JP2004256316A - 良質コンクリート - Google Patents
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Abstract
【課題】強度及びコストの両方を満足できるとともに、骨材自体の改善を図ることにより高強度でかつ良好な流動性を有する良質コンクリートを提供する。
【解決手段】鹿児島県桜島火山の火山灰および火山礫をベースとする細骨材と、セメントに対する比率1〜30Wt%(細骨材に元々含まれる微粉末量を含む)の桜島火山灰由来の微粉末からなる混和材と、セメント硬化材とを含む良質コンクリート。
【解決手段】鹿児島県桜島火山の火山灰および火山礫をベースとする細骨材と、セメントに対する比率1〜30Wt%(細骨材に元々含まれる微粉末量を含む)の桜島火山灰由来の微粉末からなる混和材と、セメント硬化材とを含む良質コンクリート。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、骨材とセメント硬化材とを含むコンクリートに関し、詳細には高いポゾラン活性を有しかつ優れた流動性を有する新規な混和材と細骨材を使用することにより高強度,低コストを可能とした良質コンクリートに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートは骨材とセメント硬化体とを含む複合材料である。この内細骨材には、JISA5308付属書1に規定されている主に物理的な特性を満足する材料が採用されており、一般的には川砂や海砂のような自然砂が使用されている。しかしこのような自然砂は、資源枯渇とともに環境問題を惹起するといった問題があり、今後採取が制限される状況にある。
【0003】
このような自然砂に代わる細骨材として、最近では、例えば高炉スラグ砂やスチールファイバ等の砕砂,人工骨材が一部使用されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−61710号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平6−115988号公報
【0006】
【発明が解決すようとする課題】
しかしながら上記人工骨材等を採用した場合は、強度及びコストの面で十分満足できるものではなく、新規な骨材の出現が要請されている。
【0007】
一方、コンクリートの強度は、一般的には骨材の種類にそれほど影響されないといわれている。そのため従来、骨材の改善によりコンクリートの強度の向上を図ろうとする試みはほとんどなされていないのが実情である。
【0008】
またコンクリートの作業性,成形性を改善するための流動特性についても、単位水量に影響を及ぼす粗粒率や実績率を管理することによりスランプ値をコントロールすることに重点が置かれ、骨材そのものの流動性については考慮されていないというのが実情である。
【0009】
本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであり、強度及びコストの両方を満足できるとともに、骨材自体(主に細骨材)の改善を図ることにより高強度でかつ良好な流動性を有する良質コンクリートを提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
コンクリート中の細骨材とセメントとの密着強度が向上すれば、コンクリート強度も向上すると考えられる。従ってセメントとの密着強度を向上できる細骨材を用いることによりコンクリートの強度を向上できるものと考えられる。
【0011】
一方、流動性向上の観点から細骨材を選択するとともに、流動性改善効果のあるものを混合することにより流動性ひいてはコンクリート打設の作業性,成形性を改善できるものと考えられる。
【0012】
そこで請求項1の発明は、鹿児島県桜島火山の火山灰および火山礫をベースとする細骨材と、セメント硬化材と、該セメント硬化材に対する比率1〜30Wt%(細骨材に元々含まれる微粉末量を含む)の桜島火山灰由来の微粉末からなる混和材とを含むことを特徴とする良質コンクリートである。
【0013】
ここで、本発明において、桜島火山灰/礫からなる細骨材にセメント比1〜30Wt%(細骨材に元々含まれる微粉末量を含む)の桜島火山灰由来の微粉末からなる混和材を添加したのは、以下の理由による。
【0014】
