JP2004258181A - 光硬化性感光材料の露光方法と露光装置 - Google Patents

光硬化性感光材料の露光方法と露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光硬化性感光材料を露光硬化した際に適切な基材への密着度と強度とが得られるように露光処理する。
【解決手段】光硬化性感光材料に対して、露光量を多くして硬く光硬化させた部分である硬硬化部分217と、硬く光硬化させる場合より露光量を少なくして軟らかく光硬化させた部分である軟硬化部分219とが、平均的に分布するように混在した状態となるよう露光処理して、硬軟混合構造を作る。硬軟混合構造は、光硬化された部分が硬く光硬化されたときの特性と軟らかく光硬化されたときの特性とを合わせ持って、基材への密着力が増加し、光硬化された部分の強度を適度に高め得る。
【選択図】 図20

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、露光硬化した際の基材への密着度と強度とが適切なものとなるように露光処理する、光硬化性感光材料の露光方法と露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)等の空間光変調素子を利用して、画像データに応じて変調された光ビームで画像露光を行う露光装置が、未公開の先行出願である特願2002−149886号に提案されている。
【0003】
このDMDは、例えば制御信号に応じて反射面の角度が変化する多数のマイクロミラーをシリコン等の半導体基板上に2次元的に配列したミラーデバイスとして構成されている。
【0004】
このDMDを用いた露光装置は、例えば、レーザビームを出射する光源から出射されたレーザビームをレンズ系でコリメートし、このレンズ系の略焦点位置に配置されたDMDでレーザビームを反射し、レンズ系により露光面上に結像するよう構成されている。
【0005】
このような露光装置では、画像データ等に応じて生成した制御信号に基づいてDMDのマイクロミラーの各々を図示しない制御装置でオンオフ制御してレーザビームを変調(偏向)し、変調されたレーザビームを露光面上に照射して露光する。
【0006】
この露光装置では、記録面に感光材料(フォトレジスト等)を配置し、露光装置の露光ヘッドから感光材料上にレーザビームが照射されて結像されたビームスポットの位置を感光材料に対して相対的に移動させながら、DMDをデータに応じて変調することにより、感光材料上にパタン露光する処理を実行可能である。
【0007】
上述のような構成の露光装置は、フィルム状に形成したフォトポリマーに紫外線レーザを照射して、露光部分を光硬化させる露光システムに利用可能である。
【0008】
また、従来の多層プリント配線基板の製造プロセスには、めっきスルーホール法がある。このめっきスルーホール法には、表面に銅箔をもち、これをエッチングで除去するサブトラクティブ法に属する一つの方法であるパネルめっき法がある。
【0009】
このパネルめっき法では、積層された基板材に穴あけ工程でスルーホールを形成し、無電解銅めっき工程で、スルーホールを含めたパネル全体にめっきを析出させてスルーホールの内部を無電解銅めっきにより導通化する。
【0010】
次に、パネルめっき法では、積層された基板材の表面に、露光、現像等の一般に用いられている手段で、レジストパターンを形成する。このレジストパターンは、基板材におけるスルーホールの開口を閉塞することにより、スルーホール内にエッチング液が浸入してスルーホール内の無電解銅めっき層が溶出して、導通が破れることを防止する。
【0011】
次に、パネルめっき法では、エッチング工程で基板材の表面に回路パターンを形成し、レジストを剥離して、多層プリント配線基板を製造している(例えば、非特許文献1参照。)。
【0012】
【非特許文献1】
著者 高木 清 本の題名 「ビルドアップ多層プリント配線板技術」 出版社 日刊工業新聞社 発行年月日 2000年 記載ページ 53頁から58頁
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前述のような従来の多層プリント配線基板の製造プロセスでは、銅薄膜上にエッチング用のマスクを形成する場合に、積層された基板材の表面上に形成された基材としての銅薄膜にスルーホール(例えばビアホール若しくはその他の穴又は凹部)があると、その上に貼着したレジストのシートがスルーホール(例えばビアホール若しくはその他の穴又は凹部)の開口部分で空中に浮いた膜状となる。
【0014】
そこで、このレジストにおけるスルーホール(例えばビアホール若しくはその他の穴又は凹部)の開口部分で空中に浮いた膜状となる部分の強度を上げるために、この膜状となる部分に対する露光量を増加した場合には、このレジストにおける膜状となる部分が硬化収縮するときに生じる応力で基材としての銅薄膜から剥がれ易くなる。
【0015】
さらに、レジストにおけるスルーホール(例えばビアホール若しくはその他の穴又は凹部)の開口部分に張られた膜状となる部分は、レジストを銅薄膜上に貼着する際の圧力や、膜状となる部分の強度不足により、現像工程やエッチング工程で破断してしまうことがある。
【0016】
このようにビアホール等の開口部分に張られたレジストの光硬化された膜状となる部分が、破断された状態でエッチング処理を行うと、スルーホール(例えばビアホール若しくはその他の穴又は凹部)内に残しておくべき銅薄膜が除去されてしまい、このスルーホール(例えばビアホール若しくはその他の穴又は凹部)で電気的導通をとることができなくなるなってしまう。
【0017】
本発明は上述の事実を考慮し、露光硬化した際に、適切な基材への密着度と強度とが得られるように露光処理する、光硬化性感光材料の露光方法と露光装置とを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の光硬化性感光材料の露光方法は、光硬化性感光材料に対して、露光量を多くして硬く光硬化させた部分である硬硬化部分と、硬く光硬化させる場合より露光量を少なくして軟らかく光硬化させた部分である軟硬化部分とが、混在した状態となるよう露光処理して、硬軟混合構造を作ることを特徴とする。
【0019】
上述の光硬化性感光材料の露光方法によれば、光硬化性感光材料を硬軟混合構造に光硬化させ、光硬化された部分が硬く光硬化されたときの特性と軟らかく光硬化されたときの特性とを合わせ持って、基材への密着力が増加し、光硬化された部分の強度を適度に高め得るようにできる。
【0020】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光硬化性感光材料の露光方法において、硬硬化部分と、軟硬化部分とが市松模様状に配置されるように露光処理することを特徴とする。
【0021】
上述の光硬化性感光材料の露光方法によれば、請求項1に記載の光硬化性感光材料の露光方法における作用、効果に加えて、硬硬化部分と、軟硬化部分との分布状態を、より整然と平均化できる。
【0022】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光硬化性感光材料の露光方法において、一部に開口が形成された基板に光硬化性感光材料を塗布又は貼付け、開口を覆う領域に硬硬化部分と軟硬化部分を混在させたことを特徴とする。
【0023】
上述の光硬化性感光材料の露光方法によれば、請求項1又は請求項2に記載の光硬化性感光材料の露光方法における作用、効果に加えて、開口部分に膜状に張られた状態の光硬化性感光材料を、光硬化時の硬化収縮により生じる応力を押さえ、開口部分に膜状に張られた部分の強度を適度に強化することができる。
【0024】
本発明の請求項4に記載の光硬化性感光材料の露光装置は、露光面を複数の光ビームにより露光する露光ヘッドであって、紫外線の光ビームを出射する照明手段と、制御信号に応じて光変調状態がそれぞれ変化する複数個の画素部が基板上に2次元的に配列され、照明手段から画素部に入射した紫外線の光ビームを変調する空間光変調素子と、空間光変調素子で変調された紫外線の各光ビームを、光硬化性感光材料の面上にそれぞれビームスポットとして結像する光学系と、光硬化性感光材料に対して、紫外線の光ビームによる露光量を多くして硬く光硬化させることにより硬硬化部分を形成し、この硬く光硬化させる場合より紫外線の光ビームによる露光量を少なくして軟らかく光硬化させることにより軟硬化部分を形成し、硬硬化部分と軟硬化部分とが混在する硬軟混合構造を構成するように、空間光変調素子を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0025】
上述のように構成することにより、照明手段から出射された紫外線の光ビームを、制御手段が制御する空間光変調素子で変調し、光硬化性感光材料に硬硬化部分と軟硬化部分とが混在する硬軟混合構造を構成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[露光装置の構成]
