JP2004257300A - 非常用ディーゼル発電設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】非常用ディーゼル発電設備の燃料供給確保による発電期間の延長を可能とする。
【解決手段】三台の非常用ディーゼル発電機1,2,3と、各非常用ディーゼル発電機1,2,3へ燃料を供給できるように接続された各燃料タンク4,5,6とを備えた非常用ディーゼル発電設備において、各燃料タンク4,5,6間で燃料が流通できるように接続した配管と、その配管に装備され、配管内の燃料の流れを断続する弁12a〜12fとを備えた非常用ディーゼル発電設備であって、地震時に機能喪失した非常用ディーゼル発電機の燃料タンク内の燃料を、機能が維持している非常用ディーゼル発電機の燃料タンクへ移送して、機能維持の延長を図る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種施設に採用されている非常用電源設備に関し、その非常用電源設備がディーゼル発電設備に係る。
【0002】
【従来の技術】
発電用原子炉施設,高速増殖炉,新型転換炉、及び核燃料等の再処理施設においては、安全設備に電力を供給する電源として、外部電源と非常用電源設備の設置が求められている。この非常用電源設備については、非常用ディーゼル発電設備が一般に採用されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
沸騰水型原子炉を採用している発電用原子炉施設の非常用ディーゼル発電設備について、以下のようになっている。非常用ディーゼル発電設備は、外部電源喪失時に原子炉を安全に停止するために必要な電源を供給するとともに、発電用原子炉施設の工学的安全施設を作動させるための電源を供給する重要な設備である。
【0004】
外部電源喪失時に、非常用ディーゼル発電設備の単一故障を考えても電源の完全喪失とならないように、非常用ディーゼル発電設備は多重性と独立性を備える設計としている。
【0005】
非常用ディーゼル発電設備は、原子炉建屋内にディーゼル発電機が設置され、ディーゼル発電機への燃料供給設備として原子炉建屋内に燃料タンク、原子炉建屋外に屋外燃料移送ポンプ及び軽油貯蔵タンク、並びに、これらの機器を結ぶ配管にて構成されている(例えば、非特許文献2参照)。例えば非常用ディーゼル発電設備は、3系統あり、相互に分離独立した系統となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、発電用原子炉施設,高速増殖炉,新型転換炉、及び再処理施設においては、大規模な地震に遭遇した場合にも、設備が損壊して大きな事故に至ることがないように設計されている。例えば、発電用原子炉施設の機器は、地震により発生する可能性のある放射線による環境への観点からA,B,Cの3クラスに分類され、さらにAクラスのうち特に重要なものはAsクラスとしている。したがって、発電用原子炉施設においては非常用所内電源設備が、原子炉停止後の炉心から崩壊熱を除去するための設備の補助設備として、Asクラスとされている。ディーゼル発電設備の場合には、原子炉建屋内に設置されている燃料タンクまでがAsクラスとなっており、屋外に設置されている屋外燃料移送ポンプ及び軽油貯蔵タンクは、一般産業施設と同様なCクラス設計となっている(例えば、非特許文献3参照)。これは、Asクラスであればその地域に起こる可能性のある限界的な地震(基準地震動S2)に対し設計することになり、この設計用基準地震動S2に耐える設計である燃料タンクで、ディーゼル発電設備が稼動する時間内に燃料を施設外部より補給できれば良いと考えられているためである。
【0007】
【非特許文献1】
「軽水炉発電所のあらまし」実務テキストシリーズNo.1(改訂版)
平成4年10月、財団法人原子力安全研究協会、第98頁〜101頁及び第
313頁〜第315頁
【非特許文献2】
「原子力発電施設信頼性実証試験の現状」平成3年、財団法人原子力工学試験センター及び財団法人発電設備技術検査協会、第76頁〜第86頁
【非特許文献3】
「原子力発電所耐震設計技術指針 重要度分類・許容応力偏 JEAG4601・補−1984」添付資料第12頁〜第19頁、社団法人日本電気協会
【特許文献1】
特開平8−313686号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、例えば地震により外部電源が喪失した場合、非常用ディーゼル発電設備が起動し、発電用原子炉施設等の施設における安全施設を作動させるための電源として非常用ディーゼル発電設備が稼働する。この場合、非常用ディーゼル発電設備の設計用基準地震動を超える地震が発生し、原子炉建屋外の軽油貯蔵タンクが機能を喪失した場合、原子炉建屋内の燃料タンクの燃料だけで外部電源が復旧するまでの間、非常用ディーゼル発電設備を運転することになる。設計用基準地震動を超えるような地震を想定した場合には、燃料タンク1台分の燃料による非常用ディーゼル発電設備の稼動時間内に、燃料タンクへ施設外部より燃料を補給することが困難となることも想定される。