桜島火山灰由来の、微粉末を1Wt%以上添加することによりセメントとの密着性がより一層向上し、コンクリート強度が高くなることが確認された。一方、微粉末が30Wt%を超えるとフレッシュコンクリートの単位水量が著しく増加し、実用可能なコンクリートが得られなくなるおそれがある。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1において、上記細骨材が、57〜68%のSiO2 濃度を有する安山岩質火山排出物を40wt%以上含むものであり、上記微粉末が、粒子サイズ0.075mm以下の安山岩質火山排出粉末からなるものであることを特徴としている。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2において、上記細骨材が、火山岩を破砕したもの、川砂、海砂,又は砕砂からなる粒度調整材の少なくとも1種を含むことを特徴としている。
【0017】
【発明の作用効果】
発明に係る良質コンクリートによれば、桜島火山灰及び火山礫をベースとした細骨材を採用したので、桜島火山灰/礫が有する高いポゾラン活性によりセメントとの密着性を向上でき、それだけコンクリート強度を高めることができる。そして上記桜島火山灰/礫からなる細骨材に桜島火山灰由来の1〜30Wt%微粉末からなる混和材を添加したので、セメントとの密着性をより一層向上できるとともに、フレッシュコンクリートとして良好な流動性を得ることができ、コンクリート打設の作業性,成形性を向上できる。
【0018】
また本発明は、従来無用のものとされてきた、桜島火山灰/礫,及び桜島火山由来の微粉末を良質コンクリート製造のための有効資源として活用できるので、従来桜島火山灰/礫の処理に要していた大きな処理コストを不要にできるとともに高強度でかつ低コストな良質コンクリートを提供できる。
【0019】
【表1】
【0020】
表1は、桜島火山灰/礫及び従来使用されている海砂の物理化学的特性を示す。同表において、採取場所が〜川となっているものが桜島火山灰/礫であり、これらは桜島近辺の各河川から採取したものである。また海砂は鹿児島湾近辺の海岸から採取したものである。同表から、桜島火山灰/礫は、比重は大きく,吸水率は低く、また単位容積重量,実績率,粗粒率,有機不純物,洗い試験等は海砂と略同様であることがわかる。
【0021】
図1ないし図5は、それぞれ桜島火山灰/礫を細骨材としたコンクリートの圧縮強度,引張強度,曲げ強度,磨耗堆抗性,耐酸性について行った試験結果を示している。この各種の試験結果から、桜島火山灰/礫を骨材としたコンクリートは以下の特長を有しているといえる。
(1)海砂コンクリートより圧縮強度,引張強度及び曲げ強度の高いコンクリートが得られる。
(2)単位セメントの削減が可能である。
(3)磨耗堆抗性,耐酸性が海砂コンクリートより高い。
(4)打設したコンクリートの仕上がり色が落ち着いたグレー色である。
(5)フロー値が高い。
【0022】
これらの結果から、桜島火山灰/礫は高いポゾラン活性を有し、かつ良好な流動性を有していることが判明した。従って桜島火山灰/礫を細骨材として採用することにより、上述の課題を解決できる良質なコンクリートが得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明のコンクリートは、鹿児島県桜島火山の火山灰及び火山礫からなる細骨材と、セメント硬化材と、該セメント硬化材に対する比率が1〜30Wt%の桜島火山灰由来の微粉末からなる混和材とから構成されている。
【0024】
上記骨材は、57〜68%のSiO2 濃度を有する安山岩質火山排出物を40wt%以上,好ましくは50%以上含み、残部が細骨材として一般的に使用されている川砂,海砂,砕砂を含むものからなる。また上記微粉末は、0.075mmのふるいを通過した粒子サイズを有する安山岩質火山排出粉末からなるものである。
【0025】
次に、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
〔実験例1〕
【0026】
【表2】
【0027】
実験例1では、表2の配合表に示すように、桜島火山灰/礫を細骨材(細骨材率46%)とし、これに粗骨材とともに、水,セメントを水セメント比68.5%,67%となるように混合してコンクリート供試体(試料番号1,2)を作製し、これの材令(月)に伴う圧縮強度の変化を測定した。また比較するために細骨材として汎用されている海砂を使用した海砂コンクリー供試体を作製し、同様の測定を行った。
【0028】
図6は、実験例1の結果を示しており、同図からも明らかなように、桜島火山灰/ 礫を細骨材として用いたコンクリート供試体1,2は、何れも圧縮強度が材令に伴って増加しており、材令3〜6月では圧縮強度が400Kgf/cm2 となっている。これは海砂コンクリート供試体に比べて2〜3割程度高い値を示している。この圧縮強度の向上は、例えば桜島火山灰/ 礫の1/2を川砂、海砂、砕砂等の他の細骨材に置き換えた場合にも見られ、大きな経済的メリットがあるといえる。