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る露光装置151は、露光対象となる感光材料150を表面に配した基材を吸着して保持する平板状のステージ152を備えている。4本の脚部154に支持された肉厚板状の設置台156の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド158が設置されている。ステージ152は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド158によって往復移動可能に支持されている。なお、この露光装置151には、ステージ152をガイド158に沿って駆動するための図示しない駆動装置が設けられている。
【0027】
設置台156の中央部には、ステージ152の移動経路を跨ぐようにコ字状のゲート160が設けられている。ゲート160の端部の各々は、設置台156の両側面に固定されている。このゲート160を挟んで一方の側にはスキャナ162が設けられ、他方の側には感光材料150を配した基材の先端及び後端を検知する複数(例えば、2個)の検知センサ164が設けられている。スキャナ162及び検知センサ164はゲート160に各々取り付けられて、ステージ152の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ162及び検知センサ164は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
【0028】
スキャナ162は、図2及び図3(B)に示すように、m行n列(例えば、3行5列)の略マトリックス状に配列された複数(例えば、14個)の露光ヘッド166を備えている。この例では、基材に配した感光材料150の幅との関係で、3行目には4個の露光ヘッド166を配置した。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド166mnと表記する。
【0029】
露光ヘッド166による露光エリア168は、例えば走査方向を短辺とする矩形状にできる。この場合、ステージ152の移動に伴い、基材に配した感光材料150には露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア168mnと表記する。
【0030】
また、図3(A)及び(B)に示すように、帯状の露光済み領域170が走査方向と直交する方向に隙間無く並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッドの各々は、配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本実施の形態では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア16811と露光エリア16812との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア16821と3行目の露光エリア16831とにより露光することができる。
【0031】
露光ヘッド16611〜166mn各々は、図4及び図5(A)に示すように、入射された光ビームを画像データに応じて各画素毎に変調する空間光変調素子として、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)50を備えている。このDMD50は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた図示しないコントローラ(制御手段)に接続されている。
【0032】
このコントローラ(制御手段)のデータ処理部では、入力された画像データに基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。なお、制御すべき領域については後述する。また、ミラー駆動制御部では、画像データ処理部で生成した制御信号に基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50における各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。なお、この反射面の角度の制御に付いては後述する。
【0033】
露光ヘッド166には、図4に示すように、DMD50の光入射側に、光硬化性感光材料を光硬化させる紫外線を出射するための照明装置144が設けられている。この照明装置144には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア168の長辺方向と対応する方向に沿って一列に配列された紫外線レーザー出射部を備えたファイバアレイ光源66と、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系67、レンズ系67を透過したレーザ光をDMD50に向けて反射するミラー69とが、順に配置されている。
【0034】
なお、光硬化性感光材料としては、フォトポリマーをフィルム状に形成した感光材料(ドライフィルムレジスト、フィルム状カラーレジスト、液状レジスト等)を用いることができる。また、光源から出射する光線としては、450nmから200nm程度の紫外線を利用できる。
【0035】
DMD50は、図6に示すように、SRAMセル(メモリセル)60上に、微小ミラー(マイクロミラー)62が支柱により支持されて配置されたものであり、画素(ピクセル)を構成する多数の(例えば、600個×800個)の微小ミラーを格子状に配列して構成されたミラーデバイスである。各ピクセルには、最上部に支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。
【0036】
なお、図7に示すように、各マイクロミラー62には、その反射面中央部に穴状の非反射部62Aが形成されている。これにより、マイクロミラー62により形成される反射光像は、その中央部付近での光量分布が低下して像全体の光量分布が均一にならない。このマイクロミラー62の反射率は90%以上である。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
【0037】
DMD50のSRAMセル60にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー62が、対角線を中心としてDMD50が配置された基板側に対して±α度(例えば±10度)の範囲で傾けられる。図7(A)は、マイクロミラー62がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図7(B)は、マイクロミラー62がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。従って、画像信号に応じて、DMD50の各ピクセルにおけるマイクロミラー62の傾きを、図6に示すように制御することによって、DMD50に入射された光はそれぞれのマイクロミラー62の傾き方向へ反射される。
【0038】
なお、図6には、DMD50の一部を拡大し、マイクロミラー62が+α度又は−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー62のオンオフ制御は、DMD50に接続された図示しないコントローラ(制御手段)によって行われる。ここで、オン状態のマイクロミラー62により反射された光は露光状態に変調され、DMD50の光出射側に設けられた投影光学系146(図5参照)へ入射する。またオフ状態のマイクロミラー62により反射された光は非露光状態に変調され、光吸収体(図示省略)に入射する。
【0039】
また、DMD50は、その短辺方向が走査方向と所定角度θ(例えば、0.1°〜0.5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図8(A)はDMD50を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)53の走査軌跡を示し、図8(B)はDMD50を傾斜させた場合の露光ビーム53の走査軌跡を示している。
【0040】
DMD50には、長手方向(行方向)に沿ってマイクロミラーが多数個(例えば、800個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば、600組)配列されているが、図8(B)に示すように、DMD50を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる露光ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチPが、DMD50を傾斜させない場合の走査線のピッチPより狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD50の傾斜角は微小であるので、DMD50を傾斜させた場合の走査幅Wと、DMD50を傾斜させない場合の走査幅Wとは略同一である。
【0041】
また、異なるマイクロミラー列により同じ走査線上における略同一の位置(ドット)が重ねて露光(多重露光)されることになる。このように、多重露光されることで、露光位置の微少量をコントロールすることができ、高精細な露光を実現することができる。また、走査方向に配列された複数の露光ヘッド間のつなぎ目を微少量の露光位置制御により段差無くつなぐことができる。
