JP2004259354A - 光磁気記録媒体及びその記録再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁性層材料の選定の自由度を高めることができ、また、青色レーザ等の短波長レーザに対して、十分なカー回転角の変化量が得られる材料を用い得る光磁気記録媒体及びその記録再生方法を提供する
【解決手段】光透過性の基板1上に、希土類−遷移金属アモルファス合金より成る少なくとも再生層3、中間層4、記録層5が形成されて、光学的な回折限界を超えた高密度記録再生が可能な光磁気記録媒体であって、再生層3を、室温以上キュリー温度以下の範囲で主に希土類金属磁化優勢膜(REリッチ)となる組成の材料より構成し、また中間層4を、室温以上キュリー温度以下の範囲で主に遷移金属磁化優勢膜(TMリッチ)となる組成の材料より構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】光透過性の基板1上に、希土類−遷移金属アモルファス合金より成る少なくとも再生層3、中間層4、記録層5が形成されて、光学的な回折限界を超えた高密度記録再生が可能な光磁気記録媒体であって、再生層3を、室温以上キュリー温度以下の範囲で主に希土類金属磁化優勢膜(REリッチ)となる組成の材料より構成し、また中間層4を、室温以上キュリー温度以下の範囲で主に遷移金属磁化優勢膜(TMリッチ)となる組成の材料より構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的な回折限界を超えた高密度記録再生が可能な光磁気記録媒体及びその記録再生方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年のコンピュータの急速な性能向上に伴い、主に音楽用途、データのバックアップや受け渡し用途などに広く用いられてきた光磁気記録媒体も、より大容量化が求められている。光磁気記録媒体の大容量化は、記録マークの微小化により成し遂げられる。
記録マークの大きさはレーザ光のビームスポット径ωに依存し、このωが小さいほど記録マークを微小化させることができ、トラックピッチの狭小化をはかって高密度化を達成できる。
【0003】
スポット径ωは、レーザ光の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとすると、λ/NAに比例することから、光磁気記録媒体の高密度化のためには、レーザ波長を短波長化し、開口数NAを大きくする必要がある。
【0004】
例えば、3.5インチの光磁気ディスク(MO)もこのようにして大容量化がはかられ、1991年に容量128MBの製品が発売されて以来、1999年には、1.3GBの容量を持つGIGAMO(ソニー(株)、商品名)が発売されるに至った。このGIGAMOでは初めて光学的な回折限界を超える高密度記録再生、いわゆる磁気的超解像(MSR)技術が採用された。
【0005】
このMSRは、再生時のレーザスポットの温度分布と再生磁界を利用して、記録マークの符号間干渉をマスクすることで、再生分解能の向上を図るものである。
例えば、一例としてD−RAD(Double−mask Rear Aperture Detection) 方式による再生方法を、図12を参照して説明する(例えば特許文献1〜3参照。)。
【0006】
図12においては、光磁気記録媒体上の記録トラック10に対する再生用のレーザビームのスポット11の移動方向(矢印bで示す)と、これにより生じる温度分布、磁化の変化態様を模式的に示す。
この例では、記録膜25として、再生層21、中間層22及び記録層23よりなる多層磁性膜が形成された場合で、各層21〜23内には、磁化の向きをそれぞれ一対の矢印により模式的に示す。なお、各層ともに、希土類金属と遷移金属とを含むアモルファス合金(希土類―遷移金属アモルファス合金と記す)より成るフェリ磁性体であり、副格子磁化を有するものとされる。
【0007】
図示の例では、記録層23及び再生層21が遷移金属優勢膜(いわゆるTMリッチ)、中間層22が希土類金属優勢膜(いわゆるREリッチ)より成り、中間層22は室温で例えば面内磁化膜であり、レーザスポットが照射される高温領域11Hにおいてそのキュリー温度を超え、磁化を消失する材料より構成されるものとする。ここで各層の磁化の向きは、幅広の矢印を飽和磁化の向き、細い実線矢印を遷移金属の副格子磁化の向きとして示す。また、外部磁界(再生磁界)を矢印Hext で示す。
【0008】
光磁気記録媒体を例えば回転させて、再生用のレーザ光を半径方向に移動させることにより、再生用光のレーザビームは矢印bで示すように記録トラック10に沿って走査される。このとき、レーザ光スポット11の移動によって、温度プロファイルを実線Tで示すように、記録膜25に温度分布が生じるが、その最高温度領域は光磁気記録媒体とスポットとの相対的移動によってスポットの中心からずれ、スポット11の進行方向に低温領域11L、進行方向に向かって後方に高温領域11H、これらの間の領域に中間温度領域11Mが生じる。
【0009】
このとき、光磁気記録媒体に再生磁界Hext を印加すると、低温領域11Lでは、中間層22の飽和磁化Msが比較的大きく、記録層23との間に作用する交換結合力よりも中間層22の飽和磁化Msと再生磁界Hext との相互作用の方が大きい場合に、中間層22の磁化方向が再生磁界Hext と同方向に揃う。中間層22と交換結合した再生層21の磁化方向は、記録層の磁化の向きとして記録される記録マークと無関係に再生磁界Hext と逆方向に揃い、これによりフロントマスクが形成される。
【0010】
スポットの進行方向と反対側の高温領域11Hでは、中間層22がキュリー温度を超えて磁化が消失するようになされ、再生層21と中間層22との間に作用する交換結合力が切断され、再生層21の磁化方向が再生磁界Hext と同方向に揃うことによって、リアマスクが形成される。
一方中間温度領域11Mでは、再生層21、中間層22及び記録層23の間に中間層と再生磁界Hext との相互作用よりも大きな交換結合力が働いており、記録層23の磁化方向が再生層21に転写される。すなわち、スポット11内の中間温度領域11Mのみにおいて、記録層23の記録マークの磁化が再生層21に転写されることとなり、温度プロファイルTにおける再生温度領域30に入る記録マークのみの読み出しが可能となり、解像度はいわばこの中間温度領域11Mのサイズに縮小化することができて、いわゆる超解像が実現される。
【0011】
このD−RAD方式は、例えば容量1.3GBの90mmMO(Magnet Optical)に採用され( 前述のGIGAMO) 、また2001年には2.3GBのMO(GIGAMOII;ソニー(株)商品名)が発売されている。
【0012】
更に、光磁気記録媒体の大容量化を図るには、再生用レーザ光のスポット径を小径化するために、青色レーザによる高密度化が望まれている。
ところが、MOの再生信号の大きさを表すカー回転角は、入射レーザ光の波長に依存し、従来のGdFeCoやTbFeCoといった材料系では、青色レーザの波長領域でカー回転角が急激に減少することが指摘されている。そのため、青色レーザの波長領域でカー回転角の増加を図る材料として、Ndを磁性層に添加する例が報告されている(例えば特許文献4参照。)。
【0013】
【特許文献1】
特許第3106514号公報
【特許文献2】
特開2002−304787号公報
【特許文献3】
特許第3049482号公報
【特許文献4】
