JP2004255223A - 複合汚染土壌の浄化処理車両 - Google Patents

複合汚染土壌の浄化処理車両 Download PDF

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Abstract

【課題】汚染土壌を浄化するための浄化装置を移動可能とし、浄化装置の移動により現場毎に被処理物の浄化する。
【解決手段】汚染土壌を攪拌しながら加熱する溝型攪拌式乾燥機1aと、前記乾燥機1aで加熱されて前記汚染土壌から分離された有機ハロゲン化合物の気体を熱分解温度に加熱する誘導加熱式熱分解装置1bと、前記乾燥機1aで脱液された複数の重金属を含んだ汚染土壌を減圧系内で誘導加熱により融解するとともに融解液の表面からの各重金属の最大蒸発速度の差を制御して前記汚染土壌から複数の重金属を融解液から順次分離する誘導加熱式溶融装置2aと、前記溶融装置2aから排出される前記重金属を電界により捕捉して回収する電気集塵機2bとを有する複合汚染土壌の浄化装置を走行可能な車両の荷台に搭載する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機ハロゲン化合物及び重金属により複合汚染された汚染土壌を浄化するための複合汚染土壌の浄化装置を搭載した複合汚染土壌の浄化処理車両に関するものであり、特に、減圧下での加熱処理により汚染土壌に含まれている有機ハロゲン化合物を分解するとともに、減圧下での圧力と温度の調節によって溶融処理の際の融解液の表面からの各重金属の最大蒸発速度の差を制御することにより、汚染土壌に含まれている重金属を汚染土壌から分離させて回収する浄化装置を搭載した複合汚染土壌の浄化処理車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、ダイオキシン、PCB、コプラナPCB等の有機ハロゲン化合物の環境への拡散とその影響が大きな社会問題となっている。
例えば廃棄物を燃焼処理、熱分解処理した加熱残渣(灰、チャー、カーボン)にはダイオキシン類などの有害な有機ハロゲン化合物が残留しており、ごみ焼却場、産業廃棄物処分場の周辺土壌から高濃度のダイオキシンが検出されている。
このように廃棄物の加熱残渣や、特殊条件における土壌、汚泥などの固体、液体中にはダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物、又は重金属等が残留しているものが多く、住民の健康への悪影響が深刻に懸念されている。
【0003】
従来の処理対象物質(以下、「被処理物」という)から有機ハロゲン化合物を含む有害物質を除去する方法としては、(a)高温加熱、(b)完全燃焼、(c)溶融の三つの方法が検討されている。
【0004】
(a)高温加熱
この方法は、被処理物を高温に加熱することにより熱分解する方法である。この方法で、有機ハロゲン化合物の熱分解に際してダイオキシンの生成を抑制するには、反応性の塩素原子と酸素の量をコントロールすることが有効とされているが、未だダイオキシンの生成をコントロールできる好適な熱分解装置は実用化されていない。
【0005】
(b)完全燃焼
この方法は、被処理物の完全燃焼によって有機ハロゲン化合物の生成を低減する方法である。この方法は、燃焼状態の制御が難しいので、都市ごみのように、量が多く不均質な被処理物を焼却する場合は、完全燃焼は難しいとされる。また、完全燃焼が可能な設備を利用した場合でも、常温からダイオキシンの分解温度に達するまでの間、被処理物はダイオキシンの分解温度に加熱されることがないので、このときに、ダイオキシン類などの有害な有機ハロゲン化合物が生成されてしまう問題がある。
【0006】
(c)溶融
この方法は、有機ハロゲン化合物を含む土壌・焼却飛灰などの被処理物を溶融し、有機ハロゲン化合物を分解する方法であり、例えば、密閉可能な熱分解炉に有機ハロゲン化合物を導入し、これを減圧下で加熱する方法が知られている(特許文献1)。この方法は、被処理物のガス状排出物は、ダイオキシンの生成、再合成が抑制されるように処理し、被処理物の加熱残渣は、有機ハロゲン化合物フリーかつ有機ハロゲン化合物生成能を有しない置換ガスでパージしたうえで冷却することで、被処理物の加熱残渣中に残留する有機ハロゲン化合物濃度を非常に低いレベルに抑制するものである。
【0007】
【特許文献1】
特願2000−542123号(国際公開番号WO99/51366号公報(国際出願番号PCT/JP99/01660号))
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の方法及び複合汚染土壌の浄化装置(以下、浄化装置という)には、種々の問題がある。
【0009】
1.処理工程上の問題
(1)大気開放下、すなわち大気圧下で被処理物を高温加熱又は溶融処理するので、高価で大規模な設備となり、ランニングコストが高くなる。
(2)前記被処理物をただ加熱するだけでは熱分解装置のスタートアップ、シャットダウンに要する時間がかかりすぎるため浄化系全体を安定させるまでに時間がかかりすぎる。
(3)被処理物をただ溶融してスラグとして処理するだけでは、汚染土壌中の重金属を資源として分離・回収することができない。
(4)有機ハロゲン化合物を加熱分解により熱分解するだけなので、できるだけ元素の状態、すなわち炭素、水素、塩素の他、塩化水素として回収することができない。
【0010】
2.運用上の問題
浄化装置が前記の(1)〜(4)を満たしている場合、各処理現場又は地域規模で地域毎に処理場を設置し、被処理物の処理量に対応した小規模な浄化装置に被処理物の処理を行うか、又は、大規模な浄化装置を一箇所に設置して被処理物を一括集中して処理することになる。
この場合、小規模な浄化装置により地域毎に被処理物を処理しようとすると、浄化装置の設備に掛かる費用は小さくて済むが、全国に設置することになるので、被処理物の処理に掛かる全体の設備、管理費用が大きくなる。また、一日あたりの処理量も異なりバッチ運転をせざるを得ないので、連続運転の場合と比べて処理コストが大きくなる。
これに対し一箇所に大規模な浄化装置を設置して被処理物の処理についての日程計画を調整すると浄化装置の連続運転が可能となり、連続運転による被処理物の処理コストの低減が可能となる。しかし、浄化設備の設置されている処理現場にトラックにより被処理物を運送する際に、被処理物が車両から落下したり飛散したりすると被処理物に含まれている有機ハロゲン化合物によって二次汚染が発生してしまうので、落下や飛散防止のための特別な対策が必要となって運送コストが大幅に増大してしまうという問題がある。
【0011】
