態の説明図。
【図17】重複チェック処理の流れを示すフローチャート。
【図18】作図処理の流れを示すフローチャート。
【図19】CAMデータ作成処理の流れを示すフローチャート。
【図20】エレメント同士が外形線を共有している状態を判別する方法の説明図。
【符号の説明】
1 電子回路基板用CADシステム
2 入出力インターフェース(CAMデータ出力手段)
3 CPU(作図レイヤ設定手段、CADデータ入力手段、CAMデータ生成手段、CAMデータ出力手段、禁則作図状態判別手段)
5 RAM
6 キーボード
7 マウス(CADデータ入力)
8 CD−ROMドライブ
10 ハードディスクドライブ
12 コンピュータ本体
20 CD−ROM(コンピュータプログラムを記録した記録媒体)

Claims (3)

  1. 複数の導体層が絶縁層を介して積層された電子回路基板を設計かつ製造するためのCADシステムであって、
    電子回路基板に形成すべき導体層及び絶縁層に対応する複数の作図レイヤを設定する作図レイヤ設定手段と、
    前記電子回路基板を構成する基板要素を作図対象とし、該作図対象の外形線を少なくとも始点及び終点を有する作図線により作図するため、該作図線の設計上の寸法、形状及び配置位置を特定するCADデータを、前記作図レイヤ上に入力するCADデータ入力手段と、
    前記作図対象は前記作図レイヤ上の閉じた面領域を規定する面要素であり、前記CADデータは該面要素の閉じた外形線を特定する外形線特定データを含むものであり、当該外形線特定データに基づいて、前記面要素の閉じた外形線の内側に属する領域を当該面要素固有の面領域として一義的に特定できるか否かを判別し、特定できない場合に禁則作図状態が発生したと判定する禁則作図状態判別手段と、
    を備えることを特徴とする電子回路基板用CADシステム。
  2. コンピュータにインストールすることにより、請求項1に記載の電子回路基板用CADシステムを構成する各手段として当該コンピュータを機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  3. 請求項1に記載の電子回路基板用CADシステムを用いて、得るべき電子回路基板に必要な前記基板要素を前記作図レイヤ上に前記CADデータの集合として作成する電子回路基板設計工程と、
    前記基板要素又は該基板要素と関連付けた形で前記電子回路基板に形成される付加要素を製造対象要素として、該製造対象要素自体又は該製造対象要素の製造用治具の対応部分の、製造工程上の寸法、形状及び配置位置を特定する製造用データを、前記CADデータに基づいて生成し、該製造用データを用いて前記電子回路基板を製造する電子回路基板製造工程と、
    を含むことを特徴とする電子回路基板の製造方法。
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