【0009】
したがって、本発明の目的は、非常用ディーゼル発電設備を備えた施設において、設計用基準地震動を超えるような大規模な地震が発生した場合でも、非常用ディーゼル発電設備からの電力の供給時間を、燃料タンクへ施設外部より燃料を補給することなく、延長できるようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
設計用基準地震動を超えるような地震の場合には、非常用ディーゼル発電機の軸受け等の動的な部分から損傷し、機能が喪失する可能性がある。この場合に、燃料タンクのような静的な機器は、耐力が十分にあるため機能が喪失していることはない。
【0011】
また、多重化されている非常用ディーゼル発電設備において、1台の非常用ディーゼル発電機が地震により機能喪失しても、他の非常用ディーゼル発電機が機能維持している可能性がある。これは、非常用ディーゼル発電機が同一の振動性状であっても、実際の地震においては配置条件により機器における地震力の応答は相違する可能性があるためである。
【0012】
その場合に、機能喪失している非常用ディーゼル発電機の燃料タンク内の燃料を利用することにより、健全である非常用ディーゼル発電機による電力供給時間を延長し、延長できた時間も利用して外部電源の復旧や非常用ディーゼル発電設備を有する施設の外側から健全である非常用ディーゼル発電機の燃料タンクへ燃料を供給することを可能にできる。
【0013】
このような作用効果を達成するために、万が一設計用基準地震動を超えるような大規模な地震が発生して、多重化されている非常用ディーゼル発電機に機能喪失するものが生じた場合に、機能喪失した非常用ディーゼル発電機の燃料タンク内の燃料を、機能が維持している非常用ディーゼル発電機の燃料タンク内へ燃料を移送するために、各非常用ディーゼル発電機の燃料タンク間を相互に結ぶ配管系統を新設したものである。
【0014】
或いは、各非常用ディーゼル発電機の燃料タンクに、燃料移送用の仮設ポンプを設置できるポンプ据付座を設けたものである。これにより、万が一設計用基準地震動を超えるような大規模な地震が発生して、多重化されている非常用ディーゼル発電機に機能喪失するものが生じた場合に、機能喪失した非常用ディーゼル発電機の燃料タンク内の燃料を、ポンプ据付座に据え付けた仮設ポンプを利用して、仮設配管又はホースを通じて機能が維持している非常用ディーゼル発電機の燃料タンク内へ移送することができる。
【0015】
或いは、各非常用ディーゼル発電機の燃料タンクに、燃料移送用のポンプを常設し、各非常用ディーゼル発電機の燃料タンクへ移送できる配管並びに切替弁を設けるものである。これにより、万が一設計用基準地震動を超えるような大規模な地震が発生して、多重化されている非常用ディーゼル発電機に機能喪失するものが生じた場合に、機能喪失した非常用ディーゼル発電機の燃料タンク内の燃料を、常設のポンプと配管及び切替弁で、機能が維持している非常用ディーゼル発電機の燃料タンク内へ移送することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明をBWR5型の原子炉を採用している原子力発電施設の非常用ディーゼル発電設備に適用した各実施例を各図に基づいて以下に説明する。図1に示した第1実施例は以下の通りである。
【0017】
即ち、原子力発電施設には、原子炉を収納している原子炉建屋が存在している。その原子炉建屋内には、非常用ディーゼル発電設備の三台のディーゼル発電機1,2,3が設置されている。各ディーゼル発電機1,2,3への軽油の燃料供給設備として、原子炉建屋内に三台の燃料タンク4,5,6が、そして原子炉建屋外に屋外燃料移送ポンプ7,8,9及び軽油貯蔵タンク10,11を備えている。
【0018】
軽油貯蔵タンク10は、屋外燃料移送ポンプ7で配管31を通じて燃料タンク4へ軽油貯蔵タンク10内の軽油を燃料として供給する系統を備え、その燃料タンク4は、配管34を通じてディーゼル発電機1へ燃料タンク4内の軽油を燃料として供給する系統を備えている。このような系統とディーゼル発電機1と燃料タンク4とを非常用ディーゼル発電設備の非常用A系統として備えている。
【0019】
また、軽油貯蔵タンク11は、屋外燃料移送ポンプ8で配管32を通じて燃料タンク5へ軽油貯蔵タンク11内の軽油を燃料として供給する系統を備え、その燃料タンク5は、配管35を通じてディーゼル発電機2へ燃料タンク5内の軽油を燃料として供給する系統を備える。このような系統とディーゼル発電機2と燃料タンク5とを非常用ディーゼル発電設備の非常用B系統として備えている。
