JP2004256348A - 改質装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】第一の流路と第二の流路の連通部の接合部に作用する熱応力を軽減し、接合部が破損することを防ぐことができる改質装置を提供することを目的とする。
【解決手段】燃焼ガス流路1と、改質触媒2を有する第一の流路3と、第二の流路4と、第一の流路3と第二の流路4の一端同士を連通させる連通部5とを備えて改質反応筒6を形成する。改質反応筒6の連通部5を設けた側の端部に燃焼ガスを排出する燃焼部7を接続し、燃焼ガスを燃焼ガス流路1に通過させることによって第一の流路3を燃焼ガスで加熱する。そして第一の流路3から第二の流路4へと通過させる燃料ガスと水蒸気とを改質触媒2の作用で水蒸気改質反応させて改質ガスを生成する。このような改質装置において、第一の流路3の内側の筒壁8の一端を外側へ湾曲させて延出すると共に、この延出片9の先端を第二の流路4の外側の筒壁10に接合することによって、上記の連通部5を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】燃焼ガス流路1と、改質触媒2を有する第一の流路3と、第二の流路4と、第一の流路3と第二の流路4の一端同士を連通させる連通部5とを備えて改質反応筒6を形成する。改質反応筒6の連通部5を設けた側の端部に燃焼ガスを排出する燃焼部7を接続し、燃焼ガスを燃焼ガス流路1に通過させることによって第一の流路3を燃焼ガスで加熱する。そして第一の流路3から第二の流路4へと通過させる燃料ガスと水蒸気とを改質触媒2の作用で水蒸気改質反応させて改質ガスを生成する。このような改質装置において、第一の流路3の内側の筒壁8の一端を外側へ湾曲させて延出すると共に、この延出片9の先端を第二の流路4の外側の筒壁10に接合することによって、上記の連通部5を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水蒸気改質反応を利用して、各種燃料ガスから水素に富んだ改質ガスを取り出す改質装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
原料の燃料ガスと水蒸気とを改質触媒の作用で水蒸気改質反応させることによって、燃料電池などで使用される水素リッチな改質ガスを生成させる場合、水蒸気改質反応は高温で進行する吸熱反応であるため、燃焼部で燃焼させた高温の燃焼ガスで加熱することが行なわれている。例えばメタンやプロパン等の炭化水素系ガスを原料の燃料ガスとして用い、水素リッチな改質ガスを生成させる場合、600℃〜700℃に加熱して反応させることが必要となる。特に、改質触媒の出口の部分の温度に改質ガスの組成が依存するため、この改質触媒の出口部分を最も高温に加熱する必要がある。
【0003】
図11は改質装置の一例を示すものであり(特許文献1等参照)、バーナからなる燃焼部7で燃焼された燃焼ガスが通過する燃焼ガス流路1を中心に配置し、燃焼ガス流路1と燃焼部7を外側環状空間21と内側環状空間22からなる改質反応筒6で囲むようにした構成に形成してある。この外側環状空間21と内側環状空間22の先端間の連通部5に改質触媒2が充填してある。そして、流入口23から供給された原料の燃料ガスと水蒸気は、外側環状空間21から内側環状空間22へと通過する間に改質触媒2の作用で改質反応し、水素リッチな改質ガスが生成され、この改質ガスは流出口24から排出されるようになっている。このものでは、燃焼部7は高温となる改質反応筒6の内部に設けているため、燃焼部7を空気と燃料とを事前に混合して燃焼させる予混合式のバーナで形成すると、予混合部で逆火が生じるおそれがある。従って、この図11の改質装置では、燃焼部7として予混合を全く行なわない拡散火炎バーナ等に限定されてしまうという問題がある。
【0004】
一方、図12は燃焼部7として予混合式のバーナを用いた改質装置の他の一例を示すものであり(例えば特願2002−72946号等参照)、改質触媒2を充填した筒状の第一の流路3の外側に筒状の第二の流路4を配置すると共に第一流路3と第二流路4の一端同士を連通部5で連通して改質反応筒6を形成するようにしてある。そして改質反応筒6の連通部5を設けた側の端部に燃焼部7が接続してあり、改質反応筒6の中心の空洞部が燃焼部7から排出された燃焼ガスの流路1となっている。このものにあって、原料の燃料ガスと水蒸気は第一流路3から第二流路4へと通過する間に改質触媒2の作用で水蒸気改質反応して、水素リッチな改質ガスが生成され、この改質ガスは第二流路4から排出されるようになっている。また燃焼部7は加熱用燃料と空気を混合する予混合部26で混合した後に燃焼室27で燃焼する予混合式のバーナ13からなるものである。予混合式バーナ13は煤が生じ難く、火炎長が短いためにコンパクトに形成することができるものであり、多くの給湯器やストーブなどに利用されている。そして、燃焼部7にはバーナ13で燃焼した燃焼ガスを排出する燃焼ガス導入流路14が設けてあり、燃焼部7はこの燃焼ガス導入流路14を改質反応筒6に接合することによって、改質反応筒6に取り付けてあって、燃焼ガスはバーナ13から燃焼ガス導入流路14を通して改質反応筒6の燃焼ガス流路1に供給されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−282113号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の図12の改質装置にあって、改質触媒2は第一流路3の連通部5に近い部分に充填してあり、原料の燃料ガスが改質触媒2を通過した出口の部分に近い連通部5の付近を高温に加熱する必要がある。このため、改質反応筒6の連通部5の側の端部に燃焼部7の燃焼ガス導入流路14を接続し、燃焼ガスで連通部5の付近を高温に加熱することができるようにしてある。
【0007】
ここで、改質反応筒6の第一流路3と第二流路4の一端同士を連通させる連通部5は、第一流路3の内側の筒壁8の一端と、第二流路4の外側の筒壁10の一端に端部板28を蝋付けなどで接合して、第一流路3と第二流路4の端部を閉じることによって形成されている。
【0008】
そして上記のように改質反応筒6の連通部5の側の端部に燃焼部7を接続して、連通部5の付近に高温が作用すると、第一流路3の内側の筒壁8の一端と端部板28との接合部(イ矢印で示す)や、第二流路4の外側の筒壁10の一端と端部板28との接合部(ロ矢印で示す)に熱応力が作用し、接合部が破損するおそれがあるという問題が生じるものであった。特に、第一流路3の内側の筒壁8の一端と端部板28との接合部(イ矢印で示す)にはより高温が作用し易く、この接合部が熱応力により破損する危険性が高いものであった。改質反応筒6の第一流路3や第二流路4には可燃性の燃料ガスや改質ガスが通されるため、このように接合部が破損して燃料ガスが漏れると、事故につながるおそれがあるものである。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、第一の流路と第二の流路の連通部に形成される接合部に作用する熱応力を軽減し、接合部が破損することを防ぐことができる改質装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る改質装置は、燃焼ガスが通過する燃焼ガス流路1と、燃焼ガス流路1の外側に沿って設けられ、改質触媒2を有する筒状の第一の流路3と、第一の流路3の外側に沿って設けられた筒状の第二の流路4と、第一の流路3と第二の流路4の一端同士を連通させる連通部5とを備えて改質反応筒6を形成し、改質反応筒6の連通部5を設けた側の端部に燃料を燃焼して燃焼ガスを排出する燃焼部7を接続すると共に、燃焼部7から排出される燃焼ガスを上記燃焼ガス流路1に通過させることによって第一の流路3をこの燃焼ガスで加熱し、第一の流路3から連通部5を介して第二の流路4へと通過させる燃料ガスと水蒸気とを改質触媒2の作用で水蒸気改質反応させて水素に富んだ改質ガスを生成する改質装置において、第一の流路3の内側の筒壁8の一端を外側へ湾曲させて延出すると共に、この延出片9の先端を第二の流路4の外側の筒壁10に接合することによって、第一の流路3と第二の流路4の一端同士を連通する上記の連通部5を形成して成ることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項2の発明は、請求項1において、第一の流路3の内側の筒壁8の延出片9の端面と第二の流路4の外側の筒壁10の一端の端面とを接合して成ることを特徴とするものである。
