JP2004258409A - 光スイッチモジュール、波長選択スイッチ - Google Patents

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真司 山下
Takeshi Yamamoto
毅 山本
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    • G02B6/293Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals with wavelength selective means
    • G02B6/29346Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals with wavelength selective means operating by wave or beam interference
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  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)

Abstract

【課題】全体の大きさを小型化でき、部品点数を削減できること。
【解決手段】光スイッチモジュール11は、2個の光ポートを有し、光ファイバ15c,15dの端面から光A,Bを出射し、コリメートレンズ12a,12bで平行光とした後、セミシリンドリカルレンズ12cによりVIPA1に収束して入射される。VIPA1は、光A,Bを波長λ1〜λnに応じた別々の出射角度を保持して出射する。フォーカスレンズ13は、光A,Bをマイクロミラーアレイ14のマイクロミラー23上の一点に集光させる。マイクロミラーアレイ14は、波長λ1〜λnに対応する複数のマイクロミラー23を有する。マイクロミラー23の角度変更により、入射された光Aの光路を波長λ1〜λn別に光Aの光路に戻すかあるいは光Bの光路に反射させることができ、2個の光ポートの間で光の波長別の切り換えを行える。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、波長多重されて入力された複数系統の光を波長別に選択して所望する系統に出力する光スイッチモジュールと、この光スイッチモジュールおよび複数の光伝送路にそれぞれ接続されるサーキュレータとを備え、光伝送路同士間において光を波長別に選択して所望する光伝送路に出力する波長選択スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、激増するインターネットトラフィックを収容すべく、波長分割多重(wavelength−division multiplexing:WDM)通信によるネットワークの光化が急速に進んでいる。現在のWDM通信は、主にポイントツーポイント(point−to−point)のネットワーク形態であるが、リング型ネットワーク、メッシュ状ネットワークへの進展が研究されている。これら将来のネットワークを構成する各ノードでは、任意波長の分岐/挿入を行う光分岐挿入装置(Optical Add Drop Multiplexer:OADM)、電気への変換を介さない光クロスコネクト装置(Optical cross Connect:OXC)等によって光領域での信号処理が可能となり、波長情報を基にしたダイナミックなパスの設定/解除が行われると考えられる。このような光技術を最大限に生かしたフォトニックネットワーク技術の進展に関する文献としては、例えば、下記の非特許文献1がある。
【0003】
図22はネットワークのノードに配置されるクロス・バースイッチを示す図である。図示のクロス・バースイッチ100は、OXCによる2入力、2出力構成の光スイッチ101を分割波長数に対応した複数個n(101a〜101n)を用い、入力側に2個の分波器102a,102bを配置し、出力側に2個の合波器103a,103bを配置して構成されている。分波器102a,102bには、それぞれ各波長λ1〜λnを有し波長分割多重された光が入力される。分波器102a,102bは、入力された光を波長λ1〜λnに分波し、波長別の光を光スイッチ101a〜101nに出力する。
【0004】
例えば、光スイッチ101aには、波長λ1の光が2入力され、内部のスイッチ切り換えにより、これら2入力された光を合波器103a,103bのいずれかに出力する。これにより、図示のように波長分割多重された2入力の光は、波長λ1〜λn単位で異なる2出力のいずれかに切り換え(振り分け)出力することができる。
【0005】
次に、図23は波長選択スイッチの概要構成を示す図である。この波長選択スイッチ110の構成は、例えば、下記の特許文献1および非特許文献2に記載されている。図23に示すような2系統の光伝送路は、例えば、一方(第1光伝送路)111aが光ファイバ伝送線路の幹線として運用され、他方(第2光伝送路)111bが支線として運用される。
【0006】
第1光伝送路111aと第2光伝送路111bとの間には、これら第1光伝送路111aと第2光伝送路111bのノード同士をつなぐ形で波長選択スイッチ110が配置される。波長選択スイッチ110は、2個の入力ポートIn,Addと、2個の出力ポートPass,Dropを有する。厳密には入力ポートIn,挿入ポートAdd,通過出力ポートPass,分岐出力ポートDropとそれぞれ呼称されている。
【0007】
これら入力ポートIn,Addポートを介して入力される光は、複数の波長成分からなるWDM信号であり、典型的な波長間隔は100GHz(0.8nm)、波長の数は数波〜数十波(例えば32波;この場合、上述したλnにおいて、n=32)である。第1光伝送路111aのノードにはサーキュレータ112aが挿入され、第2光伝送路111bのノードにはサーキュレータ112bが挿入される。これらサーキュレータ112a,112bは、入力ポートC1へ入力された光を入出力ポートC2から出力し、入出力ポートC2へ入力された光を出力ポートC3から出力する機能を有している。
【0008】
図24は従来の波長選択スイッチ内部に設けられる光スイッチモジュールの構成を示す斜視図である。2個のサーキュレータ112a,112bそれぞれの入出力ポートC2,C2の間には、光スイッチモジュール114が配置される。光スイッチモジュール114は、2個のサーキュレータ112a,112bからそれぞれ入力された波長分割多重された光を波長λ1〜λn別に入力側のサーキュレータに戻すか、あるいは、他方側のサーキュレータに通過させる切り換え機能を有している。
【0009】
したがって、図23に示すように、光スイッチモジュール114の切り換えにより、第1光伝送路111aの入力ポートInから入射されたある波長λの光を第1光伝送路111aの出力ポートPass(経路a1)と、他の系統である第2光伝送路111bの出力ポートDrop(経路a2)とのいずれかに切り換えて出力できる。第2光伝送路111bについても、ある波長λの光を同様に経路b1,b2のいずれかに切り換えて出力できる。これにより、第1光伝送路(幹線)111aのバックアップ回線として第2光伝送路(支線)111bを用いたり、一方の光伝送路で伝送障害が生じた特定の波長λのみ他方の光伝送路に振り替えて伝送する等の運用が行えるようになる。
【0010】
次に、上記の光スイッチモジュール114を図24を用いて具体的に説明する。光スイッチモジュール114は、コリメートレンズ116a,116bと、合分波用ミラー117と、回折格子(Grating)118と、λ/4波長板119と、集光レンズ120と、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)によるマイクロミラーアレイ121を備えて構成されている。
【0011】
サーキュレータ112aの入出力ポートC2から出射された光Aは、コリメートレンズ116aにより平行光に変換される。この光Aは、回折格子118の格子面に入射され、この回折格子118による光Aの反射角度位置にはλ/4波長板119が設けられる。光Aは、このλ/4波長板119を通過した後、集光レンズ120によりマイクロミラーアレイ121に集光される。
【0012】
サーキュレータ112aの入出力ポートC2から出射される光Aに対し、サーキュレータ112bの入出力ポートC2から出射される光Bは、異なる角度(図示の例では90度直角な方向)を有している。サーキュレータ112bの入出力ポートC2から出射された光Bは、コリメートレンズ116bにより平行光に変換される。この光Bは、合分波用ミラー117を介して直角な方向の回折格子118に入射される。なお、回折格子118に対して光Aと光Bは、図示の如く上下で異なる位置に入射されるようになっている。
