JP2004259601A - 電界発光灯 - Google Patents

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Naoyuki Mori
尚之 森
Masato Hayashi
正人 林
Masaharu Ono
正晴 大野
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Abstract

【課題】電界発光灯の輝度及び発光効率を改善するとともに、電極間に絶縁破壊を起こすことなく、文字や図形全体を従来より非発光部分がはるかに狭くなるよう表示させることができる高品質の安価な電界発光灯を提供する。
【解決手段】本発明の電界発光灯1は、絶縁性ベースフィルム2上に形成された裏面電極3と、裏面電極3全面を覆うように形成された反射絶縁層4と、反射絶縁層4上に形成された発光層5と、発光層5上に格子状に形成された上部電極6と、上部電極6上に形成された保護層となる透明フィルム7と、透明フィルム7上に使用者の好みに応じて形成された任意の文字、例えば、「N」からなる透明電極8により構成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は装飾や看板、玩具、インテリア等として好適な電界発光灯に関し、特に任意の文字や図形を容易に発光できるとともに発光効率及び消去性、信頼性を向上させ、かつ安定して量産できる安価な電界発光灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
透明電極と裏面電極間に交流電圧を印加して、両電極間に挟まれた発光層から出た光を透明電極を介して全面発光させる電界発光灯は、液晶ディスプレイのバックライト等に使用されている。これとは別に、文字や図形などのキャラクタ表示を目的として、裏面電極を分割し、この分割した裏面電極に交流電圧を印加して、発光層を発光させる電界発光灯があり、例えば、特開平8−153582号公報に開示されている。
【0003】
図15は、従来の電界発光灯101の構成を示す要部断面図である。従来の電界発光灯101は、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等から成る絶縁性ベースフィルム102上に、銅、アルミニウム等の導電性材料を接着剤等で接着し、エッチング等の手段により電気的に分割された裏面電極103a、103bを櫛型状に形成し、この裏面電極103a、103b上に反射絶縁層104と発光層105を順次積層形成し、さらに発光層105の上面に、例えば可視光線透過性のある導電性微粉末としてインジウム錫酸化物をアクリルメラミン樹脂に分散させた導電性ペーストを塗布や印刷により、使用者が好みに応じた所定形状に成膜乾燥させた透明電極106を形成する。そして、裏面電極103a、103bの電極端子107a、107bが外部に露出するように一対の封止フィルム108、109で包囲してラミネート処理するものである。
【0004】
次に、かかる構成の電界発光灯101の動作について説明する。裏面電極端子107a、107bに所定の交流電圧を印加すると、反射絶縁層104と発光層105が容量性を有するために、裏面電極103a、103bと透明電極106間に電位差が生じる。その結果、発光層105に高電界がかかり、使用者が塗布や印刷等の手段により好みの所定形状に成膜した表示電極である透明電極106を通して、発光層105から光が取り出される。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−153582号公報(第2,3頁、0012段落〜0016段落、図1,図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の電界発光灯101は、同一面状から給電できるという利点を有する反面、透明電極と裏面電極に交流電圧を印加して発光させるタイプの電界発光灯に比較して発光効率が悪く、同一電圧で点灯させると輝度が低下するという問題があった。
【0007】
これは図16の電界発光灯101の等価回路図に示すように、従来の電界発光灯101は、裏面電極103a、103b間に、静電容量を有する2層の反射絶縁層104と2層の発光層105が、透明電極106を介して直列接続されているためである。外部から印加される交流電圧は、これらの容量で分割されてそれぞれの層にかかることになるが、裏面電極103a、103b間には、2つの電界発光灯が形成されており、発光層105にかかる電界強度が従来の1/2に低下することになる。発光層105にかかる電界強度を上げるために、反射絶縁層104や発光層105の膜厚を薄くすることも考えられるが、反射絶縁層104や発光層105の膜厚は、チタン酸バリウムや蛍光体の大きさで決まり、発光効率を考慮して出来るだけ薄く設計しているために、これ以上薄くすることはできない。
【0008】
また、従来の電界発光灯101には、発光面がストライプ状に発光し、文字や図形の視認性を損なうという問題もあった。これは、図17に示すように、裏面電極103a、103b上部に位置する発光層105aには、裏面電極103a、103bと透明電極106を介して垂直方向に電気力線110が形成され高電界がかかるが、裏面電極103a、103b間の上部に位置する発光層105bは、裏面電極103a、103bとの距離が離れているため、電気力線が形成されずに高電界がほとんどかからないことによる。その結果、文字や図形がストライプ状の発光111になる。
【0009】
図18は、従来の電界発光灯101の平面図及び文字を発光させたときの状態図である。図18(a)に示すように、従来の電界発光灯101の電極端子107a、107bに交流電圧を印加して透明電極106で形成した文字「N」を発光させると、図18(b)に示すように裏面電極103a、103bの間が未発光のストライプ状の文字「N」112が表示されることになる。従って、裏面電極103a、103bの間隔はできるだけ狭くなるよう設計されるが、裏面電極103a、103bの極性が異なるため100〜300μmが限界であり、これ以上に近づけると裏面電極103a、103bの間に位置する反射絶縁層104が絶縁破壊を起こし、正常な表示が不能となる。