特公平6−90976号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来のD−RAD方式による光磁気記録媒体においては、前述したように室温から再生温度領域を超え、キュリー温度までの磁気特性、すなわち飽和磁化や保磁力などの大きさやその大小関係、キュリー温度などの細かい選定が必要であり、この関係を満足する組成材料は現在のところ、TbFeCo及びGdFeCoにほぼ限定されている。
そしてこれらの材料により飽和磁化、保磁力などの各磁気特性の温度変化を実現するために、その極性(希土類金属磁化と遷移金属磁化のどちらが優勢であるか)を、中間層は上述したようにREリッチ、再生層はTMリッチとしている(例えば上記特許文献3参照。)。
【0015】
一方、特にTbは埋蔵量が比較的少なく、将来コスト高を招く恐れがあり、その他の安価な材料、或いは将来コスト安が見込まれる比較的埋蔵量の多い他の磁性材料を用いる光磁気記録媒体の実現が望まれており、またこのような光磁気記録媒体を用いた安定した超解像再生が可能な記録再生方法の提案が望まれている。
【0016】
本発明は、このような問題に鑑みて、磁性層材料の選定の自由度を高めることができ、また、特に将来高密度化にともなって再生用光として利用が見込まれる青色レーザ等の短波長レーザに対して、十分なカー回転角の変化量が得られる材料を用い得る光磁気記録媒体及びその記録再生方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述した問題を解決するために、本発明は、光透過性の基板上に、希土類−遷移金属アモルファス合金より成る少なくとも再生層、中間層、記録層が形成されて、光学的な回折限界を超えた高密度記録再生が可能な光磁気記録媒体であって、再生層を、室温以上キュリー温度以下の範囲で主に希土類金属磁化優勢膜(REリッチ)となる組成の材料より構成し、また中間層を、室温以上キュリー温度以下の範囲で主に遷移金属磁化優勢膜(TMリッチ)となる組成の材料より構成する。
【0018】
また本発明は、上述の光磁気記録媒体において、その再生層及び/又は中間層を、DyFeCo又はHoFeCoより構成する。
更に本発明は、上述の各光磁気記録媒体において、その再生層に、Ndを添加する構成とする。
【0019】
なお、本明細書において、再生層及び/又は中間層とは、再生層又は中間層のどちらかの場合、もしくは、再生層及び中間層の両方の層の場合のいずれかの場合であることを示す。
【0020】
上述したように、本発明においては、従来のD−RAD方式等の超解像再生が可能な光磁気記録媒体において、通常用いられている磁性層の極性を逆として再生層及び中間層を構成するものであり、このような構成による光磁気記録媒体を用いて記録再生を行うものである。
【0021】
このように、再生層及び中間層の極性を逆にして構成することによって、後段の発明の実施の形態において詳細に説明するように、超解像再生を実現するために必要な磁気特性の温度変化を、従来一般的である材料以外においても構成することが可能となった。
従って、本発明によれば、上述したようなTbFeCo、GdFeCo以外の磁性層を用いて確実に超解像が可能な光磁気記録媒体を提供することができ、また、青色レーザ等の短波長光に対するカー回転角の変化量が大きい材料であるNdを用いても良好な磁気記録再生特性の得られる光磁気記録媒体及びその記録再生方法を実現できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の各例を、従来例を参考にして詳細に説明する。なお、以下の例においては、前述したD−RAD方式による超解像再生が可能な光磁気記録媒体及びその記録再生方法に適用した場合を示すものであるが、本発明は、本発明構成を逸脱しない範囲において、その他の記録再生方法による光磁気記録媒体にも適用することは可能である。
【0023】
図1は、本発明による光磁気記録媒体の一例の要部の略線的拡大断面図である。1はPC(ポリカーボネート)等より成る光透過性の基板で、この上に、SiN等より成る誘電体層2、REリッチの磁性層より成る再生層3、TMリッチの磁性層より成る中間層4、TMリッチ又はREリッチの磁性層より成る記録層5及びSiN等より成る誘電体層6及びAlCr等より成る反射層7が順次スパッタリング等によって積層形成された構成とする。各磁性層は、希土類金属−遷移金属アモルファス合金より構成される。
【0024】
ここで、REリッチ又はTMリッチと呼ぶ場合、それぞれ室温からキュリー温度までの範囲で主にREリッチ又はTMリッチであるとする。すなわち、希土類金属―遷移金属アモルファス合金は、その組成比を調整することによって、0〔K〕(絶対零度)からキュリー温度において磁化が消失する範囲において、REリッチからTMリッチ、またはTMリッチからREリッチに変化する材料も作製し得る。しかしながら、本明細書においては、主に室温以上キュリー温度以下の温度範囲において希土類金属磁化優勢である組成の材料を、極性がREリッチであるとし、遷移金属磁化優勢である組成の材料を極性がTMリッチであると称する。したがって、REリッチとした磁性層が室温付近、又はそれより低い温度領域においてTMリッチとなる場合においても、極性はREリッチであるとするものである。
【0025】
ここで、本発明構成による光磁気記録媒体の記録再生方法を説明するにあたり、その理解を容易にするために、従来のD−RAD方式による光磁気記録媒体の一例について、前述のD−RAD方式による記録再生態様の説明に加え、磁性層の飽和磁化などの磁気特性に着目してその温度依存性について詳細に説明する。従来構成の光磁気記録媒体の一例の略線的拡大断面構成を図2に示す。図2において、図1と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0026】
この場合、再生層21の極性はTMリッチ、中間層22の極性はREリッチとして構成される。信号の記録再生に直接関わるのは磁性膜である再生層21、中間層22及び記録層23の3層である。
【0027】
これら3層の主な構成元素は、例えば前述の商品化されているGIGAMO等の光磁気記録媒体においては、記録層23がTbFeCo、中間層22がGdFe、再生層21がGdFeCoである。これらは希土類―遷移金属アモルファス合金磁性膜である。
【0028】
このような構成の多層磁性膜を用いて、記録層に記録されたマークを再生層に転写させるにあたり、D―RAD方式の光磁気記録媒体においては、前述したように、温度により変化する各層の磁気特性を利用して、レーザ光のスポットの一部をマスクした状態にすることでレーザスポットサイズより微細な記録マークの読み出しを可能としている。
【0029】
すなわち上述したように、基板とレーザスポットとは高速で相対移動しているために、レーザスポット内において、温度分布と光の強度分布とにずれが生じる。その際、中間層22はREリッチで室温での飽和磁化Msが大きく、また再生層21の室温での飽和磁化Msは小さく設定されるため、図3に模式的に磁化の向きを示すように、レーザ光Lの進行方向の低温領域11Lにおいては、外部磁場Hext による中間層22の磁化に働く力が再生層21に働く力より支配的となり、記録層23の記録マークがどちらに向いていても中間層22の飽和磁化の向きは外部磁場Hext に従って同じ向きとなる。なお、図3においても、図12と同様に白抜きの矢印は飽和磁化の向き、実線矢印は遷移金属の副格子磁化の向きを示す。つまり、REリッチとされた中間層22の遷移金属の副格子磁化の向きは外部磁場の向きとは逆向きとなる。
【0030】