【0042】
なお、DMD50を傾斜させる代わりに、各マイクロミラー列を走査方向と直交する方向に所定間隔ずらして千鳥状に配置しても、同様の効果を得ることができる。
【0043】
ファイバアレイ光源66は、例えば、図9(A)に示すように、複数(例えば、6個)のレーザモジュール64を備えており、各レーザモジュール64には、マルチモード光ファイバ30の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ30の他端には、コア径がマルチモード光ファイバ30と同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバ30より小さい光ファイバ31が結合され、図9(C)に示すように、光ファイバ31の出射端部(発光点)が走査方向と直交する方向に沿って1列に配列されてレーザー出射部68が構成されている。なお、図9(D)に示すように、発光点を走査方向に直交する方向に沿って2列に配列することもできる。このような光ファイバ31の出射端部の配列は、後述するように、露光面56に投影するビームスポットのスポット形状に基づいて決められる。
【0044】
光ファイバ31の出射端部は、図9(B)に示すように、表面が平坦な2枚の支持板65に挟み込まれて固定されている。また、光ファイバ31の光出射側には、光ファイバ31の端面を保護するために、ガラス等の透明な保護板63が配置されている。保護板63は、光ファイバ31の端面と密着させて配置してもよく、光ファイバ31の端面が密封されるように配置してもよい。光ファイバ31の出射端部は、光密度が高く集塵し易いため劣化し易いが、保護板63を配置することにより端面への塵埃の付着を防止することができると共に劣化を遅らせることができる。
【0045】
図9(B)の例では、クラッド径が小さい光ファイバ31の出射端を隙間無く1列に配列するために、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30の間にマルチモード光ファイバ30を積み重ね、積み重ねられたマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の出射端が、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の出射端の間に挟まれるように配列されている。
【0046】
このような光ファイバは、例えば、図10に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ30のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ31を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバ30、31は、光ファイバ31の入射端面が、マルチモード光ファイバ30の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ31のコア31aの径は、マルチモード光ファイバ30のコア30aの径と同じ大きさである。
【0047】
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ30の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ31を、マルチモード光ファイバ30の出射端部と称する場合がある。
【0048】
マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施の形態では、マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ30は、クラッド径=125μm、コア径=25μmnA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ31は、クラッド径=60μm、コア径=25μmnA=0.2である。
【0049】
なお、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径に設定する。
【0050】
レーザモジュール64は、図11に示す合波レーザ光源(ファイバ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック10上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのレーザ発光素子LD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6,及びLD7と、レーザ発光素子LD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ11,12,13,14,15,16,及び17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバ30と、から構成されている。なお、レーザ発光素子の個数は7個には限定されない。
【0051】
レーザ発光素子LD1〜LD7は、発振波長が総て共通であり、最大出力も総て共通である。
【0052】
上記の合波レーザ光源は、図12及び図13に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収納されている。パッケージ40は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋41を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ40の開口をパッケージ蓋41で閉じることにより、パッケージ40とパッケージ蓋41とにより形成される密閉空間内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
【0053】
パッケージ40の底面にはベース板42が固定されており、このベース板42の上面には、前述したヒートブロック10と、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダー45と、マルチモード光ファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダー46とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ30の出射端部は、パッケージ40の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
【0054】
また、ヒートブロック10の側面にはコリメータレンズホルダー44が取り付けられており、コリメータレンズ11〜17が保持されている。パッケージ40の横壁面には開口が形成され、この開口を通してレーザ発光素子LD1〜LD7に駆動電流を供給する配線47がパッケージ外に引き出されている。
【0055】
なお、図13においては、図の煩雑化を避けるために、複数のレーザ発光素子のうちレーザ発光素子LD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ17にのみ番号を付している。
【0056】
図14は、上記コリメータレンズ11〜17及びその取付部を正面から見たものである。コリメータレンズ11〜17の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ11〜17は、長さ方向がレーザ発光素子LD1〜LD7の発光点の配列方向(図14の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接して配置されている。
【0057】
各発光点から発せられたレーザビームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ11〜17に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。
【0058】
集光レンズ20は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズ11〜17の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ20は、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
【0059】
次に、露光ヘッド166におけるDMD50の光反射側に設けられる投影光学系146について説明する。図5に示されるように、露光ヘッド166には、DMD50の光反射側の露光面56上に光源像を投影するための投影光学系146が設けられている。投影光学系146には、DMD50の側から露光面56へ向って順に、一対のレンズ系54,58、マイクロレンズアレイ72、アパーチャアレイ76、一対のレンズ系80,82が配置されている。
【0060】
