JP2004257430A - 管継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】継手本体と弾性シール部材との相互の材料選択を任意になし得るとともに、シール性の向上を図ることができる管継手を提供する。
【解決手段】隣接する両管体1を水密状態で接続する管継手10であって、筒状の継手本体11と、管体1の外周面に沿って水密状態で弾性的に圧接する弾性シール部材30と、弾性シール部材30を継手本体11の端末部12に固定状態で保持する端末保持キャップ20と、を備える。端末保持キャップ20には、弾性シール部材30の基体部31に設けられた固定部32を間に挟んで継手本体11の端末部12が押し込まれる環状の嵌込凹部21が形成される。弾性シール部材30には、その基体部31から弾性変形可能に延出されかつ管体1の外周面に水密状態で弾性的に圧接するシール面35を有するシール体34が一体状に形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】隣接する両管体1を水密状態で接続する管継手10であって、筒状の継手本体11と、管体1の外周面に沿って水密状態で弾性的に圧接する弾性シール部材30と、弾性シール部材30を継手本体11の端末部12に固定状態で保持する端末保持キャップ20と、を備える。端末保持キャップ20には、弾性シール部材30の基体部31に設けられた固定部32を間に挟んで継手本体11の端末部12が押し込まれる環状の嵌込凹部21が形成される。弾性シール部材30には、その基体部31から弾性変形可能に延出されかつ管体1の外周面に水密状態で弾性的に圧接するシール面35を有するシール体34が一体状に形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、下水管等の隣接する両管体を水密状態で接続する管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の管継手おいて、筒状の継手本体の端末部内周壁面に、弾性シール部材が射出成形によって一体状に成形された管継手が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平4−46739号公報(第5−7頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、筒状の継手本体の端末部内周壁面に、弾性シール部材が射出成形によって一体状に成形された管継手においては、継手本体と弾性シール部材とを相溶性を有する材料の中から選択して形成する必要がある。言い換えると、継手本体と弾性シール部材との相互の材料選択が限定される。
また、継手本体と弾性シール部材との相互の材料選択を誤ると、継手本体の端末部内周壁面から弾性シール部材が不測に剥がれる場合があり、当該剥離部分においてシール性が悪化され、水漏れ等が発生するという問題点があった。
【0005】
この発明の目的は、前記問題点に鑑み、継手本体と弾性シール部材との相互の材料選択を任意になし得るとともに、シール性の向上を図ることができる管継手を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明に係る管継手は、隣接する両管体を水密状態で接続する管継手であって、筒状の継手本体と、前記管体の外周面に沿って水密状態で弾性的に圧接する弾性シール部材と、前記弾性シール部材を前記継手本体の端末部に固定状態で保持する端末保持キャップと、を備える。前記端末保持キャップには、前記弾性シール部材の基体部に設けられた固定部を間に挟んで前記継手本体の端末部が押し込まれる環状の嵌込凹部が形成される。前記弾性シール部材には、その基体部から弾性変形可能に延出されかつ前記管体の外周面に水密状態で弾性的に圧接するシール面を有するシール体が一体状に形成されている。
したがって、端末保持キャップの環状の嵌込凹部に弾性シール部材の固定部を間に挟んで継手本体の端末部が押し込まれることで、継手本体の端末部に弾性シール部材が固定状態で保持され、これによって管継手が構成される。このため、継手本体、弾性シール部材及び端末保持キャップをそれぞれ所望とする材料で形成することができる。例えば、継手本体及び端末保持キャップは剛性の高い合成樹脂材料によって形成し、弾性シール部材はシール性に優れた弾性体によって形成することができる。
【0007】
請求項2の発明に係る管継手は、請求項1に記載の管継手であって、端末保持キャップは、その嵌込凹部の内周壁を構成する内輪部と、外周壁を構成する外輪部と、奥側壁を構成する端壁部と、を一体状に備える。前記外輪部の内壁面には、前記継手本体の端末部の外周面に弾性的に係合する凹凸状の係合部が形成されている。
