JP2004253943A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】グランド板にアンテナ素子が設置されるアンテナ装置において、限定された空間上に多数のアンテナを形成し、多数の周波数で動作させること。
【解決手段】グランド板12と、グランド板12に設置された板状アンテナ10とを備えたアンテナ装置において、グランド板12と平行な板状アンテナ10の逆Lアンテナの導体部とグランド板12との間に挿入される複数のPINダイオード17、19、21を備え、これらのスイッチング素子17、19、21のいずれか一つに直流バイアス電圧を印加して、これらのPINダイオード17、19、21の導通、非導通を切り換える。
【選択図】 図2
【解決手段】グランド板12と、グランド板12に設置された板状アンテナ10とを備えたアンテナ装置において、グランド板12と平行な板状アンテナ10の逆Lアンテナの導体部とグランド板12との間に挿入される複数のPINダイオード17、19、21を備え、これらのスイッチング素子17、19、21のいずれか一つに直流バイアス電圧を印加して、これらのPINダイオード17、19、21の導通、非導通を切り換える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アンテナ装置に関するものであり、特に、多数の周波数で動作可能なアンテナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、無線通信分野の発展は目覚ましく、その技術は日々進歩している。例えば、携帯電話、簡易型携帯電話(PHS:Personal Handyphone System)、次世代携帯電話(IMT2000:International Mobile Telecommunications 2000)、無線LAN(IEEE 802.11aまたは802.11b)などに代表される様々なサービスが提供されている。
【0003】
一方、これらのサービスで使用されている周波数帯はそれぞれ異なっており、幾つもの周波数帯が使用されている。したがって、一つの端末で多様なサービスを受けるためには、一つの端末で多数の周波数を使用できる多周波共用アンテナが要望される。
【0004】
この多周波共用アンテナを実現するもの、第1および第2のプリントアンテナの間に金属板を設けるとともに、プリントアンテナの給電点に整合回路を接続することにより、アンテナの多共振化を実現しているアンテナ装置の例がある(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平09−093031号公報(第3−5頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このアンテナ装置は、端末用のアンテナ装置として適用するには、広い設置スペースを必要とするなどの欠点を有していた。また、このアンテナ装置で多数の周波数を共用するには、共用周波数の数だけアンテナ素子が必要であり、さらに広い設置スペースを必要とするなどの欠点を有していた。
【0007】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、限定された空間上に多数のアンテナを形成し、多数の周波数で動作可能なアンテナ装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかるアンテナ装置にあっては、グランド板と、このグランド板に設置された逆Lアンテナとを備えたアンテナ装置であって、前記グランド板と平行な前記逆Lアンテナの導体部上で給電端の反対側の一端と前記グランド板との間に挿入されるスイッチング素子を備え、前記スイッチング素子に直流バイアス電圧を印加して、このスイッチング素子の導通、非導通を切り換えることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、グランド板と平行な逆Lアンテナの導体部上で給電端の反対側の一端とグランド板との間に挿入されるスイッチング素子が備えられ、このスイッチング素子に直流バイアス電圧が印加されて、このスイッチング素子の導通、非導通が切り換えられる。
【0010】
つぎの発明にかかるアンテナ装置にあっては、グランド板と、このグランド板に設置された逆Lアンテナとを備えたアンテナ装置であって、前記グランド板と平行な前記逆Lアンテナの導体部と前記グランド板との間に挿入される複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子のいずれか一つに直流バイアス電圧を印加して、これらのスイッチング素子の導通、非導通を切り換えることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、グランド板と平行な逆Lアンテナの導体部と前記グランド板との間に挿入される複数のスイッチング素子が備えられ、複数のスイッチング素子のいずれか一つに直流バイアス電圧が印加されて、これらのスイッチング素子の導通、非導通が切り換えられる。