【0020】
また、軽油貯蔵タンク11は、屋外燃料移送ポンプ9で配管33を通じて燃料タンク6へ軽油貯蔵タンク11内の軽油を燃料として供給する系統を備え、その燃料タンク6は、配管36を通じてディーゼル発電機3へ燃料タンク6内の軽油を燃料として供給する系統を備えている。このような系統とディーゼル発電機3と燃料タンク6とを非常用ディーゼル発電設備の非常用C系統として備えている。
【0021】
このように、非常用ディーゼル発電設備は、3系統あり、相互に分離独立した系統となっている。非常用A系統で発電された電力は原子力発電施設の残留熱除去系A及び低圧炉心スプレイ系等の構成機器に供給され、非常用B系統で発電された電力は原子力発電施設の残留熱除去系B及び残留熱除去系C等の構成機器に供給され、非常用C系統で発電された電力は原子力発電施設の高圧炉心スプレイ系等の構成機器に供給されるように各ディーゼル発電機1,2,3の電力出力側にそれぞれ接続されている。
【0022】
各燃料タンク4,5,6の下部には各燃料タンク4,5,6間を相互に連通可能に結ぶ配管37a〜37cが設置してあり、両端の各燃料タンク4,6間も配管37aで相互に連通可能にしてある。各燃料タンク4,5,6間に位置する配管37a〜37c部分には、タンク元弁12a〜12fが二個ずつ多重に設置されている。したがって、配管37a〜37cは前記各燃料タンクと前記弁とを介して閉ループ状に配管されている事になる。さらに、それらのタンク元弁12a〜12fは通常閉止状態でチェーンロックされている。したがって、非常用ディーゼル発電設備は完全に三系等に系統分離されている。
【0023】
これら原子炉建屋内の各燃料タンク4,5,6や各ディーゼル発電機1,2,3やこれらを配管34,35,36,37a〜37cで接続する系統はAsクラスの高耐震設計が施されているが、原子炉建屋外の軽油貯蔵タンク10,11や屋外燃料移送ポンプ7,8,9や配管31,32,33はAsクラスよりも耐震性が低いCクラスの耐震設計が施されている。
【0024】
地震の影響によって原子力発電施設に外部電源からの送電が途絶えた場合、即ち外部電源系が喪失した場合、原子力発電施設の安全施設である各残留熱除去系や各炉心スプレイ系の構成機器に電力を供給できなくなり危険である。このような外部電源系が喪失した場合には、非常用ディーゼル発電機1,2,3へ起動信号が制御室等から発信され、ディーゼル発電機1,2,3が起動し、原子力発電施設内の安全施設の機器等へ必要な電力がディーゼル発電機1,2,3から供給開始される。
【0025】
各燃料タンク4,5,6には、各非常用ディーゼル発電機1,2,3を数時間運転できる燃料が蓄えられているが、各燃料タンク4,5,6内の燃料が減少すると、原子炉建屋外の屋外燃料移送ポンプ7,8,9が起動して軽油貯蔵タンク10,11から燃料を補給することができる。原子炉建屋外の2つの軽油貯蔵タンク10,11には、合わせて非常用ディーゼル発電設備1系統を1週間運転できる燃料が蓄えられている。
【0026】
設計基準地震動を超える大規模な地震が起こり、原子炉建屋の屋外に設置された軽油貯蔵タンク10,11が破損したり、屋外燃料移送ポンプ7,8,9が機能を喪失したり、軽油貯蔵タンク10,11と屋外燃料移送ポンプ7,8,9間の配管31,32,33が破損すると、原子炉建屋内の各燃料タンク4,5,6内へ燃料である軽油を補給できなくなる。
【0027】
設計基準地震動を超える大規模な地震が起こり、上述のように軽油貯蔵タンク10,11から各燃料タンク4,5,6内へ燃料である軽油を補給できなくなった上、非常用ディーゼル発電設備内の動的な機器である3台の非常用ディーゼル発電機1,2,3のうちの1台あるいは2台が機能喪失し、静的な機器である各燃料タンク4,5,6や配管34,35,36,37a〜37cの機能が維持されている場合、起動している非常用ディーゼル発電機の燃料タンク内の燃料が枯渇するまでの数時間の間に、チェーンロックされた各タンク元弁12a〜12fを作業員がすべて開く。このことにより、各燃料タンク4,5,6の燃料は静水頭により燃料タンク4,5,6間を配管37a〜37cを通じて自然に流れるようになり、機能喪失した1台あるいは2台の非常用ディーゼル発電機の燃料タンク内の燃料を、機能が維持している非常用ディーゼル発電機の燃料タンク内へ燃料を移送することが可能となる。
【0028】
例えば、軽油貯蔵タンク10,11から各燃料タンク4,5,6への燃料の補給ができなくなった場合であって、非常用ディーゼル発電機1が起動できたものの2台の非常用ディーゼル発電機2,3が起動失敗によりその2台の非常用ディーゼル発電機2,3が発電の機能を喪失した場合には、各タンク元弁12a〜12fを作業員がすべて開く。この状態で燃料タンク4から燃料の供給を受けて非常用ディーゼル発電機1だけが駆動されて電力を安全施設に供給し続けると、その燃料タンク4内の燃料の液位が低下する。その燃料タンク4内の燃料の液位が低下すると、2台の非常用ディーゼル発電機2,3の各燃料タンク5,6内の燃料が静水頭により発電の機能が喪失していない非常用ディーゼル発電機1の燃料タンク4内に流入し、非常用ディーゼル発電機1の駆動による電力の供給期間が延長できる。
