JP2004256897A - 分子線エピタキシャル成長装置のクリーニング方法、分子線エピタキシャル成長装置、その装置により製造された基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のクリーニング方法は、接続部を介して成長室を備える分子線エピタキシャル成長装置のクリーニング方法であって、分子線エピタキシャル成長装置の構成要素のうち、成長室以外の構成要素であって、成長室に接続部を介して結合する構成要素と、成長室とを接続部において分断する分断工程と、成長室以外の構成要素と、成長室とを隔離する隔離工程と、成長室の全体を均一に300℃以上に昇温する昇温工程と、成長室を300℃以上に保温する保温工程とを含み、成長室の内部を真空排気しながら、昇温および保温の各工程のうち少なくとも1の工程を実施し、熱エネルギーにより成長室の内部に付着した堆積物を除去し、成長室外へ排出することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分子線エピタキシャル成長装置とそのクリーニング方法に関する。さらに、分子線エピタキシャル成長装置により製造された基板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4に、従来の分子線エピタキシャル成長装置の一例について、その模式的な構成図を示す。従来の分子線エピタキシャル成長装置401には、成長室402と、基板準備室404と、基板搬送室403と、前処理室405とが、ゲートバルブ410などにより接続されている。また、基板準備室404内に設置されたウエハ基板またはセラミック基板などの基板は、基本的に真空を破ることなく、前処理室405へ、また、成長室402へと移動できるシステムとなっている。なお、本構成図に示すレイアウトは、その一例であって、この例に限定されるものではない。また、基板準備室404、前処理室405、および成長室402が、複数個あってもよい。
【0003】
図5は、分子線エピタキシャル成長装置における成長室の一例について、その模式的な断面図を示す。成長室502の内部には、その内壁面530の近くに、余剰材料および不純物を吸着させる役割をもつシュラウド531と、基板保持台532と、基板に斜め対向する分子線セル533などが配置されている。また、搬送室と接続して、成長室502内へ基板を搬出入するための搬出入口534と、開口部を封じる蓋535と、真空ポンプを接続して真空排気するための排気口536などを備えている。なお、開口部は、シュラウド531の取り出しと、成長室502内に配置したままでのシュラウド531の作業員によるクリーニング作業などのために、設けられている。
【0004】
分子線エピタキシャル成長装置において、基板を製造する際の膜成長は、図5に示すように、成長室502内に前処理済の基板を、搬出入口534から搬入して、基板保持台532に保持する。つぎに、分子線セル533内の原材料を溶融し、分子線として基板へ照射させ、基板上に膜をエピタキシャル成長させることにより行なわれる。
【0005】
しかし、膜成長の回数が増加するに従い、成長室502内には、成長に寄与しない原材料の余剰材料、または、その他の残留不純物ガスにより汚染されてくる。特に、シュラウド531の表面には、余剰材料が冷却され、固形物として堆積してくる。これは、シュラウド531の内部には、液体窒素などの冷媒が充填され、成長時に、シュラウド531の表面温度が極低温に維持されているためである。
【0006】
成長室502内の汚染がひどくなってくると、たとえばシュラウド531の表面の堆積物がフレーク状の小片となって剥離し、落下して、分子線セル533内に混入することにより、製造する基板の品質が低下することがある。また、上記堆積物により、シュラウド531の表面の吸着効率が低下し、成長室502内の真空度の劣化または不純物ガスの増加により、やはり製造する基板の品質を低下させることがある。したがって、成長室502内を定期的にクリーニングする作業が必要となる。
【0007】
成長室502内の一般的なクリーニング方法としては、超高真空域となっている成長室502内の圧力を、一旦、大気圧まで昇圧した後、大気開放し、作業員が身体の一部または全身を成長室502内へ入れ、室内に付着した堆積物を削り取る方法が用いられている。また、別の一般的なクリーニング方法として、同様に大気開放後、成長室502内からシュラウド531を引き出し、引き出されたシュラウド531の表面に付着した堆積物を、水洗することにより、あるいは酸性溶液などのエッチング溶液により溶かして除去する方法がある。シュラウド531の表面に付着した堆積物を溶かして除去した後、再度シュラウド531を成長室502内に戻される。
【0008】
成長室を大気開放せずに、成長室をクリーニングする方法として、プラズマによる方法が提案されている。たとえば、成長室502内に、放電用の電極とフローティング状態の導電性の補助板を設置し、成長室502内にプラズマ生成用のプロセスガスを導入後、電極に電圧を印加してプラズマを生成させることにより、成長室502内をクリーニングする方法がある(特許文献1参照)。補助板設置の目的は、電極と電極付近の成長室内壁との間でのプラズマの生成に伴い、補助板が帯電することを利用し、補助板と成長室内壁との間でもプラズマ生成させようとするものである。
【0009】
プラズマによりクリーニングする別の方法として、クリーニング時に、成長室502内に設置されたシュラウド内壁531aと一定距離を保持した金属板を配置して、シュラウド壁面と金属板との間でプラズマを発生させ、シュラウド内壁531aをクリーニングする方法がある(特許文献2参照)。この方法によれば、クリーニング時以外は、成長室とは遮断された真空収納室に金属板などを収納することにより、成長時における余剰材料の補助板などへの付着と、シュラウドの吸着力低下の問題に対処することができる。
【0010】
一方、堆積物を加熱によりクリーニングする方法も提案されている。たとえば、装置の回りや下部にヒータを設置し、装置全体を包囲するように、組み立て式のパネルを設置し、ヒータにより装置全体を約200℃に加熱しながら約100時間真空に引いて脱ガスを行なう方法がある(特許文献3参照)。パネルは、加熱時に外部への熱放散を低減させるために設置し、クリーニング終了後は解体可能である。
【0011】
【特許文献1】
特開平1−154450号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平2−233586号公報
【0013】
【特許文献3】
