JP2004258026A - プローブ媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プローブ媒体を基材上にスポッティングしたときに、プローブを効率よく、安定的に基材上に固定させる。
【解決手段】 標的物質に対して特異的に結合可能なプローブを含むプローブ媒体であって、該プローブと、有機溶媒を含む媒体と、該プローブを有機溶媒に可溶化させる物質と、を含むことを特徴とするプローブ媒体を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、標的物質に対して特異的に結合可能なプローブを含んでなるプローブ媒体およびこのプローブ媒体製造方法に関する。また、本発明は、プローブを効果的に基材に固定するために有用なプローブ媒体、プローブ媒体製造方法およびこのプローブ媒体を用いたプローブの固定方法に関する。さらには、プローブを基材に固定することにより得られたプローブ固定基材およびこのプローブ固定基材を用いて標的物質を検出する検出素子および検出方法に関する。
遺伝子工学、分子生物学などのバイオ分野の進歩により、感染症、癌や遺伝子疾患などについてDNA、RNAレベルでの診断が可能になってきた。DNA、RNAなどの核酸による診断に用いられるツールの一つとして、DNAチップ、DNAアレイが注目されてきている。DNAチップ、DNAアレイを始めとする診断ツールでは、核酸などのプローブを基材に固定しておき、プローブと標的物質をハイブリダイズさせることにより検出を行なう。このDNA、RNA、核酸などの標的物質に対して特異的に結合可能なプローブは水に容易に溶解する水溶性を示し、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソアミルアルコール、ジプロピレングリコール、クロロホルムなどの有機溶媒にはほとんど溶解しないことが知られている。
スポッティングなどの方法により予め用意されたプローブを用いてDNAチップ、DNAアレイなどのプローブを固定した基材を作成する場合、プローブを基材に固定する際にはプローブを、水もしくは水とpH調整の為の物質を含んだ水溶液に溶解させたものをプローブ媒体として用い、これを基材に接触させることによりプローブを基材に固定していた。具体的には、プローブを固定する方法としてDNAを水に溶解させたプローブ水溶液を調製した後に、調製したプローブ媒体を表面処理したウェルプレート中に分注、滴下することによりプローブを基材に固定する方法が記載されている(例えば、特許文献1参照。)。また、DNAを10mM Tris・HCl pH7.6、1mM EDTA溶液で溶解させて濃度調整を行ない、これに4倍容のH2Oと5倍容の固定化バッファー(1.5M NaCl、0.3M Tris・HCl pH8.0、0.3M MgCl2)を加えて混和することによりプローブ媒体を調製する方法が記載さている(例えば、特許文献2参照。)。また、5’末端にビオチンを導入したオリゴヌクレオチド水溶液を作成し、イソシアネート化スライドガラスにドットし、37℃のインキュベーターで15分間固定化する方法が記載されている(例えば、特許文献3参照。)。さらには、一本鎖DNAをTE緩衝液(pH7.5、10mM Tris・HCl、1mM EDTA)で段階希釈することによりプローブ媒体を調製している(例えば、特許文献4参照。)。調製したプローブ媒体をニトロセルロース膜にドット、風乾、加熱することによりDNAを基材に固定している。
特開平08−23975号公報 特開平05−192198号公報 特開2000−146971号公報 特登録02794728
しかしながら、従来用いられていた標的物質に対して特異的に結合可能なプローブを含むプローブ媒体の中に、基材へプローブを固定するためのものとして、プローブをプローブが不溶な有機溶媒に溶解させたものは無く、また、プローブ媒体中にプローブが不溶な有機溶媒にプローブを溶解させる物質を含むものについても無かった。従来用いられていたプローブ媒体は、標的物質に対して特異的に結合可能なプローブを水もしくは、水とpH調整の為の物質、吸着を低減させる為の物質を含んだ水溶液にプローブを溶解させたものであった。さらには、プローブ媒体を基材にスポッティングなどの方法により点着するのに好適であるようにグリコール系溶媒、アルコール系溶媒を少量添加することは知られていたが、DNA、RNAなどの核酸を始めとするプローブをプローブが不溶な有機溶媒中に溶解するように調製したプローブ媒体は無かった。このため、基材上へのプローブ媒体の点着を好適に行なうために、水を含まない有機溶媒のみのプローブ媒体が適当であっても、プローブが溶解しないことから実施することは難しかった。
また、核酸などのプローブを有機溶媒中に溶解させることは、試料中よりDNA、RNAなどの核酸を始めとするプローブを抽出する場合に用いることは知られていた。しかしながら、プローブを基材に固定するのに用いるプローブ媒体として、プローブを有機溶媒中に溶解させたものは無かった。また、プローブ抽出においてDNA、RNAなどの核酸を始めとするプローブを核酸結合性担体に結合させるために界面活性剤を含む溶液中に懸濁された担体を用いて核酸を結合させ抽出することは知られていたが、界面活性剤を含む溶液中にプローブを溶解させプローブ媒体として用いることは無かった。
本出願に係る第一の目的は標的物質に対して特異的に結合可能なプローブと有機溶媒とプローブを有機溶媒に可溶化させる物質とを含むプローブ媒体を提供することにある。
本出願に係る第二の目的はプローブをプローブが可溶な溶媒に溶解させた後、プローブを有機溶媒に可溶化させる物質を作用させることによりプローブを溶媒より分離し、有機溶媒を加えることによりプローブを有機溶媒中に溶解させることにある。
本出願に係る第三の目的はプローブを有機溶媒に可溶化させる物質の量をプローブの沈殿、再溶解より確認し、プローブが沈殿するように調製することにより、効果的に有機溶媒中に溶解させることにある。
上記の課題は下記の発明によって解決された。
(1)標的物質に対して特異的に結合可能なプローブを含むプローブ媒体であって、プローブと、有機溶媒を含む媒体と、前記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質と、を含むことを特徴とするプローブ媒体。上記プローブが核酸プローブであっても良い。上記有機溶媒が、前記プローブが不溶な溶媒であっても良い。上記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質が、両親媒性物質であっても良い。上記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質が、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド,n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド,セチルピリジニウムクロライドのいずれかの物質、もしくは少なくともいずれかを有する混合物であっても良い。上記プローブを基材に固定するための物質を更に有する。プローブを基材に固定するための物質が、シランカップリング剤である。上記プローブが可溶な溶媒をさらに有する。上記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質が、前記プローブ媒体が白濁する量を含むことで調製されている。
(2)標的物質に対して特異的に結合可能なプローブを含むプローブ媒体の製造方法であって、前記プローブを前記プローブが可溶な溶媒に溶解させるステップと、前記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質を前記溶媒に作用させることにより前記プローブを前記溶媒より分離するステップと、有機溶媒を加えることにより前記プローブを有機溶媒に溶解させるステップと、を有する。上記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質の量を、前記プローブの長さと前記プローブのモル数の積に基づいて製造する。
上記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質の量を、前記プローブが溶媒より分離した量に基づき製造することを特徴とする。
(3)プローブ媒体をスポッティング方法により基材に付与することにより固定するプローブ固定方法。
(4)上記プローブ固定方法により作製された検出素子。
本発明によれば標的物質に対して特異的に結合可能なプローブと、有機溶媒を含む媒体と、前記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質とを有するプローブ媒体を用いることによりプローブを基材に効果的に固定することができる。プローブ媒体はプローブおよびプローブを有機溶媒に可溶化させる物質を有し、プローブを有機溶媒中に溶解させるため、スポッティングを行なう際に好適な材料組成とすることが可能である。また、プローブ媒体中にプローブを基材に固定する物質を含む場合、プローブとプローブを基材に固定する物質とを効果的に結合させることができ、プローブを基材に効率良く固定できるようになる。更には、プローブとプローブを基材に固定する物質を結合させるために製造工程での制御、時間を簡略化、短縮することができる。
また本発明によれば、多種のプローブを一つの基材に固定する場合、各プローブ種に対応して結合物質種、濃度を選択することが可能となるばかりでなく、プローブ種に応じたプローブ固定物質を選択することも可能となる。さらにはプローブおよびプローブを基材に固定する物質に応じてプローブ媒体組成が調製可能となる。このため、一つの基材において多種プローブをプローブ種、プローブ固定物質の組合せ毎に最適な条件で結合させることができる。
