JP2004259369A - 多層記録媒体及び多層記録システム - Google Patents

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Abstract

【課題】長期保存性に優れ、S/N比の高いデータ記録が可能な多層記録媒体を提供する。
【解決手段】複数の記録層103と、記録層103を保護する保護層104と、保護層104及び複数の記録層103の各層間に形成され、紫外線を吸収する色素を含有する接着層105と、接着層105を介して積層された記録層103を保護層104とともに挟持する支持基板106と、保護層104及び支持基板106の外面に成膜され、1光子吸収による消去の波長帯を遮断する誘電体多層膜107とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、書き込み又は書き換え可能な多層記録媒体及びそれを用いて書き込み又は書き換えを行う多層記録システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の光ディスクの大容量化は、主に記録波長の短波長化と対物レンズの高NA化による最短記録波長の改善による記録面密度の向上により成し遂げられてきた。これに対し、光の透過性を利用して、記録媒体全体を有効利用し大容量記録を成し遂げようとする試みは、ホログラムメモリーに端を発し、ビット記録による3次元光記録へと続いてきた。
【0003】
ビット記録による3次元光記録は、現用の記録層が1層の光記録に比較し、深さ方向に多層化した分だけ大容量化が可能であり、現状の100倍を越える大容量記録の実現が期待されている。深さ方向に多重に記録するには、基本的に同一の性質を持った多重化された記録層の、意図した層にのみ書き込んだり、読み出したりすることが必要となる。したがって、何らかの非線形性を導入し選択性を付与することが必要となる。
【0004】
この非線形性を付与する方法のひとつとして、2光子吸収反応を利用した書き込みが挙げられる。通常の吸収過程は、吸収帯のエネルギーに対応した1光子吸収過程であるが、この半分のエネルギーを持つ光子2つを同時に吸収する2光子吸収過程によっても同様の反応を起こすことが可能である。この2光子吸収過程の特徴は、吸収量が光強度(エネルギー密度)の2乗に比例することで、この結果として、光のエネルギー密度が高まる書き込み光の焦点近傍でのみ吸収が起こる。しかし、2光子吸収過程は、1光子吸収過程に比べ一般に著しく確率が低く、競合する1光子吸収の影響を避けるため、これまでこれらの実験は、暗室内で行われてきた(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
また、記録層に用いる材料によっては、消去と書き込みのサイクルの可能なものが知られている。しかし、1光子での書き込みに比較して、2光子吸収過程の反応確率は低く、書き込み情報の保持のため、やはり暗室内の実験レベルで行われていた。消去の過程においても、2光子吸収過程を利用し、特定の書き込みビットのみを消去可能であることが示されているが、書き込みとは異なる波長の短パルス光源が必要とされ、大型かつ高価な短パルス光源が2波長分必要となるなど、装置の小型化や普及の妨げとなっている(例えば、非特許文献2参照。)。
【0006】
【非特許文献1】
ヨシマサ・カワタ(Yoshimasa Kawata)ら著、「アプライド・オプティクス(Applied Optics)」、(米国)、1995年、34巻、20号、p.4105−4110
【非特許文献2】
トリウミ(A. Toriumi)ら著、「オプティクス・レターズ(Optics Letters)」、(米国)、1998年、23巻、24号、p.1924−1926
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、2光子吸収反応を利用した多層記録方法においては、1光子吸収反応を回避するために、暗室レベルの環境が必要であり、一般的な使用環境での記録及び記録情報の保持が困難であった。さらに、書き換え可能なタイプでは記録用と消去用に大型かつ高価な短パルス光源が2波長分必要とされ、装置の小型化やコストの点でも問題があった。
【0008】
本発明は、かかる点に対処してなされたもので、長期保存性に優れ、S/N比の高いデータ記録が可能な多層記録媒体及び多層記録システムを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、消去用短パルス光源が不要な書き換え可能な多層記録媒体及び多層記録システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、少なくとも2層以上の記録層を備え、記録層に多光子吸収過程による記録を行う多層記録媒体において、記録層に対して外部からの1光子吸収の起こる波長域光を遮断する遮断層を備えたことを特徴とする。
【0011】
ここで述べる多層記録媒体とは、深さ方向に多重化された記録層を有する記録媒体で、物理的に多層構造を有している必要はない。例えば、媒体の構造としては、均一な材質であっても、例えば光等の方法によりフォーマットが施されることにより、深さ方向に多重化された記録層を有していればここで述べる多層記録媒体の範疇に含まれる。
【0012】
記録層の記録材料は、記録に用いる多光子吸収過程の他に、1光子吸収過程の記録および記録材料によっては消去過程を有している。この1光子吸収過程は、多光子吸収過程に比べ一般に感度が高く、記録の安定性を確保するためには、1光子吸収過程による反応を十分に抑制する必要がある。本発明では、1光子吸収過程を抑制する方法として、1光子吸収の起こる波長域を遮断することにより、記録媒体内の記録層を1光子吸収の起こる波長域の光の曝露より保護し、多光子吸収過程による記録情報の安定性を計っている。記録に対応する1光子吸収帯域を遮断することにより、記録前後の記録性へのかぶりを防止し、良好なS/N比を保つことが可能となる。消去に対応する1光子吸収帯域を遮断することにより、記録マークの退色を防止することができ、良好な記録情報の保存特性を得ることができる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の多層記録媒体において、遮断層が、多光子吸収過程に対応する波長域光を透過し、1光子吸収の起こる波長域光を反射するよう設計された誘電体多層膜を含むことを特徴とする。
【0014】