〔実験例2〕
【0029】
【表3】
【0030】
実験例2では、表3の配合表に示すように、桜島火山灰/礫を細骨材(細骨材率43〜41%)とし、これに桜島火山灰由来の微粉末を添加し、さらに粗骨材とともに、水,セメントを水セメント比50%となるように混合してコンクリート供試体を作製した。そして微粉末の添加量をセメント比0〜30wt%(細骨材に元々含まれる微粉末量を含む)と変化させたときの圧縮強度及び単位水量の変化を調べた。
【0031】
図7及び図8は実験例2の結果を示している。図7に示すように、微粉末の添加量がゼロの場合にも圧縮強度は47N/mm2 と高い値を示しているが、微粉末を添加することにより圧縮強度は向上していることが分かる。例えば、微粉末の添加量を20%とした場合には、圧縮強度が50N/mm2 と最も高い値を示しており、これは高強度コンクリートと同等以上の値である。
【0032】
一方、図8に示すように、微粉末の添加量が30%を超えるとフレッシュコンクリートの単位水量が200kg/m3 と著しく増加する傾向があり、実用可能なコンクリートでなくなってしまうおそれがある。従って、微粉末の添加量は1〜30wt%(細骨材に元々含まれる微粉末量を含む)とするのが望ましい。
〔実験例3〕
【0033】
【表4】
【0034】
実験例3では、表4の配合表に示すように、桜島火山の火山灰/礫を細骨材(細骨材率43〜47%)とし、これに桜島火山由来の微粉末を細骨材比8%添加し、さらに粗骨材とともに、水,セメントを水セメント比50〜70%となるように混合してコンクリート供試体を作製した。そしてセメント水比を2.0〜1.43と変化させたときの圧縮強度を測定するとともに、単位水量を変化させたときのスランプ値を測定した。また比較するために、細骨材として汎用されている海砂を使用した海砂コンクリート供試体を作製し、これについても同様の測定を行った。
【0035】
図9及び図10は実験例3の結果を示している。図9に示すように、微粉末の添加量を細骨材比8%とし、セメント水比を1.43〜2.0とすることにより、圧縮強度は35〜50N/mm2 と極めて高い値が得られており、海砂コンクリートより高強度であることが分かる。
【0036】
また、図10に示すように、同じスランプ値を得るために必要な単位水量は、本実施形態の火山灰/礫を細骨材としたコンクリートにおいて少ない。
【0037】
このように、桜島火山灰/ 礫からなる細骨材に所定量の微粉末を添加することによって、高強度でかつセメント量の少ない低コストの良質コンクリートが製造可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の桜島火山灰/礫をベースとした細骨材の材令−圧縮強度の関係を示す特性図である。
【図2】本発明の桜島火山灰/礫をベースとした細骨材の材令−引張強度の関係を示す特性図である。
【図3】本発明の桜島火山灰/礫をベースとした細骨材の材令−曲げ強度の関係を示す特性図である。
【図4】本発明の桜島火山灰/礫をベースとした細骨材の時間−磨耗率の関係を示す特性図である。
【図5】本発明の桜島火山灰/礫をベースとした細骨材の材令−重量減少率の関係を示す特性図である。
【図6】本発明の良質コンクリートの効果を確認するために行った材齢−圧縮強度の関係を示す特性図である。
【図7】本発明の良質コンクリートの効果を確認するために行った微粉末添加量−圧縮強度の関係を示す特性図である。
【図8】本発明の良質コンクリートの効果を確認するために行った微粉末添加量−単位水量の関係を示す特性図である。
【図9】本発明の良質コンクリートの効果を確認するために行ったセメント水比−圧縮強度の関係を示す特性図である。
【図10】本発明の良質コンクリートの効果を確認するために行った単位水量−スランプの関係を示す特性図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、骨材とセメント硬化材とを含むコンクリートに関し、詳細には高いポゾラン活性を有しかつ優れた流動性を有する新規な混和材と細骨材を使用することにより高強度,低コストを可能とした良質コンクリートに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートは骨材とセメント硬化体とを含む複合材料である。この内細骨材には、JISA5308付属書1に規定されている主に物理的な特性を満足する材料が採用されており、一般的には川砂や海砂のような自然砂が使用されている。しかしこのような自然砂は、資源枯渇とともに環境問題を惹起するといった問題があり、今後採取が制限される状況にある。
