JP2004256573A - 紫外線吸収材 - Google Patents
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Abstract
【目的】従来の紫外線吸収剤を使用することなく優れた紫外線吸収能を有し、且つ繊維状、フィルム状、粒子状等種々の形態をとり得る紫外線吸収材及びかかる紫外線吸収材を含む紫外線吸収製品を提供する。
【構成】ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入してなる架橋高分子を有効成分とする紫外線吸収材。
【効果】ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入してなる架橋高分子を有効成分とすることで、様々な形態の紫外線吸収材を得ることができ、紫外線吸収剤を必要としない紫外線吸収材や、各種の材料に添加することのできる紫外線吸収材、さらに該吸収材を含む紫外線吸収製品を得ることもできる。
【選択図】 なし
【構成】ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入してなる架橋高分子を有効成分とする紫外線吸収材。
【効果】ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入してなる架橋高分子を有効成分とすることで、様々な形態の紫外線吸収材を得ることができ、紫外線吸収剤を必要としない紫外線吸収材や、各種の材料に添加することのできる紫外線吸収材、さらに該吸収材を含む紫外線吸収製品を得ることもできる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は紫外線吸収材に関する。さらに詳しくは、ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入してなる架橋高分子を有効成分とすることを特徴とする紫外線吸収材、及びかかる紫外線吸収材を含む紫外線吸収製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
地球を取り巻くオゾン層の現象が大きな問題として取り上げられ、オゾン層の破壊による紫外線量の増大や、紫外線が及ぼす人間への有害性が注目されている。従来から太陽光線から身を守るために、紫外線を吸収する各種衣料品、また、生活用品、工業製品などを守るために各種のカーテンや、テント、シート材料などが提案されている。
【0003】
紫外線の遮蔽効果を高める方法として、極細繊維を用いて高密度の織編物とする方法が提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、この方法では繊維製品の通気度が悪くなるという欠点を有している。また、紫外線吸収剤を、繊維、ビーズ、エマルジョン、フィルムなどに含有させ、紫外線の遮蔽効果を高める方法も提案されている(例えば、特許文献2)。しかしながら、紫外線吸収剤は、繊維等の原料である重合体と親和性が高いことが必要であったり、成型加工に必要な熱により分解・揮発・昇華するものは使用することはできず、洗濯や雨水で流出したり、使用中に接触物に移行したりするものは使用できないなどの制限が多い。特に、パラアミノ安息香酸系、ベンゾフェノン誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体などの紫外線吸収剤が含まれる製品が人体に触れる時に、それらの紫外線吸収剤が表皮に移行し、接触性皮膚炎、光接触性皮膚炎などを起こすと言われており危険性が指摘されている。
【0004】
一方、ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入してなる繊維や微粒子についても提案されている(例えば、特許文献3〜5)。これらの繊維や微粒子は、吸放湿やそれに伴う発熱特性、あるいは消臭、抗菌、耐熱といった機能に主眼を置いてなされたもので、本発明が意図するような紫外線吸収といった機能は全く認識されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−146840号公報
【特許文献2】
特開平5−148734号公報
【特許文献3】
特開平9−52913号公報
【特許文献4】
特開平5−132858号公報
【特許文献5】
特開平9−228240号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、従来の紫外線吸収剤を使用することなく優れた紫外線吸収能を有し、且つ繊維状、フィルム状、粒子状等種々の形態をとり得る紫外線吸収材及びかかる紫外線吸収材を含む紫外線吸収製品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の目的を達成するために優れた紫外線吸収材に関し、鋭意研究を行った結果、ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入することによって得られる架橋高分子が優れた紫外線吸収能を有することを意外にも見出し、これまでにない新規な紫外線吸収材を発明するに至った。
