JP2004258788A - 新聞雑誌制作システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明によれば、新聞または雑誌に掲載する素材の情報を紙面上に配置することによって紙面を制作する新聞雑誌制作システムにおいて、複数行に亘って構成された見出しの各行における頭部分の空き量を、各行における位置と長さとに基づいて決定する組版端末20を備えている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新聞雑誌制作システムに係り、更に詳しくは、複数行に亘って構成された見出しを見栄え良くレイアウトする機能を備えた新聞および雑誌の制作システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
記事、画像、写真等の素材からなる新聞や雑誌の編集において、紙面レイアウトを効率的に作成することは非常に重要である。このような紙面レイアウトを効率的に作成するために、例えば特許文献1乃至4に示すような発明がなされている。
【0003】
特許文献1では、新聞の制作過程において、新聞紙面に効果的に各ニュースを割り付けて行くラフレイアウト方法に関する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、新聞の制作過程において、新聞紙面に見出しを効率的に配置するシステムが開示されている。これは、予めいくつかの見出しパターンを記憶しておき、記事の内容に基づいて、その中から適切な見出しパターンを抽出し、この抽出した見出しパターンに基づいて見出しのレイアウトを決定するという技術である。
【0005】
更に、特許文献3では、記事に付された見出しを自動的に抽出することによって目次を作成するシステムが開示されている。これは、電子新聞における検索機能の強化のためになされた発明である。
【0006】
更にまた、特許文献4では、記事や画像の種類に応じて全体的なバランスのよい行間調整を行う方法が開示されている。例えば、見出しであれば、見出しが段末に来ないように行間調整を行う。また、埋め込み画像で有れば、埋め込み画像の周囲の記事の行間調整を行う。その他の記事であれば、記事の種類に応じて、行間調整の手法を設定する。これによって、格段の段末を揃えることができ、紙面バランスを改善することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−154239号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2001−282772号公報
【0009】
【特許文献3】
特開2002−229972号公報
【0010】
【特許文献4】
特開2001−80020号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献に記載されている技術によって、新聞や雑誌の編集における紙面レイアウトの作成効率は向上した。しかしながら、見出しのレイアウト処理のみは、オペレータ判断による調整に依存しているのが実状である。
【0012】
たとえば、特許文献1は、記事そのものの配置を割り付けるための発明であって、見出しの作成を効率的に行うためのものではない。また、特許文献3は、予め作成された見出しを抽出する技術であって、見出しの作成に関するものではない。
【0013】
特許文献4は、見出しのみならず、記事や画像の種類に応じて全体的なバランスのよい行間調整を行うための発明であって、見出しに関しては、配置方法というよりは、むしろ見栄えの良い配置場所を設定することを目的としている。
【0014】
なお、特許文献2は、見出しのレイアウトの効率化を図ることを目的とした技術であるが、特許文献2の技術では、いくつかの見出しパターンを予め備えておき、記事の内容に基づいて、その中から適切な見出しパターンを抽出するものである。したがって、このパターンに該当しないような見出しに対しては、やはりオペレータ判断による調整によって体裁を整えねばならず、汎用的に用いることができる訳ではない。
【0015】
新聞紙面では、図22に示すように、1ページをY方向に15分割し、分割した1/15の単位を「段」と称している。一段の高さは約3cmであり、図23に示すように、この一段に入る文字は15字までと決められている。したがって、1字の大きさは2mm程度となる。この大きさの文字を「1倍文字」と称している。また、一段見出しと呼ばれる見出しは、一段の出来上がり寸法内に数行の見出しと記事とを一緒にレイアウトするものである。