したがって、端末保持キャップの内輪部、外輪部及び端壁部によって構成された嵌込凹部に対し、弾性シール部材の固定部を間に挟んで継手本体の端末部を押し込むと共に、端末保持キャップの凹凸状の係合部を継手本体の端末部に弾性的に係合させることで、継手本体の端末部に弾性シール部材を固定状態に容易にかつ確実に保持することができる。
【0008】
請求項3の発明に係る管継手は、請求項1又は2に記載の管継手であって、弾性シール部材のシール体は、そのシール面から管体の外周面に向けて突出することで前記シール体を弾性圧縮させる突片が形成されている。
したがって、管継手を管体の端部外周面から挿入して同管体の所定の連結位置まで押し込むことで、弾性シール部材のシール体のシール面に形成した突片が管体の外周面に密接しながら移動するとともに、シール体を弾性圧縮させる。このため、管体の外周面に付着した塵や埃を前記突片の移動にともなって除去することができるとともに、シール体の弾性圧縮に基づく弾発力によって同シール体のシール面を管体の外周面に確実に密着させることができ、シール性の向上を図ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
隣接する両管体が管継手によって連結された状態を縦断面で示す図1において、例えば下水管等の隣接する両管体1は、陶器、コンクリート、鋳鉄等によって管状に形成され、その内部には管路2が形成されている。
隣接する両管体1を水密状態で接続する管継手10は、継手本体11、弾性シール部材30及び端末保持キャップ20を備えて構成されている。
【0010】
継手本体11は、靱性及び剛性の高い材料、例えば、硬質のPP樹脂、PE樹脂、PVC樹脂等の靱性及び剛性の高い樹脂材料や、アルミ、スティール等の靱性及び剛性の高い金属材料より形成されている。
また、図1に示すように、継手本体11は、管体1の外径寸法よりも適宜に大きい内径寸法を有して筒状をなす胴部11aと、その胴部11aの両端に段差部11bをもって連続しかつ胴部11aよりも適宜に大きい内径寸法を有する両端末部12とを一体に備えて形成されている。
また、継手本体11の胴部11aの筒方向中央部の内周壁面には環状の仕切壁17が突設されている。
また、図3と図4に示すように、継手本体11の両端末部12の外周面には、その先端に傾斜状の案内面を有する凸部14と、同凸部14に連続する凹部15とを備えて凹凸状をなす係合部13が形成されている。さらに、両端末部12の外周面の略中間部と段差部11b近傍の2箇所には、補強用の環状リブ16が突設されている。
【0011】
図3と図4に示すように、端末保持キャップ20は、継手本体11の端末部12に、次に詳述する弾性シール部材30を固定状態で保持するものであり、弾性、靱性及び剛性の高い材料、例えば、硬質のPP樹脂、PE樹脂、PVC樹脂等の弾性、靱性及び剛性の高い樹脂材料より形成されている。
また、図3と図4に示すように、端末保持キャップ20には、弾性シール部材30の基体部31に設けられた固定部32を介して継手本体11の端末部12が押し込まれる環状の嵌込凹部21が形成されている。
すなわち、この実施の形態において、端末保持キャップ20は、その嵌込凹部21の内周壁を構成する内輪部22と、外周壁を構成する外輪部23と、奥側壁を構成する端壁部24と、を一体状に備えている。
また、外輪部23の内壁面には、継手本体11の端末部12の係合部13に弾性的に係合する凸部26と凹部15とを備えた凹凸状の係合部25が形成されている。
【0012】
図3と図4に示すように、弾性シール部材30は、シール性(耐薬品性、耐油性、耐候性、耐熱性等をそれぞれ有することが望ましい)に優れた弾性体、例えば、EPDM系ゴム材料、ポリオレフィン系樹脂材料等の弾性体より形成されている。
また、図3と図4に示すように、弾性シール部材30は、基体部31、固定部32及びシール体34を一体に備えて構成されている。
弾性シール部材30の基体部31は、継手本体11の端末部12内周壁面に沿って横断面略平板状に形成されている。
基体部31の一端には、端末保持キャップ20の嵌込凹部21に嵌込まれて固定される固定部32が形成されている。また、基体部31の一端寄り内周面には、薄肉の弾性変形部33をもってシール体34が弾性変形可能に延出されている。このシール体34は、横断面略半円形状をなし、その円弧の弦部においてシール面35が形成され、当該シール面35が管体1の外周面に水密状態で弾性的に圧接するようになっている。
さらに、シール体34のシール面35の付け根部寄り部分(薄肉の弾性変形部33に近い部分)と先端部寄りの2箇所には、そのシール面35から管体1の外周面に向けてそれぞれ突出することで同シール体34を弾性圧縮させる第1の突片36と第2の突片37とがそれぞれ形成されている。