そこで、汚染土壌を浄化するための浄化装置を移動可能とし、浄化装置の移動により現場毎に被処理物を処理できるようにするために解決すべき課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、有機ハロゲン化合物及び重金属により複合汚染された汚染土壌から前記有機ハロゲン化合物及び前記重金属を分離させて浄化する装置であって、少なくとも、前記汚染土壌を攪拌しながら加熱する脱液装置と、前記脱液装置で加熱されて前記汚染土壌から分離された有機ハロゲン化合物の気体を熱分解温度に加熱する誘導加熱式熱分解装置と、前記脱液装置で脱液された複数の重金属を含んだ汚染土壌を減圧系内で誘導加熱により融解するとともに融解液の表面からの各重金属の最大蒸発速度の差を制御して前記汚染土壌から複数の重金属を融解液から順次分離する誘導加熱式溶融装置と、前記誘導加熱式溶融装置から排出される前記重金属を電界により捕捉して回収する重金属回収装置とを有する複合汚染土壌の浄化装置を、走行可能な車両の荷台に搭載した複合汚染土壌の浄化処理車両を提供するものである。
【0013】
前記複合汚染土壌の浄化装置は走行可能な車両に搭載されているので、車両の移動により現場毎に被処理物を浄化することができる。このため、被処理物を運送する必要がなく、運送に起因した二次汚染の問題が解消される。また、複数の浄化処理車両を配置して大規模な処理設備として利用することもできる。さらに、処理場に汚染土壌の浄化設備が設置されている場合には、その代用として浄化設備のメンテナンスを行うこともできる。
汚染土壌を浄化する際は、脱液装置に被処理物を供給する。脱液装置が被処理物を攪拌しながら加熱すると、被処理物に含まれていた有機ハロゲン化合物は気体となって被処理物から分離され気体の状態で誘導加熱式熱分解装置に供給され、有機ハロゲン化合物を分離した後の被処理物は誘導加熱式溶融装置へと供給される。有機ハロゲン化合物の気体は、誘導加熱式分解装置により減圧系内で誘導加熱により熱分解温度に加熱されて熱分解され、有機ハロゲン化合物分離後の被処理物は、減圧系内での誘導加熱式溶融装置の誘導加熱により融解される。このとき、融解液の表面からの各重金属の最大蒸発速度の差が制御され、重金属の種別毎に分離された重金属が電気集塵機の電界により順次捕捉され回収される。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の複合汚染土壌の発明において、前記誘導加熱式溶融装置は、各重金属の原子量、融点、及びその融点における飽和蒸気圧力に基づいて各重金属間の最大蒸発速度の差を制御するように構成された浄化装置を提供するものである。
このように、各重金属の原子量、融点、及びその融点における飽和蒸気圧力に基づいて各重金属間の最大蒸発速度の差が制御されるので、複数の重金属を重金属の種別毎に分離・回収することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図9を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
まず、図1を参照して汚染土壌を浄化するための浄化装置の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る複合汚染土壌の浄化装置の構成を示す全体構成図である。
複合汚染土壌の浄化装置は、複合汚染された汚染土壌を浄化する装置であり、前記汚染土壌を攪拌しながら加熱して液分を脱液する脱液装置である溝型攪拌式乾燥機1aと、前記溝型攪拌式乾燥機1a内で汚染土壌から気体として脱液され排出された有機ハロゲン化合物を誘導加熱により熱分解する誘導加熱式熱分解装置1bとから主要部が形成される第1処理装置1と、前記溝型攪拌式乾燥機1aで脱液された複数の重金属を含んだ汚染土壌を減圧系内で誘導加熱して溶融し、かつ、溶融された融解液の表面からの最大蒸発速度の差を制御することで融解液から複数の重金属を順次分離する誘導加熱式溶融装置2aと、分離した前記重金属を前記誘導加熱式溶融装置2aの後段で電界により捕捉して回収する重金属回収装置である電気集塵機2bとから主要部が形成される第二処理装置2とを少なくとも備えている。
【0017】
第1処理装置1の後段、すなわち、誘導加熱式熱分解装置1bの下流には、熱分解ガス中の有用成分を分離・回収するため、前記誘導加熱式熱分解装置1bから排出される熱分解ガスから熱分解生成物である炭素粒子を分離する全円筒型サイクロン1cと、この全円筒型サイクロン1cから排出される熱分解ガス中から熱分解生成物であるハロゲンガスを分離するハロゲン分離装置としての塩素分離装置1dと、前記塩素分離装置1dから排出される熱分解ガスを冷却する冷却装置1eと、前記冷却装置1eから排出される熱分解ガス中の未分解の有機塩素化合物やガス中の不純物を吸着分離する吸着装置1fと、第1処理装置1内を負圧に維持するための減圧発生手段としてのメカニカルブースタ付きの真空ポンプ1gとがこの順番に設けられている。
【0018】
汚染土壌を攪拌しながら加熱して液分を脱液する脱液装置である溝型攪拌式乾燥機1aは、スクリュウコンベア1hで閉路粉砕され分級された所定の大きさ、例えば25mm以下の複合汚染された汚染土壌を受け入れ、この汚染土壌をその内部で攪拌羽根により攪拌しながら乾燥機本体のジャケットに、熱媒、例えばダウサームA(製品名)を流通させて300℃〜400℃に間接加熱し、前記汚染土壌中の有機ハロゲン化合物、例えばPCBを気体として脱液する装置である。
このように汚染土壌から有機塩素化合物や水分を脱液して液分を少なくする(例えば15%以下)ことで後述する第二処理装置2の誘導加熱式溶融装置2a内での水蒸気爆発や液分の急激なガス化膨張による炉の破壊等不慮の事故を防止することが可能となる。
また、本実施の形態では、図1に示すように、脱液装置として溝型攪拌式乾燥機1aを使用しているが、スタートアップ及びシャットダウンの時間を短くするため誘導加熱式の脱液装置を使用してもよい。誘導加熱式の脱液装置を使用した場合は、短時間で温度制御できるという効果が得られる。
【0019】
有機ハロゲン化合物、例えばPCBを熱分解するための誘導加熱式熱分解装置1bは、誘導加熱コイルと誘導加熱管とから主要部が形成される。この誘導加熱コイルは、銅製の管であり、加熱をするときには高周波電源から電力が供給され、管の内部に冷却水が流される。誘導加熱管は、中心部に非誘電体材料、例えばアルミナ管を設け、前記アルミナ管の外側に発熱体である誘電体材料、例えばタングステン(又はカーボン)、さらにその外側に透明の石英管を二重円環状に設けたものである。誘導加熱コイルに電力が供給され誘導加熱管が加熱されると発熱体、例えばタングステンが発熱しアルミナ管が加熱される。また、このアルミナ管は脱塩化水素の触媒作用も有するため好適に有機塩素化合物を熱分解することができる。
なお、前記アルミナ管の温度は、PCBを熱分解する場合には1400℃〜1600℃の温度に加熱・保持される。