【0016】
このような一段見出しは、更に図24(a)に示すような「チドリ見出し」と、図24(b)に示すような「チドリ見出し以外」とに分類される。「チドリ見出し」では、行の位置として「天」、「中」、「地」がそれぞれ1行以上ある。また、「チドリ見出し以外」では、行の位置として「天」、「中」、「地」が揃っていない。「チドリ見出し」、「チドリ見出し以外」どちらにおいても、頭部分および末部分を空けて配置するものの、行の位置(天、中、地)と行の長さにより頭部分と末部分との空き量が異なっている。
【0017】
この空き量は、「チドリ見出し」であるか「チドリ見出し以外」であるかによって、あるいは各行の長さによってケースバイケースである。例えば、図25は、「チドリ見出し」の場合の一例を示すものであり、天見出しの頭空きを、地見出しの末空きよりも多くとっている。一方、図26は「チドリ見出し以外」の場合の例を示すものであり、図26(a)は、全てを段の中央になるように中見出しとして配置した場合、図26(b)は、1行目と2行目とを天見出しとし、3行目を地見出しとするとともに、天見出しの「頭空き」よりも地見出しの「末空き」を多く確保した場合、図26(c)は、図26(b)の場合とは逆に天見出しの「頭空き」を地見出しの「末空き」よりも多く確保した場合を示している。
【0018】
見出し用に作成されたテキストデータをそのままレイアウトすると、段の頭より機械的に文字を配置していくことになるので、図24乃至図26に示すような「頭空き」配置や「末空き」配置はできない。このため、オペレータによって、テキストデータの内容に基づいて、どの程度の「頭空き」や「末空き」が必要であるかが判断され、レイアウトフォームに合うように記事の指定を変えるなどの調整がなされている。
【0019】
例えば、図25に示すような「チドリ見出し」を作成するためには、見出し用のテキストデータに基づいて、図27(a)に示すような編集済みデータを作成する必要がある。図27(a)において、[見出S]は編集済みデータの開始を表す制御文字であり、[天アキ]は「頭空き」量(mm)を示し、[地アキ]は「末空き」量(mm)を示し、[区切]はフィールド構成の終わりを示している。
【0020】
次に、テキストデータが入力される。初めに「天」に相当するテキストデータ「□□□□実験の」が入力され、この後に[天揃]という制御文字が入力されることによって、このテキストデータ「□□□□実験の」が「天」であると認識される。次に、「中」に相当するテキストデータ「○○○を非難」が入力され、この後に[中揃]という制御文字が入力されることによって、このテキストデータ「○○○を非難」が「中」であると認識される。更に、「地」に相当するテキストデータ「△△△国防省」が入力され、この後に「地揃」という制御文字が入力されることによって、このテキストデータ「△△△国防省」が「地」であると認識される。最後に編集済みデータの終了を表す[見出E]の制御文字が入力される。
【0021】
このような編集済みデータを展開することによって、図27(b)に示すような一段見出しがレイアウトされている。
【0022】
このように、見出しのレイアウト処理は、オペレータ判断による調整が必要となるために、オペレータの負荷が大きく、作業効率が悪いという問題がある。
【0023】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、配置および長さに応じて自動的にかつバランス良く見出しをレイアウトするようにし、もって、オペレータの負荷の低減、および作業効率の向上を図ることが可能な新聞雑誌制作システムを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0025】
すなわち、本発明は、新聞または雑誌に掲載する素材の情報を紙面上に配置することによって紙面を制作する新聞雑誌制作システムにおいて、複数行に亘って構成された見出しの各行における頭部分の空き量を、各行における位置と長さとに基づいて決定する空き量決定手段を備えている。
【0026】
更に、空き量決定手段によって決定された各行における頭部分の空き量にしたがって、見出しを各行に配置する見出し配置手段を備えている。
【0027】