【0013】
この回折格子118による光Bは、λ/4波長板119を通過した後、集光レンズ120によりマイクロミラーアレイ121に集光される。回折格子118は、所定の角度で入射された異なる波長成分に対し、異なる回折角を与える素子である。したがって、回折格子118により反射されたWDM信号は、波長λの成分毎に空間的に分離される。図24には、異なる波長λ1とλnの分離方向を上下方向として記載してある。光A,Bいずれについても全ての波長λ1〜λnの光がλ/4波長板119を通過し、集光レンズ120によりマイクロミラーアレイ121に集光されるようになっている。
【0014】
マイクロミラーアレイ121に集光された各波長λ1〜λnの光は、以下に説明するマイクロミラーアレイ121に設けられた各波長別のマイクロミラーを角度変更制御することにより、光Aと光Bの光路を同一の光路に戻す、あるいは互いに他方の光路に切り換えて反射させることができる。これにより、上述した入力ポートIn,Addに入力された光を波長λ1〜λn別に選択して出力ポートPass,Dropから切り換えて出力できる。
【0015】
回折格子118は、一般に偏波依存性損失(Polarization Dependent Loss:PDL)を有している。このため、λ/4波長板119を光路上に配置させ、偏波を入射側と出射側の往復で90度回転させることによりPDLを抑圧している。
【0016】
図25はマイクロミラーアレイを示す図である。このマイクロミラーアレイ121は、マイクロマシン技術を用いて作成されたミラーである。マイクロマシン技術に関しては下記の非特許文献3等に記載されている。図示のように、上下方向に1次元状に数十μm間隔で複数のマイクロミラー122(122a〜122n)を並べて構成したものである。マイクロミラー122の個数nは、波長λの分離数nに一致しており、1つのマイクロミラー122が1つの波長成分に対応している。回折格子118による分離された各波長λ1〜λnの光A,Bは、この波長に対応する位置のマイクロミラー122(122a〜122n)に入射される。
【0017】
図26はマイクロミラーアレイに設けられるマイクロミラーの構成を示す側面図である。図27は、マイクロミラーの動作状態を示す図である。マイクロミラー122は、基板123と、基板123上に突出形成された支持部124と、支持部124に中央が支持された反射体125とを有して構成されている。反射体125は、表面125aが光A,Bを全反射する鏡面となっている。基板123上には支持部124を挟んで反射体125に対向する平板状の一対の電極126a,126bが設けられ、反射体125の裏面全面には電極126a,126bに対向する平板状の対向電極127が設けられている。
【0018】
一方の電極126aに電圧を印加すると、電極126aと対向する対向電極127との間に静電気力が発生する。これにより、対向電極127が一方の電極126a側に引き寄せられ、反射体125は、支持部124を中心として一方に傾き、図26に示す状態となる。
【0019】
この状態では、反射体125に入射された光Aを同方向に反射させる。具体的には、入射する光Aの方向に対して反射体125の面が直交する角度(直角)となるよう調整しておく。これにより、図23に示した第1光伝送路111aの入力ポートInから入力された光Aを同じ光Aの光路上に戻すことができ、出力ポートPassから出力することができる。
【0020】
同様に、第2光伝送路111bの入力ポートAddから入力された光Bについては、この光Bの入射方向に対し反射体125の面が直交するよう調整しておく。これにより、同じ光Bの光路上に戻すことができ、出力ポートDropから出力することができる。
【0021】
一方、他方の電極126bに電圧を印加すると、電極126bと対向する対向電極127との間に静電気力が発生する。これにより、対向電極127が一方の電極126b側に引き寄せられ、反射体125は、支持部124を中心として他方に傾き、図27に示す状態となる。
【0022】
この状態では、反射体125に入射された光A,Bをそれぞれ他の光路上に反射させる。具体的には、入射する光A,Bの方向に対して反射体125の面がいずれも所定角度(θ)となるよう調整しておく。これにより、図23に示した第1光伝送路111aの入力ポートInから入力された光Aは、他の光Bの光路上に切り換えることができ、出力ポートDropから出力することができる。同様に、第2光伝送路111bの入力ポートAddから入力された光Bは、他の光Aの光路上に切り換えることができ、出力ポートPassから出力することができる。
【0023】
このようにマイクロミラーアレイ121を用いることにより、マイクロミラーアレイ121に入射される波長λ1〜λnの光A,Bの反射方向を各波長成分毎に切り換えることができる。図24に示すように、マイクロミラーアレイ121により反射された光A,Bはそれぞれ別の光路となるが、いずれも集光レンズ120により平行光に戻され、λ/4波長板119を介して回折格子118に再び入射される。
【0024】
回折格子118から出射された光Aは、コリメートレンズ116a、サーキュレータ112aを介して出力ポートPassから出射される。一方、回折格子118から出射された光Bについては、合分波用ミラー117、コリメートレンズ116b、サーキュレータ112bを介して出力ポートDropから出射される。以上の動作により、光スイッチモジュール114は、入力ポートIn,Addから入力された光A,Bのうち任意の波長λ(λ1〜λn)を同一あるいは異なる出力ポートPass,Dropから出力するよう切り換えることができる。
【0025】
【特許文献1】
米国特許第6204946号明細書
【特許文献2】
米国特許第5930045号明細書
【特許文献3】
米国特許第5459610号明細書
【非特許文献1】
電子情報通信学会誌、2002年2月号、p.94−103
【非特許文献2】
J.E.Ford et al.,”Wavelength Add−Drop Switching Using Tilting Micromirrors”, IEEE Journal of Lightwave Technology, Vol.17, No.5, May 1999
【非特許文献3】
「マイクロメカニカル光デバイス」、応用物理学会誌、2000年第69巻第11号、p1274−1284
【非特許文献4】
M.Shirasaki、”Large angular dispersion by a virtually imaged phased array and its applicaion to a wavelength demultiplexer”, OSA Optics Letters, Vol.21, No.5, pp366−368
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の波長選択スイッチ110は、以下のような問題点を有していた。まず、波長選択スイッチ110全体が大きくなる。従来の波長選択スイッチ110は、波長分割多重された光を回折格子118を用いて波長λ1〜λn別に角度分散させていた。この回折格子118では、発生する角度分散、すなわち、一定の波長間隔を有する波長間で発生する角度差が小さい(例えば、0.05度/nm)。
【0027】
なお、この角度分散方向は、図24に示した上下方向である。このため、回折格子118を用いた構成で隣接する波長を空間的に分離する場合には、この回折格子118にて反射された後の空間に比較的長い距離をもたせて光を伝搬させる必要があった。これにより、回折格子118から集光レンズ120までの光学的距離L1が数cm程度と長くなり、波長選択スイッチ110全体が大きくなった。
【0028】
また、回折格子118は、入射される光の偏光状態によって波長別の分離(分波)性能が影響を受ける偏波依存の特性を有している。これを回避するために、前述したようなλ/4波長板119を挿入して、光の偏光状態を解消させる手段を設けなければならなかった。このように、λ/4波長板119を設けることにより部品数の増加を招く。加えて、光学部品の追加により、光学的アライメント(光軸調整)にかかる組み立て工数の増加、および光損失の増大等の問題が生じた。
【0029】