さらに、プローブをプローブが可溶な溶媒に溶解させた後、プローブを有機溶媒に可溶化させる物質を作用させることによりプローブを分離し、有機溶媒を加えることによりプローブを有機溶媒中に溶解させることによりプローブを基材に効果的に固定することができる。
本発明にかかるプローブ媒体は、標的物質に対して特異的に結合可能なプローブと、有機溶媒を含む媒体と、前記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質を含む。また、本発明にかかるプローブ媒体は、プローブをプローブが可溶な溶媒に溶解させた後、プローブを有機溶媒に可溶化させる物質を作用させることによりプローブを溶媒より分離し、プローブが不溶な有機溶媒を加えることにより有機溶媒にプローブを溶解させるプローブ媒体およびプローブ媒体製造方法を含む。また、本発明にかかるプローブの基材への固定方法は、プローブ媒体を基材に付着させる工程とを有する。
プローブとしては、一本鎖核酸プローブ、一本鎖DNAプローブ、一本鎖RNAプローブ、一本鎖PNAプローブ、一本鎖糖鎖プローブなどが含まれる。媒体中に含まれるプローブの量としては、プローブ媒体中でのプローブの安定性を考慮すると、プローブ媒体を、例えば2mer〜500mer、特には2mer〜80merのプローブが、0.05〜500μmol/l、特には0.5〜50μmol/lの濃度となるように調製する。
これらのプローブは、基材への結合のための反応部位を有するものであっても良く、この反応部位としては、官能基、ビオチンなどが挙げられる。この反応部位は適当な長さのリンカーの一部として提供されたものでもよい。例えば官能基としては、アミノ(NH2)基、カルボニル(COOH)基、メルカプト(SH)基、水酸(OH)基などの官能基が挙げられる。特にはプローブ官能基としては、プローブ官能基合成の容易性を考慮するとアミノ基が好ましく、プローブ官能基の反応性を考慮するとメルカプト基が好ましい。
プローブが可溶な溶媒としては、水、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを挙げることができる。また、これらの溶媒を必要に応じて2種以上用いることも可能である。水としては、塩化ナトリウム等の塩、リン酸等の酸を添加したプローブ溶解溶液中の水も含まれる。
プローブを有機溶媒に可溶化させる物質としては、両親媒性物質であるとよく、具体的には界面活性剤、ミセル触媒を形成する界面活性剤などを挙げることができる。界面活性剤としては、カチオン界面活性剤が特に好ましい。カチオン界面活性剤としては、セチルピリジニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。プローブ媒体中に含まれる量としては、プローブの有機溶媒への溶解性、プローブとしての安定性を考慮すると、媒体中には例えば0.2μmol/l以上、好ましくは1μmol/l以上の濃度となるように、また、400000μmol/l以下、好ましくは40000μmol/l以下の濃度となるように界面活性剤の量を調製する。プローブ媒体へ作用させる量は、プローブの長さおよびプローブのモル数の積を元に調製する。また、プローブ媒体へ作用させる量として、プローブが溶媒より分離した量を元に調製する。さらには、プローブ媒体へ作用させる量として、プローブの沈殿、再溶解より確認し、プローブが沈殿するように調製する。また、この量が、前記プローブ媒体が白濁する量で調製されていると好適であることを本発明者は見出した。
プローブが不溶な有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類のみならず、シランカップリング剤などのプローブを基材に固定する有機溶媒を含む多くの有機溶媒を挙げることができる。また、プローブ媒体中に含まれる有機溶媒の種類としては、1種類のみならず複数種の有機溶媒を用いても良い。プローブが不溶な有機溶媒中にプローブを基材に固定する有機溶媒が含まれずプローブが他の物質を介することなく基材と結合する場合、プローブが不溶な有機溶媒としてはアルコール類などのプローブおよび基材との反応部位を有さないものが好ましい。プローブが不溶な有機溶媒には、プローブおよび基材と反応することによりプローブを基材に固定する有機溶媒が含まれても良い。特にプローブが基材と結合しない、もしくは殆ど結合しない場合、プローブを基材に固定する有機溶媒が含まれることが好ましい。プローブを基材に固定する有機溶媒としては、プローブおよび基材との反応部位を有するものとして、シランカップリング剤などが挙げられる。シランカップリング剤としては、様々なものが挙げられるが、エポキシシランカップリング剤、イソシアネートシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤、クロロプロピルシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤などが好ましい。媒体中に含まれるプローブを基材に固定する有機溶媒の量としては、プローブの基材への固定性を考慮すると、プローブ媒体中には例えば0.05〜50000μmol/l、特には10〜500μmol/lの濃度となるように調整することが好ましい。
プローブ官能基と上記有機溶媒の反応としては、反応は官能基間での化学反応による共有結合であることが好ましい。化学反応としては、プローブの有する官能基がアミノ(NH2)基である場合、有機溶媒としてエポキシシランカップリング剤、イソシアネートシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤、クロロプロピルシランカップリング剤が好ましい。プローブの有する官能基がカルボニル(COOH)基である場合、アミノシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤が好ましい。プローブの有する官能基がメルカプト(SH)基である場合、有機溶媒としてエポキシシランカップリング剤、イソシアネートシランカップリング剤、ビニルシランカップリング剤が好ましい。アルコール類としては、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールが挙げられる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトンが挙げられる。アミノシランカップリング剤としてはγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。エポキシシランカップリング剤としてはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。イソシアネートシランカップリング剤としてはγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランが挙げられる。メルカプトシランカップリング剤としてはγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。クロロプロピルシランカップリング剤としてはγ−クロロプロピルトリメトキシシランが挙げられる。ビニルシランカップリング剤としてはビニルトリメトキシシランが挙げられる。プローブが不溶な有機溶媒としては、これらの有機溶媒の混合溶媒であっても構わない。プローブが不溶な有機溶媒としては、プローブ、プローブが可溶な溶媒、プローブを有機溶媒に可溶化させる物質、プローブが不溶な有機溶媒を混合し、プローブ媒体とした時に複数相に分離しないような有機溶媒もしくは、有機溶媒の混合溶媒であることが好ましい。
また、プローブ媒体には必要に応じて水溶性高分子材料が混合されていても構わない。水溶性高分子材料としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、パオゲン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、デキストラン、プルランなどがあげられ、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)などの汎用的な高分子水溶性材料であることが好ましい。これらの1種を、または必要に応じてこれらの2種以上を組み合わせて用いることができる。
水溶性高分子材料の媒体への混合方法としては、予め水溶性高分子材料を完全に溶解させた所定の濃度の溶液を作製し、この作製された水溶性高分子溶液を所定濃度となるように秤量し、混合する方法が好適である。水溶性高分子材料溶液としては、具体的には、ポリビニルアルコール粉末を秤量し、純水中に0.5〜5質量%の濃度となるように添加して、加温しながら溶解させて得られたものを挙げることができる。この水溶性高分子水溶液を、プローブ媒体における濃度が0.01〜1質量%となるようにプローブ媒体中に混合することが好ましい。
プローブ媒体を製造する手順としては、いくつかの手順が挙げられる。
プローブ媒体を製造する方法としては、プローブが不溶な有機溶媒中にプローブを基材に固定する有機溶媒を含む場合と含まない場合では異なる。