【0010】
本発明は上記問題を解決するために考えられたもので、電界発光灯の輝度及び発光効率を改善するとともに、電極間に絶縁破壊を起こすことなく、文字や図形全体を、従来より非発光部分がはるかに狭くなるよう表示させることができる高品質の安価な電界発光灯を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の電界発光灯は、透明電極と裏面電極の間に発光層と反射絶縁層を形成した電界発光灯であって、前記透明電極と前記発光層の間に上部電極を格子状、網目状、あるいはストライプ状に形成するとともに、前記透明電極と前記上部電極の間に保護層を形成し、前記裏面電極と前記上部電極に交流電圧を印加して駆動することを特徴とする。この構成により、裏面電極と上部電極の間には、透明電極を介して静電容量を有する1層の反射絶縁層と1層の発光層が直列接続された状態になるので、従来と比較して反射絶縁層1層分と発光層1層分の容量成分が少なくなり、発光層にかかる電圧が増えて電界強度が上がり、輝度を向上させることができる。また、上部電極に印加される電圧は同極性であるので、上部電極の幅や間隔を小さくすることができ、未発光部分が小さくなって文字や図形をほぼ全面発光させることができる。
【0012】
また、請求項2記載の電界発光灯は、透明電極と裏面電極の間に発光層と反射絶縁層を形成した電界発光灯であって、前記透明電極と前記発光層の間に上部電極を設け、前記裏面電極と前記上部電極をそれぞれストライプ状に形成し、それらのストライプが発光面から見て重ならないよう配置されるとともに、前記透明電極と前記上部電極の間に保護層を形成し、前記裏面電極と前記上部電極に交流電圧を印加して駆動することを特徴とする。この構成により、裏面電極と上部電極の間には、透明電極を介して静電容量を有する1層の反射絶縁層と1層の発光層が直列接続された状態になるので、従来と比較して反射絶縁層1層分と発光層1層分の容量成分が少なくなり、発光層にかかる電圧が増えて電界強度が上がり、輝度を向上させることができる。また、上部電極に印加される電圧は同極性であるので、上部電極の幅や間隔を小さくすることができ、未発光部分が小さくなって文字や図形をほぼ全面発光させることができる。また、上部電極下部に裏面電極が形成されていないので、上部電極下部の発光層と反射絶縁層に電圧がかからない。これにより、電力ロスがなくなるので発光効率が大幅に向上する。
【0013】
また、請求項3記載の電界発光灯は、透明電極と裏面電極の間に発光層と反射絶縁層を形成した電界発光灯であって、前記透明電極と前記発光層の間に上部電極と中間絶縁膜を格子状、網目状、あるいはストライプ状に形成するとともに、前記透明電極と前記上部電極の間に保護層を形成し、前記裏面電極と前記上部電極に交流電圧を印加して駆動することを特徴とする。この構成により、裏面電極と上部電極の間には、透明電極を介して静電容量を有する1層の反射絶縁層と1層の発光層が直列接続された状態になるので、従来と比較して反射絶縁層1層分と発光層1層分の容量成分が少なくなり、発光層にかかる電圧が増えて電界強度が上がり、輝度を向上させることができる。また、上部電極に印加される電圧は同極性であるので、上部電極の幅や間隔を小さくすることができ、未発光部分が小さくなって文字や図形をほぼ全面発光させることができる。また、上部電極下部に低誘電率の中間絶縁層が形成されているので、上部電極下部の中間絶縁層と反射絶縁層に無効電流が流れることがない。また、上部電極下部に発光層が形成されていないので、電力ロスがなくなり、発光効率が大幅に向上する。
【0014】
また、請求項4記載の電界発光灯は、請求項1〜3記載の電界発光灯であって、前記上部電極が、カーボン、銀、銅、ニッケル、アルミニウムのうちの一種類以上を含む金属ペーストからなることを特徴とする。この構成により、上部電極を含めた各層を同一のスクリーン印刷装置により形成できるので、製造コストを低減させることができる。
【0015】
また、請求項5記載の電界発光灯は、請求項1〜3記載の電界発光灯であって、前記上部電極が、銅、アルミニウムのうちの一種類以上を含む導電性材料の薄膜をエッチングして形成されたことを特徴とする。この構成により、より抵抗値の低い上部電極を、フォトレジストをマスクとしたエッチングにより高精細なパターンに形成できるので、高精細な発光表示が可能になるとともに、電界発光灯の大型化にも好適する。
【0016】
また、請求項6記載の電界発光灯は、請求項1〜3記載の電界発光灯であって、前記上部電極が、被覆銅線の一部を研磨して形成されたことを特徴とする。この構成により、より抵抗値の低い上部電極を貼付けなどの方法により容易に形成できるので、印刷、乾燥等の工程が不要になり、製造コストが低減するとともに、電界発光灯の大型化にも好適する。
【0017】
また、請求項7記載の電界発光灯は、請求項3記載の電界発光灯であって、前記中間絶縁層が、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂のうちの一種類以上を含む絶縁性ペーストをスクリーン印刷して形成されたことを特徴とする。この構成により、上部電極下部に低誘電率の中間絶縁層が形成されるので、上部電極下部の中間絶縁層と反射絶縁層に無効電流が流れることがなく、発光効率が大幅に向上する。
【0018】
また、請求項8記載の電界発光灯は、請求項3記載の電界発光灯であって、前記中間絶縁層が、ポジ型フォトレジストを露光、現像して形成されたことを特徴とする。この構成により、低誘電率の中間絶縁層をスクリーン印刷よりもさらに高精細に形成できるので、未発光部分をより小さくできるとともに、高精細な発光表示が可能になる。
【0019】
また、請求項9記載の電界発光灯は、請求項3記載の電界発光灯であって、前記中間絶縁層が、ポリエステル繊維とそれに塗布されたポリエステル樹脂によりから形成されたことを特徴とする。この構成により、低誘電率の中間絶縁層をスクリーン印刷よりもさらに高精細に形成できるので、未発光部分をより小さくできるとともに、高精細な発光表示が可能になる。
