JP2004258186A - 交換品及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置と交換品との間の情報の送受に通信可能距離が比較的長い通信方式の無線通信を適用した場合にも、装填されている交換品とストックされている交換品を低コストで識別する。
【解決手段】写真処理装置の交換品であるマガジン16、補充液カートリッジ42,44,46、カッタ/ソータ40、廃液タンク48には、各々RFIDタグ50が付加されていると共に、装填時に装填部に設けられた装填部端子74と接触する検出端子が設けられている。写真処理装置には設けられているICタグヘッド64は通信可能距離が比較的長く、写真処理装置の周囲にストックされている交換品のRFIDタグ50とも通信可能とされている。各交換品のRFIDタグ50は、情報送信時に、検出端子が装填部端子と接触しているか否か判断し、接触している場合は該接触に伴って入力される装填部識別コードを付加した情報を送信する。
【選択図】 図2
【解決手段】写真処理装置の交換品であるマガジン16、補充液カートリッジ42,44,46、カッタ/ソータ40、廃液タンク48には、各々RFIDタグ50が付加されていると共に、装填時に装填部に設けられた装填部端子74と接触する検出端子が設けられている。写真処理装置には設けられているICタグヘッド64は通信可能距離が比較的長く、写真処理装置の周囲にストックされている交換品のRFIDタグ50とも通信可能とされている。各交換品のRFIDタグ50は、情報送信時に、検出端子が装填部端子と接触しているか否か判断し、接触している場合は該接触に伴って入力される装填部識別コードを付加した情報を送信する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は交換品及び画像形成装置に係り、特に、画像形成装置に装填可能な交換品、及び、該交換品を装填可能な画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真プリンタやインクジェットプリンタ等の画像形成装置において、画像記録材料への画像記録を継続的に行うためには、画像形成装置に装填する交換品(例えば画像記録媒体が収納されたマガジンや補充液が封入されたカートリッジ等)を定期的に交換する必要があるが、単なる交換品の交換に留まらず、画像形成装置に何時どのような交換品が装填されたか等を管理したり、正規品以外の交換品が画像形成装置に装填されることを阻止する等を目的として、交換品の装填に際し、装填される交換品に予め担持された情報を読み取ったり、或いは装填される交換品に所定の情報を担持させる等の処理を行うことが検討されている。
【0003】
上記に関連して特許文献1には、複写機のカートリッジ室の近傍に反射波スキャナを設置すると共に、純正トナーカートリッジに純正品であることを示すLC共振タグを取付けておき、トナーカートリッジが複写機に装填されると、LC共振タグの反射波を解析して純正品か否かを判定する技術が開示されている。また最近では、無線通信により情報の読み出しや書き込みが可能で安価な媒体としてRFIDタグ(Radio Frequency IDentification)が注目されるようになってきている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−298711号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、RFIDタグには電磁結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式等の各種方式があり、各方式毎に通信可能距離が相違しているが、画像形成装置が複数種の交換品を装填可能な構成であることを考慮すると、画像形成装置の交換品に付加するRFIDタグとしてはマイクロ波方式が有力である。すなわち、マイクロ波方式は通信可能距離が比較的長い(例えば半径数m程度)ため、RFIDタグとの無線通信を行うためのICタグヘッドを個々の交換品毎に設ける必要がなくなり、画像形成装置本体のコストダウンを実現できる。
【0006】
しかしながら、画像形成装置の一般的な使用環境では、画像形成装置が設置されている箇所の周囲に未装填の交換品がストックされていることが多い。このため、RFIDタグとしてマイクロ波方式を採用した場合、画像形成装置に設けたICタグヘッドが、画像形成装置に装填されている交換品のみならず、装置の設置箇所の周囲にストックされている交換品とも通信可能になってしまい、装置に装填されている交換品と周囲にストックされている交換品とを識別することが困難になるという問題が生ずる。
【0007】
なお、上記の問題は写真プリンタやインクジェットプリンタ等の画像形成装置に限られるものではなく、交換品が装填可能な他の画像形成装置(例えば熱現像/光定着により画像を形成する画像形成装置や電子写真方式で画像を形成する画像形成装置等)において、比較的通信可能距離の長いRFIDタグ等を付加すれば生じ得る問題である。
【0008】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、画像形成装置と交換品との間の情報の送受に通信可能距離が比較的長い通信方式の無線通信を適用した場合にも、画像形成装置に装填されている交換品とストックされている交換品を低コストで識別することが可能な交換品及び画像形成装置を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る交換品は、画像形成装置に装填可能な交換品であって、所定の情報を記憶する記憶素子と、前記記憶素子に記憶されている所定の情報を含む情報を前記画像形成装置に無線で送信する送信手段と、前記交換品が前記画像形成装置の所定の装填部に装填されているか否かを検知する検知手段と、前記交換品が前記画像形成装置の所定の装填部に装填されていることが前記検知手段によって検知されているか否かに応じて、前記送信手段によって送信される情報を相違させる制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項1記載の発明に係る交換品は、画像形成装置の所定の装填部に装填可能とされている。例えば画像形成装置が、画像が記録された記録材料を処理槽内に貯留されている処理液に浸漬して処理する写真処理装置である場合、交換品としては、例えば記録材料を収納するマガジン、処理液に補充するための補充液が封入された補充液カートリッジ、記録材料を画像単位で切断することで得られる写真プリントを仕分けするためのソータ、廃液タンク等が挙げられる。また、例えば画像形成装置が、電子写真方式により記録材料に画像を形成する画像形成装置である場合、交換品としては、例えば記録材料を収納するマガジンや、トナーが封入されたトナーカートリッジ等が挙げられる。
【0011】
ここで、請求項1記載の発明に係る交換品には、所定の情報を記憶する記憶素子が設けられており、送信手段は、記憶素子に記憶されている所定の情報を含む情報を画像形成装置に無線で送信する。なお、RFIDタグは上記の記憶素子及び上記の送信手段として機能することが可能であり、記憶素子及び送信手段はRFIDタグで構成することができる。また、送信手段の無線通信は画像形成装置側のコスト低減のために通信可能距離が比較的長い通信方式が好ましく、記憶素子及び送信手段をRFIDタグで構成する場合にはマイクロ波方式のRFIDタグが好適である。
【0012】
なお、所定の情報としては、例えば個々の交換品を識別するための識別情報、個々の交換品の属性(例えば記録材料を収納するマガジンであれば、収納している記録材料の種類やサイズ、残量等)を表す属性情報、交換品の種類を表す種類情報(交換品が複数種存在する場合)の少なくとも1つを含んで構成することができる。所定の情報に識別情報を含めた場合には、情報送信元の交換品が正規の交換品か否かを画像形成装置側で判断することができ、所定の情報に属性情報を含めた場合には、情報送信元の交換品の属性を画像形成装置側で把握することができ、所定の情報に識別情報を含めた場合には、情報送信元の交換品の種類を画像形成装置側で判断することができる。
【0013】
また、請求項1記載の発明には、交換品が画像形成装置の所定の装填部に装填されているか否かを検知する検知手段が設けられている。検知手段は、所定の装填部に装填されているか否かを、機械的な接触の有無に基づいて検知する構成であってもよいし、赤外線や磁気等を利用して非接触で検知する構成であってもよい。
【0014】
例えば所定の装填部に装填されているか否かを機械的な接触の有無に基づいて検知する場合、検知手段としては、例えば交換品が所定の装填部に装填されている状態で、何らかの部材に接触することで接点が切り替わるスイッチ等で構成することができる。また、例えば請求項2に記載したように、画像形成装置の所定の装填部に、装填された交換品へ所定の信号を出力するための複数の第1接点が設けられている場合には、検知手段は、交換品が画像形成装置の所定の装填部に装填された状態で複数の第1接点に接触する複数の第2接点を備え、第1接点と第2接点との接触に伴って所定の信号が入力されているか否かに基づいて、交換品が画像形成装置の所定の装填部に装填されているか否かを検知するように構成することも可能である。上記何れの態様についても、赤外線や磁気等を利用して非接触で検知する等の場合と比較して、装填部に装填されているか否かを低コストで検出することができる。
【0015】
そして制御手段は、交換品が画像形成装置の所定の装填部に装填されていることが検知手段によって検知されているか否かに応じて、送信手段によって送信される情報を相違させる。これにより、画像形成装置側では、交換品の送信手段から受信した情報が、検知手段によって装填が検知されているときに対応する情報か、装填が検知されていないときに対応する情報かを判断することで、情報送信元の交換品が、装填部に装填されている状態の交換品か装填部に装填されていない状態の交換品かを識別することができる。従って請求項1記載の発明によれば、画像形成装置と交換品との間の情報の送受に通信可能距離が比較的長い通信方式の無線通信を適用した場合にも、画像形成装置に装填されている交換品とストックされている交換品を低コストで識別することが可能となる。
【0016】
なお、画像形成装置に、互いに異なる交換品が装填される複数の装填部が設けられており、検知手段が、請求項2に記載したように、第1接点と第2接点との接触に伴って所定の信号が入力されているか否かに基づいて、交換品が画像形成装置の所定の装填部に装填されているか否かを検知する構成である場合には、例えば請求項3に記載したように、個々の装填部に設けられた第1接点を介し、前記所定の信号として、個々の装填部を識別する識別情報が出力され、制御手段は、交換品が画像形成装置の所定の装填部に装填されていることが検知手段によって検知されている場合に、所定の信号として入力された識別情報を付加した情報を送信手段によって送信させることが好ましい。
【0017】
上記の識別情報は個々の装填部を識別する情報であり、個々の装填部毎に相違する情報となるので、交換品から情報を受信した画像形成装置側で、受信した情報に付加されている識別情報を参照することで、情報送信元の交換品が何れの装填部に装填されている交換品かを容易に識別することができる。
【0018】
請求項4記載の発明に係る画像形成装置は、所定の装填部に請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の交換品を装填可能な画像形成装置であって、前記交換品の前記送信手段から無線で送信された情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された情報に基づいて、情報送信元の交換品が前記所定の装填部に装填されているか否かを識別する識別手段と、を含んで構成されている。
【0019】
請求項4記載の発明に係る画像形成装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の交換品が所定の装填部に装填可能とされている。なお、画像形成装置が、例えば請求項7に記載したように、画像が記録された記録材料を処理槽内に貯留されている処理液に浸漬して処理する写真処理装置である場合、交換品としては、例えば記録材料を収納するマガジン、処理液に補充するための補充液が封入されたカートリッジ、記録材料を画像単位で切断することで得られる写真プリントを仕分けするためのソータ、廃液タンクの少なくとも1つを適用することができる。
【0020】
また、請求項4記載の発明は、交換品の送信手段から無線で送信された情報を受信する受信手段を備えている。交換品から送信される情報は、前述のように、交換品が画像形成装置の所定の装填部に装填されていることが検知されているか否かに応じて相違される。このため、請求項4記載の発明に係る識別手段は、受信手段によって受信された情報に基づいて、情報送信元の交換品が所定の装填部に装填されているか否かを識別する。
【0021】
このように、請求項4記載の発明では、交換品が画像形成装置に装填されているか否かが交換品側で検知されるので、画像形成装置側では、情報送信元の交換品が所定の装填部に装填されているか否かを、受信した情報に基づき低コストで識別することができる。従って、請求項4記載の発明によれば、画像形成装置と交換品との間の情報の送受に通信可能距離が比較的長い通信方式の無線通信を適用した場合にも、画像形成装置に装填されている交換品とストックされている交換品を低コストで識別することが可能となる。
【0022】
なお、所定の装填部に装填可能な交換品が請求項2又は請求項3記載の交換品である場合には、交換品側における画像形成装置に装填されているか否かの検知が、機械的な接触の有無に基づいて行われることになるので、交換品自体のコストが嵩むことも防止することができ、画像形成装置に装填されている交換品とストックされている交換品を更に低コストで識別することができる。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、交換品から送信される情報には、個々の交換品を識別するための識別情報及び個々の交換品の属性を表す属性情報が含まれており、識別手段による識別結果及び受信手段によって個々の交換品から受信された情報に基づいて、ストックされている交換品の数量及び属性を認識して交換品の最適な交換スケジュールを決定し、決定した交換スケジュールに従い次に装填すべき交換品を指示する指示手段を更に備えたことを特徴としている。
【0024】