ここで、レンズ系54,58は拡大光学系として構成されており、DMD50により反射される光線束の断面積を拡大することで、露光面56におけるDMD50により反射された光線束による露光エリア168の面積を所要の大きさに拡大している。マイクロレンズアレイ72は、照明装置144からの光を反射するDMD50の各マイクロミラー62に1対1で対応する複数の第1マイクロレンズ74が一体的に成形されたものであり、第1マイクロレンズ74は、レンズ系54,58を透過したレーザビームの光軸上にそれぞれ配置されている。またアパーチャアレイ76には、マイクロレンズアレイ72における複数の第1マイクロレンズ74に1対1で対応する複数のアパーチャ(開口絞り)78が設けられている。
【0061】
投影光学系146では、レンズ系54の焦点距離がf1とされ、レンズ系58の焦点距離がf2とされている。DMD50の各マイクロミラー62はレンズ系54の前方焦点位置に配置されている。レンズ系54,58は、それぞれ後方焦点位置と前方焦点位置とを共有する共焦点位置に配置され、またマイクロレンズアレイ72はレンズ系58の後方焦点位置に配置されている。従って、各マイクロミラー62と第1マイクロレンズ74とは互いに共役になっている。また第1マイクロレンズ74の焦点距離はf3とされており、アパーチャアレイ76は第1マイクロレンズ74の後方焦点位置に配置されている。これにより、第1マイクロレンズ74及びアパーチャ78はテレセントリック光学系を構成し、各アパーチャ78の中心を通る光線は像側(露光面56側)でもレンズ系54,58及び第1マイクロレンズ74の光軸と平行となる。
【0062】
レンズ系80,82は、例えば、等倍光学系として構成されており、レンズ系80の焦点距離はf4とされ、レンズ系82の焦点距離はf5とされている。アパーチャアレイ76における各アパーチャ78はレンズ系80の前方焦点位置に配置され、レンズ系80,82は、それぞれ後方焦点位置と、前方焦点位置とを共有する共焦点位置に配置されている。また露光面56はレンズ系82の後方焦点位置に位置調整される。従って、各アパーチャ78と露光面56とは互いに共役になっている。なお、投影光学系146における各レンズ系54,58,レンズ系80,82は、図5において、それぞれ1枚のレンズとして示されているが、複数枚のレンズ(例えば、凸レンズと凹レンズ)を組み合せたものであっても良い。
【0063】
投影光学系146では、露光面56に投影されるビームスポットのスポット径(ビームスポットの面積)及びスポット形状が、露光済み領域170に形成される露光パターンの解像度、露光ヘッド166の走査速度、DMD50の走査方向に対する傾き角の大きさ、感光材料150の特性等といった各種条件(設計事項)により、最適な記録面上のビームスポットの形状が異なる。
【0064】
そこで、本実施の形態の露光装置151では、基材に配した感光材料150の特性等といった各種条件に対応して、例えばレーザー出射部68の光源像をビームスポットとして露光面56に投影した場合のビームスポットの輪郭形状とレーザー出射部68の光軸直角方向に沿った輪郭形状とを略相似したものにして、レーザー出射部68から出射されたレーザビームがアパーチャ78を通過する際の光量損失を効果的に抑制可能にするようアパーチャ78の開口径(開口面積)及び開口形状を適宜設定する。
【0065】
次に、図5を参照して、投影光学系146における第1マイクロレンズ74の作用を説明する。拡大光学系を構成するレンズ系54,58は、DMD50により反射される光線束の断面積を拡大することで、露光面56における露光エリア168の面積を所要の大きさに拡大している。このとき、DMD50のマイクロミラー62により反射されたレーザビームも、レンズ系54,58を透過することで、そのビーム径がレンズ系54,58の拡大率に応じて拡大される。このことから、投影光学系146にマイクロレンズアレイ72及びアパーチャアレイ76が配置されていない場合、図5(B)に示すように、露光面56に投影される各ビームスポットBSのスポット径が露光エリア168のサイズに応じて大きなものになる。このため、図8(A)に示すように走査露光しても、露光エリア168のMTF(Modulation Transfer Function)特性がレンズ系54,58の拡大率に応じて低下する。
【0066】
上述のようなMTF特性の低下を防止するため、投影光学系146には、レンズ系58の後方焦点位置に正のレンズパワーを有する第1マイクロレンズ74がDMD50のマイクロミラー62に1対1で対応するように配置されている。この第1マイクロレンズ74は、その焦点距離f3がアパーチャ78の開口径に応じて設定されており、レンズ系54,58により拡大されたレーザビームのビーム径を縮小させるよう構成されている。
【0067】
これにより、図5(C)に示すように、露光エリア168がレンズ系54,58により高倍率で拡大された場合でも、ビームスポットBSのスポット径を要求されるサイズに縮小できると共に、露光面56におけるMTF特性の低下を防止できる。
【0068】
次に、ビームスポットBSのスポット形状とファイバアレイ光源66におけるレーザー出射部68の輪郭形状との関係について説明する。前述したように、投影光学系146では、第1マイクロレンズ74がレンズ系54,58を介してマイクロミラー62と共役とされ、かつアパーチャ78が第1マイクロレンズ74の後方焦点位置に配置されている。これにより、図16及び図17に示すように、レンズ系54の後方焦点位置及びアパーチャ78には、それぞれレーザー出射部68の光源像LIが形成される。従って、投影光学系146では、アパーチャ78に形成された光源像をレンズ系80,82を介して露光面56上に投影し、この光源像をビームスポットBSとして露光面56を露光する。
【0069】
上記のようにレーザー出射部68の光源像をビームスポットBSとして露光面56に投影した場合には、ビームスポットBSの輪郭形状とレーザー出射部68の光軸直角方向に沿った輪郭形状とは概略的に近似したものとになる。従って、レーザー出射部68の光軸直角方向に沿った輪郭形状を要求されるビームスポットBSのスポット形状に近似させ、かつアパーチャの開口形状をビームスポットBSのスポット形状に略相似したものにすれば、レーザー出射部68から出射されたレーザビームがアパーチャ78を通過する際の光量損失を効果的に抑制できることになる。
【0070】
図18(A)〜(C)には、それぞれビームスポットBSのスポット形状を考慮して、複数本の光ファイバ31を束ねて構成されたレーザー出射部の構成例が示されている。例えば、ビームスポットBSとして円形乃至六角形の形状のものが要求される場合には、図18(A)に示されるように、複数本(6本)の光ファイバ31の出射端部を六方細密充填状に束ねて構成されたレーザー出射部68が適している。また、ファイバアレイ光源66が多数本の光ファイバ31により構成されている場合には、これらの光ファイバ31の出射端部を図18(B)に示すように略六角形や、図18(C)に示すように略矩形等の任意の形状に束ねることが可能になる。
【0071】
次に、露光硬化した際の基材への密着度と強度とが適切なものとなるようにする光硬化性感光材料の露光方法を行える、開口径(開口面積)及び開口形状が異なるアパーチャからの露光量比を変更調整可能とした露光手段について、図15を参照しながら説明する。
【0072】
この露光手段では、アパーチャアレイ76に、異なる開口径(開口面積)及び開口形状をもつ複数のアパーチャ78L、78Sを通過したレーザビームが露光面上に照射されたときのビームスポットが多重露光又はオーバラップ露光されるようにする。さらに、異なる開口径(開口面積)及び開口形状をもつ複数のアパーチャ78Lと、複数のアパーチャ78Sとが均等に分布するよう配置構成する。
【0073】
すなわち、図15に示すアパーチャアレイ76では、開口径が比較的大きな円形の開口形状を有する種別のアパーチャ78Lの行(又は列)と、開口径が比較的小さな円形の開口形状を有する種別のアパーチャ78Sの行(又は列)とを交互に配置する構成で、1枚のアパーチャアレイ76上に形成する。
【0074】
なお、開口形状が異なるアパーチャ78Lと、アパーチャ78Sとの形状は、直径の異なる円形だけでなく、それぞれ矩形、多角形等の種々の形状に形成しても良いことは勿論である。
【0075】
この露光手段では、露光量比変更手段を、1枚のアパーチャアレイ76上に形成された複数種類(図15に示すものでは2種類)の各アパーチャ78L、78Sの各々に対して入射されるレーザビーム(光線束)の光量を各アパーチャ78L、78Sの組み毎に変調可能に構成する。
【0076】
要するに、この露光量比変更手段では、レーザビームが各アパーチャ78L、78Sを通過して露光面56上に照射されたときのビームスポットにおける、アパーチャ78Lを通過したときのビームスポットの露光量と、アパーチャ78Sを通過したときのビームスポットの露光量との、露光量比を変更調整可能に構成する。
【0077】
この露光量比は、(アパーチャ78Lを通過したときのビームスポットの露光量)と(アパーチャ78Sを通過したときのビームスポットの露光量)との比率である。
【0078】
但し、 露光量=(照射される光の強度)×(光が照射された時間)