誘電体多層膜は、異なる屈折率を有する2層以上の膜よりなり、反射する波長域を制御する構造を指す。蒸着若しくは塗布等により形成される。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1又は2の多層記録媒体において、遮断層が、1光子吸収の起こる波長域光を吸収する色素を含有する吸収層を含むことを特徴とする。
【0016】
吸収層は、遮断する波長域光を吸収する吸収色素を樹脂中に分散させてなるもので、コーティング等により専用に設ける場合に限らず、媒体中の記録層や記録層間を隔てる中間層等の媒体を構成する層に吸収色素を含有させて吸収層としてもよい。なお、遮断する波長域光を反射する誘電体多層膜と組み合わせた構成も可能である。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1の多層記録媒体において、遮断層が媒体表面に形成されていることを特徴とする。
媒体表面の遮断層は、1光子吸収の起こる波長域を吸収するものでも、反射するものでも、媒体内部に当該波長域の光を透過しなければ何れの方法でもよい。複数の波長帯を遮断する場合には、それぞれの波長帯に対応する複数のコーティングにより構成することも可能であり、反射コーティングと吸収コーティングの組み合わせでもよい。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1の多層記録媒体において、多光子吸収過程によって消去に対応する1光子吸収帯域の蛍光を発光する蛍光層を備えたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5の多層記録媒体において、蛍光層が、多光子吸収過程によって消去に対応する1光子吸収帯域の蛍光を発光する蛍光色素を含有することを特徴とする。
【0019】
蛍光層ないし蛍光色素の備える条件は、1.書き込みに用いるレーザーにより2光子吸収過程により励起可能、2.記録層の記録材料を1光子吸収過程により消去可能な波長域の蛍光を発する、の2つである。この蛍光層は、2光子吸収により励起されるので、書き込み光の集光点でのみ励起される(2光子吸収の確率は光の強度の2乗に比例する)ので、他の層に書き込みを行っているときには励起されず、蛍光層を書き込み光でスキャンしているときのみ励起される。すなわち、蛍光層からの蛍光は、書き込み光により制御可能である。本発明の多層記録媒体は、外部からの1光子吸収過程により消去可能な波長域の光は遮断されているが、蛍光層があることにより、必要なときのみ(消去動作時のみ)書き込み光により励起し、記録層の消去を行うことができる。
【0020】
請求項7の発明は、請求項5の多層記録媒体において、蛍光層が発光する蛍光を反射し、多光子吸収過程に対応する波長域光を透過する蛍光反射層を備えたことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7の多層記録媒体において、蛍光反射層が誘電体多層膜からなることを特徴とする。
【0021】
これにより、消去動作時に蛍光層が発する蛍光を蛍光反射層によって反射することによって媒体内に閉じ込めることができ、蛍光を消去光として効率よく用いることが可能となる。
【0022】
請求項9の発明は、請求項7の多層記録媒体において、少なくとも1層の記録層と蛍光層と蛍光反射層の組み合せよりなる記録層群を複数有することを特徴とする。
ここで述べる記録層群は、少なくとも1層の記録層と、記録層の消去動作のための蛍光層と、記録層と蛍光層の構造内に消去に用いる蛍光を閉じこめる蛍光反射層の組み合わせを指す。記録層は1層でも、複数でも目的に応じた設定が可能である。これにより、記録層群ごとの消去が可能となる。
【0023】
請求項10の発明は、多層記録システムにおいて、少なくとも2層以上の記録層と、記録層に対して外部からの1光子吸収の起こる波長域光を遮断する遮断層とを備えた記録媒体に対して、多光子吸収の起こる記録用光源を用いて記録層に書き込みを行なうことを特徴とする。
これにより、請求項1〜9の多層記録媒体に対して、多光子吸収過程による記録を良好に行うことが可能となる。
【0024】
請求項11の発明は、多層記録システムにおいて、少なくとも2層以上の記録層と、記録層に対して外部からの1光子吸収の起こる波長域光を遮断する遮断層と、多光子吸収過程によって消去に対応する1光子吸収帯域の蛍光を発光する蛍光層とを備えた記録媒体に対して、記録時に多光子吸収の起こる記録用光源を用いて記録層に書き込みを行ない、消去時に記録用光源を用いて蛍光層から蛍光を発光させ記録層の記録情報の消去を行なうことを特徴とする。
【0025】
請求項12の発明は、請求項11の多層記録システムにおいて、記録媒体が、記録用光源の光を透過し、蛍光層が発光する蛍光を反射する蛍光反射層を備えたことを特徴とする。
【0026】
これにより、請求項7〜9の書き換え可能な多層記録媒体に対して、記録用とは別に消去用の光源を要することなく、記録用光源のみで記録情報を消去することが可能となり、書き換え可能な多層記録媒体に対する記録・再生装置の小型化及び低コスト化を実現することができる。
【0027】
請求項13の発明は、請求項10ないし12のいずれか1項に記載の多層記録システムにおいて、遮断層が、記録用光源の光を透過し、1光子吸収の起こる波長域光を反射するように設計された誘電体多層膜を含むことを特徴とする。請求項14の発明は、請求項10ないし13のいずれか1項に記載の多層記録システムにおいて、遮断層が、1光子吸収の起こる波長域光を吸収する色素を含有する吸収層を含むことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の多層記録媒体を作成する工程例を、図2は本実施の形態の多層記録媒体に記録する多層記録システムの構成例を示している。本実施の形態の多層記録媒体は、図1に示すように、スタンパー101,102により成形される複数の記録層103と、記録層103を保護する保護層104と、保護層104及び複数の記録層103の各層間に形成され、紫外線を吸収する色素を含有する接着層105と、接着層105を介して積層された記録層103を保護層104とともに挟持する支持基板106と、保護層104及び支持基板106の外面に成膜され、1光子吸収による消去の波長帯を遮断する誘電体多層膜107とで構成されている。
【0029】
