JP2004259613A - 電池パック及び非水電解液二次電池を電源とする電子機器 - Google Patents

電池パック及び非水電解液二次電池を電源とする電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】過充電時の電極体内部の発生熱を電池の外部で吸収することが出来、然も、電極体内部の温度を正極の熱安定性限界よりも低く抑えることが出来る電池パックを提供する。
【解決手段】本発明に係る電池パックにおいては、キャビネット2の内部に電池収容室31を具え、該電池収容室31に周囲を外装体51に覆われた非水電解液二次電池要素を収容し、該非水電解液二次電池要素が発生する電力を外部へ取り出すことが出来る。前記電池収容室31の内周壁と前記外装体51との間には、過充電による正極の発熱がジュール熱に起因するものから正極自体の化学反応に起因するものに切り替わる期間に、吸熱効果を発揮する吸熱層7が設けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン二次電池の如く、放電と充電を繰り返すことが出来る非水電解液二次電池を内蔵した電池パック、及び非水電解液二次電池を電源とする電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯型電子機器の電源として、エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池が注目されている。又、電気自動車の電源として、大容量の円筒型二次電池が注目されている。
例えば図7に示す従来のリチウムイオン二次電池において、電池缶(8)は、一方の端部に開口部を有する筒状の負極缶(80)と、該開口部に固定されて開口部を塞ぐ封口板(81)と、負極缶(80)と封口板(81)の間に介在する電気絶縁性部材(82)とから構成され、内部に巻き取り電極体(9)が収容されている。
【0003】
巻き取り電極体(9)は、アルミニウム箔からなる芯体の表面にリチウム複合酸化物からなる正極活物質を塗布してなる正極(91)と、銅箔からなる芯体の表面に炭素材料を含む負極活物質を塗布してなる負極(93)と、非水電解液が含浸された微多孔性のセパレータ(92)とから構成され、正極(91)及び負極(93)はそれぞれセパレータ(92)上に幅方向へずらして重ね合わされ、渦巻き状に巻き取られている。これによって、巻き取り電極体(9)の軸方向の両端部の内、一方の端部では、セパレータ(92)の端縁よりも外方へ正極(91)の端縁が突出すると共に、他方の端部では、セパレータ(92)の端縁よりも負極(93)の端縁が突出している。
【0004】
巻き取り電極体(9)の両端部にはそれぞれ集電板(94)が設置されており、正極側の集電板(94)は、タブ(95)の先端部がレーザ溶接によって封口板(81)に接続されると共に、負極側の集電板(94)は、スポット溶接、超音波溶接或いはレーザ溶接によって負極缶(80)の底面に接続されている。これによって、巻き取り電極体(9)が発生する電力を封口板(81)の正極端子部(83)と負極缶(80)から外部へ取り出すことが出来る。
【0005】
図7に示す従来のリチウムイオン二次電池においては、充電が完了した後も充電状態が継続する過充電の問題があった。過充電状態においては、電解液の分解や正極の発熱によって、電極体内部の温度が上昇する。この過充電時の正極の発熱は、ジュール熱に起因するものから正極自体の化学反応に起因するものに切り替わることになる。電極体内部の温度が、上記切り替わり時の温度(以下、正極の熱安定性限界と呼ぶ)を越えると、正極活物質自体が発熱を開始し、最終的に正極活物質の熱暴走反応が発生する。
尚、リチウム複合酸化物が正極活物質として採用される一般的な正極の熱安定性限界は過充電末期において150℃程度であることが知られており、150℃を越えると正極活物質自体が発熱を開始する。
【0006】
上記問題を解決するために、リチウムイオン二次電池には、一般的に保護回路や保護素子が取り付けられており、電池が充電時に過充電の状態になると、保護回路や保護素子が作動することによって電流の流れは遮断され、充電は中止されることとなる。
しかしながら、電池本体が外部からの衝撃を受けることによって保護回路や保護素子が故障した場合や、電極体内部に短絡が生じることによって保護回路や保護素子が機能しない場合、過充電の状態が継続することとなり、電極体内部の温度上昇を抑制することが出来ない問題があった。又、一度電極体内部の温度が正極の熱安定性限界を超えてしまうと、前述の如く正極活物質自体が発熱することとなるので、電極体内部の温度上昇、或いは該温度上昇に伴う正極活物質の熱暴走反応を抑制することが極めて困難となる問題があった。
更に、保護回路や保護素子は非常に高価であるので、これらの保護回路や保護素子を必要としない二次電池構造が要求されている。
【0007】