また、誘導加熱式熱分解装置1bには、未反応のPCBを入口側に戻すためのバイパス路1b1が設けられている。このようにバイパス路1b1を設けることで反応率が劣化しても熱分解ガスを誘導加熱式熱分解装置1bの入口側に戻すことができるので環境汚染を低減することができる。
なお、図1において、誘導加熱式熱分解装置1bは、横置きに設けられているが、縦置きに設けてもよい。
誘導加熱式熱分解装置1bを縦置きに設ければ、熱分解で生成する固形分粒子を重力により分離されやすくなり、誘導加熱管内で固形分粒子を滞留しにくくすることができる。
なお、誘電体材料としてタングステン(又はカーボン)の代わりにホウ化ジルコニウム等の管を使用することもできるが、溶融スラグに対して高耐食性という点でホウ化ジルコニウムを用いるのが好ましい。
【0020】
全円筒型サイクロン1cは、有機塩素化合物の熱分解反応で生成した熱分解ガス中の炭素粒子を分離するための装置である。10マイクロメータ以下の炭素粒子が多い場合は、全円筒型サイクロン1cの内筒にバグフィルタを設けても良い。
バグの材質としては、例えば高温に耐えるステンレス繊維(例えばナスロン(製品名))やケブラー(デュポン社の製品名)の濾布で製造したバグフィルタが好ましい。
本実施形態のように、円錐形のサイクロンではなく全円筒型サイクロン1cを設けることで、サイクロン底部のガス流速が遅くなり、滞留時間を長く取ることができるので、細かい炭素粒子がスリップ(系外への飛び出し)するのを防止することができる。
その結果、細かい炭素粒子を安定して捕捉でき、後段の塩素分離装置1d、冷却装置1e及び吸着装置1fが炭素粒子で閉塞するのを低減させることができる。
また、全円筒型サイクロン1cを用いると下流の真空ポンプ1gへの炭素粒子の噛み込みも低減できる。
なお、全円筒型サイクロン1cの入口側に図示しない水冷式熱交換器を設けて、熱回収を行えば後段の各処理装置を小型化することができる。
【0021】
ハロゲン分離装置である塩素分離装置1dは、全円筒型サイクロン1cで炭素粒子を分離・除去した熱分解ガス中の塩素との反応又は塩素を吸着して水素と塩素の混合ガス中から塩素を分離する装置である。
吸着剤としては金属製の金網(スチールウール)が充填されている。塩素ガスと金網又は熱分解反応後の塩化水素と金網が反応して好適に塩素を分離することができる。
吸着剤としては、金網以外に、酸性白土、アルミノ珪酸カルシウム等無機系の吸着剤も使用できる。
また、熱分解ガス中の塩素を分離する塩素分離装置として湿式洗浄塔(例えば、湿式スクラバー)も使用することができるが排水処理が必要となるためできるだけ排水を出さない乾式処理が好ましい。
【0022】
熱分解ガスを冷却するための冷却装置1eは、ジャケット式の熱交換器である。ジャケットに流す冷媒としては例えば水が使用される。
なお、本実施形態では、減圧中で有機塩素化合物を熱分解するので酸素存在下での熱分解法に比べて熱分解ガスの発生量が極めて少ない。そのため少量の水(冷媒)で熱分解ガスを冷却することができる。
【0023】
吸着装置1fは、前記冷却装置1eから排出される熱分解ガス中の未分解のPCBや不純物を吸着・除去するための装置である。本実施形態では活性炭を充填した装置を使用している。吸着装置1fを設けることで後段の減圧発生手段であるメカニカルブースタ付きの真空ポンプ1gの材質のグレードを下げることが可能となり設備コストを削減することができる。
【0024】
減圧発生手段は、メカニカルブースタ付きの真空ポンプ1gから構成される。このような減圧発生手段を用いることにより短時間で系内を減圧することが可能となる。
なお、常圧から低圧に短時間で減圧できる減圧発生手段としてターボ分子ポンプもあるが、ターボ分子ポンプは、メカニカルブースタ付きの真空ポンプ1gと比較して騒音が大きくなるのとコスト高になるのであまり好ましくない。
【0025】
このように構成される第1処理装置1は、最初に減圧発生手段としてメカニカルブースタ付きの真空ポンプ1gにより系内が減圧される。脱液装置である溝型攪拌乾燥機1aへ3個のロータリバルブV1、V2、V3を介して投入された汚染土壌は、溝型攪拌式乾燥機1a内で加熱され脱液される。また、図示されていないがロータリバルブV2とロータリバルブV3とは所定の間隔が隔てられていて、ロータリバルブV2とロータリバルブV3との間に汚染土壌の貯留部が形成されるようになっている。このため、ロータリバルブV2を開きロータリバルブV3を閉じて貯留部に汚染土壌を導入した後、ロータリバルブV2を閉じてロータリバルブV3を開くサイクルを繰り返すと、系内の減圧度を保持しながら溝型攪拌式乾燥機1aに汚染土壌を導入することができる。なお、ロータリバルブは、必要に応じてジャケットを設けて冷却するようにしてもよい。また、脱液装置として第1実施形態では間接加熱方式の溝型攪拌式乾燥機1aを使用して脱液しているが、汚染土壌の舞い上がりを防ぐため第二実施形態の複合汚染土壌の浄化装置のようにオーガ(スクリュウ)を内蔵した密閉型のナウタミキサ(製品名)を使用してもよい。
脱液装置の熱媒としてはサーモオイルを使用しているが、沸点が低い有機ハロゲン化合物を脱液するときには、汚染土壌をスチームで加熱するようにしてもよい。
【0026】
溝型攪拌式乾燥機1aで加熱され汚染土壌から脱液されて気化した有機ハロゲン化合物、例えばPCBは、後段の誘導加熱式熱分解装置1bへ導入される。誘導加熱式熱分解装置1bは、高温、例えば1400℃の温度で運転されており、PCBはここで加熱されたアルミナ管と接触することで熱分解され、カーボン、水素、塩素等が混合した熱分解ガスとなって前記誘導加熱式熱分解装置1bから排出される。
なお、誘導加熱式熱分解装置1bの誘導加熱コイルは銅製でありコイル内部には冷却水が流されている。誘導加熱式熱分解装置1bの誘導加熱コイルは、図1に示すように誘導加熱管(本実施形態では透明石英管)を外部から囲繞するように設けられている。
【0027】
誘導加熱式熱分解装置1bから排出された熱分解ガスは、生成した炭素粒子が下流側の配管や減圧発生手段であるメカニカルブースタ付きの真空ポンプ1gを詰まらせないように最初に全円筒型サイクロン1cに導入される。
全円筒型サイクロン1cに導入された熱分解ガスは、円筒の接線方向に沿って旋回流を形成し、ゆっくりと内壁を下降しながら円筒の中心に設けられた内筒から出て行く間に細かい炭素粒子(例えば平均粒径15マイクロメートル)を全円筒型サイクロン1cの底部に分離する。
【0028】
全円筒型サイクロン1cで細かい炭素粒子(例えば平均粒径15マイクロメートル)が分離された熱分解ガスは、次に、金属製の塩素吸着剤(例えばステンレス製の金網)を充填した塩素分離装置1dへと導入される。
塩素分離装置1dへと導入された熱分解ガスは、塩素とステンレス製の金網との反応分離又は吸着分離されて後段の熱分解ガスを冷却するための冷却装置1eへと導入される。