【0029】
上述の場合で、万が一、燃料タンク5が破損して燃料タンク5から燃料の漏洩があるような場合には、各タンク元弁12a〜12fのうち各タンク元弁12a,12fを開き、各タンク元弁12b,12c,12d,12eを閉じておくことによって、各燃料タンク4,6内の燃料が燃料タンク5を経由して漏洩することを防止しながらも、燃料タンク6内の燃料を燃料タンク5を迂回して燃料タンク4内に流入させて機能が喪失していない非常用ディーゼル発電機1の駆動に供することができる。
【0030】
燃料タンク6が破損して燃料タンク6から燃料の漏洩があるような場合には、各タンク元弁12a〜12fのうち各タンク元弁12b,12cを開き、各タンク元弁12a,12d,12e,12fを閉じておくことによって、燃料タンク5内の燃料が燃料タンク6の破損個所から漏洩することなく燃料タンク4内に流入させて機能が喪失していない非常用ディーゼル発電機1の駆動に供することができる。
【0031】
各燃料タンク5,6が破損して各燃料タンク5,6から燃料の漏洩があるような場合には、各タンク元弁12a〜12fを閉じておいて、燃料タンク4内の燃料が各燃料タンク5,6を経由して漏洩することを防止する。
【0032】
以上のようにして、安全系の1系統でもよいから長く機能するように、機能が喪失していない非常用ディーゼル発電機を原子炉建屋内に存在する燃料によってできるだけ長く駆動し続け、安全を長い期間にわたって維持する。その機能が喪失していない非常用ディーゼル発電機の駆動期間を長くすることによって、燃料タンクへの燃料の補給に要する時間を確保したり、外部電源の復旧に要する時間を確保する。
【0033】
次に、図2に示した本発明の第2実施例を以下に説明する。原子力発電施設には、原子炉を収納している原子炉建屋が存在している。その原子炉建屋内には、非常用ディーゼル発電設備の三台のディーゼル発電機1,2,3が設置されている。各ディーゼル発電機1,2,3への軽油の燃料供給設備として、原子炉建屋内に三台の燃料タンク4,5,6が、そして原子炉建屋外に屋外燃料移送ポンプ7,8,9及び軽油貯蔵タンク10,11を備えている。
【0034】
軽油貯蔵タンク10は、屋外燃料移送ポンプ7で配管31を通じて燃料タンク4へ軽油貯蔵タンク10内の軽油を燃料として供給する系統を備え、その燃料タンク4は、配管34を通じてディーゼル発電機1へ燃料タンク4内の軽油を燃料として供給する系統を備えている。このような系統とディーゼル発電機1と燃料タンク4とを非常用ディーゼル発電設備の非常用A系統として備えている。
【0035】
また、軽油貯蔵タンク11は、屋外燃料移送ポンプ8で配管32を通じて燃料タンク5へ軽油貯蔵タンク11内の軽油を燃料として供給する系統を備え、その燃料タンク5は、配管35を通じてディーゼル発電機2へ燃料タンク5内の軽油を燃料として供給する系統を備える。このような系統とディーゼル発電機2と燃料タンク5とを非常用ディーゼル発電設備の非常用B系統として備えている。
【0036】
また、軽油貯蔵タンク11は、屋外燃料移送ポンプ9で配管33を通じて燃料タンク6へ軽油貯蔵タンク11内の軽油を燃料として供給する系統を備え、その燃料タンク6は、配管36を通じてディーゼル発電機3へ燃料タンク6内の軽油を燃料として供給する系統を備えている。このような系統とディーゼル発電機3と燃料タンク6とを非常用ディーゼル発電設備の非常用C系統として備えている。
【0037】
このように、非常用ディーゼル発電設備は、3系統あり、相互に分離独立した系統となっている。非常用A系統で発電された電力は原子力発電施設の残留熱除去系A及び低圧炉心スプレイ系等の構成機器に供給され、非常用B系統で発電された電力は原子力発電施設の残留熱除去系B及び残留熱除去系C等の構成機器に供給され、非常用C系統で発電された電力は原子力発電施設の高圧炉心スプレイ系等の構成機器に供給されるように各ディーゼル発電機1,2,3の電力出力側にそれぞれ接続されている。
【0038】
各燃料タンク4,5,6の上部には仮設ポンプ13を設置できるポンプ据付座14を設けている。仮設配管15は、仮設ポンプ13で吸い上げた燃料を流せるように仮設ポンプ13の吐出口及び吸込み口に接続される配管である。通常は、仮設ポンプ13はいずれのポンプ据付座14にも設置されておらず、仮設配管15も仮設ポンプ13に接続されていない。
【0039】