従って、本発明の新聞雑誌制作システムにおいては、以上のような手段を講じることにより、配置位置および長さに応じて自動的にかつバランス良く見出しをレイアウトすることができる。以上により、オペレータの負荷の低減、および作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0029】
本発明の実施の形態を図1から図23を用いて説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態に係る新聞雑誌制作システムの一例を示す機能ブロック図である。
【0031】
すなわち、本発明の実施の形態に係る新聞雑誌制作システムは、バス10を介して互いに接続された記事入力校正端末12と、記事サーバ14と、画像入力加工端末16と、画像サーバ18と、組版端末20と、組版サーバ22と、大刷プリンタ24と、編集出力サーバ26と、版下プリンタ28とを備えている。
【0032】
記事入力校正端末12は、記事の入力および校正を行うための端末であり、記者によって記事データが入力されると、入力された記事データは、この記事入力校正端末12から記事サーバ14へと出力されるようにしている。また、この記事入力校正端末12は、記事サーバ14に蓄積されている記事データを取得する。この取得された記事データは、記事入力校正端末12を介してなされるオペレータ操作によって校正がなされ、更に校正された記事データは、記事入力校正端末12から記事サーバ14に再び出力されるようにしている。
【0033】
記事サーバ14は、上述したように記事入力校正端末12から見出し部分を含むテキスト形式の記事データが入力される他に、通信回線を経由して通信社30からも見出し部分を含むテキスト形式の記事データが入力されるようにしている。記事サーバ14は、このような記事データを蓄積し、記事入力校正端末12から要求のあった場合には、対応する記事データを記事入力校正端末12へと出力する。更に、蓄積している記事データを、オペレータ指示に基づいて一旦組版サーバ22に出力し、更にそこから組版端末20へと出力されるようにしている。
【0034】
画像入力加工端末16は、スキャナやディスプレイ等を備えており、画像データの入力および画像データの加工を行う。画像入力加工端末16は、画像データが入力されると、入力された画像データを画像サーバ18へと出力する。また、オペレータから入力された画像データの加工操作入力に基づいて画像データを加工し、加工した画像データを、画像サーバ18へと出力する。
【0035】
画像サーバ18は、画像入力加工端末16から出力された画像データを受信して蓄積する。このようにして蓄積された画像データは、画像入力加工端末16から要求があると、画像入力加工端末16へと出力する。また、オペレータから指示があった場合には、組版サーバ22へと出力する。
【0036】
組版端末20は、オペレータが記事、画像、および見出しのレイアウト編集を行うための操作入力を行う端末であり、各オペレータに対して1台ずつ備えている。各オペレータは、自己が操作担当する組版端末20を操作することによってレイアウト編集作業を行っている。組版端末20に操作入力されて作成された操作情報は、組版サーバ22へと出力されるようにしている。
【0037】
また、組版端末20は、記事サーバ14から組版サーバ22へと出力された記事データが、更に組版サーバ22から組版端末20へと出力された場合には、図2のフローチャートに示すように動作することによって、この記事データに関する見出しのレイアウト処理を行う。この見出しのレイアウト処理は、すなわち、記事データの見出し部分のテキストフォーマットを解析して見出しの位置および長さを求め(S1)、次にステップS1で求められた見出しの位置情報から該記事データが「チドリ見出し」であるか「チドリ見出し以外」であるかを判定する(S2)。そして、「チドリ見出し」および「チドリ見出し以外」毎に、見出しの各行における「頭空き」量および「末空き」量を求める(S3)。最後に、ステップS1からステップS3において決定された内容に基づいて編集済みデータを作成する(S4)。そして、作成した編集済みデータを、組版サーバ22へと出力する。
【0038】
以下に、このレイアウト処理の詳細を説明する。