【0013】
この実施の形態に係る管継手10は上述したように構成される。したがって、継手本体11の両端末部12に端末保持キャップ20によって弾性シール部材30を装着して管継手10を構成する場合、端末保持キャップ20の環状の嵌込凹部21に弾性シール部材30の固定部32を間に挟んで継手本体11の端壁部24が押し込まれる(図3及び図4参照)。
すると、端末保持キャップ20の凹凸状の係合部25が継手本体11の端末部12の凹凸状の係合部13に弾性的に係合し、その係合力によって継手本体11の端壁部24に端末保持キャップ20によって弾性シール部材30が固定状態で保持され、これによって管継手1が構成される。
【0014】
前記したようにして、継手本体11、弾性シール部材30及び端末保持キャップ20をそれぞれ別個に形成してから、これら継手本体11、弾性シール部材30及び端末保持キャップ20を一体化することで管継手10を容易に構成することができる。
このため、継手本体11、弾性シール部材30及び端末保持キャップ20をそれぞれ所望とする材料、すなわち、各部に最適な材料によって形成することができ、シール性や耐久性に優れた管継手10を構成することができる。例えば、継手本体11及び端末保持キャップ20を靱性及び剛性の高い材料によって形成し、弾性シール部材30はシール性に優れた弾性体によって形成することで、シール性や耐久性に優れた管継手10を構成することができる。
【0015】
また、この実施の形態において、端末保持キャップ20は、その嵌込凹部21の内周壁を構成する内輪部22と、外周壁を構成する外輪部23と、奥側壁を構成する端壁部24と、を一体状に備える。そして、外輪部23の内壁面には、継手本体11の端壁部24の凹凸状の係合部13に弾性的に係合する凹凸状の係合部25が形成されている。
したがって、端末保持キャップ20の内輪部22、外輪部23及び端壁部24によって構成された嵌込凹部21に対し、弾性シール部材30の固定部32を間に挟んで継手本体11の端壁部24を押し込むと共に、端末保持キャップ20の凹凸状の係合部25を継手本体11の端末部12の凹凸状の係合部13に弾性的に係合させることで、継手本体11の端末部12に弾性シール部材30を固定状態に容易にかつ確実に保持することができる。
【0016】
次に、この実施の形態に係る管継手10を用いて隣接する管体1を水密状態で連結する場合、まず、一方の管体1の端部外周面から管継手10を所定の連結位置、すなわち、一方の管体1の端面に環状の仕切壁17が接近あるいは当接する位置まで押し込み、次に、他方の一方の管体1の端面が前記管継手10の環状の仕切壁17に接近あるいは当接する位置まで押し込むことで、隣接する両管体1が管継手10によって連結される(図1参照)。
また、この実施の形態において、図3と図4に示すように、弾性シール部材30のシール体34には、そのシール面35から管体1の外周面に向けて突出する第1の突片36と第2の突片37とがそれぞれ形成されている。
【0017】
このため、管継手10を管体1の端部外周面から挿入して同管体1の所定の連結位置まで押し込むことで、弾性シール部材30のシール体34のシール面35に形成した第1の突片36と第2の突片37とが管体1の外周面に密接しながら移動し、シール体34を弾性圧縮させる(図5及び図6参照)。
また、管体1の端部外周面に対する管継手10の挿入にともなうシール体34の第1の突片36の移動によって、管体1の外周面に付着した塵や埃Dを除去することができるとともに、シール体34の弾性圧縮に基づく弾発力によって同シール体34のシール面35を管体1の外周面に確実に密着させることができ、シール性の向上を図ることができる。
【0018】
また、例えば、地中に埋設される多数本の管体1において、隣接する両管体1が管継手10によって水密状態で連結されることで、一連に連通する管路2、例えば下水路が構成される。
図2に示すように、地震、地盤沈下等の地盤の変動によって一方の管体1の中心線に対し他方の管体1の中心線が角度θだけ傾いた場合、弾性シール部材30のシール体34の一側部が、前記圧縮状態からさらに圧縮され、他側部が圧縮状態を保って膨張する。
特に、この実施の形態においては、弾性シール部材30のシール体34のシール面35に形成した第1の突片36と第2の突片37によって他側部が圧縮状態に良好に保たれる。このため、一方の管体1の中心線に対し他方の管体1の中心線が角度θだけ傾いた場合においても弾性シール部材30によってシール性が維持され、シール不良による水漏れの発生を防止することができる。
【0019】
なお、この発明は前記実施の形態に限定するものではない。