これら原子炉建屋内の各燃料タンク4,5,6や各ディーゼル発電機1,2,3やこれらを配管34,35,36で接続する系統はAsクラスの高耐震設計が施されているが、原子炉建屋外の軽油貯蔵タンク10,11や屋外燃料移送ポンプ7,8,9や配管31,32,33はAsクラスよりも耐震性が低いCクラスの耐震設計が施されている。
【0040】
地震の影響によって原子力発電施設に外部電源からの送電が途絶えた場合、即ち外部電源系が喪失した場合、原子力発電施設の安全施設である各残留熱除去系や各炉心スプレイ系の構成機器に電力を供給できなくなり危険である。このような外部電源系が喪失した場合には、非常用ディーゼル発電機1,2,3へ起動信号が制御室等から発信され、ディーゼル発電機1,2,3が起動し、原子力発電施設内の安全施設の機器等へ必要な電力がディーゼル発電機1,2,3から供給開始される。
【0041】
各燃料タンク4,5,6には、各非常用ディーゼル発電機1,2,3を数時間運転できる燃料が蓄えられているが、各燃料タンク4,5,6内の燃料が減少すると、原子炉建屋外の屋外燃料移送ポンプ7,8,9が起動して軽油貯蔵タンク10,11から燃料を補給することができる。原子炉建屋外の2つの軽油貯蔵タンク10,11には、合わせて非常用ディーゼル発電設備1系統を1週間運転できる燃料が蓄えられている。
【0042】
設計基準地震動を超える大規模な地震が起こり、原子炉建屋の屋外に設置された軽油貯蔵タンク10,11が破損したり、屋外燃料移送ポンプ7,8,9が機能を喪失したり、軽油貯蔵タンク10,11と屋外燃料移送ポンプ7,8,9間の配管31,32,33が破損すると、原子炉建屋内の各燃料タンク4,5,6内へ燃料である軽油を補給できなくなる。
【0043】
設計基準地震動を超える大規模な地震が起こり、上述のように軽油貯蔵タンク10,11から各燃料タンク4,5,6内へ燃料である軽油を補給できなくなった上、非常用ディーゼル発電設備内の動的な機器である3台の非常用ディーゼル発電機1,2,3のうちの1台あるいは2台が機能喪失し、静的な機器である各燃料タンク4,5,6や配管34,35,36の機能が維持されている場合に以下のように対処する。
【0044】
例えば、発電機能を喪失している非常用ディーゼル発電機1の燃料タンク4に設けられているポンプ据付座14に仮設ポンプ13を据え付け、さらには、仮設ポンプ13の吸込み口と吐出口に仮設配管15を接続する。仮設配管15の流体吐出口は起動している非常用ディーゼル発電機2の燃料タンク5内に配置される。
【0045】
このようにしてから、仮設ポンプ13を駆動して燃料タンク4内の燃料を燃料タンク5内に移送して非常用ディーゼル発電機2の燃料として使用し、非常用ディーゼル発電機2による発電期間を延長する。仮設ポンプ13が電動ポンプである場合には、その電動ポンプにバッテリー又は過般できる発電機を接続して仮設ポンプ13に駆動電力を供給する。
【0046】
このような例示のように、機能喪失した非常用ディーゼル発電機の燃料タンクのポンプ据付座14に仮設ポンプ13を取り付けて仮設ポンプ13と仮設配管15通じて機能喪失した非常用ディーゼル発電機の燃料タンクの燃料を、機能が維持している非常用ディーゼル発電機の燃料タンクに導くことにより、機能が維持している非常用ディーゼル発電機の燃料タンクへ燃料を移送させ、機能が維持している非常用ディーゼル発電機による発電期間を延長できる。
【0047】
以上のようにして、安全系の1系統でもよいから長く機能するように、機能が喪失していない非常用ディーゼル発電機を原子炉建屋内に存在する燃料によってできるだけ長く駆動し続け、安全を長い期間にわたって維持する。その機能が喪失していない非常用ディーゼル発電機の駆動期間を長くすることによって、燃料タンクへの燃料の補給に要する時間を確保したり、外部電源の復旧に要する時間を確保する。
【0048】
この第2実施例によれば、全ての燃料タンク4,5,6に仮設ポンプ13や仮設配管15を据え付けておく必要がないので、設備物量を極力減少できる。また、仮設配管15のかわりにフレキシブルホースを用いても良い。
【0049】
図3に示す第3実施例は次の通りである。即ち、原子力発電施設には、原子炉を収納している原子炉建屋が存在している。その原子炉建屋内には、非常用ディーゼル発電設備の三台のディーゼル発電機1,2,3が設置されている。各ディーゼル発電機1,2,3への軽油の燃料供給設備として、原子炉建屋内に三台の燃料タンク4,5,6が、そして原子炉建屋外に屋外燃料移送ポンプ7,8,9及び軽油貯蔵タンク10,11を備えている。
【0050】
軽油貯蔵タンク10は、屋外燃料移送ポンプ7で配管31を通じて燃料タンク4へ軽油貯蔵タンク10内の軽油を燃料として供給する系統を備え、その燃料タンク4は、配管34を通じてディーゼル発電機1へ燃料タンク4内の軽油を燃料として供給する系統を備えている。このような系統とディーゼル発電機1と燃料タンク4とを非常用ディーゼル発電設備の非常用A系統として備えている。