ステップS1では、図3(a)に示すような見出し部分のテキストフォーマットに基づいて、図3(b)に示すような見出し行管理情報テーブルを作成する。すなわち、組版端末20は、図3(a)に示すような見出し部分のテキストフォーマットから、1行目の「□□□□実験の」は天位置であって、文字の大きさが1.5倍であることから、その長さは23.5mmとなる。また、2行目の「○○○を非難」は中位置であって、文字の大きさが1.5倍であることから、その長さは20.1mmとなる。更に、3行目の「△△△国防省」は地位置であって、文字の大きさが1倍であることから、その長さは13.4mmとなる。なお、図3(a)の例では、3行目で終了しているが、4行以上見出しがある場合であっても、図3(a)に示すように、[見出E]の制御文字を検出するまで、存在する行の全てについてその位置と長さとを見出し行管理情報テーブルに書き込む。
【0039】
ステップS2では、ステップS1において見出し行管理情報テーブルに書き込んだ全ての行について、見出しのタイプが「チドリ見出し」か「チドリ見出し以外」かを判定する。判定基準としては、図3(b)に示す行管理情報テーブルにおける位置として「天」、「中」、および「地」が全て揃っていれば「チドリ見出し」であると判定し、何れか1つでも欠けていれば「チドリ見出し以外」であると判定する。そして、図3(c)に示すような見出し全体管理情報テーブルを作成する。なお、図3(c)に示す見出し全体管理情報テーブルにおける頭空き量に関する数値は、ステップS3において書き込むものである。
【0040】
ステップS3では、「チドリ見出し」と「チドリ見出し以外」に分けて、見出しの各行における「頭空き」量および「末空き」量を求める。
(1)チドリ見出しの場合
(a)天位置見出しの位置調整
天位置見出しの位置調整方法について図22を用いて説明する。図22は、従来技術でも説明したように、一般的な15段からなる紙面構成を示す概念図である。このように新聞紙面では1ページをY方向に15分割し、分割した1/15の単位を「段」と称している。一段の高さは約3cmであり、同様に従来技術で説明した図23に示すように、この一段に入る文字は15字までと決められている。したがって、1文字の大きさは2mm程度となる。この大きさの文字を「1倍文字」と称している。本発明は、このように従来から決められている紙面構成を踏襲することを前提とした上で、配置および長さに応じて自動的にかつバランス良く見出しをレイアウトするものである。
【0041】
天位置見出しの位置調整を行う場合、上述したような図22に示すような一段の寸法と、自身の行寸法の差((一段寸法)−(自身の行寸法))より各行毎に残量を算出する。自身の行寸法は、図3(b)に示す「長さ」を用いる。この残量を、図4に示す頭空き量算出テーブルと照合することによって、「頭空き」量を求める。頭空き量算出テーブルは、予めオペレータが設定しておくものであり、図5は、その一例を示すものである。図4の残量Xにおけるオペレータ設定によるパラメータα1は、図5の残量Xにおける”5.1(mm)”に相当し、以下パラメータα2は”4.4(mm)”、パラメータα3は”3.3(mm)”、パラメータαnは”2.2(mm)”にそれぞれ相当している。図5中に示すに示す残量と「頭空き」量とはそれぞれ図6(a)および図6(b)に示す位置に該当する。
【0042】
なお、図7(a)に示すように、天位置見出しが複数ある場合には、各行毎に「頭空き」量を求め、図3(b)の処理を行っている行の該当する「求めた空き量」欄に書き込む。そして、図7(b)に示すように、その中で最も小さい「頭空き」量に統一する。
【0043】
そして、最も小さい「頭空き」量を図3(c)の天指定共通頭空きに書き込む。
【0044】
(b)中位置見出しの位置調整
図22に示すような一段の寸法と、自身の行寸法の差((一段寸法)−(自身の行寸法))より各行毎に残量を算出する。自身の行寸法は、図3(b)に示す「長さ」を用いる。この残量を、図8に示す頭空き量算出テーブルと照合することによって、「頭空き」量を求める。頭空き量算出テーブルは、予めオペレータが設定しておくものであり、その一例を図9に示す。残量と「頭空き」量とはそれぞれ図10(a)および図10(b)に示す位置に該当する。
【0045】
そして、得られた「頭空き」量を、図3(b)の見出し行管理情報テーブルの処理している「中」位置行における「求めた空き量」に書き込む。
【0046】
(c)地位置見出しの位置調整
図22に示すような一段の寸法と、自身の行寸法の差((一段寸法)−(自身の行寸法))より各行毎に残量を算出する。自身の行寸法は、図3(b)に示す「長さ」を用いる。この残量を、図11に示す末空き量算出テーブルと照合することによって、「末空き」量を求める。末空き量算出テーブルは、予めオペレータが設定しておくものであり、その一例を図12に示す。残量と「末空き」量とはそれぞれ図13(a)および図13(b)に示す位置に該当する。