例えば、前記実施形態においては、弾性シール部材30のシール体34のシール面35に第1の突片36と第2の突片37とをそれぞれ形成したが、シール面35に1つの突片(環状突片)を形成しても略同様の作用効果を奏する。
また、弾性シール部材30のシール体34のシール面35に突片がない構造であってもよい。
また、前記実施の形態においては、弾性シール部材30の基体部31を横断面略平板状に形成し、シール体34を横断面略半円形に形成したが、基体部31を横断面略円弧状に形成し、シール体34を横断面略平板状に形成してもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明に係る管継手によれば、継手本体及び端末保持キャップは剛性の高い合成樹脂材料によって形成し、弾性シール部材はシール性に優れた弾性体によって形成することができため、シール性、耐久性等に優れた管継手を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る管継手によって隣接する両管体が接続された状態を示す断面図である。
【図2】同じく一方の管体の中心線に対し他方の管体の中心線が傾いた状態を示す断面図である。
【図3】同じく管継手を拡大して示す断面図である。
【図4】同じく管継手を構成する継手本体、端末保持キャップ及び弾性シール部材が分離された状態を示す断面図である。
【図5】同じく隣接する管体の端部から管継手が挿入される状態を示す説明図である。
【図6】同じく管体の外周面に付着した塵や埃が除去される状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 管体
10 管継手
11 継手本体
12 端末部
13 係合部
20 端末保持キャップ
21 嵌込凹部
22 内輪部
23 外輪部
24 端壁部
25 係合部
30 弾性シール部材
31 基体部
32 固定部
34 シール体
35 シール面
36 第1の突片
37 第2の突片
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、下水管等の隣接する両管体を水密状態で接続する管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の管継手おいて、筒状の継手本体の端末部内周壁面に、弾性シール部材が射出成形によって一体状に成形された管継手が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平4−46739号公報(第5−7頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、筒状の継手本体の端末部内周壁面に、弾性シール部材が射出成形によって一体状に成形された管継手においては、継手本体と弾性シール部材とを相溶性を有する材料の中から選択して形成する必要がある。言い換えると、継手本体と弾性シール部材との相互の材料選択が限定される。
また、継手本体と弾性シール部材との相互の材料選択を誤ると、継手本体の端末部内周壁面から弾性シール部材が不測に剥がれる場合があり、当該剥離部分においてシール性が悪化され、水漏れ等が発生するという問題点があった。
【0005】
この発明の目的は、前記問題点に鑑み、継手本体と弾性シール部材との相互の材料選択を任意になし得るとともに、シール性の向上を図ることができる管継手を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明に係る管継手は、隣接する両管体を水密状態で接続する管継手であって、筒状の継手本体と、前記管体の外周面に沿って水密状態で弾性的に圧接する弾性シール部材と、前記弾性シール部材を前記継手本体の端末部に固定状態で保持する端末保持キャップと、を備える。前記端末保持キャップには、前記弾性シール部材の基体部に設けられた固定部を間に挟んで前記継手本体の端末部が押し込まれる環状の嵌込凹部が形成される。前記弾性シール部材には、その基体部から弾性変形可能に延出されかつ前記管体の外周面に水密状態で弾性的に圧接するシール面を有するシール体が一体状に形成されている。
したがって、端末保持キャップの環状の嵌込凹部に弾性シール部材の固定部を間に挟んで継手本体の端末部が押し込まれることで、継手本体の端末部に弾性シール部材が固定状態で保持され、これによって管継手が構成される。このため、継手本体、弾性シール部材及び端末保持キャップをそれぞれ所望とする材料で形成することができる。例えば、継手本体及び端末保持キャップは剛性の高い合成樹脂材料によって形成し、弾性シール部材はシール性に優れた弾性体によって形成することができる。