画像形成装置に未装填の交換品が画像形成装置の周囲にストックされており、画像形成装置の受信手段が、画像形成装置に装填されている交換品のみならず、画像形成装置の周囲にストックされている交換品から送信された情報も受信する場合にも、本発明によれば、画像形成装置に装填されている交換品とストックされている交換品を識別可能であることを利用し、請求項5記載の発明では、個々の交換品を識別するための識別情報及び個々の交換品の属性を表す属性情報を含む情報を、交換品から送信させている。
【0025】
これにより、識別手段による識別結果及び受信手段によって個々の交換品から受信された情報に基づいて、ストックされている交換品の数量を認識できると共にストックされている個々の交換品の属性も認識することができ、数量及び属性の認識結果に基づいて、実施可能な交換品の交換スケジュールを把握することができる(例えばストックされている交換品として交換品A,B,Cが存在していることを認識した場合、交換スケジュールとしてA→B→C,A→C→B,B→A→C,B→C→A,C→A→B,C→B→Aの6通りが実施可能であると把握できる)。
【0026】
ここで、ストックされている個々の交換品が同一構成であれば、実施可能な複数の交換スケジュールのうち何れの交換スケジュールを採用したとしても差異は生じないが、ストックされている個々の交換品の属性が相違している場合には、採用する交換スケジュールにより画像形成装置の処理効率や無人運転期間の長さに差異が生ずる。
【0027】
例えば本発明に係る画像形成装置が写真処理装置であり、ストックされている交換品として、収納している記録材料のサイズが各々異なる複数のマガジンが存在している場合、現在装填されているマガジンと同サイズの記録材料を収納しているマガジンを優先的に装填させる交換スケジュールを採用すれば、写真処理装置において、装填されたマガジンに収納されている記録材料のサイズに応じて記録材料を案内するガイドの幅を変更する処理の実行回数を低減することができるので、画像形成装置(写真処理装置)の処理効率が向上する。
【0028】
また、例えば本発明に係る画像形成装置が写真処理装置であり、ストックされている交換品として、収納している記録材料の残量が各々異なる複数のマガジンが存在している場合、収納している記録材料の残量が最大のマガジンが、予定している無人運転期間に写真処理装置へ装填させる交換スケジュールを採用すれば、写真処理装置の無人運転期間における写真処理の実行時間を最長とすることができる。
【0029】
上記に基づき指示手段は、ストックされている交換品の数量及び属性を認識して、交換品の最適な交換スケジュール(例えば画像形成装置における処理効率が最良となる交換スケジュールや、無人運転期間における写真処理の実行時間の長さが最長となる交換スケジュール)を決定し、決定した交換スケジュールに従い次に装填すべき交換品を指示する。なお、次に装填すべき交換品の指示は、次に装填すべき交換品を特定するための情報を含む所定のメッセージを表示部に表示させることで行ってもよいし、音声によって指示するようにしてもよい。これにより、最適な交換スケジュールで交換品を交換させることを容易に実現することができる。
【0030】
なお、請求項5記載の発明において、互いに異なる種類の交換品が装填される複数の装填部が画像形成装置に設けられており、交換品から送信される情報に、個々の交換品の種類を表す種類情報が含まれている場合、指示手段は、例えば請求項6に記載したように、ストックされている交換品の数量及び属性を、受信手段によって個々の交換品から受信された種類情報に基づき交換品の種類毎に認識し、交換品の種類毎に交換スケジュールを決定することが好ましい。これにより、複数の装填部に装填される交換品を、各々最適な交換スケジュールで交換させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1にはDPE店等に設置される写真処理装置10が示されている。なお、写真処理装置10は請求項4に記載の画像形成装置に対応している。
【0032】
写真処理装置10は印画紙に画像を露光記録し、該印画紙に現像等の処理を施して写真プリントを作成する装置であり、長尺状の印画紙12が巻芯にロール状に巻回されて成る印画紙ロール14を収納したマガジン16の装填及び取り外しが可能なマガジン装填部が、図1における機体の左方側の2箇所に各々形成されている。従って、本実施形態に係る写真処理装置10は2個のマガジン16を装填可能とされている(図1は2箇所のマガジン装填部にマガジン16が各々装填されている状態を示している)。なお、マガジン16は請求項1に記載の交換品に対応している。
【0033】
マガジン装填部に装填されているマガジン16内の印画紙ロール14から引き出された長尺状の印画紙12は、一旦上方へ向けて搬送された後に搬送方向が略90°変更されて略水平に搬送される。印画紙12の水平搬送路の上方には露光部18が配置されている。露光部18は、印画紙12に記録すべき画像に応じて変調したレーザビームを、水平搬送路を搬送される印画紙12上で走査露光させることで、印画紙12に画像を露光記録する。写真処理装置10は写真処理装置10の各部の動作を制御する本体制御部20を備えている。露光部18は本体制御部20に接続されており、露光部18による印画紙12への画像の露光記録は本体制御部20によって制御される。
【0034】
また、本体制御部20には、キャリアによって搬送される写真フィルム等の原稿に記録されている画像を読み取り、読取結果を画像データとして出力するスキャナ/キャリア22が接続可能とされている。本体制御部20にスキャナ/キャリア22が接続されている場合、露光部18におけるレーザビームの変調に用いる画像データは、本体制御部20を介してスキャナ/キャリア22から供給される。なお、変調に用いる画像データは、デジタルスチルカメラ(DSC)によって被写体が撮影されることで得られる画像データであってもよい。
【0035】
また、写真処理装置10にはプロセッサ部24が設けられている。プロセッサ部24には、発色現像液が貯留された発色現像槽26、漂白定着液が貯留された漂白定着槽28、水洗水が貯留された第1水洗槽30、第2水洗槽32、第3水洗槽34及び第4水洗槽36が水平方向に沿って順に設けられている。プロセッサ部24へ送られた印画紙12は、発色現像槽26内の発色現像液中を搬送され、漂白定着槽28内の漂白定着液中を搬送された後に第1水洗槽30へ送られ、水洗水中を搬送されたまま第1水洗槽30から第4水洗槽36へと搬送される。
【0036】
第4水洗槽36の下流側には乾燥部38が設けられており、第4水洗槽36での水洗処理が完了した印画紙12は第4水洗槽36から乾燥部38へ送られ、図示しないファン及びヒータによって生成された熱風が供給されて表面が乾燥される。また、乾燥部38の上方側にはカッタ/ソータ装填部が設けられており、このカッタ/ソータ装填部にはカッタ/ソータ40が装填されている。乾燥部38で表面が乾燥された印画紙12は、カッタ/ソータ40によって画像齣単位で切断されて多数枚の写真プリントとして切り出された後に、切り出された多数枚の写真プリントが個々の注文毎に仕分けされる。
【0037】
なお、本実施形態ではカッタ/ソータ40として、互いに構成が異なる複数種類のカッタ/ソータ(例えば単一の注文に対応する写真プリントを収納するための収納部の数が異なるカッタ/ソータ)が用意されており、カッタ/ソータ装填部には複数種類のカッタ/ソータの中から顧客によって選択されたカッタ/ソータが装填される。このカッタ/ソータ40も請求項1に記載の交換品に対応している。
【0038】
また、本実施形態に係る写真処理装置10では、発色現像槽26内の発色現像液に補充するための発色現像補充液が、補充液カートリッジ42に封入された状態で供給され、漂白定着槽28内の漂白定着液に補充するための漂白定着補充液(2液)が、補充液カートリッジ44,46に封入された状態で供給される。プロセッサ部24の水洗槽30〜36の下方には、3種類の補充液カートリッジ42,44,46の各々に対応して、各補充液カートリッジの装填及び取り外しが可能なカートリッジ装填部が各々設けられている(図1は補充液カートリッジ42,44,46が対応するカートリッジ装填部に各々装填された状態を示している)。
【0039】
各カートリッジ装填部には、装填された補充液カートリッジ42,44,46に封入されている補充液を各々対応する処理槽(発色現像槽26又は漂白定着槽28)に補充する補充機構が設けられている。この補充機構は本体制御部20によって動作が制御され、補充液カートリッジ42,44,46から供給される補充液を、写真処理装置10における印画紙12の処理面積等に応じた補充量だけ対応する処理槽へ補充する。補充液カートリッジ42,44,46も請求項1に記載の交換品に対応している。
【0040】
なお、図示は省略するが写真処理装置10の内部には、写真処理装置10の稼働に伴って発生する廃液を貯留するための廃液タンク48(図2参照)の装填及び取り外しが可能な廃液タンク装填部も設けられている。廃液タンク装填部には、写真処理装置10の稼働に伴って発生した廃液を、廃液タンク装填部に装填されている廃液タンク48内へ案内する案内機構も設けられている。廃液タンク48も請求項1に記載の交換品に対応している。
【0041】
図2に示すように、写真処理装置10の交換品としてのマガジン16、カッタ/ソータ40、補充液カートリッジ42,44,46及び廃液タンク48には、RFIDタグ50が各々付加されており、写真処理装置10には、各交換品に付加されたRFIDタグ50と無線通信を行うためのICタグヘッド64が設けられている。なお、ICタグヘッド64は請求項4に記載の受信手段に対応している。
【0042】
図3に示すように、RFIDタグ50はアンテナ52と一体化されており、電源回路54、RF回路56、変換回路58、CPU60及びメモリ62を含んで構成されている。電源回路54はアンテナ52と共に共振回路を構成しており、アンテナ52により特定周波数の電波が受信されると相互誘導作用によって図示しないコンデンサに電力を蓄積し、蓄積した電力を整流してCPU60や他の回路に供給するように構成されている。CPU60はRFIDタグ50の各部の動作を制御する。
【0043】
またRF回路56は、アンテナ52により電波が受信された場合には、アンテナ52から出力される信号を増幅して変換回路58へ出力し、変換回路58から信号が入力された場合には、該信号を増幅してアンテナ52へ供給する。変換回路58は、RF回路56から入力された信号を復調し、復調によって得られたデジタルデータをCPU60へ出力すると共に、CPU60から入力されたデジタルデータで搬送波信号を変調し、変調後の信号をRF回路56へ出力する。
【0044】
また、メモリ62としては、情報の読み取り及び書き込みが可能な不揮発性のメモリ(例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory))を用いることができる。メモリ62には、RFID50が付加されている交換品の種別(マガジン・補充液カートリッジ・カッタ/ソータ・廃液タンク)、個々の交換品を識別するための交換品ID、交換品の属性を表す属性情報等の情報が予め書き込まれている。なお、上述したRFIDタグ50のうち、 メモリ62は請求項1に記載の記憶素子に対応しており、メモリ62以外の部分は請求項1に記載の送信手段に対応している。
【0045】
本実施形態では、RFIDタグ50としてマイクロ波方式で通信を行うRFIDタグを用いている。このマイクロ波方式は通信可能距離が数m程度とされているので、写真処理装置10に単一のICタグヘッドを設ければ、該ICタグヘッドにより、写真処理装置10に装填された各交換品に付加されているRFIDタグ50と各々通信可能である。このため、本実施形態に係る写真処理装置10には、RFIDタグ50と無線通信を行う機能を備えた単一のICタグヘッド64が設置されている。ICタグヘッド64は、アンテナ66、RF回路68及び変換回路70を備えており、本体制御部20に接続されている。
【0046】
RF回路68は、アンテナ66により電波が受信された場合には、アンテナ66から出力される信号を増幅して変換回路70へ出力し、変換回路70から信号が入力された場合には、該信号を増幅してアンテナ66へ供給する。また変換回路70は、RF回路68から入力された信号を復調し、復調によって得られたデジタルデータを本体制御部20へ出力すると共に、本体制御部20から入力されたデジタルデータで搬送波信号を変調し、変調後の信号をRF回路68へ出力する。
【0047】
なお、DPE店では通常、写真処理装置10に装填している交換品以外の各種交換品(マガジン16や補充液カートリッジ42,44,46、カッタ/ソータ40、廃液タンク48)を写真処理装置10の周囲にストックしているが、前述のように、マイクロ波方式は通信可能距離が数m程度あるため、図2にも示すように、ICタグヘッド64は、写真処理装置10に装填されている交換品に付加されているRFID50のみならず、写真処理装置10の周囲にストックされている交換品に付加されているRFIDタグ50とも通信可能とされている。
【0048】
また、写真処理装置10の各交換品が装填される装填部(マガジン装填部、カートリッジ装填部、カッタ/ソータ装填部及び廃液タンク装填部)には、各装填部に装填された交換品に対し、装填部に装填された状態であることを検知させると共に、装填されている装填部を認識するための装填部端子72が設けられている(図3及び図4(B)を参照)。
【0049】
本実施形態に係る装填部端子72は、写真フィルムのパトローネに付加されているDXコードと同様に、扁平な矩形状の導電体の表面が複数個の接点領域(図4(B)の例では5個の接点領域)に分割されており、そのうち1つの接点領域がグランドとされている(グランド領域)。本実施形態では、例として次の表1に示すように、個々の装填部に対して4ビットの識別コードを割り当てており、装填部端子72のグラウンド以外の接点領域(信号接点領域)は識別コードの各ビットに対応しており、対応するビットの値が「0」の信号接点領域についてのみ、表面が絶縁体で覆われている。なお、装填部端子72の個々の接点領域は請求項2に記載の第1接点に対応している。また、表1に示す装填部識別コードは請求項3に記載の識別情報に対応している。
【0050】
【表1】
【0051】