特開平7−014766号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来より行なわれている作業員によるクリーニング方法では、作業員の手の届かない箇所、たとえば入りくんだ部分に付着した堆積物を削り取ることができない。したがって、完全に堆積物を除去することが不可能である。
【0015】
また、シュラウド531だけでなく、成長室502の内壁面530にも堆積物は付着するが、仮に作業員により、内壁面530に付着した堆積物の削り取りを行なう場合、超高真空に対応できるように表面処理した内壁面530を傷つけることになり、装置立上げ時に所望の真空度が得られない可能性がある。
【0016】
また、大気開放後、シュラウド531を引き出し、エッチング溶液により堆積物を溶解し、除去する方法を用いる場合には、成長室502の内壁面530に付着した堆積物については除去できないという根本的な問題を有する。さらに、シュラウド531は、通常ステンレス製の重量物であることから、その引き出し作業および取り付け作業に危険が伴う。
【0017】
また、上記のような大気開放を必要とするクリーニング方法においては、付着した堆積物を完全に除去できなかった場合には、大気開放時に混入した大気成分により堆積物残渣が酸化し、成長室内に存在することになる。したがって、酸化物を除去しないと、その後の成長プロセスにおいて、素子の特性劣化などの不具合を生じることがある。このため、成長室502を大気開放せずに成長室502内をクリーニングする方法が好ましい。
【0018】
一方、成長室502内に電極と補助板を設置して、プラズマによりクリーニングする方法は、成長室502を大気開放せずにクリーニングすることができる。しかし、プラズマが及ぶ範囲は限られているため、電極と電極付近の内壁との間でも無く、補助板と内壁との間でも無い部分、および、これらの間にあっても遮蔽物によりプラズマから遮蔽される部分についてはクリーニングできない。特に、この方法をシュラウド531が設置された分子線エピタキシャル装置の成長室502に適用しようとすると、シュラウド外壁531bと成長室内壁530との間に補助板を設置するだけでなく、シュラウド内壁531aをクリーニングするための別の補助板を、シュラウド内壁531aの内側へ設置する必要が生じる。
【0019】
しかし、そのような設置を行なうと、成長時は、補助板に余剰材料が付着し、シュラウドの余剰材料の吸着力も落ちてしまう。また、2種類の補助板設置のために、成長室も大きくすることになり、装置の大型化を招く。さらに、成長室内に電極と補助板を配置する必要があるため、電極や補助板が不純物ガスを放出する汚染源となり、成長室内の超高真空状態を維持することが困難となる。また、プラズマの生成する範囲を広げるために補助板を大きくすると、汚染源を増加させる結果となる。
【0020】
さらに、クリーニング時に、成長室502内のシュラウド内壁531aと一定距離を保持した金属板を配置して、プラズマによりクリーニングする方法は、シュラウドは容器状であるため、成長室内に設置する金属板も当然容器状であり、それを収納する真空収納室も、成長室のサイズに近い大きなサイズとなり、このような大きな真空室を、隣接して設置する必要がある。
【0021】
また、金属板をシュラウドのクリーニング毎に成長室内に挿入するため、金属板を成長室内に移動させる移動機構も設置する必要がある。このため、装置のコストアップにつながるだけでなく、装置の大型化を招く。また、プラズマが及ぶ範囲は限られているため、プラズマから遮蔽されている部分、特に成長室内壁面についてはクリーニングできない。したがって、上記クリーニング方法はいずれも、成長室内の堆積物を完全に除去できない。
【0022】
成長室内を完全にクリーニングできない場合、除去されなかった堆積物残渣が放出ガス源となるため、装置立上げ時に所望の到達真空度が得られず、加熱による放出ガスの排気に長時間を要し、装置立上げに時間がかかることになる。また、上記残渣が不純物の原因となり、製造する基板の品質を低下させる。
【0023】
一方、装置全体を包囲するようにパネルを設置し、ヒータ加熱によりクリーニングする方法は、パネルが組み立て式であり、かつ、装置全体を包囲するため、パネル間の継ぎ目の総長は大変長くなり、密封性に限界がある。特に、高温になるほどパネルに反りが生じ、継ぎ目に隙間が生じやすいので、昇温温度はせいぜい200℃程度までであり、200℃をかなり超える温度にまで昇温させることは困難である。反りを低減させるために、厚いパネルにすれば、パネルの重量が増し、組み立て時および解体時の作業効率が低下する。また、クリーニングは成長室のみで足りるところ、この方法では、装置全体を加熱しているので、熱容量が大きくなり、昇温に多大な時間を要し、ヒータは強力なものが必要となり、メンテナンスコストのアップを招き、エネルギの無駄遣いとなる。
【0024】
さらに、不要な部分まで加熱することによる問題も生じる。たとえば、200℃をかなり超える温度に加熱しようとしても、装置の全ての構成部品にその温度に対する耐熱性を持たせることは困難である。また、耐熱性のある材料を使用できる構成部品であっても、耐熱性部材の使用が多くなれば、とても高価な装置となってしまう。このため、クリーニング時には、耐熱性の無い構成部品を全て取り外すことが必要になり、装置全体を、耐熱性の無い部分を取り外し可能な構造に設計する必要が生じる。
【0025】
また、クリーニングの度毎に、クリーニング開始前に、それらを全て取り外し、クリーニング終了後はそれらを全て取り付ける、という長時間の作業が必要になる。さらに、成長室からのガスが前処理室などへ流れれば、そうしたガスの付着を前提としていない前処理室の汚染が発生し、その後の製造に問題を生じさせる。
【0026】
本発明の課題は、成長室内の堆積物を完全に除去できる分子線エピタキシャル成長装置とそのクリーニング方法を提供することにある。さらに、そのようなクリーニング方法が実施された分子線エピタキシャル成長装置により製造された基板と、その基板の製造方法を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明のクリーニング方法は、分子線により基板上に膜成長を行なう成長室を、接続部を介して備える分子線エピタキシャル成長装置のクリーニング方法であって、
分子線エピタキシャル成長装置の構成要素のうち、成長室以外の構成要素であって、成長室に接続部を介して結合する構成要素と、成長室とを接続部において分断する分断工程と、
成長室以外の構成要素と、成長室とを隔離する隔離工程と、
成長室の全体を均一に300℃以上に昇温する昇温工程と、
成長室を300℃以上に保温する保温工程と
を含み、
成長室の内部を真空排気しながら、昇温および保温の各工程のうち少なくとも1の工程を実施し、熱エネルギーにより成長室の内部に付着した堆積物を除去し、成長室外へ排出することを特徴とする。