プローブが不溶な有機溶媒中にプローブを基材に固定する有機溶媒を含む場合、第一の方法として以下の方法を用いることができる。まず、プローブをプローブが可溶な溶媒少量と混合し、プローブを溶解させる。プローブを溶解させた溶媒に、プローブを有機溶媒に可溶化させる物質を添加する。プローブを有機溶媒に可溶化させる物質の添加方法としては、プローブを溶解させた溶媒に物質を混合する方法、予めプローブが可溶な溶媒に所定の濃度となるように溶解しておき混合する方法、予めプローブが不溶な有機溶媒に所定の濃度となるように溶解しておき混合する方法が挙げられるが、効率的に混合する観点から予めプローブが可溶な溶媒に溶解しておき混合する方法が好ましい。プローブを有機溶媒に可溶化させる物質をプローブが可溶な溶媒に溶解させておく濃度としては、プローブを効果的に有機溶媒に溶解させる観点からできるだけ高いほうが好ましい。プローブを有機溶媒に可溶化させる物質を含む溶液を、プローブを溶解させた溶媒に滴下、混合する。滴下量としては、プローブを有機溶媒に可溶化させる物質が、プローブのモル数とプローブ鎖長数の積に0.2〜4を乗じたモル数となるようにし、好ましくは0.5〜3を乗じたモル数となるようにするのが適当である。プローブを有機溶媒に可溶化させる物質をプローブを溶解させた溶媒に添加することにより、プローブを溶媒中より分離させる。分離させたプローブを遠心沈降させるなどの方法により集積させても構わない。分離させたプローブを含有した溶媒にプローブを基材に固定する有機溶媒を滴下、混合する。混合量はプローブ官能基、プローブを基材に固定する有機溶媒などにより変わるが、プローブモル数の0.5〜500倍のモル数、好ましくは1.0〜50倍のモル数となるように調製するのが適当である。更にはプローブの基材への固定性を考慮すると、プローブ媒体中には例えば0.05〜50000μmol/l、特には10〜500μmol/lの濃度となるように調製することが好ましい。混合方法としては、プローブを有機溶媒に可溶化させる物質の添加により分離したプローブとプローブを基材に固定する有機溶媒が混合する方法であれば特に制約されるものではない。プローブが可溶な溶媒の比重に比べてプローブを基材に固定する有機溶媒の比重が大きい場合、分離、沈降したプローブを含む溶媒に静かに滴下、遠心沈降させることにより効果的に反応させることができる。必要に応じて、加温しても良く、加温する場合は40℃〜80℃に加温しても良い。プローブが可溶な溶媒の比重に比べてプローブを基材に固定する有機溶媒の比重が小さい場合、プローブを十分に容器中で分離、沈降し、容器底部に固定させた後にプローブを含む溶媒に静かに滴下する。容器を密閉し、傾斜もしくは攪拌させることにより反応させることができる。比重が大きい場合と同様に必要に応じて加温しても良い。プローブを基材に固定する有機溶媒を混合した後にプローブ媒体として単一相であることが好ましい場合、有機溶媒を添加することにより単一相にすることが可能である。例えば、プローブを基材に固定する有機溶媒がイソシアネートシランカップリング剤であり、プローブが可溶な溶媒が水である場合、2−プロパノール、ジプロピレングリコールを添加することにより単一相とすることができる。プローブを基材に固定する上で問題が無い限り、プローブ媒体を取扱う上でも単一相であることが好ましい。添加量としては特に制約されるものではないが、単一相とすることが可能な範囲でプローブ濃度を所定の濃度とし、基材に固定するのに適当な範囲とすることが好ましい。更に必要に応じて水溶性高分子および水を混合しても良い。水溶性高分子および水の混合方法としては、水溶性高分子の水溶液を調製した上で所定の量となるように滴下、混合するのが好ましい。
第二の方法としては、以下の方法を用いることができる。まず、プローブの入った容器中にプローブを有機溶媒に可溶化させる物質をプローブが可溶な溶媒に溶解させた溶液を滴下、混合する。これによりプローブは有機溶媒に溶解するようになり、プローブが可溶な溶媒に不溶化するために、沈降する。次いでプローブを基材に固定する有機溶媒を容器中に滴下、十分に混合する。プローブとプローブを基材に固定する有機溶媒とが十分に結合するように、混合時間、混合温度を調整するのが好ましい。有機溶媒の混合、水溶性高分子の混合および、水の混合については、第一の方法と同様に行なって構わない。
第三の方法は、プローブとプローブを有機溶媒に可溶化させる物質とを混合処理しておくことによるものである。プローブを少量のプローブが可溶な溶媒で溶解させた後、プローブを有機溶媒に可溶化させる物質をプローブが可溶な溶媒に溶解させた溶液を滴下、混合する。プローブが不溶化、沈降したことを確認した後にドライアップ、乾燥させて、余分な溶媒を除去する。容器中に残ったものがプローブとプローブを有機溶媒に可溶化させる物質とを混合処理したものである。これは、有機溶媒に溶解するため、プローブを基材に固定する有機溶媒を滴下、混合する。プローブとプローブを基材に固定する物質が十分に結合するように、混合時間、混合温度を調整するのが好ましい。有機溶媒の混合、水溶性高分子の混合および、水の混合については、第一の方法と同様に行なって構わない。この方法に用いるプローブとプローブを有機溶媒に可溶化させる物質とを混合した媒体は、プローブ固定化用試薬として提供することができる。
プローブが不溶な有機溶媒中にプローブを基材に固定する有機溶媒を含まない場合、第一の方法としては以下の方法を用いることができる。まず、プローブを基材に固定する有機溶媒を含む場合と同様にして、プローブ、プローブが可溶な溶媒、プローブを有機溶媒に可溶化させる物質を混合、プローブを混合し、プローブを溶媒中より分離させる。分離させたプローブを含有した溶媒にプローブが不溶な有機溶媒を滴下、混合する。プローブが不溶な有機溶媒へと分離したプローブは溶解することにより、プローブ媒体は有機溶媒とプローブが可溶な溶媒の混合媒体となる。有機溶媒とプローブが可溶な溶媒の混合媒体が単一相でない場合、更に別の有機溶媒を混合することによりプローブ媒体を単一相にすることが可能である。プローブを基材に固定するうえで問題が無い限り、プローブ媒体を取扱ううえでも単一相であることが好ましい。更に必要に応じて水溶性高分子および水を混合しても良い。水溶性高分子および水の混合方法としては、水溶性高分子の水溶液を調製したうえで所定の量となるように滴下、混合するのが好ましい。
第二の方法としては以下の方法を用いることができる。まず、プローブの入った容器中にプローブを有機溶媒に可溶化させる物質をプローブが可溶な溶媒に溶解させた溶液を滴下、混合する。これによりプローブは有機溶媒に溶解するようになり、沈降する。次いで、有機溶媒を滴下、混合することによりプローブを溶解させる。有機溶媒の混合は第一の方法と同様に行なっても構わない。更に水溶性高分子の混合および、水の混合については、第一の方法と同様に行なって構わない。
第三の方法は、プローブとプローブを有機溶媒に可溶化させる物質とを混合処理しておくことによるものである。プローブを少量のプローブが可溶な溶媒で溶解させた後、プローブを有機溶媒に可溶化させる物質をプローブが可溶な溶媒に溶解させた水溶液を滴下、混合する。プローブが不溶化、沈降したことを確認した後にドライアップ、乾燥させて、余分な溶媒を除去する。容器中に残ったものがプローブとプローブを有機溶媒に可溶化させる物質を混合処理したものである。これは、有機溶媒に可溶であるため、プローブを基材に固定する有機溶媒を滴下、混合することによりプローブを溶解させる。有機溶媒の混合は第一の方法と同様に行なっても構わない。更に水溶性高分子の混合および、水の混合については、第一の方法と同様に行なって構わない。
このようにして得られたプローブ媒体は、標的物質を検出するための固定化プローブの調製に用いるプローブ媒体として好適である。
得られたプローブ媒体を基材にスポッティングすることによりプローブ固定基材を作製することができる。プローブを固定するための基材としては特に制約されるものではないが、標的物質の検出や材料としての汎用性を考慮するとガラス、石英基板材料もしくは、樹脂基板、プラスチック基板、樹脂フィルムが好ましい。具体的な材料としては、1inch×3inchサイズのスライドガラス基板が好適である。プローブ固定の固定特性などを考慮すると、プローブ媒体中にプローブを基材に固定する有機溶媒を含む場合には、ガラス材質中にアルカリ成分などが含まれない無アルカリ材料スライドガラス基板、石英ガラス材料、シリカコートガラス材料もしくは、シリカコート樹脂材料であることが好ましい。プローブ媒体中にプローブを基材に固定する有機溶媒を含まない場合には、ガラスもしくは樹脂表面上に表面処理を施した材料が好ましい。表面処理としては、プローブが基材に固定しやすくするものが好ましく、特には、カップリング剤などにより基材表面上にプローブと共有結合を形成する官能基を形成するものが好ましい。
また、標的物質の検出方法によっては基板状などの形状を制約されるものではないが、検出方法および装置などの汎用性から基板状態であることが好適である。さらには、表面の平滑性が高い基板材料であることが望まれる。
またプローブを固定するための基材としては、基材に均一に尚且つ確実にプローブを固定するために、清浄面であることが好ましい。プローブを固定する前に予め基材を洗浄することにより、十分な清浄面を確保しておくことが望まれる。基材を清浄する方法としては、水による洗浄、薬液による洗浄、プラズマによる洗浄、UVオゾンによる洗浄、エアーブローによる洗浄など多くの方法が知られている。これらの洗浄方法を用いて、基材の種類により洗浄方法、洗浄条件などを変更するのが好ましい。
例えば、プローブ媒体中にプローブを基材に固定する有機溶媒を含む場合には、薬液を用いて基材表面を洗浄するのが適当である。例えば、所定濃度の水酸化ナトリウム水溶液を用いて基材表面を十分に洗浄し、基材に付着した汚れを除去する方法が挙げられる。具体的に述べると、50℃程度に加温した1mol/l水酸化ナトリウム水溶液を用意し、水溶液中で基材表面をワイピングするもしくは水溶液をシャワーリングしながらブラッシングすることにより基材に付着した汚れを確実に除去する。汚れを除去した後、余分な水酸化ナトリウム分を十分に水で洗い流す。最後にN2ブローなどにより水分除去を行なえば良い。このようにして、プローブ媒体中のプローブを均一に尚且つ確実に固定しうる基材を得ることができる。