一方、例として図4(B)に示すように、個々の交換品には、対応する装填部に装填された状態で、装填部に設けられている装填部端子72に対応する位置に、検出端子74が設けられている(図4(B)はマガジン16に設けられた検出端子74を例として示す)。検出端子74は、交換品が対応する装填部に装填された状態で、装填部端子72の各接点領域と接触する複数の接点から構成されており、RFIDタグ50のCPU60に接続されている(図3参照)。なお、検出端子74の個々の接点は請求項2に記載の第2接点に対応している。
【0052】
これにより、交換品が装填部に装填され、検出端子74が装填部端子72と機械的に接触すると、検出端子74の各接点のうち、グランド領域に接触している接点と、表面が絶縁体で覆われていない信号接点領域に接触している接点の間が導通するので、RFIDタグ50のCPU60は、検出端子74の個々の端子の導通/非導通を確認することで、交換品が装填部に装填されているか否か判断できると共に、交換品が装填されている装填部を判断することができる(交換品が装填部に装填されていなければ検出端子74の個々の端子の間は全て非導通となり、交換品が特定の装填部に装填されていれば、検出端子74の個々の端子の導通/非導通が特定の装填部の装填部識別コードに対応するパターンとなる)。このように、CPU60は検出端子74と共に請求項1に記載の検知手段(詳しくは請求項2に記載の検知手段)に対応している。
【0053】
また、図4(A)に示すように、マガジン16内に収納される印画紙ロール14の巻芯75にはタグ78が付加されている。図3(B)に示すように、タグ78は、印画紙ロール14としてロール状に巻回されている長尺状の印画紙12の幅サイズ、長さ、面種、メーカ名、該印画紙12に対する発色現像等の処理の処方名等の属性情報が予め書き込まれたメモリ80と、該メモリ80に接続された近距離通信手段82を含んで構成されている。なお、近距離通信手段82としては、例えば電磁結合方式や電磁誘導方式等のように通信可能距離が比較的短いRFIDタグを用いることができるが、これに代えて赤外線等を用いて通信を行う回路を適用してもよい。
【0054】
また、マガジン16に付加されているRFIDタグ50には、マガジン16に収納される印画紙ロール14のタグ78に対応して近距離通信手段84及び電源86が付加されている。電源86は、マガジン16内へ印画紙ロール14を収納させるためにマガジン16の蓋が開放されると近距離通信手段84及びRFIDタグ50に電力を供給する。なお、電源86は一次電池、二次電池、ソーラパネルの何れでもよいし、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0055】
RFIDタグ50のCPU60は、電源86から電力が供給されて作動した場合、印画紙ロール14に付加されているタグ78に対し、近距離通信手段84を介してメモリ80に書き込まれている情報の転送を要求する。これにより、メモリ80から読み出された印画紙12の属性情報が近距離通信手段82を介して送信され、この情報が近距離通信手段84で受信されてCPU60に入力される。CPU60はタグ78のメモリ80から読み出されて入力された情報をメモリ62に書き込む。
【0056】
一方、図2に示すように、本体制御部20には、LCD等から成る表示部90、テンキー等から成る操作部92、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)等から成る記憶部94が各々接続されている。記憶部94には、写真処理装置10に装填されている交換品及び写真処理装置10の周囲のストックされている交換品を、交換品の種別毎に管理する交換品管理テーブルを格納するためのエリアが設けられている。
【0057】
次に本実施形態の作用として、写真処理装置10の本体制御部20で実行される交換品検出処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。なお、この交換品検出処理は、例えば写真処理装置10の電源が投入されたり、写真処理装置10に装填されている交換品が交換されたことを検知したり、写真処理装置10の無人運転が開始される等のタイミングで実行される。
【0058】
本実施形態では、各回の交換品検出処理の実行を検出通番によって管理しており、検出通番は記憶部94に記憶され、交換品検出処理が実行される毎に1ずつインクリメントされる。ステップ150では記憶部94に記憶されている検出通番を読み出す。またステップ152では、写真処理装置10に装填されている交換品及び写真処理装置10の周囲にストックされている交換品に対し、メモリ62に記憶されている情報の送信を要求するための所定の情報に、ステップ150で付加した検出通番を付加し、検出通番を付加した所定の情報をICタグヘッド64を介し情報送信要求として送信する。
【0059】
次のステップ154では、何れかの交換品のRFIDタグ50から情報を受信したか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ156へ移行し、情報送信要求を送信してから所定時間が経過したか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ154に戻り、何れかの判定が肯定される迄ステップ154,156を繰り返す。
【0060】
一方、個々の交換品に付加されているRFIDタグ50のCPU60では、写真処理装置10の本体制御部20から何らかの情報(無線信号)を受信することで電源回路54を介して電力が供給されると、図6に示す通信処理を行う。
【0061】
ステップ180では、写真処理装置10の本体制御部20からの要求が情報の送信かメモリ62への情報の書き込みか判定する。受信した情報が情報送信要求に相当する情報である場合には、ステップ180からステップ182へ移行し、メモリ62に記憶されている送信通番を読み出す。なお、製造工場で製造されて出荷される個々の交換品には、送信通番の最小値(例えば0)がメモリ62に書き込まれたRFIDタグ50が付加される。
【0062】
ステップ184では、受信した情報送信要求に相当する情報に付加されている検出通番を抽出し、抽出した検出通番をステップ182でメモリ62から読み出した送信通番と比較し、送信通番が検出通番よりも小さいか否か判定する。ステップ184の判定が肯定された場合には、写真処理装置10の本体制御部20で実行されている今回の交換品検出処理に対して情報の送信を行っていないと判断できるので、ステップ186へ移行し、写真処理装置の本体制御部20へ送信すべき情報をメモリ62から読み出す。なお、マガジン16に付加されているRFIDタグ50では、このステップ186において、メモリ62に予め書き込まれた印画紙12の属性情報も同時に読み出されることになる。
【0063】
また、次のステップ188では、検出端子74の個々の端子の間の導通/非導通を確認することで、装填部識別コードが入力されているか否かをチェックし、次のステップ190において、検出端子74を介して装填部識別コードが入力されているか否かを判定する。ステップ190の判定が否定された場合には、当該通信処理を実行しているRFIDタグ50が付加されている交換品は、装填部に装填されていないと判断できるので、何ら処理を行うことなくステップ194へ移行する。
【0064】
一方、装填部識別コードが入力されている(検出端子74の個々の端子の間の少なくとも1つが導通している)場合には、当該通信処理を実行しているRFIDタグ50が付加されている交換品は、入力されている装填部識別コードに対応する特定の装填部に装填されていると判断できる。このため、ステップ190の判定が肯定された場合にはステップ192へ移行し、ステップ186でメモリ62から読み出した情報に、検出端子74を介して入力されている装填部識別コードを付加する。
【0065】
なお、上記のステップ190,192は本発明に係る制御手段に相当する処理であり、この処理を行うCPU60は請求項1に記載の制御手段(詳しくは請求項3に記載の制御手段)に対応している。
【0066】
そして、次のステップ194では、写真処理装置10の本体制御部20へ送信すべき情報(ステップ186でメモリ62から読み出した情報又は該情報に装填部識別コードを付加した情報)を変換回路58へ出力することで、前記情報をアンテナ52を介して送信させる。
【0067】
写真処理装置10に装填されている交換品に付加されているRFIDタグ50及び写真処理装置10の周囲に存在している交換品に付加されているRFIDタグ50で上記の通信処理が各々行われることで、情報送信要求に対する応答が各交換品から各々送信される。この応答がICタグヘッド64で受信されることで、交換品検出処理(図5)のステップ154の判定が肯定され、ステップ158へ移行する。
【0068】
ステップ158では、交換品に付加されているRFIDタグ50から受信した情報から、管理テーブルに登録すべき情報(該RFIDタグ50が付加されている交換品の種別や交換品のID、属性情報等)を抽出する。次のステップ160では、RFIDタグ50から受信した情報に装填部識別コードが付加されているか否か判定する。なお、ステップ160は請求項4に記載の識別手段に相当する処理であり、この処理を行う本体制御部20は請求項4に記載の識別手段に対応している。
【0069】
受信した情報に装填部識別コードが付加されている場合、情報送信元のRFIDタグ50が付加されている交換品は、前記装填部識別コードに対応する装填部に装填されていると判断できる。このため、ステップ160の判定が肯定された場合にはステップ162へ移行し、受信した情報からステップ158で抽出した情報を、交換品の種別に対応する管理テーブルに装填中の交換品の情報として登録する。
【0070】
また、受信した情報に装填部識別コードが付加されていない場合には、情報送信元のRFIDタグ50が付加されている交換品は、装填されていない(ストックされている)交換品であると判断できる。このため、ステップ160の判定が否定された場合にはステップ164へ移行し、受信した情報からステップ158で抽出した情報を、交換品の種別に対応する管理テーブルにストック中の交換品の情報として登録する。
【0071】
そして、次のステップ166において、RFIDタグ50から送信された情報を正常に受信したことを表す所定の情報を、送信元のRFIDタグ50へ送信した後にステップ152に戻る。送信した情報送信要求に対する応答を複数の交換品のRFIDタグ50から受信した場合にも、上述したステップ158〜ステップ166は、単一の交換品のRFIDタグ50からの応答のみを処理するので、応答を未処理のRFIDタグ50から再度応答を送信させるために、ステップ152で情報送信要求が再度送信される。
【0072】
一方、個々の交換品に付加されたRFIDタグ50では、通信処理(図6)のステップ194で情報送信要求に対する応答を送信すると、次のステップ196で写真処理装置10の本体制御部20から正常に受信したことを表す所定の情報を受信したか否か判定する。判定が否定された場合には、本体制御部20において他の交換品のRFIDタグ50からの応答を処理したと判断できるので、何ら処理を行うことなく通信処理を一旦終了する。
【0073】
通信処理は本体制御部20から何らかの情報(信号)を受信する毎に起動されるので、本体制御部20における情報送信要求の再送信に伴い、再度通信処理が起動され、ステップ182〜ステップ194の処理が再度行われることになる。そして、情報送信要求に対する応答を送信し、写真処理装置10の本体制御部20から正常に受信したことを表す所定の情報を受信すると、ステップ196の判定が肯定されてステップ198へ移行し、先のステップ184で受信した情報送信要求から抽出した検出通番を、送信通番としてメモリ62に記憶させる。
【0074】
これにより、個々の交換品のRFID50では、或る検出通番が付加された情報送信要求を受信する毎に、正常受信が通知される迄の間は、受信した情報送信要求に対する応答を繰り返し送信し、正常受信が通知された後はステップ184の判定が否定されることで、新たな検出通番が付加された情報送信要求を受信する迄の間は情報送信要求に対する応答の送信を停止することになる。
【0075】
また、本体制御部20で実行される交換品検出処理(図5)では、情報送信要求を送信してから所定時間以内に応答を受信する毎に、単一の交換品のRFIDタグ50を単位としてステップ158〜ステップ166の処理を行い、同一の検出通番を付加した情報送信要求を再度送信するので、同一の検出通番を付加した情報送信要求を、写真処理装置10に装填されている交換品及び写真処理装置10の周囲にストックされている交換品の総数と同数回送信することで、全ての交換品についてステップ158〜ステップ166の処理が各々行われ、例として次の表2に示すような情報が交換品管理テーブルに登録されることになる。なお、表2は交換品の1つであるマガジン16の管理テーブルであるマガジン管理テーブルの一例を示している。
【0076】
【表2】
【0077】
写真処理装置10に装填されている交換品及び写真処理装置10の周囲にストックされている交換品の全てについて、管理テーブルに登録すると共に正常受信を通知すると、同一の検出通番を付加した情報送信要求を送信しても、何れの交換品からも応答が送信されなくなることで、ステップ156の判定が肯定されてステップ168へ移行する。
【0078】
ステップ168では、上述した処理によって情報が登録された交換品の各種別毎の管理テーブルを参照し、交換品の各種別の中に、対応する装填部に交換品が装填されていない種別が有るか否か判定する。写真処理装置10を稼働させるためには、各種別の交換品を対応する装填部に各々装填する必要があるので、上記判定は通常否定されるが、上記判定が肯定された場合には、対応する装填部に実際に交換品が装填されていないか、或いは対応する装填部に装填されている交換品が正規品でない可能性が高い(例えばRFIDタグ50が付加されていない、検出端子74が設けられていない、装填部識別コードをチェックし装填部識別コードが入力されている場合にはこれを応答に付加する処理を行わないRFIDタグが付加されている等)。
【0079】
このため、ステップ168の判定が否定された場合には何ら処理を行うことなくステップ172へ移行するが、ステップ168の判定が肯定された場合にはステップ170へ移行し、管理テーブル上で装填部に装填されている交換品が存在していない交換品の種別を明示し、装填部に交換品が装填されていないか、又は装填部に装填されている交換品が正規品でないことを警告するメッセージを表示部90に表示させる。
【0080】