【0028】
本発明の分子線エピタキシャル成長装置は、分子線により基板上に膜成長を行なう成長室を、接続部を介して備え、
分子線エピタキシャル成長装置の構成要素のうち、成長室以外の構成要素であって、成長室に接続部を介して結合する構成要素と、成長室とを接続部において分断する分断手段と、
成長室以外の構成要素と、成長室とを隔離する隔離手段と、
成長室を加熱室へ挿入する挿入手段と
を有し、
加熱室は、
成長室内を真空排気する排気手段と、
成長室の全体を均一に300℃以上に昇温する昇温手段と、
成長室を300℃以上に保温する保温手段と
を有することを特徴とする。
【0029】
このような分子線エピタキシャル成長装置としては、成長室を複数備え、成長室が互いに交換可能であるものが好ましい。また、加熱室の扉部に、接続部が貫通して取り付けられている態様が好適である。本発明の基板は、上述のクリーニング方法を実施した分子線エピタキシャル成長装置により製造されたことを特徴とする。また、本発明の基板の製造方法は、そのような分子線エピタキシャル成長装置を用いて製造され、
成長室内に基板を設置する工程と、
成長室内で膜材料を成長させる工程と
を含むことを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
(分子線エピタキシャル成長装置)
本発明の分子線エピタキシャル成長装置は、接続部を介して成長室を備え、成長室以外の構成要素と成長室とを接続部において分断する分断手段と、成長室以外の構成要素と成長室とを隔離する隔離手段と、成長室を加熱室へ挿入する挿入手段とを有する。また、加熱室は、成長室内を真空排気する排気手段と、成長室の全体を均一に300℃以上に昇温する昇温手段と、成長室を300℃以上に保温する保温手段とを有することを特徴とする。
【0031】
本発明の分子線エピタキシャル成長装置の典型的な構造を図1(a)に示す。図1(a)に示す例では、分子線エピタキシャル成長装置1は、接続部12を介して成長室2を備えており、接続部12はベローズ付きフランジ11とゲートバルブ10とを有する。クリーニングに際しては、接続部12において、ゲートバルブ10を閉じ、ベローズ付きフランジ11で切り離すことにより、基板搬送室3および真空ポンプ6と、成長室2とを分断することができる。成長室2は、独立架台13−2上に設置されており、基板搬送室3および真空ポンプ6と、成長室2とを容易に隔離することができるよう、独立架台13−2には耐熱性キャスタが設置されている。分断、隔離後の状態を、図1(b)に例示する。
【0032】
つぎに、独立架台13−2により、成長室2を加熱室7に挿入し、図1(c)に示すように、加熱室7内に成長室2を設置する。つづいて、成長室2は、加熱室7外に設置された真空ポンプ8と接続される。その後、成長室2は真空ポンプ8により真空排気されながら、加熱室7内において成長室2の全体を均一に加熱し、昇温して、300℃以上で保温する。このような装置により、成長室2内の堆積物は熱エネルギにより蒸発し、成長室2外へ真空排出される。
【0033】
本発明においては、成長室と、成長室以外の構成要素とを分断し、隔離し、成長室のみを加熱する。したがって、分子線エピタキシャル成長装置全体を加熱する場合に比べて、成長室以外の構成要素に与える熱の影響が小さく、熱容量の最小化、昇温時間の短縮化および熱漏れの低下が可能である。また、耐熱性部材を減らすことにより製造コストを低減することができる。
【0034】
成長室以外の構成要素とは、分子線エピタキシャル成長装置の構成要素のうち、成長室以外の構成要素であって、成長室に接続部を介して結合する構成要素である(以下、「他の構成要素」ともいう)。成長室以外の構成要素は、典型的には、基板搬送室または基板前処理室などの真空チャンバと、真空ポンプまたはトラップなどの排気用構成要素などであるが、分子線エピタキシャル成長装置の仕様により、真空チャンバまたは排気用構成要素のいずれかを欠くような場合も含まれる。
【0035】
クリーニング後の装置立上げ時の成長室の加熱温度は、通常200℃程度であるが、クリーニング時に成長室をさらに高温にて加熱することにより、成長室内の堆積物残渣を完全に除去することができる。たとえば、リン系材料の堆積物が存在する場合、リンの蒸気圧の温度依存性は、図2に示すとおり、温度が200℃以上から蒸気圧が急激に増加しており、通常の立上げ加熱温度である200℃の蒸気圧に比べ、270℃付近では6倍以上の蒸気圧になる。したがって、クリーニング時に成長室を300℃以上に加熱することにより、リン系材料の堆積物残渣を、実用上、完全に除去することができ、製造する基板の特性に影響を及ぼすことがない状態にまでクリーニングすることができる。
【0036】
また、当該堆積物残渣は、成長室を大気開放する場合に混入する水分、酸素と反応して、リン酸化物を形成する。しかし、たとえば五酸化リンの昇華点は360℃であるため、成長室を真空排気することにより内圧を下げるとともに、300℃以上に加熱することにより、成長室内に存在するリン系材料の残渣のほとんど全てを蒸発させ、真空ポンプで排気することにより、除去することができる。除去できなかった堆積物残渣は、クリーニング後は放出ガス源となり、基板製造時に不純物の要因となり得る点を考慮すると、真空排気後、300℃以上に加熱する本発明は、クリーニング方法として有用である。
【0037】
成長室を、他の構成要素と接続された状態のまま、成長室のみを300℃以上に昇温する方法も考えられる。しかし、そのような方法では、断熱性のあるパネルあるいはジャケットなどの囲いにより成長室を覆い、その内部をヒータ加熱あるいは熱風などの熱媒体を循環させることにより、成長室を昇温することになる。したがって、装置付近に存在する制御系などの耐熱性のない部品類が熱により支障をきたす可能性がある。
【0038】
また、成長室に接続されているゲートバルブも、シール面に耐熱性のないOリングなどを使用している場合、熱による変形、熱疲労、あるいは、弾力性の劣化などにより、内部リークの原因となる。他の構成要素への熱流失およびガスの流入を防止するために、ゲートバルブを閉じれば、成長室側とその反対側とでは、大きな温度差が生じるため、温度が高くなればなるほど熱変形などは悪化し、その後の使用が困難になる場合も生じる。また、図4からわかるように、成長室402には、基板搬送室403などの他の真空チャンバが接続されているので、完全に独立して、密封加熱することは困難であり、チャンバ間の接続部における接続部内部からの漏れだけでなく、接続部の外部と囲いとのすき間から抜ける熱によっても、他の機器に支障をきたす可能性がある。
【0039】