【0003】
このような自然砂に代わる細骨材として、最近では、例えば高炉スラグ砂やスチールファイバ等の砕砂,人工骨材が一部使用されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−61710号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平6−115988号公報
【0006】
【発明が解決すようとする課題】
しかしながら上記人工骨材等を採用した場合は、強度及びコストの面で十分満足できるものではなく、新規な骨材の出現が要請されている。
【0007】
一方、コンクリートの強度は、一般的には骨材の種類にそれほど影響されないといわれている。そのため従来、骨材の改善によりコンクリートの強度の向上を図ろうとする試みはほとんどなされていないのが実情である。
【0008】
またコンクリートの作業性,成形性を改善するための流動特性についても、単位水量に影響を及ぼす粗粒率や実績率を管理することによりスランプ値をコントロールすることに重点が置かれ、骨材そのものの流動性については考慮されていないというのが実情である。
【0009】
本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであり、強度及びコストの両方を満足できるとともに、骨材自体(主に細骨材)の改善を図ることにより高強度でかつ良好な流動性を有する良質コンクリートを提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
コンクリート中の細骨材とセメントとの密着強度が向上すれば、コンクリート強度も向上すると考えられる。従ってセメントとの密着強度を向上できる細骨材を用いることによりコンクリートの強度を向上できるものと考えられる。
【0011】
一方、流動性向上の観点から細骨材を選択するとともに、流動性改善効果のあるものを混合することにより流動性ひいてはコンクリート打設の作業性,成形性を改善できるものと考えられる。
【0012】
そこで請求項1の発明は、鹿児島県桜島火山の火山灰および火山礫をベースとする細骨材と、セメント硬化材と、該セメント硬化材に対する比率1〜30Wt%(細骨材に元々含まれる微粉末量を含む)の桜島火山灰由来の微粉末からなる混和材とを含むことを特徴とする良質コンクリートである。
【0013】
ここで、本発明において、桜島火山灰/礫からなる細骨材にセメント比1〜30Wt%(細骨材に元々含まれる微粉末量を含む)の桜島火山灰由来の微粉末からなる混和材を添加したのは、以下の理由による。
【0014】
桜島火山灰由来の、微粉末を1Wt%以上添加することによりセメントとの密着性がより一層向上し、コンクリート強度が高くなることが確認された。一方、微粉末が30Wt%を超えるとフレッシュコンクリートの単位水量が著しく増加し、実用可能なコンクリートが得られなくなるおそれがある。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1において、上記細骨材が、57〜68%のSiO2 濃度を有する安山岩質火山排出物を40wt%以上含むものであり、上記微粉末が、粒子サイズ0.075mm以下の安山岩質火山排出粉末からなるものであることを特徴としている。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2において、上記細骨材が、火山岩を破砕したもの、川砂、海砂,又は砕砂からなる粒度調整材の少なくとも1種を含むことを特徴としている。
【0017】
【発明の作用効果】
発明に係る良質コンクリートによれば、桜島火山灰及び火山礫をベースとした細骨材を採用したので、桜島火山灰/礫が有する高いポゾラン活性によりセメントとの密着性を向上でき、それだけコンクリート強度を高めることができる。そして上記桜島火山灰/礫からなる細骨材に桜島火山灰由来の1〜30Wt%微粉末からなる混和材を添加したので、セメントとの密着性をより一層向上できるとともに、フレッシュコンクリートとして良好な流動性を得ることができ、コンクリート打設の作業性,成形性を向上できる。
【0018】
また本発明は、従来無用のものとされてきた、桜島火山灰/礫,及び桜島火山由来の微粉末を良質コンクリート製造のための有効資源として活用できるので、従来桜島火山灰/礫の処理に要していた大きな処理コストを不要にできるとともに高強度でかつ低コストな良質コンクリートを提供できる。