なお、上記の警告メッセージを表示した後の処理としては、対応する装填部に正規品の交換品が装填される迄の間、写真処理装置10の稼働を停止させる処理を適用することが望ましいが、これに代えて、写真処理装置10の稼働を継続するか否かを顧客に確認するメッセージを表示部90に表示し、顧客が稼働継続を指示した場合には写真処理装置10の稼働を継続すると共に、顧客が稼働継続を指示したことを記憶部94に指示履歴情報として記憶させるようにしてもよい。
【0081】
次のステップ172では、記憶部94に記憶されている検出通番を1だけインクリメントして交換品検出処理を終了する。これにより、次に交換品検出処理が実行される際には、新たな検出通番が付加された情報送信要求が各交換品へ送信されることになり、情報送信要求に対する応答が改めて各交換品から送信されることになる。
【0082】
続いて、写真処理装置10が稼働している状態での本体制御部20の処理について説明する。前述のように、マガジン16に新たな印画紙ロール14が装填されると、マガジン16のRFID50のメモリ62には、印画紙ロール14に付加されているタグ78に予め書き込まれている印画紙12の属性情報(幅サイズや長さ、面種、メーカ名、処方名等)が書き込まれるが、このうち「長さ」は、印画紙ロール14が製造工場から製品として出荷される際の長さであり、写真処理装置10の稼働に伴いマガジン16から印画紙12が引き出されて消費されることで、マガジン16に収納されている印画紙12の長さ(残長)は徐々に減少する。
【0083】
このため、写真処理装置10の稼働中、本体制御部20はマガジン装填部に装填されているマガジン16から引き出されて消費された印画紙12の長さを検出し、マガジン管理テーブルに登録されている「残長」を適宜更新すると共に、対応するマガジン16のRFIDタグ50に対し、メモリ62に書き込まれている印画紙12の「長さ」を、マガジン管理テーブルに登録されている更新後の「残長」と同一の値へ更新するよう要求する情報を送信する。
【0084】
この情報が対応するマガジン16のRFIDタグ50で受信されると、前述の通信処理(図6)が起動されると共に、ステップ180で本体制御部20からの要求がメモリ62への情報の書き込みであると判断されることでステップ200へ移行し、本体制御部20から受信した情報(残長)が、メモリ62に書き込まれている「長さ」に上書きされて書き込まれる。上記処理により、個々の交換品のRFIDタグ50のメモリ62に書き込まれている情報が、交換品管理テーブルに登録されている情報と一致されることになる。
【0085】
また、本体制御部20は、マガジン管理テーブルに登録されている各マガジン16の「残長」の変化を常に監視しており、2個の装填部の何れかに装填されているマガジン16の「残長」が所定値以下になると、前記マガジン16が装填されている装填部に次に装填すべきマガジン16(マガジン16の交換スケジュール)を、マガジン管理テーブルに登録されている情報や、写真処理装置10で実行予定のプリントジョブとして登録されているプリントジョブの種類に基づいて判断し、残長が0になった時点で判断したマガジン16への交換を顧客へ要請する処理を行う。なお、この処理は請求項5(詳しくは請求項6)に記載の指示手段に相当する処理であり、この処理を行う本体制御部20は請求項5(詳しくは請求項6)に記載の指示手段に対応している。
【0086】
具体的には、例えば収納されている印画紙12が所定の紙幅で残量の少ないマガジン16(便宜上これを「No.3マガジン」とする)がストックされており、所定の紙幅の印画紙12を用いるプリントジョブの実行が予定されている場合には、そのプリントジョブを先に行うことでNo.3マガジンに収納されている印画紙12を使い切ってしまうために、次に装填すべきマガジン16をNo.3マガジンとする。そして、装填されているマガジン16に収納されている印画紙12の残量が0になった時点で、「マガジン装填部1に装填されているマガジンをNo.3マガジンに交換して下さい。」等のメッセージを表示部90に表示させることで、No.3マガジンへの交換を要請する。
【0087】
また、このときポストカード用の紙幅の印画紙12を用いる大量のプリントジョブの実行が予定されていることを検知した場合には、No.3マガジンに収納されている印画紙12を使い切った後にNo.3マガジンへセットすべき印画紙12としてポストカード用の紙幅の印画紙12を選択し、例えば「No.3マガジンの残量が0になったら、次にポストカード用印画紙400m巻をNo.3マガジンにセットして下さい。」等のメッセージを表示部90に表示させることが好ましい。
【0088】
マガジン16には写真処理装置10で処理可能な各種紙幅の印画紙ロール14をセット可能であるが、写真処理装置10のマガジン装填部に一旦マガジン16を装填し、該マガジン16から印画紙12を引き出してしまうと、遮光性を維持したまま途中で写真処理装置10から印画紙12を抜き取ってマガジン16内へ巻き戻すことは困難であり、一部の印画紙12が感光して無駄になると共に、マガジン16内への印画紙12の巻き戻しにも時間がかかる。
【0089】
従って、上記のように、マガジン装填部に一旦装填されたマガジン16に収納されている印画紙12をなるべく使い切ってしまうように、登録されている実行予定のプリントジョブに基づき把握可能なプリントスケジュールの範囲内で、マガジン16の交換スケジュールを決定することにより、写真処理装置10の処理効率が最良となり、無駄になる印画紙12が最小となる交換スケジュールでマガジン16を交換させることができる。
【0090】
また、マガジン装填部に次に装填すべきマガジン16や、マガジン16に次に装填すべき印画紙ロール14の判断にあたり、写真処理装置10の今後の運転スケジュールも参照し、今後の運転スケジュールも勘案して上記の判断を行うようにしてもよい。例えば、写真処理装置10の今後の運転スケジュールを参照した結果、所定時間以内に無人運転が行われることが判明した場合には、無人運転の期間には大量に注文される第1の紙幅の印画紙12を用いたプリントジョブを実行するために、第1の紙幅で残量が多い印画紙12を収納しているマガジン16をマガジン装填部に装填させ、無人運転が開始される迄の期間には、注文量が比較的少ない第2の紙幅で残量が少ない印画紙12を用いたプリントジョブを実行するために、第2の紙幅の印画紙12を収納しているマガジン16をマガジン装填部に装填させるようにマガジン交換スケジュールを決定してもよい。これにより、無人運転期間における写真処理装置10の写真処理の実行時間を最長とすることができ、写真処理装置10の稼働率を向上させることができる。
【0091】
また、交換品管理テーブルに登録されている情報に基づいて次に装填すべき交換品を判断することは、上記のようにマガジン16の交換に限られるものではなく、補充液カートリッジ42,44,46やカッタ/ソータ40、廃液タンク48の交換にも適用可能である。すなわち、交換品管理テーブルには、写真処理装置10に装填されている交換品のみならず、写真処理装置10の周囲にストックされている交換品の情報も登録されているので、該テーブルを参照すれば写真処理装置10の周囲にどのような交換品がストックされているのかも把握することができる。
【0092】
従って、例えば廃液タンク装填部に装填されている廃液タンク48が満杯になったことを検出した場合に、廃液タンク48の管理テーブルを参照することで空の廃液タンク48(便宜上これを「No.2廃液タンク」とする)がストックされていることを認識し、「本体内廃液タンクが満杯です。No.2廃液タンクと交換して下さい。」等のメッセージを表示部90に表示させることで、廃液タンク48の交換を顧客へ要請することができる。
【0093】
また、大量のポストカードのプリントを行うことを検知した場合に、カッタ/ソータ40の管理テーブルを参照することで、カッタ/ソータ装填部に現在装填されている25件ソータよりも大量のポストカードのプリントに適した大サイズトレイがストックされていることを認識し、「ポストカードを大量にプリントします。25件ソータから大サイズトレイに交換して下さい。」等のメッセージを表示部90に表示させることで、最適なカッタ/ソータ40への交換を顧客へ要請することも可能となる。
【0094】
上記の処理も請求項5(詳しくは請求項6)に記載の指示手段に相当する処理であり、この処理を行う本体制御部20は請求項5(詳しくは請求項6)に記載の指示手段に対応している。
【0095】
なお、上記では本発明に係る交換品として、マガジン16、補充液カートリッジ42,44,46、カッタ/ソータ40、廃液タンク48を例に説明したが、これに限定されるものでない。例えば写真処理装置の交換品としては、上記以外にもフィルムキャリア、照合機、受付機、内蔵エレキ基板等があり、本発明に係る交換品としてこれらを適用するようにしてもよいことは言うまでもない。具体的には、例えば本発明に係る交換品として内蔵エレキ基板を適用した場合、本体制御部20において、自己診断により印画紙12に記録した画像の異常等を検知したときに、内蔵エレキ基板の管理テーブルを参照することで同型の内蔵エレキ基板がストックされていることを認識し、「□□基板と交換して下さい。」等のメッセージを表示部90に表示させることで、内蔵エレキ基板の交換をオペレータ(或いは顧客)へ要請することができる。
【0096】
また、写真処理装置10を操作する個々のオペレータに、RFIDタグ50や検出端子74を設けたIDカード(これも本発明に係る交換品に相当している)を各々所持させると共に、該IDカードを装填するための装填部端子72付きのIDカード装填部を写真処理装置10に設け、オペレータが写真処理装置10を操作する場合に、所持しているIDカードをIDカード装填部に装填させるようにしてもよい。通常、写真処理装置10の操作画面は操作するオペレータの習熟度に応じてカスタマイズ可能とされており、操作に熟知しているオペレータは生産性向上のためにガイダンス画面をスキップするが、写真処理装置10を操作するオペレータにIDカードを装填させるようにすれば、操作するオペレータを写真処理装置10側が認識し、認識したオペレータ用にカスタマイズした操作画面を表示させる等の処理を行うことが可能となる。
【0097】
また、上記では交換品が画像形成装置の所定の装填部に装填されているか否か機械的な接触の有無に基づいて検知する態様を説明したが、これに限定されるものではなく、赤外線や磁気等を利用して上記の検知を非接触で行うことも可能である。例えば所定の装填部に装填されているか否かを赤外線を利用して検知することは、例えば画像形成装置の所定の装填部に、装填された交換品へ向けて赤外線を照射する発光素子を設けると共に、交換品が所定の装填部に装填された場合に発光素子からの赤外線を受光する位置に受光素子を設けておき、受光素子が赤外線を受光しているか否かを交換品側で判断することで実現できる。
【0098】
更に、上記では本発明に係る画像形成装置として写真処理装置10を例に説明したが、本発明は交換品(消耗品)が装填される画像形成装置であれば適用可能であり、例えばインクジェットプリンタ、電子写真方式により画像を形成する画像形成装置、熱現像/光定着により画像を形成する画像形成装置等の公知の各種画像形成装置に適用可能であることは言うまでもない。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る交換品は、記憶素子に記憶されている所定の情報を含む情報を画像形成装置に無線で送信すると共に、交換品が画像形成装置の装填部に装填されているか否かを検知し、交換品が装填部に装填されているか否かに応じて、送信する情報を相違させるので、画像形成装置と交換品との間の情報の送受に通信可能距離が比較的長い通信方式の無線通信を適用した場合にも、画像形成装置に装填されている交換品とストックされている交換品を低コストで識別することが可能となる、という優れた効果を有する。
【0100】
また、本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る交換品から無線で送信された情報を受信し、受信した情報に基づいて、情報送信元の交換品が装填部に装填されているか否かを識別するので、画像形成装置と交換品との間の情報の送受に通信可能距離が比較的長い通信方式の無線通信を適用した場合にも、画像形成装置に装填されている交換品とストックされている交換品を低コストで識別することが可能となる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る写真処理装置の概略構成図である。
【図2】写真処理装置のICタグヘッドと交換品のRFIDタグとの通信を示す概略図である。
【図3】(A)はマガジン以外の交換品に付加されているRFIDタグとICタグヘッドの構成、(B)はマガジンに付加されているRFIDタグの構成を各々示す概略ブロック図である。
【図4】(A)はマガジンの概略構成図、(B)はマガジン及び装填部に各々設けられている端子を示す斜視図である。
【図5】本体制御部で実行される交換品検出処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】RFIDタグで実行される通信処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 写真処理装置
14 印画紙ロール
16 マガジン
20 本体制御部
40 カッタ/ソータ
42 補充液カートリッジ
44 補充液カートリッジ
46 補充液カートリッジ
48 廃液タンク
50 RFIDタグ
62 メモリ
64 ICタグヘッド
72 装填部端子
74 検出端子
78 タグ
90 表示部
94 記憶部
【発明の属する技術分野】
本発明は交換品及び画像形成装置に係り、特に、画像形成装置に装填可能な交換品、及び、該交換品を装填可能な画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真プリンタやインクジェットプリンタ等の画像形成装置において、画像記録材料への画像記録を継続的に行うためには、画像形成装置に装填する交換品(例えば画像記録媒体が収納されたマガジンや補充液が封入されたカートリッジ等)を定期的に交換する必要があるが、単なる交換品の交換に留まらず、画像形成装置に何時どのような交換品が装填されたか等を管理したり、正規品以外の交換品が画像形成装置に装填されることを阻止する等を目的として、交換品の装填に際し、装填される交換品に予め担持された情報を読み取ったり、或いは装填される交換品に所定の情報を担持させる等の処理を行うことが検討されている。
【0003】