【0012】
つぎの発明にかかるアンテナ装置にあっては、前記複数のスイッチング素子のいずれか一つを導通させ、異なる周波数で共振させることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、複数のスイッチング素子のいずれか一つが導通することで、異なる周波数で共振させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかるアンテナ装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
図1は、この発明の実施の形態にかかるアンテナ装置の構造を示す概要図である。同図に示すアンテナ装置は、長さlg、幅wgのグランド板12と、このグランド板12上に設置された板状アンテナ10とから構成されている。また、板状アンテナ10は、ストリップ導体を有する奥行きの短い誘電体基板である。この誘電体基板は、グランド板12の一端のエッジからdx、dyの位置に、グランド板12と直交するような形態で、グランド板12上に設置されている。
【0016】
図2は、図1に示した板状アンテナ10の模式的構成図である。同図において、板状アンテナ10は、長さl1、高さhの大きさを有している。板状アンテナ10の長手方向の一辺および短手方向の一辺には、逆L形状で幅wのストリップ導体14が形成されている。また、ストリップ導体14が形成されていない短手方向の一辺にも、ストリップ導体20が形成されている。さらに、ストリップ導体14が形成されている短手方向の一辺から長さl2の位置にはストリップ導体18が形成され、長さl3の位置にはストリップ導体16が形成されている。
【0017】
ストリップ導体14には、図示を省略した信号給電端が備えられ、この信号給電端には高周波信号22が印加される。ストリップ導体16、18、20の間には、それぞれ、PINダイオード17、19、21が挿入されている。また、ストリップ導体14の長手方向の一辺において、ストリップ導体20の一端とストリップ導体18の一端との間には容量性素子23cが挿入され、ストリップ導体18の一端とストリップ導体16の一端との間には容量性素子23bが挿入されている。さらに、ストリップ導体14の長手方向の一辺上で、ストリップ導体16の一端と給電端との間には容量性素子23aが挿入されている。
【0018】
バイアス切替手段26は、PINダイオード17、19、21のいずれか一つとグランド板12との間にDC電源24から供給された直流バイアス電圧を供給する。例えば、PINダイオード17に所定の直流バイアス電圧が印加されると、PINダイオード17はON状態となる。一方、直流バイアス電圧が印加されないPINダイオード19、21はOFF状態のままである。なお、ストリップ導体14に挿入された容量性素子23b、23cは、印加された直流バイアス電圧によって生ずるバイアス電流が他のPINダイオードに流入するのを阻止するためのものであり、容量性素子23aは、印加された直流バイアス電圧によって生ずるバイアス電流が給電端に流入するのを阻止するためのものである。また、直流バイアス電圧を印加する線路上に挿入された誘導性素子28a、28b、28cのそれぞれは、高周波ノイズが各PINダイオードに侵入するのを防止するためのものである。
【0019】
いま、DC電源24から所定の直流バイアス電圧がPINダイオード21に印加されるとき、PINダイオード21はON状態となる。PINダイオード21は、ON状態において、小さな抵抗値(数Ω程度)を有するので、ストリップ導体20は実質的に短絡状態となる。
【0020】
一方、所定の直流バイアス電圧がPINダイオード21に印加されるとき、PINダイオード17、19には直流バイアス電圧が印加されないので、これらのPINダイオードはOFF状態となる。PINダイオードは、OFF状態において、数GHz帯の周波数帯では、高いリアクタンス成分(容量性)を有するので、ストリップ導体16、18は実質的に開放状態となる。
【0021】
したがって、DC電源24から所定の直流バイアス電圧がPINダイオード21だけに印加されるとき、ストリップ導体14、20、グランド板12からなるループ(以下「第1のループ」という。)が形成されるので、この板状アンテナ10は、第1のループをループ長とするループアンテナ(以下「第1のループアンテナ」という。)として機能させることができる。なお、PINダイオードをON状態にするには、1〜2V程度の順方向直流バイアス電圧を印加すればよい。また、PINダイオードに印加する順方向直流バイアス電圧を増加させると、PINダイオードの抵抗値がさらに減少するので、PINダイオードに印加する順方向直流バイアス電圧を制御することで、信号給電端における入力インピーダンスを制御することもできる。