【0020】
また、請求項10記載の電界発光灯は、請求項1〜9記載の電界発光灯であって、前記保護層が、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)のいずれかの透明フィルムからなることを特徴とする請求項1〜9記載の電界発光灯。この構成により、比誘電率が高く、厚みの薄い透明フィルムを使用するので、発光層に十分な電界強度が加わり輝度低下が抑制される。また、発光層に使用される樹脂材料との接着性もよいので、使用中に剥がれて不点灯になることがない。
【0021】
また、請求項11記載の電界発光灯は、請求項10記載の電界発光灯であって、前記保護層が、厚み2μm〜20μmのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)、厚み2μm〜15μmのPVDC(ポリ塩化ビニリデン)、厚み2μm〜11μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)のいずれかの透明フィルムからなることを特徴とする請求項10記載の電界発光灯。この構成により、フィルム強度を低下させることなく、必要な輝度を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施例の電界発光灯1の構成を示す要部断面図及び平面図である。本実施例の特徴は、透明電極と発光層の間に上部電極を設けるとともに、上部電極をカーボン、銀、ニッケル、アルミニウムのうちの一種類以上を含む金属ペーストをスクリーン印刷等の手段により格子状に形成したことである。
【0023】
図1(a)、(b)に示すように、本発明の電界発光灯1は、絶縁性ベースフィルム2上に形成された裏面電極3と、裏面電極3全面を覆うように形成された反射絶縁層4と、反射絶縁層4上に形成された発光層5と、発光層5上に格子状に形成された上部電極6と、上部電極6上に形成された保護層となる透明フィルム7と、透明フィルム7上に使用者の好みに応じて形成された任意の文字、例えば「N」からなる透明電極8により構成される。そして、裏面電極3と上部電極6には、各々電極端子3a、6aが接続されている。
【0024】
次に、本発明の電界発光灯1の製造方法について、図2、図3の要部断面図を参照しながら説明する。先ず、図2(a)に示すように、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等から成る絶縁性ベースフィルム2上に、銀やカーボンを含む導電ペーストからなる裏面電極3をスクリーン印刷で形成する。次に、図2(b)に示すように、裏面電極3上に、チタン酸バリウムからなる白色高誘電体粉末とフッ素ゴムとを有機溶剤中に分散させた反射絶縁層用インキを用いて、反射絶縁層4をスクリーン印刷で形成する。次に、図2(c)に示すように、反射絶縁層4上に、硫化亜鉛を銅で付活した蛍光体とフッ素ゴム等からなるバインダを有機溶剤に分散させた発光層用インキを用いて、発光層5をスクリーン印刷で形成する。次に、図2(d)に示すように、発光層5上に、カーボン、銀、銅、ニッケル、アルミニウムのうちの一種類以上を含む金属ペーストからなる上部電極6をスクリーン印刷で形成する。平面的には、図1(b)に示すように、格子状の上部電極6が形成される。
【0025】
次に、図3(e)に示すように、微粘着層を設けた厚手のベースフィルム(例えば厚み50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム9の上に発光層5の保護層となる薄手の透明フィルム(例えば厚み10μmのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)フィルム7を貼り付けた別体の複合フィルム10を用意し、この複合フィルム10の透明フィルム7(保護層)側を発光層5と上部電極6に合わせるように配置し、熱圧着することにより発光層5中の樹脂分を溶融させ、発光層5及び上部電極6と透明フィルム7(保護層)を接着させる。その後、図3(f)に示すように、ベースフィルム9のみを剥離除去する。このとき、ベースフィルム9は透明フィルム7(保護層)と微粘着で密着しているだけなので容易に剥離除去することができる。次に、図3(g)に示すように、透明フィルム7(保護層)の上に導電性インク(例えば酸化インジウム等の透明電極材料を水の中に分散させたもの)を含有したペンで、任意の文字や図形を描いて透明電極8を形成することにより、電界発光灯1を得る。
【0026】
次に、本実施例の電界発光灯1の発光原理について、図4を参照して説明する。図4(a)に示すように、裏面電極3と上部電極6には、それぞれ電極端子3a、6aが接続されており、これら電極端子3a、6a間に所定の交流電圧を印加すると、裏面電極3−透明電極8−上部電極6間に電気力線11が形成され、上部電極6の間に位置する発光層5aに高電界がかかり、透明電極8を通して発光5bが得られる。このとき、図4(b)の等価回路図に示すように、裏面電極3と上部電極6の間には、静電容量を有する1層の反射絶縁層4と1層の発光層5が、透明電極8を介して直列接続された状態になるので、従来と比較して反射絶縁層4の1層分と発光層5の1層分の容量成分が少なくなる。その結果、発光層5にかかる電圧が増えて電界強度が上がり、輝度を向上させることができる。
【0027】
また、上部電極6と下部の裏面電極3の間にも電圧がかかり、上部電極6下部の発光層5も発光するが、この発光は上部電極6に遮られるので表には出てこない。しかし、本実施例の電界発光灯1では、上部電極6に印加される電圧が同極性であるので、上部電極6の幅や間隔を小さくすることができる。そのため、未発光部分が従来よりはるかに小さくなって、文字や図形をほぼ全面発光させることができる。
【0028】