プローブ媒体中にプローブを基材に固定する有機溶媒を含まない場合には、基材表面を水または溶媒により洗浄する、もしくはエアーブローによる洗浄を行なうのが適当である。例えば、純水を用いて基材表面を十分に洗浄し、基材に付着した異物を除去する方法があげられる。具体的に述べるのであれば、高圧純水シャワー(2流体シャワー)を基板表面上に吹付けることにより異物除去する。異物除去後、再度、純水シャワーによりリンスを行ない、異物の混入した純水を洗い流す。最後にN2ブローなどにより水分除去を行なえば良い。このようにして、プローブ媒体中のプローブを均一に尚且つ確実に固定しうる基材を得ることができる。
プローブ媒体を基材にスポッティングする方法としては、いくつかの方法が知られている。具体的な方法としては、ピン法、インクジェット法、ピン&リング法が知られている。これらの中でもインクジェット法は高密度で尚且つ正確なスポッティングができることから好適なスポッティング方法である。
インクジェット法によるスポッティング方法において、プローブ媒体に含まれる成分は上記に示したようにプローブ媒体としてインクジェットヘッドから吐出させた時にプローブ、プローブが可溶な溶媒、プローブが不溶な有機溶媒およびプローブを有機溶媒に可溶化させる物質に対して実質的に影響を与えないものであって、且つインクジェットヘッドを用いて基材に正常に吐出可能である媒体組成を満たすものであれば、特に限定されるものではない。例えば、インクジェットヘッドが媒体に熱エネルギーを付与して吐出させる機構を備えるバブルジェットヘッドである場合、グリセリン、チオジグリコール、イソプロピルアルコール、アセチレンアルコールを含む液体はプローブ媒体に含まれる成分として好ましいものである。更に具体的に述べるのであれば、グリセリン5〜10質量%、チオジグリコール5〜10質量%、アセチレンアルコール0.5〜1質量%を含む液体がプローブ媒体として好適に用いられる。また、インクジェットヘッドが圧電素子を用いて媒体を吐出させるピエゾジェットヘッドである場合、エチレングリコール、イソプロピルアルコールを含む液体はプローブ媒体に含まれる成分として好ましいものである。更に具体的には、エチレングリコール5〜10質量%、イソプロピルアルコール0.5〜2質量%を含む液体がプローブ媒体として好適に用いられる。これらの媒体成分の中で、プローブが可溶な溶媒については必要に応じて調製手順を変更し、水溶性高分子材料を混合する前に添加しても構わない。
このようにして得られたプローブ媒体をインクジェットヘッドより吐出させ基材に付着させた時、スポットの形状が円形で、また吐出された範囲が広がることがない。高密度にプローブ媒体をスポッティングした場合にも、隣接するスポットとの連結を有効に抑えることができる。なお、本発明のプローブ媒体の特性は上記のものに限定されるものではない。
基材に付与されたプローブ媒体中に含まれるプローブを所定の位置に固定し、隣接するスポットに含まれるプローブとのコンタミネーションをより確実に防ぐために有効であり、かつプローブを基材に強固に固定するための有効な手段として、プローブを基材に固定する有機溶媒、基材のそれぞれが、もしくは、プローブ、基材のそれぞれがお互いに反応しうる官能基を有するものを用いる方法がある。
好ましい例としては、プローブ媒体中にプローブを基材に固定する有機溶媒を含む場合、プローブを基材に固定する物質側にシラノール(SiOH)基、基材にも水酸(OH)基を有する組合せが挙げられる。この組合せによりスポッティングにより基材に付与されたプローブ媒体中に含まれる物質のシラノール基と基材の水酸基とが反応して基材に物質が固定化される。具体的な基材をあげると、プローブを基材に固定する有機溶媒にシランカップリング剤がシラノール基を有するものであり、基材に先に述べたガラス材料、石英基板材料、樹脂基板表面にシリカコートした材料が水酸基を有するものであり好適である。
プローブ媒体中にプローブを基材に固定する有機溶媒を含まない場合の好ましい例としては、プローブにアミノ(NH2)基、基材側にエポキシ基を有する組合せ、プローブにアミノ基、基材側にイソシアネート基を有する組合せが挙げられる。この組合せによりスポッティングにより基材に付与されたプローブ媒体中に含まれるプローブのアミノ基と基材のエポキシ基もしくはイソシアネート基とが反応して基材にプローブが固定化される。具体的な基材をあげるのであれば、プローブにアミノ基を付加したDNA、基材に先に述べた表面処理を施しエポキシ基を導入した樹脂基板材料が基材にエポキシ基を有するものであり好適である。
さらに、プローブ媒体中にプローブを基材に固定する有機溶媒を含む場合、プローブとプローブを基材に固定する有機溶媒との間については、プローブと前記物質との間において、反応することにより結合していることが好ましい。反応することによりプローブと前記有機溶媒は強固に結合する。この結果、プローブは基材により強固に固定化され、プローブのスポットを所定の位置に形成することができる。特に官能基としてアミノ基を有するプローブおよび、プローブと反応しうる官能基にイソシアネート基、基材官能基と反応しうる官能基にシラノール基を有する物質を含んでなるプローブ媒体を調製し、所定の比率となるようジプロピレングリコール、イソプロピルアルコールなどを混合したプローブ溶液を調製する。このプローブ溶液を官能基として水酸基を有する基材にインクジェットヘッドを用いてスポッティングを行なった場合、プローブ溶液は基材に安定した大きさのスポットを形成する。このようにして、プローブを基材の所定の位置に固定することができる。
なお、プローブとプローブを基材に固定する有機溶媒との間が反応することにより結合する場合には、プローブ媒体中には水溶性高分子材料であるポリビニルアルコール(PVA)を混合させておくことが好ましい。より好ましくは、完全に溶解させておくことが望まれる。プローブ媒体中へ水溶性高分子材料を混合することにより、基材におけるスポッティング状態の観察を容易にし、スポッティング後のスポットにおけるプローブ媒体を乾燥しにくくすることにより、より確実にプローブ媒体と基材を反応させ固定できるようになる。さらには、スポッティングにより作製されたプローブ固定基材の保管状態を考慮すると、スポッティングにより形成されたプローブ媒体スポットが乾燥した場合においても標的物質を効率よく、尚且つ安定に検出するのに有効である。
プローブ媒体を基材にスポッティングした基材を乾燥させることが好ましい。乾燥させることによりプローブ媒体中のプローブが基材に確実に固定される。乾燥させる方法としては真空乾燥、加熱乾燥などさまざまな方法が考えられるが、簡易的に確実に実施できることから、加熱乾燥が適当である。加熱乾燥の方法としてはホットプレートによる加熱乾燥が好ましい。具体的には加熱したホットプレート上にプローブ媒体をスポッティングした基材を静置する。所定時間静置した後、基材を取り外し自然に冷却させる。ホットプレートの温度は、プローブの耐熱性を考慮した場合、100℃以下が好ましく、更に詳しく述べるのであれば、60℃〜90℃が好ましい。静置する時間としては30min以下が好ましく、更に詳しく述べるのであれば、1〜10minが好ましい。
例えば、塩基長20merのプローブを含むプローブ媒体をプローブ濃度が9μmol/lとなるように調製した。プローブを有機溶媒に可溶化させる物質の添加量は、プローブ量に対して塩基鎖長数分だけ乗じた量を元に調製した。好ましくは、プローブ量と塩基鎖長数を乗した量を更に0.5〜3倍した量となるように調製した。プローブ媒体はインクジェットヘッドを用いて、固相とインクジェットヘッドのノズルの間隔を0.2〜0.5mm程度に設定し、該ノズルから吐出させた場合(吐出量は約20ピコリットル)、固相上には直径約170〜250μm程度のスポットを形成することができ、また液体をノズルより吐出する際の飛沫に由来するスポット(以降「サテライトスポット」と称する)はルーペを用いての目視観察では全く認められなかった。
ここで、このプローブ固定基材を用いて、例えば標的物質の検出等を行なう場合の検出精度(スポット積算強度)の向上を図ることを目的として、該プローブを固相表面に固定した後、該基材のプローブ非結合部分がサンプル中に含まれる標的物質等と結合しないようにブロッキングを行なっても良い。ブロッキングは例えば、該基材を室温の2%ウシ血清アルブミン水溶液中に、例えば2時間程度浸すことにより行なわれる。基材のプローブ固定部位以外への標識物質の吸着を防ぐ効果から考慮すると、ウシ血清アルブミン水溶液が好適である。なお、このブロッキングの工程は必要に応じて行なえば良く、例えばサンプルの該プローブ固定基材への供給を各々のスポットに対して限定的に行ない、スポット以外の部位へのサンプルの付着が実質的にない場合には行なわなくても良い。スポット以外の部位へのサンプルの付着は基材となる材料によっても異なる。特に基材がガラス、石英、シリカコート樹脂である場合においては、ブロッキング処理は行なわなくても良い。
この様にして作製するプローブ固定基材はその用途に応じて、例えば同じプローブを含む複数のスポットを有するように構成しても良く、また異種のプローブを各々含む複数のスポットを有する様に構成してもよい。プローブの種類、数量、配置は必要に応じて適宜変更することが可能である。そしてこの様な方法によってプローブが高密度に配置されたプローブ固定基材は、その後標的物質の検出や、標的物質塩基配列の特定等に用いられる。例えばサンプル中に含まれている可能性のある、塩基配列が既知の標的物質である一本鎖核酸の検出に用いる場合には、該標的物質の一本鎖核酸の塩基配列に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸をプローブとして用い、該プローブを含む複数のスポットが固相上に配置されているプローブ固定基材を用意し、該プローブ固定基材の各々のスポットに、サンプルを供給して該標的物質の一本鎖核酸とプローブとがハイブリダイズするような条件下に置いた後、各々のスポットにおけるハイブリッドの有無を蛍光検出等の既知の方法で検出する。それによって、サンプル中における標的物質の有無の検出を行なうことができる。