本発明の分子線エピタキシャル成長装置は、成長室と他の構成要素とを分断する手段と、成長室と他の構成要素とを隔離する手段とを有し、加熱前に、成長室を分断し、隔離する。したがって、成長室を接続したまま、成長室のみを加熱する方法が有する前述のような欠点がなく、熱変換効率がよいため、投入電力が少なく、ランニングコストが安い。さらに、装置の周辺が高温になることはなく、たとえば、周辺部に可燃性の構成部品があっても、火災などの事故の危険性はない。また、クリーニング中、成長室は成長装置全体に接続されていないので、クリーニングする必要のない他の構成要素は遊休状態とならず、基板の製造に供することもできる。
【0040】
本発明の分子線エピタキシャル成長装置は、成長室を備える。成長室は、分子線により、基板上に膜材料をエピタキシャル成長させ、基板製造に供する。また、分子線エピタキシャル成長装置には、成長室以外の他の構成要素を有する。成長室を含むそれぞれの室(チャンバ)および真空ポンプの間には、接続部が設けられる。接続部は、通常、ゲートバルブなどの仕切り機構を介して接続される構成となっている。なお、本装置の構成において、システムの幾何学的なレイアウトおよび構成に制限はない。また、各室が複数個ある場合も本発明に含まれる。
【0041】
本発明に用いられる成長室としては、製造する基板に応じて、好適な大きさおよび材質を選択することができ、特に限定はされない。一般的には、たとえば、ステンレス製で、容積が約400Lの成長室を用いることができる。また、超高真空に対応できるように成長室の壁面を表面処理してもよい。
【0042】
本発明の分子線エピタキシャル成長装置は、接続部において成長室を分断する手段を有する。成長室には接続部が設けられ、他の構成要素に接続されている。接続部には、ゲートバルブおよびベローズ付きフランジなどを設けることができる。その場合は、クリーニングに際して、ゲートバルブを閉じ、フランジ部で切り離して、成長室と分断することができる。
【0043】
接続部に、ベローズ付きフランジを設置することにより、フランジ切り離しを容易にすることができる。ベローズ付きフランジを設けることにより、重量物である成長室などを動かすことなく、接合フランジ部のみを切り離し、また、取り付けることが可能となる。さらに、真空チャンバを分断する際、あるいは再取り付けする際に、位置調整が容易となる。また、接合フランジのシール面を、接合しなければならないシール面以外の部品などに衝突させてシール面を傷つける、といった不慮の事故を防ぐこともできる。ベローズ付きフランジの設置は、本発明の実施形態の1つであって、位置調整用のガイドレールなどを架台に設ける方法、または、キャスタなどの車輪などを設置することによっても同様に、分断および隔離などの容易性が向上する。
【0044】
本発明の分子線エピタキシャル成長装置は、成長室と他の構成要素とを隔離する手段を有し、隔離後、成長室を加熱室に挿入する手段を有する。成長室および搬送室などの各チャンバと真空ポンプは、たとえば、各々キャスタ付きの架台上に設置することができる。そのような実施形態により、分断後、各々を独立して移動することが可能となり、成長室と他の構成要素との隔離、および成長室の加熱室への挿入が容易となる。
【0045】
本発明の架台は、300℃以上に加熱されることを考慮して、耐熱性キャスタを設置することが好ましい。また、キャスタには、基板製造時などに不用意に動かないよう、ロック機構が設けておくことが好ましい。なお、耐熱性キャスタ付き架台は、本発明の1の実施形態であって、このような態様に限定されるものではない。たとえば、非耐熱性のキャスタを用いることもでき、その場合には、加熱中は、キャスタを取り外せるようにしておく。
【0046】
本発明における分断手段、隔離手段および加熱室への挿入手段についての他の態様を図6に示す。図6は、成長室62と、成長室62に接続された真空ポンプ66とを、他のチャンバ63、64、65などから分断し隔離した状態を示す平面図である。成長室62と搬送室63との間の接続部62−63には、ゲートバルブ60bと、ゲートバルブ60bの搬送室側にベローズ付きフランジ61bと、成長室側にベローズ付きフランジ61cが設けられている。成長室62と真空ポンプ66との間の接続部62−66には、真空ポンプ側にゲートバルブ60aと、ゲートバルブ60aの成長室側にベローズ付きフランジ61aが設けられている。
【0047】
また、成長室62と真空ポンプ66は、共通架台63a上に載置されている。共通架台63aには、その下面に、図6中の両端矢印の方向に可動する車輪63bが6個備えられており、成長室62と搬送室63との間の接続部62−63を分断させた後、成長室62と真空ポンプ66とを左方へ移動することができる。その後、成長室62は、真空ポンプ66から分断して、加熱室67へ挿入される。共通架台63aには、ガイドレール63cが設けられており、ガイドレール63cの下面には、矢印方向の移動に備えて、車輪63dが4個設けられている。車輪63b、63dは、移動しないときは、ロックがかかるようになっている。
【0048】
ガイドレール63cの、架台からの突出部63c1は、加熱室67の直前まで延長されており、さらに、加熱室67に向かって下垂していて、その端は加熱室の床面とほぼ同一となっている。また、ガイドレール63cに沿ってスライドできるように、成長室62の下面には、位置調整、および移動をしないときに備えて、ストッパ付きのスライド部63eが設けられている。スライド部63eは、ガイドレール63cに設けられた軸受の並びに挟まれて、スムーズにスライドできるようになっている。このため、架台上に載った重量物である成長室62は、接続部62−63、62−66において、接続および分断を容易に行なうことができる。また、架台の高さによる高低差をクリアして、スムーズに加熱室へ挿入することができる。
【0049】
本発明における分断手段、隔離手段および加熱室への挿入手段についての別の態様を図7に示す。図7は、成長室72aに接続されていた真空ポンプ76と他のチャンバ73、74、75などから、成長室72aを分断し隔離した状態を示す平面図である。成長室72aと搬送室73との間の接続部72−73は、成長室72aの側面の上方に位置し、成長室72aと真空ポンプ76との間の接続部72−76は、上記の成長室の側面と同一の側面の下方に位置する。接続部72−73は、搬送室73側から順に、ゲートバルブ70b、ベローズ付きフランジ71bを有する直管状である。
【0050】
接続部72−76は、成長室側から順に、ベローズ付きフランジ71a、曲管部72a、ゲートバルブ70aを有している。両接続部のベローズ付きフランジ71aと71bは、同一方向で同一向きに配置されている。したがって、分断時と接続時においては、接続対象73、76に対する位置調整が1回で済み、作業時間の短縮が図れる。成長室72aは、架台73f上に載置されており、架台は、リニアレール73g上を、両端矢印の方向に移動することができるようになっている。成長室は、下面にロック機構付きのキャスタ73hを備える。成長室は、搬送室と真空ポンプから分断された後、架台を左方へ移動させることにより左方へ隔離し、加熱室77aまたは77bへ挿入される。
