JP2004256991A - シリンダー錠 - Google Patents

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Osamu Koyama
修 小山
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Takigen Manufacturing Co Ltd
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Takigen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

【課題】幅狭部分においても必要充分な曲げ強度が維持され、操作用凹部の他物との衝突や接触による受傷や変形の危険性がないシリンダー錠を提供する。
【解決手段】ロータ3の鍵孔9に挿入した板状鍵10の操作用凹部11によって、コードピン5とドライバーピン7の当接点をロータ3の外面と錠本体1の受孔2の内面との境界線上に移動させて、ロータ3を錠本体1に対して回転可能にする錠装置において、板状鍵10を先端側が幅狭となるように幅寸法に複数段階の差を付け、板状鍵10の幅方向の腹面12と厚さ方向のエッジ面13に円錐形または円錐台形の操作用凹部11を、操作用凹部11の外周縁線が腹面12とエッジ面13のなす稜線14を食み出さないように形成する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状鍵を使用するシリンダー錠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のシリンダー錠では、錠本体の受孔にロ−タを嵌合し、ロ−タの半径方向のピン孔にコ−ドピンを嵌合し、錠本体の半径方向のピン孔にドライバ−ピンを嵌合し、バネでドライバ−ピンをロ−タに向けて移動付勢し、ドライバ−ピンとコ−ドピンの当接点をロ−タの前記ピン孔内に位置させて錠本体に対してロ−タを拘束する一方、ロ−タの軸線方向の鍵孔に挿入した板状鍵の操作用凹部によって、前記ピン同士の当接点をロ−タの外面と錠本体の前記受孔の内面との境界線上に移動させ、ロ−タを錠本体に対して回転可能にするようになっている。
一般的には、前記鍵孔への板状鍵の挿入部分の幅寸法は一定であり、複数のコードピンの先端はロ−タの鍵孔の奥行き方向軸線と平行な一直線上に整列して配置されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この従来装置では、鍵孔に挿入した針金等のピッキング用具でコードピンの先端を引掻くように押圧して、ドライバ−ピンの先端をロ−タの外面と錠本体の受孔の内面との境界線上に移動させるという不正解除の操作を単純に繰り返すことによって、ドライバ−ピンとコ−ドピンの全ての当接点をロ−タの外面と錠本体の受孔の内面との境界線上に位置させることができ、それによりロ−タは錠本体に対して回転可能となる。
【0004】
改良されたシリンダー錠では、鍵孔への板状鍵の挿入部分の幅寸法に段差をつけ、根本側の広幅部分と先端側の狭幅部分のそれぞれに前記操作用凹部を設けてあるため、これに対応してコードピンの先端部分は鍵孔内において一直線上に整列して配置されておらず、その整列基準線は二段階に設定されている(特許文献2参照)。
そのため、前記ピッキング用具によって全てのコ−ドピンとドライバ−ピンの当接点をロ−タと錠本体の境界線上に移動させる操作はほとんど不可能となり、不正解除を的確に阻止することができる。
【0005】
しかしながら、板状鍵の厚さ方向のエッジ面に山谷状に形成される操作用凹部は、該エッジ面と幅方向の腹面との稜線を越えて該腹面に切り込んで設けられているため、幅狭部分に形成された谷状の操作用凹部の箇所においては鍵の横断面積が縮減され、板状鍵の曲げ強度が低下することになる。
装着スペースの関係上、シリンダー錠本体の外径寸法に一定の制限がある場合、段階的に幅寸法を狭くしたとき、最も幅の狭い鍵部分においては、山谷状の操作用凹部が横断面に占める部分の比率は相対的に大きくなるため、当該鍵部分の脆弱化の傾向はさらに悪化する。
また、山谷状に形成された操作用凹部はコードピンとの当接面が外部に露出しているため、他物との衝突や接触による受傷や変形の危険性に常に曝されている。
【0006】
【特許文献1】特公昭51―43439号公報
【特許文献2】特許第3020831号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目的は、幅狭部分においても必要充分な曲げ強度が維持され、操作用凹部の他物との衝突や接触による受傷や変形の危険性がないシリンダー錠を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のシリンダー錠では、錠本体1の受孔2にロータ3を嵌合し、ロータ3の半径方向のピン孔4にコードピン5を嵌合し、錠本体1の半径方向のピン孔6にドライバーピン7を嵌合し、バネ8でドライバーピン7をロータ3に向けて移動付勢し、ドライバーピン7とコードピン5の当接点をロータ3の前記ピン孔4内に位置させて錠本体1に対してロータ3を拘束する一方、ロータ3の軸線方向の鍵孔9に挿入される板状鍵10を、先端側が幅狭となるように幅寸法に複数段階の差を付けたシリンダー錠において、板状鍵10の幅方向の腹面12と厚さ方向のエッジ面13に円錐形または円錐台形の操作用凹部11を、操作用凹部11の外周縁線が腹面12とエッジ面13のなす稜線14を食み出さないように形成し、操作用凹部11によってコードピン5を押圧する。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1の発明の前記構成に加えて、前記腹面12の操作凹部11と前記エッジ面13の操作凹部11は板状鍵10の長さ方向に位相をずらせて形成される。
【0010】
【発明の作用】このシリンダー錠では、キーコードの多様性すなわち鍵違いは、切削加工機の切削ビットで円錐形または円錐台形の操作用凹部11を板状鍵10の前記腹面2またはエッジ面13に彫り込むとき、当該腹面2またはエッジ面13レベルからの切削深さを適宜に増減変更することによって得られる。