一方飽和磁化Msの小さい再生層21は、中間層22との交換結合が支配的となり、遷移金属の副格子磁化の向きが揃うため、TMリッチとされた再生層21の飽和磁化の向きは、外部磁場の磁化の向きとは逆向きに揃って、記録層23の記録マークの向きとは無関係にいわば初期化方向を向くので記録マークは転写されない。これがフロントマスクとなる。
【0031】
一方、中間層22のキュリー温度Tcは他の磁性層21及び23よりも低く設定される。したがって、レーザスポットL内の高温領域11Hでは中間層22の磁化がキュリー温度を超えて消失する。同時に再生層21の飽和磁化Msは、温度上昇と共に大きくなるように設定することによって、中間層22のキュリー温度以上とされたスポット内の高温領域11Hにおいて、再生層21の磁化の向きは外部磁場に沿う方向を向く。これがリアマスクとなる。
【0032】
そしてこれら低温領域11Lと高温領域11Hとの間に存在する中間温度領域11M において、再生層21と中間層22とが外部磁場Hext から受けるエネルギーよりも磁性層間の交換結合力の方が優勢となり、記録マークの転写が起こるようになされる。
【0033】
このようなD−RAD方式の再生が行われる上述の条件をまとめると、各磁性層3〜5の飽和磁化Msは図4に示すような温度変化特性となることが要求される。図4において、a1 、b1 及びc1 はそれぞれ再生層、中間層及び記録層の飽和磁化Msの温度変化特性を示す。
【0034】
図4においては、飽和磁化の大きさを、遷移金属磁化優勢の場合を+、希土類金属磁化優勢の場合を−として示している。この図4からわかるように、先ず記録層の飽和磁化は、破線c1 で示すように、記録されたマークが外部磁場により消えないように低温領域で小さく、キュリー温度が十分高い必要がある。
また中間層の飽和磁化は、破線b1 で示すように、低温領域で外部磁場と相互作用するために、低温領域の飽和磁化が再生層のそれよりも大きく、中間温度領域では飽和磁化が小さくなるため垂直磁化となる。そして、リアマスクを形成するために再生層よりも低い温度でキュリー温度を迎える。
再生層は、実線a1 で示すように低温領域で補償点近傍として飽和磁化が十分小さく、リアマスクが形成される温度領域まで温度上昇とともに飽和磁化が単調増加するようになされる。このとき、カー回転角は温度上昇と共に単調減少するため、キュリー温度は500〔K〕以上であることが望ましい。
【0035】
ここで、各層の飽和磁化の絶対値を図5に示す。この図5において、a2 及びb2 はそれぞれ再生層及び中間層の飽和磁化を示す。室温近辺の再生層と中間層の飽和磁化の差がフロントマスクを形成するエネルギーに相当し、中間層がキュリー温度以上となる時に再生層の飽和磁化が最大値付近であることで外部磁場との相互作用による磁化の向きが揃い、リアマスクを形成している。
【0036】
本発明においては、このうち再生層と中間層の極性を逆にするものであるが、上述したような飽和磁化の温度特性を実現し、D−RAD方式の再生を行うことが可能となった。以下これを説明する。
上述の図1に示す本発明構成の光磁気記録媒体において、再生層3にDyFeCo、中間層4にDyFeCoSiを用いた場合の再生層、中間層の飽和磁化Msの温度変化特性を図6中a3 及びb3 として示す。
【0037】
図6においては、飽和磁化の大きさを、遷移金属磁化優勢の場合を+、希土類金属磁化優勢の場合を−として示している。また、この飽和磁化Msの絶対値を図7に示す。この図6及び図7に示すように、上述の従来構成とする場合の図4及び図5に示す温度依存特性と、低温領域から中間層4のキュリー温度以上であるリアマスク形成温度(高温領域)に亘って同様の特性となる。
【0038】
すなわち、中間層の飽和磁化は、破線b3 で示すように、低温領域で外部磁場と相互作用するために、低温領域の飽和磁化が再生層のそれよりも大きく、中間温度領域では垂直磁化となる。そして、リアマスクを形成するために再生層よりも低い温度でキュリー温度を迎える。
再生層は、実線a3 で示すように低温領域で補償点近傍として飽和磁化が十分小さく、リアマスクが形成される温度領域まで温度上昇とともに飽和磁化が単調増加するようになされる。このとき、カー回転角は温度上昇と共に単調減少するため、望ましくはキュリー温度を500〔K〕以上とする。
【0039】
このような構成とする場合、従来の光磁気記録媒体と同様にD−RAD方式の超解像再生が可能となる。この読み出し態様を、磁化の向きを模式的に示す図8及び図9を参照して説明する。図8及び図9において、図3と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0040】
図8においては、記録層をTMリッチとした場合の磁化態様を示す。レーザ光Lの進行方向である低温領域11Lにおいては、レーザ光Lの進行方向の低温領域11Lにおいては、外部磁場Hext により中間層4の磁化に働く力が再生層3の磁化に働く力よりも支配的となり、記録層5の記録マークがどちらに向いていても中間層4の飽和磁化の向きは外部磁場Hext に従って同じ向きとなる。なお、TMリッチとされた中間層4の遷移金属の副格子磁化の向きは外部磁場の向きとは同一の向きとなる。
一方、室温で飽和磁化Msの小さい再生層3は、中間層4との交換結合が支配的となり、遷移金属の副格子磁化の向きが揃うため、REリッチとされた再生層3の飽和磁化の向きは、外部磁場の磁化の向きとは逆向きに揃ったいわば初期化方向を向くので、図3に示す従来構成の光磁気記録媒体と同様に、記録層5の記録マークは転写されない。これがフロントマスクとなる。
【0041】
一方、中間層4のキュリー温度Tcは他の磁性層3及び5よりも低く設定される。したがって、レーザスポットL内の高温領域11Hでは中間層4の磁化がキュリー温度を超えて消失する。同時に再生層3の飽和磁化Msは、温度上昇と共に大きくなるように設定され、中間層4のキュリー温度以上とされたスポット内の高温領域11Hにおいて、再生層3の磁化の向きは外部磁場に沿う方向を向く。これがリアマスクとなる。
【0042】
そしてこれら低温領域11Lと高温領域11Hとの間に存在する中間温度領域11M において、再生層3と中間層4とが外部磁場Hext から受けるエネルギーよりも磁性層間の交換結合力の方が優勢となり、記録マークの転写が起こるようになされる。
【0043】
このように、記録層をTMリッチとする場合は、この記録層から転写される再生層の磁化の向きは、図8から明らかなように逆向きとなる。
従って、記録層に記録する記録マークの向きを従来構成による光磁気記録媒体とは予め逆向きとし、すなわち例えば前述のGIGAMO等における従来の光磁気記録媒体における記録マークとは逆向きに、再生用光の入射方向と同一方向を記録の「1」とすることによって、再生層に転写される記録マークの磁化の向きは、従来の光磁気記録媒体と同一の向きとなる。したがって、この場合は従来の光磁気記録媒体を用いる光磁気記録再生装置と互換性を有する光磁気記録媒体を提供することができるという利点を有する。
【0044】
一方、記録層の極性をREリッチとする場合においても、同様に本発明構成の光磁気記録媒体において、D−RAD方式の超解像再生を実現することができる。
すなわち、図9に示すように、スポットL内において、低温領域11Lにおいては、外部磁場Hext により中間層4の磁化に働く力が再生層3の磁化に働く力よりも支配的となり、記録層5の記録マークがどちらに向いていても中間層4の飽和磁化の向きは外部磁場Hext に従って同じ向きとなる。この場合においても、TMリッチとされた中間層4の遷移金属の副格子磁化の向きは外部磁場の向きとは同一の向きとなる。
一方、飽和磁化Msの小さい再生層3は、中間層4との交換結合が支配的となり、遷移金属の副格子磁化の向きが揃うため、REリッチとされた再生層3の飽和磁化の向きは、外部磁場の磁化の向きとは逆向きに揃ったいわば初期化方向を向くので、記録層5の記録マークは転写されない。これがフロントマスクとなる。