上記に関連して特許文献1には、複写機のカートリッジ室の近傍に反射波スキャナを設置すると共に、純正トナーカートリッジに純正品であることを示すLC共振タグを取付けておき、トナーカートリッジが複写機に装填されると、LC共振タグの反射波を解析して純正品か否かを判定する技術が開示されている。また最近では、無線通信により情報の読み出しや書き込みが可能で安価な媒体としてRFIDタグ(Radio Frequency IDentification)が注目されるようになってきている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−298711号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、RFIDタグには電磁結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式等の各種方式があり、各方式毎に通信可能距離が相違しているが、画像形成装置が複数種の交換品を装填可能な構成であることを考慮すると、画像形成装置の交換品に付加するRFIDタグとしてはマイクロ波方式が有力である。すなわち、マイクロ波方式は通信可能距離が比較的長い(例えば半径数m程度)ため、RFIDタグとの無線通信を行うためのICタグヘッドを個々の交換品毎に設ける必要がなくなり、画像形成装置本体のコストダウンを実現できる。
【0006】
しかしながら、画像形成装置の一般的な使用環境では、画像形成装置が設置されている箇所の周囲に未装填の交換品がストックされていることが多い。このため、RFIDタグとしてマイクロ波方式を採用した場合、画像形成装置に設けたICタグヘッドが、画像形成装置に装填されている交換品のみならず、装置の設置箇所の周囲にストックされている交換品とも通信可能になってしまい、装置に装填されている交換品と周囲にストックされている交換品とを識別することが困難になるという問題が生ずる。
【0007】
なお、上記の問題は写真プリンタやインクジェットプリンタ等の画像形成装置に限られるものではなく、交換品が装填可能な他の画像形成装置(例えば熱現像/光定着により画像を形成する画像形成装置や電子写真方式で画像を形成する画像形成装置等)において、比較的通信可能距離の長いRFIDタグ等を付加すれば生じ得る問題である。
【0008】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、画像形成装置と交換品との間の情報の送受に通信可能距離が比較的長い通信方式の無線通信を適用した場合にも、画像形成装置に装填されている交換品とストックされている交換品を低コストで識別することが可能な交換品及び画像形成装置を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る交換品は、画像形成装置に装填可能な交換品であって、所定の情報を記憶する記憶素子と、前記記憶素子に記憶されている所定の情報を含む情報を前記画像形成装置に無線で送信する送信手段と、前記交換品が前記画像形成装置の所定の装填部に装填されているか否かを検知する検知手段と、前記交換品が前記画像形成装置の所定の装填部に装填されていることが前記検知手段によって検知されているか否かに応じて、前記送信手段によって送信される情報を相違させる制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項1記載の発明に係る交換品は、画像形成装置の所定の装填部に装填可能とされている。例えば画像形成装置が、画像が記録された記録材料を処理槽内に貯留されている処理液に浸漬して処理する写真処理装置である場合、交換品としては、例えば記録材料を収納するマガジン、処理液に補充するための補充液が封入された補充液カートリッジ、記録材料を画像単位で切断することで得られる写真プリントを仕分けするためのソータ、廃液タンク等が挙げられる。また、例えば画像形成装置が、電子写真方式により記録材料に画像を形成する画像形成装置である場合、交換品としては、例えば記録材料を収納するマガジンや、トナーが封入されたトナーカートリッジ等が挙げられる。
【0011】
ここで、請求項1記載の発明に係る交換品には、所定の情報を記憶する記憶素子が設けられており、送信手段は、記憶素子に記憶されている所定の情報を含む情報を画像形成装置に無線で送信する。なお、RFIDタグは上記の記憶素子及び上記の送信手段として機能することが可能であり、記憶素子及び送信手段はRFIDタグで構成することができる。また、送信手段の無線通信は画像形成装置側のコスト低減のために通信可能距離が比較的長い通信方式が好ましく、記憶素子及び送信手段をRFIDタグで構成する場合にはマイクロ波方式のRFIDタグが好適である。
【0012】
なお、所定の情報としては、例えば個々の交換品を識別するための識別情報、個々の交換品の属性(例えば記録材料を収納するマガジンであれば、収納している記録材料の種類やサイズ、残量等)を表す属性情報、交換品の種類を表す種類情報(交換品が複数種存在する場合)の少なくとも1つを含んで構成することができる。所定の情報に識別情報を含めた場合には、情報送信元の交換品が正規の交換品か否かを画像形成装置側で判断することができ、所定の情報に属性情報を含めた場合には、情報送信元の交換品の属性を画像形成装置側で把握することができ、所定の情報に識別情報を含めた場合には、情報送信元の交換品の種類を画像形成装置側で判断することができる。
【0013】
また、請求項1記載の発明には、交換品が画像形成装置の所定の装填部に装填されているか否かを検知する検知手段が設けられている。検知手段は、所定の装填部に装填されているか否かを、機械的な接触の有無に基づいて検知する構成であってもよいし、赤外線や磁気等を利用して非接触で検知する構成であってもよい。
【0014】
例えば所定の装填部に装填されているか否かを機械的な接触の有無に基づいて検知する場合、検知手段としては、例えば交換品が所定の装填部に装填されている状態で、何らかの部材に接触することで接点が切り替わるスイッチ等で構成することができる。また、例えば請求項2に記載したように、画像形成装置の所定の装填部に、装填された交換品へ所定の信号を出力するための複数の第1接点が設けられている場合には、検知手段は、交換品が画像形成装置の所定の装填部に装填された状態で複数の第1接点に接触する複数の第2接点を備え、第1接点と第2接点との接触に伴って所定の信号が入力されているか否かに基づいて、交換品が画像形成装置の所定の装填部に装填されているか否かを検知するように構成することも可能である。上記何れの態様についても、赤外線や磁気等を利用して非接触で検知する等の場合と比較して、装填部に装填されているか否かを低コストで検出することができる。
【0015】
そして制御手段は、交換品が画像形成装置の所定の装填部に装填されていることが検知手段によって検知されているか否かに応じて、送信手段によって送信される情報を相違させる。これにより、画像形成装置側では、交換品の送信手段から受信した情報が、検知手段によって装填が検知されているときに対応する情報か、装填が検知されていないときに対応する情報かを判断することで、情報送信元の交換品が、装填部に装填されている状態の交換品か装填部に装填されていない状態の交換品かを識別することができる。従って請求項1記載の発明によれば、画像形成装置と交換品との間の情報の送受に通信可能距離が比較的長い通信方式の無線通信を適用した場合にも、画像形成装置に装填されている交換品とストックされている交換品を低コストで識別することが可能となる。
【0016】
なお、画像形成装置に、互いに異なる交換品が装填される複数の装填部が設けられており、検知手段が、請求項2に記載したように、第1接点と第2接点との接触に伴って所定の信号が入力されているか否かに基づいて、交換品が画像形成装置の所定の装填部に装填されているか否かを検知する構成である場合には、例えば請求項3に記載したように、個々の装填部に設けられた第1接点を介し、前記所定の信号として、個々の装填部を識別する識別情報が出力され、制御手段は、交換品が画像形成装置の所定の装填部に装填されていることが検知手段によって検知されている場合に、所定の信号として入力された識別情報を付加した情報を送信手段によって送信させることが好ましい。
【0017】
上記の識別情報は個々の装填部を識別する情報であり、個々の装填部毎に相違する情報となるので、交換品から情報を受信した画像形成装置側で、受信した情報に付加されている識別情報を参照することで、情報送信元の交換品が何れの装填部に装填されている交換品かを容易に識別することができる。
【0018】
請求項4記載の発明に係る画像形成装置は、所定の装填部に請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の交換品を装填可能な画像形成装置であって、前記交換品の前記送信手段から無線で送信された情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された情報に基づいて、情報送信元の交換品が前記所定の装填部に装填されているか否かを識別する識別手段と、を含んで構成されている。
【0019】
請求項4記載の発明に係る画像形成装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の交換品が所定の装填部に装填可能とされている。なお、画像形成装置が、例えば請求項7に記載したように、画像が記録された記録材料を処理槽内に貯留されている処理液に浸漬して処理する写真処理装置である場合、交換品としては、例えば記録材料を収納するマガジン、処理液に補充するための補充液が封入されたカートリッジ、記録材料を画像単位で切断することで得られる写真プリントを仕分けするためのソータ、廃液タンクの少なくとも1つを適用することができる。
【0020】
また、請求項4記載の発明は、交換品の送信手段から無線で送信された情報を受信する受信手段を備えている。交換品から送信される情報は、前述のように、交換品が画像形成装置の所定の装填部に装填されていることが検知されているか否かに応じて相違される。このため、請求項4記載の発明に係る識別手段は、受信手段によって受信された情報に基づいて、情報送信元の交換品が所定の装填部に装填されているか否かを識別する。
【0021】
このように、請求項4記載の発明では、交換品が画像形成装置に装填されているか否かが交換品側で検知されるので、画像形成装置側では、情報送信元の交換品が所定の装填部に装填されているか否かを、受信した情報に基づき低コストで識別することができる。従って、請求項4記載の発明によれば、画像形成装置と交換品との間の情報の送受に通信可能距離が比較的長い通信方式の無線通信を適用した場合にも、画像形成装置に装填されている交換品とストックされている交換品を低コストで識別することが可能となる。
【0022】
なお、所定の装填部に装填可能な交換品が請求項2又は請求項3記載の交換品である場合には、交換品側における画像形成装置に装填されているか否かの検知が、機械的な接触の有無に基づいて行われることになるので、交換品自体のコストが嵩むことも防止することができ、画像形成装置に装填されている交換品とストックされている交換品を更に低コストで識別することができる。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、交換品から送信される情報には、個々の交換品を識別するための識別情報及び個々の交換品の属性を表す属性情報が含まれており、識別手段による識別結果及び受信手段によって個々の交換品から受信された情報に基づいて、ストックされている交換品の数量及び属性を認識して交換品の最適な交換スケジュールを決定し、決定した交換スケジュールに従い次に装填すべき交換品を指示する指示手段を更に備えたことを特徴としている。
【0024】
画像形成装置に未装填の交換品が画像形成装置の周囲にストックされており、画像形成装置の受信手段が、画像形成装置に装填されている交換品のみならず、画像形成装置の周囲にストックされている交換品から送信された情報も受信する場合にも、本発明によれば、画像形成装置に装填されている交換品とストックされている交換品を識別可能であることを利用し、請求項5記載の発明では、個々の交換品を識別するための識別情報及び個々の交換品の属性を表す属性情報を含む情報を、交換品から送信させている。
【0025】
これにより、識別手段による識別結果及び受信手段によって個々の交換品から受信された情報に基づいて、ストックされている交換品の数量を認識できると共にストックされている個々の交換品の属性も認識することができ、数量及び属性の認識結果に基づいて、実施可能な交換品の交換スケジュールを把握することができる(例えばストックされている交換品として交換品A,B,Cが存在していることを認識した場合、交換スケジュールとしてA→B→C,A→C→B,B→A→C,B→C→A,C→A→B,C→B→Aの6通りが実施可能であると把握できる)。
【0026】
ここで、ストックされている個々の交換品が同一構成であれば、実施可能な複数の交換スケジュールのうち何れの交換スケジュールを採用したとしても差異は生じないが、ストックされている個々の交換品の属性が相違している場合には、採用する交換スケジュールにより画像形成装置の処理効率や無人運転期間の長さに差異が生ずる。
【0027】
例えば本発明に係る画像形成装置が写真処理装置であり、ストックされている交換品として、収納している記録材料のサイズが各々異なる複数のマガジンが存在している場合、現在装填されているマガジンと同サイズの記録材料を収納しているマガジンを優先的に装填させる交換スケジュールを採用すれば、写真処理装置において、装填されたマガジンに収納されている記録材料のサイズに応じて記録材料を案内するガイドの幅を変更する処理の実行回数を低減することができるので、画像形成装置(写真処理装置)の処理効率が向上する。
【0028】
また、例えば本発明に係る画像形成装置が写真処理装置であり、ストックされている交換品として、収納している記録材料の残量が各々異なる複数のマガジンが存在している場合、収納している記録材料の残量が最大のマガジンが、予定している無人運転期間に写真処理装置へ装填させる交換スケジュールを採用すれば、写真処理装置の無人運転期間における写真処理の実行時間を最長とすることができる。
【0029】