記録層103は、スタンパー101,102を用いて射出成形等により形成されるが、その際フォトクロミック材料をバインダーに混合したものが用いられる。フォトクロミック材料としては、例えばジアリールエテン類を用いることができるが、その他のフォトクロミック材料、フォトポリマーなどが広く採用可能である。バインダーとしては、例えばポリカーボネート樹脂などが挙げられるが、材料の強度確保および記録層103間に充填される接着層105との屈折率差が所望の値をとる組み合わせであれば、他の光学グレードの樹脂が広く採用可能である。なお、記録層103の形成は射出成形に限らず、スタンパー内での熱重合や紫外線硬化等、他の成型方法を取ることも可能である。
【0030】
保護層104及び支持基板106は、湿度、ガス、機械的衝撃などに対して記録層103を保護するために多層構造の記録層103の外側に配置され、従来の光ディスクで使用されている材料が用いられる。
【0031】
接着層105は、支持基板106、複数の記録層103、保護層107の各層間に形成され、記録層103との界面で所望の例えば1%未満の反射率を得るために、記録層103を形成する樹脂とは屈折率が異なる樹脂、例えば記録層103がポリカーボネート樹脂のときアクリル系の熱硬化型樹脂を用いることができる。記録層103との界面での反射率は両層の屈折率差によって得られ、屈折率差は媒体を構成する記録層数に応じて任意に設定可能である。また、この接着層105は、紫外線を吸収する色素すなわち紫外線吸収剤を含有する。これにより、外部からの1光子吸収の起こる波長域である紫外線を遮断し、紫外線による1光子吸収でのカブリから記録層103を保護している。
【0032】
誘電体多層膜107は、2光子吸収による書き込み及び読み出し波長は透過するが、1光子吸収による消去帯域(450〜550nm)に対しては遮断する特性を有し、媒体の両面すなわち保護層104と支持基板106のそれぞれの表面に成膜される。このような誘電体多層膜107は、例えばTiOとSiOの1対の積層膜を複数対積層することによって得ることができる。
【0033】
本実施の形態の多層記録媒体の作成方法の一例を図1(a)〜(e)に従って説明する。図1は、記録媒体の記録面の断面を拡大しており、ディスクのチャッキング部分等の形状は任意のものが採用可能である。
【0034】
図1(a)に示すように、ランドとグルーブを刻んだスタンパー101,102を用意する。本実施の形態では、両面を記録層として用いるためスタンパー101,102の両方にランドとグルーブが刻まれているが、片面のみにランドとグルーブを形成する構成をとることも可能である。
【0035】
図1(b)において、スタンパー101,102を用い、例えばフォトクロミック材料であるジアリールエテン類をバインダーであるポリカーボネート樹脂に混合したものを材料として、射出成型により記録層103を形成する。
図1(c)において、スタンパーより離型し、記録層103を得る。
【0036】
図1(d)において、支持基板106と保護層104の間に、接着層105としてスピンコートした紫外線吸収剤含有熱硬化型樹脂を介して記録層103を積層し、加熱固化し一体化する。本実施の形態では、接着層105に紫外線吸収剤を混合することにより、紫外線による1光子吸収でのカブリから記録層104を保護している。また、熱硬化型樹脂としてアクリル系を用い、ポリカーボネート樹脂の記録層103との屈折率差を約0.1とすることで、両層の界面で約0.1%の反射率が得られる。なお、この屈折率差は、媒体を構成する記録層数により任意に設定可能で、これに限定されない。また、図1においては簡略化のため3層のみを記したが、記録層数はこれに限るものではない。
【0037】
図1(e)において、両面にTiO/SiOを積層した誘電体多層膜107を成膜する。層構成は、例えばTiO51nm/SiO84nmを19ペア積層する。この層構成によって、450〜550nm(1光子吸収による消去帯域)で99.8%を超える遮断特性を有し、かつ書き込みおよび読み出し波長780nmの透過にはほとんど影響を与えない誘電体多層膜を得ることができる。
【0038】
以上のような工程により、S/N比の高い長期保存特性を備えた多層記録媒体を製造することができる。なお、本実施の形態は、本発明の構成の一例であり、構成材料や機能を担う各層の構成、積層順序等は、用途により適宜設計変更が可能である。また、媒体の形状は、ディスク以外にもカードなど他の形態を取ることも可能である。
【0039】
上記多層記録媒体は、図2に示す記録・再生システムを用いて記録される。図2において、第1の実施の形態の多層記録媒体201を記録・再生する多層記録システムは、対物レンズ202、1/4波長板203、偏光ビームスプリッター(PBS)204、無偏光ビームスプリッター205、カップリングレンズ206、再生用半導体レーザー(780nm)207、ビームエキスパンダー208、記録用パルスレーザー(780nm)209、4分割アバランシェフォト・ダイオード(4D‐APD)210、シリンドリカルレンズ211、集光レンズ212、ピンホール213、及び集光レンズ214で構成されている。本システムは、2系統のレーザー(再生用半導体レーザー207、記録用パルスレーザー209)を持っている。
【0040】
上記構成の多層記録システムの動作について、まず、再生およびフォーカス・トラッキングのサーボにかかわる再生用レーザーの光学系から説明する。波長780nmの再生用半導体レーザー207からの出射光は、カップリングレンズ206により平行光となり、無偏光ビームスプリッター205により光路を変え、偏光ビームスプリッター(PBS)204と1/4波長板203よりなる光アイソレーターを通り、円偏光に変換される。対物レンズ202により多層記録媒体201の何れかの記録面に集光された光の一部は、記録面を構成する異種界面の屈折率差により反射する(本実施の形態の作成例では約0.1%)。この反射光は旋光方向が逆転しており、1/4波長板203を通過後、入射光と直行する直線偏光に変換され、PBS204で、検出系へと導かれる。検出系では、集光レンズ214により集光され、ピンホール213により焦点以外からの反射・散乱光が除去される。集光レンズ212により再度集光され、シリンドリカルレンズ211を通り4分割アバランシェフォト・ダイオード(4D‐APD)210に導かれる。4D‐APD210により高感度に検出された信号によりトラッキング・フォーカスサーボがかけられる。また、4D‐APD210からの和信号により、記録情報の読み出しも可能となることはいうまでもない。この光源からの出射光は、記録層で2光子吸収が起こるには出力が弱く、読み取りによる再生信号の劣化は起こりえない。