上記問題を解決するために、例えば特許文献1に示すリチウムイオン二次電池が提案されている。
該リチウムイオン二次電池において、正極は、アルミニウム箔からなる正極の芯体にリチウム酸複合物からなる正極活物質を塗布して構成され、該正極活物質には、150℃から600℃の温度範囲で潜熱を伴う相転移を有する物質、例えばAlClからなるスラリー状の吸熱剤が塗布されている。
【0008】
上記特許文献1に示すリチウムイオン二次電池においては、電極体内部の温度が正極の熱安定性限界に達するとしても、その後の正極活物質自体の発熱による発生熱は吸熱剤の融解に伴う吸熱反応によって吸収されることとなる。この結果、電極体内部の温度上昇は抑制され、正極活物質の熱暴走反応は回避される。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−40200号公報(
【0009】、
【0010】、
【0015】、
【0016】)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、リチウムイオン二次電池の過充電特性は、図8のグラフに示す如く、以下に示すA、B、Cの3つの温度領域に区分することが出来る。図8に示すグラフは、横軸に時間、左縦軸に電圧、右縦軸に温度をとり、実線は電池表面の温度の時間的変化、破線は電圧の時間的変化を示している。
【0011】
図8のグラフに示す如く、温度領域Aにおいては、電極体内部にて正常な充電反応が進行し、正極から負極へリチウムイオンが正常に移動する。このとき、通電により40℃程度まで電池の表面温度が上昇する。
温度領域Bにおいて、充電が完了する時間Tの後も充電を継続した場合、電極体は過充電の状態となる。このとき、負極のリチウム吸蔵能力が限界を超えるため、負極表面にてリチウムの析出が発生すると共に、正極にてリチウムイオンが放出され難くなるため、電解液が分解することや正極が抵抗体となって通電電流が熱に変化することによって電流が流れ続け、電極体内部に大量の熱が発生し、電極体内部の温度は急激に上昇する。該温度上昇により電池表面の温度が80℃に達するとき、電極体内部の温度は局所的に120℃程度に達すると推定される。
電極体内部がこのような温度に達すると、通常、微多孔性のセパレータを構成しているポリエチレンが変質することにより、セパレータの多数の孔が塞がれ、電極体内部でのリチウムイオンの流れは遮断される。上記セパレータの動作(以下、シャットダウンと呼ぶ)によって、充電回路の電流の流れは遮断されることとなり、この結果、電池電圧は一気に上昇する。
シャットダウンの後も、直ぐに電極体内部の発熱が完全に抑制されるわけではないので、電極体内部の温度は引き続き上昇する。この結果、電池表面の温度は最大で120℃程度まで上昇することから、電極体内部の温度は、局所的には正極の熱安定性限界である150℃近くまで上昇することになる。
温度領域Cにおいては、シャットダウンにより電流の流れが完全に遮断されているので、電極体内部の発熱は抑制され、電極体内部の温度は充電初期の温度程度まで低下する。この結果、電極体内部の温度が正極の熱安定性限界に達することはなく、正極活物質の熱暴走反応は回避される。
【0012】
上記リチウムイオン二次電池の過充電特性によれば、セパレータのシャットダウンを有効に機能させて、シャットダウン後の電極体内部の温度上昇を抑制することが出来れば、電極体内部の温度は正極の熱安定性限界に達する前に低下するので、正極活物質の発熱及びそれに伴う正極活物質の熱暴走反応を回避することが出来る。
しかしながら、上記特許文献1のリチウムイオン二次電池においては、電極体内部の温度が正極の熱安定性限界に達した後に、吸熱剤による吸熱が開始されるので、正極活物質の発熱自体を回避することが出来ない問題があった。又、吸熱剤は正極芯体に直接塗布されており、これによって、吸熱剤は電極体内部の電圧を発生させるための化学反応に対して不活性を保たなければならないので、吸熱剤として選択可能な材料が限られてしまう問題があった。
【0013】
そこで本発明の目的は、過充電時の電極体内部の発生熱を電池の外部で吸収することが出来、然も、電極体内部の温度を正極の熱安定性限界よりも低く抑えることが出来る電池パック及び非水電解液二次電池を電源とする電子機器を提供することである。
【0014】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る電池パックにおいては、キャビネット(2)の内部に電池収容室(31)を具え、該電池収容室(31)に周囲を外装体(51)に覆われた非水電解液二次電池要素が収容され、該非水電解液二次電池要素が発生する電力を外部へ取り出すことが出来る。
前記電池収容室(31)の内周壁と前記外装体(51)との間には、吸熱層(7)が設けられている。
【0015】