【0051】
架台の加熱室側の端から加熱室の手前までの移動エリア74は、面の高さが、架台の上面の高さと加熱室の内部床面の高さと同一になっており、重量物である成長室の移動がスムーズに行なえるようになっている。加熱室は77aと77bの2個備えられており、成長室も72aと72bの2個備えられている。成長室72aの接続端72a−73と72a−76は、成長室72bの接続端72b−73と72b−76と同一の形状を有している。
【0052】
そのため、これまで製造に供していた成長室72aを搬送室などから分断し、隔離して、一方の加熱室77aに挿入した後、もう一方の加熱室77bでクリーニングを終えて待機していた成長室72bを、搬送室などの方へ移動させて、その後、搬送室や真空ポンプと接続することができる。したがって、成長室を複数備え、成長室が互いに交換可能なものとすることにより、成長室72aをクリーニングしている間も、他の成長室72bを製造に供することができ、装置の稼動効率の向上を図ることができる。なお、同様の分子線エピタキシャル成長装置が複数稼動している場合には、クリーニングなどのメンテナンスが同時期になることがあるため、加熱室をさらに多くして、装置の稼動効率を一層高めることもできる。
【0053】
同様の分子線エピタキシャル成長装置が複数稼動している場合に、真空チャンバおよび排気用構成要素などの成長に供する構成要素群の数より少ない加熱室を備え、移動エリア74を広くとり、複数の成長室を移動エリアで待機させ、行き交わせるようにしてもよい。すなわち、移動エリア74を広くし、それまで加熱クリーニングしていた成長室、または加熱クリーニングを終え、待機させていた成長室を、移動エリアへ出して待機させ、つぎに加熱クリニーングする成長室を、移動エリアの通路部を通って加熱室へ入れ、その後、待機させていた成長室を搬送室の方へ運び込むことができる。
【0054】
たとえば、立上げ時間を含め、クリーニングから、つぎのクリーニングまでの1回の稼動時間が、1回の加熱クリーニング時間の10倍程度である場合には、同様の分子線エピタキシャル成長装置が複数台存在しても、メンテナンス時期のバッティングはない。しかしながら、突発的なトラブルなどにより、装置の加熱クリーニングの時期がバッティングする可能性もある。このような場合、加熱室を2個設けることにより、1個の加熱室は常時用、もう1個の加熱室は突発的にクリーニングなどのメンテナンス時期が変化したときの予備用として使用することができ、広い移動エリアを利用して、各系統のメンテナンス時期がバッティングしないような稼動計画を設定することができる。また、加熱室が成長室の搬入または搬出可能な温度まで冷却されれば、つぎの加熱クリーニングを開始できるので、熱エネルギの有効利用ができ、成長に供する構成要素群の稼働率の向上および加熱室の省資源化が可能となる。
【0055】
本発明における分断手段、隔離手段および加熱室への挿入手段についての別の態様を図8に示す。図8は、成長室82を、他の構成要素83から分断して加熱室に挿入する手順と、それに用いる部材の構成を示す模式図である。図8(a)は、成長室82と他の構成要素83との接続状態を示す図であり、図8(b)は、他の構成要素83から分断した成長室82を示す図である。また、図8(c)は、成長室82と、クリーニング時に使用する真空ポンプ88とを接続した状態を示す図であり、図8(d)は、加熱前に加熱室の扉部87cと本体部87gとを締結した状態を示す図である。図9は、加熱室の構造を示す断面図であり、図9(a)は、加熱室に成長室を設置したときの断面図であり、また、図9(b)は、加熱室の支持台97iの構造を示す断面図である。
【0056】
図8(a)に示すように、成長室82と他の構成要素83との間の接続部82−83は、成長室側から順に、ベローズ部82b1を備える長い直管部82b、耐熱性の高いゲートバルブ80a、ベローズ付きフランジ81a、ベローズ付きフランジ81b、ゲートバルブ80bが設けられている。また、ベローズ付きフランジ81aとベローズ付きフランジ81bとの間で、分断できるようになっている。分断の際には、分断前に成長室側のゲートバルブ80aと80bを閉じることにより、成長室と他の構成要素とを大気開放することなく分断できる。
【0057】
直管82bは、加熱室から分離できる扉部87cに形成されている孔を、貫通しており、ベローズ部82b1は、扉部87cと成長室82との間にある。直管82bが貫通する孔と、直管82bとの隙間は、完全に密封されており、基板製造時も貫通したままの状態である。扉部87cは、下面に断熱材入りの足部87dを備え、その下面に耐熱性キャスタ87eが設けられている。一方、成長室82は、下面に取り付け部82cを備え、この部分に、耐熱性のないキャスタ82eを有する脚部82dが取り付けられるようになっている。また、足部87dと脚部82dとは、取り外し可能な連結具87fにて連結されているので、分断後の移動において、両者を一緒にスムーズに移動することができる。分断後の状態を図8(b)に示す。
【0058】
所定箇所まで移動した後、図8(c)に示すように、成長室のベローズ付きフランジ81aに、クリーニング時に使用する真空ポンプ88が接続される。成長室と真空ポンプとの間の接続部82−88は、成長室側から順に、長い直管部82b、耐熱性の高いゲートバルブ80a、ベローズ付きフランジ81a、ベローズ付きフランジ81c、ゲートバルブ80cが設けられている。その後、連結具87fが取り外され、成長室82の取り付け部82cから脚部82dが取り外され、図8(d)に示すように、キャスタ足87hを持つ加熱室の本体部87gへ挿入される。挿入に当たっては、剛性の高い一対の支持台87iを用いるが、支持台87iは、加熱室内部からスライドして突出させた状態で、成長室などの重量物を載せることができるようになっている。
【0059】
成長室を加熱室へ挿入した後、扉部87cと本体部87gとを接合する。接合は、扉側のフランジ部87cpと、本体側のフランジ部87gpとを、耐熱性のガスケット87jを介して、ボルト87kにより締結する。その後、ゲートバルブ80aと80cを開けて、真空ポンプ88により、成長室内部を真空引きし、加熱室内部を加熱する。このようにして、成長室を一度も大気開放することなく、加熱によるクリーニングが可能である。なお、成長室に複数の接続部があれば、クリーニング時の真空引きに供しない部分は、ブランクフランジを取り付ける。また、真空ポンプ(図示していない。)により、加熱室の内部であってかつ成長室の外部である空間も、真空引きすることができる。