上記に基づき指示手段は、ストックされている交換品の数量及び属性を認識して、交換品の最適な交換スケジュール(例えば画像形成装置における処理効率が最良となる交換スケジュールや、無人運転期間における写真処理の実行時間の長さが最長となる交換スケジュール)を決定し、決定した交換スケジュールに従い次に装填すべき交換品を指示する。なお、次に装填すべき交換品の指示は、次に装填すべき交換品を特定するための情報を含む所定のメッセージを表示部に表示させることで行ってもよいし、音声によって指示するようにしてもよい。これにより、最適な交換スケジュールで交換品を交換させることを容易に実現することができる。
【0030】
なお、請求項5記載の発明において、互いに異なる種類の交換品が装填される複数の装填部が画像形成装置に設けられており、交換品から送信される情報に、個々の交換品の種類を表す種類情報が含まれている場合、指示手段は、例えば請求項6に記載したように、ストックされている交換品の数量及び属性を、受信手段によって個々の交換品から受信された種類情報に基づき交換品の種類毎に認識し、交換品の種類毎に交換スケジュールを決定することが好ましい。これにより、複数の装填部に装填される交換品を、各々最適な交換スケジュールで交換させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1にはDPE店等に設置される写真処理装置10が示されている。なお、写真処理装置10は請求項4に記載の画像形成装置に対応している。
【0032】
写真処理装置10は印画紙に画像を露光記録し、該印画紙に現像等の処理を施して写真プリントを作成する装置であり、長尺状の印画紙12が巻芯にロール状に巻回されて成る印画紙ロール14を収納したマガジン16の装填及び取り外しが可能なマガジン装填部が、図1における機体の左方側の2箇所に各々形成されている。従って、本実施形態に係る写真処理装置10は2個のマガジン16を装填可能とされている(図1は2箇所のマガジン装填部にマガジン16が各々装填されている状態を示している)。なお、マガジン16は請求項1に記載の交換品に対応している。
【0033】
マガジン装填部に装填されているマガジン16内の印画紙ロール14から引き出された長尺状の印画紙12は、一旦上方へ向けて搬送された後に搬送方向が略90°変更されて略水平に搬送される。印画紙12の水平搬送路の上方には露光部18が配置されている。露光部18は、印画紙12に記録すべき画像に応じて変調したレーザビームを、水平搬送路を搬送される印画紙12上で走査露光させることで、印画紙12に画像を露光記録する。写真処理装置10は写真処理装置10の各部の動作を制御する本体制御部20を備えている。露光部18は本体制御部20に接続されており、露光部18による印画紙12への画像の露光記録は本体制御部20によって制御される。
【0034】
また、本体制御部20には、キャリアによって搬送される写真フィルム等の原稿に記録されている画像を読み取り、読取結果を画像データとして出力するスキャナ/キャリア22が接続可能とされている。本体制御部20にスキャナ/キャリア22が接続されている場合、露光部18におけるレーザビームの変調に用いる画像データは、本体制御部20を介してスキャナ/キャリア22から供給される。なお、変調に用いる画像データは、デジタルスチルカメラ(DSC)によって被写体が撮影されることで得られる画像データであってもよい。
【0035】
また、写真処理装置10にはプロセッサ部24が設けられている。プロセッサ部24には、発色現像液が貯留された発色現像槽26、漂白定着液が貯留された漂白定着槽28、水洗水が貯留された第1水洗槽30、第2水洗槽32、第3水洗槽34及び第4水洗槽36が水平方向に沿って順に設けられている。プロセッサ部24へ送られた印画紙12は、発色現像槽26内の発色現像液中を搬送され、漂白定着槽28内の漂白定着液中を搬送された後に第1水洗槽30へ送られ、水洗水中を搬送されたまま第1水洗槽30から第4水洗槽36へと搬送される。
【0036】
第4水洗槽36の下流側には乾燥部38が設けられており、第4水洗槽36での水洗処理が完了した印画紙12は第4水洗槽36から乾燥部38へ送られ、図示しないファン及びヒータによって生成された熱風が供給されて表面が乾燥される。また、乾燥部38の上方側にはカッタ/ソータ装填部が設けられており、このカッタ/ソータ装填部にはカッタ/ソータ40が装填されている。乾燥部38で表面が乾燥された印画紙12は、カッタ/ソータ40によって画像齣単位で切断されて多数枚の写真プリントとして切り出された後に、切り出された多数枚の写真プリントが個々の注文毎に仕分けされる。
【0037】
なお、本実施形態ではカッタ/ソータ40として、互いに構成が異なる複数種類のカッタ/ソータ(例えば単一の注文に対応する写真プリントを収納するための収納部の数が異なるカッタ/ソータ)が用意されており、カッタ/ソータ装填部には複数種類のカッタ/ソータの中から顧客によって選択されたカッタ/ソータが装填される。このカッタ/ソータ40も請求項1に記載の交換品に対応している。
【0038】
また、本実施形態に係る写真処理装置10では、発色現像槽26内の発色現像液に補充するための発色現像補充液が、補充液カートリッジ42に封入された状態で供給され、漂白定着槽28内の漂白定着液に補充するための漂白定着補充液(2液)が、補充液カートリッジ44,46に封入された状態で供給される。プロセッサ部24の水洗槽30〜36の下方には、3種類の補充液カートリッジ42,44,46の各々に対応して、各補充液カートリッジの装填及び取り外しが可能なカートリッジ装填部が各々設けられている(図1は補充液カートリッジ42,44,46が対応するカートリッジ装填部に各々装填された状態を示している)。
【0039】
各カートリッジ装填部には、装填された補充液カートリッジ42,44,46に封入されている補充液を各々対応する処理槽(発色現像槽26又は漂白定着槽28)に補充する補充機構が設けられている。この補充機構は本体制御部20によって動作が制御され、補充液カートリッジ42,44,46から供給される補充液を、写真処理装置10における印画紙12の処理面積等に応じた補充量だけ対応する処理槽へ補充する。補充液カートリッジ42,44,46も請求項1に記載の交換品に対応している。
【0040】
なお、図示は省略するが写真処理装置10の内部には、写真処理装置10の稼働に伴って発生する廃液を貯留するための廃液タンク48(図2参照)の装填及び取り外しが可能な廃液タンク装填部も設けられている。廃液タンク装填部には、写真処理装置10の稼働に伴って発生した廃液を、廃液タンク装填部に装填されている廃液タンク48内へ案内する案内機構も設けられている。廃液タンク48も請求項1に記載の交換品に対応している。
【0041】
図2に示すように、写真処理装置10の交換品としてのマガジン16、カッタ/ソータ40、補充液カートリッジ42,44,46及び廃液タンク48には、RFIDタグ50が各々付加されており、写真処理装置10には、各交換品に付加されたRFIDタグ50と無線通信を行うためのICタグヘッド64が設けられている。なお、ICタグヘッド64は請求項4に記載の受信手段に対応している。
【0042】
図3に示すように、RFIDタグ50はアンテナ52と一体化されており、電源回路54、RF回路56、変換回路58、CPU60及びメモリ62を含んで構成されている。電源回路54はアンテナ52と共に共振回路を構成しており、アンテナ52により特定周波数の電波が受信されると相互誘導作用によって図示しないコンデンサに電力を蓄積し、蓄積した電力を整流してCPU60や他の回路に供給するように構成されている。CPU60はRFIDタグ50の各部の動作を制御する。
【0043】
またRF回路56は、アンテナ52により電波が受信された場合には、アンテナ52から出力される信号を増幅して変換回路58へ出力し、変換回路58から信号が入力された場合には、該信号を増幅してアンテナ52へ供給する。変換回路58は、RF回路56から入力された信号を復調し、復調によって得られたデジタルデータをCPU60へ出力すると共に、CPU60から入力されたデジタルデータで搬送波信号を変調し、変調後の信号をRF回路56へ出力する。
【0044】
また、メモリ62としては、情報の読み取り及び書き込みが可能な不揮発性のメモリ(例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory))を用いることができる。メモリ62には、RFID50が付加されている交換品の種別(マガジン・補充液カートリッジ・カッタ/ソータ・廃液タンク)、個々の交換品を識別するための交換品ID、交換品の属性を表す属性情報等の情報が予め書き込まれている。なお、上述したRFIDタグ50のうち、 メモリ62は請求項1に記載の記憶素子に対応しており、メモリ62以外の部分は請求項1に記載の送信手段に対応している。
【0045】
本実施形態では、RFIDタグ50としてマイクロ波方式で通信を行うRFIDタグを用いている。このマイクロ波方式は通信可能距離が数m程度とされているので、写真処理装置10に単一のICタグヘッドを設ければ、該ICタグヘッドにより、写真処理装置10に装填された各交換品に付加されているRFIDタグ50と各々通信可能である。このため、本実施形態に係る写真処理装置10には、RFIDタグ50と無線通信を行う機能を備えた単一のICタグヘッド64が設置されている。ICタグヘッド64は、アンテナ66、RF回路68及び変換回路70を備えており、本体制御部20に接続されている。
【0046】
RF回路68は、アンテナ66により電波が受信された場合には、アンテナ66から出力される信号を増幅して変換回路70へ出力し、変換回路70から信号が入力された場合には、該信号を増幅してアンテナ66へ供給する。また変換回路70は、RF回路68から入力された信号を復調し、復調によって得られたデジタルデータを本体制御部20へ出力すると共に、本体制御部20から入力されたデジタルデータで搬送波信号を変調し、変調後の信号をRF回路68へ出力する。
【0047】
なお、DPE店では通常、写真処理装置10に装填している交換品以外の各種交換品(マガジン16や補充液カートリッジ42,44,46、カッタ/ソータ40、廃液タンク48)を写真処理装置10の周囲にストックしているが、前述のように、マイクロ波方式は通信可能距離が数m程度あるため、図2にも示すように、ICタグヘッド64は、写真処理装置10に装填されている交換品に付加されているRFID50のみならず、写真処理装置10の周囲にストックされている交換品に付加されているRFIDタグ50とも通信可能とされている。
【0048】
また、写真処理装置10の各交換品が装填される装填部(マガジン装填部、カートリッジ装填部、カッタ/ソータ装填部及び廃液タンク装填部)には、各装填部に装填された交換品に対し、装填部に装填された状態であることを検知させると共に、装填されている装填部を認識するための装填部端子72が設けられている(図3及び図4(B)を参照)。
【0049】
本実施形態に係る装填部端子72は、写真フィルムのパトローネに付加されているDXコードと同様に、扁平な矩形状の導電体の表面が複数個の接点領域(図4(B)の例では5個の接点領域)に分割されており、そのうち1つの接点領域がグランドとされている(グランド領域)。本実施形態では、例として次の表1に示すように、個々の装填部に対して4ビットの識別コードを割り当てており、装填部端子72のグラウンド以外の接点領域(信号接点領域)は識別コードの各ビットに対応しており、対応するビットの値が「0」の信号接点領域についてのみ、表面が絶縁体で覆われている。なお、装填部端子72の個々の接点領域は請求項2に記載の第1接点に対応している。また、表1に示す装填部識別コードは請求項3に記載の識別情報に対応している。
【0050】
【表1】
【0051】
一方、例として図4(B)に示すように、個々の交換品には、対応する装填部に装填された状態で、装填部に設けられている装填部端子72に対応する位置に、検出端子74が設けられている(図4(B)はマガジン16に設けられた検出端子74を例として示す)。検出端子74は、交換品が対応する装填部に装填された状態で、装填部端子72の各接点領域と接触する複数の接点から構成されており、RFIDタグ50のCPU60に接続されている(図3参照)。なお、検出端子74の個々の接点は請求項2に記載の第2接点に対応している。
【0052】
これにより、交換品が装填部に装填され、検出端子74が装填部端子72と機械的に接触すると、検出端子74の各接点のうち、グランド領域に接触している接点と、表面が絶縁体で覆われていない信号接点領域に接触している接点の間が導通するので、RFIDタグ50のCPU60は、検出端子74の個々の端子の導通/非導通を確認することで、交換品が装填部に装填されているか否か判断できると共に、交換品が装填されている装填部を判断することができる(交換品が装填部に装填されていなければ検出端子74の個々の端子の間は全て非導通となり、交換品が特定の装填部に装填されていれば、検出端子74の個々の端子の導通/非導通が特定の装填部の装填部識別コードに対応するパターンとなる)。このように、CPU60は検出端子74と共に請求項1に記載の検知手段(詳しくは請求項2に記載の検知手段)に対応している。
【0053】
また、図4(A)に示すように、マガジン16内に収納される印画紙ロール14の巻芯75にはタグ78が付加されている。図3(B)に示すように、タグ78は、印画紙ロール14としてロール状に巻回されている長尺状の印画紙12の幅サイズ、長さ、面種、メーカ名、該印画紙12に対する発色現像等の処理の処方名等の属性情報が予め書き込まれたメモリ80と、該メモリ80に接続された近距離通信手段82を含んで構成されている。なお、近距離通信手段82としては、例えば電磁結合方式や電磁誘導方式等のように通信可能距離が比較的短いRFIDタグを用いることができるが、これに代えて赤外線等を用いて通信を行う回路を適用してもよい。
【0054】
また、マガジン16に付加されているRFIDタグ50には、マガジン16に収納される印画紙ロール14のタグ78に対応して近距離通信手段84及び電源86が付加されている。電源86は、マガジン16内へ印画紙ロール14を収納させるためにマガジン16の蓋が開放されると近距離通信手段84及びRFIDタグ50に電力を供給する。なお、電源86は一次電池、二次電池、ソーラパネルの何れでもよいし、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0055】
RFIDタグ50のCPU60は、電源86から電力が供給されて作動した場合、印画紙ロール14に付加されているタグ78に対し、近距離通信手段84を介してメモリ80に書き込まれている情報の転送を要求する。これにより、メモリ80から読み出された印画紙12の属性情報が近距離通信手段82を介して送信され、この情報が近距離通信手段84で受信されてCPU60に入力される。CPU60はタグ78のメモリ80から読み出されて入力された情報をメモリ62に書き込む。