この発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、全体の大きさを小型化でき、かつ部品点数を削減できる光スイッチモジュール、波長選択スイッチを提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の光スイッチモジュールは、波長多重された複数の光が入出力される複数の光ポートと、前記複数の光ポートから入力された前記複数の光を、それぞれ異なる光路として空間に出射させるとともに、VIPAの入射位置に向けてライン状となるよう集光させる第1の光学系と、前記第1の光学系から入射された前記複数の光を受光し、受光された前記複数の光に含まれる波長別の光の成分を異なる方向に分離して出射させるVIPAと、前記VIPAから出射される前記複数の光をそれぞれ波長別に所定間隔を有する平行光にするとともに、前記複数の光を波長別に異なる1点に集光させる第2の光学系と、前記第2の光学系により1点に集光された前記複数の各波長別の光をそれぞれ受ける複数のマイクロミラーを有し、該複数のマイクロミラーを個別に角度変更させることにより、該マイクロミラーに入射される前記複数の光の光路を各波長別に前記複数の光の光路のいずれかに切り換えて反射させるマイクロミラーアレイとを備えたことを特徴とする。
【0031】
この発明の光スイッチモジュールによれば、複数の光を第1、第2の光として説明すると、これら第1および第2の光は、第1の光学系を介してVIPAの入射位置にライン状となるよう集光される。VIPAは第1および第2の光に含まれる波長別の光の成分を空間的に異なる方向に分離して出射させる。このVIPAは、各波長別の光の出射角度(角度分散の値)が大きい利点を有している。これにより、VIPAと、このVIPAから出射される第1および第2の光を平行光にする第2の光学系との間の光学的距離を短くできる。第1および第2の光は、第2の光学系を介してマイクロミラーアレイに入射される。波長別のマイクロミラーを角度変更させることにより、第1の光の光路を同じ第1の光の光路、あるいは第2の光の光路に切り換えることができ、この光路切り換えを波長別に行うことができる。
【0032】
また、2つの光伝送路にそれぞれサーキュレータを接続し、これらのサーキュレータが前記光スイッチモジュールを介して互いに接続されてなる波長選択スイッチによれば、一方の光伝送路の光信号を波長別に他の光伝送路に切り換えることができるようになる。この波長選択スイッチは、光スイッチモジュール部分の小型化により全体の小型化を図ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる光スイッチモジュール、波長選択スイッチの好適な実施の形態を詳細に説明する。この発明の光スイッチモジュールおよび波長選択スイッチは、前述した回折格子に代えてVIPAを用いるものである。
【0034】
このVIPA(Virtually Imaged Phase Array)について説明する。VIPAは、波長分散素子の1つであり、非特許文献4、特許文献2等に開示されている。
【0035】
図1は本発明の光スイッチモジュールに用いられるVIPAの構成を示す斜視図である。また、図2はVIPAの一部側断面図である。図示のように、VIPA1は、ガラス等からなるプレート2を基材としている。プレート2の両面には、それぞれ光反射膜3,4が設けられる。光の入射側(表面)には、上半部に反射率100%(R=100)の光反射膜3が設けられる。下半部は約0%(R=0)の反射率をもつ照射窓2aである。光の出射側(裏面)には、全面に約95%、またはそれ以上であって100%よりも小さい反射率をもつ光反射膜4が設けられる。
【0036】
VIPA1に対する光の入射側の前方位置には、シリンドリカル・レンズ5が設けられる。シリンドリカル・レンズ5は入射した光(ビーム)に対し、図2に示す上下方向だけを絞り込んでVIPA1に入射させる。VIPA1は、入射する光に対し角度θを有して傾斜配置され、光反射膜3の直下位置に光が入射される。この入射された光は、焦点線7に集束される。焦点線7は、プレート2の光反射膜4の面上になる。シリンドリカル・レンズ5により集束された光の焦点線7のライン状の幅のことを、入力された光の「ビームウェスト」と呼ぶ。
【0037】
図2に示すように、光反射膜4は、入射した光の95%程度の光を反射し、残り5%程度は光反射膜4を透過し外部に出射する。この95%程度の反射光は、表面側の光反射膜3で全反射され、光反射膜4により再び反射光と透過光に分けられる。この際、表面側の光反射膜3によって全反射された光は、裏面側の光反射膜4にぶつかるが、距離dだけずれる。同様にして、一定の距離dで、光は多くのパスに分かれる。各々のパスのビーム形は、ビームウェストの虚像7aから光が広がる形となる。虚像7aは、プレート2に対して法線である直線状にそって、一定の間隔2tで配置される。ここで、tはプレート2の厚さである。虚像7aでビームウェストの位置は、自己整列し、位置を調節する必要はない。その後、虚像7aから広がる光は、互いに干渉しあい、入射した光の波長にしたがって変化する方向に伝播する、コリメートされた光10を形成する。
【0038】
このように多重反射が行われる結果、VIPA1全体は、フェーズド・アレイ光源と等価になる。このような、仮想的フェーズド・アレイ光源の光は、干渉しあうことにより、コリメートされた光10となるが、その出射方向は前述した回折格子118のブラッグ角に相当する方向となる。
【0039】
光のパスの距離dは、d=2t・sinθで表すことができる。隣接したビームとの間のパスの長さの差は、2t・cosθである。角度分散は、これら2つの数字の比に比例し、cotθである。この結果、VIPA1は、異なるキャリア(各波長λ1〜λn)の光の間で、大きな角度分散を生成することができる。このVIPA1は、前述した回折格子118と比較して、10〜20倍程度の大きな角度分散を実現している。以上のように、VIPA1を用いることにより、簡単な構造で大きな角度分散を有する光分散(分波)を行うことができる。
【0040】
図3は本発明の光スイッチモジュールの構成を示す斜視図である。図4は本発明の光スイッチモジュールの構成を示す上部断面図であり、図5は本発明の光スイッチモジュールの構成を示す側部断面図である。この光スイッチモジュール11は、VIPA1と、VIPA1に入射する光を集光するための光学系12と、VIPA1から出射された光を集光するための光学系13と、光学系13による集光された光が入射されるマイクロミラーアレイ14と、2個の光入出力ポート15と、光ファイバブロック16と、金属筐体17を有して構成されている。
【0041】
上記の各構成部は、金属筐体17内部に密閉した状態で収容される。金属筐体17は、筐体基板17aと、筐体基板17a上を覆う密閉用の蓋体17bにより構成されている。図3に示した状態は、蓋体17bを筐体基板17a部分から取り外した状態である。以下、光の入射側から順に各構成を説明する。蓋体17bには、2個の光入出力ポート15を構成する光ファイバ用コネクタ15a,15bが設けられている。光ファイバ用コネクタ15a,15bには、光ファイバ15c,15dの一端が接続される。この光ファイバ15c,15dの他端は、光ファイバブロック16に導出されている。
【0042】
図6は光スイッチモジュールに設けられる光ファイバブロックを示す分解斜視図であり、図7は光ファイバブロックの組み立て状態を示す図である。図6に示すように、光ファイバブロック16は、上下に分割された一対の基板16a,16bによって構成されている。下部の基板16aには、所定長を有し断面V字形状の保持溝16cが形成されている。この保持溝16c部分に光ファイバ15c,15dの他端部分を挿入させる。なお、この保持溝16cには、光ファイバ15c,15dの芯線15eを表出させた状態で挿入される。この後、図7に示すように、下部の基板16a上に上部の基板16bを載せた状態で接着等により固定する。
【0043】
この状態で光ファイバ15c,15dは、光ファイバブロック16の保持溝16c内部に位置決めした状態で固定保持される。この後、光ファイバ15c,15dの出射角が光ファイバブロック16の前面(光の出射方向)16dに対して法線方向となるよう、光ファイバ15c,15dおよび光ファイバブロック16の前面16dを研磨して仕上げる。
【0044】
図3に戻り説明すると、光学系12は、光ファイバブロック16に保持された光ファイバ15c,15dから出射された光をそれぞれ平行光に変換する2個のコリメートレンズ12a,12bと、入射した光(ビーム)を上下方向だけを絞り込みVIPA1の表面側から入射させる1個のセミシリンドリカルレンズ12cにより構成されている。VIPA1に入射する光は、セミシリンドリカルレンズ12cにより、図2に示したようなプレート2の光反射膜4の面上にライン状の焦点線7を形成する。
【0045】