【0051】
また、軽油貯蔵タンク11は、屋外燃料移送ポンプ8で配管32を通じて燃料タンク5へ軽油貯蔵タンク11内の軽油を燃料として供給する系統を備え、その燃料タンク5は、配管35を通じてディーゼル発電機2へ燃料タンク5内の軽油を燃料として供給する系統を備える。このような系統とディーゼル発電機2と燃料タンク5とを非常用ディーゼル発電設備の非常用B系統として備えている。
【0052】
また、軽油貯蔵タンク11は、屋外燃料移送ポンプ9で配管33を通じて燃料タンク6へ軽油貯蔵タンク11内の軽油を燃料として供給する系統を備え、その燃料タンク6は、配管36を通じてディーゼル発電機3へ燃料タンク6内の軽油を燃料として供給する系統を備えている。このような系統とディーゼル発電機3と燃料タンク6とを非常用ディーゼル発電設備の非常用C系統として備えている。
【0053】
このように、非常用ディーゼル発電設備は、3系統あり、相互に分離独立した系統となっている。非常用A系統で発電された電力は原子力発電施設の残留熱除去系A及び低圧炉心スプレイ系等の構成機器に供給され、非常用B系統で発電された電力は原子力発電施設の残留熱除去系B及び残留熱除去系C等の構成機器に供給され、非常用C系統で発電された電力は原子力発電施設の高圧炉心スプレイ系等の構成機器に供給されるように各ディーゼル発電機1,2,3の電力出力側にそれぞれ接続されている。
【0054】
各燃料タンク4,5,6上部に燃料移送ポンプ16,17,18が据え付けられて常設されている。燃料移送ポンプ16の吸込口は燃料タンク4内に存在し、その燃料移送ポンプ16の吐出口には配管41aが接続され、その配管41aは三方弁19を介して配管41b,41cで各燃料タンク5,6内に連通されている。燃料移送ポンプ17の吸込口は燃料タンク5内に存在し、その燃料移送ポンプ17の吐出口には配管42bが接続され、その配管42bは三方弁20を介して配管42a,42cで各燃料タンク4,6内に連通されている。燃料移送ポンプ18の吸込口は燃料タンク6内に存在し、その燃料移送ポンプ18の吐出口には配管43cが接続され、その配管43cは三方弁21を介して配管43a,
43bで各燃料タンク4,5内に連通されている。
【0055】
このようにして、各燃料タンク4,5,6上部に燃料移送ポンプ16,17,18を常設し、各燃料タンク4,5,6の一つが配管及び切替弁として採用した三方弁19,20,21により他の2つの燃料タンクと連通された系統構造となっている。燃料移送ポンプ16,17,18が電動ポンプである場合には、その電動ポンプにバッテリー又は過般できる発電機を接続して仮設ポンプ13に駆動電力を供給可能としておく。
【0056】
これら原子炉建屋内の各燃料タンク4,5,6や各ディーゼル発電機1,2,3や燃料移送ポンプ16,17,18やこれらを配管で接続する系統はAsクラスの高耐震設計が施されているが、原子炉建屋外の軽油貯蔵タンク10,11や屋外燃料移送ポンプ7,8,9や配管はAsクラスよりも耐震性が低いCクラスの耐震設計が施されている。
【0057】
地震の影響によって原子力発電施設に外部電源からの送電が途絶えた場合、即ち外部電源系が喪失した場合、原子力発電施設の安全施設である各残留熱除去系や各炉心スプレイ系の構成機器に電力を供給できなくなり危険である。このような外部電源系が喪失した場合には、非常用ディーゼル発電機1,2,3へ起動信号が制御室等から発信され、ディーゼル発電機1,2,3が起動し、原子力発電施設内の安全施設の機器等へ必要な電力がディーゼル発電機1,2,3から供給開始される。
【0058】
各燃料タンク4,5,6には、各非常用ディーゼル発電機1,2,3を数時間運転できる燃料が蓄えられているが、各燃料タンク4,5,6内の燃料が減少すると、原子炉建屋外の屋外燃料移送ポンプ7,8,9が起動して軽油貯蔵タンク10,11から燃料を補給することができる。原子炉建屋外の2つの軽油貯蔵タンク10,11には、合わせて非常用ディーゼル発電設備1系統を1週間運転できる燃料が蓄えられている。
【0059】
設計基準地震動を超える大規模な地震が起こり、原子炉建屋の屋外に設置された軽油貯蔵タンク10,11が破損したり、屋外燃料移送ポンプ7,8,9が機能を喪失したり、軽油貯蔵タンク10,11と屋外燃料移送ポンプ7,8,9間の配管31,32,33が破損すると、原子炉建屋内の各燃料タンク4,5,6内へ燃料である軽油を補給できなくなる。
【0060】
設計基準地震動を超える大規模な地震が起こり、上述のように軽油貯蔵タンク10,11から各燃料タンク4,5,6内へ燃料である軽油を補給できなくなった上、非常用ディーゼル発電設備内の動的な機器である3台の非常用ディーゼル発電機1,2,3のうちの1台あるいは2台が機能喪失し、静的な機器である各燃料タンク4,5,6や配管34,35,36,41a,41b,41c,42a,42b,42c,43a,43b,43cの機能及び三方弁19,20,21の機能が維持されている場合に以下のように対処する。