【0056】
一方、図2に示すように、本体制御部20には、LCD等から成る表示部90、テンキー等から成る操作部92、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)等から成る記憶部94が各々接続されている。記憶部94には、写真処理装置10に装填されている交換品及び写真処理装置10の周囲のストックされている交換品を、交換品の種別毎に管理する交換品管理テーブルを格納するためのエリアが設けられている。
【0057】
次に本実施形態の作用として、写真処理装置10の本体制御部20で実行される交換品検出処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。なお、この交換品検出処理は、例えば写真処理装置10の電源が投入されたり、写真処理装置10に装填されている交換品が交換されたことを検知したり、写真処理装置10の無人運転が開始される等のタイミングで実行される。
【0058】
本実施形態では、各回の交換品検出処理の実行を検出通番によって管理しており、検出通番は記憶部94に記憶され、交換品検出処理が実行される毎に1ずつインクリメントされる。ステップ150では記憶部94に記憶されている検出通番を読み出す。またステップ152では、写真処理装置10に装填されている交換品及び写真処理装置10の周囲にストックされている交換品に対し、メモリ62に記憶されている情報の送信を要求するための所定の情報に、ステップ150で付加した検出通番を付加し、検出通番を付加した所定の情報をICタグヘッド64を介し情報送信要求として送信する。
【0059】
次のステップ154では、何れかの交換品のRFIDタグ50から情報を受信したか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ156へ移行し、情報送信要求を送信してから所定時間が経過したか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ154に戻り、何れかの判定が肯定される迄ステップ154,156を繰り返す。
【0060】
一方、個々の交換品に付加されているRFIDタグ50のCPU60では、写真処理装置10の本体制御部20から何らかの情報(無線信号)を受信することで電源回路54を介して電力が供給されると、図6に示す通信処理を行う。
【0061】
ステップ180では、写真処理装置10の本体制御部20からの要求が情報の送信かメモリ62への情報の書き込みか判定する。受信した情報が情報送信要求に相当する情報である場合には、ステップ180からステップ182へ移行し、メモリ62に記憶されている送信通番を読み出す。なお、製造工場で製造されて出荷される個々の交換品には、送信通番の最小値(例えば0)がメモリ62に書き込まれたRFIDタグ50が付加される。
【0062】
ステップ184では、受信した情報送信要求に相当する情報に付加されている検出通番を抽出し、抽出した検出通番をステップ182でメモリ62から読み出した送信通番と比較し、送信通番が検出通番よりも小さいか否か判定する。ステップ184の判定が肯定された場合には、写真処理装置10の本体制御部20で実行されている今回の交換品検出処理に対して情報の送信を行っていないと判断できるので、ステップ186へ移行し、写真処理装置の本体制御部20へ送信すべき情報をメモリ62から読み出す。なお、マガジン16に付加されているRFIDタグ50では、このステップ186において、メモリ62に予め書き込まれた印画紙12の属性情報も同時に読み出されることになる。
【0063】
また、次のステップ188では、検出端子74の個々の端子の間の導通/非導通を確認することで、装填部識別コードが入力されているか否かをチェックし、次のステップ190において、検出端子74を介して装填部識別コードが入力されているか否かを判定する。ステップ190の判定が否定された場合には、当該通信処理を実行しているRFIDタグ50が付加されている交換品は、装填部に装填されていないと判断できるので、何ら処理を行うことなくステップ194へ移行する。
【0064】
一方、装填部識別コードが入力されている(検出端子74の個々の端子の間の少なくとも1つが導通している)場合には、当該通信処理を実行しているRFIDタグ50が付加されている交換品は、入力されている装填部識別コードに対応する特定の装填部に装填されていると判断できる。このため、ステップ190の判定が肯定された場合にはステップ192へ移行し、ステップ186でメモリ62から読み出した情報に、検出端子74を介して入力されている装填部識別コードを付加する。
【0065】
なお、上記のステップ190,192は本発明に係る制御手段に相当する処理であり、この処理を行うCPU60は請求項1に記載の制御手段(詳しくは請求項3に記載の制御手段)に対応している。
【0066】
そして、次のステップ194では、写真処理装置10の本体制御部20へ送信すべき情報(ステップ186でメモリ62から読み出した情報又は該情報に装填部識別コードを付加した情報)を変換回路58へ出力することで、前記情報をアンテナ52を介して送信させる。
【0067】
写真処理装置10に装填されている交換品に付加されているRFIDタグ50及び写真処理装置10の周囲に存在している交換品に付加されているRFIDタグ50で上記の通信処理が各々行われることで、情報送信要求に対する応答が各交換品から各々送信される。この応答がICタグヘッド64で受信されることで、交換品検出処理(図5)のステップ154の判定が肯定され、ステップ158へ移行する。
【0068】
ステップ158では、交換品に付加されているRFIDタグ50から受信した情報から、管理テーブルに登録すべき情報(該RFIDタグ50が付加されている交換品の種別や交換品のID、属性情報等)を抽出する。次のステップ160では、RFIDタグ50から受信した情報に装填部識別コードが付加されているか否か判定する。なお、ステップ160は請求項4に記載の識別手段に相当する処理であり、この処理を行う本体制御部20は請求項4に記載の識別手段に対応している。
【0069】
受信した情報に装填部識別コードが付加されている場合、情報送信元のRFIDタグ50が付加されている交換品は、前記装填部識別コードに対応する装填部に装填されていると判断できる。このため、ステップ160の判定が肯定された場合にはステップ162へ移行し、受信した情報からステップ158で抽出した情報を、交換品の種別に対応する管理テーブルに装填中の交換品の情報として登録する。
【0070】
また、受信した情報に装填部識別コードが付加されていない場合には、情報送信元のRFIDタグ50が付加されている交換品は、装填されていない(ストックされている)交換品であると判断できる。このため、ステップ160の判定が否定された場合にはステップ164へ移行し、受信した情報からステップ158で抽出した情報を、交換品の種別に対応する管理テーブルにストック中の交換品の情報として登録する。
【0071】
そして、次のステップ166において、RFIDタグ50から送信された情報を正常に受信したことを表す所定の情報を、送信元のRFIDタグ50へ送信した後にステップ152に戻る。送信した情報送信要求に対する応答を複数の交換品のRFIDタグ50から受信した場合にも、上述したステップ158〜ステップ166は、単一の交換品のRFIDタグ50からの応答のみを処理するので、応答を未処理のRFIDタグ50から再度応答を送信させるために、ステップ152で情報送信要求が再度送信される。
【0072】
一方、個々の交換品に付加されたRFIDタグ50では、通信処理(図6)のステップ194で情報送信要求に対する応答を送信すると、次のステップ196で写真処理装置10の本体制御部20から正常に受信したことを表す所定の情報を受信したか否か判定する。判定が否定された場合には、本体制御部20において他の交換品のRFIDタグ50からの応答を処理したと判断できるので、何ら処理を行うことなく通信処理を一旦終了する。
【0073】
通信処理は本体制御部20から何らかの情報(信号)を受信する毎に起動されるので、本体制御部20における情報送信要求の再送信に伴い、再度通信処理が起動され、ステップ182〜ステップ194の処理が再度行われることになる。そして、情報送信要求に対する応答を送信し、写真処理装置10の本体制御部20から正常に受信したことを表す所定の情報を受信すると、ステップ196の判定が肯定されてステップ198へ移行し、先のステップ184で受信した情報送信要求から抽出した検出通番を、送信通番としてメモリ62に記憶させる。
【0074】
これにより、個々の交換品のRFID50では、或る検出通番が付加された情報送信要求を受信する毎に、正常受信が通知される迄の間は、受信した情報送信要求に対する応答を繰り返し送信し、正常受信が通知された後はステップ184の判定が否定されることで、新たな検出通番が付加された情報送信要求を受信する迄の間は情報送信要求に対する応答の送信を停止することになる。
【0075】
また、本体制御部20で実行される交換品検出処理(図5)では、情報送信要求を送信してから所定時間以内に応答を受信する毎に、単一の交換品のRFIDタグ50を単位としてステップ158〜ステップ166の処理を行い、同一の検出通番を付加した情報送信要求を再度送信するので、同一の検出通番を付加した情報送信要求を、写真処理装置10に装填されている交換品及び写真処理装置10の周囲にストックされている交換品の総数と同数回送信することで、全ての交換品についてステップ158〜ステップ166の処理が各々行われ、例として次の表2に示すような情報が交換品管理テーブルに登録されることになる。なお、表2は交換品の1つであるマガジン16の管理テーブルであるマガジン管理テーブルの一例を示している。
【0076】
【表2】
【0077】
写真処理装置10に装填されている交換品及び写真処理装置10の周囲にストックされている交換品の全てについて、管理テーブルに登録すると共に正常受信を通知すると、同一の検出通番を付加した情報送信要求を送信しても、何れの交換品からも応答が送信されなくなることで、ステップ156の判定が肯定されてステップ168へ移行する。
【0078】
ステップ168では、上述した処理によって情報が登録された交換品の各種別毎の管理テーブルを参照し、交換品の各種別の中に、対応する装填部に交換品が装填されていない種別が有るか否か判定する。写真処理装置10を稼働させるためには、各種別の交換品を対応する装填部に各々装填する必要があるので、上記判定は通常否定されるが、上記判定が肯定された場合には、対応する装填部に実際に交換品が装填されていないか、或いは対応する装填部に装填されている交換品が正規品でない可能性が高い(例えばRFIDタグ50が付加されていない、検出端子74が設けられていない、装填部識別コードをチェックし装填部識別コードが入力されている場合にはこれを応答に付加する処理を行わないRFIDタグが付加されている等)。
【0079】
このため、ステップ168の判定が否定された場合には何ら処理を行うことなくステップ172へ移行するが、ステップ168の判定が肯定された場合にはステップ170へ移行し、管理テーブル上で装填部に装填されている交換品が存在していない交換品の種別を明示し、装填部に交換品が装填されていないか、又は装填部に装填されている交換品が正規品でないことを警告するメッセージを表示部90に表示させる。
【0080】
なお、上記の警告メッセージを表示した後の処理としては、対応する装填部に正規品の交換品が装填される迄の間、写真処理装置10の稼働を停止させる処理を適用することが望ましいが、これに代えて、写真処理装置10の稼働を継続するか否かを顧客に確認するメッセージを表示部90に表示し、顧客が稼働継続を指示した場合には写真処理装置10の稼働を継続すると共に、顧客が稼働継続を指示したことを記憶部94に指示履歴情報として記憶させるようにしてもよい。
【0081】
次のステップ172では、記憶部94に記憶されている検出通番を1だけインクリメントして交換品検出処理を終了する。これにより、次に交換品検出処理が実行される際には、新たな検出通番が付加された情報送信要求が各交換品へ送信されることになり、情報送信要求に対する応答が改めて各交換品から送信されることになる。
【0082】
続いて、写真処理装置10が稼働している状態での本体制御部20の処理について説明する。前述のように、マガジン16に新たな印画紙ロール14が装填されると、マガジン16のRFID50のメモリ62には、印画紙ロール14に付加されているタグ78に予め書き込まれている印画紙12の属性情報(幅サイズや長さ、面種、メーカ名、処方名等)が書き込まれるが、このうち「長さ」は、印画紙ロール14が製造工場から製品として出荷される際の長さであり、写真処理装置10の稼働に伴いマガジン16から印画紙12が引き出されて消費されることで、マガジン16に収納されている印画紙12の長さ(残長)は徐々に減少する。
【0083】
このため、写真処理装置10の稼働中、本体制御部20はマガジン装填部に装填されているマガジン16から引き出されて消費された印画紙12の長さを検出し、マガジン管理テーブルに登録されている「残長」を適宜更新すると共に、対応するマガジン16のRFIDタグ50に対し、メモリ62に書き込まれている印画紙12の「長さ」を、マガジン管理テーブルに登録されている更新後の「残長」と同一の値へ更新するよう要求する情報を送信する。
【0084】
この情報が対応するマガジン16のRFIDタグ50で受信されると、前述の通信処理(図6)が起動されると共に、ステップ180で本体制御部20からの要求がメモリ62への情報の書き込みであると判断されることでステップ200へ移行し、本体制御部20から受信した情報(残長)が、メモリ62に書き込まれている「長さ」に上書きされて書き込まれる。上記処理により、個々の交換品のRFIDタグ50のメモリ62に書き込まれている情報が、交換品管理テーブルに登録されている情報と一致されることになる。
【0085】