VIPA1は、セミシリンドリカルレンズ12cと光学系13の間に配置され、セミシリンドリカルレンズ12cから入射する波長多重された光を各波長λ1〜λn別に角度分散させて光学系13に出射する。光学系13は、フォーカスレンズにより構成され、レンズホルダ18dを介して筐体基板17aに固定される。この光学系(フォーカスレンズ)13は、VIPA1の裏面側から出射された各波長(λ1〜λn)別の光がそれぞれ平行光で、互いの光束が平行な状態(簡易的には、図3に示した筐体基板17aの載置面と平行な状態)にしてマイクロミラーアレイ14に出射させる。マイクロミラーアレイ14は、X方向に沿って入射した波長別の光をそれぞれ全反射させてX方向と逆方向に伝搬させ、光ファイバブロック16(光ファイバ15c,15d)に戻す。なお、マイクロミラーアレイ14を用いた光路切り換えについては後ほど詳述する。
【0046】
次に、筐体基板17a上に配置される各部の位置決めおよび固定状態を説明する。図3および図4,図5に示す筐体基板17a上において、光ファイバブロック16への入射光(光ファイバ15c,15dの端面の出射光)は、X方向に沿ってマイクロミラーアレイ14まで達する。なお、マイクロミラーアレイ14により反射された光は、X方向と逆方向に伝搬される。この伝搬方向(X方向)に沿って、順に光ファイバブロック16、光学系12(コリメートレンズ12a,12bおよびセミシリンドリカルレンズ12c)、VIPA1、光学系(フォーカスレンズ)13、マイクロミラーアレイ14が配置されている。
【0047】
光ファイバブロック16は、金属筐体17の筐体基板17aの端部位置に配置される。光ファイバブロック16は、前面16dを光学系12側に向けた状態で底面16eを接着等により筐体基板17aに固定させる。これにより、光ファイバブロック16に保持された一対の光ファイバ15c,15dはそれぞれX方向に沿った光が出射される。そして、一対の光ファイバ15c,15dから出射される各光の光軸上にコリメートレンズ12a,12bが配置される。
【0048】
セミシリンドリカルレンズ12cは、少なくとも2個のコリメートレンズ12a,12bから出射された光が入射可能な横幅を有している。これらコリメートレンズ12a,12bと、セミシリンドリカルレンズ12cは、それぞれ底面にレンズホルダ18a,18bを配置し、これらレンズホルダ18a,18bを介して筐体基板17aに固定される。VIPA1は、側面から見て断面3角形状(略くさび形)の金属プレート18cを介して筐体基板17aに固定される。例えば、VIPA1は、光の光軸に直交する面に対し3°の傾斜角度を有するよう、VIPA1の上端を光路の後方に若干傾斜させて固定される。
【0049】
このセミシリンドリカルレンズ12cは、入射した光(ビーム)を上下方向のみ絞るが、VIPA1上における焦点線7(ビームウェスト)が光反射膜4の面上となるよう位置を調整しておく。光学系(フォーカスレンズ)13は、レンズホルダ18dを介して筐体基板17aに固定される。マイクロミラーアレイ14は、支持機構18eを介して筐体基板17aに直立した形で固定される。フォーカスレンズ13は、VIPA1から出射された各波長(λ1〜λn)の光をマイクロミラーアレイ14上に配置された波長別のミラーに入射するよう位置を調整しておく。
【0050】
次に、本発明の波長選択スイッチについて説明する。図8は本発明の波長選択スイッチを上面から見た図であり、図9は、波長選択スイッチを側面から見た図である。波長選択スイッチ19は、前述した光スイッチモジュール11と、光スイッチモジュール11の光入出力系統にそれぞれ設けられるサーキュレータ20a,20bによって構成されている。以下、光スイッチモジュール11の内部における光路および光路切り換え動作を説明する。
【0051】
図8および図9において、光スイッチモジュール11には、2個の光ファイバ用コネクタ15a,15bが設けられている(具体的には図3参照)。すなわち、光スイッチモジュール11は、2個の光入出力系統を有しており、各光ファイバ用コネクタ15a,15bにはそれぞれサーキュレータ20a,20bの入出力ポートC2が接続されている。
【0052】
前述同様に、サーキュレータ20aは、第1光伝送路21aに対する入力ポートInおよび出力ポートPassを有する。サーキュレータ20bは、第2光伝送路21bに対する入力ポートAddおよび出力ポートDropを有する。各サーキュレータ20a,20bは、前述同様に、入力ポートC1へ入力された光を入出力ポートC2に出力し、入出力ポートC2へ入力された光を出力ポートC3に出力する機能を有している。
【0053】
第1光伝送路21a上を伝送する波長多重された光(WDM信号)は、サーキュレータ20aの入出力ポートC2,光ファイバ用コネクタ15a,光ファイバ15cを介し、光ファイバブロック16の端面から光Aとして出射される。同様に、第2光伝送路21b上の光は、サーキュレータ20bの入出力ポートC2,光ファイバ用コネクタ15b,光ファイバ15dを介し、光ファイバブロック16の端面から光Bとして出射される。
【0054】
これらの光A,Bは、光ファイバブロック16に固定された光ファイバ15c,15dの間隔Dだけ離れ、異なる光軸を有して出射される。いずれの光A,Bについてもコリメートレンズ12a,セミシリンドリカルレンズ12c,VIPA1に至る区間において筐体基板17a(図5参照)と略平行なX方向に伝搬される。
【0055】
光ファイバブロック16から出射された光A,Bは、いずれも単一個のVIPA1に間隔Dだけ離れた状態で平行に入射される。VIPA1は、これらの光A,Bをそれぞれ独立して波長λ1〜λn別に異なる角度分散させる(図9の上下方向に光を空間的に周波数分離させる)。なお、図9には便宜上、角度分散された波長λ1〜λn別の光が1点から出射される記載とした。詳細には、図2を用いて説明したように、VIPA1裏面の光反射膜4の上下方向に所定長さを有して各波長λ1〜λnの光が干渉しあって出射される。
【0056】
このVIPA1により角度分散された光A,Bは、フォーカスレンズ13により、マイクロミラーアレイ14に入射される。図8に示すように、フォーカスレンズ13は、上方から見て光A,Bをそれぞれマイクロミラーアレイ14の1点に集光するよう角度変更させる。図8に示すように、光A,Bの光路は、これらの光A,Bが集光されるマイクロミラーアレイ14上において互いに直交するようになっている。また、図9に示すように、このフォーカスレンズ13は、側方から見て光A,Bのそれぞれについて角度分散された波長λ1〜λnの光をマイクロミラーアレイ14に向けて平行に出射させる。
【0057】
このように、フォーカスレンズ13は、2系統の光A,Bを(1)波長λ1〜λn別に異なる位置で、(2)1点で集光させるという機能を有する。フォーカスレンズ13は、この2つの機能を有するよう製造される。なお、このような機能を有するレンズ(フォーカスレンズ13)の製造は、汎用の技術を用いて容易に行うことができる。
【0058】
マイクロミラーアレイ14は、上下方向に波長λ1〜λnにそれぞれ対応する複数枚nのマイクロミラー23(23a〜23n)を有している。なお、このマイクロミラーアレイ14は、前述した構成(例えば図25に示したマイクロミラーアレイ121)とほぼ同様である。そして、このマイクロミラーアレイ14は、各マイクロミラー23がそれぞれ独立して傾き角度を切り換え可能である。マイクロミラー23は、(1)入射された光の光軸に直行する角度となるよう制御して、この入射された光を同じ光の光路に反射して戻す。(2)入射された光に対し所定角度となるよう制御して、この入射された光を他方の光の光路に反射させる。
【0059】
図8に示す構成例では、マイクロミラーアレイ14の前面に対しマイクロミラー23が平行な状態の場合には、マイクロミラー23に入射した光Aは、このマイクロミラー23によって反射され光Bの光路に切り換えられる(マイクロミラー23が図8中実線で示す位置のように光Aの光路に対し所定の角度を有するとき)。また、マイクロミラーアレイ14の前面に対しマイクロミラー23が所定の傾き角度を有する状態の場合には、マイクロミラー23に入射した光Aを同じ光Aの光路に戻す(マイクロミラー23が図8中点線で示す位置のように光Aの光路に直交させたとき)。
【0060】