【0047】
なお、図14(a)に示すように、地位置見出しが複数ある場合には、各行毎に「末空き」量を求め、図3(b)の処理している行の「求めた空き量」に書き込む。そして、図14(b)に示すように、その中で最も小さい「末空き」量に統一する。
【0048】
そして、最も小さい「末空き」量を、図3(c)の地指定共通末空きに書き込む。
【0049】
(2)チドリ見出し以外の場合
チドリ見出し以外の場合は、「初期調整」と「2次調整」とを行う。
(2.1)初期調整
(a)天位置見出しの位置調整
図22に示すような一段の寸法と、自身の行寸法の差((一段寸法)−(自身の行寸法))より各行毎に残量を算出する。自身の行寸法は、図3(b)に示す「長さ」を用いる。この残量を、図4に示す頭空き量算出テーブルと照合することによって、「頭空き」量を求める。頭空き量算出テーブルは、予めオペレータが設定しておくものであり、図15は、その一例を示すものである。図4の残量Xにおけるオペレータ設定によるパラメータα1は、図15の残量Xにおける”32.4(mm)”に相当し、以下パラメータα2は”29.0(mm)”、パラメータα3は”26.8(mm)”、パラメータαnは”2.2(mm)”にそれぞれ相当している。図15中に示す残量と「頭空き」量とはそれぞれ図6(a)および図6(b)に示す位置に該当する。
【0050】
なお、図7(a)に示すように、天位置見出しが複数ある場合には、各行毎に「頭空き」量を求め、図3(b)の処理している行の「求めた空き量」に書き込む。そして、図7(b)に示すように、その中で最も小さい「頭空き」量に統一する。
【0051】
そして、最も小さい「頭空き」量を図3(c)の天指定共通頭空きに書き込む。
【0052】
(b)中位置見出しの位置調整
図22に示すような一段の寸法と、自身の行寸法の差((一段寸法)−(自身の行寸法))より各行毎に残量を算出し、その1/2を「頭空き」量とする。ここで、自身の行寸法は、図3(b)に示す「長さ」を用いる。そして、得られた「頭空き」量を、図3(b)の見出し行管理情報テーブルの「中」位置における「求めた空き量」に書き込む。すなわち、中位置見出しの配置位置は図16に示す通りである。
【0053】
(c)地位置見出しの位置調整
図22に示すような一段の寸法と、自身の行寸法の差((一段寸法)−(自身の行寸法))より各行毎に残量を算出する。自身の行寸法は、図3(b)に示す「長さ」を用いる。この残量を、図11に示す末空き量算出テーブルと照合することによって、「末空き」量を求める。末空き量算出テーブルは、予めオペレータが設定しておくものであり、その一例を図11に示す。残量と「末空き」量とはそれぞれ図13(a)および図13(b)に示す位置に該当する。
【0054】
なお、図14(a)に示すように、地位置見出しが複数ある場合には、各行毎に「末空き」量を求め、図3(b)の処理している行の「求めた空き量」に書き込む。そして、図14(b)に示すように、その中で最も小さい「末空き」量に統一する。
【0055】
そして、最も小さい「末空き」量を、図3(c)の地指定共通末空きに書き込む。
【0056】
(2.2)2次調整
(2.1)初期調整を行った結果、図17(a)および図18(a)に示すように、天見出しの「頭空き」が、地見出しの「頭空き」よりも低くなった場合には、以下に示すような2次調整を行い、図17(b)および図18(b)のように、天見出しの「頭空き」が、地見出しの「頭空き」よりも低くならないようにする。なお、図19に示すように、天見出しの「頭空き」が、地見出しの「頭空き」よりも高い場合には、2次調整を行わない。
【0057】
(a)地見出しの最小頭空き量の算出
地見出しの共通末空きは、図3(c)に示す見出し全体管理情報テーブルに、各行の寸法は図3(b)に示す見出し行管理情報テーブルに書き込んであるので、((一段の寸法)−(地見出しの共通末空き)−(行の長さ))によって地見出し各行の「頭空き」量を算出する。そして、地見出し各行の頭空きの中から最小のものを図3(c)に示す見出し全体管理情報テーブルの地指定最小頭空きに設定する。
【0058】
次に、図3(c)に示す見出し全体管理情報テーブルの天指定共通頭空きと地指定最小頭空きを比較し、((天指定共通頭空き)>(地指定最小頭空き))の場合には、以下に示す天指定最小共通頭空きの補正を行う。
【0059】