【0045】
一方、中間層4のキュリー温度以上となるレーザスポットL内の高温領域11Hでは中間層4の磁化がキュリー温度を超えて消失する。同時に再生層3の飽和磁化Msは、温度上昇と共に大きくなるように設定され、中間層4のキュリー温度以上とされたスポット内の高温領域11Hにおいて、再生層3の磁化の向きは外部磁場に沿う方向を向く。これがリアマスクとなる。
【0046】
そしてこれら低温領域11Lと高温領域11Hとの間に存在する中間温度領域11Mにおいて、再生層3と中間層4とが外部磁場Hext から受けるエネルギーよりも磁性層間の交換結合力の方が優勢となり、記録マークの転写が起こるようになされる。
【0047】
このような構成とすることによって、記録層5をREリッチの材料とする場合においても、上述の図8において説明した例と同様に、D−RAD方式の超解像再生が可能な光磁気記録媒体を提供することができる。
【0048】
次に、前述の図6及び図7において示す材料以外の磁性材料の飽和磁化(絶対値)の温度依存性を調べた。この結果を図10に示す。
図10において、実線a5 はDyNdFeCo、破線a6 はHoFeCo、破線a7 はHoNdFeCoをそれぞれ再生層とした場合、破線b5 はHoFeCoを中間層とした場合のそれぞれ飽和磁化の温度依存性を示す。
図10から明らかなように、Ndを加えたDyNdFeCoを用いて従来とは逆極性となるTMリッチの再生層としても飽和磁化の絶対値は、従来構成において用いられるGdFeCoの再生層の温度特性と同様とすることが可能であり、更に、HoFeCo、HoNdFeCoでも同様に逆極性の再生層としても利用可能であることがわかる。
また、中間層として、DyFeCoと同様にHoFeCoを従来とは逆極性となるREリッチの磁性層を用いる場合においても、従来構成の中間層と同様の温度特性とすることができることがわかる。
【0049】
なお、このようにNdを添加する場合は、前述の特許文献4に示されるように、青色レーザ等の比較的短波長のレーザ光に対するカー回転角の変化量の低下を回避することができ、高記録密度化にともなって、青色等の短波長レーザにより記録再生を行う光磁気記録媒体及びその記録方法に本発明を適用する場合に、有利となる。
【0050】
更に、これらの材料に、非磁性元素のSi、Al、Crのうちいずれか1つの材料を添加する場合、キュリー温度を適切に調整することができる。
図11においては、Si、Al及びCrをDyFeCoにそれぞれ添加量した場合のキュリー温度の変化を示す。図中実線dはDyFeCoSi、実線eはDyFeCoAl、fはDyFeCoCrの場合で、横軸はそれぞれSi、Al及びCrの含有量at%(原子%)である。
【0051】
この図11からわかるように、Si、Al及びCrはそれぞれ1at%あたり約4℃から6℃のキュリー温度の低下を生じさせることができ、再生層及び中間層の磁化特性に影響を与えることなくキュリー温度の調整を簡単に行うことができる。
【0052】
なお、上述の各材料は、D−RAD方式の再生を行うためには前述の条件を満たしていればよいため、再生層の材料と中間層の材料を適宜組み合わせて光磁気記録媒体を構成することができることはいうまでもない。
【0053】
このように、本発明によれば、従来のD−RAD方式の光磁気記録媒体における再生層と中間層とは、その極性を逆にして光磁気記録媒体を構成することによって、これを用いてD―RAD方式と同様の超解像再生を可能とすると共に、光磁気記録媒体の記録膜材料としてこれまであまり用いられなかったDy、Hoを利用することが可能となり、材料の選択の自由度を高めることができる。
【0054】
更に、Ndを添加する場合においても、同様に従来のD−RAD方式と同様の超解像再生を可能とする磁気特性を有する再生層及び中間層を構成することができ、これにより、従来に比して短波長の青色レーザによる記録再生を可能とし、更に高記録密度化、大容量化を図ることができる。
【0055】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、従来とは異なる極性の再生層、中間層を有する光磁気記録媒体を用いて、D−RAD方式の超解像再生を行うことができ、材料の選択の自由度を高めることができる。
【0056】
特に、DyFeCo、HoFeCoを再生層材料、又は中間層材料、もしくはその両方に用いることによって、確実に従来構成と同様の磁気特性を有する再生層、中間層を構成し、これにより確実にD−RAD方式による超解像再生が可能な光磁気記録媒体を提供することができる。
【0057】
また、非磁性材料として、Al、Si又はCrを添加することによって、キュリー温度の調整を確実且つ簡単に行って、光磁気記録媒体を構成することができる。
【0058】
更にまた、Ndを再生層に添加することによって、青色レーザ等の比較的短波長の再生用光に対するカー回転角の変化量を保持することができ、再生用光の短波長化を可能とし、これにより記録密度の増大化、大容量化を図った光磁気記録媒体を提供することができる。
【0059】
また、記録層をTMリッチとする場合においては、記録層に記録する情報の記録マークを従来とは逆向きにすることによって、再生層における記録マークの向きを従来の光磁気記録媒体と同一の向きとして、従来の光磁気記録媒体を用いる記録再生装置における記録再生を可能とし、互換性を有する光磁気記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光磁気記録媒体の一例の要部の略線的拡大断面図である。
【図2】従来の光磁気記録媒体の要部の略線的拡大断面図である。
【図3】光磁気記録媒体の再生時の磁化態様の説明図である。
【図4】磁性層の飽和磁化の温度依存性を示す図である。
【図5】磁性層の飽和磁化の温度依存性を示す図である。
【図6】磁性層の飽和磁化の温度依存性を示す図である。
【図7】磁性層の飽和磁化の温度依存性を示す図である。
【図8】光磁気記録媒体の再生時の磁化態様の説明図である。
【図9】光磁気記録媒体の再生時の磁化態様の説明図である。
【図10】磁性層の飽和磁化の温度依存性を示す図である。
【図11】非磁性材料の含有量に対するキュリー温度の変化を示す図である。
【図12】D−RAD方式による超解像再生の説明図である。
【符号の説明】
1 基板、2 誘電体層、3 再生層、4 中間層、5 記録層、6 誘電体層、7 反射層、10 記録トラック、11 スポット、11L 低温領域、11M 中間温度領域、11H 高温領域、12 記録マーク、21 再生層、22中間層、23 記録層、25 記録膜、30 再生温度領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的な回折限界を超えた高密度記録再生が可能な光磁気記録媒体及びその記録再生方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年のコンピュータの急速な性能向上に伴い、主に音楽用途、データのバックアップや受け渡し用途などに広く用いられてきた光磁気記録媒体も、より大容量化が求められている。光磁気記録媒体の大容量化は、記録マークの微小化により成し遂げられる。
記録マークの大きさはレーザ光のビームスポット径ωに依存し、このωが小さいほど記録マークを微小化させることができ、トラックピッチの狭小化をはかって高密度化を達成できる。
【0003】