図10はマイクロミラーアレイに設けられるマイクロミラーを示す側面図である。図11はマイクロミラーの動作状態(その1)を示す側面図であり、図12は、マイクロミラーの動作状態(その2)を示す側面図である。図10〜図12には、それぞれマイクロミラー23の動作状態(角度切り換え状態)が示されている。このマイクロミラー23は、前述したミラー(図26のマイクロミラー122)と同様の構成部を有している。すなわち、基板24と、基板24上に突出形成された支持部25と、支持部25に中央が支持された反射体26とを有し構成されている。反射体26は、表面26aが光を全反射する鏡面となっている。基板24上には支持部25を挟んで反射体26に対向する平板状の一対の電極27a,27bが設けられ、反射体26の裏面全面には電極27a,27bに対向する平板状の対向電極28が設けられている。
【0061】
このマイクロミラーアレイ14のマイクロミラー23の角度制御を説明する。図10に示すように、いずれの電極27a,27bに対しても電圧を印加しないときには(初期状態と称す)、反射体26の表面26aは、基板24に対して平行となる。この状態で光Aの光路の入射角度θ1は、光Bの光路の入射角度θ2と同じ状態になる(θ1=θ2)。このようにして、光Aの光路を光Bの光路に反射させ、光路を切り換えることができる。
【0062】
これにより、図8に示した第1光伝送路21aの入力ポートInから入力された光Aを他の光Bの光路上に切り換え、第2光伝送路21bの出力ポートDropから出力させることができる。
【0063】
また、図11に示すように、一方の電極27aに電圧を印加すると、電極27aと対向する対向電極28との間に静電気力が発生する。これにより、対向電極28が一方の電極27a側に引き寄せられ、反射体26は、支持部25を中心として一方に傾く。この状態では、反射体26に入射された光Aを同方向に反射させる。具体的には、入射する光の方向に対して反射体26の面が直交する角度(直角)となるよう調整しておく。
【0064】
これにより、図8に示した第1光伝送路21aの入力ポートInから入力された光Aを同じ光Aの光路上に戻し、第1光伝送路21aの出力ポートPassから出力させることができる。
【0065】
そして、マイクロミラーアレイ14には、光の波長λ1〜λnに対応した複数のマイクロミラー23を備えているため、これら各波長λ1〜λn毎に独立してマイクロミラー23の角度制御を行うことができる。
【0066】
例えば、図8,図9に示すように、第1光伝送路21a上で伝送されている光A(波長λ1,λ2,λ3)について、波長λ3に対応するマイクロミラー23cの角度を行わず初期状態(図10の状態)にする。他の波長λ1,λ2に対応するマイクロミラー23a,23bを角度変更させる(図11の状態)。このように、マイクロミラー23の角度制御を行うことにより、第1光伝送路21a上の入力ポートInから入力された光Aに含まれていた波長λ1,λ2,λ3の光成分のうち、波長λ3の光成分だけを光Bの光路に切り換え、第2光伝送路21bの出力ポートDropから出力することができるようになる。なお、第1光伝送路21aの出力ポートPassからは入力された光Aに含まれていた波長λ1,λ2の光成分が出力されることになる。
【0067】
上記構成例は、光Aに関する光路の切り換えを主に説明したが、光Bについても同様に光Aの光路に切り換えたり、あるいは光Bの光路に戻す制御を行うことができる。例えば、図10に示す初期状態においては、マイクロミラー23に光Bが入射されると、光Aの光路に切り換えることができる。また、図12に示すように、他方の電極27bに電圧を印加させれば、反射体26を支持部25を中心として他方に傾けることができる。この状態では、反射体26に入射された光Bを同方向に反射させることができるようになる。
【0068】
このようにマイクロミラーアレイ14を用いることにより、マイクロミラーアレイ14に入射される2系統の光A,Bを同じ光路、あるいは他の光路に切り換えることができる。そして、これら光A,Bの切り換えは、波長λ1〜λn別に独立して行うことができ、波長選択スイッチ19としての切り換え動作を得ることができる。
【0069】
次に、図13はマイクロミラーアレイに設けられるマイクロミラーの他の構成を示す側面図である。図14は、マイクロミラーの動作状態を示す図である。反射体26は、一端26d側を支持部25で支持し、他端26e側が傾斜する構成とする。そして、他端26e側にのみ電極27bを設ける。
【0070】
図13に示す状態は、マイクロミラー23の初期状態である。この初期状態において、反射体26は、支持部25上で所定角度傾斜するよう設定しておく。この傾斜角度は、表面26aが光Aの入射方向に直交する角度とする。
【0071】
また、図14に示すように、電極27bに電圧を印加すると、電極27bと対向する対向電極28との間に静電気力が発生し、反射体26は、一端26dの支持部25を中心として他端26eが電極27b側に傾く。この状態で反射体26に入射された光Aを他の光Bの光路に反射させ光路を切り換えることができる。
【0072】
図13に示す構成とした場合には、1つのマイクロミラー23に1つの電極27bを配置すればよいため、図10に示した構成に比して電気配線を簡略化することができるようになる。
【0073】
以上説明した光スイッチモジュール11、およびこの光スイッチモジュール11を用いた波長選択スイッチ19は、波長選択素子としてVIPA1を用いたので、簡単な構造で大きな角度分散を有する光分散(分波)を行うことができる。VIPA1から光学系(フォーカスレンズ)13までの光学的距離L2(図5,図9参照)を短くすることができる。
【0074】
具体的には、従来の回折格子118(図24参照)を用いた構成と比較して、隣接する波長成分を空間的に分離するために光学的に必要な光学的距離L2は、回折格子118を用いた場合に必要な光学的距離L1の1/10以下程度に短縮することが可能となる。これにより、光スイッチモジュール11、および波長選択スイッチ19の大幅な小型化(特に、光スイッチモジュール11内部における光A,Bの光路長の短縮化)が図れるようになる。また、VIPA1は偏波依存性が小さい特性を有している。したがって、光スイッチモジュール11、および波長選択スイッチ19を構成する部品に、従来必要とされたλ/4波長板119を用いる必要がない。このため、従来に比して部品点数の削減、および組み立ての手間を省くことができるようになる。
【0075】
次に、以上説明した光スイッチモジュール11、および波長選択スイッチ19の構成の変形例を説明する。図15は本発明の波長選択スイッチの他の構成例を示す斜視図である。波長選択スイッチ19は、前述同様に光スイッチモジュール11と、2個のサーキュレータ20a,20bを備えて構成されている。そして、前述した構成(図5および図8,図9)と比べて、光スイッチモジュール11の内部におけるマイクロミラーアレイ14の配置構成が相違している。なお、光スイッチモジュール11は、主要部のみを図示してある。
【0076】
図15に示したように、マイクロミラーアレイ14は、マイクロミラー23が上面を向くよう筐体基板17a上に裏面全面が固定配置されている。マイクロミラーアレイ14のマイクロミラー23に対する光の入射方向は、筐体基板17aに平行な光A,Bの光路と直交する上面を向くことになる。光A,Bをマイクロミラーアレイ14に入射させるために、マイクロミラーアレイ14の上部には、所定角度傾斜する全反射の反射ミラー30を配置する。この反射ミラー30は、図15に示す構成の場合、光A,Bの光路の方向(水平方向)と、マイクロミラー23が向く方向(垂直方向)の中間の角度、すなわち45°を有するよう、一端30a部分等を不図示の指示機構により筐体基板17a上で固定保持させる。
【0077】
これにより、光A,Bの光路は、光学系(フォーカスレンズ)13を通過後、反射ミラー30により直交する下方に向き、マイクロミラーアレイ14のマイクロミラー23に入射させることができる。なお、マイクロミラーアレイ14は、前述したように、入射した光を光路A,Bのいずれかに反射させる。この際、マイクロミラー23の角度制御により、光A,Bの光路を波長λ1〜λn別に選択して同じ光路に戻す、あるいは他の光路に切り換えることができる。
【0078】
(マイクロミラーアレイの他の構成例:グレーティングMEMS)
次に、他の構成のマイクロミラーアレイ14を用いた光スイッチモジュール11、および波長選択スイッチ19について説明する。この構成例では、回折格子のような微細な凹凸を表面に形成できるマイクロミラーアレイを用いる。このようなマイクロミラーアレイをグレーティングMEMSと呼称する。このグレーティングMEMSに関する技術は、特許文献3等に開示されている。
【0079】
図16はグレーティングMEMSを用いた波長選択スイッチを示す斜視図である。図示のように、光スイッチモジュール11を構成している各構成部については同一の部品をほぼ同一配置で用いることができる。グレーティングMEMS32の配置については、前述したマイクロミラーアレイ14の配置状態と異なる。図17は、グレーティングMEMSに対する光の入射角度を説明するための図である。図17に示すように、グレーティングMEMS32のマイクロミラー33の面が一方の光Aの光軸に対して直交する角度となるよう、X方向に対し傾斜する角度に配置される。