【0012】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、改質反応筒6に、弾性体11を介して燃焼部7を接合して成ることを特徴とするものである。
【0013】
また請求項4の発明は、請求項3において、弾性体11として金属の蛇腹12を用いて成ることを特徴とするものである。
【0014】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、第一の流路3の内側の筒壁8に燃焼部7を接合し、燃焼部7の筒壁8への接合部の付近の内周に断熱材15を設けて成ることを特徴とするものである。
【0015】
また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、燃料を燃焼するバーナ13と、発生する燃焼ガスを燃焼ガス流路1に導入する燃焼ガス導入流路14とを備えて燃焼部7を形成し、燃焼ガス導入流路14を囲むように断熱材15を設けて成ることを特徴とするものである。
【0016】
また請求項7の発明は、請求項6において、第二の流路4の外側の筒壁10の連通部5側の端部を延長すると共にこの延長片16の内面に第一の流路3の内側の筒壁8の上記延出片9の先端を接合し、この延長片16の内側に燃焼部7の燃焼ガス導入流路14を形成すると共に、延長片16の内側に断熱材15を設けて成ることを特徴とするものである。
【0017】
また請求項8の発明は、請求項7において、断熱材15に突出して設けた覆い片18で上記延出片9を覆って成ることを特徴とするものである。
【0018】
また請求項9の発明は、請求項7又は8において、上記延出片9の先端部に上記延長片16と略平行な平行部17を形成し、延出片9の平行部17を延長片16の内面に接合して成ることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
図1は本発明の実施の形態の一例を示すものであり、改質反応筒6は内側の円筒状の筒壁8と、外側の円筒状の筒壁10と、両筒壁8,10の間の円筒状の隔壁30とを同心円状に配置して形成されるものであり、内側の筒壁8と隔壁30の間に環状空間の第一の流路3が、外側の筒壁10と隔壁30との間に環状空間の第二の流路4がそれぞれ形成してある。そして内側の筒壁8の下端に全周に亘って下方へ向け外側に断面円弧状に延出し、下面側が凸湾曲する延出片9が形成してあり、図2に示すように、延出片9の延出先端の上面を外側の筒壁10の下端に全周に亘って接合してある。この接合は高温でのシール性を確保するため、全周溶接もしくは蝋付けで行なうのが望ましい。このように延出片9によって第一流路3と第二流路4の下端部がそれぞれ閉じられるものであるが、隔壁30の下端と延出片9との間には隙間が形成してあり、この隙間を通して、第一流路3の一端と第二流路4の一端が連通する連通部5が形成されるものである。また第一流路3や第二流路4の上端は閉じてあり、第一流路3の上端には原料ガス流入部31が、第二流路4の上端には改質ガス流出部32が設けてある。
【0021】
上記の第一流路3内には、上下の中央部付近から下端の連通部5付近に至る範囲で改質触媒2が充填してある。改質触媒2として粒状のものを用いるときには、隔壁30の下端に改質触媒2が移動しないように触媒止め36を設けるのが好ましい。この触媒止め36はガスは通過させるが改質触媒2は移動させないパンチングメタルや金網などで形成されるものである。
【0022】
また、燃焼部7は加熱用燃料と空気とを予混合する予混合部26と、予混合部26で混合した混合ガスを燃焼させる燃焼室27とから形成される予混合式のバーナ13を具備して形成されるものであり、燃焼部7にはバーナ13で燃焼した燃焼ガスを排出する燃焼ガス導入流路14が設けてある。燃焼ガス導入流路14はバーナ13から突出して設けた筒体33の内周に形成されるものであり、燃焼部7はこの筒体33の先端縁を、改質反応筒6の連通部5の側の端部において、内側の筒壁8の内面に全周に亘って接合することによって、改質反応筒6に取り付けられるものである。そして燃焼部7のバーナ13から燃焼ガスは燃焼ガス導入流路14を通して、改質反応筒6の内周空間の燃焼ガス流路1に導入され、燃焼ガス流路1内を通過した燃焼ガスは改質反応筒6の燃焼部7と反対側の上端の開口部34から燃焼排気ガスとして排気されるようになっている。このように燃焼ガス流路1内を高温の燃焼ガスが通過する際に、内側の筒壁8を介して第一流路3内を加熱することができるものであり、特に燃焼ガス導入流路14が接合されている連通部5の付近は、燃焼ガス導入流路14から導入される燃焼ガスが最初に接触する部分であるので、最も高温に加熱することができる。
【0023】
上記のように形成される改質装置にあって、原料の燃料ガスと水蒸気は原料ガス導入部31から第一流路3に供給され、第一流路3を通過する際に燃焼ガスによって加熱される。このように加熱された燃料ガスと水蒸気は第一流路3内の改質触媒2を充填した部分を通過する際に、改質触媒2の作用で水蒸気改質反応し、水素リッチな改質ガスが生成される。ここで、改質触媒2は第一流路3内の中央部付近から下端の連通部5付近に至る範囲で充填してあり、原料の燃料ガスが改質触媒2を通過して出口となる部分は連通部5付近に位置している。そして改質触媒2の出口となるこの連通部5付近は上記のように最も高温に加熱されるようになっているために、改質触媒2を効率的に加熱することができ、改質触媒2の作用による水蒸気改質反応を効率良く行なわせることができるものである。このように水蒸気改質反応して生成された改質ガスは、連通部5を通して第二流路4に流入し、第二流路4内を通過する際に、隣接する第一流路3を流れる燃料ガスと水蒸気と熱交換して熱を与えながら温度が低下する。そしてこのように改質ガスから熱回収をした後に、低温の改質ガスとして改質ガス流出部32から改質装置の外部に導出される。
【0024】
改質装置を燃料電池と組み合わせて発電を行なう場合には、改質ガスはさらにシフト反応器や選択酸化反応器に通してCO濃度を低下させた後に、燃料電池に供給されるものである。また、第二流路4内にシフト反応用の触媒や選択酸化反応用の触媒を組み込むことによって、改質装置からCO濃度を低下させた改質ガスを取り出すことも可能である。
【0025】
そして上記の実施の形態にあって、改質反応筒6の連通部5は、第一流路3の内側の筒壁8の一端を外側へ湾曲させて延出すると共にこの延出片9の先端を第二流路4の外側の筒壁10に接合することによって形成してあり、第一流路3の内側の筒壁8には接合部は存在しないので、燃焼部7との接続箇所である連通部5の付近に高温が作用しても、第一流路3の内側の筒壁8の接合部が破損されることによる問題を未然に防ぐことができるものである。また延出部9と第二流路4の外側の筒壁10との接合部35は、改質反応筒6と燃焼部7の接合箇所から離れていて燃焼部7からの燃焼ガスと接触することがなく、高温に加熱されることはないので、この接合部35が熱応力によって破損するようなおそれはないものである。このように、連通部5において接合部35に対する熱応力を軽減して、接合部35の信頼性を高めることができるものである。
【0026】
図3は本発明の他の実施の形態の一例を示すものである。すなわち、図2の実施の形態では、第一流路3の内側の筒壁8の延出片9の先端の側面を第二流路4の外側の筒壁10の先端面に接合するようにしているため、接合部35は直角の接合で形成されており、接合部35に応力集中が生じ易く、比較的低温の作用でも破損が生じる可能性がある。そこで図3の実施の形態では、延出片9を断面半円形状に凸湾曲させて延出し、延出片9の先端の端面を第二流路4の外側の筒壁10の下端の端面に接合させるようにしてある。その他の構成は図1及び図2の実施の形態と同じである。