【0008】
即ち本発明は、ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入してなる架橋高分子を有効成分とすることを特徴とする紫外線吸収材により達成される。また、その形態が、粒子状、フィルム状、繊維状であることにより好適に達成される。さらに、本発明の紫外線吸収材を含む紫外線吸収製品により好適に達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳述する。
本発明の紫外線吸収材は、ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による処理を施した架橋高分子を有効成分とするが、その出発ポリマーとしてはニトリル基を有する限りにおいては特に限定はなく、ニトリル基を有するビニルモノマー単独重合体であっても、該モノマーと共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。本発明の紫外線吸収材の紫外線吸収能は、ニトリル基とヒドラジン系化合物との反応により形成される架橋構造に由来すると考えられる。そのため、より多い架橋を導入できるよう、ニトリル基を有するモノマーの含有量は多い方が好ましい。従ってニトリル基を有するモノマーは50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは70重量%以上である。ニトリル基を有するモノマーとしては、ニトリル基を有する限りにおいては特に限定はなく、具体的には、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等が挙げられる。なかでも、コスト的に有利であり、また、単位重量あたりのニトリル基量が多いアクリロニトリルが好ましい。
【0010】
ニトリル基を有するビニルモノマーと共重合可能なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル化合物、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等、スルホン酸基含有単量体、例えばメタリルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸及びそれらの塩等、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸などをあげることが出来る。
【0011】
本発明の紫外線吸収材の形態としては、特に限定はなく、ブロック状、粒子状、繊維状、フィルム状等実用に供される用途に応じて適宜選択できる。なかでも、粒子状、繊維状、フィルム状である場合、後述するヒドラジン系化合物との反応が容易に行えるため、工業的に有利である。また、本発明の該紫外線吸収材は、ニトリル基を有するポリマーを、上述した繊維状、フィルム状などの任意の形態にした後に、ヒドラジン系化合物により架橋を導入することができるので、形態に関係なく架橋高分子を有効成分とすることができる。そのため、紫外線吸収剤としても使用できる粒子状のものや、紫外線吸収剤を加えることなく繊維状、フィルム状等の紫外線吸収材も容易に得ることができる。前者の粒子状の場合、架橋構造が施されているため、成型加工に必要な熱により、分解・揮発・昇華することがない。後者の繊維状、フィルム状の場合、紫外線吸収剤を加える必要がないため紫外線吸収剤のポリマーとの親和性、成型加工時の耐熱性、洗濯や雨水での流出、使用中に接触物に移行することなどを考慮することなく紫外線吸収能を付与することができる。
【0012】
ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入する方法としては、ヒドラジン系化合物濃度3〜80重量%の水溶液、温度50〜140℃で1〜15時間処理する手段が工業的に好ましい。かかるヒドラジン系化合物による架橋導入処理により窒素含有率(重量%)の増加が起こる。窒素含有率(重量%)の増加とはニトリル基を有するポリマーの窒素含有率(重量%)とヒドラジン系化合物による架橋が導入された架橋高分子の窒素含有率(重量%)との差をいう。
紫外線吸収能は、ヒドラジン系化合物処理による窒素含有率の増加が大きくなるほど高くなる傾向にあるため、窒素含有率の増加をコントロールすることによって、必要とされる紫外線吸収能を付与することが出来る。希望の窒素含有率の増加を得る為の反応条件は、反応の温度、濃度、時間等の反応因子と窒素含有率の増加の関係を実験で明らかにすることにより、容易に決定出来る。ここに使用するヒドラジン系化合物としては、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジン、臭素酸ヒドラジン等、この他ヒドラジンをエチレンジアミン、硫酸グアニジン、塩酸グアニジン、リン酸グアニジン、メラミン等のアミノ基を含有する化合物が例示される。
【0013】