具体的構成において、前記非水電解液二次電池要素は、正極と負極の間に電解液を含む微多孔性のセパレータを介在させてこれらを積層した電極体を具え、前記吸熱層(7)は、過充電による正極の発熱がジュール熱に起因するものから正極自体の化学反応に起因するものに切り替わる期間に、吸熱効果を発揮するものである。
又、前記非水電解液二次電池要素は、正極と負極の間に電解液を含む微多孔性のセパレータを介在させてこれらを積層した電極体を具え、前記吸熱層(7)は、過熱によるセパレータの変質によって該セパレータの孔が塞がれることとなる温度よりも低い融点を有している。
【0016】
上記本発明の電池パックにおいては、非電解液二次電池要素が過充電となり、電極体内部で充電時よりも大量の熱が発生したとしても、該発生熱は外装体(51)に密着している吸熱層(7)によって吸収され、長期間に亘って電極体内部に蓄積されることはない。又、電極体内部の温度がセパレータの孔が塞がれることとなる温度に達すると、セパレータはシャットダウンする。これによって、電極体内部での電流の流れは遮断され、その後の電極体内部での発熱は抑制される。又、電流遮断後に電極体内部に残留している熱も吸熱層(7)によって吸収される。
従って、電極体内部の温度が正極の熱安定性限界に達することはなく、よって正極の発熱が正極自体の化学反応に起因するものに切り替わることはない。
【0017】
又、具体的構成において、前記吸熱層(7)は、潜熱の発生を伴って融解する無機化合物を主成分として構成されており、該無機化合物の融点は、70℃以上100℃以下である。
【0018】
該具体的構成において、吸熱層(7)は、無機化合物を主成分として構成されるので、前記外装体(51)と前記キャビネット(2)の内周壁との間の僅かな空隙が設けられた場合にも、十分な吸熱効果を発揮する。然も、吸熱層(7)を構成する無機化合物の融点が70℃以上であるので、該無機化合物による吸熱効果が、過充電時の電極体内部の発熱よりも早い時期から発揮されてしまうことはない。又、前記無機化合物の融点は100℃以下であるので、無機化合物による吸熱効果が、過充電時の電極体内部の発熱に対して十分に発揮されるよりも早い時期に、電極体内部の温度が正極の熱安定性限界に達してしまうことはない。
従って、無機化合物を主成分として構成される吸熱層(7)は、過充電時に電極体の内部にて発生する熱を十分に吸収する。
【0019】
又、具体的構成において、前記吸熱層(7)は、無機化合物を該無機化合物が溶解しない液体中に分散させ、該液体を高分子によってゲル化させた物質によって構成される。
該具体的構成においては、吸熱層(7)にて外部からの衝撃を吸収することが出来る。従って、該吸熱層(7)を具えた本発明に係る電池パックによれば、非水電解液二次電池要素の過充電時の発熱は抑制されると共に、外部衝撃による非電解液二次電池要素の部分的或いは全体的な破壊は回避される。
【0020】
更に具体的な構成において、前記無機化合物は、融解と凝固を繰り返す可逆性を有している。
該具体的構成においては、例えば電池パックが外部の熱源から発生する熱を吸収することによって、吸熱層(7)の無機化合物が融解したとしても、前記熱源を除去して電池パックが平常状態に戻れば無機化合物は再び凝固する。
従って、該無機化合物からなる吸熱層(7)は、外部の熱源による発熱に対して吸熱効果を発揮した後も、再びキャビネット(2)内部の非水電解液二次電池要素の過充電に対して機能を発揮する。
【0021】
又、本発明に係る非水電解液二次電池を電源とする電子機器においては、本体(1)に電池収容部(15)を具え、該電池収容部(15)に電源となる非水電解液二次電池を収容することが可能であると共に、電池収容部(15)内の非水電解液二次電池を充電することが可能である。前記電池収容部(15)の内周壁には、吸熱層(71)が設けられている。
【0022】
具体的構成において、前記非水電解液二次電池は、正極と負極の間に電解液を含む微多孔性のセパレータを介在させてこれらを積層した電極体を具え、前記吸熱層(71)は、過充電による正極の発熱がジュール熱に起因するものから正極自体の化学反応に起因するものに切り替わる期間に、吸熱効果を発揮するものである。
又、前記非水電解液二次電池は、正極と負極の間に電解液を含む微多孔性のセパレータを介在させてこれらを積層した電極体を具え、前記吸熱層(71)は、潜熱の発生を伴って融解する材料から構成され、過熱によるセパレータの変質によって該セパレータの孔が塞がれることとなる温度よりも低い融点を有している。
【0023】
上記本発明の電子機器においては、非電解液二次電池が過充電となり、電極体内部で充電時よりも大量の熱が発生したとしても、該発生熱は非電解液二次電池に密着している吸熱層(71)によって吸収され、長期間に亘って電極体内部に蓄積されることはない。又、電極体内部の温度がセパレータの孔が塞がれることとなる温度に達すると、セパレータはシャットダウンする。これによって、電極体内部での電流の流れは遮断され、その後の電極体内部での発熱は抑制される。又、電流遮断後に電極体内部に残留している熱も吸熱層(71)によって吸収される。