【0027】
このように延出片9と第二流路4の外側の筒壁10とを端面同士で接合することによって、接合部35に応力集中が生じ難くなる。しかも接合部35は、図2の場合よりも、燃焼ガスで加熱される箇所から遠くなって高温がより作用し難くなる。このために、接合部35に対する熱応力を一層軽減して、接合部35の信頼性を高めることができるものである。
【0028】
図4は本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、燃焼部7の燃焼ガス導入流路14を囲む筒体33の先端縁を、改質反応筒6の内側の筒壁8の内面に接合するにあたって、筒体33と改質反応筒6の内側の筒壁8との間に弾性体11を全周に亘って介在させるようにしてある。この弾性体11としては、例えばセラミックファイバーを成形したシール材など耐熱性を有するものを用いることができる。その他の構成は図1及び図3の実施の形態と同じである。
【0029】
このように改質反応筒6の内周に弾性体11を介して燃焼部7を接合することによって、改質反応筒6と燃焼部7との接合部に熱応力が集中しても、この熱応力は弾性体11が変形することによって緩和されるものであり、改質反応筒6と燃焼部7との接合部が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。
【0030】
図5は本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、弾性体11として金属筒を凹凸加工して形成した蛇腹12を用いるようにしてある。この蛇腹12の下端部の内周を燃焼部7の筒体33の上端部の外周に接合すると共に蛇腹12の上端部の外周を改質反応筒6の内側の筒壁8の内周に接合することによって、改質反応筒6の内周に弾性体11を介して燃焼部7を接合するようにしてある。その他の構成は図1及び図3の実施の形態と同じである。
【0031】
このように弾性体11として伸縮自在な蛇腹12を用い、一端部を燃焼部7に、他端部を改質反応筒6に接合することによって、燃焼部7と改質反応筒6との接合部に熱応力が集中しても、この熱応力は蛇腹12が伸縮変形することによって緩和されるものであり、燃焼部7と改質反応筒6との接合部が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。また金属で形成される蛇腹12は同じく金属で形成される改質反応筒6の壁筒8や燃焼部7の筒体33と溶接や蝋付けで完全気密的に接合することができるものであり、弾性体11としてシール材を用いる場合よりも、燃焼ガスのガス漏れを完全に防ぐことができるので、この点でも好ましい。
【0032】
図6は本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、燃焼部7の燃焼ガス導入流路14を囲む筒体33の先端縁を、改質反応筒6の内側の筒壁8の内面に接合するにあたって、この筒体33の内周面に全周に亘って燃焼ガス導入流路14を囲むように筒状の断熱材15が設けてある。断熱材15としてはセラミック材など高温に耐えるものを用いるのが好ましい。その他の構成は図1及び図3の実施の形態と同じである。
【0033】
このように、燃焼部7の燃焼ガス流入流路14に断熱材15を設けることによって、燃焼ガス流入流路14を通過する燃焼ガスの熱が、改質反応筒6の外側の筒壁10と内側の筒壁8の延出片9との接合部35に作用することを、断熱材15で遮断して防ぐことができるものであり、改質反応筒6の連通部5の接合部35が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。また、燃焼ガス流入流路14を通過する燃焼ガスの熱が筒体33と改質反応筒6の内側の筒壁8との接合部に作用することを、断熱材15で遮断して防ぐことができるものであり、燃焼部7と改質反応筒6の接合部が熱応力で破損されることを防ぐこともできるものである。
【0034】
図7は本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、改質反応筒6の外側の筒壁10の下端を下方へ延長して延長片16を全周に亘って設け、この延長片16の基部の内面に、内側の筒壁8の下端に延出して設けた延出片9の先端を全周に亘って接合することによって、連通部5を形成するようにしてある。そしてこの延長片16によって燃焼部7の燃焼ガス導入流路14を形成する筒体33が形成されるようにしてあり、延長片16の内周に燃焼ガス導入流路14を囲む断熱材15を設けるようにしてある。その他の構成は図1の実施の形態と同じである。
【0035】
このものでは、改質反応筒6の外側の筒壁10の一端から一体に延長した延長片16で燃焼部7の燃焼ガス導入流路14を形成する筒体33が形成されるものであり、この延長片16によって燃焼部7は改質反応筒6に一体化されるものである。従って、燃焼部7を改質反応筒6に取り付けるための接合部が存在しなくなり、燃焼部7と改質反応筒6の間の接合部の熱応力による破損の問題もなくなるものである。また、燃焼部7の燃焼ガス流入流路14に断熱材15を設けてあるので、燃焼ガス流入流路14を通過する燃焼ガスの熱が、延長片16と延出片9との接合部35に作用することを、断熱材15で遮断して防ぐことができるものであり、改質反応筒6の連通部5の接合部35が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。このとき、図7に示すように、燃焼ガス導入流路14から燃焼ガス流路1へと流れ出す側の断熱材15の端面が接合部35に接するように、断熱材15を配置することによって、燃焼ガスが接合部35に作用し難くなるものであり、接合部35の破損をより有効に防ぐことができるものである。
【0036】
図8は本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、改質反応筒6の内側の筒壁8の延出片9を内方から覆うように、燃焼ガス導入流路14から燃焼ガス流路1へと流れ出す側の断熱材15の端面に覆い片18が一体に突設してある。その他の構成は図1及び図7の実施の形態と同じである。
【0037】
このものでは、改質反応筒6の内側の筒壁8の延出片9と外側の筒壁10の延長片16との接合部35を断熱材15の一部である覆い片18で覆って保護することができ、燃焼部7の燃焼ガス流入流路14から改質反応筒6の燃焼ガス流路1へと流れる燃焼ガスが、断熱材15の先端面を回り込んで接合部35に作用することを覆い片18で遮断して防ぐことができるものであり、改質反応筒6の連通部5の接合部35が熱応力で破損されることを確実に防ぐことができるものである。
【0038】
図9は本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、改質反応筒6の内側の筒壁8の下端に下方へ向け外側に断面円弧状に延出して下面側が凸湾曲する延出片9を形成するにあたって、延出片9を断面略S字状に屈曲することによって、延出片9の先端部が全周に亘って外側の筒壁10の延長片16と平行になるように形成してある。そしてこの延出片9の先端の平行部17を延長片16の基部の内面に接合することによって、延出片9で連通部5を形成するようにしてある。その他の構成は図1及び図8の実施の形態と同じである。
【0039】
上記の図7及び図8の実施の形態では、内側の筒壁8の延出片9はその先端面を外側の壁筒10の延長片16の内周面に接合してあり、接合部35は直角の接合で形成されていて応力集中が生じ易い。これに対して、延出片9の先端に平行部17を設けて延長片16に接合することによって、平行な面で接合を行なうことができ、接合部35に応力集中が生じ難くなるものであり、接合部35に対する熱応力を軽減して、接合部35の信頼性を高めることができるものである。
【0040】