【0007】
請求項2の発明に係る管継手は、請求項1に記載の管継手であって、端末保持キャップは、その嵌込凹部の内周壁を構成する内輪部と、外周壁を構成する外輪部と、奥側壁を構成する端壁部と、を一体状に備える。前記外輪部の内壁面には、前記継手本体の端末部の外周面に弾性的に係合する凹凸状の係合部が形成されている。
したがって、端末保持キャップの内輪部、外輪部及び端壁部によって構成された嵌込凹部に対し、弾性シール部材の固定部を間に挟んで継手本体の端末部を押し込むと共に、端末保持キャップの凹凸状の係合部を継手本体の端末部に弾性的に係合させることで、継手本体の端末部に弾性シール部材を固定状態に容易にかつ確実に保持することができる。
【0008】
請求項3の発明に係る管継手は、請求項1又は2に記載の管継手であって、弾性シール部材のシール体は、そのシール面から管体の外周面に向けて突出することで前記シール体を弾性圧縮させる突片が形成されている。
したがって、管継手を管体の端部外周面から挿入して同管体の所定の連結位置まで押し込むことで、弾性シール部材のシール体のシール面に形成した突片が管体の外周面に密接しながら移動するとともに、シール体を弾性圧縮させる。このため、管体の外周面に付着した塵や埃を前記突片の移動にともなって除去することができるとともに、シール体の弾性圧縮に基づく弾発力によって同シール体のシール面を管体の外周面に確実に密着させることができ、シール性の向上を図ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
隣接する両管体が管継手によって連結された状態を縦断面で示す図1において、例えば下水管等の隣接する両管体1は、陶器、コンクリート、鋳鉄等によって管状に形成され、その内部には管路2が形成されている。
隣接する両管体1を水密状態で接続する管継手10は、継手本体11、弾性シール部材30及び端末保持キャップ20を備えて構成されている。
【0010】
継手本体11は、靱性及び剛性の高い材料、例えば、硬質のPP樹脂、PE樹脂、PVC樹脂等の靱性及び剛性の高い樹脂材料や、アルミ、スティール等の靱性及び剛性の高い金属材料より形成されている。
また、図1に示すように、継手本体11は、管体1の外径寸法よりも適宜に大きい内径寸法を有して筒状をなす胴部11aと、その胴部11aの両端に段差部11bをもって連続しかつ胴部11aよりも適宜に大きい内径寸法を有する両端末部12とを一体に備えて形成されている。
また、継手本体11の胴部11aの筒方向中央部の内周壁面には環状の仕切壁17が突設されている。
また、図3と図4に示すように、継手本体11の両端末部12の外周面には、その先端に傾斜状の案内面を有する凸部14と、同凸部14に連続する凹部15とを備えて凹凸状をなす係合部13が形成されている。さらに、両端末部12の外周面の略中間部と段差部11b近傍の2箇所には、補強用の環状リブ16が突設されている。
【0011】
図3と図4に示すように、端末保持キャップ20は、継手本体11の端末部12に、次に詳述する弾性シール部材30を固定状態で保持するものであり、弾性、靱性及び剛性の高い材料、例えば、硬質のPP樹脂、PE樹脂、PVC樹脂等の弾性、靱性及び剛性の高い樹脂材料より形成されている。
また、図3と図4に示すように、端末保持キャップ20には、弾性シール部材30の基体部31に設けられた固定部32を介して継手本体11の端末部12が押し込まれる環状の嵌込凹部21が形成されている。
すなわち、この実施の形態において、端末保持キャップ20は、その嵌込凹部21の内周壁を構成する内輪部22と、外周壁を構成する外輪部23と、奥側壁を構成する端壁部24と、を一体状に備えている。
また、外輪部23の内壁面には、継手本体11の端末部12の係合部13に弾性的に係合する凸部26と凹部15とを備えた凹凸状の係合部25が形成されている。
【0012】
図3と図4に示すように、弾性シール部材30は、シール性(耐薬品性、耐油性、耐候性、耐熱性等をそれぞれ有することが望ましい)に優れた弾性体、例えば、EPDM系ゴム材料、ポリオレフィン系樹脂材料等の弾性体より形成されている。
また、図3と図4に示すように、弾性シール部材30は、基体部31、固定部32及びシール体34を一体に備えて構成されている。
弾性シール部材30の基体部31は、継手本体11の端末部12内周壁面に沿って横断面略平板状に形成されている。
基体部31の一端には、端末保持キャップ20の嵌込凹部21に嵌込まれて固定される固定部32が形成されている。また、基体部31の一端寄り内周面には、薄肉の弾性変形部33をもってシール体34が弾性変形可能に延出されている。このシール体34は、横断面略半円形状をなし、その円弧の弦部においてシール面35が形成され、当該シール面35が管体1の外周面に水密状態で弾性的に圧接するようになっている。