また、本実施例では、発光層5及び上部電極6上に、保護層としてPVDFフィルムからなる透明フィルム7を設けているので、透明電極8(導電性インク)が発光層5や上部電極6に染み込むのを防止できるとともに、透明電極8(導電性インク)を何度でも容易に消去でき、文字や図形の書き換えが可能になる。さらに、PVDFフィルムの比誘電率は10〜12と高く、かつ厚みが10μmと薄いので、発光層5にかかる電界強度が上がり、電界発光灯1の輝度が更に向上する。
【0029】
また、透明フィルム7(保護層)として、PVDFフィルム(ポリフッ化ビニリデン、比誘電率10〜12)の他にも、透明性が高い、透明電極8の濡れ性がよい、薄膜化が容易、防汚性に優れるという観点から、PVDCフィルム(ポリ塩化ビニリデン、比誘電率6〜7)やPETフィルム(ポリエチレンテレフタレート、比誘電率2〜3)を使用することができる。
【0030】
図5は、透明フィルム7(保護層)の種類、厚みと輝度の関係を示す図である。横軸は透明フィルム7(保護層)の厚み、縦軸は電界発光灯1の輝度である。図5に示すように、透明フィルム7(保護層)の比誘電率が高く、かつ厚みが薄くなるほど、発光層5にかかる電界強度が上がるために、電界発光灯1の輝度が向上する。しかし、厚みが2μm以下ではフィルム強度が低下し、熱圧着により発光層5に貼り付けるときに亀裂が生じる。その結果、亀裂を通して透明電極8が発光層5内に染み込み、裏面電極3、上部電極6に達してショートを引き起こす。裏面電極3、上部電極6に達しない場合でも、透明フィルム7(保護層)の裏側に回り込むため、透明電極8を完全に拭き取ることができなくなり、文字や図形の消去性が損なわれる。したがって、透明電極8の染み込みをなくして実用輝度40cd/cmを確保するため、PVDFフィルムの場合は2μm〜20μm、PVDCフィルムの場合は2μm〜15μm、PETフィルムの場合は2μm〜11μm程度の厚みが適切である。
【0031】
また、透明電極8として導電性インク(酸化インジウム等の透明電極材料を水の中に分散させたもの)を用いたが、一時的に描いた文字や図形を光らせる場合には導電性の高い水や親水性の溶剤、イオン性の界面活性剤等が安価であるため有効であり、使用後ドライヤ等で乾燥させたりウエスで拭き取ることにより容易に除去でき、消灯させることができる。文字や図形をインクの乾燥後も長期間光らせたい場合は、酸化インジウムの他、酸化錫、アンチモン、酸化亜鉛等の透明導電性の金属粉末等を溶剤中に分散させたものやポリアニリンやポリエチレンジオキシチオフェン等の透明導電性ポリマーあるいは前記金属粉末、透明導電性ポリマーの混合系等が有効である。
【0032】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を参照して説明する。図6は、本発明の第2実施例の電界発光灯21の製造方法を示す要部断面図である。本実施例の特徴は、透明電極と発光層の間に上部電極を設けるとともに、上部電極を銅やアルミニウム等のうちの一種類以上を含む導電性材料の薄膜をエッチング等の手段により格子状に形成したことである。
【0033】
先ず、図6(a)に示すように、本発明の電界発光灯21は、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等から成る絶縁性ベースフィルム22上に、銅、アルミニウム等の導電性材料の薄膜を接着剤等で接着し、フォトレジストをマスクとしてエッチング等の手段により、上部電極23を格子状に形成する。次に、図6(b)に示すように、上部電極23上に硫化亜鉛を銅で付活した蛍光体とフッ素ゴム等からなるバインダを有機溶剤に分散させた発光層用インキを用いて、発光層24をスクリーン印刷で形成する。次に、図6(c)に示すように、発光層24上に、チタン酸バリウムからなる白色高誘電体粉末とフッ素ゴムとを有機溶剤中に分散させた反射絶縁層用インキを用いて、反射絶縁層25をスクリーン印刷で形成する。次に、図6(d)に示すように、反射絶縁層25上に、銀やカーボンを含む導電ペーストからなる裏面電極26をスクリーン印刷で形成した後、裏面電極26上に、フェノール樹脂やエポキシ樹脂を含む絶縁性ペーストからなる裏面絶縁層27をスクリーン印刷で形成した後、上部電極23と発光層24から、絶縁性ベースフィルム22を剥離除去する。
【0034】
次に、図6(e)に示すように、上述した第1実施例の場合と同様にして、発光層24及び上部電極23上に、厚み10μmのPVDFフィルムからなる透明フィルム28(保護層)と導電性インク(例えば酸化インジウム等の透明電極材料を水の中に分散させたもの)を含有したペンで、任意の文字や図形を描いて透明電極29を形成することにより、電界発光灯21を得る。
【0035】
本実施例によれば、銅やアルミニウム等の導電性材料の薄膜をフォトレジストをマスクとしたエッチングにより上部電極23を形成するので、金属ペーストをスクリーン印刷する場合よりも、さらに抵抗値の低い上部電極23を高精細なパターンに形成することができる。従って、高精細な発光表示が可能になるとともに、電界発光灯の大型化にも好適する。
【0036】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を参照して説明する。図7は、本発明の第3実施例の電界発光灯31の製造方法を示す要部断面図である。本実施例の特徴は、透明電極と発光層の間に上部電極を設けるとともに、上部電極を被覆銅線の一部を研磨等の手段により格子状に形成したことである。
【0037】
先ず、図7(a)に示すように、本発明の電界発光灯31は、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等から成る絶縁性ベースフィルム32上に、銅、アルミニウム等の導電性材料を接着剤等で接着し、裏面電極33を形成した後、続いてチタン酸バリウムからなる白色高誘電体粉末とフッ素ゴムとを有機溶剤中に分散させた反射絶縁層用インキを用いて、反射絶縁層34をスクリーン印刷で形成する。次に、図7(b)に示すように、反射絶縁層34上に、硫化亜鉛を銅で付活した蛍光体とフッ素ゴム等からなるバインダを有機溶剤に分散させた発光層用インキを用いて、発光層35をスクリーン印刷で形成する。次に、図7(c)に示すように、発光層35上に、被覆銅線36を接着剤等で、格子状に一定間隔に貼り付ける。次に、図7(d)に示すように、被覆銅線36の上部1/4〜1/3程度を研磨により除去して、内部銅線を露出させた上部電極37を形成する。次に、図7(e)に示すように、上述した第1実施例の場合と同様にして、発光層35及び上部電極37上に、厚み10μmのPVDFフィルムからなる透明フィルム38(保護層)と導電性インク(例えば酸化インジウム等の透明電極材料を水の中に分散させたもの)を含有したペンで、任意の文字や図形を描いて透明電極39を形成することにより、電界発光灯31を得る。