図10は本発明の実施の形態の他の一例を示すものであり、改質反応筒6の外側の筒壁10の延長片16の基部に内側の筒壁8の延出片9を接合すると共に、延長片16の先端部に燃焼部7の燃焼ガス導入流路14の筒体33を接合するようにし、筒体33から延長片16にかけて断熱材15を設けるようにしたものである。延長片16と筒体33との接合は溶接や蝋付けでもよいが、図10の実施の形態のようにフランジ39,39で接合するようにしてもよい。このものでは、延長片16に延出片9を接合するにあたって、接合部から延長片16の端部までの距離が短くなるので、接合する際の溶接等の作業を延長片16の端部の外側から容易に行なうことができるものである。
【0041】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る改質装置は、燃焼ガスが通過する燃焼ガス流路と、燃焼ガス流路の外側に沿って設けられ、改質触媒を有する筒状の第一の流路と、第一の流路の外側に沿って設けられた筒状の第二の流路と、第一の流路と第二の流路の一端同士を連通させる連通部とを備えて改質反応筒を形成し、改質反応筒の連通部を設けた側の端部に燃料を燃焼して燃焼ガスを排出する燃焼部を接続すると共に、燃焼部から排出される燃焼ガスを上記燃焼ガス流路に通過させることによって第一の流路をこの燃焼ガスで加熱し、第一の流路から連通部を介して第二の流路へと通過させる燃料ガスと水蒸気とを改質触媒の作用で水蒸気改質反応させて水素に富んだ改質ガスを生成する改質装置において、第一の流路の内側の筒壁の一端を外側へ湾曲させて延出すると共に、この延出片の先端を第二の流路の外側の筒壁に接合することによって、第一の流路と第二の流路の一端同士を連通する上記の連通部を形成するようにしたので、連通部において第一流路の内側の筒壁に対する接合部は存在しなくなり、連通部の部分に高温が作用して第一流路の内側の筒壁の接合部が破損されるような問題を未然に防ぐことができるものである。また延出部と第二流路の外側の筒壁との接合部は、改質反応筒と燃焼部の接合箇所から離すことができ、この接合部が高温が作用することを軽減することができるものである。この結果、第一の流路と第二の流路の連通部に形成される接合部に作用する熱応力を軽減し、接合部が破損することを防ぐことができるものである。
【0042】
また請求項2の発明は、請求項1において、第一の流路の内側の筒壁の延出片の端面と第二の流路の外側の筒壁の一端の端面とを接合するようにしたので、接合部に応力集中が生じ難くすることができ、接合部に対する熱応力を一層軽減して、接合部の信頼性を高めることができるものである。
【0043】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、改質反応筒に、弾性体を介して燃焼部を接合するようにしたので、改質反応筒と燃焼部との接合部に熱応力が集中しても、この熱応力を弾性体が変形することによって緩和することができ、接合部が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。
【0044】
また請求項4の発明は、請求項3において、弾性体として金属の蛇腹を用いるようにしたので、蛇腹が伸縮することによって改質反応筒と燃焼部との接合部の熱応力を緩和することができ、接合部が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。
【0045】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、第一の流路の内側の筒壁に燃焼部を接合し、燃焼部の内周の筒壁への接合部の付近の内周に断熱材を設けるようにしたので、燃焼ガスの熱がこの接合部に直接作用することを断熱材で遮断することができ、接合部に対する熱応力を軽減して接合部が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。
【0046】
また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、燃料を燃焼するバーナと、発生する燃焼ガスを燃焼ガス流路に導入する燃焼ガス導入流路とを備えて燃焼部を形成し、燃焼ガス導入流路を囲むように断熱材を設けるようにしたので、燃焼ガス流入流路を通過して燃焼ガス流路に流れる燃焼ガスの熱が、連通部における外側の筒壁と内側の筒壁の延出片との接合部に作用することを、断熱材で遮断して防ぐことができるものであり、連通部の接合部が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。
【0047】
また請求項7の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、第二の流路の外側の筒壁の連通部側の端部を延長すると共にこの延長片の内面に第一の流路の内側の筒壁の上記延出片の先端を接合し、この延長片の内側に燃焼部の燃焼ガス導入流路を形成すると共に、延長片の内側に断熱材を設けるようにしたので、延長片によって燃焼部を改質反応筒に一体化することができ、燃焼部を改質反応筒に取り付けるための接合部が存在しなくなって、燃焼部と改質反応筒の間の接合部が熱応力で破損されるような問題もなくなるものである。しかも燃焼ガス流入流路を通過する燃焼ガスの熱が、延長片と延出片との接合部に作用することを、断熱材で遮断して防ぐことができるものであり、改質反応筒の連通部の接合部が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。
【0048】
また請求項8の発明は、請求項7において、断熱材に突出して設けた覆い片で上記延出片を覆うようにしたので、燃焼ガス流入流路を通過する燃焼ガスが断熱材を回り込んで延出片に作用することを、覆い片で遮断して防ぐことができるものであり、改質反応筒の連通部の接合部が熱応力で破損されることを確実に防ぐことができるものである。
【0049】
また請求項9の発明は、請求項7又は8において、上記延出片の先端部に上記延長片と略平行な平行部を形成し、延出片の平行部を延長片の内面に接合するようにしたので、延出片と延長片を平行な面で接合することができ、接合部に応力集中が生じ難くなるものであり、接合部に対する熱応力を軽減して、接合部の信頼性を高めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
【図2】図1のA部を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態の一例を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の一例を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態の一例を示す拡大断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態の一例を示す拡大断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の一例を示す拡大断面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の一例を示す拡大断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態の一例を示す拡大断面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態の一例を示す拡大断面図である。
【図11】従来例を示す断面図である。
【図12】従来例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼ガス流路
2 改質触媒
3 第一の流路
4 第二の流路
5 連通部
6 改質反応筒
7 燃焼部
8 第一の流路の内側の筒壁
9 延出片
10 第二の流路の外側の筒壁
11 弾性体
12 蛇腹
13 バーナ
14 燃焼ガス導入流路
15 断熱材
16 延長片
17 平行部
18 覆い片
【発明の属する技術分野】
本発明は、水蒸気改質反応を利用して、各種燃料ガスから水素に富んだ改質ガスを取り出す改質装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