さらに、シール体34のシール面35の付け根部寄り部分(薄肉の弾性変形部33に近い部分)と先端部寄りの2箇所には、そのシール面35から管体1の外周面に向けてそれぞれ突出することで同シール体34を弾性圧縮させる第1の突片36と第2の突片37とがそれぞれ形成されている。
【0013】
この実施の形態に係る管継手10は上述したように構成される。したがって、継手本体11の両端末部12に端末保持キャップ20によって弾性シール部材30を装着して管継手10を構成する場合、端末保持キャップ20の環状の嵌込凹部21に弾性シール部材30の固定部32を間に挟んで継手本体11の端壁部24が押し込まれる(図3及び図4参照)。
すると、端末保持キャップ20の凹凸状の係合部25が継手本体11の端末部12の凹凸状の係合部13に弾性的に係合し、その係合力によって継手本体11の端壁部24に端末保持キャップ20によって弾性シール部材30が固定状態で保持され、これによって管継手1が構成される。
【0014】
前記したようにして、継手本体11、弾性シール部材30及び端末保持キャップ20をそれぞれ別個に形成してから、これら継手本体11、弾性シール部材30及び端末保持キャップ20を一体化することで管継手10を容易に構成することができる。
このため、継手本体11、弾性シール部材30及び端末保持キャップ20をそれぞれ所望とする材料、すなわち、各部に最適な材料によって形成することができ、シール性や耐久性に優れた管継手10を構成することができる。例えば、継手本体11及び端末保持キャップ20を靱性及び剛性の高い材料によって形成し、弾性シール部材30はシール性に優れた弾性体によって形成することで、シール性や耐久性に優れた管継手10を構成することができる。
【0015】
また、この実施の形態において、端末保持キャップ20は、その嵌込凹部21の内周壁を構成する内輪部22と、外周壁を構成する外輪部23と、奥側壁を構成する端壁部24と、を一体状に備える。そして、外輪部23の内壁面には、継手本体11の端壁部24の凹凸状の係合部13に弾性的に係合する凹凸状の係合部25が形成されている。
したがって、端末保持キャップ20の内輪部22、外輪部23及び端壁部24によって構成された嵌込凹部21に対し、弾性シール部材30の固定部32を間に挟んで継手本体11の端壁部24を押し込むと共に、端末保持キャップ20の凹凸状の係合部25を継手本体11の端末部12の凹凸状の係合部13に弾性的に係合させることで、継手本体11の端末部12に弾性シール部材30を固定状態に容易にかつ確実に保持することができる。
【0016】
次に、この実施の形態に係る管継手10を用いて隣接する管体1を水密状態で連結する場合、まず、一方の管体1の端部外周面から管継手10を所定の連結位置、すなわち、一方の管体1の端面に環状の仕切壁17が接近あるいは当接する位置まで押し込み、次に、他方の一方の管体1の端面が前記管継手10の環状の仕切壁17に接近あるいは当接する位置まで押し込むことで、隣接する両管体1が管継手10によって連結される(図1参照)。
また、この実施の形態において、図3と図4に示すように、弾性シール部材30のシール体34には、そのシール面35から管体1の外周面に向けて突出する第1の突片36と第2の突片37とがそれぞれ形成されている。
【0017】
このため、管継手10を管体1の端部外周面から挿入して同管体1の所定の連結位置まで押し込むことで、弾性シール部材30のシール体34のシール面35に形成した第1の突片36と第2の突片37とが管体1の外周面に密接しながら移動し、シール体34を弾性圧縮させる(図5及び図6参照)。
また、管体1の端部外周面に対する管継手10の挿入にともなうシール体34の第1の突片36の移動によって、管体1の外周面に付着した塵や埃Dを除去することができるとともに、シール体34の弾性圧縮に基づく弾発力によって同シール体34のシール面35を管体1の外周面に確実に密着させることができ、シール性の向上を図ることができる。
【0018】
また、例えば、地中に埋設される多数本の管体1において、隣接する両管体1が管継手10によって水密状態で連結されることで、一連に連通する管路2、例えば下水路が構成される。
図2に示すように、地震、地盤沈下等の地盤の変動によって一方の管体1の中心線に対し他方の管体1の中心線が角度θだけ傾いた場合、弾性シール部材30のシール体34の一側部が、前記圧縮状態からさらに圧縮され、他側部が圧縮状態を保って膨張する。