この露光量比変更手段では、例えば、入射された光ビームを各アパーチャ78L、78S毎に変調する空間光変調素子として構成されたデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)50を利用することができる。
【0079】
この場合には、入射された光ビームを画像データに応じて各画素毎に変調する空間光変調素子としてのDMD50が、露光量比変更手段を兼ねる構成となる。
【0080】
この露光量比変更手段では、DMD50における各マイクロミラー62の反射面の角度をそれぞれ所要のタイミグで変更する制御によって、この各マイクロミラー62により反射された光ビームが各アパーチャ78L、78Sを通過して、露光面56上に照射されたときのビームスポットにおける露光量を変更調整する。
【0081】
また露光量比変更手段は、図示しないが、各アパーチャ78L、78Sにそれぞれ1対1に対応する単位光源を複数集積して構成した照明手段としての紫外線を出射する光源装置を設け、この光源装置における各単位光源から各対応するアパーチャ78L、78Sにそれぞれ照射される光量(照射される光の強度と、光が照射される時間)を、各単位光源毎に変更調整する制御を行い、光ビームが各アパーチャ78L、78Sを通過して、露光面56上に照射されたときのビームスポットにおける露光量比を変更調整可能に構成しても良い。
【0082】
すなわち、各所定の単位光源から出射され一方のアパーチャ78Lを通過して露光面56上に照射される光ビームの照射光強度と、各所定の単位光源から出射され、一方のアパーチャ78Lとは異なる開口面積及び開口形状をもつアパーチャ78Sを通過して露光面56上に照射される光ビームの照射光強度との、照射光強度比を変更調整可能に構成しても良い。
【0083】
さらに、露光量比変更手段は、図示しないが、露光面56上に光源像を投影するための投影光学系146におけるアパーチャアレイ76から露光面56までの間の光路上に、各アパーチャ78L、78Sを通してそれぞれ照射された光ビーム毎に変調する空間光変調素子として構成されたデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を配置して構成することができる。
【0084】
この露光量比変更手段では、DMDにおける各マイクロミラーの反射面の角度をそれぞれ所要のタイミグで変更する制御により、各アパーチャ78L、78Sを通過した各光ビームが、それぞれ対応する各マイクロミラーにより反射される光路を通って露光面56上に照射される時間をコントロールして、ビームスポットにおける露光量比を変更調整できる。
【0085】
また、この露光手段では、複数のアパーチャを通過したレーザビームが露光面上に照射されたときのビームスポットが多重露光又はオーバラップ露光される状態を、アパーチャアレイ76に穿設するアパーチャの大きさ(内径)を変更し若しくはアパーチャ相互の間隔を変更し若しくはアパーチャの配列を変更し又はDMD50の走査方向に対するアパーチャアレイ76の傾き角の大きさを変更することにより、調整することができる。
【0086】
この露光手段では、アパーチャアレイ76に配置構成された、異なる開口径(開口面積)及び開口形状をもつ複数の組み(本実施の形態では2組)のアパーチャ78L、アパーチャ78Sを通過したレーザビームが露光面上に照射されたときのビームスポットが多重露光又はオーバラップ露光される。
【0087】
このため、被露光面では、アパーチャ78Lから照射された大円形のビームスポット形状で露光された露光量と、アパーチャ78Sから照射された小円形のビームスポット形状で露光された露光量との、積算露光量で露光処理されることになる。
【0088】
そこで、アパーチャ78Sから照射された小円形のビームスポット形状で露光する露光量比を大きくし、アパーチャ78Lから照射された大円形のビームスポット形状で露光する露光量比を小さくすれば、アパーチャ78Sから照射された小円形のビームスポット形状で比較的強く露光し、さらに、このアパーチャ78Sから照射された小円形のビームスポットが当たり比較的強く露光量処理される部分の隙間を埋めるように、アパーチャ78Lから照射された大円形のビームスポット形状で比較的弱く露光処理することができる。
【0089】
このように露光処理した場合には、光硬化性の感光材料150に対し、比較的強く露光量処理されて比較的高い硬度に光硬化された部分と、比較的弱く露光量処理されて比較的低い硬度に光硬化された部分とが、交互に、かつ平均的に現れて混在する硬軟混合構造の光硬化状態を作り出すことができる。
【0090】
すなわち、比較的高い硬度に光硬化された部分と比較的低い硬度に光硬化された部分とが混在する硬軟混合構造とした場合には、この光硬化された硬軟混合構造部分における弾性率を、外力で生じる破断応力に対して最も良く耐え得る適正値に設定する適正化を図ることができる。よって、外力により、この光硬化された硬軟混合構造部分が容易に破断しないようにできる。
【0091】
さらに、このような光硬化状態では、感光材料150の所定露光部分が、比較的高い硬度に光硬化された部分と、比較的低い硬度に光硬化された部分とが平均的に入り混じり、適度に混在する硬軟混合構造となって感光材料150の所定露光部分全体に渡って強く露光して光硬化させたときよりも硬化収縮により生じる応力を小さくして、感光材料150が基材から剥がれることを防止できる。
【0092】
また、この光硬化状態では、感光材料150の所定露光部分全体に渡って弱く露光して光硬化させたときよりも、外力によりこの露光部分が破断されないように、露光部分全体の強度を向上することがてきる。
【0093】
この露光手段では、使用者がキーボードを操作してホストコンピュータに、開口径(開口面積)及び開口形状が異なるアパーチャからの露光量比を所望の露光量比に変更調整させる指令を入力すると、このホストコンピュータ(制御手段)の制御指令によって、アパーチャ78Sから照射される小円形のビームスポット形状で露光する露光量と、アパーチャ78Lから照射される大円形のビームスポット形状で露光する露光量との比が所望の露光量比となるように設定されるよう構成する。
【0094】
なお、前述した図15のアパーチャアレイ76では、説明の便宜のため、アパーチャ78を6行4列として記載したものについて説明したが、実際のアパーチャアレイ76にアパーチャ78を形成する場合には、例えば、256行1024列に構成する。
[露光装置の動作]
次に、上記露光装置151の動作について説明する。
【0095】
スキャナ162の各露光ヘッド166において、ファイバアレイ光源66の合波レーザ光源を構成するレーザ発光素子LD1〜LD7の各々から発散光状態で出射した紫外線のレーザビームB1,B2,B3,B4,B5,B6,及びB7の各々は、図11に示すように、コリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザビームB1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面に収束する。
【0096】
本実施形態では、コリメータレンズ11〜17及び集光レンズ20によって集光光学系が構成され、その集光光学系とマルチモード光ファイバ30とによって合波光学系が構成されている。即ち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザビームB1〜B7が、このマルチモード光ファイバ30のコア30aに入射して光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザビームBに合波されてマルチモード光ファイバ30の出射端部に結合された光ファイバ31から出射する。
【0097】
この露光装置151では、露光パターンに応じた画像データが、DMD50に接続された図示しないコントローラに入力され、コントローラ内のフレームメモリに一旦記憶される。この画像データは、画像を構成する各画素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
【0098】
感光材料150を配した基材を表面に吸着したステージ152は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。ステージ152がゲート160の下を通過する際に、ゲート160に取り付けられた検知センサ164により感光材料150を配した基材の先端が検出されると、フレームメモリに記憶された画像データが複数ライン分ずつ順次読み出され、データ処理部で読み出された画像データに基づいて各露光ヘッド166毎に制御信号が生成される。そして、ミラー駆動制御部により、生成された制御信号に基づいて各露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々がオンオフ制御される。
【0099】