スポット径ωは、レーザ光の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとすると、λ/NAに比例することから、光磁気記録媒体の高密度化のためには、レーザ波長を短波長化し、開口数NAを大きくする必要がある。
【0004】
例えば、3.5インチの光磁気ディスク(MO)もこのようにして大容量化がはかられ、1991年に容量128MBの製品が発売されて以来、1999年には、1.3GBの容量を持つGIGAMO(ソニー(株)、商品名)が発売されるに至った。このGIGAMOでは初めて光学的な回折限界を超える高密度記録再生、いわゆる磁気的超解像(MSR)技術が採用された。
【0005】
このMSRは、再生時のレーザスポットの温度分布と再生磁界を利用して、記録マークの符号間干渉をマスクすることで、再生分解能の向上を図るものである。
例えば、一例としてD−RAD(Double−mask Rear Aperture Detection) 方式による再生方法を、図12を参照して説明する(例えば特許文献1〜3参照。)。
【0006】
図12においては、光磁気記録媒体上の記録トラック10に対する再生用のレーザビームのスポット11の移動方向(矢印bで示す)と、これにより生じる温度分布、磁化の変化態様を模式的に示す。
この例では、記録膜25として、再生層21、中間層22及び記録層23よりなる多層磁性膜が形成された場合で、各層21〜23内には、磁化の向きをそれぞれ一対の矢印により模式的に示す。なお、各層ともに、希土類金属と遷移金属とを含むアモルファス合金(希土類―遷移金属アモルファス合金と記す)より成るフェリ磁性体であり、副格子磁化を有するものとされる。
【0007】
図示の例では、記録層23及び再生層21が遷移金属優勢膜(いわゆるTMリッチ)、中間層22が希土類金属優勢膜(いわゆるREリッチ)より成り、中間層22は室温で例えば面内磁化膜であり、レーザスポットが照射される高温領域11Hにおいてそのキュリー温度を超え、磁化を消失する材料より構成されるものとする。ここで各層の磁化の向きは、幅広の矢印を飽和磁化の向き、細い実線矢印を遷移金属の副格子磁化の向きとして示す。また、外部磁界(再生磁界)を矢印Hext で示す。
【0008】
光磁気記録媒体を例えば回転させて、再生用のレーザ光を半径方向に移動させることにより、再生用光のレーザビームは矢印bで示すように記録トラック10に沿って走査される。このとき、レーザ光スポット11の移動によって、温度プロファイルを実線Tで示すように、記録膜25に温度分布が生じるが、その最高温度領域は光磁気記録媒体とスポットとの相対的移動によってスポットの中心からずれ、スポット11の進行方向に低温領域11L、進行方向に向かって後方に高温領域11H、これらの間の領域に中間温度領域11Mが生じる。
【0009】
このとき、光磁気記録媒体に再生磁界Hext を印加すると、低温領域11Lでは、中間層22の飽和磁化Msが比較的大きく、記録層23との間に作用する交換結合力よりも中間層22の飽和磁化Msと再生磁界Hext との相互作用の方が大きい場合に、中間層22の磁化方向が再生磁界Hext と同方向に揃う。中間層22と交換結合した再生層21の磁化方向は、記録層の磁化の向きとして記録される記録マークと無関係に再生磁界Hext と逆方向に揃い、これによりフロントマスクが形成される。
【0010】
スポットの進行方向と反対側の高温領域11Hでは、中間層22がキュリー温度を超えて磁化が消失するようになされ、再生層21と中間層22との間に作用する交換結合力が切断され、再生層21の磁化方向が再生磁界Hext と同方向に揃うことによって、リアマスクが形成される。
一方中間温度領域11Mでは、再生層21、中間層22及び記録層23の間に中間層と再生磁界Hext との相互作用よりも大きな交換結合力が働いており、記録層23の磁化方向が再生層21に転写される。すなわち、スポット11内の中間温度領域11Mのみにおいて、記録層23の記録マークの磁化が再生層21に転写されることとなり、温度プロファイルTにおける再生温度領域30に入る記録マークのみの読み出しが可能となり、解像度はいわばこの中間温度領域11Mのサイズに縮小化することができて、いわゆる超解像が実現される。
【0011】
このD−RAD方式は、例えば容量1.3GBの90mmMO(Magnet Optical)に採用され( 前述のGIGAMO) 、また2001年には2.3GBのMO(GIGAMOII;ソニー(株)商品名)が発売されている。
【0012】
更に、光磁気記録媒体の大容量化を図るには、再生用レーザ光のスポット径を小径化するために、青色レーザによる高密度化が望まれている。
ところが、MOの再生信号の大きさを表すカー回転角は、入射レーザ光の波長に依存し、従来のGdFeCoやTbFeCoといった材料系では、青色レーザの波長領域でカー回転角が急激に減少することが指摘されている。そのため、青色レーザの波長領域でカー回転角の増加を図る材料として、Ndを磁性層に添加する例が報告されている(例えば特許文献4参照。)。
【0013】
【特許文献1】
特許第3106514号公報
【特許文献2】
特開2002−304787号公報
【特許文献3】
特許第3049482号公報
【特許文献4】
特公平6−90976号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来のD−RAD方式による光磁気記録媒体においては、前述したように室温から再生温度領域を超え、キュリー温度までの磁気特性、すなわち飽和磁化や保磁力などの大きさやその大小関係、キュリー温度などの細かい選定が必要であり、この関係を満足する組成材料は現在のところ、TbFeCo及びGdFeCoにほぼ限定されている。
そしてこれらの材料により飽和磁化、保磁力などの各磁気特性の温度変化を実現するために、その極性(希土類金属磁化と遷移金属磁化のどちらが優勢であるか)を、中間層は上述したようにREリッチ、再生層はTMリッチとしている(例えば上記特許文献3参照。)。
【0015】
一方、特にTbは埋蔵量が比較的少なく、将来コスト高を招く恐れがあり、その他の安価な材料、或いは将来コスト安が見込まれる比較的埋蔵量の多い他の磁性材料を用いる光磁気記録媒体の実現が望まれており、またこのような光磁気記録媒体を用いた安定した超解像再生が可能な記録再生方法の提案が望まれている。
【0016】
本発明は、このような問題に鑑みて、磁性層材料の選定の自由度を高めることができ、また、特に将来高密度化にともなって再生用光として利用が見込まれる青色レーザ等の短波長レーザに対して、十分なカー回転角の変化量が得られる材料を用い得る光磁気記録媒体及びその記録再生方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述した問題を解決するために、本発明は、光透過性の基板上に、希土類−遷移金属アモルファス合金より成る少なくとも再生層、中間層、記録層が形成されて、光学的な回折限界を超えた高密度記録再生が可能な光磁気記録媒体であって、再生層を、室温以上キュリー温度以下の範囲で主に希土類金属磁化優勢膜(REリッチ)となる組成の材料より構成し、また中間層を、室温以上キュリー温度以下の範囲で主に遷移金属磁化優勢膜(TMリッチ)となる組成の材料より構成する。
【0018】
また本発明は、上述の光磁気記録媒体において、その再生層及び/又は中間層を、DyFeCo又はHoFeCoより構成する。
更に本発明は、上述の各光磁気記録媒体において、その再生層に、Ndを添加する構成とする。
【0019】
なお、本明細書において、再生層及び/又は中間層とは、再生層又は中間層のどちらかの場合、もしくは、再生層及び中間層の両方の層の場合のいずれかの場合であることを示す。
【0020】