また、本体制御部20は、マガジン管理テーブルに登録されている各マガジン16の「残長」の変化を常に監視しており、2個の装填部の何れかに装填されているマガジン16の「残長」が所定値以下になると、前記マガジン16が装填されている装填部に次に装填すべきマガジン16(マガジン16の交換スケジュール)を、マガジン管理テーブルに登録されている情報や、写真処理装置10で実行予定のプリントジョブとして登録されているプリントジョブの種類に基づいて判断し、残長が0になった時点で判断したマガジン16への交換を顧客へ要請する処理を行う。なお、この処理は請求項5(詳しくは請求項6)に記載の指示手段に相当する処理であり、この処理を行う本体制御部20は請求項5(詳しくは請求項6)に記載の指示手段に対応している。
【0086】
具体的には、例えば収納されている印画紙12が所定の紙幅で残量の少ないマガジン16(便宜上これを「No.3マガジン」とする)がストックされており、所定の紙幅の印画紙12を用いるプリントジョブの実行が予定されている場合には、そのプリントジョブを先に行うことでNo.3マガジンに収納されている印画紙12を使い切ってしまうために、次に装填すべきマガジン16をNo.3マガジンとする。そして、装填されているマガジン16に収納されている印画紙12の残量が0になった時点で、「マガジン装填部1に装填されているマガジンをNo.3マガジンに交換して下さい。」等のメッセージを表示部90に表示させることで、No.3マガジンへの交換を要請する。
【0087】
また、このときポストカード用の紙幅の印画紙12を用いる大量のプリントジョブの実行が予定されていることを検知した場合には、No.3マガジンに収納されている印画紙12を使い切った後にNo.3マガジンへセットすべき印画紙12としてポストカード用の紙幅の印画紙12を選択し、例えば「No.3マガジンの残量が0になったら、次にポストカード用印画紙400m巻をNo.3マガジンにセットして下さい。」等のメッセージを表示部90に表示させることが好ましい。
【0088】
マガジン16には写真処理装置10で処理可能な各種紙幅の印画紙ロール14をセット可能であるが、写真処理装置10のマガジン装填部に一旦マガジン16を装填し、該マガジン16から印画紙12を引き出してしまうと、遮光性を維持したまま途中で写真処理装置10から印画紙12を抜き取ってマガジン16内へ巻き戻すことは困難であり、一部の印画紙12が感光して無駄になると共に、マガジン16内への印画紙12の巻き戻しにも時間がかかる。
【0089】
従って、上記のように、マガジン装填部に一旦装填されたマガジン16に収納されている印画紙12をなるべく使い切ってしまうように、登録されている実行予定のプリントジョブに基づき把握可能なプリントスケジュールの範囲内で、マガジン16の交換スケジュールを決定することにより、写真処理装置10の処理効率が最良となり、無駄になる印画紙12が最小となる交換スケジュールでマガジン16を交換させることができる。
【0090】
また、マガジン装填部に次に装填すべきマガジン16や、マガジン16に次に装填すべき印画紙ロール14の判断にあたり、写真処理装置10の今後の運転スケジュールも参照し、今後の運転スケジュールも勘案して上記の判断を行うようにしてもよい。例えば、写真処理装置10の今後の運転スケジュールを参照した結果、所定時間以内に無人運転が行われることが判明した場合には、無人運転の期間には大量に注文される第1の紙幅の印画紙12を用いたプリントジョブを実行するために、第1の紙幅で残量が多い印画紙12を収納しているマガジン16をマガジン装填部に装填させ、無人運転が開始される迄の期間には、注文量が比較的少ない第2の紙幅で残量が少ない印画紙12を用いたプリントジョブを実行するために、第2の紙幅の印画紙12を収納しているマガジン16をマガジン装填部に装填させるようにマガジン交換スケジュールを決定してもよい。これにより、無人運転期間における写真処理装置10の写真処理の実行時間を最長とすることができ、写真処理装置10の稼働率を向上させることができる。
【0091】
また、交換品管理テーブルに登録されている情報に基づいて次に装填すべき交換品を判断することは、上記のようにマガジン16の交換に限られるものではなく、補充液カートリッジ42,44,46やカッタ/ソータ40、廃液タンク48の交換にも適用可能である。すなわち、交換品管理テーブルには、写真処理装置10に装填されている交換品のみならず、写真処理装置10の周囲にストックされている交換品の情報も登録されているので、該テーブルを参照すれば写真処理装置10の周囲にどのような交換品がストックされているのかも把握することができる。
【0092】
従って、例えば廃液タンク装填部に装填されている廃液タンク48が満杯になったことを検出した場合に、廃液タンク48の管理テーブルを参照することで空の廃液タンク48(便宜上これを「No.2廃液タンク」とする)がストックされていることを認識し、「本体内廃液タンクが満杯です。No.2廃液タンクと交換して下さい。」等のメッセージを表示部90に表示させることで、廃液タンク48の交換を顧客へ要請することができる。
【0093】
また、大量のポストカードのプリントを行うことを検知した場合に、カッタ/ソータ40の管理テーブルを参照することで、カッタ/ソータ装填部に現在装填されている25件ソータよりも大量のポストカードのプリントに適した大サイズトレイがストックされていることを認識し、「ポストカードを大量にプリントします。25件ソータから大サイズトレイに交換して下さい。」等のメッセージを表示部90に表示させることで、最適なカッタ/ソータ40への交換を顧客へ要請することも可能となる。
【0094】
上記の処理も請求項5(詳しくは請求項6)に記載の指示手段に相当する処理であり、この処理を行う本体制御部20は請求項5(詳しくは請求項6)に記載の指示手段に対応している。
【0095】
なお、上記では本発明に係る交換品として、マガジン16、補充液カートリッジ42,44,46、カッタ/ソータ40、廃液タンク48を例に説明したが、これに限定されるものでない。例えば写真処理装置の交換品としては、上記以外にもフィルムキャリア、照合機、受付機、内蔵エレキ基板等があり、本発明に係る交換品としてこれらを適用するようにしてもよいことは言うまでもない。具体的には、例えば本発明に係る交換品として内蔵エレキ基板を適用した場合、本体制御部20において、自己診断により印画紙12に記録した画像の異常等を検知したときに、内蔵エレキ基板の管理テーブルを参照することで同型の内蔵エレキ基板がストックされていることを認識し、「□□基板と交換して下さい。」等のメッセージを表示部90に表示させることで、内蔵エレキ基板の交換をオペレータ(或いは顧客)へ要請することができる。
【0096】
また、写真処理装置10を操作する個々のオペレータに、RFIDタグ50や検出端子74を設けたIDカード(これも本発明に係る交換品に相当している)を各々所持させると共に、該IDカードを装填するための装填部端子72付きのIDカード装填部を写真処理装置10に設け、オペレータが写真処理装置10を操作する場合に、所持しているIDカードをIDカード装填部に装填させるようにしてもよい。通常、写真処理装置10の操作画面は操作するオペレータの習熟度に応じてカスタマイズ可能とされており、操作に熟知しているオペレータは生産性向上のためにガイダンス画面をスキップするが、写真処理装置10を操作するオペレータにIDカードを装填させるようにすれば、操作するオペレータを写真処理装置10側が認識し、認識したオペレータ用にカスタマイズした操作画面を表示させる等の処理を行うことが可能となる。
【0097】
また、上記では交換品が画像形成装置の所定の装填部に装填されているか否か機械的な接触の有無に基づいて検知する態様を説明したが、これに限定されるものではなく、赤外線や磁気等を利用して上記の検知を非接触で行うことも可能である。例えば所定の装填部に装填されているか否かを赤外線を利用して検知することは、例えば画像形成装置の所定の装填部に、装填された交換品へ向けて赤外線を照射する発光素子を設けると共に、交換品が所定の装填部に装填された場合に発光素子からの赤外線を受光する位置に受光素子を設けておき、受光素子が赤外線を受光しているか否かを交換品側で判断することで実現できる。
【0098】
更に、上記では本発明に係る画像形成装置として写真処理装置10を例に説明したが、本発明は交換品(消耗品)が装填される画像形成装置であれば適用可能であり、例えばインクジェットプリンタ、電子写真方式により画像を形成する画像形成装置、熱現像/光定着により画像を形成する画像形成装置等の公知の各種画像形成装置に適用可能であることは言うまでもない。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る交換品は、記憶素子に記憶されている所定の情報を含む情報を画像形成装置に無線で送信すると共に、交換品が画像形成装置の装填部に装填されているか否かを検知し、交換品が装填部に装填されているか否かに応じて、送信する情報を相違させるので、画像形成装置と交換品との間の情報の送受に通信可能距離が比較的長い通信方式の無線通信を適用した場合にも、画像形成装置に装填されている交換品とストックされている交換品を低コストで識別することが可能となる、という優れた効果を有する。
【0100】
また、本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る交換品から無線で送信された情報を受信し、受信した情報に基づいて、情報送信元の交換品が装填部に装填されているか否かを識別するので、画像形成装置と交換品との間の情報の送受に通信可能距離が比較的長い通信方式の無線通信を適用した場合にも、画像形成装置に装填されている交換品とストックされている交換品を低コストで識別することが可能となる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る写真処理装置の概略構成図である。
【図2】写真処理装置のICタグヘッドと交換品のRFIDタグとの通信を示す概略図である。
【図3】(A)はマガジン以外の交換品に付加されているRFIDタグとICタグヘッドの構成、(B)はマガジンに付加されているRFIDタグの構成を各々示す概略ブロック図である。
【図4】(A)はマガジンの概略構成図、(B)はマガジン及び装填部に各々設けられている端子を示す斜視図である。
【図5】本体制御部で実行される交換品検出処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】RFIDタグで実行される通信処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 写真処理装置
14 印画紙ロール
16 マガジン
20 本体制御部
40 カッタ/ソータ
42 補充液カートリッジ
44 補充液カートリッジ
46 補充液カートリッジ
48 廃液タンク
50 RFIDタグ
62 メモリ
64 ICタグヘッド
72 装填部端子
74 検出端子
78 タグ
90 表示部
94 記憶部
Claims (7)
- 画像形成装置に装填可能な交換品であって、
所定の情報を記憶する記憶素子と、
前記記憶素子に記憶されている所定の情報を含む情報を前記画像形成装置に無線で送信する送信手段と、
前記交換品が前記画像形成装置の所定の装填部に装填されているか否かを検知する検知手段と、
前記交換品が前記画像形成装置の所定の装填部に装填されていることが前記検知手段によって検知されているか否かに応じて、前記送信手段によって送信される情報を相違させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする交換品。 - 前記画像形成装置の所定の装填部には、装填された交換品へ所定の信号を出力するための複数の第1接点が設けられており、前記検知手段は、前記交換品が前記画像形成装置の所定の装填部に装填された状態で前記複数の第1接点に接触する複数の第2接点を備え、前記第1接点と前記第2接点との接触に伴って前記所定の信号が入力されているか否かに基づいて、前記交換品が前記画像形成装置の所定の装填部に装填されているか否かを検知することを特徴とする請求項1記載の交換品。
- 前記画像形成装置には、互いに異なる交換品が装填される複数の装填部が設けられ、個々の装填部に設けられた第1接点を介し、前記所定の信号として、個々の装填部を識別する識別情報が出力され、
前記制御手段は、前記交換品が前記画像形成装置の所定の装填部に装填されていることが前記検知手段によって検知されている場合に、前記所定の信号として入力された識別情報を付加した情報を前記送信手段によって送信させることを特徴とする請求項2記載の交換品。 - 所定の装填部に請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の交換品を装填可能な画像形成装置であって、
前記交換品の前記送信手段から無線で送信された情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された情報に基づいて、情報送信元の交換品が前記所定の装填部に装填されているか否かを識別する識別手段と、
を含む画像形成装置。 - 前記交換品から送信される情報には、個々の交換品を識別するための識別情報及び個々の交換品の属性を表す属性情報が含まれており、
前記識別手段による識別結果及び前記受信手段によって個々の交換品から受信された情報に基づいて、ストックされている交換品の数量及び属性を認識して交換品の最適な交換スケジュールを決定し、決定した交換スケジュールに従い次に装填すべき交換品を指示する指示手段を更に備えたことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。 - 互いに異なる種類の交換品が装填される複数の装填部を備え、前記交換品から送信される情報には、個々の交換品の種類を表す種類情報が含まれており、
前記指示手段は、前記ストックされている交換品の数量及び属性を、前記受信手段によって個々の交換品から受信された種類情報に基づき交換品の種類毎に認識し、交換品の種類毎に交換スケジュールを決定することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、画像が記録された記録材料を処理槽内に貯留されている処理液に浸漬して処理する写真処理装置であり、前記交換品は、記録材料を収納するマガジン、前記処理液に補充するための補充液が封入されたカートリッジ、記録材料を画像単位で切断することで得られる写真プリントを仕分けするためのソータ、廃液タンクの少なくとも1つであることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか1項記載の画像形成装置。
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