【0029】
冷却装置1eに導入された熱分解ガスは、冷媒である水により固体壁を介して急冷される。
本実施形態では、酸素ガスの少ない状態で熱分解したために誘導加熱式熱分解装置1bから排出される熱分解ガスの発生量が少ないので熱マスが小さく、冷却装置1eのジャケット内に少量の水を通液して熱分解ガスと接触させるだけで好適に熱分解ガスを冷却できる。
なお、液体窒素が暖められて発生した窒素ガスは、真空バルブの制御をするのに一部使用される。
【0030】
冷却装置1eで冷却された熱分解ガスは、さらに後段の活性炭を充填した吸着装置1fで熱分解ガス中の未反応ガスや水分等を吸着分離されて減圧発生手段であるメカニカルブースタ付きの真空ポンプ1gを介して大気中に放出される。
【0031】
本実施形態では、水素の回収方法を省略しているが、排ガス中から水素を回収する方法としては、水素分離膜を設けた水素膜分離装置を真空ポンプ1gの吐出側に設けることで水素を分離するようにしている。また、分離した水素は、例えば水素吸蔵合金や水封式ガスホルダ等に回収するようにしている。
【0032】
次に、第二処理装置2の構成について説明する。
第二処理装置2は、複合汚染した汚染土壌を溝型攪拌式乾燥機1a内で加熱して有機ハロゲン化合物を気体として脱液した汚染土壌をその内部に受けて減圧下で誘導加熱することにより溶融する誘導加熱式溶融装置2aと、
前記誘導加熱式溶融装置2aから排出される重金属の蒸気を電界により捕捉する重金属回収装置である電気集塵機2bと、
前記誘導加熱式溶融装置2a内の圧力を調整する減圧発生手段と、
から主要部が構成される。
【0033】
誘導加熱式溶融装置2aは、炉体(後述する)の炉壁に埋設されている誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルに加熱される誘電体材料、例えば、ホウ化ジルコニウム製の発熱体とから主要部が形成される。
なお、誘導加熱コイルは銅製の管からできており、加熱するときは、高周波電源から電力が供給され、内部に冷却水が流される。また、誘導加熱コイルと溶湯(融解液)との間には、耐火物とライニング材とが設けられる。このライニング材は、融解液側(溶融装置本体側)に設けられ、融解液に対する耐食性が要求されるため、例えば不純物を混入させたホウ化ジルコニウムで囲まれたアルミナ−クロミアが使用される。
誘導加熱式溶融装置2aの上部には、2つのノズルが設けられており、一方のノズルは、脱液装置である溝型攪拌式乾燥機1aの配管と、他方のノズルは、電気集塵機2bへの配管と接続される。一方、誘導加熱式溶融装置2aの下部には、融解液を外部に排出するための出口ノズルが設けられている。出口ノズルの周囲には、誘導加熱式溶融装置2aの溶融装置本体と同様に誘導加熱コイルが設けられている。
また、誘導加熱式溶融装置2aの炉壁は、誘導加熱式溶融装置2a上部の2つのノズル及び下部の出口ノズル以外は、図示しない非誘電体性の耐火物で構成されている。熱伝導率が小さい耐火物で溶融装置を構成することで誘導加熱式溶融装置2a全体から系外への放熱を少なくすることができる。
【0034】
重金属回収装置である電気集塵機2bは、誘導加熱式溶融装置2aから排出される排ガスに電界をかけて、溶融して発生した排ガス中の1マイクロメートル以下の細かい金属ヒュームも捕捉できるようにしたものである。
なお、電気集塵機2bの捕捉効率が悪い場合には、水等を排ガス気流中に注入し見掛けのダスト抵抗を変化させるようにして集塵効率を向上させても良い。
また、電気集塵機2bの入口側に図示しない水冷式熱交換器を設けて熱回収し、電気集塵機入口のガス温度を調節するようにすれば、電気集塵機2bの捕捉効率を向上させ、かつ後段の処理装置を小型化することができる。
【0035】
吸着装置2cは、電気集塵機2bから排出される排ガス中の水分や不純物を吸着分離するための装置である。本実施形態では活性炭を充填した装置を使用している。吸着装置2dを設けることで後段の減圧発生手段であるメカニカルブースタ付きの真空ポンプ2dの材質のグレードを下げることが可能となり設備コストを削減できる。
なお、電気集塵機2bから排出される排ガス中の水分が多すぎる場合は、活性炭の吸着能力の低下が激しくなるので、吸着装置2cの前段にデミスタ又は冷却器を設けて排ガス中の水分を下げてから吸着装置2cで排ガス中の水分や不純物を吸着分離するのが望ましい。
【0036】
減圧発生手段は、図示しないメカニカルブースタ付きの真空ポンプ2dである。このような減圧発生手段を用いることにより短時間で系内を減圧することが可能になる。
【0037】
このように構成される第二処理装置2は、最初、前記溝型攪拌式乾燥機1a内で加熱され有機ハロゲン化合物、例えばPCBが脱液された汚染土壌を誘導加熱式溶融装置2aに受けて減圧下で誘導加熱する。このとき出口ノズルの出口は閉まっている。汚染土壌は溶融して融解液となる。
融解液を誘導加熱式溶融装置2aの溶融装置本体内に所定時間滞留させてプール(溶湯のプール)を形成し、一定の液面が確保されたら出口ノズルを開とし、融解液をスラグ処理装置へと排出する。スラグ処理装置で無害化されたスラグは道路舗装材や骨材等に利用することができる。
なお、誘導加熱式溶融装置2aの溶融装置本体内の融解液の液面高さは、汚染土壌の投入量と出口ノズルから排出する融解液量とを制御することでコントロールできる。
また、誘導加熱式溶融装置2aを連続処理すると溶融する時間が不足する場合は、誘導加熱式溶融装置2aを2基設けて、弁で流路を切り替えるようにすることで汚染土壌をどちらか一方の誘導加熱式溶融装置2a内で必ず溶融が行われているように運転することもできる。
【0038】
誘導加熱することにより短時間で溶融された汚染土壌は、融解液中の重金属を以下のように蒸留分離する。すなわち、誘導加熱式溶融装置2aの配管に圧力計、例えばピラニ真空計、及び図示しない温度計、例えば光高温計を設けて、減圧下での各重金属の原子量、融点、及びその融点における飽和蒸気圧力に基づいて最適な制御条件を決定することで、融解液面からの最大蒸発速度の大きい重金属と小さい重金属との蒸発速度の差を制御、すなわち、調節して順次蒸留分離することができるため、後段で重金属回収物を再生する場合のコスト及び時間を削減することができる。
なお、以下に高減圧下における理論最大蒸発速度の関係式を示す。
最大蒸発速度Gは、
G=7.78×P×(M/T)1/2(g/cm・sec)…(1)
ただし、Pはその物質のT〔゜K〕における飽和蒸気圧力〔Pa〕であり、Mは重金属の分子量、Tは絶対温度〔゜K〕である。
【0039】