また、サンプル中に含まれている標的物質の一本鎖核酸における塩基配列の特定に用いる場合には、該標的物質の一本鎖核酸における塩基配列の複数の候補を設定し、該塩基配列群に対して各々相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸をプローブとして該基材にスポッティングする。次いで、各々のスポットにサンプルを供給して該標的物質の一本鎖核酸とプローブとがハイブリダイズするような条件下に置いた後、各々のスポットにおけるハイブリッドの有無を蛍光検出等の既知の方法で検出する。これにより、標的物質の一本鎖核酸に対して塩基配列の特定を行なうことができる。また本発明に係るプローブ固定基材の他の用途としては、例えばDNA結合蛋白質が認識する特異的な塩基配列のスクリーニングやDNAに結合する性質を有する化学物質のスクリーニングへの適用が考えられる。
プローブ媒体は、有機溶媒を含む液媒体と、プローブと、プローブが可溶な溶媒と、プローブが不溶な有機溶媒と、プローブを有機溶媒に可溶化させる物質と、必要に応じて添加されるプローブを基材に固定する有機溶媒と、を含んでなるものとして提供されてもよいし、これらの成分を少なくとも2つの成分に分割して別の容器内にそれぞれ調製して、使用時に混合できる状態とした試薬キットとして提供されてもよい。
プローブを容器中に収納するにあたり、容器は他の不純物などが混入することのないように密閉することが可能である容器であることが好ましく、また、固定する際に混合することが容易であるように開封できるものである必要がある。容器としての開封については特に限定されるものではない。容器中に収納するプローブの状態としては特に限定されるものではないが、溶液状であっても粉末状であっても構わない。官能基がメルカプト基などである場合、プローブの安定性を考慮した上でフリーズドライ法などにより粉末化したものとした上で、高温にならないように保管することが好ましい。官能基がアミノ基などの場合であっても保管状態としては、プローブの安定性を確保するために冷凍保存することが好ましいが、保管期間、プローブ種類、プローブ官能基などに応じて保管状態を変更することは可能である。このように、プローブを容器中に収納し、保管した状態で基材に固定する際に混合するものであっても構わない。
このような用途に、プローブを有機溶媒に可溶化させる物質として界面活性剤を用いる場合には、界面活性剤は溶液であるものが好ましいが、粉末固体であっても溶媒に溶解させて使用することができるものであれば構わない。
プローブが可溶な溶媒、プローブが不溶な有機溶媒、プローブを基材に固定する有機溶媒を容器中に収納するにあたり、容器は他の不純物などが混入することが無いように、さらには溶媒が揮発することにより減量することが無いように密閉することが可能である、もしくは密閉された容器であることが好ましく、また、固定する際に混合が簡易的であるように容易に開封できるものであることが好ましい。しかしながら、容器としての開封については特に限定されるものではない。容器中に収納する溶媒の状態は特に限定されるものではなく、溶液状でも固体状でも構わない。さらにはプローブを基材に固定する有機溶媒については基材へ固定するための官能基例であるシラノール基を形成するために加水分解した溶液でも構わない。保管状態としては、溶媒の安定性を確保するために室温保存することが好ましいが、保管期間などに応じて保管状態を変更することは可能である。特に、加水分解した溶液である場合は保管中における温度が上昇しない方が好ましい。また、プローブを基材に固定する有機溶媒の官能基に応じて、加水分解時、加水分解後のpHを調整することにより安定性を得ることが好ましい。
プローブを基材に固定する際に、これら容器に収納されたプローブおよびプローブを固定する有機溶媒を混合するにあたり、必要に応じて水などの溶液を添加しても構わない。また、プローブ媒体とするために十分混合するための物質、例えば水などの溶媒を別容器に収納しておき、プローブ媒体調製時に混合するものであっても構わない。
以下実施例をもって本発明を更に詳細に説明する。
〔実施例1〕
(1)プローブの合成
標的物質に対して特異的に結合可能なプローブとして一本鎖DNAプローブを用いた。DNA自動合成機(Applied Biosystems社製、Model380A)を用いて配列番号1の一本鎖DNAプローブを合成した。なお、配列番号:1の一本鎖DNA末端には5’末端の水酸基にリン酸基とヘキサメチレンを介してアミノ基を結合した18量体のオリゴマーを用意し、以下の実験に用いた。
配列番号:1
5’ H2N−(CH26−O−PO2−O−ACTGGCCGTCGTTTTACA 3’。
(2)プローブ溶媒
プローブが可溶な媒体として水を用いた。
(3)プローブ可溶化物質
プローブを有機溶媒に可溶化させる物質としてセチルトリメチルアンモニウムブロミド(n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド)を用いた。セチルトリメチルアンモニウムブロミドが完全に溶解した水溶液とするために、50℃のウォーターバス中で加温しながら溶解させた。
(4)プローブ不溶溶媒
プローブが不溶な有機溶媒としてイソシアネート基を有するシラン化合物(3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン)を含むシランカップリング剤(商品名:KBE−9007;信越化学工業(株)社製)、イソプロピルアルコール、ジプロピレングリコールを以下の実験に用いた。
(5)プローブ媒体の調製
上記(1)の配列番号:1の一本鎖DNAプローブを18nmolに分注、ドライアップしたものを用意し、これに20μlの純水を滴下、溶解させた。プローブを溶解させたプローブ水溶液にプローブを有機溶媒に可溶化させる物質セチルトリメチルアンモニウムブロミドの約65mmol/l水溶液を20μl滴下、混合した。これによりDNAプローブが水溶液中より析出し、プローブ媒体が白濁した。DNAプローブを遠心沈降した後に、上記プローブ固定物質を30μl滴下した。十分に攪拌、混合した後に、30分間静置した。
ついで、有機溶媒であるジプロピレングリコール、イソプロピルアルコールをそれぞれ500μl、1000μl滴下し、5分間混合した。
さらに水溶性高分子材料であるポリビニルアルコール(PVA)を濃度0.5質量%となるように純水中に溶解させた。完全に溶解させるためにホットバス中で80℃に加温しながら60分間攪拌した。不溶解物が無いことを確認した後、スポッティングにおいてノズルつまりが発生しないように濾過を行ない、PVA水溶液を調製した。
上記のとおり調製したプローブ溶液中に、上記のとおり調製したPVA水溶液を50μl滴下した。最後に、プローブ媒体全量で2mlとなるように純水を滴下し、5分間混合した。混合した後、30分間放置し、プローブ媒体を調製した。
(6)基板洗浄
1inch×3inchのシリカコートソーダライムガラス基板(厚み:約1.1mm)を純水ですすぎ、表面に付着した異物を除去した。これをUV/O3洗浄装置を用いて5分間処理し、表面に付着した有機物を除去した。UV/O3洗浄した基板をカセットに入れ、無機アルカリ系洗剤(商品名:セミクリーンKG;横浜油脂工業(株)社)の5vol%水溶液に浸漬しながら、超音波を5分間照射した。引き続き純水流水中でカセットごと基板を十分にすすぎ、ガラス基板およびカセットに付着した洗剤を水洗、除去した。十分にすすいだ後、純水中にカセットごとガラス基板を浸し、超音波洗浄を5分間行なった。超音波洗浄後、純水流水中で十分にすすぎ、ガラス基板およびカセットに付着したパーティクルを水洗、除去した。水洗後のガラス基板をカセットごとスピンドライ乾燥させた。基板の洗浄を確認するために、基板上における純水接触角を測定した。その結果、基板のすべての部位においてスプレッド状態であった。
(7)プローブ媒体のスポッティング
上記(5)で調製したプローブ媒体をインクジェット装置を用いて基材上にスポッティングを行なった。インクジェットヘッドにはピエゾヘッドを用いた。ピエゾジェットヘッドにプローブ媒体を充填し、上記(6)で用意したガラス基板上に、プローブ媒体をスポッティングした。ここでピエゾジェットヘッドの液体吐出面とガラス基板の液体付着面との距離は約0.5mmであった。スポッティング終了後、ガラス基板を顕微鏡により観察したところ、ガラス基板表面にマトリックス状のスポット配列が形成されていることが確認された。スポッティング終了後のガラス基板を80℃に加温したホットプレート上に5分間静置した。ホットプレートでの処理をした基板はデシケーター内に保管した。このようにしてプローブ固定基材(プローブアレイ)を作製した。
(8)ハイブリダイゼーション処理
上記(1)の配列番号1の一本鎖DNAプローブと相補的な塩基配列を有する一本鎖DNAプローブをDNA自動合成機で合成し、5’末端にローダミンを結合させて標識化した一本鎖DNAプローブを得た。この標識化一本鎖DNAを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に最終濃度50nMとなるように溶解し、この溶液中に上記(7)で得たプローブ固定基材を浸漬し、室温(45℃)で2時間ハイブリダイゼーション処理を行なった。その後、プローブアレイを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAプローブを洗い流した。ついで、純水で余分な塩分を除去した後、窒素ブローによりプローブアレイを乾燥させた。次に該プローブアレイのスポットの蛍光を、蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments,Inc.製)を用いて蛍光強度を評価した。評価するにあたり、レーザーパワーを100%に設定し、PMTを400Vに設定した。