【0019】
【表1】
【0020】
表1は、桜島火山灰/礫及び従来使用されている海砂の物理化学的特性を示す。同表において、採取場所が〜川となっているものが桜島火山灰/礫であり、これらは桜島近辺の各河川から採取したものである。また海砂は鹿児島湾近辺の海岸から採取したものである。同表から、桜島火山灰/礫は、比重は大きく,吸水率は低く、また単位容積重量,実績率,粗粒率,有機不純物,洗い試験等は海砂と略同様であることがわかる。
【0021】
図1ないし図5は、それぞれ桜島火山灰/礫を細骨材としたコンクリートの圧縮強度,引張強度,曲げ強度,磨耗堆抗性,耐酸性について行った試験結果を示している。この各種の試験結果から、桜島火山灰/礫を骨材としたコンクリートは以下の特長を有しているといえる。
(1)海砂コンクリートより圧縮強度,引張強度及び曲げ強度の高いコンクリートが得られる。
(2)単位セメントの削減が可能である。
(3)磨耗堆抗性,耐酸性が海砂コンクリートより高い。
(4)打設したコンクリートの仕上がり色が落ち着いたグレー色である。
(5)フロー値が高い。
【0022】
これらの結果から、桜島火山灰/礫は高いポゾラン活性を有し、かつ良好な流動性を有していることが判明した。従って桜島火山灰/礫を細骨材として採用することにより、上述の課題を解決できる良質なコンクリートが得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明のコンクリートは、鹿児島県桜島火山の火山灰及び火山礫からなる細骨材と、セメント硬化材と、該セメント硬化材に対する比率が1〜30Wt%の桜島火山灰由来の微粉末からなる混和材とから構成されている。
【0024】
上記骨材は、57〜68%のSiO2 濃度を有する安山岩質火山排出物を40wt%以上,好ましくは50%以上含み、残部が細骨材として一般的に使用されている川砂,海砂,砕砂を含むものからなる。また上記微粉末は、0.075mmのふるいを通過した粒子サイズを有する安山岩質火山排出粉末からなるものである。
【0025】
次に、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
〔実験例1〕
【0026】
【表2】
【0027】
実験例1では、表2の配合表に示すように、桜島火山灰/礫を細骨材(細骨材率46%)とし、これに粗骨材とともに、水,セメントを水セメント比68.5%,67%となるように混合してコンクリート供試体(試料番号1,2)を作製し、これの材令(月)に伴う圧縮強度の変化を測定した。また比較するために細骨材として汎用されている海砂を使用した海砂コンクリー供試体を作製し、同様の測定を行った。
【0028】
図6は、実験例1の結果を示しており、同図からも明らかなように、桜島火山灰/ 礫を細骨材として用いたコンクリート供試体1,2は、何れも圧縮強度が材令に伴って増加しており、材令3〜6月では圧縮強度が400Kgf/cm2 となっている。これは海砂コンクリート供試体に比べて2〜3割程度高い値を示している。この圧縮強度の向上は、例えば桜島火山灰/ 礫の1/2を川砂、海砂、砕砂等の他の細骨材に置き換えた場合にも見られ、大きな経済的メリットがあるといえる。
〔実験例2〕
【0029】
【表3】
【0030】
実験例2では、表3の配合表に示すように、桜島火山灰/礫を細骨材(細骨材率43〜41%)とし、これに桜島火山灰由来の微粉末を添加し、さらに粗骨材とともに、水,セメントを水セメント比50%となるように混合してコンクリート供試体を作製した。そして微粉末の添加量をセメント比0〜30wt%(細骨材に元々含まれる微粉末量を含む)と変化させたときの圧縮強度及び単位水量の変化を調べた。
【0031】
図7及び図8は実験例2の結果を示している。図7に示すように、微粉末の添加量がゼロの場合にも圧縮強度は47N/mm2 と高い値を示しているが、微粉末を添加することにより圧縮強度は向上していることが分かる。例えば、微粉末の添加量を20%とした場合には、圧縮強度が50N/mm2 と最も高い値を示しており、これは高強度コンクリートと同等以上の値である。
【0032】
一方、図8に示すように、微粉末の添加量が30%を超えるとフレッシュコンクリートの単位水量が200kg/m3 と著しく増加する傾向があり、実用可能なコンクリートでなくなってしまうおそれがある。従って、微粉末の添加量は1〜30wt%(細骨材に元々含まれる微粉末量を含む)とするのが望ましい。
〔実験例3〕
【0033】
【表4】
【0034】