前記誘導加熱式溶融装置2aから排出され電気集塵機2bへ導入された重金属の蒸気(ヒュームを含む)は、電気集塵機2bの集塵電極に捕捉されて重金属の種別毎に順次積層され多層膜を形成する。このようにしてあらかじめ集塵電極へ重金属を分離・回収すれば、後段で重金属を溶解して再生するときの分離エネルギーを省力化することができ、地球の資源を有効に使うことができる。
【0040】
前記電気集塵機2bで重金属を分離された誘導加熱式溶融装置2aの排ガスは、次に活性炭を充填した吸着装置2cへと導入されて排ガス中の細かい金属フューム等を分離される。細かい金属ヒューム等を分離された排ガスは、メカニカルブースタ付き真空ポンプ2dを介して大気中へと放出される。
【0041】
このように少なくとも第1処理装置1と第二処理装置2とを含む第1実施形態の複合汚染土壌の浄化装置によれば、第1処理装置1の溝型攪拌式乾燥機1aから分岐して複合汚染土壌を別々の処理系で汚染物質毎に処理することにより、それぞれの処理系内の圧力及び温度を最適化することができるので、複合汚染土壌を好適に浄化することができる。
【0042】
図2は、複合汚染土壌の浄化装置の第二実施形態を示す主要構成図である。この複合汚染土壌の浄化装置1′は、第1実施形態の複合汚染土壌の浄化装置の第1処理装置1と第二処理装置2とを三方弁3′を介して接続したものである。このように三方弁3′を介して接続すると、2つの処理系が1つの処理系となるので、浄化処理装置全体のコンパクト化を図ることができる。
すなわち、第1実施形態の複合汚染土壌の浄化装置に使用した溝型攪拌式乾燥機1aの代わりに縦型のナウタミキサ1′a(製品名)を使用して、平面方向の設置スペースを小さくし、かつ、攪拌することによる汚染土壌の舞い上がりを抑制し、さらに誘導加熱式溶融装置2′a上部の吐出側の後流配管には前記三方弁3′を設けて、第1処理装置1′側で汚染土壌中の有機ハロゲン化合物を処理する時間と、第二処理装置2′側で汚染土壌中の重金属を処理する時間とをタイマーで設定して、処理時間が経過したら三方弁3′により処理経路を切り替えられるようにしたものである。
【0043】
このようにすることにより、第1実施形態の複合汚染土壌の浄化装置をさらに省スペース化・省コスト化することができる。
【0044】
ここで第二実施形態の複合汚染土壌の浄化装置1′で使用しているナウタミキサ1′a(製品名)についてもう少し詳しく説明する。
ナウタミキサ1′aは、円錐形ケーシングの内側壁面に沿って自転・公転するオーガ(スクリュウ)を備えた密閉型の混合機である。
このような混合機の特性を生かして、本実施の形態では、ナウタミキサ1′aをジャケットタイプの縦型脱液装置として使用し、ジャケットに通流する熱媒としてサーモオイルを使用することにより、オーガで静かに攪拌しながら汚染土壌を高温度、例えば300℃〜400℃で加熱することができる。
【0045】
ナウタミキサ1′a内で脱液され気化した有機ハロゲン化合物、例えばPCBは、誘導加熱式溶融装置2′aの排ガス出口と誘導加熱式熱分解装置1′bの入口との間の配管に連結されたバイパス路1′a1を経て誘導加熱式熱分解装置1′bへと導入され誘導加熱されて熱分解される。熱分解されたPCBの熱分解ガスは、後段で第1実施形態の複合汚染土壌の浄化装置と同様な熱分解ガスの処理装置で浄化され、図示しないメカニカルブースタ付きの真空ポンプ2′dを介して大気中に放出される。
汚染土壌中の有機塩素化合物の分解処理時間が経過したら三方弁3′の流路を誘導加熱式熱分解装置1′b側の流路から電気集塵機2′b側の流路に切り替える。
【0046】
次に、ナウタミキサ1′a内で脱液された汚染土壌は、誘導加熱式溶融装置2′aに導入される。ここで汚染土壌は誘導加熱され、汚染土壌の溶融温度以上でかつPCBの分解温度以上で加熱されて、融解液となる。誘導加熱式溶融装置2a′の溶融装置本体内の融解液は、所定時間滞留された後、出口ノズルから系外に排出されスラグ処理装置へと導入される。
スラグ処理装置で無害化されたスラグは道路舗装材や骨材、建材あるいは埋め立てなどに利用することができる。
一方、誘導加熱式溶融装置2′aから排出される金属蒸気は、重金属の種別毎に電気集塵機2′bで分離・回収され、回収物は溶解・再生されて利用される。
あらかじめ重金属の種別毎に分離することができるので、後段で再生する場合の省エネ化・省コスト化を図ることができる。
【0047】
電気集塵機2′bから排出された排出ガスは、活性炭を充填した吸着装置2′cを経てメカニカルブースタ付きの真空ポンプ2′dを介して大気中に排出される。
汚染土壌の溶融処理が終了したら三方弁3′を今度は電気集塵機2′b側から誘導加熱式熱分解装置1′b側に切り替える。
なお、ナウタミキサ1′aと誘導加熱式溶融装置2′aの間にクッションタンクを設けて、さらに誘導加熱式溶融装置2′aへの汚染土壌の投入量を調整するようにしてもよい。
【0048】
なお、浄化装置は、本発明の趣旨を逸脱しない限り種々の改変が可能であり、本発明がこの範囲に及ぶことは当然である。
例えば複合汚染土壌を処理するに際し、汚染土壌中の重金属の処理が不要な場合には、第1処理装置1、1′だけを運転して汚染土壌中の有機ハロゲン化合物だけを処理することもできる。
また、脱液装置は間接加熱方式だけでなく少量の加熱した不活性ガス(例えばアルゴンガス)を導入する直接加熱方式で加熱してもよいし、間接加熱方式と直接加熱方式を併用して加熱するようにしてもよい。
さらに、第1実施形態の複合汚染土壌の浄化装置における第二処理装置2の吸着装置2cは、第1処理装置1の吸着装置1fと共用してもよい。
また、第二処理装置の誘導加熱式溶融装置からの排ガスを処理する方法として、電気集塵機と吸着装置の組み合わせに代えてテトラフルオロエチレンをポリエステル基材の表面にコーティングした水透過膜を使った膜分離装置と水冷式の冷却器との組み合わせで処理してもよい。
【0049】
図3ないし図8に前記複合汚染土壌の浄化装置を搭載した浄化処理車両の第1の実施の形態を示す。なお、この例では、牽引車で牽引するトレーラに前記第1処理装置1と第二処理装置2からなる浄化装置を搭載したセミトレーラを浄化処理車両としているが、浄化装置を搭載したトラックを浄化処理車両としてもよい。
【0050】