上述したように、本発明においては、従来のD−RAD方式等の超解像再生が可能な光磁気記録媒体において、通常用いられている磁性層の極性を逆として再生層及び中間層を構成するものであり、このような構成による光磁気記録媒体を用いて記録再生を行うものである。
【0021】
このように、再生層及び中間層の極性を逆にして構成することによって、後段の発明の実施の形態において詳細に説明するように、超解像再生を実現するために必要な磁気特性の温度変化を、従来一般的である材料以外においても構成することが可能となった。
従って、本発明によれば、上述したようなTbFeCo、GdFeCo以外の磁性層を用いて確実に超解像が可能な光磁気記録媒体を提供することができ、また、青色レーザ等の短波長光に対するカー回転角の変化量が大きい材料であるNdを用いても良好な磁気記録再生特性の得られる光磁気記録媒体及びその記録再生方法を実現できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の各例を、従来例を参考にして詳細に説明する。なお、以下の例においては、前述したD−RAD方式による超解像再生が可能な光磁気記録媒体及びその記録再生方法に適用した場合を示すものであるが、本発明は、本発明構成を逸脱しない範囲において、その他の記録再生方法による光磁気記録媒体にも適用することは可能である。
【0023】
図1は、本発明による光磁気記録媒体の一例の要部の略線的拡大断面図である。1はPC(ポリカーボネート)等より成る光透過性の基板で、この上に、SiN等より成る誘電体層2、REリッチの磁性層より成る再生層3、TMリッチの磁性層より成る中間層4、TMリッチ又はREリッチの磁性層より成る記録層5及びSiN等より成る誘電体層6及びAlCr等より成る反射層7が順次スパッタリング等によって積層形成された構成とする。各磁性層は、希土類金属−遷移金属アモルファス合金より構成される。
【0024】
ここで、REリッチ又はTMリッチと呼ぶ場合、それぞれ室温からキュリー温度までの範囲で主にREリッチ又はTMリッチであるとする。すなわち、希土類金属―遷移金属アモルファス合金は、その組成比を調整することによって、0〔K〕(絶対零度)からキュリー温度において磁化が消失する範囲において、REリッチからTMリッチ、またはTMリッチからREリッチに変化する材料も作製し得る。しかしながら、本明細書においては、主に室温以上キュリー温度以下の温度範囲において希土類金属磁化優勢である組成の材料を、極性がREリッチであるとし、遷移金属磁化優勢である組成の材料を極性がTMリッチであると称する。したがって、REリッチとした磁性層が室温付近、又はそれより低い温度領域においてTMリッチとなる場合においても、極性はREリッチであるとするものである。
【0025】
ここで、本発明構成による光磁気記録媒体の記録再生方法を説明するにあたり、その理解を容易にするために、従来のD−RAD方式による光磁気記録媒体の一例について、前述のD−RAD方式による記録再生態様の説明に加え、磁性層の飽和磁化などの磁気特性に着目してその温度依存性について詳細に説明する。従来構成の光磁気記録媒体の一例の略線的拡大断面構成を図2に示す。図2において、図1と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0026】
この場合、再生層21の極性はTMリッチ、中間層22の極性はREリッチとして構成される。信号の記録再生に直接関わるのは磁性膜である再生層21、中間層22及び記録層23の3層である。
【0027】
これら3層の主な構成元素は、例えば前述の商品化されているGIGAMO等の光磁気記録媒体においては、記録層23がTbFeCo、中間層22がGdFe、再生層21がGdFeCoである。これらは希土類―遷移金属アモルファス合金磁性膜である。
【0028】
このような構成の多層磁性膜を用いて、記録層に記録されたマークを再生層に転写させるにあたり、D―RAD方式の光磁気記録媒体においては、前述したように、温度により変化する各層の磁気特性を利用して、レーザ光のスポットの一部をマスクした状態にすることでレーザスポットサイズより微細な記録マークの読み出しを可能としている。
【0029】
すなわち上述したように、基板とレーザスポットとは高速で相対移動しているために、レーザスポット内において、温度分布と光の強度分布とにずれが生じる。その際、中間層22はREリッチで室温での飽和磁化Msが大きく、また再生層21の室温での飽和磁化Msは小さく設定されるため、図3に模式的に磁化の向きを示すように、レーザ光Lの進行方向の低温領域11Lにおいては、外部磁場Hext による中間層22の磁化に働く力が再生層21に働く力より支配的となり、記録層23の記録マークがどちらに向いていても中間層22の飽和磁化の向きは外部磁場Hext に従って同じ向きとなる。なお、図3においても、図12と同様に白抜きの矢印は飽和磁化の向き、実線矢印は遷移金属の副格子磁化の向きを示す。つまり、REリッチとされた中間層22の遷移金属の副格子磁化の向きは外部磁場の向きとは逆向きとなる。
【0030】
一方飽和磁化Msの小さい再生層21は、中間層22との交換結合が支配的となり、遷移金属の副格子磁化の向きが揃うため、TMリッチとされた再生層21の飽和磁化の向きは、外部磁場の磁化の向きとは逆向きに揃って、記録層23の記録マークの向きとは無関係にいわば初期化方向を向くので記録マークは転写されない。これがフロントマスクとなる。
【0031】
一方、中間層22のキュリー温度Tcは他の磁性層21及び23よりも低く設定される。したがって、レーザスポットL内の高温領域11Hでは中間層22の磁化がキュリー温度を超えて消失する。同時に再生層21の飽和磁化Msは、温度上昇と共に大きくなるように設定することによって、中間層22のキュリー温度以上とされたスポット内の高温領域11Hにおいて、再生層21の磁化の向きは外部磁場に沿う方向を向く。これがリアマスクとなる。
【0032】
そしてこれら低温領域11Lと高温領域11Hとの間に存在する中間温度領域11M において、再生層21と中間層22とが外部磁場Hext から受けるエネルギーよりも磁性層間の交換結合力の方が優勢となり、記録マークの転写が起こるようになされる。
【0033】
このようなD−RAD方式の再生が行われる上述の条件をまとめると、各磁性層3〜5の飽和磁化Msは図4に示すような温度変化特性となることが要求される。図4において、a1 、b1 及びc1 はそれぞれ再生層、中間層及び記録層の飽和磁化Msの温度変化特性を示す。
【0034】
図4においては、飽和磁化の大きさを、遷移金属磁化優勢の場合を+、希土類金属磁化優勢の場合を−として示している。この図4からわかるように、先ず記録層の飽和磁化は、破線c1 で示すように、記録されたマークが外部磁場により消えないように低温領域で小さく、キュリー温度が十分高い必要がある。
また中間層の飽和磁化は、破線b1 で示すように、低温領域で外部磁場と相互作用するために、低温領域の飽和磁化が再生層のそれよりも大きく、中間温度領域では飽和磁化が小さくなるため垂直磁化となる。そして、リアマスクを形成するために再生層よりも低い温度でキュリー温度を迎える。
再生層は、実線a1 で示すように低温領域で補償点近傍として飽和磁化が十分小さく、リアマスクが形成される温度領域まで温度上昇とともに飽和磁化が単調増加するようになされる。このとき、カー回転角は温度上昇と共に単調減少するため、キュリー温度は500〔K〕以上であることが望ましい。
【0035】