【0038】
本実施例によれば、被覆銅線36の一部を研磨して貼付けることにより上部電極37を形成するので、金属ペーストをスクリーン印刷する場合よりも、さらに抵抗値の低い上部電極37を容易に形成できる。また、印刷、乾燥等の工程が不要になるのでスループットが向上して製造コストが低減するとともに、電界発光灯の大型化にも好適する。
【0039】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を参照して説明する。図8は、本発明の第4実施例の電界発光灯41の構成を示す要部断面図及び平面図である。本実施例の特徴は、透明電極と発光層の間に上部電極を設けるとともに、裏面電極と上部電極をカーボン、銀、ニッケル、アルミニウムのうちの一種類以上を含む金属ペーストをスクリーン印刷等の手段により、それぞれストライプ状に形成し、それらのストライプが発光面から見て重ならないよう配置したことである。
【0040】
図8(a)、(b)に示すように、本発明の電界発光灯41は、絶縁性ベースフィルム42上にストライプ状に形成された裏面電極43と、裏面電極43全面を覆うように形成された反射絶縁層44と、反射絶縁層44上に形成された発光層45と、発光層45上に裏面電極43と交互になるようストライプ状に形成された上部電極46と、発光層45及び上部電極46上に形成された保護層となる透明フィルム47と、透明フィルム47上に使用者の好みに応じて形成された任意の文字、例えば「N」からなる透明電極48により構成される。そして、裏面電極43と上部電極46には、各々電極端子43a、46aが接続されている。
【0041】
次に、本発明の電界発光灯41の製造方法について、図9の要部断面図を参照しながら説明する。先ず、図9(a)に示すように、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等から成る絶縁性ベースフィルム42上に、銀やカーボンを含む導電ペーストからなる裏面電極43をスクリーン印刷によりストライプ状に形成する。次に、図9(b)に示すように、裏面電極43上に、チタン酸バリウムからなる白色高誘電体粉末とフッ素ゴムとを有機溶剤中に分散させた反射絶縁層用インキを用いて、反射絶縁層44をスクリーン印刷により形成する。次に、図9(c)に示すように、反射絶縁層44上に、硫化亜鉛を銅で付活した蛍光体とフッ素ゴム等からなるバインダを有機溶剤に分散させた発光層用インキを用いて、発光層45をスクリーン印刷により形成する。次に、図9(d)に示すように、発光層45上に、カーボン、銀、銅、ニッケル、アルミニウムのうちの一種類以上を含む金属ペーストからなる上部電極46をスクリーン印刷により、裏面電極43と交互に配置されたストライプ状に形成する。平面的には、図8(b)に示すように、裏面電極43と上部電極46が、互いに重なることがないよう、ストライプ状に形成される。次に、図9(e)に示すように、上述した第1実施例の場合と同様にして、発光層45及び上部電極46上に、厚み10μmのPVDFフィルムからなる透明フィルム47(保護層)と導電性インク(例えば酸化インジウム等の透明電極材料を水の中に分散させたもの)を含有したペンで、任意の文字や図形を描いて透明電極48を形成することにより、電界発光灯41を得る。
【0042】
本実施例によれば、裏面電極43と上部電極46を交互に配置されたストライプ状に形成するとともに、裏面電極43と上部電極46に交流電圧を印加して駆動するようにしたので、裏面電極43−透明電極48−上部電極46の間の容量成分を減少させることができ、発光層45にかかる電圧が増えて電界強度が上がり、輝度を向上させることができる。また、上部電極46に印加される電圧は同極性であるので、上部電極46の幅や間隔を小さくすることができ、未発光部分が小さくなって文字や図形をほぼ全面発光させることができる。また、上部電極46下部に裏面電極43が形成されていないので、上部電極46下部の発光層45と反射絶縁層44に電圧がかからない。これにより、電力ロスがなくなるので発光効率が大幅に向上する。また、裏面電極43と上部電極46を、銅、アルミニウム等のうちの一種類以上を含む導電性材料の薄膜をエッチング等の手段により形成すれば、より高精細な電極パターンの形成が可能になる。
【0043】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を参照して説明する。図10は、本発明の第5実施例の電界発光灯51の製造方法を示す要部断面図である。本実施例の特徴は、透明電極と発光層の間に上部電極と中間絶縁層を形成するとともに、中間絶縁層をポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂のうちの一種類以上を含む絶縁性ペーストをスクリーン印刷等の手段により格子状に形成し、上部電極をカーボン、銀、ニッケル、アルミニウムのうちの一種類以上を含む金属ペーストをスクリーン印刷等の手段により格子状に形成したことである。
【0044】