図3は浄化処理車両の外観を示す斜視図である。牽引車3にはカプラ4を介してトレーラ5が連結されており、トレーラ5の床6にはベース7が固設されている。図4は浄化処理車両の斜め上方側から見た一部破断解説図である。ベース7の後部にはホッパ8が設けられ、ホッパ8の前方側に誘導加熱式溶融装置2aが設けられている。また、牽引車3側には、真空ポンプ1g、2d、全円筒型サイクロン1cが、ホッパ8側には電源ボックス9は配置され、溝型攪拌式乾燥機1a及び誘導加熱式溶融装置2aは、上下二段に配置されている。ホッパ8の開口部は、汚染土壌の投入のため上方に臨んで開口しており、スクリュウコンベア1hが取り付けられている。スクュウコンベア1hは、円筒形のケーシング1h−1と、このケーシング1h−1内に回転自在に挿入されたスクリュウ1h−2からなり、スクリュウ1h−2の軸に連結された駆動モータM1によって駆動される。スクリュウコンベア1hの円筒形のケーシング1h−1は、ベース7に設置されている架台(図示せず)とホッパ8の前部隔壁8aに支持させて固設されており、スクリュウコンベア1hの先端部の土壌取り込み口1h−3はホッパ8内に挿入され、スクリュウコンベア1hの土壌排出口1h−4は、連通管10を介して溝型攪拌式乾燥機1aの土壌投入口1a−1に連通している。スクリュウコンベア1hの土壌排出口1h−4と溝型攪拌式乾燥機1aの土壌投入口1a−1とを連通する連通管(配管)10には図1に示すように開度調節手段として複数のロータリバルブが介挿されている。なお、開度調節手段としてロータリバルブに替えてゲートバルブを用いてもよい。
図1に示すように、スクリュウコンベア1hの駆動モータM1でスクリュウ1h−2の軸を回転駆動し、この状態で、最も上流側のロータリバルブ(以下、第1バルブという)V1の開度を小さくすると、第1バルブV1より上流側の圧力が上昇して汚染土壌の体積が減少し、汚染土壌の粒子同士のみかけ状の隙間が減少するので、汚染土壌とスクリュウコンベア1hのケーシング1h−1の内面、連通管10のシール性が向上する。第1バルブV1の開度の調節によりスクリュウコンベア1hのシールを維持しこの状態で最も下流側のロータリバルブ(以下、第2バルブ)V2を開いて前記第1バルブV1と第2バルブV2との間に介装されているロータリバルブ(以下、第3バルブという)V3を開くと汚染土壌の搬送圧力及び/又は前記真空ポンプ1g,2dの作動による吸引負圧によって前記溝型攪拌式乾燥機1aに汚染土壌が充填される。なお、前記電源ボックス9は、牽引車3のエンジン(図示せず)に取り付けられた発電機(図示せず)、又は、エンジン駆動発電機(図示せず)又は被処理物の現場の電源設備(図示せず)から電源を得て、この電源により浄化装置の各部を作動する装置である。
【0051】
図5ないし図8に誘導加熱式溶融装置2aの炉体の固定構造の一例を示す。図5は、溝型攪拌式乾燥機及び誘導加熱式溶融装置を車両に取り付けるための架台の構造を示す解説図、図6は、図5のb−b線断面矢視図、図7は炉体の上下動及び前後左右への移動を防止するためのばね押さえ機構を示す図、図8は、誘導加熱式溶融装置を車両に取り付けるためのコンテナ容器の内部構造を示す解説断面図である。
前記溝型攪拌式乾燥機1aは、図5に示すように、架台11の上部に支持されボルト及びナットで固定されている。誘導加熱式溶融装置2aの炉体2a−1は、耐熱性、断熱性の高い炉壁で構成されており、図6に示すようにコンテナ容器12が側面及び底面を保護している。コンテナ容器12には、炉体2a−1底部の出口ノズル2a−2と床6のスラグ排出口5aとを連結すべく開口部7aが設けられている。架台11は、H鋼、L鋼、パイプを組み合わせて形成されており、下部の複数の脚部11a〜11dは、図5及び図6に示すように、コンテナ容器12の前後左右への移動を防止すべくコンテナ容器12を取り囲むように配置されている。なお、図5中、符号11eは、複数の脚部11a〜11dをベース7のスタッドボルト13に嵌合させてナット14、ロックナット15により締結できるようにするためのボルト挿入孔である。
【0052】
図7は、複数のばね押さえ16をコンテナ容器12の上部に固設し、炉体2a−1の上下動を炉体押さえ部材17と圧縮ばね19により規制する例を示している。炉体押さえ部材17は炉体の上面に載置され、コンテナ容器12の内側面に昇降自在に嵌合している。炉体押さえ部材17の下面には嵌合部17aが設けられていて炉体2a−1の上面部に嵌合している。炉体押さえ部材17の四隅に立設されているガイドロッド18は、ばね押さえ16のガイド孔16aを貫通し、各ガイドロッド18に装着されている圧縮ばね19は、ばね押さえ16と炉体押さえ部材17との間でこれらに離反方向に弾発力を付勢している。図8に示すように、コンテナ容器12内には、多段の板ばね22aに弾性支持させて金属製の支持床22が設けられていて、支持床22に炉体2a−1が支持されている。支持床22に設けられている嵌合部17bは炉体2a−1の下部に嵌合している。
【0053】
炉体2a−1をコンテナ容器12に設置する際は、まず、炉体2a−1をコンテナ容器12に同心に収容する。次に、炉体2a−1の上部に金属製の炉体押さえ部材17を載置し、下面の嵌合部17aを炉体2a−1の上部に嵌合する。続いて、ばね押さえ16をコンテナ容器12の上部に固定しばね押さえ16と炉体押さえ部材17との間に圧縮ばね19を配置する。ばね押さえ16のガイド孔16aに炉体押さえ17を挿入し、ガイドロッド18に緩み止めナットを螺入する。
このようにすると、炉体押さえ板17と支持床22がコンテナ容器12の内面に嵌合されていて回転できず、また、前後方向にも移動できないので、炉体2a−1の前後左右及び回転が防止される。また、圧縮ばね19、板ばね22aが設けられていてトレーラ5の突発的な上下動に伴う炉体2a−1の上下動も緩衝されるので炉体2a−1を構成する炉材の損傷及び炉材間を接続する目地の損傷が防止される。なお、前記圧縮ばね19は二重の圧縮コイルやゴムでもよいし、ゴムと圧縮ばねの組み合わせばねであってもよい。
このように炉体2a−1の前後左右、回転、及び上下移動が防止されるので、凹凸や起伏の激しい路面の走行や勾配のきつい坂道の走行が可能となる。なお、誘導加熱式溶融装置2aの入口側、出口側のノズルと溝型攪拌式乾燥機1aの土壌排出口との接続部(後述するナウタミキサの土壌排出口との接続部)とは、誘導加熱式溶融装置2aの上下動から縁切りするため、伸縮自在なたわみ管(図示せず)で接続されており、支持床22には、スラグの排出を可能とするため、前記炉体2a−1の出口ノズル2a−2とコンテナ容器12の開口部7aとを連結する連絡口22cが設けられる。
また、前記コンテナ容器12の内面、及び底面と炉体2a−1との間、各嵌合部17a、22bと炉体2a−1との間には、断熱性のウール、例えば、セラミック繊維のウール又はガラス繊維のウールもしくはこれらの混合繊維より成るウールが介設され、のウールにより断熱されている。
【0054】
次に、溝型攪拌式乾燥機1aと誘導加熱式熱分解装置1bとを連結する配管、全円筒型サイクロン1cと誘導加熱式熱分解装置1bとを連結する配管、全円筒型サイクロン1cと真空ポンプ1gとを連結する配管、誘導加熱式溶融装置2aと電気集塵機2b(図1参照)とを連結する配管等、浄化装置の装置間を連結するための配管の支持構造を、図4を参照して説明する。