原料の燃料ガスと水蒸気とを改質触媒の作用で水蒸気改質反応させることによって、燃料電池などで使用される水素リッチな改質ガスを生成させる場合、水蒸気改質反応は高温で進行する吸熱反応であるため、燃焼部で燃焼させた高温の燃焼ガスで加熱することが行なわれている。例えばメタンやプロパン等の炭化水素系ガスを原料の燃料ガスとして用い、水素リッチな改質ガスを生成させる場合、600℃〜700℃に加熱して反応させることが必要となる。特に、改質触媒の出口の部分の温度に改質ガスの組成が依存するため、この改質触媒の出口部分を最も高温に加熱する必要がある。
【0003】
図11は改質装置の一例を示すものであり(特許文献1等参照)、バーナからなる燃焼部7で燃焼された燃焼ガスが通過する燃焼ガス流路1を中心に配置し、燃焼ガス流路1と燃焼部7を外側環状空間21と内側環状空間22からなる改質反応筒6で囲むようにした構成に形成してある。この外側環状空間21と内側環状空間22の先端間の連通部5に改質触媒2が充填してある。そして、流入口23から供給された原料の燃料ガスと水蒸気は、外側環状空間21から内側環状空間22へと通過する間に改質触媒2の作用で改質反応し、水素リッチな改質ガスが生成され、この改質ガスは流出口24から排出されるようになっている。このものでは、燃焼部7は高温となる改質反応筒6の内部に設けているため、燃焼部7を空気と燃料とを事前に混合して燃焼させる予混合式のバーナで形成すると、予混合部で逆火が生じるおそれがある。従って、この図11の改質装置では、燃焼部7として予混合を全く行なわない拡散火炎バーナ等に限定されてしまうという問題がある。
【0004】
一方、図12は燃焼部7として予混合式のバーナを用いた改質装置の他の一例を示すものであり(例えば特願2002−72946号等参照)、改質触媒2を充填した筒状の第一の流路3の外側に筒状の第二の流路4を配置すると共に第一流路3と第二流路4の一端同士を連通部5で連通して改質反応筒6を形成するようにしてある。そして改質反応筒6の連通部5を設けた側の端部に燃焼部7が接続してあり、改質反応筒6の中心の空洞部が燃焼部7から排出された燃焼ガスの流路1となっている。このものにあって、原料の燃料ガスと水蒸気は第一流路3から第二流路4へと通過する間に改質触媒2の作用で水蒸気改質反応して、水素リッチな改質ガスが生成され、この改質ガスは第二流路4から排出されるようになっている。また燃焼部7は加熱用燃料と空気を混合する予混合部26で混合した後に燃焼室27で燃焼する予混合式のバーナ13からなるものである。予混合式バーナ13は煤が生じ難く、火炎長が短いためにコンパクトに形成することができるものであり、多くの給湯器やストーブなどに利用されている。そして、燃焼部7にはバーナ13で燃焼した燃焼ガスを排出する燃焼ガス導入流路14が設けてあり、燃焼部7はこの燃焼ガス導入流路14を改質反応筒6に接合することによって、改質反応筒6に取り付けてあって、燃焼ガスはバーナ13から燃焼ガス導入流路14を通して改質反応筒6の燃焼ガス流路1に供給されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−282113号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の図12の改質装置にあって、改質触媒2は第一流路3の連通部5に近い部分に充填してあり、原料の燃料ガスが改質触媒2を通過した出口の部分に近い連通部5の付近を高温に加熱する必要がある。このため、改質反応筒6の連通部5の側の端部に燃焼部7の燃焼ガス導入流路14を接続し、燃焼ガスで連通部5の付近を高温に加熱することができるようにしてある。
【0007】
ここで、改質反応筒6の第一流路3と第二流路4の一端同士を連通させる連通部5は、第一流路3の内側の筒壁8の一端と、第二流路4の外側の筒壁10の一端に端部板28を蝋付けなどで接合して、第一流路3と第二流路4の端部を閉じることによって形成されている。
【0008】
そして上記のように改質反応筒6の連通部5の側の端部に燃焼部7を接続して、連通部5の付近に高温が作用すると、第一流路3の内側の筒壁8の一端と端部板28との接合部(イ矢印で示す)や、第二流路4の外側の筒壁10の一端と端部板28との接合部(ロ矢印で示す)に熱応力が作用し、接合部が破損するおそれがあるという問題が生じるものであった。特に、第一流路3の内側の筒壁8の一端と端部板28との接合部(イ矢印で示す)にはより高温が作用し易く、この接合部が熱応力により破損する危険性が高いものであった。改質反応筒6の第一流路3や第二流路4には可燃性の燃料ガスや改質ガスが通されるため、このように接合部が破損して燃料ガスが漏れると、事故につながるおそれがあるものである。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、第一の流路と第二の流路の連通部に形成される接合部に作用する熱応力を軽減し、接合部が破損することを防ぐことができる改質装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る改質装置は、燃焼ガスが通過する燃焼ガス流路1と、燃焼ガス流路1の外側に沿って設けられ、改質触媒2を有する筒状の第一の流路3と、第一の流路3の外側に沿って設けられた筒状の第二の流路4と、第一の流路3と第二の流路4の一端同士を連通させる連通部5とを備えて改質反応筒6を形成し、改質反応筒6の連通部5を設けた側の端部に燃料を燃焼して燃焼ガスを排出する燃焼部7を接続すると共に、燃焼部7から排出される燃焼ガスを上記燃焼ガス流路1に通過させることによって第一の流路3をこの燃焼ガスで加熱し、第一の流路3から連通部5を介して第二の流路4へと通過させる燃料ガスと水蒸気とを改質触媒2の作用で水蒸気改質反応させて水素に富んだ改質ガスを生成する改質装置において、第一の流路3の内側の筒壁8の一端を外側へ湾曲させて延出すると共に、この延出片9の先端を第二の流路4の外側の筒壁10に接合することによって、第一の流路3と第二の流路4の一端同士を連通する上記の連通部5を形成して成ることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項2の発明は、請求項1において、第一の流路3の内側の筒壁8の延出片9の端面と第二の流路4の外側の筒壁10の一端の端面とを接合して成ることを特徴とするものである。
【0012】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、改質反応筒6に、弾性体11を介して燃焼部7を接合して成ることを特徴とするものである。
【0013】
また請求項4の発明は、請求項3において、弾性体11として金属の蛇腹12を用いて成ることを特徴とするものである。
【0014】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、第一の流路3の内側の筒壁8に燃焼部7を接合し、燃焼部7の筒壁8への接合部の付近の内周に断熱材15を設けて成ることを特徴とするものである。
【0015】
また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、燃料を燃焼するバーナ13と、発生する燃焼ガスを燃焼ガス流路1に導入する燃焼ガス導入流路14とを備えて燃焼部7を形成し、燃焼ガス導入流路14を囲むように断熱材15を設けて成ることを特徴とするものである。
【0016】
また請求項7の発明は、請求項6において、第二の流路4の外側の筒壁10の連通部5側の端部を延長すると共にこの延長片16の内面に第一の流路3の内側の筒壁8の上記延出片9の先端を接合し、この延長片16の内側に燃焼部7の燃焼ガス導入流路14を形成すると共に、延長片16の内側に断熱材15を設けて成ることを特徴とするものである。
【0017】
また請求項8の発明は、請求項7において、断熱材15に突出して設けた覆い片18で上記延出片9を覆って成ることを特徴とするものである。
【0018】
また請求項9の発明は、請求項7又は8において、上記延出片9の先端部に上記延長片16と略平行な平行部17を形成し、延出片9の平行部17を延長片16の内面に接合して成ることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