【0022】
同様に、DC電源24から所定の直流バイアス電圧がPINダイオード19だけに印加されるとき、ストリップ導体14、18、グランド板12からなるループ(以下「第2のループ」という。)が形成されるので、この板状アンテナ10は、第2のループをループ長とするループアンテナ(以下「第2のループアンテナ」という。)として機能させることができる。また、DC電源24から所定の直流バイアス電圧がPINダイオード17だけに印加されるとき、ストリップ導体14、16、グランド板12からなるループ(以下「第3のループ」という。)が形成されるので、この板状アンテナ10は、第3のループをループ長とするループアンテナ(以下「第3のループアンテナ」という。)として機能させることができる。なお、いずれのPINダイオードにも直流バイアス電圧を印加しない場合には、この板状アンテナ10は、逆Lアンテナとして機能することはいうまでもない。
【0023】
第2のループアンテナのループ長は、第1のループアンテナのループ長よりも短いので、第2のループアンテナの共振周波数は、第1のループアンテナ共振周波数よりも高くなる。また、第3のループアンテナのループ長は、第2のループアンテナのループ長よりも短いので、第3のループアンテナの共振周波数は、第2のループアンテナ共振周波数よりも高くなる。
【0024】
(実験結果)
図3は、PINダイオード21がONのときのVSWRの周波数特性を示すグラフである。同図において、VSWRの値が小さくなっている周波数が共振周波数を示している。なお、3GHzよりも高い周波数のところでVSWRの値が小さくなっているが、この周波数は、高次モードでの共振周波数を示している。同図から、PINダイオード21がON(第1のループアンテナ)のときの共振周波数は、約1.6GHzであることがわかる。
【0025】
同様に、図4(a)は、PINダイオード19がONのときのVSWRの周波数特性を示すグラフであり、(b)は、PINダイオード17がONのときのVSWRの周波数特性を示すグラフである。同図(a)に示すように、PINダイオード19がON(第2のループアンテナ)のときの共振周波数は、約2.7GHzであることがわかる。また、同図(b)に示すように、PINダイオード17がON(第3のループアンテナ)のときの共振周波数は、約3.4GHzであることがわかる。
【0026】
以上説明したように、この実施の形態のアンテナ装置によれば、グランド板と平行な逆Lアンテナの導体部とグランド板との間に挿入される複数のスイッチング素子が備えられ、複数のスイッチング素子のいずれか一つに直流バイアス電圧が印加されて、これらのスイッチング素子の導通、非導通を切り換えるようにしているので、限定された空間上に多数のアンテナを形成し、多数の周波数で動作可能なアンテナ装置を提供することができる。
【0027】
また、この実施の形態のアンテナ装置によれば、複数のスイッチング素子のいずれか一つが導通することで、異なる周波数で共振させるようにしているので、多数の周波数で動作可能なアンテナ装置を提供することができる。
【0028】
なお、ここでいうところの、スイッチング素子とはPINダイオードに対応するものである。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明によれば、グランド板と平行な逆Lアンテナの導体部上で給電端の反対側の一端とグランド板との間に挿入されるスイッチング素子が備えられ、このスイッチング素子に直流バイアス電圧が印加されて、このスイッチング素子の導通、非導通を切り換えるようにしているので、限定された空間上に多数のアンテナを形成し、多数の周波数で動作可能なアンテナ装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかるアンテナ装置の構造を示す概要図である。
【図2】図1に示した板状アンテナ10の模式的構成図である。
【図3】PINダイオード21がONのときのVSWRの周波数特性を示すグラフである。
【図4】(a)は、PINダイオード19がONのときのVSWRの周波数特性を示すグラフであり、(b)は、PINダイオード17がONのときのVSWRの周波数特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10 板状アンテナ
12 グランド板
14,16,18 ストリップ導体
17,19,21 PINダイオード
22 高周波信号
23a,23b,23c 容量性素子
24 DC電源
26 バイアス切替手段
28a,28b,28c 誘導性素子
【発明の属する技術分野】