【0080】
図16戻り説明すると、マイクロミラー33は、入射される光Aの各波長λ1〜λn別に複数個(33a〜33n)を備えている。そして、各波長λ1〜λnのマイクロミラー33a〜33nは、それぞれが上下方向に長い短冊状に複数の微細なミラーが横方向に並列配置されてなる。
【0081】
図18はグレーティングMEMSの電圧無印加時の状態を示す図である。図18には、ある1つの波長λに割り当てられたマイクロミラー33aを上面から見た図が示されている。例えば、マイクロミラー33aは、光Aのうち波長λ1の光が入射される。このマイクロミラー33aは、図示のように、複数の短冊状のミラー33a1〜33anからなる。なお、図には光Aを便宜的に細線で記載したが、実際の光Aのビーム径は、これら複数の短冊状のミラー33a1〜33anに入射される。
【0082】
この初期状態において、入射する光Aを正反射するよう、グレーティングMEMS32の角度を調整しておく。
【0083】
図19はグレーティングMEMSの電圧印加時の状態を示す図である。電圧を印加することにより、マイクロミラー33aを構成している短冊状の各ミラー33a1〜33anは、図示のようにグレーティングMEMS32の基板に対し、それぞれが単独で引き寄せられ(沈み込む)、グレーティング(回折格子)を形成する。すなわち、各ミラー33a1〜33anは、それぞれ独立して動作可能な駆動機構(原理的には前述した図6に相当する機構)を有しており、図19に示す例では、短冊状のミラー33a1〜33anを配列方向に対し1つおきに動作させている。短冊状のミラー33a1〜33anの大きさによっては、これに限らずに複数個単位で動作させることもできる。なお、他の駆動機構の構成により、短冊状のミラー33a1〜33anを傾斜させてグレーティングを形成するよう動作させることもできる。
【0084】
また、図19に示す状態で、グレーティングMEMS32はマイクロミラー33aによりグレーティングが形成され、入射した光Aは、所定の回折角度θ3を有して回折される。この回折角度が光Bの光路となるよう、光学系(フォーカスレンズ)13とグレーティングMEMS32の配置を調整しておく。
【0085】
以上の構成により、グレーティングMEMS32は、入射された光Aを正反射させて光Aの光路に戻す、あるいは、他の光Bの光路に切り換えることができるようになる。そして、このグレーティングMEMS32は、VIPA1により角度分散された後の各波長λ1〜λnの光Aに対応して設けられた複数のマイクロミラー33a〜33nを個別に動作させることができる。これにより、入射された光Aを波長λ1〜λn別に選択して光路切り換えできるようになる。
【0086】
なお、グレーティングMEMS32の各マイクロミラー33a〜33nには、VIPA1により角度分散された後の各波長λ1〜λnの光Aが入射される。すなわち、このグレーティングMEMS32は、入射された光を波長別に角度分散させるために用いるものではない。各マイクロミラー33a〜33nによる各波長λ1〜λnの回折角度は大きく取ることができる。これにより、光学系(フォーカスレンズ)13とグレーティングMEMS32との間の距離を短くでき、装置(光スイッチモジュール11、および波長選択スイッチ19)の小型化に支障を生じさせない。
【0087】
以上説明した実施の形態による光スイッチモジュール11は、入射された光の角度分散をVIPA1を用いて行う構成であるため、隣接する波長成分を空間的に分離するための光学的距離を短くすることが可能となる。そのため、光スイッチモジュール11、およびこの光スイッチモジュール11を用いた波長選択スイッチ19の大幅な小型化が達成できる。また、VIPA1は偏波依存性が小さいため、光スイッチモジュール11を構成する部品に従来必要とされたλ/4波長板119を設ける必要がなく、構成する部品点数を削減でき、組み立ての手間を省くことができるようになる。
【0088】
次に、上記構成の波長選択スイッチ19の適用例を説明する。図20は波長選択スイッチをメッシュ型ネットワークに適用した構成例を示す図である。2ポートの入力および2ポートの出力を有する波長選択スイッチ19をメッシュ型ネットワーク41の各ノード42に配置することにより、各ノード42に入力される光(WDM信号)を波長毎に2つのポートから切り換えて出力することができる。前述したように、各波長選択スイッチ19は、図16に示した1つの光スイッチモジュール11と、2個のサーキュレータ20a,20bからなる。
【0089】
例えば、図20に示すノード42a部分における波長選択スイッチ19の波長選択動作を説明する。便宜上、波長選択スイッチ19に入力される光は、全て異なる波長としてある。光合波器43を介して一方の入力ポート(In)19aには複数の波長λ1,λ2,λ3,λ4が入力され、他方の入力ポート(Add)19bには複数の波長λ5,λ6,λ7,λ8が入力されたとする。
【0090】
波長選択スイッチ19内部における波長選択動作により、一方の出力ポート(Pass)19cから波長λ2,λ4,λ7,λ8の光を出力でき、他方の出力ポート(Drop)19dから波長λ1,λ3,λ5,λ6の光を出力することができる。このように、メッシュ型ネットワーク41の各ノード42において、入射された光(WDM信号)を波長別に切り換えて出力することにより、各ノード42を通過する光の波長を選択でき、メッシュ型ネットワーク41を柔軟に運用することができる。なお、44は光分波器である。光合波器43と光分波器44はメッシュ型ネットワーク41の端末位置に配置され、ネットワークに対し波長別の光信号の入出力(合波,分波)を行う。
【0091】
図21は波長選択スイッチをリング型ネットワークに適用した構成例を示す図である。2ポートの入力および2ポートの出力を有する波長選択スイッチ19をリング型ネットワーク51の各ノード52に配置することにより、各ノード52に入力される光(WDM信号)を波長毎に2つのポートから切り換えて出力することができる。
【0092】
例えば、図示のノード52a部分における波長選択スイッチ19の波長選択動作を説明する。一方の入力ポート(In)19aには複数の波長λ1,λ2,λ3,λ4が入力され、他方の入力ポート(Add)19bには複数の波長λ5,λ6,λ7,λ8が入力されたとする。
【0093】
波長選択スイッチ19内部における波長選択動作により、一方の出力ポート(Pass)19cから波長λ2,λ4,λ7,λ8の光を出力でき、他方の出力ポート(Drop)19dから波長λ1,λ3,λ5,λ6の光を出力することができる。
【0094】
なお、リング型ネットワーク51の端末位置に配置される波長選択スイッチ19は、OADM(Optical Add Drop Multiplexer)53(53a,53b)を構成する一つのモジュールとなる。図示のように、リング型ネットワーク51に対する入力側のOADM53aには、波長別の光信号を入力(合波)させる光合波器54a,54bを有している。また、リング型ネットワーク51に対する出力側のOADM53bには、波長別の光信号を出力(分波)させる光分波器54c,54dを有している。
【0095】
このように、リング型ネットワーク51の各ノード52において、入射された光(WDM信号)を波長別に切り換えて出力することにより、各ノード52を通過する光の波長を選択でき、リング型ネットワーク51を柔軟に運用することができるようになる。
【0096】
(付記1)波長多重された光が複数入力され、該複数の光をそれぞれ波長別に選択して複数出力する光スイッチモジュールにおいて、
前記波長多重された複数の光が入出力される複数の光ポートと、
前記複数の光ポートから入力された前記複数の光を、それぞれ異なる光路として出射させるとともに、ライン状となるよう集光させる第1の光学系と、
前記第1の光学系から入射する前記集光された複数の光を受光し、受光された前記複数の光に含まれる波長別の光の成分を異なる方向に分離して出射させる光合分波器と、
前記光合分波器から出射される前記複数の光をそれぞれ波長別に所定間隔を有する平行光にするとともに、前記複数の光を波長別に異なる1点に集光させる第2の光学系と、
前記第2の光学系により1点に集光された前記複数の各波長別の光をそれぞれ受ける複数のマイクロミラーを有し、該複数のマイクロミラーを個別に角度変更させることにより、該マイクロミラーに入射される前記複数の光の光路を各波長別に前記複数の光の光路のいずれかに切り換えて反射させるマイクロミラーアレイと、を備え、