紫外線吸収能を阻害しない限り、架橋導入処理以外の処理を施して、あるいは制電剤、抗菌剤等の添加剤を加えて、紫外線吸収能以外の機能を付与しても構わない。例えば、ヒドラジンによる架橋導入処理工程を経た紫外線吸収材を、続いてアルカリ性金属塩水溶液(アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩等)により加水分解するとニトリル基を有するポリマーへのヒドラジン系化合物による架橋導入処理に関与せずに残留しているニトリル基の加水分解が進められる。ニトリル基は加水分解によりカルボキシル基を形成し、使用している薬剤がアルカリ性金属塩であるので、金属塩型カルボキシル基を生成する。その結果、紫外線吸収能に加えて吸放湿能を付与することができる。
【0014】
本発明の紫外線吸収材を含む紫外線吸収製品としては、該紫外線吸収材を少なくともその一部に含んでいる限り特に限定されるものではない。例えばフィルム状であれば、そのままでも紫外線吸収フィルムとして使用でき、繊維状であれば、織編物、不織布等に加工し紫外線吸収繊維製品として使用できる。又、粒子状であれば、紫外線吸収剤として各種の材料に添加して用いることもできる。即ち、本発明の紫外線吸収材及び紫外線吸収製品は、シャツ、スーツ、セーター、スポーツ衣料、下着、作業服等の衣類、帽子、日傘、手袋、ストッキング等の服飾小物、カーテン、レース、障子紙、ブラインド用スラット、暗幕等のインテリア用品、テント地、スクリーン、自動車カバー、帆布、工事用シート、農芸用シート、各種機械保護カバー等の資材、包装フィルム、蛍光灯カバーフィルム等のフィルム、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の塗料や、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂等のプラスチック製品など様々な用途に使用できるものである。
【0015】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明する。本発明は、これらの実施例の記載によってその範囲を何等限定されるものではない。実施例中の部及び百分率は、断りのない限り重量基準で示す。なお、紫外線透過率、吸湿率は、以下の方法により求めた。
【0016】
(1)紫外線透過率(%T):フィルム状の紫外線吸収材は、フィルム(厚さ 約40μm)を、紫外・可視光分光光度計(日立製作所社製U−2001)を用いて、波長280〜320nm(紫外線B波)、波長320〜400nm(紫外線A波)の紫外線の平均透過率を測定した。なお、ここで規定した平均透過率とは、所定の波長範囲にわたって各波長での光の透過する割合を計測し、その波長範囲での透過率の平均値を算出して求めたものである。紫外線透過率が低いほど紫外線吸収能に優れている。
繊維状の紫外線吸収材は、島津製作所製UV−3101PC及びその付属装置として積分級付属装置ISR−3100(積分球内径60mm)を用いた。編地(6cm×3cm)を装置にセットし、波長280〜320nm(紫外線B波)、波長320〜400nm(紫外線A波)の紫外線の透過率を測定し、その透過率曲線のチャートから面積比で透過率を算出した。
【0017】
(2)吸湿率(%):試料紫外線吸収材約5.0gを熱風乾燥機で105℃、16時間乾燥して重量を測定する(W1g)。次に試料を温度20℃で65%RHの恒温恒湿器に24時間入れておく。このようにして吸湿した試料の重量を測定する(W2g)。以上の測定結果から、次式によって算出した。
吸湿率(%)={(W2−W1)/W1}×100
【0018】
(実施例1)アクリロニトリル/アクリル酸メチル=90/10(重量比)からなるポリマー(30℃ジメチルホルムアミド中での極限粘度:1.2)を48重量%のロダンソーダ水溶液に溶解し、ポリマー濃度12重量%のポリマー溶液(以下、ドープという)を得た。ガラス板にドープを塗布し、−3℃、10重量%のロダンソーダ水溶液につけ、その後水洗し、厚さ40μmのフィルムを作製した。このフィルムに、水加ヒドラジンの20重量%水溶液中で98℃×5時間架橋導入処理を行い、実施例1のヒドラジン系化合物による架橋を導入してなる架橋高分子を有効成分とする紫外線吸収材を得た。該紫外線吸収材の窒素増加率、紫外線の透過率、吸湿率を以下に示す。窒素増加率は、7.0重量%で、紫外線の透過率は、波長320〜400nmの紫外線A波で、37.2%T、波長280〜320nmの紫外線B波で、0.7%Tであった。また、吸湿率は、12%であった。
【0019】
(実施例2)水加ヒドラジンで架橋を導入する時間を98℃×2.5時間とする以外は実施例1と同様にして実施例2の紫外線吸収材を得た。該紫外線吸収材の窒素増加率は、4.3重量%で、紫外線の透過率は、波長320〜400nmの紫外線A波で、47.5%T、波長280〜320nmの紫外線B波で、12.3%Tであった。
【0020】