従って、電極体内部の温度が正極の熱安定性限界に達することはなく、よって正極の発熱が正極自体の化学反応に起因するものに切り替わることはない。
【0024】
又、具体的構成において、前記吸熱層(71)は、潜熱の発生を伴って融解する無機化合物を主成分として構成されており、該無機化合物の融点は、70℃以上100℃以下である。
【0025】
該具体的構成において、吸熱層(71)は、無機化合物を主成分として構成されるので、前記非水電解液二次電池と前記電池収容部(15)の内周壁との間の僅かな空隙が設けられた場合にも、十分な吸熱効果を発揮する。然も、吸熱層(71)を構成する無機化合物の融点が70℃以上であるので、該無機化合物による吸熱効果が、過充電時の電極体内部の発熱よりも早い時期から発揮されてしまうことはない。又、前記無機化合物の融点は100℃以下であるので、無機化合物による吸熱効果が、過充電時の電極体内部の発熱に対して十分に発揮されるよりも早い時期に、電極体内部の温度が正極の熱安定性限界に達してしまうことはない。
従って、無機化合物を主成分として構成される吸熱層(71)は、過充電時に電極体の内部にて発生する熱を十分に吸収する。
【0026】
又、具体的構成において、前記吸熱層(71)は、無機化合物を該無機化合物が溶解しない液体中に分散させ、該液体を高分子によってゲル化させた物質によって構成される。
該具体的構成においては、吸熱層(71)にて外部からの衝撃を吸収することが出来る。従って、該吸熱層(71)を具えた本発明に係る電子機器によれば、非水電解液二次電池の過充電時の発熱は抑制されると共に、外部衝撃による非電解液二次電池の部分的或いは全体的な破壊は回避される。
【0027】
更に具体的な構成において、前記無機化合物は、融解と凝固を繰り返す可逆性を有している。
該具体的構成においては、例えば電子機器が外部の熱源から発生する熱を吸収することによって、吸熱層(71)の無機化合物が融解したとしても、前記熱源を除去して電子機器が平常状態に戻れば無機化合物は再び凝固する。
従って、該無機化合物からなる吸熱層(71)は、外部の熱源による発熱に対して吸熱効果を発揮した後も、再び電池収容部(15)に収容された非水電解液二次電池の過充電に対して機能を発揮する。
【0028】
【発明の効果】
本発明に係る電池パック及び非水電解液二次電池を電源とする電子機器によれば、過充電時の電極体内部の発生熱は電池の外部で吸収され、然も、電極体内部の温度は正極の熱安定性限界に達することはない。
【0029】
【発明の実施の形態】
第1実施例
以下、本発明を携帯電話機の電池パックに実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係る電池パックは、図1に示す如く、直方体状のキャビネット(2)を具え、該キャビネット(2)内には電池収容室(31)が形成されており、該電池収容室(31)には、リチウムイオン二次電池(5)が収容されている。キャビネット(2)は、樹脂製の電池収容キャビネット(3)と、同じく樹脂製の電池カバー(4)とから構成されており、電池収容キャビネット(3)の内部が露出している面を電池カバー(4)で覆うことにより、図5の如くキャビネット(2)の内部には密閉空間が形成される。
【0030】
図2に示す如く、リチウムイオン二次電池(5)は、内部に二次電池要素を収納した電池本体(50)と、二次電池要素で発生する電力を取り出すための電極端子部(52)とから構成されている。図3に示す如く、電池本体(50)は、アルミニウムからなるラミネート材によって形成される外装体(51)の内部に巻き取り電極体(6)を収容し、前記外装体(51)の開口部を封止することによって形成されている。図2に示す如く、電極端子部(52)は、電池本体(50)の内部から伸びる正極集電タブ(53a)及び負極集電タブ(53b)と、両極集電タブ(53a)(53b)の先端部に取り付けられた基板(54)とから構成されている。
【0031】
巻き取り電極体(6)は、アルミニウム箔からなる芯体の表面にリチウム複合酸化物からなる正極活物質を塗布してなる正極と、銅箔からなる芯体の表面に炭素材料を含む負極活物質を塗布してなる負極と、非水電解液が含浸されたポリエチレンからなる微多孔性のセパレータとから構成され、正極及び負極はそれぞれセパレータ上に重ね合わされ、扁平渦巻き状に巻き取られている。又、正極は正極集電タブ(53a)に接続されると共に、負極は負極集電タブ(53b)に接続されており、これによって、巻き取り電極体(6)で発生する電力を外部に取り出すことが出来る。
【0032】
図4に示す如く、キャビネット(2)の内部には電池収容室(31)と基板収容室(32)が形成されており、電池収容室(31)には、リチウムイオン二次電池(5)の電池本体(50)が収容されると共に、基板収容室(32)には、リチウムイオン二次電池(5)の基板(54)が収容されている。該基板(54)は、一部をキャビネット(2)から露出させたキャビネット側端子部(33)に接続されることとなり、これによって、リチウムイオン二次電池(5)で発生する電力を外部に取り出すことが出来る。