図4に示すように、配管は、支持金物23を介して支持壁24に支持されている。支持金物23は、直線状に延びた支持部23aと、この支持部23aをその近傍の支持壁24に固定するための固定部23bで構成されている。前記固定部23bは、支持壁24に対する回転を防止するための矩形断面の嵌込み部23cと、嵌込み部23cの後端部に設けられた円形のフランジ部23dと、支持壁24と支持部23aとの間に打ち込んで支持壁24に支持金物23を一体化するためのくさび部材23eで構成されている。
支持壁24の千鳥状に配置されている円形の孔24aのひとつを選択してこれに支持金物23のフランジ部23dを挿入し、この状態で、円形の孔24aに連接する支持壁24の落とし溝24bに、前記矩形断面の嵌め込み部23cを落し込む。この状態ではフランジ部23dが円形の孔24aよりも下方に移動しているので、支持壁24から落下することがない。
次に、支持壁24と支持部23aの後端面との間にほぼ馬蹄形の楔23eを打ち込んでくさび力により支持金物23を支持壁24に一体化し、この後、前記配管をゴム、サドル26で支持金物23に固定するか又は配管の外周面をグラスウール、ダクト(図示せず)で順次覆ってダクト毎、支持金物23を固定する。配管をグラスウールで覆いその外側からダクトを覆ってダクト毎、配管を支持金物23に固定した場合は、配管の振動が抑制され騒音が減少する。
つまり、前記誘導加熱式熱分解装置1bと電気集塵機2b、誘導加熱式熱分解装置1bと全円筒型サイクロン1cとを連結する配管のように、配管の取り付け位置は、各装置の能力、大きさ、配置によって変わることがあり、架台の寸法変更や取り付け位置の変更では対応することができないことがある。しかし、本実施の形態のように、トレーラ5の側壁内面や近傍の架台11の側面や上面に前記支持壁24を固定し、支持壁24に支持金物23を介して各配管を固定する構造では、配管の取り付け位置や長さを自由に選択できるので、この種の問題が解消される。
なお、配管、ダクトは、これらの形状に対応するサドルやボルトにより固定してもよい。また、トレーラ5の側壁や天井に設けられたサポートやブラケットにシューやUボルトで支持させる構造としてもよい。また、トレーラ5の天井、側壁、ベース7にターンバックル、テンションロッドを介して取り付ける構造としてもよい。
このように、この実施の形態に係る浄化装置は、ベース7、ホッパ8の前部区画壁8a、トレーラ5の側壁等の固定系に固定されるので、配管に対して無理な荷重が掛かることがない。図4中、符号25は、折り畳み自在に設けられているスタンドである。
【0055】
なお、牽引車3の運転席より後方にクレーンを設置してもよい。クレーンを設置すると、ベース7を固定しているボルトをトレーラ5から取り外してベース7毎、浄化装置を現場に設置することもできるし、架台11毎、吊り上げて、誘導加熱式溶融装置2aのメンテナンスを行うこともできる。また、浄化装置に電磁シールドを設けて有害な電波を遮断してもよい。さらに、誘導加熱式熱分解装置1bや誘導加熱式溶融装置2aのシール系統を冷却により保護する冷却水は、牽引車両3などの車両の冷却水系統から分岐させて供給するようにしてもよい。
【0056】
次に、図1及び図4を参照して浄化処理車両による汚染土壌の浄化手順を簡単に説明する。
まず、被処理物の処理量、すなわち、汚染土壌の処理量に対応した台数の浄化処理車両を被処理物の現場に向けて移動する。
移動後、電源ボックス9の各種スイッチの操作により、溝型攪拌式乾燥機1a、誘導加熱式熱分解装置2aを主要部とする第1処理装置1の減圧系を減圧するための真空ポンプ1gと、誘導加熱式溶融装置2a、電気集塵機2bを主要部とする第二処理装置2の減圧系を減圧するための真空ポンプ2dを起動して第1処理装置1の減圧系の圧力を有機ハロゲン化合物の熱分解に適する圧力に調節し、誘導加熱式溶融装置2aの圧力を、汚染土壌が溶融しえる圧力で且つ重金属の最大蒸発速度の差を利用して重金属の種別毎に重金属を回収しえる圧力に調節する。
続いて、誘導加熱式熱分解装置1bの誘導加熱コイルに高周波電源を投入して誘導加熱コイルを第1処理装置1減圧の系の圧力に基づく有機ハロゲン化合物の熱分解温度に調節するとともに、誘導加熱式溶融装置2aの誘導加熱コイルに高周波電源を投入して誘導加熱式溶融装置2aの温度を汚染土壌の溶融温度以上で且つ重金属の最大蒸発速度の差を利用して重金属の種別毎に重金属を回収しえる温度に調節する。
次に、溝型攪拌式乾燥機1aに所定温度のサーモオイルを供給して溝型攪拌式乾燥機1aを第1処理装置1の減圧系内の圧力に基づく有機ハロゲン化合物の蒸発温度以上に昇温する。なお、サーモオイルによる溝型攪拌式乾燥機1aの温度、誘導加熱式熱分解装置1b、誘導加熱式溶融装置2aの温度はサーミスタなどの温度センサにより、第1処理装置1の減圧系の圧力、誘導加熱式溶融装置2aの圧力は圧力センサにより計測する。次に、全円筒型サイクロン1cと電気集塵機2bを起動して汚染土壌の浄化処理に対する準備段階を完了する。
【0057】
準備段階を完了すると、汚染土壌の浄化処理を開始する。
まず、ホッパ8に汚染土壌を投入し、次に、スクリュウコンベア1hを起動する。このとき、第2バルブV2は全閉、第3バルブV3は全開とし、第1バルブV1はスクリュウコンベア1hのシールが可能な圧力となる開度に設定する。汚染土壌は、スクリュウコンベア1hで搬送されながら所定の大きさ、例えば25mm以下に分及され、下流の連通管へと供給される。スクリュウコンベア1hのシール圧を検出する圧力センサの検出値がシール可能な圧力に到達し、真空ポンプ1gによる第1処理装置の減圧系、誘導加熱式溶融装置2a内の圧力が、それぞれ所定圧力に到達すると、第2バルブV2、第3バルブV3を徐々に開き、連通管10及びスクリュウコンベア1hに真空ポンプ1g、2dによって生成された負圧を作用させる。連通管10に負圧が作用すると、連通管10から溝型攪拌式乾燥機1aに汚染土壌が導入される。溝型攪拌式乾燥機に1aに導入された汚染土壌は、この溝型攪拌式乾燥機1a内で攪拌されながら加熱される。
溝型攪拌式乾燥機1aの加熱と攪拌によって蒸発したハロゲン化合物は、この溝型攪拌式乾燥機1aの加熱によって熱分解され、次に、後段の誘導加熱式熱分解装置1bで完全に熱分解される。溝型攪拌式乾燥機1aによって乾燥された汚染土壌は、誘導加熱式溶融装置2aへと供給されここで溶融される。汚染土壌に含まれていた有機ハロゲン化合物は、溶融により熱分解される。
誘導加熱式溶融装置2aの圧力(炉体の内部圧力)及び温度(炉体内の温度)が重金属の最大蒸発速度の差を利用して回収しえる圧力、温度に設定されていると、汚染土壌に含まれていた重金属が汚染土壌から蒸気の状態で分離するので、後段の電気集塵機2bには蒸気化した重金属が捕捉され回収される。このため、誘導加熱式溶融装置2aの圧力及び温度を重金属の種別毎に重金属の最大蒸発速度の差を利用できるように調節すると、重金属の種別毎に重金属を順次、回収することができる。
【0058】