【0041】
次に、記録系について説明する。波長780nmの記録用パルスレーザー209からの出射光は、ビームエキスパンダー208、無偏光ビームスプリッター205、PBS204、1/4波長板203を経て、対物レンズ202により多層記録媒体201に焦点を結ぶ。この際、記録用パルスレーザー209の出射光は、再生用半導体レーザー207の出射光と同軸となるよう調整されている必要がある。このとき、両者の多層記録媒体内の焦点は一致するので、記録時のトラキング・フォーカスサーボも可能となる。以上のような機構により、パルスレーザーの特徴である大きなピークパワーにより、2光子吸収により情報が書き込まれる。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態においては、上記多層記録システムを用いて良好な記録が可能となるとともに、紫外線吸収剤を含有する接着層により1光子吸収反応による書き込みを防止することができ、誘電体多層膜により1光子吸収反応による消去を防ぐことができるため、記録層へのかぶり及び記録マークの退色のない、結果的としてS/N比の高い長期保存性に優れた多層記録媒体を得ることができる。
【0043】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態の多層記録媒体は、図3に示すように、スタンパー301,302によって形成される複数の記録層保持基板303と、各記録層保持基板303上に形成される記録層304と、保護層305と、各記録層304が形成された記録層保持基板303及び保護層305を互いに接合する接着層306と、接着層306を介して多層構造の記録層304を支持する支持基板307と、媒体の両面に形成される紫外線吸収層308と、保護層305及び支持基板307の外面に成膜される誘電体多層膜309とで構成されている。
【0044】
記録層保持基板303は、その表面に形成される記録層304を保持するもので、スタンパー301,302を用いて紫外線硬化、熱重合、射出成形等により形成される。材料としては、例えばアクリル系の樹脂を用いることができるが、基板としての強度確保及び記録層間を埋める樹脂との屈折率差が所望の値をとる組み合わせであれば、他の光学グレードの樹脂を採用することができる。
【0045】
記録層304は、記録層保持基板303上に記録材料を混合した樹脂をコーティングすることにより形成される。記録材料としては、例えばジアリールエテン類等を用いることができる。樹脂としては、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
【0046】
保護層305及び支持基板307は、湿度、ガス、機械的衝撃などに対して記録層304を保護するために多層構造の記録層304の外側に配置され、第1の実施の形態と同等のものが用いられる。
【0047】
接着層306は、支持基板307と保護層305の間に、記録層304が形成された記録層保持基板303を複数積層し一体化するために、各基板間にコーティングにより充填され、固化される。接着層306の材料としては、熱硬化型あるいは紫外線硬化型樹脂が挙げられるが、記録層304との間で界面での反射率が所望の値となるような屈折率差を有するものが選択される。例えば、記録層304がアクリル樹脂の場合、紫外線硬化型のフッ素を含む樹脂が用いられる。
【0048】
紫外線吸収層308は、外部からの1光子吸収の起こる波長域である紫外線を遮断し、紫外線による1光子吸収でのカブリから記録層304を保護するためのもので、紫外線を吸収する色素すなわち紫外線吸収剤を含有する樹脂からなり、媒体の両面にコーティングされる。
【0049】
誘電体多層膜309は、第1の実施の形態と同様に、2光子吸収による書き込み及び読み出し波長は透過するが、1光子吸収による消去帯域(450〜550nm)に対しては遮断する特性を有し、多層構造の記録層304を挟んで積層された保護層305と支持基板307のそれぞれの表面に成膜される。
【0050】
本実施の形態の多層記録媒体の作成方法の一例を図3(a)〜(e)に従って説明する。図3は、記録媒体の記録面の断面を拡大しており、ディスクのチャッキング部分等の形状は任意のものが採用可能である。
【0051】
図3(a)に示すように、ランドとグルーブを刻んだスタンパー301,302を用意する。本実施の形態では、片面に記録層を形成するためスタンパー301にのみランドとグルーブが刻まれているが、図1に示す第1の実施の形態と同様に、両面にランドとグルーブを形成する構成をとることも可能である。
【0052】
図3(b)において、スタンパー301,302の間に紫外線硬化型樹脂を流し込み、紫外線を露光、固化することで、記録層保持基板303を作成する。紫外線硬化型樹脂として例えばアクリル系を用いることができる。
【0053】
図3(c)において、スタンパーより離型した記録層保持基板303にスピンコートにより、記録材料としてジアリールエテン類を添加したアクリル樹脂をコーティングし、記録層304を形成する。
【0054】
図3(d)において、支持基板307と保護層305の間に、接着層306としてスピンコートした紫外線硬化型樹脂を介して記録層304と一体化した記録層保持基板303を積層し、紫外線を照射し硬化一体化する。一体化後、感光した記録材料に波長約520nmの光を照射し、初期化する。紫外線硬化型樹脂としてはフッ素を含む樹脂を用い、アクリル樹脂の記録層304との屈折率差を約0.1することで、両層の界面での反射率を約0.1%とする。なお、この屈折率差は、媒体を構成する記録層数により任意に設定可能で、この例に限定されない。また、図3においては簡略化のため3層のみを記したが、記録層数はこれに限るものではない。
【0055】
図3(e)において、両面にTiO/SiOを積層した誘電体多層膜309を成膜する。層構成は、例えばTiO51nm/SiO84nmを19ペア積層する。この構造は450〜550nm(1光子吸収による消去帯域)で99.8%を超える遮断特性を持ち、かつ書き込みおよび読み出し波長780nmの透過にはほとんど影響を与えない。さらに、紫外線による記録層304の1光子吸収による感光を防止するために、両面に紫外線吸収剤を含む樹脂をコーティングして紫外線吸収層308を形成する。
【0056】