【0033】
又、電池収容室(31)の底面と電池カバー(4)の裏面には、吸熱層(7)が設けられており、該吸熱層(7)は、図5に示す如く、リチウムイオン二次電池(5)をキャビネット(2)内部に収容したときに電池本体(50)の外装体(51)と密着する。
尚、吸熱層(7)は、融点が75℃の燐酸三ナトリウム12水和物をエタノール中に分散させ、これを分子量が300程度のトリプロピレングリコールジアクリレートからなる高分子によってゲル化した物質によって形成されている。
【0034】
上記本発明に係る電池パックにおいては、リチウムイオン二次電池(5)が過充電となり、巻き取り電極体(6)の内部で充電時よりも大量の熱が発生したとしても、該発生熱は外装体(51)に密着している吸熱層(7)によって吸収され、長期間に亘って巻き取り電極体(6)の内部に蓄積されることはない。又、巻き取り電極体(6)内部の温度が120℃〜140℃程度に達すると、セパレータはシャットダウンする。これによって、巻き取り電極体(6)内部での電流の流れは遮断され、その後の巻き取り電極体(6)内部での発熱は抑制される。又、電流遮断後に巻き取り電極体(6)内部に残留している熱も吸熱層(7)によって吸収される。
従って、巻き取り電極体(6)内部の温度が正極の熱安定性限界に達することはなく、よって正極の発熱が正極自体の化学反応に起因するものに切り替わることはない。
【0035】
又、吸熱層(7)は、燐酸三ナトリウム12水和物を主成分として構成されているので、外装体(51)とキャビネット(2)の内周壁との間の僅かな空隙が設けられた場合にも、十分な吸熱効果を発揮する。然も、吸熱層(7)の燐酸三ナトリウム12水和物の融点が75℃であるので、吸熱層(7)による吸熱効果が、過充電時の巻き取り電極体(6)内部の発熱よりも早い時期から発揮されてしまうことはない。又、吸熱層(7)による吸熱効果が過充電時の巻き取り電極体(6)内部の発熱に対して十分に発揮されるよりも早い時期に、巻き取り電極体(6)内部の温度が正極の熱安定性限界に達してしまうことはない。
従って、燐酸三ナトリウム12水和物を主成分として構成される吸熱層(7)は、過充電時に巻き取り電極体(6)にて発生する熱を十分に吸収する。
【0036】
又、リチウムイオン二次電池(5)の電池本体(50)は、ゲル化した物質で構成された吸熱層(7)に挟まれているので、外部からの衝撃は吸熱層(7)によって吸収され、リチウムイオン二次電池(5)の部分的或いは全体的な破壊は回避される。
【0037】
更に、燐酸三ナトリウム12水和物は融解と凝固を繰り返す可逆性を有しているので、例えば電池パックが外部の熱源から発生する熱を吸収することによって、吸熱層(7)の燐酸三ナトリウム12水和物が融解したとしても、前記熱源を除去して電池パックが平常状態に戻れば燐酸三ナトリウム12水和物は再び凝固する。
従って、燐酸三ナトリウム12水和物からなる吸熱層(7)は、外部の熱源による発熱に対して吸熱効果を発揮した後も、再びキャビネット(2)内部のリチウムイオン二次電池(5)の過充電に対して機能を発揮する。
【0038】
本発明に係る電池パックによれば、過充電時の巻き取り電極体(6)内部の発生熱は電池の外部で吸収され、然も、電極体内部の温度は正極の熱安定性限界に達することはない。
【0039】
第2実施例
図6に示す本実施例の携帯電話機は、リチウムイオン二次電池を収容する構造において上記第1実施例と異なるが、他の構造は第1実施例と同じである。以下の説明では、リチウムイオン二次電池を収容する構造にのみ言及し、他の構造については同じ符号を付して説明を省略する。
【0040】
図6に示す如く、本発明に係るリチウムイオン二次電池を電源とした携帯電話機は、裏面に電池収容部(15)が凹設された本体(1)と、電池収容部(15)を覆う電池蓋(16)とから構成されている。電池収容部(15)には、リチウムイオン二次電池(5)が収容され、この状態にある電池収容部(15)を電池蓋(16)で覆うことにより、リチウムイオン二次電池(5)は本体(1)に完全に収容されることとなる。
このとき、電池収容部(15)に設けられた本体側接続端子(12)にリチウムイオン二次電池(5)の電極端子部(52)の基板(54)が接続されることにより、リチウムイオン二次電池(5)から発生する電力を本体(1)へ供給することが出来る。又、本体(1)に設けられた充電端子(17)を充電器(図示省略)に係合させることにより、電池収容部(15)に収容されたリチウムイオン二次電池(5)を充電することが出来る。
【0041】
電池収容部(15)及び電池蓋(16)のリチウムイオン二次電池(5)との対向面には、吸熱層(71)が設けられており、該吸熱層(71)は、リチウムイオン二次電池(5)を電池収容部(15)に収容したときに電池本体(50)と接触する。