図1は本発明の実施の形態の一例を示すものであり、改質反応筒6は内側の円筒状の筒壁8と、外側の円筒状の筒壁10と、両筒壁8,10の間の円筒状の隔壁30とを同心円状に配置して形成されるものであり、内側の筒壁8と隔壁30の間に環状空間の第一の流路3が、外側の筒壁10と隔壁30との間に環状空間の第二の流路4がそれぞれ形成してある。そして内側の筒壁8の下端に全周に亘って下方へ向け外側に断面円弧状に延出し、下面側が凸湾曲する延出片9が形成してあり、図2に示すように、延出片9の延出先端の上面を外側の筒壁10の下端に全周に亘って接合してある。この接合は高温でのシール性を確保するため、全周溶接もしくは蝋付けで行なうのが望ましい。このように延出片9によって第一流路3と第二流路4の下端部がそれぞれ閉じられるものであるが、隔壁30の下端と延出片9との間には隙間が形成してあり、この隙間を通して、第一流路3の一端と第二流路4の一端が連通する連通部5が形成されるものである。また第一流路3や第二流路4の上端は閉じてあり、第一流路3の上端には原料ガス流入部31が、第二流路4の上端には改質ガス流出部32が設けてある。
【0021】
上記の第一流路3内には、上下の中央部付近から下端の連通部5付近に至る範囲で改質触媒2が充填してある。改質触媒2として粒状のものを用いるときには、隔壁30の下端に改質触媒2が移動しないように触媒止め36を設けるのが好ましい。この触媒止め36はガスは通過させるが改質触媒2は移動させないパンチングメタルや金網などで形成されるものである。
【0022】
また、燃焼部7は加熱用燃料と空気とを予混合する予混合部26と、予混合部26で混合した混合ガスを燃焼させる燃焼室27とから形成される予混合式のバーナ13を具備して形成されるものであり、燃焼部7にはバーナ13で燃焼した燃焼ガスを排出する燃焼ガス導入流路14が設けてある。燃焼ガス導入流路14はバーナ13から突出して設けた筒体33の内周に形成されるものであり、燃焼部7はこの筒体33の先端縁を、改質反応筒6の連通部5の側の端部において、内側の筒壁8の内面に全周に亘って接合することによって、改質反応筒6に取り付けられるものである。そして燃焼部7のバーナ13から燃焼ガスは燃焼ガス導入流路14を通して、改質反応筒6の内周空間の燃焼ガス流路1に導入され、燃焼ガス流路1内を通過した燃焼ガスは改質反応筒6の燃焼部7と反対側の上端の開口部34から燃焼排気ガスとして排気されるようになっている。このように燃焼ガス流路1内を高温の燃焼ガスが通過する際に、内側の筒壁8を介して第一流路3内を加熱することができるものであり、特に燃焼ガス導入流路14が接合されている連通部5の付近は、燃焼ガス導入流路14から導入される燃焼ガスが最初に接触する部分であるので、最も高温に加熱することができる。
【0023】
上記のように形成される改質装置にあって、原料の燃料ガスと水蒸気は原料ガス導入部31から第一流路3に供給され、第一流路3を通過する際に燃焼ガスによって加熱される。このように加熱された燃料ガスと水蒸気は第一流路3内の改質触媒2を充填した部分を通過する際に、改質触媒2の作用で水蒸気改質反応し、水素リッチな改質ガスが生成される。ここで、改質触媒2は第一流路3内の中央部付近から下端の連通部5付近に至る範囲で充填してあり、原料の燃料ガスが改質触媒2を通過して出口となる部分は連通部5付近に位置している。そして改質触媒2の出口となるこの連通部5付近は上記のように最も高温に加熱されるようになっているために、改質触媒2を効率的に加熱することができ、改質触媒2の作用による水蒸気改質反応を効率良く行なわせることができるものである。このように水蒸気改質反応して生成された改質ガスは、連通部5を通して第二流路4に流入し、第二流路4内を通過する際に、隣接する第一流路3を流れる燃料ガスと水蒸気と熱交換して熱を与えながら温度が低下する。そしてこのように改質ガスから熱回収をした後に、低温の改質ガスとして改質ガス流出部32から改質装置の外部に導出される。
【0024】
改質装置を燃料電池と組み合わせて発電を行なう場合には、改質ガスはさらにシフト反応器や選択酸化反応器に通してCO濃度を低下させた後に、燃料電池に供給されるものである。また、第二流路4内にシフト反応用の触媒や選択酸化反応用の触媒を組み込むことによって、改質装置からCO濃度を低下させた改質ガスを取り出すことも可能である。
【0025】
そして上記の実施の形態にあって、改質反応筒6の連通部5は、第一流路3の内側の筒壁8の一端を外側へ湾曲させて延出すると共にこの延出片9の先端を第二流路4の外側の筒壁10に接合することによって形成してあり、第一流路3の内側の筒壁8には接合部は存在しないので、燃焼部7との接続箇所である連通部5の付近に高温が作用しても、第一流路3の内側の筒壁8の接合部が破損されることによる問題を未然に防ぐことができるものである。また延出部9と第二流路4の外側の筒壁10との接合部35は、改質反応筒6と燃焼部7の接合箇所から離れていて燃焼部7からの燃焼ガスと接触することがなく、高温に加熱されることはないので、この接合部35が熱応力によって破損するようなおそれはないものである。このように、連通部5において接合部35に対する熱応力を軽減して、接合部35の信頼性を高めることができるものである。
【0026】
図3は本発明の他の実施の形態の一例を示すものである。すなわち、図2の実施の形態では、第一流路3の内側の筒壁8の延出片9の先端の側面を第二流路4の外側の筒壁10の先端面に接合するようにしているため、接合部35は直角の接合で形成されており、接合部35に応力集中が生じ易く、比較的低温の作用でも破損が生じる可能性がある。そこで図3の実施の形態では、延出片9を断面半円形状に凸湾曲させて延出し、延出片9の先端の端面を第二流路4の外側の筒壁10の下端の端面に接合させるようにしてある。その他の構成は図1及び図2の実施の形態と同じである。
【0027】
このように延出片9と第二流路4の外側の筒壁10とを端面同士で接合することによって、接合部35に応力集中が生じ難くなる。しかも接合部35は、図2の場合よりも、燃焼ガスで加熱される箇所から遠くなって高温がより作用し難くなる。このために、接合部35に対する熱応力を一層軽減して、接合部35の信頼性を高めることができるものである。
【0028】
図4は本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、燃焼部7の燃焼ガス導入流路14を囲む筒体33の先端縁を、改質反応筒6の内側の筒壁8の内面に接合するにあたって、筒体33と改質反応筒6の内側の筒壁8との間に弾性体11を全周に亘って介在させるようにしてある。この弾性体11としては、例えばセラミックファイバーを成形したシール材など耐熱性を有するものを用いることができる。その他の構成は図1及び図3の実施の形態と同じである。
【0029】
このように改質反応筒6の内周に弾性体11を介して燃焼部7を接合することによって、改質反応筒6と燃焼部7との接合部に熱応力が集中しても、この熱応力は弾性体11が変形することによって緩和されるものであり、改質反応筒6と燃焼部7との接合部が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。
【0030】
図5は本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、弾性体11として金属筒を凹凸加工して形成した蛇腹12を用いるようにしてある。この蛇腹12の下端部の内周を燃焼部7の筒体33の上端部の外周に接合すると共に蛇腹12の上端部の外周を改質反応筒6の内側の筒壁8の内周に接合することによって、改質反応筒6の内周に弾性体11を介して燃焼部7を接合するようにしてある。その他の構成は図1及び図3の実施の形態と同じである。
【0031】
このように弾性体11として伸縮自在な蛇腹12を用い、一端部を燃焼部7に、他端部を改質反応筒6に接合することによって、燃焼部7と改質反応筒6との接合部に熱応力が集中しても、この熱応力は蛇腹12が伸縮変形することによって緩和されるものであり、燃焼部7と改質反応筒6との接合部が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。また金属で形成される蛇腹12は同じく金属で形成される改質反応筒6の壁筒8や燃焼部7の筒体33と溶接や蝋付けで完全気密的に接合することができるものであり、弾性体11としてシール材を用いる場合よりも、燃焼ガスのガス漏れを完全に防ぐことができるので、この点でも好ましい。