ここで、各層の飽和磁化の絶対値を図5に示す。この図5において、a2 及びb2 はそれぞれ再生層及び中間層の飽和磁化を示す。室温近辺の再生層と中間層の飽和磁化の差がフロントマスクを形成するエネルギーに相当し、中間層がキュリー温度以上となる時に再生層の飽和磁化が最大値付近であることで外部磁場との相互作用による磁化の向きが揃い、リアマスクを形成している。
【0036】
本発明においては、このうち再生層と中間層の極性を逆にするものであるが、上述したような飽和磁化の温度特性を実現し、D−RAD方式の再生を行うことが可能となった。以下これを説明する。
上述の図1に示す本発明構成の光磁気記録媒体において、再生層3にDyFeCo、中間層4にDyFeCoSiを用いた場合の再生層、中間層の飽和磁化Msの温度変化特性を図6中a3 及びb3 として示す。
【0037】
図6においては、飽和磁化の大きさを、遷移金属磁化優勢の場合を+、希土類金属磁化優勢の場合を−として示している。また、この飽和磁化Msの絶対値を図7に示す。この図6及び図7に示すように、上述の従来構成とする場合の図4及び図5に示す温度依存特性と、低温領域から中間層4のキュリー温度以上であるリアマスク形成温度(高温領域)に亘って同様の特性となる。
【0038】
すなわち、中間層の飽和磁化は、破線b3 で示すように、低温領域で外部磁場と相互作用するために、低温領域の飽和磁化が再生層のそれよりも大きく、中間温度領域では垂直磁化となる。そして、リアマスクを形成するために再生層よりも低い温度でキュリー温度を迎える。
再生層は、実線a3 で示すように低温領域で補償点近傍として飽和磁化が十分小さく、リアマスクが形成される温度領域まで温度上昇とともに飽和磁化が単調増加するようになされる。このとき、カー回転角は温度上昇と共に単調減少するため、望ましくはキュリー温度を500〔K〕以上とする。
【0039】
このような構成とする場合、従来の光磁気記録媒体と同様にD−RAD方式の超解像再生が可能となる。この読み出し態様を、磁化の向きを模式的に示す図8及び図9を参照して説明する。図8及び図9において、図3と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0040】
図8においては、記録層をTMリッチとした場合の磁化態様を示す。レーザ光Lの進行方向である低温領域11Lにおいては、レーザ光Lの進行方向の低温領域11Lにおいては、外部磁場Hext により中間層4の磁化に働く力が再生層3の磁化に働く力よりも支配的となり、記録層5の記録マークがどちらに向いていても中間層4の飽和磁化の向きは外部磁場Hext に従って同じ向きとなる。なお、TMリッチとされた中間層4の遷移金属の副格子磁化の向きは外部磁場の向きとは同一の向きとなる。
一方、室温で飽和磁化Msの小さい再生層3は、中間層4との交換結合が支配的となり、遷移金属の副格子磁化の向きが揃うため、REリッチとされた再生層3の飽和磁化の向きは、外部磁場の磁化の向きとは逆向きに揃ったいわば初期化方向を向くので、図3に示す従来構成の光磁気記録媒体と同様に、記録層5の記録マークは転写されない。これがフロントマスクとなる。
【0041】
一方、中間層4のキュリー温度Tcは他の磁性層3及び5よりも低く設定される。したがって、レーザスポットL内の高温領域11Hでは中間層4の磁化がキュリー温度を超えて消失する。同時に再生層3の飽和磁化Msは、温度上昇と共に大きくなるように設定され、中間層4のキュリー温度以上とされたスポット内の高温領域11Hにおいて、再生層3の磁化の向きは外部磁場に沿う方向を向く。これがリアマスクとなる。
【0042】
そしてこれら低温領域11Lと高温領域11Hとの間に存在する中間温度領域11M において、再生層3と中間層4とが外部磁場Hext から受けるエネルギーよりも磁性層間の交換結合力の方が優勢となり、記録マークの転写が起こるようになされる。
【0043】
このように、記録層をTMリッチとする場合は、この記録層から転写される再生層の磁化の向きは、図8から明らかなように逆向きとなる。
従って、記録層に記録する記録マークの向きを従来構成による光磁気記録媒体とは予め逆向きとし、すなわち例えば前述のGIGAMO等における従来の光磁気記録媒体における記録マークとは逆向きに、再生用光の入射方向と同一方向を記録の「1」とすることによって、再生層に転写される記録マークの磁化の向きは、従来の光磁気記録媒体と同一の向きとなる。したがって、この場合は従来の光磁気記録媒体を用いる光磁気記録再生装置と互換性を有する光磁気記録媒体を提供することができるという利点を有する。
【0044】
一方、記録層の極性をREリッチとする場合においても、同様に本発明構成の光磁気記録媒体において、D−RAD方式の超解像再生を実現することができる。
すなわち、図9に示すように、スポットL内において、低温領域11Lにおいては、外部磁場Hext により中間層4の磁化に働く力が再生層3の磁化に働く力よりも支配的となり、記録層5の記録マークがどちらに向いていても中間層4の飽和磁化の向きは外部磁場Hext に従って同じ向きとなる。この場合においても、TMリッチとされた中間層4の遷移金属の副格子磁化の向きは外部磁場の向きとは同一の向きとなる。
一方、飽和磁化Msの小さい再生層3は、中間層4との交換結合が支配的となり、遷移金属の副格子磁化の向きが揃うため、REリッチとされた再生層3の飽和磁化の向きは、外部磁場の磁化の向きとは逆向きに揃ったいわば初期化方向を向くので、記録層5の記録マークは転写されない。これがフロントマスクとなる。
【0045】
一方、中間層4のキュリー温度以上となるレーザスポットL内の高温領域11Hでは中間層4の磁化がキュリー温度を超えて消失する。同時に再生層3の飽和磁化Msは、温度上昇と共に大きくなるように設定され、中間層4のキュリー温度以上とされたスポット内の高温領域11Hにおいて、再生層3の磁化の向きは外部磁場に沿う方向を向く。これがリアマスクとなる。
【0046】
そしてこれら低温領域11Lと高温領域11Hとの間に存在する中間温度領域11Mにおいて、再生層3と中間層4とが外部磁場Hext から受けるエネルギーよりも磁性層間の交換結合力の方が優勢となり、記録マークの転写が起こるようになされる。
【0047】
このような構成とすることによって、記録層5をREリッチの材料とする場合においても、上述の図8において説明した例と同様に、D−RAD方式の超解像再生が可能な光磁気記録媒体を提供することができる。
【0048】
次に、前述の図6及び図7において示す材料以外の磁性材料の飽和磁化(絶対値)の温度依存性を調べた。この結果を図10に示す。
図10において、実線a5 はDyNdFeCo、破線a6 はHoFeCo、破線a7 はHoNdFeCoをそれぞれ再生層とした場合、破線b5 はHoFeCoを中間層とした場合のそれぞれ飽和磁化の温度依存性を示す。
図10から明らかなように、Ndを加えたDyNdFeCoを用いて従来とは逆極性となるTMリッチの再生層としても飽和磁化の絶対値は、従来構成において用いられるGdFeCoの再生層の温度特性と同様とすることが可能であり、更に、HoFeCo、HoNdFeCoでも同様に逆極性の再生層としても利用可能であることがわかる。
また、中間層として、DyFeCoと同様にHoFeCoを従来とは逆極性となるREリッチの磁性層を用いる場合においても、従来構成の中間層と同様の温度特性とすることができることがわかる。
【0049】
なお、このようにNdを添加する場合は、前述の特許文献4に示されるように、青色レーザ等の比較的短波長のレーザ光に対するカー回転角の変化量の低下を回避することができ、高記録密度化にともなって、青色等の短波長レーザにより記録再生を行う光磁気記録媒体及びその記録方法に本発明を適用する場合に、有利となる。