この発明は、アンテナ装置に関するものであり、特に、多数の周波数で動作可能なアンテナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、無線通信分野の発展は目覚ましく、その技術は日々進歩している。例えば、携帯電話、簡易型携帯電話(PHS:Personal Handyphone System)、次世代携帯電話(IMT2000:International Mobile Telecommunications 2000)、無線LAN(IEEE 802.11aまたは802.11b)などに代表される様々なサービスが提供されている。
【0003】
一方、これらのサービスで使用されている周波数帯はそれぞれ異なっており、幾つもの周波数帯が使用されている。したがって、一つの端末で多様なサービスを受けるためには、一つの端末で多数の周波数を使用できる多周波共用アンテナが要望される。
【0004】
この多周波共用アンテナを実現するもの、第1および第2のプリントアンテナの間に金属板を設けるとともに、プリントアンテナの給電点に整合回路を接続することにより、アンテナの多共振化を実現しているアンテナ装置の例がある(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平09−093031号公報(第3−5頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このアンテナ装置は、端末用のアンテナ装置として適用するには、広い設置スペースを必要とするなどの欠点を有していた。また、このアンテナ装置で多数の周波数を共用するには、共用周波数の数だけアンテナ素子が必要であり、さらに広い設置スペースを必要とするなどの欠点を有していた。
【0007】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、限定された空間上に多数のアンテナを形成し、多数の周波数で動作可能なアンテナ装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかるアンテナ装置にあっては、グランド板と、このグランド板に設置された逆Lアンテナとを備えたアンテナ装置であって、前記グランド板と平行な前記逆Lアンテナの導体部上で給電端の反対側の一端と前記グランド板との間に挿入されるスイッチング素子を備え、前記スイッチング素子に直流バイアス電圧を印加して、このスイッチング素子の導通、非導通を切り換えることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、グランド板と平行な逆Lアンテナの導体部上で給電端の反対側の一端とグランド板との間に挿入されるスイッチング素子が備えられ、このスイッチング素子に直流バイアス電圧が印加されて、このスイッチング素子の導通、非導通が切り換えられる。
【0010】
つぎの発明にかかるアンテナ装置にあっては、グランド板と、このグランド板に設置された逆Lアンテナとを備えたアンテナ装置であって、前記グランド板と平行な前記逆Lアンテナの導体部と前記グランド板との間に挿入される複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子のいずれか一つに直流バイアス電圧を印加して、これらのスイッチング素子の導通、非導通を切り換えることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、グランド板と平行な逆Lアンテナの導体部と前記グランド板との間に挿入される複数のスイッチング素子が備えられ、複数のスイッチング素子のいずれか一つに直流バイアス電圧が印加されて、これらのスイッチング素子の導通、非導通が切り換えられる。
【0012】
つぎの発明にかかるアンテナ装置にあっては、前記複数のスイッチング素子のいずれか一つを導通させ、異なる周波数で共振させることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、複数のスイッチング素子のいずれか一つが導通することで、異なる周波数で共振させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかるアンテナ装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
図1は、この発明の実施の形態にかかるアンテナ装置の構造を示す概要図である。同図に示すアンテナ装置は、長さlg、幅wgのグランド板12と、このグランド板12上に設置された板状アンテナ10とから構成されている。また、板状アンテナ10は、ストリップ導体を有する奥行きの短い誘電体基板である。この誘電体基板は、グランド板12の一端のエッジからdx、dyの位置に、グランド板12と直交するような形態で、グランド板12上に設置されている。