以上のような工程により、第1に実施の形態と同様にS/N比の高い長期保存特性を備えた多層記録媒体を製造することができる。なお、本実施の形態は、本発明の構成の一例であり、構成材料や機能を担う各層の構成、積層順序等は、用途により適宜設計変更が可能である。また、媒体の形状は、ディスク以外にもカードなど他の形態を取ることも可能である。
【0057】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態の多層記録媒体は、図4に示すように、スタンパー401,402によって形成される複数の記録層保持基板403と、1部を除いた各記録層保持基板403上に形成される記録層404と、1部の記録層保持基板403上に形成される蛍光層405と、保護層406と、蛍光層405又は記録層404が形成された記録層保持基板403及び保護層406の各層間に形成される接着層407と、接着層407を介して積層構造物を支持する支持基板408と、媒体の両面に形成される紫外線吸収層409と、保護層406及び支持基板408の外面に成膜される誘電体多層膜410とで構成されている。
【0058】
記録層保持基板403は、第2の実施の形態と同様にしてスタンパー401,402を用いて紫外線硬化、熱重合、射出成形等により形成される。材料としては、例えばアクリル系の樹脂を用いることができるが、基板としての強度確保及び記録層間を埋める樹脂との屈折率差が所望の値をとる組み合わせであれば、他の光学グレードの樹脂を採用することができる。
【0059】
記録層404は、第2の実施の形態と同様にして記録層保持基板403上に記録材料を混合した樹脂をコーティングすることにより形成される。記録材料としては、例えばジアリールエテン類等を用いることができる。樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
【0060】
蛍光層405は、2光子吸収により消去帯域の蛍光を発光する蛍光色素を含有するもので、1部の記録層保持基板403上に記録層404と同様にして、記録材料の代わりに蛍光色素を混合した樹脂をコーティングすることにより形成される。蛍光色素としては、例えばCoumarin522が挙げられるが、これは使用可能な蛍光色素の一例であり、記録材料・励起光源等の特性により他の蛍光色素の選択が可能であることは言うまでもない。樹脂としては、記録層404と同じ樹脂が用いられる。この記録層保持基板403に形成された蛍光層405は、他の記録層保持基板403上に形成された記録層404とともに積層される。
【0061】
保護層406及び支持基板408は、湿度、ガス、機械的衝撃などに対して記録層404を保護するために多層構造の記録層404の外側に配置され、第1、第2の実施の形態と同等のものが用いられる。
【0062】
接着層407は、支持基板408と保護層406の間に、蛍光層405が形成された記録層保持基板403を1番下(支持基板408側)にして、記録層404が形成された記録層保持基板403を複数積層し一体化するために、各基板間にコーティングにより充填され、固化される。接着層407の材料としては、熱硬化型あるいは紫外線硬化型樹脂が挙げられるが、記録層404との間で界面での反射率が所望の値となるような屈折率差を有するものが選択される。例えば、記録層404がポリカーボネート樹脂の場合、アクリル系の熱硬化型樹脂が用いられる。
【0063】
紫外線吸収層409は、第2の実施の形態と同様に、紫外線吸収剤を含有する樹脂を媒体の両面にコーティングすることにより形成される。
【0064】
誘電体多層膜410は、第1、第2の実施の形態と同様の膜構成のものが用いられ、積層された保護層406と支持基板408のそれぞれの表面に成膜される。この誘電体多層膜410は、前述したように、2光子吸収による書き込み及び読み出し波長は透過するが、1光子吸収による消去帯域(450〜550nm)に対しては反射する特性を有するため、外部からの消去帯域の光を遮断する一方、蛍光層405で発生した消去光は媒体内に閉じ込める作用を有する。
【0065】
本実施の形態の多層記録媒体の作成方法の一例を図4(a)〜(f)に従って説明する。図4は、記録媒体の記録面の断面を拡大しており、ディスクのチャッキング部分等の形状は任意のものが採用可能である。
【0066】
図4(a)に示すように、ランドとグルーブを刻んだスタンパー401,402を用意する。本実施の形態では、第2の実施の形態と同じく片面に記録層を形成するためスタンパー401にのみランドとグルーブが刻まれているが、図1に示す第1の実施の形態と同様、両面にランドとグルーブを形成する構成をとることも可能である。
【0067】
図4(b)において、第2の実施の形態と同様に、スタンパー401,402の間に、例えばアクリル系の紫外線硬化型樹脂を流し込み、紫外線を露光、固化することで、記録層保持基板403を作成する。
【0068】
図4(c)において、スタンパーより離型した記録層保持基板403にスピンコートにより、記録材料としてジアリールエテン類を添加したポリカーボネート樹脂をコーティングし、記録層404を形成する。
【0069】
図4(d)において、一部の記録層保持基板403にはスピンコートにより、蛍光色素(例えば、Coumarin522)を添加したポリカーボネート樹脂をコーティングし、蛍光層405を形成する。
【0070】
図4(e)において、支持基板408と保護層406の間に、接着層407としてスピンコートしたアクリル系の熱硬化型樹脂を介して記録層404と一体化した記録層保持基板403を、最下部には蛍光層405と一体化した記録層保持基板403を積層し、加熱硬化する。この接着層407とポリカーボネート樹脂の記録層404との屈折率差は約0.1で、両層の界面での反射率は約0.1%である。なお、この屈折率差は、媒体を構成する記録層数により任意に設定可能で、この例に限らない。また、図においては簡略化のため3層のみを記したが、記録層数はこれに限るものではない。
【0071】
図4(f)において、両面にTiO/SiOを積層した誘電体多層膜410を成膜する。層構成は、例えばTiO51nm/SiO84nmを19ペア積層する。この構造は、450〜550nm(1光子吸収による消去帯域)で90%を超える反射率をもち、99.8%を超える遮断特性を示し、かつ書き込みおよび読み出し波長780nmの透過にはほとんど影響を与えない。したがって、誘電体多層膜410は蛍光層405で発生した消去光を媒体内に閉じ込める機能も併せ持つ。さらに、両面に紫外線吸収剤を含む樹脂をコーティングして紫外線吸収層409を形成する。これにより、紫外線による記録層404の1光子吸収による感光を防止することができる。