【0060】
成長室を加熱室に挿入する方法を、図9により説明する。図9(a)に示すように、支持台97iは、加熱室の底部の板状の下支部97mと、加熱室内壁から突出する三角柱状の上支部97nとに挟まれて、スライドするようになっている。一対の支持台97iと、脚部92dと、取り付け部92cとの位置関係は、脚部92dと両側の支持台97iとがぶつからないようになっているので、脚部が付いた状態で、成長室の取り付け部92cの両側部を一対の支持台に載せることができる。また、図9(b)に示すように、支持台を突出させた状態で、支持台の先端部97i1はジャッキ97qで支えるので、重量物の成長室が載置されても、加熱室の上支部と下支部に過度の負荷がかかることはない。フックなどを引っ掛ける部分を、先端部97i1に設けて、フックに取り付けられたワイヤを牽引することにより、支えてもよい。
【0061】
脚部92dの取り外しに当たっては、図9(b)に示すように、支持台の形状は、加熱室の入口側の先端部97i1から、奥に向かって高くなる傾斜部97i2、奥に向かって低くなる傾斜部97i3、平坦部97i4となっており、また、先端部の上面の高さXよりも、平坦部の上面の高さYと平坦部の下面の高さZの方が、高くなってこのため、成長室を平坦部まで移動させた状態では、取り付け部に取り付けられた脚部は床から少し浮く。したがって、脚部を取り外した後、平坦部の下面をくぐらせて、次の作業の支障とならない場所へ移動させることができる。
【0062】
なお、成長室は元の高さよりもやや高くなるが、加熱室の扉部と成長室との間にあるベローズ部の柔軟性のために、貫通部などに過大な負荷がかかることはない。つぎに、加熱室の本体部を、加熱室の扉部の方へ移動させるとともに、支持台は加熱室の奥へ押し込まれ、その際にジャッキも取り外される。その後、ボルト孔97oを使って、加熱室の本体部と扉部とが締結される。
【0063】
本発明の分子線エピタキシャル成長装置において使用する加熱室は、成長室内を真空排気する排気手段を有する。加熱室は、排気手段のほか、300℃以上に昇温する手段および300℃以上に保温する手段を有し、熱エネルギにより成長室の内部に付着した堆積物を蒸発させながら、成長室の内部を真空排気することにより、不純物を成長室外へ排出し、成長室内をクリーニングすることができる。真空排気は、典型的には、真空ポンプにより達成することができる。
【0064】
真空度は、成長室内の堆積物の量および加熱室の温度などにより調整する必要はあるが、一般的には、10−4Pa以下の真空度が好ましく、10−5Pa以下がより好ましい。また、真空排気の時間も、成長室内の堆積物の量および加熱室の温度などにより異なるが、製造する基板の特性に影響を及ぼすことがなく、実用上、完全に不純物を除去する上で、一般的には、24時間以上の真空排気が好ましく、36時間以上がより好ましい。
【0065】
本発明の分子線エピタキシャル成長装置において使用する加熱室は、成長室の全体を均一に300℃以上に昇温する昇温手段を有し、さらに、成長室を300℃以上に保温する保温手段を有する。成長室内を真空排気するのみでは、効率よくクリーニングすることはできないが、成長室内を真空排気しながら、300℃以上に加熱することにより、成長室内の堆積物を熱エネルギで蒸発させて、短時間で効率よくクリーニングすることができるようになる。
【0066】
本発明においては、300℃以上に昇温し、300℃以上に保温する必要があるが、リン酸化物なども効率よく除去できる点で、加熱温度は、通常、330℃以上が好ましく、360℃以上がより好ましい。また、300℃以上に保温する時間は、実用上、完全に不純物を除去する点で、24時間以上が好ましく、36時間以上がより好ましい。
【0067】
加熱室は、たとえば、断熱材入りで、強度的に頑強な壁面で囲われ、扉部を有するものを好ましく使用することができる。このような加熱室内に、成長室を扉を開けて挿入し、設置し、再び扉を閉めて、加熱することにより、加熱室内部の断熱性を高めることができる。このような加熱室としては、本体部と扉部とに分かれた構造を有するものが好適である。本体部は複数の壁面を有しているが、組み立て式ではなく、各面の継ぎ目は、極めて高い耐熱性を有する溶接などにより完全に封じられており、300℃を超える温度に曝されても、継ぎ目から熱漏れが発生することがないものが好ましい。
【0068】
また、本体部が、削り出しにより、または一体成型により製作され、継ぎ目がない加熱室が、熱漏れが少ない点で、好ましい。熱漏れ対策を施すべき継ぎ目は、可動部である扉部と本体部との継ぎ目であるが、300℃以上での耐熱性と密封性とを有するガスケットを配設することにより、継ぎ目の密封性を高めることができる。
【0069】
加熱室の扉部には、接続部が貫通して取り付けられているものが好ましい。このような態様を採用することにより、加熱室内の成長室と、加熱室外に設置されている真空ポンプとを、接続部を介して接続することができる。したがって、接続部を通して、成長室内を真空ポンプにより排気しながら、加熱室内で成長室全体を昇温、保温することができる。この場合、貫通部分において熱漏れを起こさないよう、300℃以上の耐熱性を持つ封止材などにより隙間を密封することが好ましい。
【0070】
加熱室内においては、成長室の全体を均一に300℃以上に昇温する必要がある。成長室に300℃未満の低温部が存在すると、300℃以上の高温部で蒸発した堆積物が、低温部に再付着し、完全な堆積物の除去ができなくなる可能性があるためである。加熱室内で、成長室全体の温度を均一にするには、たとえば、加熱室内に設置されたヒータなどから発生した熱を、ファンなどにより熱風循環させ、加熱室内に万遍なく熱が行き渡るようにする。ただし、これは、加熱手段の一形態であって、特に本手段に限定されるものではない。なお、加熱室内を加熱する際、加熱室内の雰囲気を窒素置換する態様は、成長室の外部表面の酸化を防止する効果が得られる点で好ましい。
【0071】
(分子線エピタキシャル成長装置のクリーニング方法)
本発明の分子線エピタキシャル成長装置のクリーニング方法は、成長室と他の構成要素とを接続部において分断する工程と、成長室と他の構成要素とを隔離する工程と、成長室の全体を均一に300℃以上に昇温する工程と、成長室を300℃以上にて保温する工程とを含み、成長室の内部を真空排気しながら、昇温および保温の各工程のうち少なくとも1の工程を実施し、熱エネルギーにより成長室の内部に付着した堆積物を蒸発させ、成長室外へ排出することを特徴とする。
【0072】