【0061】
例えば、非常用ディーゼル発電機1が機能喪失して非常用ディーゼル発電機2,3が機能を維持している場合には、三方弁19を切り替え操作して燃料タンク4と燃料タンク5とを配管41a,41bで連通し、燃料移送ポンプ16を駆動する。そうすると、燃料移送ポンプ16で汲み上げられた燃料タンク4内の燃料が燃料タンク5へ移送される。燃料タンク4内の燃料を燃料タンク6内に移送したい場合には、三方弁19を切り替え操作して、燃料タンク4と燃料タンク6とを配管41a,41cで連通し、燃料移送ポンプ16を駆動する。
【0062】
このように、三台の非常用ディーゼル発電機1,2,3のうちの非常用ディーゼル発電機1が機能喪失している場合、燃料移送ポンプ16および三方弁19により、非常用ディーゼル発電機1の燃料タンク4の燃料を非常用ディーゼル発電機2の燃料タンク5または非常用ディーゼル発電機3の燃料タンク6に移送し、非常用ディーゼル発電機2または非常用ディーゼル発電機3の駆動時間を延長する。三方弁19の切り替えは、起動している非常用ディーゼル発電機2の燃料タンク5または非常用ディーゼル発電機3の燃料タンク6の燃料残存量を見ながら作業員が適切に行うようにする。
【0063】
同様に、非常用ディーゼル発電機2が機能喪失した場合には、燃料移送ポンプ17および三方弁20により、燃料タンク5の燃料を非常用ディーゼル発電機1の燃料タンク4または非常用ディーゼル発電機3の燃料タンク6に移送できる。また、非常用ディーゼル発電機3が機能喪失した場合には、燃料移送ポンプ18および三方弁21により、燃料タンク6の燃料を非常用ディーゼル発電機1の燃料タンク4または非常用ディーゼル発電機2の燃料タンク5に移送できる。
【0064】
設計基準地震動を超える大規模な地震が起こり、動的な機器である三台の非常用ディーゼル発電機1,2,3のうちの2台の非常用ディーゼル発電機1,2が機能喪失し、静的な機器である各燃料タンク4,5,6や配管34,35,36,41a,41b,41c,42a,42b,42c,43a,43b,43cの機能及び三方弁19,20,21の機能が維持されている場合、燃料移送ポンプ16を駆動し三方弁19を切り替えて、非常用ディーゼル発電機1の燃料タンク4内の燃料を配管41a,41cを通じて非常用ディーゼル発電機3の燃料タンク6に移送する。また同時に、燃料移送ポンプ17を駆動して三方弁20を切り替えて、非常用ディーゼル発電機2の燃料タンク5内の燃料を配管42b,42cを通じて非常用ディーゼル発電機3の燃料タンク6に移送する。各三方弁19,20の切り替えは、起動している非常用ディーゼル発電機3の燃料タンク6の燃料残存量を見ながら作業員が適切に行うようにする。
【0065】
同様に、三台の非常用ディーゼル発電機1,2,3のうちの2台の非常用ディーゼル発電機1,3が機能喪失した場合には、燃料移送ポンプ16を駆動し三方弁19を切り替えすることにより、非常用ディーゼル発電機1の燃料タンク4の燃料を配管41a,41bを通じて非常用ディーゼル発電機2の燃料タンク5に移送する。これと同時に、燃料移送ポンプ18を駆動し三方弁21を切り替え操作して、非常用ディーゼル発電機3の燃料タンク6の燃料を配管43b,43cを通じて非常用ディーゼル発電機2の燃料タンク5に移送する。各三方弁19,21の切り替えは、起動している非常用ディーゼル発電機2の燃料タンク5の燃料残存量を見ながら作業員が適切に行うようにする。
【0066】
また、三台の非常用ディーゼル発電機1,2,3のうちの2台の非常用ディーゼル発電機2,3が機能喪失した場合には、燃料移送ポンプ17を駆動し三方弁20の切り替え操作を行って、非常用ディーゼル発電機2の燃料タンク5の燃料を配管42a,42bを通じて非常用ディーゼル発電機1の燃料タンク4に移送する。これと同時に、燃料移送ポンプ18を駆動し三方弁21を切り替え操作して、非常用ディーゼル発電機3の燃料タンク6の燃料を配管43a,43cを通じて非常用ディーゼル発電機1の燃料タンク4に移送する。各三方弁20,21の切り替えは、起動している非常用ディーゼル発電機1の燃料タンク4の燃料残存量を見ながら作業員が適切に行うようにする。
【0067】
これらの操作により、非常用ディーゼル発電設備の燃料タンク4,5,6へ軽油貯蔵タンク10,11から燃料を補給できない場合に、原子炉建屋内の各燃料タンク4,5,6の間で燃料を融通し合い、起動できた非常用ディーゼル発電機の燃料タンクに各燃料タンク4,5,6の燃料を集める。このことによって起動できた非常用ディーゼル発電機の駆動期間を原子炉建屋外からの燃料の補給無しで延長できる。このようにして起動できた非常用ディーゼル発電機による安全施設等への電力供給時間を延長するとともに、その延長できた期間を利用して、外部電源の復旧や燃料の外部からの供給の可能性を高めることができる。このような第3実施例によれば、各燃料タンク間での燃料の移送が三方弁の切り替えで容易且つ迅速に行える。