先ず、図10(a)に示すように、本実施例の電界発光灯51は、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等から成る絶縁性ベースフィルム52上に、銀やカーボンを含む導電ペーストからなる裏面電極53をスクリーン印刷で形成する。次に、図10(b)に示すように、裏面電極53上に、チタン酸バリウムからなる白色高誘電体粉末とフッ素ゴムとを有機溶剤中に分散させた反射絶縁層用インキを用いて、反射絶縁層54をスクリーン印刷で形成する。次に、図10(c)に示すように、反射絶縁層54上に、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂のうちの一種類以上を含む絶縁性ペーストからなる中間絶縁層55をスクリーン印刷で格子状に形成した後、中間絶縁層55と同じ位置にカーボン、銀、銅、ニッケル、アルミニウムのうちの一種類以上を含む金属ペーストからなる上部電極56をスクリーン印刷で格子状に形成する。次に、図10(d)に示すように、中間絶縁層55及び上部電極56の間にのみ、硫化亜鉛を銅で付活した蛍光体とフッ素ゴム等からなるバインダを有機溶剤に分散させた発光層用インキを用いて、発光層57をスクリーン印刷で形成する。次に、図10(e)に示すように、上述した第1実施例の場合と同様にして、上部電極56及び発光層57上に、厚み10μmのPVDFフィルムからなる透明フィルム58(保護層)と導電性インク(例えば酸化インジウム等の透明電極材料を水の中に分散させたもの)を含有したペンで、任意の文字や図形を描いて透明電極59を形成することにより、電界発光灯51を得る。
【0045】
本実施例によれば、透明電極59と発光層57の間に、中間絶縁層55と上部電極56を格子状に形成するとともに、裏面電極53と上部電極56に交流電圧を印加して駆動するようにしたので、裏面電極53−透明電極59−上部電極56の間の容量成分を減少させることができ、発光層57にかかる電圧が増えて電界強度が上がり、輝度を向上させることができる。また、上部電極56に印加される電圧は同極性であるので、上部電極56の幅や間隔を小さくすることができ、未発光部分が小さくなって文字や図形をほぼ全面発光させることができる。また、上部電極56下部に低誘電率の中間絶縁層55が形成されているので、上部電極56下部の中間絶縁層55と反射絶縁層54に無効電流が流れることがない。また、上部電極56下部に発光層57が形成されていないので、電力ロスがなくなり、発光効率が大幅に向上する。
【0046】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を参照して説明する。図11、図12は、本発明の第6実施例の電界発光灯61の製造方法を示す要部断面図である。本実施例の特徴は、透明電極と発光層の間に上部電極と中間絶縁層を設けるとともに、上部電極を銅やアルミニウム等の導電性材料の薄膜をエッチング等の手段により格子状に形成し、中間絶縁層をポジ型のフォトレジストを露光・現像等の手段により格子状に形成したことである。
【0047】
先ず、図11(a)に示すように、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等から成る絶縁性ベースフィルム62上に、銅、アルミニウム等の導電性材料の薄膜を接着剤等で接着し、フォトレジストをマスクとしてエッチング等の手段により、上部電極63を格子状に形成する。次に、図11(b)に示すように、上部電極63上にポジ型フォトレジストからなるDFR(ドライフィルムレジスト)64を熱圧着法により貼付ける。次に、図11(c)に示すように、絶縁性ベースフィルム62を上部電極63から剥離除去した後、上部電極63側から紫外線を照射し、DFR64を露光する。次に、図11(d)に示すよう、DFR64の露光した部分を現像により除去し、中間絶縁層65を形成する。
【0048】
次に、図11(e)に示すように、別体のポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等から成る絶縁性ベースフィルム66上に、カーボン、銀、ニッケル、アルミニウムのうちの一種類以上を含む金属ペーストからなる裏面電極67をスクリーン印刷で形成する。次に、図11(f)に示すように、裏面電極67上に、チタン酸バリウムからなる白色高誘電体粉末とフッ素ゴムとを有機溶剤中に分散させた反射絶縁層用インキを用いて、反射絶縁層68をスクリーン印刷で形成する。
【0049】
次に、図12(g)に示すように、反射絶縁層68が乾燥する前に、反射絶縁層68と中間絶縁層65を密着させて配置した後、乾燥して接着させる。次に、図12(h)に示すように、中間絶縁層65及び上部電極63の間にのみ、硫化亜鉛を銅で付活した蛍光体とフッ素ゴム等からなるバインダを有機溶剤に分散させた発光層用インキを用いて、発光層69をスクリーン印刷で形成する。次に、図12(i)に示すように、上述した第1実施例の場合と同様にして、発光層69上に、厚み10μmのPVDFフィルムからなる透明フィルム70(保護層)と導電性インク(例えば酸化インジウム等の透明電極材料を水の中に分散させたもの)を含有したペンで、任意の文字や図形を描いて透明電極71を形成することにより、電界発光灯61を得る。
【0050】
本実施例によれば、導電性材料の薄膜をエッチングにより上部電極63を形成し、その上部電極63をマスクとして、DFR64の露光、現像により中間絶縁層65を形成するので、スクリーン印刷よりもさらに細かい電極パターンを容易に形成でき、より高精細な発光表示が可能になる。
【0051】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を参照して説明する。図13、図14は、本発明の第7実施例の電界発光灯81の製造方法を示す平面図及び要部断面図である。本実施例の特徴は、透明電極と発光層の間に上部電極と中間絶縁層を設けるとともに、中間絶縁層としてポリエステルメッシュを使用し、その上に上部電極をカーボン、銀、銅、ニッケル、アルミニウムのうちの一種類以上を含む金属ペーストをスクリーン印刷等の手段により格子状に形成したことである。
【0052】
先ず、図13(a)の平面図に示すようなポリエステル繊維であるポリエステルメッシュ82を使用し、図13(b)に示すように、ポリエステルメッシュ82上にポリエステル樹脂83を厚く塗布することにより、中間絶縁層84を形成する。尚、図13(b)は、図13(a)のX−X断面図である。次に、図13(c)に示すように、中間絶縁層84上にカーボン、銀、銅、ニッケル、アルミニウムのうちの一種類以上を含む金属ペーストを塗布し、上部電極85を形成する。このとき、予めポリエステル樹脂83がポリエステルメッシュ82の重なり部分を埋めているので、上部電極85がスクリーンメッシュ82の裏面に回り込むことがない。