(9)結果
上記(8)での蛍光スキャナ評価結果を解析したところ、標識化一本鎖DNAプローブと完全マッチである配列番号:1のDNAプローブのスポットでは、532nmでの蛍光強度が高い部位での輝度は5531であった。スポットの532nmでの蛍光強度積算値は6593912であった。また、DNAプローブのスポット部以外の蛍光強度を観察したところ40前後であった。各DNAプローブのスポットを蛍光で観察した状態では、各々のスポット形状がほぼ円形であり、同じプローブ媒体をスポッティングしたスポット間においては蛍光強度の差異は殆ど認められなかった。また、隣接するスポットとの間隔はほぼ均等であり、約300μmの間隔で格子状にスポットが配置されていることが観察された。
〔実施例2〕
(1)プローブの合成
実施例1と全く同様にして一本鎖DNAプローブを用意した後、以下の実験に用いた。
(2)プローブ溶媒
実施例1と全く同様にしてプローブが可溶な媒体として水を用いた。
(3)プローブ可溶化物質
プローブを有機溶媒に可溶化させる物質としてセチルトリメチルアンモニウムクロリド(n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド)を用いた。セチルトリメチルアンモニウムクロリドが完全に溶解した水溶液とするために、50℃のウォーターバス中で加温しながら溶解させた。
(4)プローブ不溶溶媒
実施例1と全く同様にしてプローブが不溶な有機溶媒としてイソシアネートシランカップリング剤、イソプロピルアルコール、ジプロピレングリコールを用意した後、以下の実験に用いた。
(5)プローブ媒体の調製
配列番号:1の一本鎖DNAプローブを18nmolに分注、ドライアップしたものを用意し、これに20μlの純水を滴下、溶解させた。プローブを溶解させたプローブ水溶液にプローブを有機溶媒に可溶化させる物質セチルトリメチルアンモニウムクロリドの約163mmol/l水溶液を20μl滴下、混合した。これによりDNAプローブが水溶液中より析出し、プローブ媒体が白濁した。DNAプローブを遠心沈降した後に、上記プローブ固定物質を30μl滴下した。十分に攪拌、混合した後に、60分間静置した。
ついで、有機溶媒であるジプロピレングリコール、イソプロピルアルコールをそれぞれ500μl、1000μl滴下し、5分間混合した。
さらに実施例1と全く同様にしてPVA溶液を調製した。上記のとおり調製したプローブ溶液中に、上記のとおり調製したPVA水溶液を50μl滴下した。最後に、プローブ媒体全量で2mlとなるように純水を滴下し、5分間混合した。混合した後、30分間放置し、プローブ媒体を調製した。
(6)基板洗浄
実施例1と全く同様にして基板洗浄を行ない、ガラス基板を用意した。
(7)プローブ媒体のスポッティング
上記(5)で調製したプローブ媒体を用いて実施例1と全く同様にしてスポッティングを行ない、プローブ固定基材を作製した。スポッティング終了後、ガラス基板を顕微鏡により観察したところ、ガラス基板表面にマトリックス状のスポット配列が形成されていることが確認された。スポッティング終了後のガラス基板を80℃に加温したホットプレート上に5分間静置した。ホットプレートでの処理をした基板はデシケーター内に保管した。このようにしてプローブ固定基材(プローブアレイ)を作製した。
(8)ハイブリダイゼーション処理
実施例1と全く同様にしてハイブリダイゼーション処理を行なった。その後、プローブアレイを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAプローブを洗い流した。ついで、純水で余分な塩分を除去した後、窒素ブローによりプローブアレイを乾燥させた。次に該プローブアレイのスポットの蛍光を、蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments,Inc.製)を用いて蛍光強度を評価した。評価するにあたり、レーザーパワーを100%に設定し、PMTを400Vに設定した。
(9)結果
上記(8)での蛍光スキャナ評価結果を解析したところ、標識化一本鎖DNAプローブと完全マッチである配列番号:1のDNAプローブのスポットでは、532nmでの蛍光強度が高い部位での輝度は5836であった。スポットの532nmでの蛍光強度積算値は6377211であった。また、DNAプローブのスポット部以外の蛍光強度を観察したところ50前後であった。各DNAプローブのスポットを蛍光で観察した状態では、各々のスポット形状がほぼ円形であり、同じプローブ媒体をスポッティングしたスポット間においては蛍光強度の差異は殆ど認められなかった。また、隣接するスポットとの間隔はほぼ均等であり、約300μmの間隔で格子状にスポットが配置されていることが観察された。
〔実施例3〕
(1)プローブの合成
実施例1と全く同様にして一本鎖DNAプローブを用意した後、以下の実験に用いた。
(2)プローブ溶媒
実施例1と全く同様にしてプローブが可溶な媒体として水を用いた。
(3)プローブ可溶化物質
プローブを有機溶媒に可溶化させる物質として塩化セチルピリジニウム(セチルピリジニウムクロライド)を用いた。塩化セチルピリジニウムが完全に溶解した水溶液とするために、十分に攪拌を行ないながら溶解させた。
(4)プローブ不溶溶媒
プローブが不溶な有機溶媒としてイソシアネート基を有するシラン化合物(γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン)を含むシランカップリング剤(商品名:Y−5187;日本ユニカー(株)社製)、イソプロピルアルコール、ジプロピレングリコールを以下の実験に用いた。
(5)プローブ媒体の調製
実施例1(1)の配列番号:1の一本鎖DNAプローブを18nmolに分注、ドライアップしたものを用意し、これにプローブ溶媒である純水20μlを滴下、プローブを溶解させた。溶解残りが無い様に十分に攪拌を行ない、遠心沈降により溶液を容器底部に集めた。プローブを溶解させたプローブ溶液にプローブを有機溶媒に可溶化させる物質、塩化セチルピリジニウムの約65mmol/l水溶液を5μl滴下、混合した。これによりDNAプローブが溶液中より析出し、プローブ媒体が白濁した。DNAプローブを遠心沈降することにより溶液中より分離、した後、上記プローブ不溶溶媒の中より、シランカップリング剤のみを5μl滴下した。軽く攪拌、混合した後に、60分間静置した。
ついで、有機溶媒であるジプロピレングリコール、イソプロピルアルコールをそれぞれ500μl、1000μl滴下し、5分間攪拌混合した。
さらに水溶性高分子材料であるポリビニルアルコール(PVA)を濃度0.5質量%となるように純水中に溶解させた。完全に溶解させるためにホットバス中で80℃に加温しながら60分間攪拌した。不溶解物が無いことを確認した後、スポッティングにおいてノズルつまりが発生しないようにフィルター濾過を行ない、PVA水溶液を調製した。
上記のとおり調製したプローブ溶液中に、上記のとおり調製したPVA水溶液を50μl滴下した。最後に、プローブ媒体全量で2mlとなるように純水を滴下し、5分間混合した。混合した後、30分間放置し、プローブ媒体を調製した。
(6)基板洗浄
1inch×3inchのシリカコートソーダライムガラス基板(厚み:約1.1mm)を純水ですすぎ、表面に付着した異物を除去した。これをUV/O3洗浄装置を用いて5分間処理し、表面に付着した有機物を除去した。UV/O3洗浄した基板をカセットに入れ、無機アルカリ系洗剤(商品名:セミクリーンKG;横浜油脂工業(株)社)の5vol%水溶液に浸漬しながら、超音波を5分間照射した。引き続き純水流水中でカセットごと基板を十分にすすぎ、ガラス基板およびカセットに付着した洗剤を水洗、除去した。十分にすすいだ後、純水中にカセットごとガラス基板を浸し、超音波洗浄を5分間行なった。超音波洗浄後、純水流水中で十分にすすぎ、ガラス基板およびカセットに付着したパーティクルを水洗、除去した。水洗後のガラス基板をカセットごとスピンドライ乾燥させた。基板の洗浄を確認するために、基板上における純水接触角を測定した。その結果、基板のすべての部位においてスプレッド状態であった。
(7)プローブ媒体のスポッティング
上記(5)で調製したプローブ媒体をインクジェット装置を用いて基材にスポッティングを行なった。インクジェットヘッドにはピエゾヘッドを用いた。ピエゾジェットヘッドにプローブ媒体を充填し、上記(6)で用意したガラス基板上に、プローブ媒体をスポッティングした。ここでピエゾジェットヘッドの液体吐出面とガラス基板の液体付着面との距離は約0.5mmであった。スポッティング終了後、ガラス基板をルーペを用いて観察したところ、ガラス基板表面にマトリックス状のスポット配列が形成されていることが確認された。スポッティング終了後のガラス基板を80℃に加温したホットプレート上に5分間静置した。ホットプレートでの処理をした基板はデシケーター内に保管した。このようにしてプローブ固定基材(プローブアレイ)を作製した。
(8)ハイブリダイゼーション処理
上記(1)の配列番号1の一本鎖DNAプローブと相補的な塩基配列を有する一本鎖DNAプローブをDNA自動合成機で合成し、5’末端にローダミンを結合させて標識化した一本鎖DNAプローブを得た。この標識化一本鎖DNAを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に最終濃度50nMとなるように溶解し、この溶液中に上記(7)で得たプローブ固定基材を浸漬し、室温(45℃)で2時間ハイブリダイゼーション処理を行なった。その後、プローブアレイを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAプローブを洗い流した。ついで、純水で余分な塩分を除去した後、窒素ブローによりプローブアレイを乾燥させた。次に該プローブアレイのスポットの蛍光を、蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments,Inc.製)を用いて蛍光強度を評価した。評価するにあたり、レーザーパワーを100%に設定し、PMTを400Vに設定した。