【0072】
以上のような工程により、S/N比の高い長期保存特性を備えた多層記録媒体を製造することができる。なお、本実施の形態は、本発明の構成の一例であり、構成材料や機能を担う各層の構成、積層順序等は、用途により適宜設計変更が可能である。また、媒体の形状は、ディスク以外にもカードなど他の形態を取ることも可能である。
【0073】
次に、上記多層記録媒体を用いた記録再生システムについて図5を用いて説明する。図5において、第3の実施の形態の多層記録媒体501を記録・再生する多層記録システムは、対物レンズ502と、1/4波長板503と、偏光ビームスプリッター(PBS)504と、無偏光ビームスプリッター505と、カップリングレンズ506と、再生用半導体レーザー(780nm)507と、ビームエキスパンダー508と、記録用パルスレーザー(780nm)509と、4分割アバランシェフォト・ダイオード(4D‐APD)510と、シリンドリカルレンズ511と、集光レンズ512と、ピンホール513と、集光レンズ514とで構成されている。本システムは、2系統のレーザー(再生用半導体レーザー507、記録用パルスレーザー509)を持っている。
【0074】
上記構成の多層記録システムの動作について、まず、再生およびフォーカス・トラッキングのサーボにかかわる再生用レーザーの光学系から説明する。再生用半導体レーザー507からの出射光は、カップリングレンズ506により並行光となり、無偏光ビームスプリッター505により光路を変え、偏光ビームスプリッター(PBS)504と1/4波長板503よりなる光アイソレーターを通り、円偏光に変換される。対物レンズ502により多層記録媒体501の何れかの記録面に集光された光の一部は、記録面を構成する異種界面の屈折率差により反射する(第3の実施の形態の作成例では約0.1%)。この反射光は旋光方向が逆転しており、1/4波長板503を通過後、入射光と直行する直線偏光に変換され、PBS504で、検出系へと導かれる。検出系では、集光レンズ514により集光され、ピンホール513により焦点以外からの反射・散乱光が除去される。集光レンズ512により再度集光され、シリンドリカルレンズ511を通り4分割アバランシェフォト・ダイオード(4D‐APD)510に導かれる。4D‐APD510により高感度に検出された信号によりトラッキング・フォーカスサーボがかけられる。また、4D‐APD510からの和信号により、記録情報の読み出しも可能となることはいうまでもない。この光源からの出射光は、記録層で2光子吸収が起こるには出力が弱く、読み取りによる再生信号の劣化は起こりえない。
【0075】
次に、記録系について説明する。記録用パルスレーザー509からの出射光は、ビームエキスパンダー508、無偏光ビームスプリッター505、PBS504、1/4波長板503を経て、対物レンズ502により多層記録媒体501に焦点を結ぶ。この際、記録用パルスレーザー509の出射光は、再生用半導体レーザー507の出射光と同軸となるよう調整されている必要がある。このとき、両者の多層記録媒体内の焦点は一致するので、記録時のトラキング・フォーカスサーボも可能となる。以上のような機構により、パルスレーザーの特徴である大きなピークパワーにより、2光子吸収により情報が書き込まれる。
【0076】
消去時の動作は、記録時と同様のフォーカスサーボにより、蛍光層405にフォーカスサーボをかけ、パルスレーザーにより蛍光色素を2光子吸収により励起し、蛍光発光させる。蛍光は、誘電体多層膜410により媒体内に閉じ込められるので、記録の消去が効率的に行われる。
【0077】
以上説明したように、本実施の形態においては、上記多層記録システムを用いて良好な記録が可能となるとともに、紫外線吸収層により1光子吸収反応による書き込みを防止することができ、誘電体多層膜により1光子吸収反応による消去を防ぐことができるため、記録層へのかぶり及び記録マークの退色のない、結果的としてS/N比の高い長期保存性に優れた多層記録媒体を得ることができる。また、書き込み光源によって消去帯域の蛍光を発光する蛍光層と、その蛍光を媒体内に閉じ込める誘電体多層膜により効率よく記録情報の消去を行うことができ、消去専用のパルス光源が不要な書き換え可能な多層記録媒体を得ることができる。
【0078】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態の多層記録媒体は、図6に示すように、スタンパー601,602によって形成される複数の記録層保持基板603と、各記録層保持基板603の一方の面に形成される記録層604と、各記録層保持基板603の他方の面に形成される蛍光層605と、蛍光層605上に成膜される誘電体多層膜606と、支持基板607と、一方の面に記録層604が形成され、他方の面に蛍光層605と誘電体多層膜606が形成された記録層保持基板603を支持基板607上に複数積層し相互に接着する接着層608と、接着層608を介して積層構造物の支持基板607と反対側に積層される保護層609と、媒体の両面に形成され、紫外線吸収剤を含有する紫外線吸収層610と、支持基板607の外面に成膜される誘電体多層膜611とで構成されている。
【0079】
記録層保持基板603は、第2、第3の実施の形態と同様にしてスタンパー601,602を用いて紫外線硬化、熱重合、射出成形等により形成される。材料としては、例えばアクリル系の樹脂を用いることができるが、基板としての強度確保及び記録層間を埋める樹脂との屈折率差が所望の値をとる組み合わせであれば、他の光学グレードの樹脂を採用することができる。
【0080】
記録層604は、第2、第3の実施の形態と同様にして記録層保持基板603の一方の面に記録材料を混合した樹脂をコーティングすることにより形成される。記録材料としては、例えばジアリールエテン類等を用いることができる。樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
【0081】
蛍光層605は、第3の実施の形態と同様の作用を有するもので、記録層保持基板603の他方の面に蛍光色素を混合した樹脂をコーティングすることにより形成される。蛍光色素としては、例えばCoumarin522が挙げられる。樹脂としては、記録層604と同じ樹脂が用いられる。
【0082】