(実施例3)実施例1の紫外線吸収材を、8重量%水酸化ナトリウム水溶液中、90℃×2時間で加水分解処理を行う以外は実施例1と同様にして実施例3の紫外線吸収材を得た。該紫外線吸収材の窒素増加率は、4.3重量%で、紫外線の透過率は、波長320〜400nmの紫外線A波で、32.2%T、波長280〜320nmの紫外線B波で、0.5%Tであった。また、吸湿率は、36%であった。
【0021】
(比較例1)架橋導入処理を行わない以外は実施例1と同様にして比較例1のフィルム を得た。該フィルムの紫外線の透過率は、波長320〜400nmの紫外線A波で、78.9%T、波長280〜320nmの紫外線B波で、56.0%Tであった。
【0022】
(実施例4)実施例1のドープを、−3℃、10重量%ロダンソーダ水溶液中に押し出し、水洗、延伸、熱処理を行い、ニトリル基を有する繊維を作製した。次いで、該繊維を水加ヒドラジンの20重量%水溶液中で98℃×5時間架橋導入処理を行い、実施例4のヒドラジンによる架橋を導入してなる架橋高分子を有効成分とする繊維状の紫外線吸収材を得た。次いで、該紫外線吸収材を常法に従って紡績して1/52番手の紡績糸試料を作製した。該紡績糸を14ゲージ2プライでゴム編みして、目付が約318g/m2の紫外線吸収編物試料を作製した。該紫外線吸収編物試料の窒素増加率は、7.0重量%で、紫外線の透過率は、波長320〜400nmの紫外線A波で、5.5%T、波長280〜320nmの紫外線B波で、0.8%Tであった。
【0023】
(比較例2) 架橋導入処理を行わない以外は実施例4と同様にして比較例2の編物を得た。該紫外線吸収材の紫外線の透過率は、波長320〜400nmの紫外線A波で、16.8T%、波長280〜320nmの紫外線B波で、6.0%Tであった。
【0024】
上記結果から明らかなように、ヒドラジン系化合物による架橋を導入したフィルム状の実施例1、2の紫外線吸収材は、ヒドラジン系化合物による架橋の導入されていない比較例1のフィルムに比べ、優れた紫外線吸収能を有している。又、架橋の導入に加え、加水分解を施した実施例3は、紫外線吸収能に加え吸湿能も有している。繊維状の紫外線吸収材からなる実施例4の紫外線吸収編物は、架橋導入処理を行っていない繊維からなる比較例2の編物に比べ優れた紫外線吸収能を有している。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の紫外線吸収材は、ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入してなる架橋高分子を有効成分とするため、様々な形態の紫外線吸収材を得ることができ、紫外線吸収剤を必要としない紫外線吸収材や、各種の材料に添加することのできる紫外線吸収材、さらに該吸収材を含む紫外線吸収製品を得ることもできる。
【発明の属する技術分野】
本発明は紫外線吸収材に関する。さらに詳しくは、ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入してなる架橋高分子を有効成分とすることを特徴とする紫外線吸収材、及びかかる紫外線吸収材を含む紫外線吸収製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
地球を取り巻くオゾン層の現象が大きな問題として取り上げられ、オゾン層の破壊による紫外線量の増大や、紫外線が及ぼす人間への有害性が注目されている。従来から太陽光線から身を守るために、紫外線を吸収する各種衣料品、また、生活用品、工業製品などを守るために各種のカーテンや、テント、シート材料などが提案されている。
【0003】
紫外線の遮蔽効果を高める方法として、極細繊維を用いて高密度の織編物とする方法が提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、この方法では繊維製品の通気度が悪くなるという欠点を有している。また、紫外線吸収剤を、繊維、ビーズ、エマルジョン、フィルムなどに含有させ、紫外線の遮蔽効果を高める方法も提案されている(例えば、特許文献2)。しかしながら、紫外線吸収剤は、繊維等の原料である重合体と親和性が高いことが必要であったり、成型加工に必要な熱により分解・揮発・昇華するものは使用することはできず、洗濯や雨水で流出したり、使用中に接触物に移行したりするものは使用できないなどの制限が多い。特に、パラアミノ安息香酸系、ベンゾフェノン誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体などの紫外線吸収剤が含まれる製品が人体に触れる時に、それらの紫外線吸収剤が表皮に移行し、接触性皮膚炎、光接触性皮膚炎などを起こすと言われており危険性が指摘されている。
【0004】
一方、ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入してなる繊維や微粒子についても提案されている(例えば、特許文献3〜5)。これらの繊維や微粒子は、吸放湿やそれに伴う発熱特性、あるいは消臭、抗菌、耐熱といった機能に主眼を置いてなされたもので、本発明が意図するような紫外線吸収といった機能は全く認識されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−146840号公報