(b)天指定最小頭空き量の補正
地指定最小頭空きと、図4に示す頭空き量算出テーブル(具体例としては図20)とに基づいて、天指定行の頭空き量を求める。そして、その結果を、図3(c)に示す見出し全体管理情報テーブルの天指定共通頭空きに書き込む。
【0060】
ステップS4では、ステップS1からステップS3において決定された内容に基づいて編集済みデータを作成し、作成した編集済みデータを組版サーバ22へと出力する。
【0061】
すなわち、図3(a)に示すテキストフォーマットと、図3(b)に示す見出し行管理情報テーブルと、図3(c)に示す見出し全体管理情報テーブルとに基づいて、図21に示すように展開される編集済みデータを作成する。テキストフォーマットには空きは指定していないが、この編集済みデータは、見出し全体管理情報テーブルを読み込んでいるので、空き量の情報を含んでいる。したがって、図21に示すように展開された場合には、空き量に相当する座標に×印を付し、空き量を明示するようにしている。
【0062】
組版サーバ22は、組版端末20から出力された編集済みデータに基づいて、紙面の編集作業を行う。そして、このように組版サーバ22で編集作業がなされた紙面の紙面データを保持している。そして、この保持している紙面データは、組版端末20からの大刷/版下出力指示にしたがって、編集出力サーバ26へと出力されるようにしている。
【0063】
編集出力サーバ26は、組版端末20からの大刷/版下出力指示にしたがって、組版サーバ22から出力された紙面データをドットデータに展開する。このように展開されたドットデータは、大刷プリンタ24/版下プリンタ28から、大刷や版下として出力する。
【0064】
次に、以上のように構成した本発明の実施の形態に係る新聞雑誌制作システムによって見出しのレイアウトを行う場合の動作について説明する。
【0065】
見出しのレイアウトを行う組版端末20には、記者によって見出し部分を含むテキスト形式の記事データが入力された記事入力校正端末12から、見出し部分を含むテキスト形式の記事データが入力される。あるいは、通信社30から見出し部分を含むテキスト形式の記事データが送信された記事サーバ14から組版サーバ22に出力され、さらに組版サーバ22から組版端末20へと出力されることによって見出し部分を含むテキスト形式の記事データが入力される。
【0066】
このように見出し部分を含むテキスト形式の記事データが組版端末20に入力されると、組版端末20が図2のフローチャートに示すように動作することによって、この記事データに関する見出しのレイアウト処理が行われる。
【0067】
まず、図3(a)に示すような見出し部分のテキストフォーマットに基づいて、見出しの各行の位置および長さが求められ、図3(b)に示すような見出し行管理情報テーブルが作成される(S1)。
【0068】
次に、ステップS1において見出し行管理情報テーブルに書き込んだ全ての行について、見出しのタイプが「チドリ見出し」か「チドリ見出し以外」かが判定される。判定基準としては、図3(b)に示す行管理情報テーブルにおける位置として「天」、「中」、および「地」が全て揃っていれば「チドリ見出し」であると判定され、何れか1つでも欠けていれば「チドリ見出し以外」であると判定される。そして、図3(c)に示すような見出し全体管理情報テーブルが作成される。なお、図3(c)に示す見出し全体管理情報テーブルにおける頭空き量に関する数値は、ステップS3において書き込まれる(S2)。
【0069】
ステップS3では、「チドリ見出し」と「チドリ見出し以外」に分けて、見出しの各行における「頭空き」量および「末空き」量が求められ、求められた「頭空き」量が、図3(b)の見出し行管理情報テーブルの「求めた空き量」、および図3(c)の天指定共通頭空きに書き込まれる。
【0070】
なお、「チドリ見出し以外」については、初期調整と2次調整とが行われ、初期調整において天見出しの「頭空き」が、地見出しの「頭空き」よりも低くなった場合には、更に2次調整を行うことによって、天見出しの「頭空き」が、地見出しの「頭空き」よりも低くならないように調整される。
【0071】
ステップS4では、ステップS1からステップS3において決定された内容に基づいて編集済みデータが作成される。この作成された編集済みデータは組版サーバ22へと出力される。組版サーバ22では、組版端末20から出力された編集済みデータを用いて、紙面の編集作業が行われる。この編集済みデータが展開されると、図21に示すように見出しが自動的にバランス良くレイアウトされる。