前記光合分波器は、
第1の反射面と、透過性を有し前記第1の反射面と対向する第2の反射面とを透明基板上に有してなり、
入射した前記複数の光が、それぞれ前記第1及び第2の反射面間で多重反射するとともに前記第2の反射面を一部透過するように設けられていることを特徴とする光スイッチモジュール。
【0097】
(付記2)前記複数の光ポートは、
外部と装置内部との間で前記複数の光をそれぞれ伝送する複数の光ファイバと、
前記複数の光ファイバの出射端を固定し、該複数の光ファイバからそれぞれ前記複数の光を出射させるための光ファイバブロックと、
を備えたことを特徴とする付記1に記載の光スイッチモジュール。
【0098】
(付記3)前記マイクロミラーアレイは、
前記各波長別のマイクロミラーの面が前記複数の光の光路方向に対して直交する方向となるように固定保持されたことを特徴とする付記1または2に記載の光スイッチモジュール。
【0099】
(付記4)光スイッチモジュールの各部品を収容する筐体基板を備え、前記複数の光の光路が該筐体基板の底面に対し平行に形成され、
前記マイクロミラーアレイの基板を前記複数の光の光路方向に対し直交するよう前記筐体基板上に固定保持する保持部材を備えたことを特徴とする付記3に記載の光スイッチモジュール。
【0100】
(付記5)前記マイクロミラーアレイは、
前記各波長別のマイクロミラーの面が前記複数の光の光路方向に対して平行な方向となるように固定保持され、
前記第2の光学系から出射された前記複数の光の光路を前記マイクロミラーアレイに設けられた前記マイクロミラーに導くよう屈曲させる反射ミラーを備えたことを特徴とする付記1または2に記載の光スイッチモジュール。
【0101】
(付記6)光スイッチモジュールの各部品を収容する筐体基板を備え、前記複数の光の光路が該筐体基板の底面に対し平行に形成され、
前記マイクロミラーアレイの基板は、前記複数の光の光路方向に対し平行となるよう前記筐体基板上に面固定され、
前記反射ミラーは、前記第2の光学系から出射された前記複数の光の光路方向に対し所定の傾斜角度を有して配置されたことを特徴とする付記5に記載の光スイッチモジュール。
【0102】
(付記7)前記マイクロミラーアレイは、
複数の前記マイクロミラーにそれぞれ配置された電極への電圧の印加状態を制御することにより発生する静電気力に基づき、該マイクロミラーの前記角度変更を行うことを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の光スイッチモジュール。
【0103】
(付記8)前記マイクロミラーアレイは、
前記マイクロミラーの面が、前記電圧の未印加状態において該マイクロミラーアレイの基板と平行であり、
前記電圧の印加状態により前記マイクロミラーの面を所定角度に角度変更することを特徴とする付記7に記載の光スイッチモジュール。
【0104】
(付記9)前記第2の光学系は、
前記マイクロミラーアレイに設けられたマイクロミラーの面に対し前記複数の光の入射角度が等角度となるよう集光させ、
前記マイクロミラーアレイは、
前記マイクロミラーの面が該マイクロミラーアレイの基板と平行な状態において前記複数の光の光路をそれぞれ他の光の光路に切り換え、
前記電圧の印加状態により前記マイクロミラーの面が角度変更されたとき、前記複数のうち一つの光の光路を該一つの光の光路に戻すことを特徴とする付記8に記載の光スイッチモジュール。
【0105】
(付記10)前記マイクロミラーアレイは、
前記マイクロミラーの面が前記電圧の未印加状態において該マイクロミラーアレイの基板に対し所定角度傾いた状態であり、
前記電圧の印加状態により前記マイクロミラーの面を角度変更することを特徴とする付記7に記載の光スイッチモジュール。
【0106】
(付記11)前記第2の光学系は、
前記マイクロミラーアレイに設けられたマイクロミラーの面に対し前記複数の光の入射角度が等角度となるよう集光させ、
前記マイクロミラーアレイは、
前記マイクロミラーの面が該マイクロミラーアレイの基板に対し所定角度傾いた状態において前記複数のうち一つの光の光路を該一つの光の光路に戻し、
前記電圧の印加状態により前記マイクロミラーの面が角度変更されたとき、前記複数のうち一つの光の光路を他の光の光路に切り換えることを特徴とする付記10に記載の光スイッチモジュール。
【0107】
(付記12)前記マイクロミラーアレイは、
前記各波長別のマイクロミラーを短冊状に複数並列配置させてなり、該短冊状のマイクロミラーに凹凸(グレーティング)を形成して前記入射される複数の光を前記複数の光の光路のいずれかに回折させることを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の光スイッチモジュール。
【0108】
(付記13)前記マイクロミラーアレイは、
短冊状の前記マイクロミラーを、並列配置された所定数単位で電極への電圧の印加状態を制御することにより発生する静電気力に基づき、前記所定数単位で前記凹凸を形成させることを特徴とする付記12に記載の光スイッチモジュール。
【0109】
(付記14)波長多重された光が伝送される複数の光伝送路を連結するように配置され、複数の光伝送路から入力された光をそれぞれ波長別に選択して前記複数の光伝送路に出力する波長選択スイッチにおいて、
前記波長多重された複数の光が入出力される複数の光ポートと、
前記複数の光ポートから入力された前記複数の光を、それぞれ異なる光路として空間に出射させるとともに、VIPAの入射位置に向けてライン状となるよう集光させる第1の光学系と、
前記第1の光学系から入射された前記複数の光を受光し、該複数の光に含まれる波長別の光の成分を異なる方向に分離して出射させるVIPAと、
前記VIPAから出射される前記複数の光をそれぞれ波長別に所定間隔を有する平行光にするとともに、前記複数の光を波長別に異なる1点に集光させる第2の光学系と、
前記第2の光学系により1点に集光された前記複数の各波長別の光をそれぞれ受ける複数のマイクロミラーを有し、該複数のマイクロミラーを個別に角度変更させることにより、該マイクロミラーに入射される前記複数の光の光路を各波長別に前記複数の光の光路のいずれかに切り換えて反射させるマイクロミラーアレイと、
前記複数の光伝送路にそれぞれ接続される入力ポートおよび出力ポートと、前記光ポートに接続される入出力ポートを有する複数のサーキュレータと、
を備えたことを特徴とする波長選択スイッチ。
【0110】
(付記15)前記複数のサーキュレータは、波長多重された光を伝送させるネットワーク上のノードに配置されたことを特徴とする付記14に記載の波長選択スイッチ。
【0111】
(付記16)前記ネットワークは、メッシュ型ネットワークであることを特徴とする付記15に記載の波長選択スイッチ。
【0112】
(付記17)前記ネットワークは、リング型ネットワークであることを特徴とする付記15に記載の波長選択スイッチ。
【0113】
【発明の効果】
本発明によれば、波長多重された複数の光を単一個のVIPAによる光合分波器へ入射させ、これら複数の光をこの光合分波器により大きな角度分散を有して波長別の光を分離することができるため、光合分波器と第2の光学系との間の光学的距離を短くすることができ、装置の大幅な小型化が達成できるという効果を奏する。また、VIPAによる光合分波器は偏波依存性が小さいため、偏波依存性を解消するためのλ/4波長板など、特別な光学部品を用いる必要がない。これにより、部品点数を削減でき、組み立て効率を向上させ、光損失を低減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光スイッチモジュールに用いられるVIPAの構成を示す斜視図である。
【図2】VIPAの一部側断面図である。
【図3】本発明の光スイッチモジュールの構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の光スイッチモジュールの構成を示す上部断面図である。
【図5】本発明の光スイッチモジュールの構成を示す側部断面図である。
【図6】光スイッチモジュールに設けられる光ファイバブロックを示す分解斜視図である。
【図7】光ファイバブロックの組み立て状態を示す図である。
【図8】本発明の波長選択スイッチを上面から見た図である。
【図9】波長選択スイッチを側面から見た図である。
【図10】マイクロミラーアレイに設けられるマイクロミラーを示す側面図である。
【図11】マイクロミラーの動作状態(その1)を示す側面図である。
【図12】マイクロミラーの動作状態(その2)を示す側面図である。