尚、吸熱層(71)は、融点が75℃の燐酸三ナトリウム12水和物をエタノール中に分散させ、これを分子量が300程度のトリプロピレングリコールジアクリレートからなる高分子によってゲル化した物質によって形成されている。
【0042】
上記本発明に係る携帯電話機においては、リチウムイオン二次電池が過充電となり、巻き取り電極体(6)の内部で充電時よりも大量の熱が発生したとしても、該発生熱は電池本体(50)に密着している吸熱層(71)によって吸収され、長期間に亘って巻き取り電極体(6)の内部に蓄積されることはない。又、巻き取り電極体(6)内部の温度が120℃〜140℃程度に達すると、セパレータはシャットダウンする。これによって、巻き取り電極体(6)内部での電流の流れは遮断され、その後の巻き取り電極体(6)内部での発熱は抑制される。又、電流遮断後に巻き取り電極体(6)内部に残留している熱も吸熱層(71)によって吸収される。
従って、巻き取り電極体(6)内部の温度が正極の熱安定性限界に達することはなく、よって正極の発熱が正極自体の化学反応に起因するものに切り替わることはない。
【0043】
又、吸熱層(71)は、燐酸三ナトリウム12水和物を主成分として構成されるので、電池本体(50)と電池収容部(15)の内周壁との間の僅かな空隙が設けられた場合にも、十分な吸熱効果を発揮する。然も、吸熱層(71)を構成する燐酸三ナトリウム12水和物の融点が75℃であるので、吸熱層(71)による吸熱効果が、過充電時の巻き取り電極体(6)内部での発熱よりも早い時期から発揮されてしまうことはない。又、吸熱層(71)による吸熱効果が過充電時の巻き取り電極体(6)内部での発熱に対して十分に発揮されるよりも早い時期に、巻き取り電極体(6)内部の温度が正極の熱安定性限界に達してしまうことはない。
従って、燐酸三ナトリウム12水和物を主成分として構成される吸熱層(7)は、過充電時に巻き取り電極体(6)の内部にて発生する熱を十分に吸収する。
【0044】
本発明に係る携帯電話機によれば、過充電時の巻き取り電極体(6)内部の発生熱は電池の外部で吸収され、然も、電極体内部の温度は正極の熱安定性限界に達することはない。
【0045】
図1に示す本発明に係る実施例の電池パックと、本発明に係る電池パックの構造を変更した比較例の電池パックを3種類作製して、本発明の効果を確認した。
先ず、実施例及び比較例に共通の製造工程について説明した後、実施例及び比較例毎に異なる組立工程について説明する。
【0046】
正極の作製
コバルト酸リチウムと炭素とを92:5の質量比で混合して正極合剤粉末とし、該正極合剤粉末を混合装置(例えば、ホソカワミクロン製メカノフュージョン装置)内に200g充填し、該混合装置を回転数1500rpmで10分間作動させる。これによって正極合剤粉末に衝撃、圧縮、せん断作用が加えられ、前記正極合剤粉末は混合正極活物質となる。次に、該混合正極活物質とフッ素系樹脂結着剤(PVDF)とを97:3の質量比となるようにNMP溶剤中で混合して正極合剤スラリーとし、該正極合剤スラリーをアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥後圧延して正極とした。
尚、実施例及び比較例の作製にあたり上述の正極を採用したが、正極の作製においてはこれに限定されるものではなく、ニッケル酸リチウムに代表されるリチウムニッケル複合酸化物やスピネル型マンガン酸リチウムに代表されるリチウムマンガン複合酸化物、又はオリビン型リン酸化合物と、炭素とを、所定の比率で混合したものを正極合剤粉末として採用することが出来る。又、正極合剤粉末を混合装置によって混合しない状態のものを正極活物質として採用することも可能である。
【0047】
負極の作製
黒鉛とスチレンブタジエンゴムとを98:2の質量比で混合して負極活物質とし、該負極活物質を銅箔の両面に塗布した後、乾燥後圧延して負極とした。
尚、実施例及び比較例の作製にあたり上述の負極を採用したが、負極の作製においてはこれに限定されるものではなく、グラファイト・コークス、酸化スズ、金属リチウム、珪素、又はこれらの混合物を負極活物質として採用することが出来る。
【0048】
電解液の作製
エチレンカーボネードとジエチルカーボネートを体積比1:1で混合した溶媒に、LiPFを1mol/lの割合で溶解して、電解液を調製した。
尚、実施例及び比較例の作製にあたり上述の電解液を採用したが、電解液の作製においてはこれに限定されるものではなく、リチウム塩として、LiClO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiPF6−X(C2n+1(但し、1≦X≦6、n=1又は2)、又はこれらを数種類混合したものをリチウム塩として採用することが出来る。又、リチウム塩の濃度は、0.8mol/l〜1.5mol/lが望ましい。
【0049】
電池の構成