【0053】
次に、図13(d)に示すように、別体のポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等から成る絶縁性ベースフィルム86上に、銅、アルミニウム等の導電性材料の薄膜を接着剤等で接着して裏面電極87を形成する。次に、図13(e)に示すように、裏面電極87上に、チタン酸バリウムからなる白色高誘電体粉末とフッ素ゴムとを有機溶剤中に分散させた反射絶縁層用インキを用いて、反射絶縁層88をスクリーン印刷で形成する。
【0054】
次に、図14(f)に示すように、反射絶縁層88が乾燥する前に、反射絶縁層88と中間絶縁層84を密着させて配置した後、乾燥して接着させる。次に、図14(g)に示すように、中間絶縁層84及び上部電極85の間にのみ、硫化亜鉛を銅で付活した蛍光体とフッ素ゴム等からなるバインダを有機溶剤に分散させた発光層用インキを用いて、発光層89をスクリーン印刷で形成する。次に、図14(h)に示すように、上述した第1実施例の場合と同様にして、発光層89上に、厚み10μmのPVDFフィルムからなる透明フィルム90(保護層)と導電性インク(例えば酸化インジウム等の透明電極材料を水の中に分散させたもの)を含有したペンで、任意の文字や図形を描いて透明電極91を形成することにより、電界発光灯81を得る。
【0055】
本実施例によれば、ポリエステル繊維からなるポリエステルメッシュ82とそれに塗布されたポリエステル樹脂83を使用して中間絶縁層84を形成し、その上に上部電極85を形成するので、スクリーン印刷よりもさらに細かい電極パターンを容易に形成でき、より高精細な発光表示が可能になる。
【0056】
尚、上述した各実施例では、PVDFフィルムを発光層及び上部電極に貼り付けることにより透明フィルム(保護層)を形成したが、PVDF樹脂を溶剤に溶かしたPVDFインクを用いて塗布や印刷により形成するようにしてもよい。このとき、絶縁ベースフィルム上に裏面電極/〜/発光層/上部電極を形成した後、PVDFインクを塗布や印刷してもよく、また離型材の形成された絶縁性ベースフィルム上にPVDFインクを塗布や印刷した後、上部電極/発光層/〜/裏面電極/裏面絶縁層を形成し、絶縁層ベースフィルムをPVDFフィルムから剥離除去するようにしてもよい。
【0057】
また、透明電極と発光層の間に上部電極や中間絶縁層を格子状に形成する場合について説明したが、形状はこれに限定されるものではなく、例えば、網目状あるいはストライプ状に形成するようにしてもよい。
【0058】
また、発光層や反射絶縁層の樹脂材料は、フッ素ゴムなどのフッ素系樹脂以外にもシアノエチルプルラン、シアノエチルセルロースなどのシアノエチル系樹脂も使用できる。
【0059】
【発明の効果】
本発明の電界発光灯によれば、任意の文字や図形を描いた瞬間に発光させることができ、描いた部分だけが発光するため、配線等のパターンが不要となる。
【0060】
また、透明電極と発光層の間に上部電極を格子状、網目状、あるいはストライプ状に形成するとともに、透明電極と上部電極の間に保護層を形成し、裏面電極と上部電極に交流電圧を印加して駆動するようにしたので、裏面電極−透明電極−上部電極の間の容量成分を減少させることができ、発光層にかかる電圧が増えて電界強度が上がり、輝度を向上させることができる。
【0061】
また、透明電極と発光層の間に上部電極を設け、裏面電極と上部電極をそれぞれストライプ状に形成し、それらのストライプが発光面から見て重ならないように配置されるとともに、透明電極と上部電極の間に保護層を形成し、裏面電極と上部電極に交流電圧を印加して駆動するようにしたので、裏面電極−透明電極−上部電極の間の容量成分を減少させることができ、発光層にかかる電圧が増えて電界強度が上がり、輝度を向上させることができる。さらに、上部電極下部の発光層と反射絶縁層に電圧がかからないので、電力ロスがなくなり発光効率が大幅に向上する。
【0062】
また、透明電極と発光層の間に上部電極と中間絶縁層を格子状、網目状、あるいはストライプ状に形成するとともに、透明電極と上部電極の間に保護層を形成し、裏面電極と上部電極に交流電圧を印加して駆動するようにしたので、裏面電極−透明電極−上部電極の間の容量成分を減少させることができ、発光層にかかる電圧が増えて電界強度が上がり、輝度を向上させることができる。さらに、上部電極下部の中間絶縁層と反射絶縁層に無効電流が流れないので、発光効率が大幅に向上する。
【0063】
また、上部電極に印加される電圧は同極性であるので、上部電極の幅や間隔を小さくすることができる。これにより、従来より非発光部分をはるかに狭くでき、透明電極下部の発光層をほぼ全面発光しているように見せることができる。
【0064】
また、上部電極を銅やアルミニウム等の導電性材料の薄膜をエッチングして形成したり、被覆銅線の一部を研磨して形成したので、細線でも抵抗が高くならず、容易に電界発光灯の大型化が可能となる。
【0065】
また、発光層上に、PVDFフィルムからなる透明フィルム(保護層)を設けたので、透明電極(導電性インク)が発光層に染み込むのを防止できるとともに、透明電極を水や洗剤などで何度でも容易に消去でき、文字や図形の書き換えが可能になる。さらに、PVDFフィルムの比誘電率が10〜12と高く、かつ厚みが10μmと薄いので、発光層にかかる電界強度が上がり、電界発光灯の輝度が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の電界発光灯の要部断面図及び平面図
【図2】本発明の第1実施例の電界発光灯の製造方法を示す要部断面図
【図3】本発明の第1実施例の電界発光灯の製造方法を示す要部断面図
【図4】本発明の第1実施例の電界発光灯の発光原理を説明する要部断面図及び等価回路図
【図5】本発明の第1実施例の電界発光灯における透明フィルムの種類、厚みと輝度の関係を示す図
【図6】本発明の第2実施例の電界発光灯の製造方法を示す要部断面図