【0068】
このように、本発明の各実施例によれば、万が一設計用基準地震動を超えるような大規模な地震が発生し、さらに多重化されている非常用ディーゼル発電機の一部台数に機能喪失するものが生じた非常時の場合でも、機能喪失した非常用ディーゼル発電機の燃料タンク内の燃料を、機能が維持している非常用ディーゼル発電機の燃料タンクへ移送できるため、機能が維持している非常用ディーゼル発電機による非常時の電源供給時間を延長し、外部電源の復旧や外からの非常用ディーゼル発電機の燃料タンクへの燃料供給が可能となる。
【0069】
また、このような地震時においても、原子炉建屋外に設置された軽油貯蔵タンク10,11や屋外燃料移送ポンプ7,8,9の耐震性を向上させ、非常用ディーゼル発電機の燃料タンク4,5,6への燃料供給を可能とすることも考えられるが、その考えでは原子炉建屋外の屋外設備の広範囲な耐震性の増強が必要となり、本発明の各実施例と比較すると原子力発電施設の建設に関して高価になって、経済的な悪影響が大きくなる。
【0070】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、非常用ディーゼル発電機とその燃料タンクを複数台有する非常用ディーゼル発電設備において、各燃料タンク内に残存する燃料を特定の非常用ディーゼル発電機へ集中的に供給できるので、機能喪失していない非常用ディーゼル発電機が一台でも有れば、その機能喪失していない非常用ディーゼル発電機に燃料を長く供給して発電機能を長く維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による非常用ディーゼル発電設備の燃料供給系統図である。
【図2】本発明の第2実施例による非常用ディーゼル発電設備の燃料供給系統図である。
【図3】本発明の第3実施例による非常用ディーゼル発電設備の燃料供給系統図である。
【符号の説明】
1,2,3…非常用ディーゼル発電機、4,5,6…燃料タンク、7,8,9…屋外燃料移送ポンプ、10,11…軽油貯蔵タンク、12a〜12f…タンク元弁、13…仮設ポンプ、14…ポンプ据付座、15…仮設配管、16,17,18…燃料移送ポンプ、19,20,21…三方弁、37a,37b,37c,41a,41b,41c,42a,42b,42c,43a,43b,43c…配管。

Claims (6)

  1. 複数台のディーゼル発電機と、
    前記ディーゼル発電機へ燃料を供給できるように接続されて、前記ディーゼル発電機一台につき少なくとも一つ装備された複数の燃料タンクとを備えた非常用ディーゼル発電設備において、
    前記燃料タンク間で燃料が流通できるように接続した配管と、
    前記配管に装備され、前記配管内の燃料の流れを断続する弁と、
    を備えた非常用ディーゼル発電設備。
  2. 請求項1において、前記配管は前記各燃料タンクと前記弁とを介して閉ループ状に配管され、前記弁は前記各燃料タンク間の前記配管部分に装備されている非常用ディーゼル発電設備。
  3. 複数台のディーゼル発電機と、
    前記ディーゼル発電機へ燃料を個々に供給できるように接続された複数の燃料タンクとを備えた非常用ディーゼル発電設備において、
    前記燃料タンクに仮設ポンプの据付座を備えた非常用ディーゼル発電設備。
  4. 複数台のディーゼル発電機と、
    前記ディーゼル発電機へ燃料を個々に供給できるように接続された複数の燃料タンクとを備えた非常用ディーゼル発電設備において、
    前記燃料タンク間で燃料が流通できるように接続した配管と、
    前記配管に接続され、前記配管を通じて前記燃料タンク間で燃料を移送するポンプと、
    前記配管に装備され、前記燃料の移送先を切り替える切替弁と、
    を備えた非常用ディーゼル発電設備。
  5. 請求項4において、前記燃料タンクは三個であり、前記切替弁は三方弁であり、前記配管は一個の前記燃料タンクと前記三方弁を介して他の2個の前記燃料タンクとを接続可能としてある非常用ディーゼル発電設備。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項において、原子炉建屋内に前記ディーゼル発電機と前記燃料タンクとを設置し、前記原子炉建屋の屋外に、前記ディーゼル発電機と前記燃料タンクの耐震設計クラスよりも低い耐震設計クラスの燃料貯蔵タンクと前記燃料貯蔵タンク内の燃料を前記燃料タンクに移送する手段とを配置してある非常用ディーゼル発電設備。
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