【0050】
更に、これらの材料に、非磁性元素のSi、Al、Crのうちいずれか1つの材料を添加する場合、キュリー温度を適切に調整することができる。
図11においては、Si、Al及びCrをDyFeCoにそれぞれ添加量した場合のキュリー温度の変化を示す。図中実線dはDyFeCoSi、実線eはDyFeCoAl、fはDyFeCoCrの場合で、横軸はそれぞれSi、Al及びCrの含有量at%(原子%)である。
【0051】
この図11からわかるように、Si、Al及びCrはそれぞれ1at%あたり約4℃から6℃のキュリー温度の低下を生じさせることができ、再生層及び中間層の磁化特性に影響を与えることなくキュリー温度の調整を簡単に行うことができる。
【0052】
なお、上述の各材料は、D−RAD方式の再生を行うためには前述の条件を満たしていればよいため、再生層の材料と中間層の材料を適宜組み合わせて光磁気記録媒体を構成することができることはいうまでもない。
【0053】
このように、本発明によれば、従来のD−RAD方式の光磁気記録媒体における再生層と中間層とは、その極性を逆にして光磁気記録媒体を構成することによって、これを用いてD―RAD方式と同様の超解像再生を可能とすると共に、光磁気記録媒体の記録膜材料としてこれまであまり用いられなかったDy、Hoを利用することが可能となり、材料の選択の自由度を高めることができる。
【0054】
更に、Ndを添加する場合においても、同様に従来のD−RAD方式と同様の超解像再生を可能とする磁気特性を有する再生層及び中間層を構成することができ、これにより、従来に比して短波長の青色レーザによる記録再生を可能とし、更に高記録密度化、大容量化を図ることができる。
【0055】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、従来とは異なる極性の再生層、中間層を有する光磁気記録媒体を用いて、D−RAD方式の超解像再生を行うことができ、材料の選択の自由度を高めることができる。
【0056】
特に、DyFeCo、HoFeCoを再生層材料、又は中間層材料、もしくはその両方に用いることによって、確実に従来構成と同様の磁気特性を有する再生層、中間層を構成し、これにより確実にD−RAD方式による超解像再生が可能な光磁気記録媒体を提供することができる。
【0057】
また、非磁性材料として、Al、Si又はCrを添加することによって、キュリー温度の調整を確実且つ簡単に行って、光磁気記録媒体を構成することができる。
【0058】
更にまた、Ndを再生層に添加することによって、青色レーザ等の比較的短波長の再生用光に対するカー回転角の変化量を保持することができ、再生用光の短波長化を可能とし、これにより記録密度の増大化、大容量化を図った光磁気記録媒体を提供することができる。
【0059】
また、記録層をTMリッチとする場合においては、記録層に記録する情報の記録マークを従来とは逆向きにすることによって、再生層における記録マークの向きを従来の光磁気記録媒体と同一の向きとして、従来の光磁気記録媒体を用いる記録再生装置における記録再生を可能とし、互換性を有する光磁気記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光磁気記録媒体の一例の要部の略線的拡大断面図である。
【図2】従来の光磁気記録媒体の要部の略線的拡大断面図である。
【図3】光磁気記録媒体の再生時の磁化態様の説明図である。
【図4】磁性層の飽和磁化の温度依存性を示す図である。
【図5】磁性層の飽和磁化の温度依存性を示す図である。
【図6】磁性層の飽和磁化の温度依存性を示す図である。
【図7】磁性層の飽和磁化の温度依存性を示す図である。
【図8】光磁気記録媒体の再生時の磁化態様の説明図である。
【図9】光磁気記録媒体の再生時の磁化態様の説明図である。
【図10】磁性層の飽和磁化の温度依存性を示す図である。
【図11】非磁性材料の含有量に対するキュリー温度の変化を示す図である。
【図12】D−RAD方式による超解像再生の説明図である。
【符号の説明】
1 基板、2 誘電体層、3 再生層、4 中間層、5 記録層、6 誘電体層、7 反射層、10 記録トラック、11 スポット、11L 低温領域、11M 中間温度領域、11H 高温領域、12 記録マーク、21 再生層、22中間層、23 記録層、25 記録膜、30 再生温度領域
Claims (11)
- 光透過性の基板上に、希土類−遷移金属アモルファス合金より成る少なくとも再生層、中間層、記録層が形成されて、光学的な回折限界を超えた高密度記録再生が可能な光磁気記録媒体であって、
上記再生層が、室温以上キュリー温度以下の範囲で主に希土類金属磁化優勢膜となる組成の材料より成り、
上記中間層が、室温以上キュリー温度以下の範囲で主に遷移金属磁化優勢膜となる組成の材料より成ることを特徴とする光磁気記録媒体。 - 上記再生層及び/又は中間層が、DyFeCo又はHoFeCoより成ることを特徴とする請求項1記載の光磁気記録媒体。
- 上記再生層に、Ndが添加されて成ることを特徴とする請求項1に記載の光磁気記録媒体。
- 上記再生層に、Ndが添加されて成ることを特徴とする請求項2に記載の光磁気記録媒体。
- 上記再生層及び/又は中間層に、Si,Al又はCrの非磁性元素から1つ以上の元素が添加されて成ることを特徴とする請求項1に記載の光磁気記録媒体。
- 上記再生層及び/又は中間層に、Si,Al又はCrの非磁性元素から1つ以上の元素が添加されて成ることを特徴とする請求項2に記載の光磁気記録媒体。
- 上記再生層及び/又は中間層に、Ndと、Si,Al又はCrの非磁性元素から1つ以上の元素が添加されて成ることを特徴とする請求項1に記載の光磁気記録媒体。
- 上記再生層及び/又は中間層に、Ndと、Si,Al又はCrの非磁性元素から1つ以上の元素が添加されて成ることを特徴とする請求項2に記載の光磁気記録媒体。
- 上記記録層が遷移金属磁化優勢膜であることを特徴とする請求項1に記載の光磁気記録媒体。
- 光透過性の基板上に、希土類−遷移金属アモルファス合金より成る少なくとも再生層、中間層、記録層が形成されて、光学的な回折限界を超えた高密度記録再生が可能な光磁気記録媒体を用いる光磁気記録媒体の記録再生方法であって、
上記光磁気記録媒体は、上記再生層が、室温以上キュリー温度以下の範囲で主に希土類金属磁化優勢膜となる組成の材料より成り、上記中間層が、室温以上キュリー温度以下の範囲で主に遷移金属磁化優勢膜となる組成の材料より成り、
上記光磁気記録媒体に再生用のレーザ光を照射した再生スポット内の中間温度領域において、上記記録層の磁化の向きを上記再生層に転写して記録マークの読み出しを行うことを特徴とする光磁気記録媒体の記録再生方法。 - 上記記録層が遷移金属磁化優勢膜であって、記録マークの磁化の向きを再生用光の入射方向と同一方向とすることを特徴とする請求項10に記載の光磁気記録再生方法。
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JP2003047875A JP2004259354A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | 光磁気記録媒体及びその記録再生方法 |
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-
2003
- 2003-02-25 JP JP2003047875A patent/JP2004259354A/ja active Pending
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