【図7】本発明の第3実施例の電界発光灯の製造方法を示す要部断面図
【図8】本発明の第4実施例の電界発光灯の要部断面図及び平面図
【図9】本発明の第4実施例の電界発光灯の製造方法を示す要部断面図
【図10】本発明の第5実施例の電界発光灯の製造方法を示す要部断面図
【図11】本発明の第6実施例の電界発光灯の製造方法を示す要部断面図
【図12】本発明の第6実施例の電界発光灯の製造方法を示す要部断面図
【図13】本発明の第7実施例の電界発光灯の製造方法を示す要部断面図
【図14】本発明の第7実施例の電界発光灯の製造方法を示す要部断面図
【図15】従来の電界発光灯の要部断面図
【図16】従来の電界発光灯の等価回路図
【図17】従来の電界発光灯の発光原理を説明する要部断面図
【図18】従来の電界発光灯の平面図及び文字を発光させたときの状態図
【符号の説明】
1 本発明の第1実施例の電界発光灯
2 絶縁性ベースフィルム
3 裏面電極
3a 電極端子
4 反射絶縁層
5 発光層
5a 上部電極間に位置する発光層
5b 発光
6 上部電極
6a 電極端子
7 透明フィルム
8 透明電極
9 ベースフィルム
10 複合フィルム
11 電気力線
21 本発明の第2実施例の電界発光灯
22 絶縁性ベースフィルム
23 上部電極
24 発光層
25 反射絶縁層
26 裏面電極
27 裏面絶縁層
28 透明フィルム
29 透明電極
31 本発明の第3実施例の電界発光灯
32 絶縁性ベースフィルム
33 裏面電極
34 反射絶縁層
35 発光層
36 被覆銅線
37 上部電極
38 透明フィルム
39 透明電極
41 本発明の第4実施例の電界発光灯
42 絶縁性ベースフィルム
43 裏面電極
43a 電極端子
44 反射絶縁層
45 発光層
46 上部電極
46a 電極端子
47 透明フィルム
48 透明電極
51 本発明の第5実施例の電界発光灯
52 絶縁性ベースフィルム
53 裏面電極
54 反射絶縁層
55 中間絶縁層
56 上部電極
57 発光層
58 透明フィルム
59 透明電極
61 本発明の第6実施例の電界発光灯
62 絶縁性ベースフィルム
63 上部電極
64 DFR(ドライフィルムレジスト)
65 中間絶縁層
66 絶縁性ベースフィルム
67 裏面電極
68 反射絶縁層
69 発光層
70 透明フィルム
71 透明電極
81 本発明の第7実施例の電界発光灯
82 ポリエステルメッシュ
83 ポリエステル樹脂
84 中間絶縁層
85 上部電極
86 絶縁性ベースフィルム
87 裏面電極
88 反射絶縁層
89 発光層
90 透明フィルム
91 透明電極
101 従来の電界発光灯
102 絶縁性ベースフィルム
103a、103b 裏面電極
104 反射絶縁層
105 発光層
105a 裏面電極上の発光層
105b 裏面電極間の発光層
106 透明電極
107a、107b 電極端子
108、109 封止フィルム
110 電気力線
111 ストライプ状の発光
112 ストライプ状の文字「N」

Claims (11)

  1. 透明電極と裏面電極の間に発光層と反射絶縁層を形成した電界発光灯において、前記透明電極と前記発光層の間に上部電極を格子状、網目状、あるいはストライプ状に形成するとともに、前記透明電極と前記上部電極の間に保護層を形成し、前記裏面電極と前記上部電極に交流電圧を印加して駆動することを特徴とする電界発光灯。
  2. 透明電極と裏面電極の間に発光層と反射絶縁層を形成した電界発光灯において、前記透明電極と前記発光層の間に上部電極を設け、前記裏面電極と前記上部電極をそれぞれストライプ状に形成し、それらのストライプが発光面から見て重ならないよう配置されるとともに、前記透明電極と前記上部電極の間に保護層を形成し、前記裏面電極と前記上部電極に交流電圧を印加して駆動することを特徴とする電界発光灯。
  3. 透明電極と裏面電極の間に発光層と反射絶縁層を形成した電界発光灯において、前記透明電極と前記発光層の間に上部電極と中間絶縁膜を格子状、網目状、あるいはストライプ状に形成するとともに、前記透明電極と前記上部電極の間に保護層を形成し、前記裏面電極と前記上部電極に交流電圧を印加して駆動することを特徴とする電界発光灯。
  4. 前記上部電極が、カーボン、銀、銅、ニッケル、アルミニウムのうちの一種類以上を含む金属ペーストをスクリーン印刷して形成されたことを特徴とする請求項1〜3記載の電界発光灯。
  5. 前記上部電極が、銅、アルミニウムのうちの一種類以上を含む導電性材料の薄膜をエッチングして形成されたことを特徴とする請求項1〜3記載の電界発光灯。
  6. 前記上部電極が、被覆銅線の一部を研磨して形成されたことを特徴とする請求項1〜3記載の電界発光灯。
  7. 前記中間絶縁層が、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂のうちの一種類以上を含む絶縁性ペーストをスクリーン印刷して形成されたことを特徴とする請求項3記載の電界発光灯。
  8. 前記中間絶縁層が、ポジ型フォトレジストを露光、現像して形成されたことを特徴とする請求項3記載の電界発光灯。
  9. 前記中間絶縁層が、ポリエステル繊維とそれに塗布されたポリエステル樹脂により形成されたことを特徴とする請求項3記載の電界発光灯。
  10. 前記保護層が、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)のいずれかの透明フィルムからなることを特徴とする請求項1〜9記載の電界発光灯。
  11. 前記保護層が、厚み2μm〜20μmのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)、厚み2μm〜15μmのPVDC(ポリ塩化ビニリデン)、厚み2μm〜11μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)のいずれかの透明フィルムからなることを特徴とする請求項10記載の電界発光灯。
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