誘電体多層膜606は、第1、第2の実施の形態と同様の膜構成のものが用いられ、各蛍光層605の上に成膜される。この誘電体多層膜606は、前述したように、2光子吸収による書き込み及び読み出し波長は透過するが、1光子吸収による消去帯域(450〜550nm)に対しては反射する特性を有する。
【0083】
支持基板607と保護層609は、湿度、ガス、機械的衝撃などに対して記録層604を保護するために多層構造の記録層604の外側に配置され、第1〜3の実施の形態と同等のものが用いられる。
【0084】
接着層608は、支持基板607と保護層609の間に、一方の面に記録層が形成され、他方の面に蛍光層605と誘電体多層膜606が形成された記録層保持基板603を複数積層し一体化するために、各基板間にコーティングにより充填され、固化される。接着層608の材料としては、熱硬化型あるいは紫外線硬化型樹脂が挙げられるが、記録層604との間で界面での反射率が所望の値となるような屈折率差を有するものが選択される。
【0085】
紫外線吸収層610は、第2、第3の実施の形態と同様に、紫外線吸収剤を含有する樹脂を媒体の両面にコーティングすることにより形成される。
【0086】
誘電体多層膜611は、誘電体多層膜606と同じ特性を有するもので、誘電体多層膜606との間に記録層604を挟む構造となるように支持基板607の外面に成膜される。
【0087】
本実施の形態の多層記録媒体の作成方法の一例を図6(a)〜(f)に従って説明する。図6は、記録媒体の記録面の断面を拡大しており、ディスクのチャッキング部分等の形状は任意のものが採用可能である。
【0088】
図6(a)に示すように、ランドとグルーブを刻んだスタンパー601,602を用意する。本実施の形態では、記録層保持基板603の両面にサーボを掛けるため、スタンパー601,602の両方にランドとグルーブが刻まれている。
【0089】
図6(b)において、スタンパー601,602を用い、射出成型により例えばアクリル系樹脂からなる記録層保持基板603を作成する。
図6(c)において、スタンパーより記録層保持基板603を離型する。
【0090】
図6(d)において、記録層保持基板603の一方の面にスピンコートにより、記録材料としてジアリールエテン類を添加したポリカーボネート樹脂をコーティングし、記録層604を形成する。また、他方の面には蛍光色素(例えば、Coumarin522)を添加したポリカーボネート樹脂をスピンコートし、蛍光層605を形成する。さらに、蛍光層605上に、例えばTiO51nm/SiO84nmを19ペア積層した誘電体多層膜606を成膜する。この構造の誘電体多層膜は、前述したように、450〜550nm(1光子吸収による消去帯域)で90%を超える反射率をもち、99.8%を超える遮断特性を示し、かつ書き込みおよび読み出し波長780nmの透過にはほとんど影響しない。
【0091】
図6(e)において、支持基板607と保護層609の間に、接着層608としてスピンコートしたアクリル系の熱硬化型樹脂を介して記録層604・蛍光層605・誘電体多層膜606と一体の記録層保持基板603を積層し、加熱硬化する。この接着層608とポリカーボネート樹脂の記録層604との屈折率差は約0.1で、両層の界面での反射率は約0.1%である。なお、この屈折率差は、媒体を構成する記録層数により任意に設定可能で、この例に限らない。また、図においては簡略化のため3層のみを記したが、記録層数はこれに限るものではない。
【0092】
図6(f)において、支持基板607上に、誘電体多層膜606と同じ層構成の誘電体多層膜611を成膜する。さらに、両面に紫外線吸収剤を含む樹脂をコーティングし紫外線吸収層610を形成する。
【0093】
上記構成の多層記録媒体においては、記録層604と蛍光層605よりなる各記録層群が、誘電体多層膜606及び611により互いに隔てられており、媒体の最外層には紫外線吸収層610が形成されている。したがって、誘電体多層膜606及び611は書き込み光源の光は透過するため、記録層604へ2光子吸収による書き込みを行うことができる一方、1光子吸収による記録層604の感光は紫外線吸収層610により防止され、また外部からの消去帯域光は誘電体多層膜606及び611により遮断されるため、記録層へのかぶり及び記録マークの退色のない、結果的としてS/N比の高い長期保存性に優れた記録情報を得ることができる。また、書き込み光源によって蛍光層405で消去光を発生させることができるため、消去用の光源は不要となるとともに、蛍光層405で発生した消去光が各記録層群内に閉じ込められるため、記録層群ごとの消去が可能となる。なお、記録層群は、複数の記録層604を含むことも可能であるし、無論、一部の記録層群には蛍光層405を設けないライトワンス部を設けることも可能である。
【0094】
以上のような工程により、S/N比の高い長期保存特性を備え、かつ、記録層群ごとの消去が可能な多層記録媒体を製造することができる。なお、本実施の形態は、本発明の構成の一例であり、構成材料や機能を担う各層の構成、積層順序等は、用途により適宜設計変更が可能である。また、媒体の形状は、ディスク以外にもカードなど他の形態を取ることも可能である。
【0095】
【発明の効果】
上述したように、請求項1の発明によれば、外部からの1光子吸収の起こる波長域を遮断する遮断層を設けることにより、多光子吸収過程と競合する、1光子吸収過程による書き込み、記録材料によっては、1光子吸収過程による消去を防止することができる。1光子吸収過程による書き込みの防止は、記録層へのかぶりの防止、1光子吸収過程による消去の防止は、記録マークの退色の防止につながり、結果としてS/N比の高い長期保存特性を備えた多層記録媒体を得ることができる。
【0096】
請求項2の発明によれば、遮断層として誘電体多層膜を用いることにより、透過・遮断特性の設計自由度が上がり、1光子吸収過程によるS/N比の劣化を防ぐことと、書き込み光、読み出し光の高い透過効率を両立することができ、請求項1の発明の効果に加え、記録再生システム全体としてのS/N比の向上が可能となる。
【0097】
請求項3の発明によれば、遮断層として吸収色素を含有する吸収層を用いることにより、低コストにS/N比の高い長期保存特性を備えた多層記録媒体を得ることができる。
【0098】
請求項4の発明によれば、遮断層を媒体表面に設けることにより、容易に遮断特性に優れ、よってS/N比の高い長期保存特性を備えた多層記録媒体を得ることができる。
【0099】