【特許文献2】
特開平5−148734号公報
【特許文献3】
特開平9−52913号公報
【特許文献4】
特開平5−132858号公報
【特許文献5】
特開平9−228240号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、従来の紫外線吸収剤を使用することなく優れた紫外線吸収能を有し、且つ繊維状、フィルム状、粒子状等種々の形態をとり得る紫外線吸収材及びかかる紫外線吸収材を含む紫外線吸収製品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の目的を達成するために優れた紫外線吸収材に関し、鋭意研究を行った結果、ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入することによって得られる架橋高分子が優れた紫外線吸収能を有することを意外にも見出し、これまでにない新規な紫外線吸収材を発明するに至った。
【0008】
即ち本発明は、ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入してなる架橋高分子を有効成分とすることを特徴とする紫外線吸収材により達成される。また、その形態が、粒子状、フィルム状、繊維状であることにより好適に達成される。さらに、本発明の紫外線吸収材を含む紫外線吸収製品により好適に達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳述する。
本発明の紫外線吸収材は、ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による処理を施した架橋高分子を有効成分とするが、その出発ポリマーとしてはニトリル基を有する限りにおいては特に限定はなく、ニトリル基を有するビニルモノマー単独重合体であっても、該モノマーと共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。本発明の紫外線吸収材の紫外線吸収能は、ニトリル基とヒドラジン系化合物との反応により形成される架橋構造に由来すると考えられる。そのため、より多い架橋を導入できるよう、ニトリル基を有するモノマーの含有量は多い方が好ましい。従ってニトリル基を有するモノマーは50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは70重量%以上である。ニトリル基を有するモノマーとしては、ニトリル基を有する限りにおいては特に限定はなく、具体的には、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等が挙げられる。なかでも、コスト的に有利であり、また、単位重量あたりのニトリル基量が多いアクリロニトリルが好ましい。
【0010】
ニトリル基を有するビニルモノマーと共重合可能なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル化合物、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等、スルホン酸基含有単量体、例えばメタリルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸及びそれらの塩等、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸などをあげることが出来る。
【0011】
本発明の紫外線吸収材の形態としては、特に限定はなく、ブロック状、粒子状、繊維状、フィルム状等実用に供される用途に応じて適宜選択できる。なかでも、粒子状、繊維状、フィルム状である場合、後述するヒドラジン系化合物との反応が容易に行えるため、工業的に有利である。また、本発明の該紫外線吸収材は、ニトリル基を有するポリマーを、上述した繊維状、フィルム状などの任意の形態にした後に、ヒドラジン系化合物により架橋を導入することができるので、形態に関係なく架橋高分子を有効成分とすることができる。そのため、紫外線吸収剤としても使用できる粒子状のものや、紫外線吸収剤を加えることなく繊維状、フィルム状等の紫外線吸収材も容易に得ることができる。前者の粒子状の場合、架橋構造が施されているため、成型加工に必要な熱により、分解・揮発・昇華することがない。後者の繊維状、フィルム状の場合、紫外線吸収剤を加える必要がないため紫外線吸収剤のポリマーとの親和性、成型加工時の耐熱性、洗濯や雨水での流出、使用中に接触物に移行することなどを考慮することなく紫外線吸収能を付与することができる。
【0012】
ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入する方法としては、ヒドラジン系化合物濃度3〜80重量%の水溶液、温度50〜140℃で1〜15時間処理する手段が工業的に好ましい。かかるヒドラジン系化合物による架橋導入処理により窒素含有率(重量%)の増加が起こる。窒素含有率(重量%)の増加とはニトリル基を有するポリマーの窒素含有率(重量%)とヒドラジン系化合物による架橋が導入された架橋高分子の窒素含有率(重量%)との差をいう。