【図13】マイクロミラーアレイに設けられるマイクロミラーの他の構成を示す側面図である。
【図14】マイクロミラーの動作状態を示す図である。
【図15】本発明の波長選択スイッチの他の構成例を示す斜視図である。
【図16】グレーティングMEMSを用いた波長選択スイッチを示す斜視図である。
【図17】グレーティングMEMSに対する光の入射角度を説明するための図である。
【図18】グレーティングMEMSの電圧無印加時の状態を示す図である。
【図19】グレーティングMEMSの電圧印加時の状態を示す図である。
【図20】波長選択スイッチをメッシュ型ネットワークに適用した構成例を示す図である。
【図21】波長選択スイッチをリング型ネットワークに適用した構成例を示す図である。
【図22】ネットワークのノードに配置されるクロス・バースイッチを示す図である。
【図23】波長選択スイッチの概要構成を示す図である。
【図24】従来の波長選択スイッチ内部に設けられる光スイッチモジュールの構成を示す斜視図である。
【図25】マイクロミラーアレイを示す図である。
【図26】マイクロミラーアレイに設けられるマイクロミラーの構成を示す側面図である。
【図27】マイクロミラーの動作状態を示す図である。
【符号の説明】
1 VIPA(Virtually Imaged Phase Array)
2 プレート
3,4 光反射膜
7 焦点線
11 光スイッチモジュール
12 光学系
12a,12b コリメートレンズ
12c セミシリンドリカルレンズ
13 光学系(フォーカスレンズ)
14 マイクロミラーアレイ
15 光入出力ポート
15a,15b 光ファイバ用コネクタ
15c,15d 光ファイバ
16 光ファイバブロック
16a,16b 基板
17 金属筐体
19 波長選択スイッチ
20a,20b サーキュレータ
21a 第1光伝送路
21b 第2光伝送路
23(23a〜23n) マイクロミラー
24 基板
25 支持部
26 反射体
27a,27b 電極
28 対向電極
32 グレーティングMEMS
33(33a〜33n) マイクロミラー
41 メッシュ型ネットワーク
42 ノード
43 光合波器
44 光分波器
51 リング型ネットワーク
52 ノード
53(53a,53b) OADM(Optical Add Drop Multiplexer)
54a,54b 光合波器
54c,54d 光分波器

Claims (10)

  1. 波長多重された光が複数入力され、該複数の光をそれぞれ波長別に選択して複数出力する光スイッチモジュールにおいて、
    前記波長多重された複数の光が入出力される複数の光ポートと、
    前記複数の光ポートから入力された前記複数の光を、それぞれ異なる光路として出射させるとともに、ライン状となるよう集光させる第1の光学系と、
    前記第1の光学系から入射する前記集光された複数の光を受光し、受光された前記複数の光に含まれる波長別の光の成分を異なる方向に分離して出射させる光合分波器と、
    前記光合分波器から出射される前記複数の光をそれぞれ波長別に所定間隔を有する平行光にするとともに、前記複数の光を波長別に異なる1点に集光させる第2の光学系と、
    前記第2の光学系により1点に集光された前記複数の各波長別の光をそれぞれ受ける複数のマイクロミラーを有し、該複数のマイクロミラーを個別に角度変更させることにより、該マイクロミラーに入射される前記複数の光の光路を各波長別に前記複数の光の光路のいずれかに切り換えて反射させるマイクロミラーアレイと、を備え、
    前記光合分波器は、
    第1の反射面と、透過性を有し前記第1の反射面と対向する第2の反射面とを透明基板上に有してなり、
    入射した前記複数の光が、それぞれ前記第1及び第2の反射面間で多重反射するとともに前記第2の反射面を一部透過するように設けられていることを特徴とする光スイッチモジュール。
  2. 前記複数の光ポートは、
    外部と装置内部との間で前記複数の光をそれぞれ伝送する複数の光ファイバと、
    前記複数の光ファイバの出射端を固定し、該複数の光ファイバからそれぞれ前記複数の光を出射させるための光ファイバブロックと、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光スイッチモジュール。
  3. 前記マイクロミラーアレイは、
    前記各波長別のマイクロミラーの反射面が前記複数の光の光路方向に対して直交する方向となるように固定保持されたことを特徴とする請求項1または2に記載の光スイッチモジュール。
  4. 前記マイクロミラーアレイは、
    前記各波長別のマイクロミラーの反射面が前記複数の光の光路方向に対して平行な方向となるように固定保持され、
    前記第2の光学系から出射された前記複数の光の光路を前記マイクロミラーアレイに設けられた前記マイクロミラーに導くよう屈曲させる反射ミラーを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の光スイッチモジュール。
  5. 前記マイクロミラーアレイは、
    複数の前記マイクロミラーにそれぞれ配置された電極への電圧の印加状態を制御することにより発生する静電気力に基づき、該マイクロミラーの前記角度変更を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光スイッチモジュール。
  6. 前記マイクロミラーアレイは、
    前記マイクロミラーの面が、前記電圧の未印加状態において該マイクロミラーアレイの基板と平行であり、
    前記電圧の印加状態により前記マイクロミラーの面を所定角度に角度変更することを特徴とする請求項5に記載の光スイッチモジュール。
  7. 前記マイクロミラーアレイは、
    前記マイクロミラーの面が前記電圧の未印加状態において該マイクロミラーアレイの基板に対し所定角度傾いた状態であり、
    前記電圧の印加状態により前記マイクロミラーの面を角度変更することを特徴とする請求項5に記載の光スイッチモジュール。
  8. 前記マイクロミラーアレイは、
    前記各波長別のマイクロミラーを短冊状に複数並列配置させてなり、該短冊状のマイクロミラーに凹凸を形成して前記入射される複数の光を前記複数の光の光路のいずれかに回折させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の光スイッチモジュール。
  9. 前記マイクロミラーアレイは、
    短冊状の前記マイクロミラーを、並列配置された所定数単位で電極への電圧の印加状態を制御することにより発生する静電気力に基づき、前記所定数単位で前記凹凸を形成させることを特徴とする請求項8に記載の光スイッチモジュール。
  10. 波長多重された光が伝送される複数の光伝送路を連結するように配置され、複数の光伝送路から入力された光をそれぞれ波長別に選択して前記複数の光伝送路に出力する波長選択スイッチにおいて、
    前記波長多重された複数の光が入出力される複数の光ポートと、
    前記複数の光ポートから入力された前記複数の光を、それぞれ異なる光路として出射させるとともに、ライン状となるよう集光させる第1の光学系と、
    前記第1の光学系から入射する前記集光された前記複数の光を受光し、該複数の光に含まれる波長別の光の成分を異なる方向に分離して出射させる光合分波器と、
    前記光合分波器から出射される前記複数の光をそれぞれ波長別に所定間隔を有する平行光にするとともに、前記複数の光を波長別に異なる1点に集光させる第2の光学系と、
    前記第2の光学系により1点に集光された前記複数の各波長別の光をそれぞれ受ける複数のマイクロミラーを有し、該複数のマイクロミラーを個別に角度変更させることにより、該マイクロミラーに入射される前記複数の光の光路を各波長別に前記複数の光の光路のいずれかに切り換えて反射させるマイクロミラーアレイと、
    前記複数の光伝送路にそれぞれ接続される入力ポートおよび出力ポートと、前記光ポートに接続される入出力ポートを有する複数のサーキュレータと、を備え、
    前記光合分波器は、
    第1の反射面と、透過性を有し前記第1の反射面と対向する第2の反射面とを透明基板上に有してなり、
    入射した前記複数の光が、それぞれ前記第1及び第2の反射面間で多重反射するとともに前記第2の反射面を一部透過するように設けられていることを特徴とする波長選択スイッチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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