【0032】
図6は本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、燃焼部7の燃焼ガス導入流路14を囲む筒体33の先端縁を、改質反応筒6の内側の筒壁8の内面に接合するにあたって、この筒体33の内周面に全周に亘って燃焼ガス導入流路14を囲むように筒状の断熱材15が設けてある。断熱材15としてはセラミック材など高温に耐えるものを用いるのが好ましい。その他の構成は図1及び図3の実施の形態と同じである。
【0033】
このように、燃焼部7の燃焼ガス流入流路14に断熱材15を設けることによって、燃焼ガス流入流路14を通過する燃焼ガスの熱が、改質反応筒6の外側の筒壁10と内側の筒壁8の延出片9との接合部35に作用することを、断熱材15で遮断して防ぐことができるものであり、改質反応筒6の連通部5の接合部35が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。また、燃焼ガス流入流路14を通過する燃焼ガスの熱が筒体33と改質反応筒6の内側の筒壁8との接合部に作用することを、断熱材15で遮断して防ぐことができるものであり、燃焼部7と改質反応筒6の接合部が熱応力で破損されることを防ぐこともできるものである。
【0034】
図7は本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、改質反応筒6の外側の筒壁10の下端を下方へ延長して延長片16を全周に亘って設け、この延長片16の基部の内面に、内側の筒壁8の下端に延出して設けた延出片9の先端を全周に亘って接合することによって、連通部5を形成するようにしてある。そしてこの延長片16によって燃焼部7の燃焼ガス導入流路14を形成する筒体33が形成されるようにしてあり、延長片16の内周に燃焼ガス導入流路14を囲む断熱材15を設けるようにしてある。その他の構成は図1の実施の形態と同じである。
【0035】
このものでは、改質反応筒6の外側の筒壁10の一端から一体に延長した延長片16で燃焼部7の燃焼ガス導入流路14を形成する筒体33が形成されるものであり、この延長片16によって燃焼部7は改質反応筒6に一体化されるものである。従って、燃焼部7を改質反応筒6に取り付けるための接合部が存在しなくなり、燃焼部7と改質反応筒6の間の接合部の熱応力による破損の問題もなくなるものである。また、燃焼部7の燃焼ガス流入流路14に断熱材15を設けてあるので、燃焼ガス流入流路14を通過する燃焼ガスの熱が、延長片16と延出片9との接合部35に作用することを、断熱材15で遮断して防ぐことができるものであり、改質反応筒6の連通部5の接合部35が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。このとき、図7に示すように、燃焼ガス導入流路14から燃焼ガス流路1へと流れ出す側の断熱材15の端面が接合部35に接するように、断熱材15を配置することによって、燃焼ガスが接合部35に作用し難くなるものであり、接合部35の破損をより有効に防ぐことができるものである。
【0036】
図8は本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、改質反応筒6の内側の筒壁8の延出片9を内方から覆うように、燃焼ガス導入流路14から燃焼ガス流路1へと流れ出す側の断熱材15の端面に覆い片18が一体に突設してある。その他の構成は図1及び図7の実施の形態と同じである。
【0037】
このものでは、改質反応筒6の内側の筒壁8の延出片9と外側の筒壁10の延長片16との接合部35を断熱材15の一部である覆い片18で覆って保護することができ、燃焼部7の燃焼ガス流入流路14から改質反応筒6の燃焼ガス流路1へと流れる燃焼ガスが、断熱材15の先端面を回り込んで接合部35に作用することを覆い片18で遮断して防ぐことができるものであり、改質反応筒6の連通部5の接合部35が熱応力で破損されることを確実に防ぐことができるものである。
【0038】
図9は本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、改質反応筒6の内側の筒壁8の下端に下方へ向け外側に断面円弧状に延出して下面側が凸湾曲する延出片9を形成するにあたって、延出片9を断面略S字状に屈曲することによって、延出片9の先端部が全周に亘って外側の筒壁10の延長片16と平行になるように形成してある。そしてこの延出片9の先端の平行部17を延長片16の基部の内面に接合することによって、延出片9で連通部5を形成するようにしてある。その他の構成は図1及び図8の実施の形態と同じである。
【0039】
上記の図7及び図8の実施の形態では、内側の筒壁8の延出片9はその先端面を外側の壁筒10の延長片16の内周面に接合してあり、接合部35は直角の接合で形成されていて応力集中が生じ易い。これに対して、延出片9の先端に平行部17を設けて延長片16に接合することによって、平行な面で接合を行なうことができ、接合部35に応力集中が生じ難くなるものであり、接合部35に対する熱応力を軽減して、接合部35の信頼性を高めることができるものである。
【0040】
図10は本発明の実施の形態の他の一例を示すものであり、改質反応筒6の外側の筒壁10の延長片16の基部に内側の筒壁8の延出片9を接合すると共に、延長片16の先端部に燃焼部7の燃焼ガス導入流路14の筒体33を接合するようにし、筒体33から延長片16にかけて断熱材15を設けるようにしたものである。延長片16と筒体33との接合は溶接や蝋付けでもよいが、図10の実施の形態のようにフランジ39,39で接合するようにしてもよい。このものでは、延長片16に延出片9を接合するにあたって、接合部から延長片16の端部までの距離が短くなるので、接合する際の溶接等の作業を延長片16の端部の外側から容易に行なうことができるものである。
【0041】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る改質装置は、燃焼ガスが通過する燃焼ガス流路と、燃焼ガス流路の外側に沿って設けられ、改質触媒を有する筒状の第一の流路と、第一の流路の外側に沿って設けられた筒状の第二の流路と、第一の流路と第二の流路の一端同士を連通させる連通部とを備えて改質反応筒を形成し、改質反応筒の連通部を設けた側の端部に燃料を燃焼して燃焼ガスを排出する燃焼部を接続すると共に、燃焼部から排出される燃焼ガスを上記燃焼ガス流路に通過させることによって第一の流路をこの燃焼ガスで加熱し、第一の流路から連通部を介して第二の流路へと通過させる燃料ガスと水蒸気とを改質触媒の作用で水蒸気改質反応させて水素に富んだ改質ガスを生成する改質装置において、第一の流路の内側の筒壁の一端を外側へ湾曲させて延出すると共に、この延出片の先端を第二の流路の外側の筒壁に接合することによって、第一の流路と第二の流路の一端同士を連通する上記の連通部を形成するようにしたので、連通部において第一流路の内側の筒壁に対する接合部は存在しなくなり、連通部の部分に高温が作用して第一流路の内側の筒壁の接合部が破損されるような問題を未然に防ぐことができるものである。また延出部と第二流路の外側の筒壁との接合部は、改質反応筒と燃焼部の接合箇所から離すことができ、この接合部が高温が作用することを軽減することができるものである。この結果、第一の流路と第二の流路の連通部に形成される接合部に作用する熱応力を軽減し、接合部が破損することを防ぐことができるものである。
【0042】
また請求項2の発明は、請求項1において、第一の流路の内側の筒壁の延出片の端面と第二の流路の外側の筒壁の一端の端面とを接合するようにしたので、接合部に応力集中が生じ難くすることができ、接合部に対する熱応力を一層軽減して、接合部の信頼性を高めることができるものである。