紫外線吸収能は、ヒドラジン系化合物処理による窒素含有率の増加が大きくなるほど高くなる傾向にあるため、窒素含有率の増加をコントロールすることによって、必要とされる紫外線吸収能を付与することが出来る。希望の窒素含有率の増加を得る為の反応条件は、反応の温度、濃度、時間等の反応因子と窒素含有率の増加の関係を実験で明らかにすることにより、容易に決定出来る。ここに使用するヒドラジン系化合物としては、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジン、臭素酸ヒドラジン等、この他ヒドラジンをエチレンジアミン、硫酸グアニジン、塩酸グアニジン、リン酸グアニジン、メラミン等のアミノ基を含有する化合物が例示される。
【0013】
紫外線吸収能を阻害しない限り、架橋導入処理以外の処理を施して、あるいは制電剤、抗菌剤等の添加剤を加えて、紫外線吸収能以外の機能を付与しても構わない。例えば、ヒドラジンによる架橋導入処理工程を経た紫外線吸収材を、続いてアルカリ性金属塩水溶液(アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩等)により加水分解するとニトリル基を有するポリマーへのヒドラジン系化合物による架橋導入処理に関与せずに残留しているニトリル基の加水分解が進められる。ニトリル基は加水分解によりカルボキシル基を形成し、使用している薬剤がアルカリ性金属塩であるので、金属塩型カルボキシル基を生成する。その結果、紫外線吸収能に加えて吸放湿能を付与することができる。
【0014】
本発明の紫外線吸収材を含む紫外線吸収製品としては、該紫外線吸収材を少なくともその一部に含んでいる限り特に限定されるものではない。例えばフィルム状であれば、そのままでも紫外線吸収フィルムとして使用でき、繊維状であれば、織編物、不織布等に加工し紫外線吸収繊維製品として使用できる。又、粒子状であれば、紫外線吸収剤として各種の材料に添加して用いることもできる。即ち、本発明の紫外線吸収材及び紫外線吸収製品は、シャツ、スーツ、セーター、スポーツ衣料、下着、作業服等の衣類、帽子、日傘、手袋、ストッキング等の服飾小物、カーテン、レース、障子紙、ブラインド用スラット、暗幕等のインテリア用品、テント地、スクリーン、自動車カバー、帆布、工事用シート、農芸用シート、各種機械保護カバー等の資材、包装フィルム、蛍光灯カバーフィルム等のフィルム、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の塗料や、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂等のプラスチック製品など様々な用途に使用できるものである。
【0015】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明する。本発明は、これらの実施例の記載によってその範囲を何等限定されるものではない。実施例中の部及び百分率は、断りのない限り重量基準で示す。なお、紫外線透過率、吸湿率は、以下の方法により求めた。
【0016】
(1)紫外線透過率(%T):フィルム状の紫外線吸収材は、フィルム(厚さ 約40μm)を、紫外・可視光分光光度計(日立製作所社製U−2001)を用いて、波長280〜320nm(紫外線B波)、波長320〜400nm(紫外線A波)の紫外線の平均透過率を測定した。なお、ここで規定した平均透過率とは、所定の波長範囲にわたって各波長での光の透過する割合を計測し、その波長範囲での透過率の平均値を算出して求めたものである。紫外線透過率が低いほど紫外線吸収能に優れている。
繊維状の紫外線吸収材は、島津製作所製UV−3101PC及びその付属装置として積分級付属装置ISR−3100(積分球内径60mm)を用いた。編地(6cm×3cm)を装置にセットし、波長280〜320nm(紫外線B波)、波長320〜400nm(紫外線A波)の紫外線の透過率を測定し、その透過率曲線のチャートから面積比で透過率を算出した。
【0017】
(2)吸湿率(%):試料紫外線吸収材約5.0gを熱風乾燥機で105℃、16時間乾燥して重量を測定する(W1g)。次に試料を温度20℃で65%RHの恒温恒湿器に24時間入れておく。このようにして吸湿した試料の重量を測定する(W2g)。以上の測定結果から、次式によって算出した。
吸湿率(%)={(W2−W1)/W1}×100
【0018】
(実施例1)アクリロニトリル/アクリル酸メチル=90/10(重量比)からなるポリマー(30℃ジメチルホルムアミド中での極限粘度:1.2)を48重量%のロダンソーダ水溶液に溶解し、ポリマー濃度12重量%のポリマー溶液(以下、ドープという)を得た。ガラス板にドープを塗布し、−3℃、10重量%のロダンソーダ水溶液につけ、その後水洗し、厚さ40μmのフィルムを作製した。このフィルムに、水加ヒドラジンの20重量%水溶液中で98℃×5時間架橋導入処理を行い、実施例1のヒドラジン系化合物による架橋を導入してなる架橋高分子を有効成分とする紫外線吸収材を得た。該紫外線吸収材の窒素増加率、紫外線の透過率、吸湿率を以下に示す。窒素増加率は、7.0重量%で、紫外線の透過率は、波長320〜400nmの紫外線A波で、37.2%T、波長280〜320nmの紫外線B波で、0.7%Tであった。また、吸湿率は、12%であった。