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光が照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光は、レンズ系54、58により感光材料150の露光面56上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が画素毎にオンオフされて、感光材料150がDMD50の使用画素数と略同数の画素単位(露光エリア168)で露光される。また、感光材料150を配した基材がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、感光材料150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に走査され、各露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
【0100】
スキャナ162による感光材料150の走査が終了し、検知センサ164で感光材料150を配した基材の後端が検出されると、ステージ152は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿ってゲート160の最上流側にある原点に復帰し、再度、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。
【0101】
なお、露光装置151では、レーザー出射部68の光源像を露光面56へ投影し、この光源像をビームスポットBSとして露光面56を露光することから、DMD50におけるマイクロミラー62の非反射部62Aの影響によりビームスポットの中央部の光量分布が低下することを防止でき、均一な光量分布を有するビームスポットBSにより露光面56を露光できる。
【0102】
また、本実施形態に係る露光装置151では、空間変調素子としてDMDを用いたが、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間変調素子(SLM;Spacial Light Modulator)や、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)や液晶光シャッタ(FLC)等、MEMSタイプ以外の空間変調素子をDMD50に代えて用いることができる。
【0103】
なお、MEMSとは、IC製造プロセスを基盤としたマイクロマシニング技術によるマイクロサイズのセンサ、アクチュエータ、そして制御回路を集積化した微細システムの総称であり、MEMSタイプの空間変調素子とは、静電気力を利用した電気機械動作により駆動される空間変調素子を意味している。
[光硬化性感光材料の露光方法]
次に、上述のように構成された本実施の形態に係る露光装置で露光硬化した際に、基材への適切な密着度と露光硬化部分の適切な強度とが得られるように露光処理するための、光硬化性感光材料の露光方法について図19乃至図22を参照しながら説明する。
【0104】
図19は、いわゆるビルドアップ基板の製造プロセスの一工程を示すもので、このビルドアップ基板では、ガラスエポキシ積層基板(ガラエポ積層基板)200の表面に回路パターンを銅メッキ膜202で構成し、その上に絶縁膜フィルム層204を形成し、この絶縁膜フィルム層204の表面に別の回路パターンを銅メッキ膜206で構成する。この銅メッキ膜206で構成する回路パターンの一部には、ビアホール208(直径300μm)が形成されている。さらに、この銅メッキ膜206の上層には、絶縁膜フィルム層210が形成されている。
【0105】
このビルドアップ基板における図19に示す製造プロセスの一工程では、絶縁膜フィルム層210の上表面全体に対して、別の回路パターンを形成するための銅メッキ膜212を形成し、この銅メッキ膜212に対するリソグラフィ工程を行う段階にある。この銅メッキ膜212には、ビアホール214(直径300μm)が形成されている。
【0106】
この絶縁膜フィルム層210の上表面全体に形成された銅メッキ膜212の上表面全体には、ドライ・フィルム・レジスト(DFR;Dry Film Resist)216が配設されている。このドライ・フィルム・レジスト216は、銅メッキ膜212上に密着するホトレジスト層218と、このホトレジスト層218の表面を覆う透明なカバーフィルム220とで構成されている。なお、ホトレジスト層は、塗布して構成しても良い。
【0107】
このように銅メッキ膜212上に配置されるドライ・フィルム・レジスト216は、ビアホール214の部分で、穴内に空間を残すよう浮き上がった状態になる。すなわち、ドライ・フィルム・レジスト216は、ビアホール214の穴の開口を塞ぐような状態で配置される。
【0108】
次に、このビルドアップ基板の製造プロセスでは、ドライ・フィルム・レジスト216に対して、所定の回路パターンを露光処理する。この露光処理は、前述した露光装置151を利用して行うことができる。なお、この露光処理にあたっては、ホトレジスト層218をカバーフィルム220が覆った状態で露光することにより、ホトレジスト層218が大気中の酸素と反応して感度が低下することを防止して、高感度で露光処理を行う。
【0109】
図20に示すように、この露光処理では、回路パターンにおけるビアホール214に対応した部分の露光処理を、ホトレジスト層218が露光硬化した際に、基材としての銅メッキ膜212への適切な密着度と、ホトレジスト層218における露光硬化部分の適切な強度とが得られるようにする露光方法によって行う。
【0110】
この露光方法では、ビアホール214の開口を塞ぐための露光硬化部分を、比較的に露光量を多くして硬く光硬化させた微細な部分である硬硬化部分217と比較的に露光量を少なくして軟らかめに光硬化させた微細な部分である軟硬化部分219とが平均的に分布するように、又は硬硬化部分217と軟硬化部分219とが適度な混合比で混在した状態となる硬軟混合構造を呈するよう露光処理する。
【0111】
なお、各硬硬化部分217と軟硬化部分219とは、それぞれ露光ヘッド166におけるDMD50のマイクロミラーの各々に対応する画素単位の露光面積、又は所定の画素グループの露光面積となる極めて微細なものから大きなものまで設定できるが、図示の都合上、図20及びその他の図面の関連箇所では、大きく記載している。
【0112】
また、この光硬化された硬軟混合構造部分は、この硬軟混合構造部分の弾性率を、外力で生じる破断応力に対して最も良く耐え得る適正値に設定する適正化を図るように硬硬化部分217と軟硬化部分219との適度な混合比を設定し、外力により、この光硬化された硬軟混合構造部分が容易に破断しないようにする。
【0113】
この露光方法では、例えば図20に示すように、ビアホール214の開口全体を含めるように一回り大きく設定した露光範囲を、微細な小矩形の硬硬化部分217と微細な小矩形の軟硬化部分219とが市松模様状となるように露光処理して硬軟混合構造を形成しても良い。このように硬硬化部分217と軟硬化部分219とを市松模様状に露光処理した場合には、微細な小矩形の硬硬化部分217と微細な小矩形の軟硬化部分219とが交互に連続して構成されると共に、互いに50%の分布割合で平均的にかつ微細に分散して配置されることになる。
【0114】
なお、小矩形の硬硬化部分217と小矩形の軟硬化部分219との分布割合は、相互に50%となるものばかりでなく、露光硬化された部分が必要とされる収縮率や強度等の物理的性質に対応させて分布割合を任意に設定するよう構成しても良い。また、硬硬化部分217と、軟硬化部分219とは、各露光硬化された部分がそれぞれ必要とされる物理的性質に対応し、各所定の硬度に光硬化させて硬軟混合構造を構成する。
【0115】
さらに、図20に示すものでは、ビアホール214の開口部分に構成した硬軟混合構造の周囲を略取り囲むように、小矩形の硬硬化部分217が形成されている。
【0116】
また、この露光方法では、図23に例示するように、ビアホール214の開口全体を含めるように一回り大きく設定した露光範囲における開口部分に比較的大きな市松模様状となるように、硬硬化部分217と軟硬化部分219とを構成し、その周囲を略取り囲むように、比較的小さな市松模様状となるように硬硬化部分217と軟硬化部分219とを構成して、硬硬化部分217と軟硬化部分219との分布割合をビアホール214の開口周囲だけ硬硬化部分217が密となるようにし強度の向上を図るように構成し、応力集中等による破断を防止する構造としても良い。
【0117】
さらに、図24に例示するように、ビアホール214の開口全体を含めるように一回り大きく設定した露光範囲における開口部分に比較的大きな桝目状となるように、硬硬化部分217と軟硬化部分219とを構成し、その周囲を略取り囲むように、比較的小さな桝目状区画で硬硬化部分217と軟硬化部分219とを構成する。これと共に、ビアホール214の開口周囲を略取り囲む比較的小さな桝目状区画には、比較的大きな桝目を4個に区切り、その3個を硬硬化部分217とし、その1個を軟硬化部分219とする分布割合としてビアホール214の開口周囲だけ硬硬化部分217が密となるようにして硬軟混合構造の強化を図り、応力集中等による破断を防止する構造としても良い。
【0118】
または、この露光方法では、例えば、ビアホール214の開口全体を含めるように一回り大きく設定した露光範囲を、軟硬化部分の地の上に小面積の円形又は多角形状の硬硬化部分が平均的に分散配置された水玉模様状となる硬軟混合構造を構成するように露光処理しても良い。
【0119】