請求項5、6の発明によれば、蛍光層を設けることにより、外部からの1光子吸収過程による記録マークの退色を防止しながら、書き込み光により制御可能な消去光源を媒体内部に持つことで、多光子吸収過程による消去専用のパルス光源が不要な、書き換え可能な多層記録媒体を得ることができ、この多層記録媒体を用いた多層記録システムのコストダウンが可能となる。
【0100】
請求項7の発明によれば、蛍光反射層を設けることにより、蛍光層より発生する蛍光を媒体内に閉じ込めてその吸収効率を高めることができることで、消去特性が向上し、結果として消去・書き込みのサイクルを繰り返してもS/N比の高い記録再生特性を得ることができる。また、再生光を透過する特性を有する蛍光反射層からの再生光の強い反射がないため、微弱な記録マークからの信号をS/N比よく再生可能で、結果として信頼性の高い記録再生の可能な多層記録媒体及びこれを利用した記録再生システムが実現可能となる。
【0101】
請求項8の発明によれば、蛍光反射層として誘電体多層膜を用いることにより、蛍光反射層の透過・反射特性を急峻に設定でき、かつ透過帯域の透過率が高いため、より信頼性の高い記録再生の可能な多層記録媒体及びこれを利用した記録再生システムを実現することができる。
【0102】
請求項9の発明によれば、少なくとも1層の記録層に対して蛍光層と蛍光反射層のセットを組み合わせた記録層群を設けることにより、記録層群ごとの消去を行うことができる。
【0103】
請求項10の発明によれば、請求項1の多層記録媒体を用いることにより、S/N比の高い長期保存特性を備えた大容量の多層記録システムを得ることができる。
【0104】
請求項11、12の発明によれば、請求項5、7の多層記録媒体を用いることにより、消去用光源を記録用光源と兼用できるため、現状では高価なフェムト秒レーザーのようなパルス光源が1系統で済み前記の利点に加え、書き換え可能な多層記録システムのコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の多層記録媒体の製造工程例を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の多層記録媒体を用いた多層記録システムを示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の多層記録媒体の製造工程例を示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の多層記録媒体の製造工程例を示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の多層記録媒体を用いた多層記録システムを示す図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態の多層記録媒体の製造工程例を示す断面図である。
【符号の説明】
101,102,301,302,401,402,601,602…スタンパー
103,304,404,604…記録層
104,305,406,609…保護層
105,306,407,608…接着層
106,307,408、607…支持基板
107,309,410,606,611…誘電体多層膜
303,403,603…記録層保持基板
308,409,610…紫外線吸収層
405,605…蛍光層

Claims (14)

  1. 少なくとも2層以上の記録層を備え、前記記録層に多光子吸収過程による記録を行う多層記録媒体において、
    前記記録層に対して外部からの1光子吸収の起こる波長域光を遮断する遮断層を備えたことを特徴とする多層記録媒体。
  2. 前記遮断層が、多光子吸収過程に対応する波長域光を透過し、1光子吸収の起こる波長域光を反射するよう設計された誘電体多層膜を含むことを特徴とする請求項1記載の多層記録媒体。
  3. 前記遮断層が、1光子吸収の起こる波長域光を吸収する色素を含有する吸収層を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の多層記録媒体。
  4. 前記遮断層が、媒体の表面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の多層記録媒体。
  5. 多光子吸収過程によって消去に対応する1光子吸収帯域の蛍光を発光する蛍光層を備えたことを特徴とする請求項1記載の多層記録媒体。
  6. 前記蛍光層が、多光子吸収過程によって消去に対応する1光子吸収帯域の蛍光を発光する蛍光色素を含有することを特徴とする請求項5記載の多層記録媒体。
  7. 前記蛍光層が発光する蛍光を反射し、多光子吸収過程に対応する波長域光を透過する蛍光反射層を備えたことを特徴とする請求項5記載の多層記録媒体。
  8. 前記蛍光反射層が誘電体多層膜からなることを特徴とする請求項7記載の多層記録媒体。
  9. 少なくとも1層の記録層と前記蛍光層と蛍光反射層の組み合せよりなる記録層群を複数有することを特徴とする請求項7記載の多層記録媒体。
  10. 少なくとも2層以上の記録層と、前記記録層に対して外部からの1光子吸収の起こる波長域光を遮断する遮断層とを備えた記録媒体に対して、多光子吸収の起こる記録用光源を用いて前記記録層に書き込みを行なうことを特徴とする多層記録システム。
  11. 少なくとも2層以上の記録層と、前記記録層に対して外部からの1光子吸収の起こる波長域光を遮断する遮断層と、多光子吸収過程によって消去に対応する1光子吸収帯域の蛍光を発光する蛍光層とを備えた記録媒体に対して、記録時に多光子吸収の起こる記録用光源を用いて前記記録層に書き込みを行ない、消去時に前記記録用光源を用いて前記蛍光層から蛍光を発光させ前記記録層の記録情報の消去を行なうことを特徴とする多層記録システム。
  12. 前記記録媒体が、前記記録用光源の光を透過し、前記蛍光層が発光する蛍光を反射する蛍光反射層を備えたことを特徴とする請求項11記載の多層記録システム。
  13. 前記遮断層が、前記記録用光源の光を透過し、1光子吸収の起こる波長域光を反射するよう設計された誘電体多層膜を含むことを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1項に記載の多層記録システム。
  14. 前記遮断層が、1光子吸収の起こる波長域光を吸収する色素を含有する吸収層を含むことを特徴とする請求項10ないし13のいずれか1項に記載の多層記録システム。
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