【0043】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、改質反応筒に、弾性体を介して燃焼部を接合するようにしたので、改質反応筒と燃焼部との接合部に熱応力が集中しても、この熱応力を弾性体が変形することによって緩和することができ、接合部が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。
【0044】
また請求項4の発明は、請求項3において、弾性体として金属の蛇腹を用いるようにしたので、蛇腹が伸縮することによって改質反応筒と燃焼部との接合部の熱応力を緩和することができ、接合部が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。
【0045】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、第一の流路の内側の筒壁に燃焼部を接合し、燃焼部の内周の筒壁への接合部の付近の内周に断熱材を設けるようにしたので、燃焼ガスの熱がこの接合部に直接作用することを断熱材で遮断することができ、接合部に対する熱応力を軽減して接合部が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。
【0046】
また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、燃料を燃焼するバーナと、発生する燃焼ガスを燃焼ガス流路に導入する燃焼ガス導入流路とを備えて燃焼部を形成し、燃焼ガス導入流路を囲むように断熱材を設けるようにしたので、燃焼ガス流入流路を通過して燃焼ガス流路に流れる燃焼ガスの熱が、連通部における外側の筒壁と内側の筒壁の延出片との接合部に作用することを、断熱材で遮断して防ぐことができるものであり、連通部の接合部が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。
【0047】
また請求項7の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、第二の流路の外側の筒壁の連通部側の端部を延長すると共にこの延長片の内面に第一の流路の内側の筒壁の上記延出片の先端を接合し、この延長片の内側に燃焼部の燃焼ガス導入流路を形成すると共に、延長片の内側に断熱材を設けるようにしたので、延長片によって燃焼部を改質反応筒に一体化することができ、燃焼部を改質反応筒に取り付けるための接合部が存在しなくなって、燃焼部と改質反応筒の間の接合部が熱応力で破損されるような問題もなくなるものである。しかも燃焼ガス流入流路を通過する燃焼ガスの熱が、延長片と延出片との接合部に作用することを、断熱材で遮断して防ぐことができるものであり、改質反応筒の連通部の接合部が熱応力で破損されることを防ぐことができるものである。
【0048】
また請求項8の発明は、請求項7において、断熱材に突出して設けた覆い片で上記延出片を覆うようにしたので、燃焼ガス流入流路を通過する燃焼ガスが断熱材を回り込んで延出片に作用することを、覆い片で遮断して防ぐことができるものであり、改質反応筒の連通部の接合部が熱応力で破損されることを確実に防ぐことができるものである。
【0049】
また請求項9の発明は、請求項7又は8において、上記延出片の先端部に上記延長片と略平行な平行部を形成し、延出片の平行部を延長片の内面に接合するようにしたので、延出片と延長片を平行な面で接合することができ、接合部に応力集中が生じ難くなるものであり、接合部に対する熱応力を軽減して、接合部の信頼性を高めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
【図2】図1のA部を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態の一例を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の一例を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態の一例を示す拡大断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態の一例を示す拡大断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の一例を示す拡大断面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の一例を示す拡大断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態の一例を示す拡大断面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態の一例を示す拡大断面図である。
【図11】従来例を示す断面図である。
【図12】従来例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼ガス流路
2 改質触媒
3 第一の流路
4 第二の流路
5 連通部
6 改質反応筒
7 燃焼部
8 第一の流路の内側の筒壁
9 延出片
10 第二の流路の外側の筒壁
11 弾性体
12 蛇腹
13 バーナ
14 燃焼ガス導入流路
15 断熱材
16 延長片
17 平行部
18 覆い片
Claims (9)
- 燃焼ガスが通過する燃焼ガス流路と、燃焼ガス流路の外側に沿って設けられ、改質触媒を有する筒状の第一の流路と、第一の流路の外側に沿って設けられた筒状の第二の流路と、第一の流路と第二の流路の一端同士を連通させる連通部とを備えて改質反応筒を形成し、改質反応筒の連通部を設けた側の端部に燃料を燃焼して燃焼ガスを排出する燃焼部を接続すると共に、燃焼部から排出される燃焼ガスを上記燃焼ガス流路に通過させることによって第一の流路をこの燃焼ガスで加熱し、第一の流路から連通部を介して第二の流路へと通過させる燃料ガスと水蒸気とを改質触媒の作用で水蒸気改質反応させて水素に富んだ改質ガスを生成する改質装置において、第一の流路の内側の筒壁の一端を外側へ湾曲させて延出すると共に、この延出片の先端を第二の流路の外側の筒壁に接合することによって、第一の流路と第二の流路の一端同士を連通する上記の連通部を形成して成ることを特徴とする改質装置。
- 第一の流路の内側の筒壁の延出片の端面と第二の流路の外側の筒壁の一端の端面とを接合して成ることを特徴とする請求項1に記載の改質装置。
- 改質反応筒に、弾性体を介して燃焼部を接合して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の改質装置。
- 弾性体として金属の蛇腹を用いて成ることを特徴とする請求項3に記載の改質装置。
- 第一の流路の内側の筒壁に燃焼部を接合し、燃焼部の内周の筒壁への接合部の付近の内周に断熱材を設けて成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の改質装置。
- 燃料を燃焼するバーナと、発生する燃焼ガスを燃焼ガス流路に導入する燃焼ガス導入流路とを備えて燃焼部を形成し、燃焼ガス導入流路を囲むように断熱材を設けて成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の改質装置。
- 第二の流路の外側の筒壁の連通部側の端部を延長すると共にこの延長片の内面に第一の流路の内側の筒壁の上記延出片の先端を接合し、この延長片の内側に燃焼部の燃焼ガス導入流路を形成すると共に、延長片の内側に断熱材を設けて成ることを特徴とする請求項6に記載の改質装置。
- 断熱材に突出して設けた覆い片で上記延出片を覆って成ることを特徴とする請求項7に記載の改質装置。
- 上記延出片の先端部に上記延長片と略平行な平行部を形成し、延出片の平行部を延長片の内面に接合して成ることを特徴とする請求項7又は8に記載の改質装置。
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-
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