図9は浄化処理車両の第二の実施の形態であり、図2に示す浄化装置を搭載した浄化処理車両である。この実施の形態において、浄化処理車両は、図4ないし図8で説明した構成とほとんど同じであり、脱液装置としての溝型攪拌式乾燥機1aに替えてナウタミキサ1´aが設けられた点、ナウタミキサ1´aを支持するための架台11の上部の構成、重金属の回収と有機ハロゲン化合物の熱分解を三方弁3´によって切り替えるように構成した点が相違しているが、ナウタミキサ1´aの支持構造以外は、既に、図2、図4ないし図8で既に説明したので、ここでは、同一構成部に同一符号を付してその説明は省略するものとする。
本実施の形態において、脱液装置としてのナウタミキサ1´aは円錐状に形成されているので、円筒形の支持部材26により架台11´にナウタミキサ1´a支持する構造としている。
支持部材26の上端部、下端部には、円形のフランジ部26a、26bが一体に設けられており、上端部のフランジ部26aがナウタミキサ1´aの胴外周に設けられているフランジ部27aに、下端部のフランジ部26bが架台11´の取り付け部28にそれぞれボルト、ナットによって一体に締結されている。なお、架台11´は、第1の実施の形態で説明した架台11の下部と同じ構造である。
従って、第1の実施の形態、第二の実施の形態に係る浄化処理車両のいずれによっても遠方の処理場で被処理物に含まれている有機ハロゲン化合物を熱分解により浄化でき、重金属を回収することができる。
【0059】
なお、前記した各実施の形態において、一台あたりの一日の処理量を大きくするため、脱液装置、誘導加熱式熱分解装置1b,1´b、誘導加熱式溶融装置1b、誘導加熱式溶融装置2b,2´bなど各装置が大型化する場合は、各装置を複数のトレーラに分割して配置してもよい。なお、この場合には、浄化処理前に各装置間を自在管継手で連結するものとする。また、軟弱地を走破する水陸両用車、クローラにより走行する車両を牽引車としてもよいし、トラクタを牽引車としてもよい。
このように、各実施の形態で説明した浄化処理車両は、本発明の趣旨を逸脱しない限り種々の改変が可能であり、この改変された発明に本発明が及ぶことは当然である。
【0060】
【発明の効果】
以上、説明したことから明らかなようにこの発明によれば次のごとき優れた効果を発揮する。
請求項1に記載された発明によれば、被処理物のある現場に移動して被処理物を浄化することができる。
また、複数の浄化処理車両により大規模な処理設備を構成することができる。さらに、現場に設置されている浄化設備のメンテナンスの際の代用として使用することもできる。
【0061】
さらに、浄化装置は、従来の熱分解装置や溶融装置と異なって有機ハロゲン化合物の熱分解、被処理物の溶融を大気圧下でなく、減圧下で行い、また、誘導加熱により、熱分解、溶融を行うので、従来熱分解工程や溶融工程のスタートアップ、シャットダウンに長く掛かっていた時間を短縮することができる。
【0062】
また、減圧下で、ほとんど酸素のない状態で有機ハロゲン化合物を熱分解するので、系外へ排出する排出ガス量は少なくなる。この場合、熱分解生成物は炭素、塩素、水素の他、塩化水素になるので個々に再利用することが可能となるとともに、汚染土壌を減圧系内で加熱溶融することで汚染土壌中の重金属を重金属の種別毎に蒸留分離することができるため後段での重金属の分離・回収コストが低減できる等の優れた効果を発揮する。
【0063】
請求項2記載の発明によれば、複数の重金属を重金属の種別毎に分離・回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る複合汚染土壌の浄化装置を示す全体構成図である。
【図2】本発明に係る複合汚染土壌の浄化処理車両を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る複合汚染土壌の浄化処理車両の第1実施の形態を示し、浄化処理車両の外観を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る複合汚染土壌の浄化処理車両の第1実施の形態を示し、浄化処理車両の内部を示す一部破断解説図である。
【図5】本発明の複合汚染土壌の浄化処理車両に係り、溝型攪拌式乾燥機及び誘導加熱式溶融装置を車両に取り付けるための架台の構造を示す解説図である。
【図6】本発明の複合汚染土壌の浄化処理車両に係り、図5のb−b線断面矢視図である。
【図7】本発明の複合汚染土壌の浄化処理車両に係るばね押さえ機構の1実施の形態を示し、図7(a)は図5のa−a線矢視図、図7(b)は図7(a)のa−b−c−d−e−f断面図である。
【図8】本発明の複合汚染土壌の浄化処理車両に係り、誘導加熱式溶融装置を車両に取り付けるためのコンテナ容器の内部構造を示す解説断面図である。
【図9】本発明に係る複合汚染土壌の浄化処理車両の第二実施の形態を示し、浄化処理車両の内部を示す一部破断解説図である
【符号の説明】
1,1′ 第1処理装置
1a 溝型攪拌式乾燥機(脱液装置)
1′a ナウタミキサ(脱液装置)
1b,1′b 誘導加熱式熱分解装置
1c 全円筒型サイクロン
1d 塩素分離装置(ハロゲン分離装置)
1e 冷却装置
1f 吸着装置
1g メカニカルブースタ付きの真空ポンプ(減圧発生手段)
1h スクリュウコンベア
2,2′ 第二処理装置
2a,2′a 誘導加熱式溶融装置
2b,2′b 電気集塵機(重金属回収装置)
2c,2′c 吸着装置
2d,2′d メカニカルブースタ付きの真空ポンプ(減圧発生手段)
3 牽引車(車両)
5 トレーラ(車両)

Claims (2)

  1. 有機ハロゲン化合物及び重金属により複合汚染された汚染土壌から前記有機ハロゲン化合物及び前記重金属を分離させて浄化する装置であって、少なくとも、前記汚染土壌を攪拌しながら加熱する脱液装置と、前記脱液装置で加熱されて前記汚染土壌から分離された有機ハロゲン化合物の気体を熱分解温度に加熱する誘導加熱式熱分解装置と、前記脱液装置で脱液された複数の重金属を含んだ汚染土壌を減圧系内で誘導加熱により融解するとともに融解液の表面からの各重金属の最大蒸発速度の差を制御して前記汚染土壌から複数の重金属を融解液から順次分離する誘導加熱式溶融装置と、前記誘導加熱式溶融装置から排出される前記重金属を電界により捕捉して回収する重金属回収装置とを有する複合汚染土壌の浄化装置を、走行可能な車両の荷台に搭載したことを特徴とする複合汚染土壌の浄化処理車両。
  2. 前記誘導加熱式溶融装置は、各重金属の原子量、融点、及びその融点における飽和蒸気圧力に基づいて各重金属間の最大蒸発速度の差を制御するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の複合汚染土壌の浄化処理車両。
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