【0016】
図2は、図1に示した板状アンテナ10の模式的構成図である。同図において、板状アンテナ10は、長さl1、高さhの大きさを有している。板状アンテナ10の長手方向の一辺および短手方向の一辺には、逆L形状で幅wのストリップ導体14が形成されている。また、ストリップ導体14が形成されていない短手方向の一辺にも、ストリップ導体20が形成されている。さらに、ストリップ導体14が形成されている短手方向の一辺から長さl2の位置にはストリップ導体18が形成され、長さl3の位置にはストリップ導体16が形成されている。
【0017】
ストリップ導体14には、図示を省略した信号給電端が備えられ、この信号給電端には高周波信号22が印加される。ストリップ導体16、18、20の間には、それぞれ、PINダイオード17、19、21が挿入されている。また、ストリップ導体14の長手方向の一辺において、ストリップ導体20の一端とストリップ導体18の一端との間には容量性素子23cが挿入され、ストリップ導体18の一端とストリップ導体16の一端との間には容量性素子23bが挿入されている。さらに、ストリップ導体14の長手方向の一辺上で、ストリップ導体16の一端と給電端との間には容量性素子23aが挿入されている。
【0018】
バイアス切替手段26は、PINダイオード17、19、21のいずれか一つとグランド板12との間にDC電源24から供給された直流バイアス電圧を供給する。例えば、PINダイオード17に所定の直流バイアス電圧が印加されると、PINダイオード17はON状態となる。一方、直流バイアス電圧が印加されないPINダイオード19、21はOFF状態のままである。なお、ストリップ導体14に挿入された容量性素子23b、23cは、印加された直流バイアス電圧によって生ずるバイアス電流が他のPINダイオードに流入するのを阻止するためのものであり、容量性素子23aは、印加された直流バイアス電圧によって生ずるバイアス電流が給電端に流入するのを阻止するためのものである。また、直流バイアス電圧を印加する線路上に挿入された誘導性素子28a、28b、28cのそれぞれは、高周波ノイズが各PINダイオードに侵入するのを防止するためのものである。
【0019】
いま、DC電源24から所定の直流バイアス電圧がPINダイオード21に印加されるとき、PINダイオード21はON状態となる。PINダイオード21は、ON状態において、小さな抵抗値(数Ω程度)を有するので、ストリップ導体20は実質的に短絡状態となる。
【0020】
一方、所定の直流バイアス電圧がPINダイオード21に印加されるとき、PINダイオード17、19には直流バイアス電圧が印加されないので、これらのPINダイオードはOFF状態となる。PINダイオードは、OFF状態において、数GHz帯の周波数帯では、高いリアクタンス成分(容量性)を有するので、ストリップ導体16、18は実質的に開放状態となる。
【0021】
したがって、DC電源24から所定の直流バイアス電圧がPINダイオード21だけに印加されるとき、ストリップ導体14、20、グランド板12からなるループ(以下「第1のループ」という。)が形成されるので、この板状アンテナ10は、第1のループをループ長とするループアンテナ(以下「第1のループアンテナ」という。)として機能させることができる。なお、PINダイオードをON状態にするには、1〜2V程度の順方向直流バイアス電圧を印加すればよい。また、PINダイオードに印加する順方向直流バイアス電圧を増加させると、PINダイオードの抵抗値がさらに減少するので、PINダイオードに印加する順方向直流バイアス電圧を制御することで、信号給電端における入力インピーダンスを制御することもできる。
【0022】
同様に、DC電源24から所定の直流バイアス電圧がPINダイオード19だけに印加されるとき、ストリップ導体14、18、グランド板12からなるループ(以下「第2のループ」という。)が形成されるので、この板状アンテナ10は、第2のループをループ長とするループアンテナ(以下「第2のループアンテナ」という。)として機能させることができる。また、DC電源24から所定の直流バイアス電圧がPINダイオード17だけに印加されるとき、ストリップ導体14、16、グランド板12からなるループ(以下「第3のループ」という。)が形成されるので、この板状アンテナ10は、第3のループをループ長とするループアンテナ(以下「第3のループアンテナ」という。)として機能させることができる。なお、いずれのPINダイオードにも直流バイアス電圧を印加しない場合には、この板状アンテナ10は、逆Lアンテナとして機能することはいうまでもない。
【0023】
第2のループアンテナのループ長は、第1のループアンテナのループ長よりも短いので、第2のループアンテナの共振周波数は、第1のループアンテナ共振周波数よりも高くなる。また、第3のループアンテナのループ長は、第2のループアンテナのループ長よりも短いので、第3のループアンテナの共振周波数は、第2のループアンテナ共振周波数よりも高くなる。