正極及び負極にそれぞれリード端子を取り付け、イオン透過性のポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを介して扁平な渦巻き状に巻回したものを電極体とし、該電極体をアルミニウムからなるラミネート材によって形成される外装体に入れて注液を行なった後に封止し、容量が700mAhの試験用電池を作製した。
【0050】
吸熱剤の調製
分子量が300程度のトリプロピレングリコールジアクリレートとエタノールと燐酸三ナトリウム12水和物とを質量比で1:1:10として分散混合した。この混合溶液に重合開始剤として5000ppmのt−ヘルキシルピバレートを添加したものを加熱後に硬化処理をして、ゲル状吸熱剤を作製した。
尚、燐酸三ナトリウム12水和物の融点は75℃である。
【0051】
実施例
試験用電池を図1の如くキャビネットの内部に形成された電池収容室に収容し、該電池収容室と試験用電池との間の空隙に0.5mlのゲル状吸熱剤を充填した吸熱層を設けたものを実施例の電池パックとした。
【0052】
比較例1
試験用電池をキャビネットで覆うことをせず、試験用電池の表面と背面に、36mm×55mm×0.5mmの直方体状に成型したゲル状吸熱剤からなる吸熱層を張り合わせたものを比較例1の電池パックとした。
【0053】
比較例2
試験用電池を図1の如くキャビネットの内部に形成された電池収容室に収容したものを比較例2の電池パックとした。尚、吸熱層は設けられていない。
【0054】
比較例3
試験用電池をキャビネットで覆うことをせず、又、外装体の外側に吸熱層を設けていない。試験用電池自体を比較例3の電池パックとした。
【0055】
過充電試験
本過充電試験に採用した試験用電池において、電極体内部の温度が正極の熱安定性限界に最も近づくときの電流値は、2.0Cであった。そこで、本過充電試験では、3.0Cの電流を流して試験を行なった。
尚、保護端子及び保護素子は、試験用電池のリード部に取り付けられていない。
過充電試験の結果を表1に示す。
実施例及び比較例毎に電池パックを3つずつ作製し、それぞれについて過充電試験を行った。表1の3.0C過充電の欄には、各過充電試験を行なった電池パックの総数を分母で示し、電極体内部の温度が正極活物質の熱安定性限界を越えず、正極活物質自体の熱暴走反応が発生しなかった電池パックの総数を分子として示した。又、電極体内部にて正極活物質の熱安定性限界を越えず、正極活物質自体の熱暴走反応が発生しなかった例については、各過充電試験中の電池表面の最高温度を最高表面温度として表1に示した。又、電極体内部の温度が正極の熱安定性限界に最も近づいたときの電流値を過充電レベルとして測定し、その結果を表1に示した。
【0056】
【表1】
Figure 2004259613
【0057】
表1に示す様に、実施例1及び比較例1の電池パックにおいては、吸熱層により電極体内部で発生した熱は吸収され、これによってセパレータによるシャットダウンが有効に機能しており、過充電レベルは向上しているといえる。試験用電池をキャビネットに収容した実施例1の電池パックの放熱性は、試験用電池をキャビネットに収容しない比較例1の電池パックと比べて低下しているが、比較例2及び比較例3の電池パックと比較して大きく向上しており、電池の安全性が高まったといえる。
【0058】
落下試験
実施例及び比較例2の電池パックを高さ2mからコンクリートの地面に向けて繰り返し自然落下させ、それぞれの電池パックがショートするまでの落下回数を計測した。
尚、保護端子及び保護素子は試験用電池のリード部に取り付けられていない。
落下試験の結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
Figure 2004259613
【0060】
表2に示す様に、吸熱層を電池パックと電池との間に介在させた実施例の電池パックは、充填された吸熱層がキャビネット内の電池の振れを抑制すると共に、外部からの衝撃を吸収するので、ショートし難い傾向を示している。このことから、吸熱層を設けることによって衝撃に対する安全性も向上したといえる。
【0061】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、外装体(51)を鉄製やアルミニウム製の円筒型とするリチウムイオン二次電池の構造を採用しても、上記実施例と同様の効果が得られる。又、リチウムポリマー二次電池と電池収容室(31)の間に吸熱層(7)を設ける構造を採用しても、上記実施例と同様の効果が得られる。
【0062】