実験例3では、表4の配合表に示すように、桜島火山の火山灰/礫を細骨材(細骨材率43〜47%)とし、これに桜島火山由来の微粉末を細骨材比8%添加し、さらに粗骨材とともに、水,セメントを水セメント比50〜70%となるように混合してコンクリート供試体を作製した。そしてセメント水比を2.0〜1.43と変化させたときの圧縮強度を測定するとともに、単位水量を変化させたときのスランプ値を測定した。また比較するために、細骨材として汎用されている海砂を使用した海砂コンクリート供試体を作製し、これについても同様の測定を行った。
【0035】
図9及び図10は実験例3の結果を示している。図9に示すように、微粉末の添加量を細骨材比8%とし、セメント水比を1.43〜2.0とすることにより、圧縮強度は35〜50N/mm2 と極めて高い値が得られており、海砂コンクリートより高強度であることが分かる。
【0036】
また、図10に示すように、同じスランプ値を得るために必要な単位水量は、本実施形態の火山灰/礫を細骨材としたコンクリートにおいて少ない。
【0037】
このように、桜島火山灰/ 礫からなる細骨材に所定量の微粉末を添加することによって、高強度でかつセメント量の少ない低コストの良質コンクリートが製造可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の桜島火山灰/礫をベースとした細骨材の材令−圧縮強度の関係を示す特性図である。
【図2】本発明の桜島火山灰/礫をベースとした細骨材の材令−引張強度の関係を示す特性図である。
【図3】本発明の桜島火山灰/礫をベースとした細骨材の材令−曲げ強度の関係を示す特性図である。
【図4】本発明の桜島火山灰/礫をベースとした細骨材の時間−磨耗率の関係を示す特性図である。
【図5】本発明の桜島火山灰/礫をベースとした細骨材の材令−重量減少率の関係を示す特性図である。
【図6】本発明の良質コンクリートの効果を確認するために行った材齢−圧縮強度の関係を示す特性図である。
【図7】本発明の良質コンクリートの効果を確認するために行った微粉末添加量−圧縮強度の関係を示す特性図である。
【図8】本発明の良質コンクリートの効果を確認するために行った微粉末添加量−単位水量の関係を示す特性図である。
【図9】本発明の良質コンクリートの効果を確認するために行ったセメント水比−圧縮強度の関係を示す特性図である。
【図10】本発明の良質コンクリートの効果を確認するために行った単位水量−スランプの関係を示す特性図である。
Claims (3)
- 鹿児島県桜島火山の火山灰および火山礫からなる細骨材と、セメント硬化材と、該セメント硬化材に対する比率1〜30Wt%(細骨材に元々含まれる微粉末量を含む)の桜島火山灰由来の微粉末からなる混和材とを含むことを特徴とする良質コンクリート。
- 請求項1において、上記細骨材が、57〜68%のSiO2 濃度を有する安山岩質火山排出物を40wt%以上含むものであり、上記微粉末が、粒子サイズ0.075mm以下の安山岩質火山排出粉末からなるものであることを特徴とする良質コンクリート。
- 請求項2において、上記細骨材が、火山岩を破砕したもの、川砂、海砂,又は砕砂からなる粒度調整材の少なくとも1種を含むことを特徴とする良質コンクリート。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011140422A (ja) * | 2010-01-08 | 2011-07-21 | Taiheiyo Cement Corp | モルタル又はコンクリート用細骨材、及びこれを用いたモルタル、コンクリートの製造方法 |
CN113788654A (zh) * | 2021-09-10 | 2021-12-14 | 同济大学 | 一种基于火山岩石灰石粉的自密实清水混凝土及制备方法 |
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2003
- 2003-02-24 JP JP2003045593A patent/JP2004256316A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011140422A (ja) * | 2010-01-08 | 2011-07-21 | Taiheiyo Cement Corp | モルタル又はコンクリート用細骨材、及びこれを用いたモルタル、コンクリートの製造方法 |
CN113788654A (zh) * | 2021-09-10 | 2021-12-14 | 同济大学 | 一种基于火山岩石灰石粉的自密实清水混凝土及制备方法 |
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