(9)結果
上記(8)での蛍光スキャナ評価結果を解析したところ、標識化一本鎖DNAプローブと完全マッチである配列番号:1のDNAプローブのスポットでは、532nmでの蛍光強度が高い部位での輝度は22180であった。また、DNAプローブのスポット部以外の蛍光強度を観察したところ45前後であった。各DNAプローブのスポットを蛍光で観察した状態では、各々のスポット形状がほぼ円形であり、同じプローブ媒体をスポッティングしたスポット間においては蛍光強度の差異は殆ど認められなかった。また、隣接するスポットとの間隔はほぼ均等であり、約300μmの間隔で格子状にスポットが配置されていることが観察された。
〔実施例4〕
(1)プローブの合成
実施例1と全く同様にして一本鎖DNAプローブを用意した後、以下の実験に用いた。
(2)プローブ溶媒
実施例1と全く同様にしてプローブが可溶な媒体として水を用いた。
(3)プローブ可溶化物質
実施例3と全く同様にしてプローブを有機溶媒に可溶化させる物質を純水に溶解させた溶液を調製し、以下の実験に用いた。
(4)プローブ不溶溶媒
実施例3と全く同様にしてプローブが不溶な有機溶媒としてイソシアネート基を有するシラン化合物(γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン)を含むシランカップリング剤、イソプロピルアルコール、ジプロピレングリコールを以下の実験に用いた。
(5)プローブ媒体の調製
配列番号:1の一本鎖DNAプローブを18nmolに分注、ドライアップしたものを用意し、これに20μlの純水を滴下、溶解させた。プローブを溶解させたプローブ水溶液にプローブを有機溶媒に可溶化させる物質塩化セチルピリジニウムの約65mmol/l水溶液を10μl滴下、混合した。これによりDNAプローブが水溶液中より析出し、プローブ媒体が白濁した。DNAプローブを遠心沈降した後に、上記プローブ不溶溶媒の中より、シランカップリング剤のみを5μl滴下した。十分に攪拌、混合した後に、60分間静置した。
ついで、有機溶媒であるジプロピレングリコール、イソプロピルアルコールをそれぞれ500μl、1000μl滴下し、5分間攪拌混合した。
さらに実施例1と全く同様にしてPVA溶液を調製した。上記のとおり調製したプローブ溶液中に、上記のとおり調製したPVA水溶液を50μl滴下した。最後に、プローブ媒体全量で2mlとなるように純水を滴下し、5分間混合した。混合した後、30分間放置し、プローブ媒体を調製した。
(6)基板洗浄
実施例1と全く同様にして基板洗浄を行ない、ガラス基板を用意した。
(7)プローブ媒体のスポッティング
上記(5)で調製したプローブ媒体を用いて実施例1と全く同様にしてスポッティングを行ない、プローブ固定基材を作製した。スポッティング終了後、ガラス基板を顕微鏡により観察したところ、ガラス基板表面にマトリックス状のスポット配列が形成されていることが確認された。スポッティング終了後のガラス基板を80℃に加温したホットプレート上に5分間静置した。ホットプレートでの処理をした基板はデシケーター内に保管した。このようにしてプローブ固定基材(プローブアレイ)を作製した。
(8)ハイブリダイゼーション処理
実施例1と全く同様にしてハイブリダイゼーション処理を行なった。その後、プローブアレイを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAプローブを洗い流した。ついで、純水で余分な塩分を除去した後、窒素ブローによりプローブアレイを乾燥させた。次に該プローブアレイのスポットの蛍光を、蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments,Inc.製)を用いて蛍光強度を評価した。評価するにあたり、レーザーパワーを100%に設定し、PMTを400Vに設定した。
(9)結果
上記(8)での蛍光スキャナ評価結果を解析したところ、標識化一本鎖DNAプローブと完全マッチである配列番号:1のDNAプローブのスポットでは、532nmでの蛍光強度が高い部位での輝度は19570であった。また、DNAプローブのスポット部以外の蛍光強度を観察したところ45前後であった。各DNAプローブのスポットを蛍光で観察した状態では、各々のスポット形状がほぼ円形であり、同じプローブ媒体をスポッティングしたスポット間においては蛍光強度の差異は殆ど認められなかった。また、隣接するスポットとの間隔はほぼ均等であり、約300μmの間隔で格子状にスポットが配置されていることが観察された。
〔実施例5〕
(1)プローブの合成
実施例1と全く同様にして一本鎖DNAプローブを用意した後、以下の実験に用いた。
(2)プローブ溶媒
実施例1と全く同様にしてプローブが可溶な媒体として水を用意した。
(3)プローブ可溶化物質
実施例3と全く同様にしてプローブを有機溶媒に可溶化させる物質を純水に溶解させた溶液を調製し、以下の実験に用いた。
(4)プローブ不溶溶媒
実施例3と全く同様にしてプローブが不溶な有機溶媒としてイソシアネート基を有するシラン化合物(γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン)を含むシランカップリング剤(商品名:Y−5187;日本ユニカー(株)社製)、イソプロピルアルコール、ジプロピレングリコールを以下の実験に用いた。
(5)プローブ媒体の調製
配列番号:1の一本鎖DNAプローブを18nmolに分注、ドライアップしたものを用意し、これに20μlの純水を滴下、溶解させた。プローブを溶解させたプローブ水溶液にプローブを有機溶媒に可溶化させる物質、塩化セチルピリジニウムの約65mmol/l水溶液を20μl滴下、混合した。プローブを有機溶媒に可溶化させる物質を混合に伴ない、プローブ媒体は白濁したものの20μl全量滴下、混合により次第に白濁が無くなり、僅かに白濁が認められた。DNAプローブを遠心沈降し、上清を取り除いた後に、上記プローブ不溶溶媒の中より、シランカップリング剤のみを5μl滴下した。十分に攪拌、混合した後に、60分間静置した。
ついで、有機溶媒であるジプロピレングリコール、イソプロピルアルコールをそれぞれ500μl、1000μl滴下し、5分間混合した。
さらに実施例1と全く同様にしてPVA溶液を調製した。上記のとおり調製したプローブ溶液中に、上記のとおり調製したPVA水溶液を50μl滴下した。最後に、プローブ媒体全量で2mlとなるように純水を滴下し、5分間混合した。混合した後、30分間放置し、プローブ媒体を調製した。
(6)基板洗浄
実施例1と全く同様にして基板洗浄を行ない、ガラス基板を用意した。
(7)プローブ媒体のスポッティング
上記(5)で調製したプローブ媒体を実施例1と全く同様にしてスポッティングを行ない、プローブ固定基材を作製した。スポッティング終了後、ガラス基板を顕微鏡により観察したところ、ガラス基板表面にマトリックス状のスポット配列が形成されていることが確認された。スポッティング終了後のガラス基板を80℃に加温したホットプレート上に5分間静置した。ホットプレートでの処理をした基板はデシケーター内に保管した。このようにしてプローブ固定基材(プローブアレイ)を作製した。
(8)ハイブリダイゼーション処理
実施例1と全く同様にしてハイブリダイゼーション処理を行なった。その後、プローブアレイを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAプローブを洗い流した。ついで、純水で余分な塩分を除去した後、窒素ブローによりプローブアレイを乾燥させた。次に該プローブアレイのスポットの蛍光を、蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments,Inc.製)を用いて蛍光強度を評価した。評価するにあたり、レーザーパワーを100%に設定し、PMTを400Vに設定した。
(9)結果
上記(8)での蛍光スキャナ評価結果を解析したところ、標識化一本鎖DNAプローブと完全マッチである配列番号1のDNAプローブのスポットでは、532nmでの蛍光強度が高い部位での輝度は7322であった。また、DNAプローブのスポット部以外の蛍光強度を観察したところ45前後であった。各DNAプローブのスポットを蛍光で観察した状態では、各々のスポット形状がほぼ円形であるが、各実施例に比べてスポット輪郭部がぼやけて認識しにくく、スポットサイズは約1/2程度の大きさになった。同じプローブ媒体をスポッティングしたスポット間においては蛍光強度の差異は殆ど認められなかった。また、隣接するスポットとの間隔はほぼ均等であり、約300μmの間隔で格子状にスポットが配置されていることが観察された。
〔実施例6〕
(1)プローブの合成
実施例1と全く同様にして一本鎖DNAプローブを用意した後、以下の実験に用いた。
(2)プローブ溶媒
実施例1と全く同様にしてプローブが可溶な媒体として水を用意した。
(3)プローブ可溶化物質
実施例3と全く同様にしてプローブを有機溶媒に可溶化させる物質を純水に溶解させた溶液を調製し、以下の実験に用いた。
(4)プローブ不溶溶媒
実施例3と全く同様にしてプローブが不溶な有機溶媒としてイソシアネート基を有するシラン化合物(γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン)を含むシランカップリング剤(商品名:Y−5187;日本ユニカー(株)社製)、イソプロピルアルコール、ジプロピレングリコールを以下の実験に用いた。