【0072】
この編集作業によって作成された紙面データは、組版端末20からの大刷/版下出力指示があるまで組版サーバ22に保持される。そして、組版端末20からの大刷/版下出力指示があると編集出力サーバ26へと出力され、更にドットデータに展開された後に、大刷プリンタ24/版下プリンタ28から大刷や版下として出力される。
【0073】
上述したように、本発明の実施の形態に係る新聞雑誌制作システムにおいては、上記のような作用により、見出し文の位置指定より見出しのタイプがチドリ見出しであるかチドリ見出し以外であるかを自動的に判定することができる。更に、見出し文の長さより頭空き量、末空き量を自動的に決定し、レイアウトにあうテキストフォーマットに変換することができる。その結果、オペレータの負荷を低減し、作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0074】
以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、配置および長さに応じて自動的にかつバランス良く見出しをレイアウトすることができる。
【0076】
以上により、オペレータの負荷の低減、および作業効率の向上を図ることが可能な新聞雑誌制作システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る新聞雑誌制作システムの一例を示す機能ブロック図
【図2】本発明の実施の形態に係る新聞雑誌制作システムによって見出しのレイアウトを行う場合の動作を示すフローチャート
【図3】見出し部分のテキストフォーマットの一例と、見出し行管理テーブルの一例と、見出し全体管理テーブルの一例を示す図
【図4】一般的な天位置見出し用の頭空き量算出テーブルの例を示すデータ構成図
【図5】天位置見出し用の頭空き量算出テーブルの具体例を示すデータ構成図
【図6】天位置見出しの残量と頭空き量との関係を示す模式図
【図7】天見出しの調整方法の一例を示す模式図
【図8】一般的な中位置見出し用の頭空き量算出テーブルの例を示すデータ構成図
【図9】中見出しの頭空き量算出テーブルの具体例を示すデータ構成図
【図10】中見出しの残量と頭空き量との関係を示す模式図
【図11】一般的な地位置見出し用の頭空き量算出テーブルの例を示すデータ構成図
【図12】地位置見出し用の頭空き量算出テーブルの具体例を示すデータ構成図
【図13】地見出しの残量と末空き量との関係を示す模式図
【図14】地見出しが複数ある場合の調整方法の一例を示す模式図
【図15】チドリ見出し以外の天見出しの頭空き量算出テーブルの具体例を示すデータ構成図
【図16】チドリ見出し以外の中見出しの調整方法の一例を示す模式図
【図17】チドリ見出し以外の2次調整方法の一例を示す模式図
【図18】チドリ見出し以外の2次調整方法の一例を示す模式図
【図19】2次調整を要しないチドリ見出し以外の一例を示す模式図
【図20】2次調整を行う場合の頭空き量算出テーブルの具体例を示すデータ構成図
【図21】編集済みデータが展開された見出しのレイアウトの一例を示す模式図
【図22】15段からなる紙面を示す図
【図23】15行からなる1段を示す図
【図24】一段見出しの一例を示す模式図
【図25】チドリ見出しの構成を説明するための図
【図26】チドリ見出し以外の構成を説明するための図
【図27】チドリ見出し用の編集済みデータのデータ構成と、編集済みデータが展開されてなるチドリ見出しの一例を示す図
【符号の説明】
10…バス、12…記事入力校正端末、14…記事サーバ、16…画像入力加工端末、18…画像サーバ、20…組版端末、22…組版サーバ、24…大刷プリンタ、26…編集出力サーバ、28…版下プリンタ、30…通信社
Claims (2)
- 新聞または雑誌に掲載する素材の情報を紙面上に配置することによって紙面を制作する新聞雑誌制作システムにおいて、
複数行に亘って構成された見出しの各行における頭部分の空き量を、各行における位置と長さとに基づいて決定する空き量決定手段を備えた新聞雑誌制作システム。 - 請求項1に記載の新聞雑誌制作システムにおいて、
前記空き量決定手段によって決定された各行における頭部分の空き量にしたがって、前記見出しを各行に配置する見出し配置手段を付加した新聞雑誌制作システム。
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