【0011】
図2に示されるように施錠状態では、錠本体1のピン孔6に嵌合されたドライバーピン7は、ドライバーピン7の基端側のピン孔6に挿入したバネ8の弾発力によって、ロータ3のピン孔4側に前進付勢されており、ドライバーピンがロータ3のピン孔4と錠本体1のピン孔6に跨がって係合することによって、ロータ3は錠本体1に対して拘束されている。
【0012】
また、解錠時には鍵孔9に板状鍵10を挿入し、板状鍵10の操作用凹部11でコ−ドピン5とドライバ−ピン7の当接点をロ−タ3の外面と錠本体1の受孔2の内面との境界線上に移動させて、ロ−タ3を錠本体1に対して回転可能にする。
【0013】
【発明の実施の形態】図示の実施例では、ロータ3のピン孔4はロ−タ3の半径方向であって鍵孔9の幅方向軸線に整列した向きと、ロ−タ3の半径方向であって鍵孔9の厚さ方向軸線に整列した向きの3系列に設けられている。鍵孔9は板状鍵10に対応して複数段階の段差孔状に形成されている。ドライバ−ピン7をロ−タ3に向けて移動付勢するバネ8は圧縮コイルバネで構成され、ドライバ−ピン7の基端と錠本体1に固着したバネ受け19との間に圧縮されている。
【0014】
板状鍵10の幅寸法は二段階に段差をつけられ、根本側の広幅部分10aと先端側の狭幅部分10bには、その幅方向の腹面12と厚さ方向のエッジ面13の両方に操作用凹部11を設けている。幅広部分10aと幅狭部分10bとの境界部には、コードピン5の先端部が摺接する誘導斜面部10cを形成してある。ロータ3の先端部には掛金板の取付用軸部15とビス孔16を設けてある。コ−ドピン5の両端部とドライバ−ピン7の先端部には、半球面状に面取り加工を施している。ロータ3の環状受溝17には抜け止めリング18を嵌めてある。
【0015】
図示の実施例では、板状鍵10はリバーシブル鍵に構成され、操作用凹部11は広幅部分10aと狭幅部分10bのいずれにおいても上下両側のエッジ面13に形成されており、左右両側の腹面12には上下2列に操作用凹部11が形成されている。コードピン5の先端側は基端側より小径に形成され、環状肩面5aが設けられている。ロータ3のピン孔4には、コードピン5の環状肩面が当接する抜け止め内鍔部を設けてある。錠本体1のピン孔6の外端はバネ押え板19によって閉塞されている。
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明のシリンダー錠では、板状鍵10の幅寸法を先端側が幅狭となるように複数段階の差を設定し、板状鍵10の幅方向の腹面12と厚さ方向のエッジ面13に操作用凹部11を形成してあるので、板錠鍵10の幅方向軸線と厚さ方向軸線の2系列に配置されたコードピン5の先端部分は、いずれも複数段階の整列基準線に置かれている。そのため、従来のピッキング用具を鍵孔内でコードピン5の先端を引掻くように滑らせてコードピン5及びドライバーピン7を押すという不正解錠の操作は極めて困難となり、全てのコ−ドピン5とドライバ−ピン7の当接点をロ−タ3と錠本体1の境界線上に移動させる操作はほとんど不可能となり、不正解除を的確に阻止することができる。
【0017】
また、板状鍵10の幅方向の腹面12と厚さ方向のエッジ面13に形成される操作用凹部11は、操作用凹部11の外周縁線が腹面12とエッジ面13のなす稜線14を食み出さないように形成されているので、幅狭部分においても必要充分な曲げ強度が維持され、操作用凹部の他物との衝突や接触による受傷や変形の危険性がない。
装着スペースの関係上、シリンダー錠本体1の外径寸法に一定の制限がある場合、段階的に幅寸法を狭くしていっても、円錐径または円錐台形の操作用凹部11が板状鍵10の横断面に占める比率は過大にならないため、当該鍵部分の脆弱化を回避することができる。
【0018】
請求項2の発明では、前記腹面12の操作凹部11と前記エッジ面13の操作凹部11は板状鍵10の長さ方向に位相をずらせて形成されているため、操作用凹部11の形成のための板状鍵10の肉取りは板状鍵10の長さ方向に分散され、特定の横断面に重なることがないので、板状鍵10の曲げ変形に対する強度はより高く維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るシリンダー錠の施錠状態における正面図である。
【図2】板状鍵を挿入した状態の図1のA−A線断面図である。
【図3】図2のB−B線断面図である。
【図4】板状鍵の右側面図である。
【図5】図4のC−C線断面図である。
【図6】図4のD−D線断面図である。
【符号の説明】
1 錠本体
2 受孔
3 ロ−タ
4 ピン孔
5 コ−ドピン
6 ピン孔
7 ドライバ−ピン
8 バネ
9 鍵孔
10 板状鍵
11 操作用凹部
12 腹面
13 エッジ面
14 稜線

Claims (2)

  1. 錠本体1の受孔2にロータ3を嵌合し、ロータ3の半径方向のピン孔4にコードピン5を嵌合し、錠本体1の半径方向のピン孔6にドライバーピン7を嵌合し、バネ8でドライバーピン7をロータ3に向けて移動付勢し、ドライバーピン7とコードピン5の当接点をロータ3の前記ピン孔4内に位置させて錠本体1に対してロータ3を拘束する一方、ロータ3の軸線方向の鍵孔9に挿入される板状鍵10を、先端側が幅狭となるように幅寸法に複数段階の差を付けたシリンダー錠において、板状鍵10の幅方向の腹面12と厚さ方向のエッジ面13に円錐形または円錐台形の操作用凹部11を、操作用凹部11の外周縁線が腹面12とエッジ面13のなす稜線14を食み出さないように形成し、操作用凹部11によってコードピン5を押圧するシリンダー錠。
  2. 前記腹面12の操作凹部11と前記エッジ面13の操作凹部11は板状鍵10の長さ方向に位相をずらせて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシリンダー錠。
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