(5)プローブ媒体の調製
配列番号:1の一本鎖DNAプローブを18nmolに分注、ドライアップしたものを用意し、これに20μlの純水を滴下、溶解させた。プローブを溶解させたプローブ水溶液にプローブを有機溶媒に可溶化させる物質、塩化セチルピリジニウムの約65mmol/l水溶液を2.5μl滴下、混合した。プローブを有機溶媒に可溶化させる物質を混合に伴ない、プローブ媒体は少し白濁した。DNAプローブを遠心沈降し、上清を取り除いた後に、上記プローブ不溶溶媒の中より、シランカップリング剤のみを5μl滴下した。十分に攪拌、混合した後に、60分間静置した。
ついで、有機溶媒であるジプロピレングリコール、イソプロピルアルコールをそれぞれ500μl、1000μl滴下し、5分間混合した。
さらに実施例1と全く同様にしてPVA溶液を調製した。上記のとおり調製したプローブ溶液中に、上記のとおり調製したPVA水溶液を50μl滴下した。最後に、プローブ媒体全量で2mlとなるように純水を滴下し、5分間混合した。混合した後、30分間放置し、プローブ媒体を調製した。
(6)基板洗浄
実施例1と全く同様にして基板洗浄を行ない、ガラス基板を用意した。
(7)プローブ媒体のスポッティング
上記(5)で調製したプローブ媒体を実施例1と全く同様にしてスポッティングを行ない、プローブ固定基材を作製した。スポッティング終了後、ガラス基板を顕微鏡により観察したところ、ガラス基板表面にマトリックス状のスポット配列が形成されていることが確認された。スポッティング終了後のガラス基板を80℃に加温したホットプレート上に5分間静置した。ホットプレートでの処理をした基板はデシケーター内に保管した。このようにしてプローブ固定基材(プローブアレイ)を作製した。
(8)ハイブリダイゼーション処理
実施例1と全く同様にしてハイブリダイゼーション処理を行なった。その後、プローブアレイを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAプローブを洗い流した。ついで、純水で余分な塩分を除去した後、窒素ブローによりプローブアレイを乾燥させた。次に該プローブアレイのスポットの蛍光を、蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments,Inc.製)を用いて蛍光強度を評価した。評価するにあたり、レーザーパワーを100%に設定し、PMTを400Vに設定した。
(9)結果
上記(8)での蛍光スキャナ評価結果を解析したところ、標識化一本鎖DNAプローブと完全マッチである配列番号1のDNAプローブのスポットでは、532nmでの蛍光強度が高い部位での輝度は8976であった。また、DNAプローブのスポット部以外の蛍光強度を観察したところ45前後であった。各DNAプローブのスポットを蛍光で観察した状態では、各々のスポット形状がほぼ円形であるが、各実施例に比べてスポット輪郭部がぼやけて認識しにくく、スポットサイズは約1/2程度の大きさになった。同じプローブ媒体をスポッティングしたスポット間においては蛍光強度の差異は殆ど認められなかった。また、隣接するスポットとの間隔はほぼ均等であり、約300μmの間隔で格子状にスポットが配置されていることが観察された。
〔比較例1〕
(1)プローブの合成
実施例1と全く同様にして一本鎖DNAプローブを用意した後、以下の実験に用いた。
(2)プローブ可溶化物質
上記実施例1および2で用いた、プローブを有機溶媒に可溶化させる物質は、以下の実験に用いなかった。
(3)プローブ固定物質
実施例1と全く同様にしてプローブ固定物質であるイソシアネートシランカップリング剤を用意した後、以下の実験に用いた。
(4)プローブ媒体の調製
配列番号:1の一本鎖DNAプローブを18nmolに分注、ドライアップしたものを用意し、これに20μlの純水を滴下、溶解させた。プローブを溶解させたプローブ水溶液に、上記プローブ固定物質を30μl滴下した。十分に攪拌、混合した後に、60分間静置した。
ついで、有機溶媒であるジプロピレングリコール、イソプロピルアルコールをそれぞれ500μl、1000μl滴下し、5分間混合した。
さらに実施例1と全く同様にしてPVA溶液を調製した。上記のとおり調製したプローブ溶液中に、上記のとおり調製したPVA水溶液を50μl滴下した。最後に、プローブ媒体全量で2mlとなるように純水を滴下し、5分間混合した。混合した後、30分間放置し、プローブ媒体を調製した。
(5)基板洗浄
実施例1と全く同様にして基板洗浄を行ない、ガラス基板を用意した。
(6)プローブ媒体のスポッティング
上記(4)で調製したプローブ媒体を実施例1と全く同様にしてスポッティングを行ない、プローブ固定基材を作製した。スポッティング終了後、ガラス基板を顕微鏡により観察したところ、ガラス基板表面にマトリックス状のスポット配列が形成されていることが確認された。スポッティング終了後のガラス基板を80℃に加温したホットプレート上に5分間静置した。ホットプレートでの処理をした基板はデシケーター内に保管した。このようにしてプローブ固定基材(プローブアレイ)を作製した。
(7)ハイブリダイゼーション処理
実施例1と全く同様にしてハイブリダイゼーション処理を行なった。その後、プローブアレイを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAプローブを洗い流した。ついで、純水で余分な塩分を除去した後、窒素ブローによりプローブアレイを乾燥させた。次に該プローブアレイのスポットの蛍光を、蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments,Inc.製)を用いて蛍光強度を評価した。評価するにあたり、レーザーパワーを100%に設定し、PMTを400Vに設定した。
(8)結果
上記(7)での蛍光スキャナ評価結果を解析したところ、標識化一本鎖DNAプローブと完全マッチである配列番号1のDNAプローブのスポットでは、532nmでの蛍光強度が高い部位での輝度は5744であった。スポットの532nmでの蛍光強度積算値は419192であった。また、DNAプローブのスポット部以外の蛍光強度を観察したところ40前後であった。各DNAプローブのスポットを蛍光で観察した状態では、各々のスポット形状がほぼ円形であるが、各実施例に比べてスポットサイズが1/4程度に小さくなった。同じプローブ媒体をスポッティングしたスポット間においては蛍光強度の差異は殆ど認められなかった。また、隣接するスポットとの間隔はほぼ均等であり、約300μmの間隔で格子状にスポットが配置されていることが観察された。

Claims (14)

  1. 標的物質に対して特異的に結合可能なプローブを含むプローブ媒体であって、該プローブと、有機溶媒を含む媒体と、該プローブを有機溶媒に可溶化させる物質と、を含むことを特徴とするプローブ媒体。
  2. 前記プローブが核酸プローブである請求項1に記載のプローブ媒体。
  3. 前記有機溶媒が、前記プローブが不溶な溶媒である請求項1または2に記載のプローブ媒体。
  4. 前記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質が、両親媒性物質である請求項1〜3のいずれかに記載のプローブ媒体。
  5. 前記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質が、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド,n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド,セチルピリジニウムクロライドのいずれかの物質、もしくは少なくともいずれかを有する混合物である事を特徴とする請求項4に記載のプローブ媒体。
  6. 前記プローブを基材に固定するための物質を更に有する請求項1〜5のいずれかに記載のプローブ媒体。
  7. 前記プローブを基材に固定するための物質が、シランカップリング剤である請求項6に記載のプローブ媒体。
  8. 前記プローブが可溶な溶媒をさらに有する請求項1〜7のいずれかに記載のプローブ媒体。
  9. 前記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質は、前記プローブ媒体が白濁する量を含む請求項1〜8のいずれかに記載のプローブ媒体。
  10. 標的物質に対して特異的に結合可能なプローブを含むプローブ媒体の製造方法であって、
    前記プローブを前記プローブが可溶な溶媒に溶解させるステップと、
    前記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質を前記溶媒に作用させることにより前記プローブを前記溶媒より分離するステップと、
    有機溶媒を加えることにより前記プローブを有機溶媒に溶解させるステップと、を有する。
  11. 前記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質の量を、前記プローブの長さと前記プローブのモル数の積に基づいて製造する請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質の量を、前記プローブが溶媒より分離した量に基づき製造することを特徴とする請求項10に記載のプローブ媒体の製造方法。
  13. 請求項1〜9に記載のプローブ媒体をスポッティング方法により基材に付与することにより基材にプローブを固定するプローブ固定方法。
  14. 請求項13に記載のプローブ固定方法により作製された検出素子。
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