このようにビアホール214の開口全体を含めるように一回り大きく設定した露光範囲を、硬硬化部分と軟硬化部分とが交互に配置される硬軟混合構造となるように露光処理した場合には、光硬化時のホトレジスト層218の収縮を適度に押さえて、硬軟混合構造に光硬化された部分が銅メッキ膜212から剥がれ落ちることを防止できる。
【0120】
さらに、ビアホール214の開口全体を含めるように一回り大きく設定した露光範囲を硬軟混合構造となるように露光処理した場合には、硬軟混合構造に光硬化された部分に柔軟性を残すことができるので、光硬化時のホトレジスト層218の収縮により生じる応力や、ドライ・フィルム・レジスト216を銅メッキ膜212上に貼り付ける際の圧力の影響で、硬軟混合構造に光硬化された部分に亀裂が入ったり、破断したりすることを防止することができる。
【0121】
また、ビアホール214部分の露光範囲を硬軟混合構造に露光処理した場合には、後述する現像処理をする工程において、カバーフィルム220を取り去ってから現像液を比較的高い圧力のシャワーで吹き付けても、硬軟混合構造に光硬化された部分が破れることが無いように、膜状の硬軟混合構造に光硬化された部分に十分な強度を持たせることができる。
【0122】
図20に示すように、この露光処理では、ビアホール214に対応した部分以外の回路パターンの導体部分222を露光処理する場合には、ホトレジスト層218を硬硬化部分217と同様に光硬化する。なお、ドライ・フィルム・レジスト216における、ビアホール214に対応した露光部分及び導体部分222以外の回路パターンを形成しない部分については、露光処理しないことは勿論である。
【0123】
次に、露光装置151によって、ビアホール214の開口全体を含めるように一回り大きく設定した露光範囲を硬軟混合構造となるように露光処理するための露光手段について、第1乃至第3の露光手段を例にとって説明する。
【0124】
この露光装置151によって、露光範囲を硬軟混合構造となるように露光処理する第1の露光手段では、露光装置151における制御手段により、露光範囲における各硬硬化部分217と各軟硬化部分219とに対応した画像データに基づいて、各露光ヘッド166毎に制御信号が生成される。そして、ミラー駆動制御部(制御手段)により、生成された制御信号に基づいて各露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々が、画素単位で又は所定の画素グループ毎にオンオフ制御される。
【0125】
また、この露光装置151では、ドライ・フィルム・レジスト216を配した基材をステージ152と共に一定速度で移動させる動作と相俟って露光走査する動作が行われる。
【0126】
この露光装置151では、上述のような制御手段による制御により、ファイバアレイ光源66からDMD50に照射された紫外線レーザ光を、DMD50のマイクロミラーをオン状態に制御して反射させてレンズ系によりドライ・フィルム・レジスト216上における各硬硬化部分217の場所に結像させる時間を長くして露光量を、各軟硬化部分219に対するものより比較的多く露光し、ホトレジスト層218が硬く光硬化されるようにする。なお、この場合には、露光量を多くする手段として、ファイバアレイ光源66から出射する紫外線レーザ光のパルス幅を短くする手段を利用できる。
【0127】
さらにこの場合には、ファイバアレイ光源66からDMD50に照射する紫外線レーザ光のパワーを各軟硬化部分219に対するものより比較的に大きくなるよう増加させて各硬硬化部分217に結像させ、ホトレジスト層218が硬く光硬化されるようにしても良い。
【0128】
また、この露光装置151で各軟硬化部分219を露光処理する場合には、ファイバアレイ光源66からDMD50に照射された紫外線レーザ光を、DMD50のマイクロミラーをオン状態又はオフ状態に制御することにより、オン状態にあるときだけ紫外線レーザ光を反射させてレンズ系によりドライ・フィルム・レジスト216上における各軟硬化部分219の場所に結像させる時間を短くして露光量を、各硬硬化部分217に対するものより比較的少なく露光し、ホトレジスト層218が所定の軟らかさで光硬化されるようにする。なお、この場合には、露光量を少なく手段として、ファイバアレイ光源66から出射する紫外線レーザ光のパルス幅を長くする手段を利用できる。
【0129】
さらにこの場合には、ファイバアレイ光源66からDMD50に照射する紫外線レーザ光のパワーを各硬硬化部分217に対するものより比較的に小さくなるよう減少させて各軟硬化部分219に結像させ、ホトレジスト層218が所定の軟らかさで光硬化されるようにしても良い。
【0130】
また、この露光装置151で、交互に配置された各硬硬化部分217と各軟硬化部分219とを露光処理する場合には、制御手段による制御により、前述した露光量を多くする制御動作と、露光量を少なくする制御動作とを、周期的に又は不定期で断続的に繰り返すことにより行うことができる。
【0131】
すなわち、制御手段は、光硬化性感光材料であるホトレジスト層218に対して、紫外線の光ビームによる露光量を多くして硬く光硬化させることにより硬硬化部分217を形成し、この硬く光硬化させる場合より紫外線の光ビームによる露光量を少なくして軟らかく光硬化させることにより軟硬化部分219を形成し、硬硬化部分217と軟硬化部分219とが平均的に分布して混在する硬軟混合構造を構成するように空間光変調素子であるDMD50を制御する。
【0132】
次に、露光装置151によって、露光範囲を硬軟混合構造となるように露光処理する第2の露光手段について説明する。
【0133】
この第2の露光手段では、露光装置151において、ファイバアレイ光源66から出射された紫外線レーザ光をDMD50のマイクロミラーで反射してレンズ系によりドライ・フィルム・レジスト216上に結像させるときのビームが太って結像された光源像の周囲にも所定の弱い紫外線レーザ光が照射される状態に設定する。
【0134】
そして、この第2の露光手段では、光源像を結像する比較的強い紫外線レーザ光で各硬硬化部分217を露光する際に、同時にその周囲に設定された軟硬化部分219に対して光源像を結像する紫外線レーザ光よりも比較的弱い紫外線レーザ光で露光することにより、所定の露光範囲を硬軟混合構造となるように露光処理する。
【0135】
このため第2の露光手段では、露光装置151において、露光範囲における各硬硬化部分217に対応した画像データに基づいて、各露光ヘッド166毎に制御信号が生成される。そして、ミラー駆動制御部により、生成された制御信号に基づいて各露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々がオンオフ制御される。
【0136】
この露光装置151では、上述のような制御により、ファイバアレイ光源66からDMD50に照射された紫外線レーザ光を、DMD50のマイクロミラーをオン状態に制御して反射させてレンズ系によりドライ・フィルム・レジスト216上における各硬硬化部分217の場所に結像させ、ホトレジスト層218が硬く光硬化されるようにする。
【0137】
すると、これと同時に各硬硬化部分217の周囲に配置された軟硬化部分219も、光源像を結像する紫外線レーザ光よりも比較的弱い紫外線レーザ光で露光され(オーバーラップ露光される場合もある)、ホトレジスト層218が所定の軟らかさで光硬化される。
【0138】
次に、露光装置151によって、露光範囲を硬軟混合構造となるように露光処理する第3の露光手段について説明する。
【0139】
この第3の露光手段では、露光装置151において、図15に例示する開口径(開口面積)及び開口形状が異なるアパーチャからの露光量比を変更調整可能とした露光手段を利用する。
【0140】
すなわち、アパーチャ78Sから照射された小円形のビームスポット形状で露光する露光量比を大きくして各硬硬化部分217を露光し、アパーチャ78Lから照射された大円形のビームスポット形状で露光する露光量比を小さくして各軟硬化部分219を露光する。
【0141】
これにより、図15に例示する開口径及び開口形状が異なるアパーチャを用いて露光すると、図25に例示するように、ビアホール214の開口全体を含めるように一回り大きく設定した露光範囲を、帯状の硬硬化部分217と帯状の軟硬化部分219とが交互に連続した縞模様状の硬軟混合構造が構成されるように露光処理される。
【0142】
この露光処理では、帯状の硬硬化部分217をアパーチャ78Lとアパーチャ78Sとの両者で露光して光硬化し、帯状の軟硬化部分219をアパーチャ78Sのみで露光して光硬化することにより、縞模様状の硬軟混合構造を構成することになる。
【0143】
なお、露光装置151によって、ビアホール214の開口全体を含めるように一回り大きく設定した露光範囲を硬軟混合構造となるように露光処理するための露光手段は、前述した第1乃至第3の露光手段に限られるものではなく、その他種々の手段を利用できることは、勿論である。
【0144】
次に、このビルドアップ基板の製造プロセスでは、ドライ・フィルム・レジスト216に対して、図19及び図20に示すように所定の回路パターンが露光処理されると、ドライ・フィルム・レジスト216における表層のカバーフィルム220を剥がして、現像処理工程へ送る。
【0145】