又、無機化合物として、融点が100℃の燐酸二水素リチウム、塩化銅(II)二水和物、ペルオキソ二硫酸カリウム、硫酸亜鉛7水和物、融点が96.8℃の硫酸コバルト(II)7水和物、融点が93.5℃の硫酸アンモニウムアルミニウム12水和物、融点が92.5℃の硫酸カリウムアルミニウム12水和物、融点が90℃のホスフィン酸ナトリウム1水和物、融点が89℃の硝酸マグネシウム6水和物、融点が86℃の塩化コバルト(II)6水和物、融点が79.5℃の二燐酸ナトリウム10水和物、融点が78℃の水酸化バリウム8水和物、融点が75℃の四ホウ酸ナトリウム10水和物、融点が73.5℃の硫酸アルミニウム9水和物、融点が70℃のヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム3水和物を採用しても、上記実施例と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電池パックの分解斜視図である。
【図2】リチウムイオン二次電池の正面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】電池パックの断面分解図である。
【図5】電池パックの断面図である。
【図6】本発明の第2実施例におけるリチウムイオン二次電池を電源とする携帯電話機の分解斜視図である。
【図7】従来のリチウムイオン二次電池の一部破断正面図である。
【図8】過充電特性を示すグラフである。
【符号の説明】
(1) 本体
(15) 電池収容部
(2) キャビネット
(3) 電池収容キャビネット
(31) 電池収容室
(5) リチウムイオン二次電池
(50) 電池本体
(51) 外装体
(52) 電極端子部
(6) 巻き取り電極体
(7) 吸熱層
(71) 吸熱層

Claims (12)

  1. キャビネット(2)の内部に電池収容室(31)を具え、該電池収容室(31)に周囲を外装体(51)に覆われた非水電解液二次電池要素が収容され、該非水電解液二次電池要素が発生する電力を外部へ取り出すことが出来る電池パックにおいて、前記電池収容室(31)の内周壁と前記外装体(51)との間には、吸熱層(7)が設けられていることを特徴とする電池パック。
  2. 前記非水電解液二次電池要素は、正極と負極の間に電解液を含む微多孔性のセパレータを介在させてこれらを積層した電極体を具え、前記吸熱層(7)は、過充電による正極の発熱がジュール熱に起因するものから正極自体の化学反応に起因するものに切り替わる期間に、吸熱効果を発揮するものである請求項1に記載の電池パック。
  3. 前記非水電解液二次電池要素は、正極と負極の間に電解液を含む微多孔性のセパレータを介在させてこれらを積層した電極体を具え、前記吸熱層(7)は、過熱によるセパレータの変質によって該セパレータの孔が塞がれることとなる温度よりも低い融点を有している請求項1に記載の電池パック。
  4. 前記吸熱層(7)は、潜熱の発生を伴って融解する無機化合物を主成分として構成されており、該無機化合物の融点は、70℃以上100℃以下である請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電池パック。
  5. 前記吸熱層(7)は、無機化合物を該無機化合物が溶解しない液体中に分散させ、該液体を高分子によってゲル化させた物質によって構成される請求項4に記載の電池パック。
  6. 前記無機化合物は、融解と凝固を繰り返す可逆性を有している請求項4又は請求項5に記載の電池パック。
  7. 本体(1)に電池収容部(15)を具え、該電池収容部(15)に電源となる非水電解液二次電池を収容することが可能であると共に、電池収容部(15)内の非水電解液二次電池を充電することが可能な電子機器において、前記電池収容部(15)の内周壁には、吸熱層(71)が設けられていることを特徴とする非水電解液二次電池を電源とする電子機器。
  8. 前記非水電解液二次電池は、正極と負極の間に電解液を含む微多孔性のセパレータを介在させてこれらを積層した電極体を具え、前記吸熱層(71)は、過充電による正極の発熱がジュール熱に起因するものから正極自体の化学反応に起因するものに切り替わる期間に、吸熱効果を発揮するものである請求項7に記載の電子機器。
  9. 前記非水電解液二次電池は、正極と負極の間に電解液を含む微多孔性のセパレータを介在させてこれらを積層した電極体を具え、前記吸熱層(71)は、潜熱の発生を伴って融解する材料から構成され、過熱によるセパレータの変質によって該セパレータの孔が塞がれることとなる温度よりも低い融点を有している請求項7に記載の電子機器。
  10. 前記吸熱層(71)は、潜熱の発生を伴って融解する無機化合物を主成分として構成されており、該無機化合物の融点は、70℃以上100℃以下である請求項7乃至請求項9の何れかに記載の電子機器。
  11. 前記吸熱層(71)は、無機化合物を該無機化合物が溶解しない液体中に分散させ、該液体を高分子によってゲル化させた物質によって構成される請求項10に記載の電子機器。
  12. 前記無機化合物は、融解と凝固を繰り返す可逆性を有している請求項10又は請求項11に記載の電子機器。
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