【0019】
(実施例2)水加ヒドラジンで架橋を導入する時間を98℃×2.5時間とする以外は実施例1と同様にして実施例2の紫外線吸収材を得た。該紫外線吸収材の窒素増加率は、4.3重量%で、紫外線の透過率は、波長320〜400nmの紫外線A波で、47.5%T、波長280〜320nmの紫外線B波で、12.3%Tであった。
【0020】
(実施例3)実施例1の紫外線吸収材を、8重量%水酸化ナトリウム水溶液中、90℃×2時間で加水分解処理を行う以外は実施例1と同様にして実施例3の紫外線吸収材を得た。該紫外線吸収材の窒素増加率は、4.3重量%で、紫外線の透過率は、波長320〜400nmの紫外線A波で、32.2%T、波長280〜320nmの紫外線B波で、0.5%Tであった。また、吸湿率は、36%であった。
【0021】
(比較例1)架橋導入処理を行わない以外は実施例1と同様にして比較例1のフィルム を得た。該フィルムの紫外線の透過率は、波長320〜400nmの紫外線A波で、78.9%T、波長280〜320nmの紫外線B波で、56.0%Tであった。
【0022】
(実施例4)実施例1のドープを、−3℃、10重量%ロダンソーダ水溶液中に押し出し、水洗、延伸、熱処理を行い、ニトリル基を有する繊維を作製した。次いで、該繊維を水加ヒドラジンの20重量%水溶液中で98℃×5時間架橋導入処理を行い、実施例4のヒドラジンによる架橋を導入してなる架橋高分子を有効成分とする繊維状の紫外線吸収材を得た。次いで、該紫外線吸収材を常法に従って紡績して1/52番手の紡績糸試料を作製した。該紡績糸を14ゲージ2プライでゴム編みして、目付が約318g/m2の紫外線吸収編物試料を作製した。該紫外線吸収編物試料の窒素増加率は、7.0重量%で、紫外線の透過率は、波長320〜400nmの紫外線A波で、5.5%T、波長280〜320nmの紫外線B波で、0.8%Tであった。
【0023】
(比較例2) 架橋導入処理を行わない以外は実施例4と同様にして比較例2の編物を得た。該紫外線吸収材の紫外線の透過率は、波長320〜400nmの紫外線A波で、16.8T%、波長280〜320nmの紫外線B波で、6.0%Tであった。
【0024】
上記結果から明らかなように、ヒドラジン系化合物による架橋を導入したフィルム状の実施例1、2の紫外線吸収材は、ヒドラジン系化合物による架橋の導入されていない比較例1のフィルムに比べ、優れた紫外線吸収能を有している。又、架橋の導入に加え、加水分解を施した実施例3は、紫外線吸収能に加え吸湿能も有している。繊維状の紫外線吸収材からなる実施例4の紫外線吸収編物は、架橋導入処理を行っていない繊維からなる比較例2の編物に比べ優れた紫外線吸収能を有している。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の紫外線吸収材は、ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入してなる架橋高分子を有効成分とするため、様々な形態の紫外線吸収材を得ることができ、紫外線吸収剤を必要としない紫外線吸収材や、各種の材料に添加することのできる紫外線吸収材、さらに該吸収材を含む紫外線吸収製品を得ることもできる。
Claims (3)
- ニトリル基を有するポリマーにヒドラジン系化合物による架橋を導入してなる架橋高分子を有効成分とすることを特徴とする紫外線吸収材。
- 粒子状、フィルム状、繊維状であることを特徴とする請求項1記載の紫外線吸収材。
- 請求項1又は2に記載の紫外線吸収材を含む紫外線吸収製品。
Priority Applications (1)
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JP2003045607A JP2004256573A (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | 紫外線吸収材 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004256573A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015521691A (ja) * | 2012-06-25 | 2015-07-30 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company | 硬化性フルオロエラストマー組成物 |
-
2003
- 2003-02-24 JP JP2003045607A patent/JP2004256573A/ja active Pending
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