本発明のクリーニング方法によれば、成長室のみを密封性の高い加熱室において加熱することにより、300℃以上の高温処理が可能となる。また、300℃以上の高温処理により、成長室内に付着した堆積物を効果的に蒸発させ、これを真空排気することにより、短時間で効率よく不純物を成長室外へ排出することができる。したがって、従来のように、クリーニング後、成長室内に堆積物残渣が存在しないため、成長装置の立上げを迅速に行なうことができる。また、成長室内の超高真空状態の維持も容易にできることから、従来よりも高品質の基板を製造することができるようになる。
【0073】
(基板)
本発明の基板は、上述のクリーニング方法を実施した分子線エピタキシャル成長装置により製造されたことを特徴とする。上述のクリーニング方法を実施することにより、分子線エピタキシャル成長装置の成長室内では、実用上、堆積物が完全に除去されている。したがって、上記分子線エピタキシャル成長装置によって製造された本発明の基板は、従来の基板と異なり、高純度の基板であり、半導体レーザ、半導体発光ダイオードおよび太陽電池などに好適に用いることができる。
【0074】
さらに、従来は、クリーニング後の立上げ時に、クリーニング不足に起因する不純物濃度が高い基板、あるいは欠陥密度の高い不良基板が製造されることがあり、歩留に悪影響を及ぼしていた。これに対し、本発明の基板は、成長室内に存在する堆積物を完全に除去した後のエピタキシャル成長装置により製造されるため、歩留りが低下することはない。
【0075】
(基板の製造方法)
本発明の基板の製造方法は、上述のクリーニング方法を実施した分子線エピタキシャル成長装置を用いて製造され、成長室内に基板を設置する工程と、成長室内で膜材料を成長させる工程とを含むことを特徴とする。したがって、本発明の方法により、不純物濃度の低い基板を製造することができる。成長室内に設置する基板としては、たとえば、Ga・As基板、Si基板、サファイア基板またはGa・N基板などが好適であり、膜材料としては、たとえば、As、P、InまたはGaなどを含む材料が好ましい。
【0076】
【実施例】
本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0077】
実施例1
図1に、実施例で用いた分子線エピタキシャル成長装置の構成、および本発明のクリーニング方法を示す。図1(a)に示す分子線エピタキシャル成長装置1は、成長室2、基板準備室4、基板搬送室3および前処理室5が、ゲートバルブ10を介して接続されている。成長室2には、真空排気に必要な真空ポンプ6のほかに、基板製造に必要な分子線セル、セルシャッタ、マニピュレータおよび計測器などの付属品が取り付けられているが、ここでは図示していない。その他の真空チャンバについても、付属品は図示していない。本実施例では、成長室2には、ベローズ付きフランジ11を設置している。また、成長室2には、隔離および挿入などのために、独立架台13−2が設置されており、隔離および挿入時の容易性を向上させることができるよう、上記架台には耐熱性キャスタを設置している。また、真空ポンプ6には独立架台13−6を設置している。
【0078】
まず、図1(b)に示すように、成長室2を、成長室2以外の他の構成要素から分断した。つぎに、別途用意された加熱室7へ成長室2を移動し、図1(c)に示すように、当該加熱室7内に成長室2を挿入した。つづいて、当該加熱室7内に設置された成長室2を、加熱室7の外に設置された真空ポンプ8と、ゲートバルブ10を有する真空配管を介して接続した。その後、成長室2内を真空ポンプ8により真空排気しながら、加熱室7内にて成長室2を加熱し、300℃以上に昇温し、300℃以上で保温することにより、クリーニング方法を実施した。つぎに、本実施例のクリーニング方法について詳細に説明する。
【0079】
リン化インジウム系の化合物半導体を成長させた後の分子線エピタキシャル成長装置1について、まず、作業員による堆積物のあらかたの削り出しを行ない、成長室2内をある程度クリーニングした。つぎに、図1(b)に示すように、成長室2を、基板搬送室3および真空ポンプ6から分断した。なお、作業員による堆積物の削り出しは、成長室2の分断後に行なってもよい。また、堆積物が少量である場合、あるいは、本発明によるクリーニングが長時間に亘ってもよい場合には、作業員による堆積物の削り出しは行なわなくてもよい。
【0080】
その後、図1(c)に示すように、成長室2を加熱室7内に挿入し、設置した。つぎに、加熱に先立ち、成長室2に取り付けている真空計、RHEEDなどの耐熱性のない付属物を全て取り外した。これらの付属物は、全て取り外し容易性を備えている。その後、真空排気をするために、加熱室7の外に設置された真空ポンプ8を、真空配管を介して成長室2に接続した。さらに、フランジ、付属物を取り外したフランジおよびその他開放したフランジ全てにブランクフランジを取り付けた後、成長室2内の真空排気を開始した。また、加熱室7内を窒素ガスにより置換した。
【0081】
成長室2内の真空度が10−4Paに到達した時点で、加熱室7内に熱風を循環させ、当該加熱室7内に設置した成長室2の加熱を開始した。約8時間をかけて成長室2の表面温度を均一に360℃まで昇温し、その後、360℃で、24時間保温した。その間、成長室2の内部を真空ポンプ8により真空排気した。360℃での保温状態を24時間維持した後、真空度を計測すると、10−5Paであった。真空度を計測した後、熱風温度を下げ、真空排気を維持したまま、成長室2を自然冷却により室温まで降温させた。
【0082】
成長室2が室温にまで降温した後、成長室2内の真空排気を停止し、加熱室7内を大気置換した。これにより、本発明の成長室2のクリーニングは終了した。その後、成長室2を、再び上記分子線エピタキシャル成長装置1に接続し、装置立上げを行なった。
【0083】
クリーニングの終了後、分子線エピタキシャル成長装置の立上げ時に行なわれる成長室の加熱に際して、成長室内で放出するガス特性を四重極質量分析計にて測定した。その結果を図3(a)に示す。四重極質量分析計は、存在するガスをイオン化し、電流値として出力するので、縦軸のイオン電流強度は、そのガス種の分圧に相当する。また、横軸は、質量対電価(M/e)と呼ばれる量で、マスナンバーとも呼ばれ、イオン化されたガス種の持つ質量数に相当する。したがって、図3(a)は、質量数1から50に対応するガス種の存在割合を示している。主に検出されるガスを、表1に示す。
【0084】
【表1】
【0085】
比較例1
従来の分子線エピタキシャル成長装置を用いて、実施例1と同様に、リン化インジウム系の化合物半導体を成長させた後、成長室を大気開放し、手作業による削り出しによって成長室の内部に付着した堆積物を除去した。クリーニングの終了後、分子線エピタキシャル成長装置の立上げ時に行なわれる成長室の加熱に際して、成長室内に放出されるガス特性を、実施例1と同様に、四重極質量分析計にて測定した。その結果を図3(b)に示す。