特に、この実施の形態においては、弾性シール部材30のシール体34のシール面35に形成した第1の突片36と第2の突片37によって他側部が圧縮状態に良好に保たれる。このため、一方の管体1の中心線に対し他方の管体1の中心線が角度θだけ傾いた場合においても弾性シール部材30によってシール性が維持され、シール不良による水漏れの発生を防止することができる。
【0019】
なお、この発明は前記実施の形態に限定するものではない。
例えば、前記実施形態においては、弾性シール部材30のシール体34のシール面35に第1の突片36と第2の突片37とをそれぞれ形成したが、シール面35に1つの突片(環状突片)を形成しても略同様の作用効果を奏する。
また、弾性シール部材30のシール体34のシール面35に突片がない構造であってもよい。
また、前記実施の形態においては、弾性シール部材30の基体部31を横断面略平板状に形成し、シール体34を横断面略半円形に形成したが、基体部31を横断面略円弧状に形成し、シール体34を横断面略平板状に形成してもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明に係る管継手によれば、継手本体及び端末保持キャップは剛性の高い合成樹脂材料によって形成し、弾性シール部材はシール性に優れた弾性体によって形成することができため、シール性、耐久性等に優れた管継手を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る管継手によって隣接する両管体が接続された状態を示す断面図である。
【図2】同じく一方の管体の中心線に対し他方の管体の中心線が傾いた状態を示す断面図である。
【図3】同じく管継手を拡大して示す断面図である。
【図4】同じく管継手を構成する継手本体、端末保持キャップ及び弾性シール部材が分離された状態を示す断面図である。
【図5】同じく隣接する管体の端部から管継手が挿入される状態を示す説明図である。
【図6】同じく管体の外周面に付着した塵や埃が除去される状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 管体
10 管継手
11 継手本体
12 端末部
13 係合部
20 端末保持キャップ
21 嵌込凹部
22 内輪部
23 外輪部
24 端壁部
25 係合部
30 弾性シール部材
31 基体部
32 固定部
34 シール体
35 シール面
36 第1の突片
37 第2の突片
Claims (3)
- 隣接する両管体を水密状態で接続する管継手であって、
筒状の継手本体と、前記管体の外周面に沿って水密状態で弾性的に圧接する弾性シール部材と、前記弾性シール部材を前記継手本体の端末部に固定状態で保持する端末保持キャップと、を備え、
前記端末保持キャップには、前記弾性シール部材の基体部に設けられた固定部を間に挟んで前記継手本体の端末部が押し込まれる環状の嵌込凹部が形成され、
前記弾性シール部材には、その基体部から弾性変形可能に延出されかつ前記管体の外周面に水密状態で弾性的に圧接するシール面を有するシール体が一体状に形成されている管継手。 - 請求項1に記載の管継手であって、
端末保持キャップは、その嵌込凹部の内周壁を構成する内輪部と、外周壁を構成する外輪部と、奥側壁を構成する端壁部と、を一体状に備え、
前記外輪部の内壁面には、前記継手本体の端末部の外周面に弾性的に係合する凹凸状の係合部が形成されている管継手。 - 請求項1又は2に記載の管継手であって、
弾性シール部材のシール体は、そのシール面から管体の外周面に向けて突出することで前記シール体を弾性圧縮させる突片が形成されている管継手。
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Cited By (1)
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WO2017135178A1 (ja) * | 2016-02-05 | 2017-08-10 | 大基産業株式会社 | 配管接続構造 |
-
2003
- 2003-02-24 JP JP2003046452A patent/JP2004257430A/ja active Pending
Cited By (2)
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WO2017135178A1 (ja) * | 2016-02-05 | 2017-08-10 | 大基産業株式会社 | 配管接続構造 |
JP2017141952A (ja) * | 2016-02-05 | 2017-08-17 | 大基産業株式会社 | 配管接続構造 |
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