この現像処理工程では、噴射ノズルから所定の強い圧力で現像液を、ガラスエポキシ積層基板200の上層にある回路パターンが露光されたホトレジスト層218に吹き付けて現像し、未露光部分を溶出させ、図21に示すように、回路パターン(217、219、222)の部分を銅メッキ膜212上に残した状態する。
【0146】
この現像処理工程で、強い圧力で現像液をホトレジスト層218に吹き付けても、ビアホール214の開口を塞ぐ蓋状に形成された硬硬化部分217と軟硬化部分219とで硬軟混合構造に露光処理された部分は、ビアホール214の空間の上に浮いた状態であっても、所要の強度と柔軟性とを兼ね備えているため、亀裂を生じたり若しくは破れたり又は剥がれたりすることなく、確実にビアホール214の開口を塞ぐ状態で残る。
【0147】
次に、このビルドアップ基板の製造プロセスでは、パターンエッチング工程に移行し、図22に示すように、光硬化されたホトレジスト層218をマスクとした下地膜である銅メッキ膜212のエッチングをする。
【0148】
このとき、銅メッキ膜212におけるビアホール214の開口部分は、硬硬化部分217と軟硬化部分219とで硬軟混合構造に露光処理された蓋状の部分で確実に塞がれているから、ビアホール214の開口内にエッチング液が浸入してビアホール214を形成する銅メッキ膜を溶かし去ることを防止することができる。
【0149】
次に、このビルドアップ基板の製造プロセスでは、図22に示すように、回路パターン上に残っている不用となったレジスト膜(217、219、222)を除去して、次の工程へ送り、ここでのビルドアップ基板の製造プロセスの作業を完了する。
【0150】
なお、前述した本実施の形態に係る露光装置で露光硬化した際に、基材への適切な密着度と露光硬化部分の適切な強度とが得られるように露光処理するための、光硬化性感光材料の露光方法は、銅メッキ膜212等の基材上におけるビアホール214以外の穴や凹状部分近傍に、硬軟混合構造に露光処理された蓋状の部分を露光形成する場合にも利用できる。
【0151】
【発明の効果】
本発明の光硬化性感光材料の露光方法と露光装置によれば、露光硬化した際に、適切な基材への密着度と強度とが得られるように露光処理することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る露光装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る露光装置のスキャナの構成を示す斜視図である。
【図3】(A)は、本発明の露光装置における感光材料に形成される露光済み領域を示す平面図であり、(B)は、本発明の露光装置における各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る露光装置の露光ヘッドの概略構成を示す斜視図である。
【図5】(A)は図4に示す露光ヘッドの構成を示す側面図、(B)及び(C)は露光ヘッドによる露光エリアの平面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る露光装置に用いるデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の構成を示す要部拡大図である。
【図7】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係る露光装置に用いるDMDの動作を説明するための説明図である。
【図8】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係る露光装置に用いるDMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、露光ビームの配置及び走査線を比較して示す平面図である。
【図9】(A)は、本発明の実施の形態に係る露光装置に用いるファイバアレイ光源の構成を示す斜視図であり、(B)は(A)の部分拡大図であり、(C)及び(D)はレーザー出射部における発光点の配列を示す平面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る露光装置に用いるマルチモード光ファイバの構成を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る露光装置に用いる合波レーザ光源の構成を示す平面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る露光装置に用いるレーザモジュールの構成を示す平面図である。
【図13】図12に示すレーザモジュールの構成を示す側面図である。
【図14】図12に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る露光装置に用いる開口径(開口面積)及び開口形状が異なるアパーチャからの露光量比を変更調整可能とする露光手段の構成例を示す平面図である。
【図16】図4に示す露光ヘッドにより形成される光源像を説明するための側面図である。
【図17】図16に示す投影光学系における第1マイクロレンズ付近の拡大図である。
【図18】(A)、(B)及び(C)は、それぞれ本発明の実施の形態に係る露光装置におけるレーザー出射部の構成例を示す正面図である。
【図19】本発明の実施の形態に係る露光装置を用い、ビルドアップ基板の製造プロセスの一工程で露光処理をする対象となる、ドライ・フィルム・レジストを付着した基板材を示す断面図である。
【図20】本発明の実施の形態に係る露光装置を用い、ビルドアップ基板の製造プロセスの一工程で露光処理をする対象となる基板材を示す平面図である。
【図21】本発明の実施の形態に係る露光装置を用い、ビルドアップ基板の製造プロセスの一工程で露光処理をする対象となる、現像処理工程後の基板材を示す断面図である。
【図22】本発明の実施の形態に係る露光装置を用い、ビルドアップ基板の製造プロセスの一工程で露光処理をする対象となる、エッチング処理工程後の基板材を示す断面図である。
【図23】本発明の実施の形態に係る露光装置を用い、ビルドアップ基板の製造プロセスの一工程で、ビアホールの開口周囲だけ硬硬化部分を密にし強度の向上を図るようにした露光処理をしたときの基板材の要部を示す拡大平面図である。
【図24】本発明の実施の形態に係る露光装置を用い、ビルドアップ基板の製造プロセスの一工程で、ビアホールの開口周囲だけ硬硬化部分をより密にし強度の向上を図るようにした露光処理をしたときの基板材の要部を示す拡大平面図である。
【図25】本発明の実施の形態に係る露光装置を用い、ビルドアップ基板の製造プロセスの一工程で、図15に示すアパーチャを利用してビアホールの開口周囲を露光処理をしたときの基板材の要部を示す拡大平面図である。
【符号の説明】
50 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
54 レンズ系
56 露光面
58 レンズ系
62 微小ミラー(マイクロミラー)
144 照明装置
146 投影光学系
150 感光材料
151 露光装置
166 露光ヘッド
200 ガラスエポキシ積層基板
202 銅メッキ膜
210 絶縁膜フィルム層
212 銅メッキ膜
214 ビアホール
216 ドライ・フィルム・レジスト
217 硬硬化部分
218 ホトレジスト層
219 軟硬化部分

Claims (4)

  1. 光硬化性感光材料に対して、露光量を多くして硬く光硬化させた部分である硬硬化部分と、硬く光硬化させる場合より露光量を少なくして軟らかく光硬化させた部分である軟硬化部分とが、混在した状態となるよう露光処理して、硬軟混合構造を作ることを特徴とする光硬化性感光材料の露光方法。
  2. 前記硬硬化部分と、前記軟硬化部分とが市松模様状に配置されるように露光処理することを特徴とする請求項1に記載の光硬化性感光材料の露光方法。
  3. 一部に開口が形成された基板に前記光硬化性感光材料を塗布又は貼付け、前記開口を覆う領域に硬硬化部分と軟硬化部分を混在させたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光硬化性感光材料の露光方法。
  4. 露光面を複数の光ビームにより露光する露光ヘッドであって、
    紫外線の光ビームを出射する照明手段と、
    制御信号に応じて光変調状態がそれぞれ変化する複数個の画素部が基板上に2次元的に配列され、前記照明手段から前記画素部に入射した紫外線の光ビームを変調する空間光変調素子と、
    前記空間光変調素子で変調された紫外線の各光ビームを、光硬化性感光材料の面上にそれぞれビームスポットとして結像する光学系と、
    前記光硬化性感光材料に対して、紫外線の光ビームによる露光量を多くして硬く光硬化させることにより硬硬化部分を形成し、この硬く光硬化させる場合より紫外線の光ビームによる露光量を少なくして軟らかく光硬化させることにより軟硬化部分を形成し、前記硬硬化部分と前記軟硬化部分とが混在する硬軟混合構造を構成するように、前記空間光変調素子を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする光硬化性感光材料の露光装置。
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