【0024】
(実験結果)
図3は、PINダイオード21がONのときのVSWRの周波数特性を示すグラフである。同図において、VSWRの値が小さくなっている周波数が共振周波数を示している。なお、3GHzよりも高い周波数のところでVSWRの値が小さくなっているが、この周波数は、高次モードでの共振周波数を示している。同図から、PINダイオード21がON(第1のループアンテナ)のときの共振周波数は、約1.6GHzであることがわかる。
【0025】
同様に、図4(a)は、PINダイオード19がONのときのVSWRの周波数特性を示すグラフであり、(b)は、PINダイオード17がONのときのVSWRの周波数特性を示すグラフである。同図(a)に示すように、PINダイオード19がON(第2のループアンテナ)のときの共振周波数は、約2.7GHzであることがわかる。また、同図(b)に示すように、PINダイオード17がON(第3のループアンテナ)のときの共振周波数は、約3.4GHzであることがわかる。
【0026】
以上説明したように、この実施の形態のアンテナ装置によれば、グランド板と平行な逆Lアンテナの導体部とグランド板との間に挿入される複数のスイッチング素子が備えられ、複数のスイッチング素子のいずれか一つに直流バイアス電圧が印加されて、これらのスイッチング素子の導通、非導通を切り換えるようにしているので、限定された空間上に多数のアンテナを形成し、多数の周波数で動作可能なアンテナ装置を提供することができる。
【0027】
また、この実施の形態のアンテナ装置によれば、複数のスイッチング素子のいずれか一つが導通することで、異なる周波数で共振させるようにしているので、多数の周波数で動作可能なアンテナ装置を提供することができる。
【0028】
なお、ここでいうところの、スイッチング素子とはPINダイオードに対応するものである。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明によれば、グランド板と平行な逆Lアンテナの導体部上で給電端の反対側の一端とグランド板との間に挿入されるスイッチング素子が備えられ、このスイッチング素子に直流バイアス電圧が印加されて、このスイッチング素子の導通、非導通を切り換えるようにしているので、限定された空間上に多数のアンテナを形成し、多数の周波数で動作可能なアンテナ装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかるアンテナ装置の構造を示す概要図である。
【図2】図1に示した板状アンテナ10の模式的構成図である。
【図3】PINダイオード21がONのときのVSWRの周波数特性を示すグラフである。
【図4】(a)は、PINダイオード19がONのときのVSWRの周波数特性を示すグラフであり、(b)は、PINダイオード17がONのときのVSWRの周波数特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10 板状アンテナ
12 グランド板
14,16,18 ストリップ導体
17,19,21 PINダイオード
22 高周波信号
23a,23b,23c 容量性素子
24 DC電源
26 バイアス切替手段
28a,28b,28c 誘導性素子
Claims (3)
- グランド板と、このグランド板に設置された逆Lアンテナとを備えたアンテナ装置であって、
前記グランド板と平行な前記逆Lアンテナの導体部上で給電端の反対側の一端と前記グランド板との間に挿入されるスイッチング素子を備え、
前記スイッチング素子に直流バイアス電圧を印加して、このスイッチング素子の導通、非導通を切り換えることを特徴とするアンテナ装置。 - グランド板と、このグランド板に設置された逆Lアンテナとを備えたアンテナ装置であって、
前記グランド板と平行な前記逆Lアンテナの導体部と前記グランド板との間に挿入される複数のスイッチング素子を備え、
前記複数のスイッチング素子のいずれか一つに直流バイアス電圧を印加して、これらのスイッチング素子の導通、非導通を切り換えることを特徴とするアンテナ装置。 - 前記複数のスイッチング素子のいずれか一つを導通させ、異なる周波数で共振させることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003040601A JP2004253943A (ja) | 2003-02-19 | 2003-02-19 | アンテナ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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