【0086】
図3(a)と図3(b)の結果を比較すると、両者ともにM/e=2、16、17、18、28、および44などにおけるイオン電流強度が同程度に高かった。これは、分子線エピタキシャル成長装置の立上げ時に、成長室が200℃に加熱され、成長室の壁面が熱せられて放出される水素、ハイドロカーボン系ガス、水分および酸化炭素系ガスによるものである。これらは、装置立上げの大気開放時に混入した大気成分および汚染物質が壁面に付着したもの、あるいはチャンバ材質の吸蔵ガスを検出しているものであり、クリーニング方法に依存しないものである。これらは、加熱を行なうことにより除去され、成長室外へ排出される。
【0087】
一方、リン系材料の堆積物からの放出ガスと考えられるM/e=31のP+、およびM/e=34のPH3 +について比較すると、実施例1(図3(a))では両イオンとも10−12A台の低レベルであった。これに対し、比較例1(図3(b))では、M/e=31が2×10−10A、またM/e=34が4.5×10−11Aのイオン電流が検出され、実施例1の場合と比較して、1〜2桁高い値を示した。
【0088】
したがって、従来のクリーニング方法では、成長室内にリン系材料の堆積物が残留しており、このような堆積物は、装置立上げ時の加熱温度が通常200℃程度と低いため、立上げ時の加熱によっては完全に除去することはできない。したがって装置立上げ後、基板を製造する際、上記残留堆積物からの放出ガスにより基板の品質が劣化する可能性のあることがわかった。
【0089】
比較例1に対して、実施例1では、成長室内の堆積物が、実用上、完全に除去されており、このような成長室内にて基板を製造することにより、堆積物からの放出ガスが不純物として混入することが極めて少ないことがわかった。したがって、実施例1のクリーニング方法を用いた場合には、比較例のクリーニング方法を用いた場合よりも高品質の基板の得られることがわかった。
【0090】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、成長室内に存在する堆積物残渣を、実用上、完全に除去することができる分子線エピタキシャル成長装置、および、そのクリーニング方法を提供することができる。また、不純物濃度が低く、欠陥の少ない高品質の基板、および、その製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分子線エピタキシャル成長装置の構造と、そのクリーニング方法を示す模式図である。
【図2】リン材料の蒸気圧の温度依存性を示す図である。
【図3】実施例1および比較例1における、クリーニング後の成長室内のガス分析結果を示す図である。
【図4】従来の分子線エピタキシャル成長装置の構造を示す模式図である。
【図5】従来の分子線エピタキシャル成長装置における成長室の構造を示す模式図である。
【図6】本発明における分断手段、隔離手段および加熱室への挿入手段についての他の態様を示す図である。
【図7】本発明における分断手段、隔離手段および加熱室への挿入手段についての別の態様を示す図である。
【図8】本発明における分断手段、隔離手段および加熱室への挿入手段についての別の態様を示す図である。
【図9】本発明の分子線エピタキシャル成長装置に使用する加熱室の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 分子線エピタキシャル成長装置、2 成長室、7 加熱室、8 真空ポンプ、12 接続部。
Claims (6)
- 分子線により基板上に膜成長を行なう成長室を、接続部を介して備える分子線エピタキシャル成長装置のクリーニング方法であって、
分子線エピタキシャル成長装置の構成要素のうち、前記成長室以外の構成要素であって、前記成長室に接続部を介して結合する構成要素と、前記成長室とを接続部において分断する分断工程と、
成長室以外の前記構成要素と、前記成長室とを隔離する隔離工程と、
前記成長室の全体を均一に300℃以上に昇温する昇温工程と、
前記成長室を300℃以上にて保温する保温工程と
を含み、
前記成長室の内部を真空排気しながら、昇温および保温の前記工程のうち少なくとも1の工程を実施し、熱エネルギーにより前記成長室の内部に付着した堆積物を除去し、前記成長室外へ排出することを特徴とする分子線エピタキシャル成長装置のクリーニング方法。 - 分子線により基板上に膜成長を行なう成長室を、接続部を介して備える、請求項1に記載のクリーニング方法を実施する分子線エピタキシャル成長装置であって、
分子線エピタキシャル成長装置の構成要素のうち、前記成長室以外の構成要素であって、前記成長室に接続部を介して結合する構成要素と、前記成長室とを接続部において分断する分断手段と、
成長室以外の前記構成要素と、前記成長室とを隔離する隔離手段と、
前記成長室を加熱室へ挿入する挿入手段と
を有し、
前記加熱室は、
前記成長室内を真空排気する排気手段と、
前記成長室の全体を均一に300℃以上に昇温する昇温手段と、
前記成長室を300℃以上に保温する保温手段と
を有することを特徴とする分子線エピタキシャル成長装置。 - 前記成長室を複数備え、前記成長室が互いに交換可能であることを特徴とする請求項2に記載の分子線エピタキシャル成長装置。
- 前記加熱室の扉部には、前記接続部が貫通して取り付けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の分子線エピタキシャル成長装置。
- 請求項1に記載のクリーニング方法を実施した分子線エピタキシャル成長装置により、または、請求項2〜4のいずれかに記載の分子線エピタキシャル成長装置であって、成長室をクリーニングした後の装置により、製造されたことを特徴とする基板。
- 請求項1に記載のクリーニング方法を実施した分子線エピタキシャル成長装置を用いて製造され、または、請求項2〜4のいずれかに記載の分子線エピタキシャル成長装置であって、成長室をクリーニングした後の装置を用いて製造され、
前記成長室内に基板を設置する工程と、
前記成長室内で膜材料を成長させる工程と
を含むことを特徴とする基板の製造方法。
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JP2010254495A (ja) * | 2009-04-22 | 2010-11-11 | Ihi Corp | 基板製造装置 |
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JP3958698B2 (ja) | 2007-08-15 |
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