JP2004253502A - バイポーラトランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

バイポーラトランジスタおよびその製造方法 Download PDF

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Takahiro Kawashima
孝啓 川島
Akira Asai
明 浅井
Toru Saito
徹 齋藤
Takeshi Takagi
剛 高木
Takeshi Idota
健 井戸田
Yoshihiko Kanzawa
好彦 神澤
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】高性能で且つ量産性に優れたバイポーラトランジスタを提供する。
【解決手段】基板100の上部にN型埋め込み拡散層101を形成し、絶縁膜108およびアンドープポリシリコン層109のパターニングを行ないベース開口部110を形成する。ベース開口部110にはP型不純物がドープされた半導体層111を非選択的にエピタキシャル成長により形成し、半導体層111は、コレクタ層102上では単結晶構造部111aが、アンドープポリシリコン層109上では多結晶構造部111bとする。単結晶構造部111a上に位置する絶縁膜112に、エミッタ開口部114を形成し、エミッタ開口部114内に位置する単結晶構造部111aの上部を熱酸化して酸化膜115をウェットエッチングを行なうことによって除去することで単結晶構造部111aのダメージを取り除く。またこの上にN型半導体層で埋めエミッタ寸法バラツキを少なく形成する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイポーラトランジスタおよびその製造方法に関し、特に、バイポーラトランジスタ、それを含むBiCMOSデバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、シリコン基板上に形成されるバイポーラトランジスタとして、シングルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタと、ダブルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタとが提案されている。シングルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタでは、ベース層をエピタキシャル成長によって形成する際に外部ベースを同時に形成するため、内部ベースと外部ベースとの接続部の寄生抵抗が低減できベース抵抗を小さくすることができる。また、シンプルな構造のためプロセスが容易になり、工程数を大幅に削減することができる。ダブルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタでは、リソグラフィー技術の最小寸法より小さいエミッタ幅を、高い精度で容易に実現できる。このためベース抵抗およびコレクタ容量を低減することができる(特許文献1を参照)。
【0003】
従来のシングルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタの製造方法を、図12(a)〜図14(b)を参照しながら説明する。図12(a)〜図14(b)は、従来のシングルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【0004】
まず、図12(a)に示す工程で、Si基板500の上部に、N型不純物をドープしながらSi単結晶層をエピタキシャル成長させる、あるいは、エピタキシャル成長後に高エネルギーのイオン注入を行なうことにより、深さ約1μmのN型埋め込み拡散層501を形成する。
【0005】
次に、素子分離として、酸化シリコンが埋め込まれたシャロートレンチ分離(STI)503と、アンドープポリシリコン膜505及びこれを取り囲むシリコン酸化膜506により構成されるディープトレンチ分離(DTI)504とを形成する。STI503およびDTI504の深さは、それぞれ0.25μm〜0.4μm程度および2μm〜4μm程度としておく。Si基板500内におけるSTI503同士によって挟まれる領域がコレクタ層502となる。また、STI503によってSi基板500内のコレクタ層502から分離された領域に、N型埋め込み拡散層501を介してコレクタ層502の電極とコンタクトするための、リンなどがイオン注入されたNコレクタ引き出し層507を形成する。
【0006】
次に、図12(b)に示す工程で、基板上に厚さ約30〜50nmの堆積酸化膜508と、厚さ約50〜100nm程度のアンドープポリシリコン層509とを順次形成する。続いて、堆積酸化膜508およびアンドープポリシリコン層509をリソグラフィー技術、異方性ドライエッチング技術およびウェットエッチング技術によってパターニングを行ない、ベース開口部510を形成する。
【0007】
次に、図13(a)に示す工程で、Si基板500上のベース開口部510に半導体層511を非選択的にエピタキシャル成長により形成する。なお、ここでは半導体層511を形成する材料がSiGeである。SiGeからなる半導体層511は、コレクタ層502上では単結晶構造を有している(単結晶構造部511a)が、アンドープポリシリコン層509上では多結晶構造となっている(多結晶構造部511b)。続いて、基板上に厚さ20〜50nm程度の堆積酸化膜512と、厚さ20〜100nm程度のポリシリコン膜513とを順次堆積する。
【0008】
次に、図13(b)に示す工程で、ポリシリコン膜513をリソグラフィーおよび異方性ドライエッチングによりパターニングする。その後レジストを除去し、ポリシリコン膜513をマスクとするウェットエッチングによって堆積酸化膜512を除去することによりエミッタ開口部514を形成する。なお、単結晶構造部511aのうちのエミッタ開口部514の下方領域が内部ベースとして機能する。単結晶構造部511aのうちのエミッタ開口部514の下方領域を除く部分と、多結晶構造部511bとは、外部ベースとして機能する。
【0009】
次に、図14(a)に示す工程で、N型にドープされたポリシリコンを厚さ100〜400nm程度堆積させ、エミッタ開口部514を埋める。この後、リソグラフィーおよびドライエッチングによりN型ポリシリコン層529を形成する。続いて、多結晶構造部511b上にある堆積酸化膜512を、ウェットエッチングにより除去する。
【0010】
次に、図14(b)に示す工程で、基板上に金属層を形成し、この金属層をパターニングすることによって、Nコレクタ引き出し層507、多結晶構造部511bおよびN型ポリシリコン層529の上に電極524を形成する。続いて、基板上に層間絶縁膜525を堆積し、層間絶縁膜525に各電極に到達する接続孔を形成する。次いで、各接続孔を埋めるプラグ526と各プラグ526に接続されて、層間絶縁膜525上に延びる金属配線527とを形成する。
【0011】
次に、従来のダブルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタの製造方法を、図15(a)〜図17(b)を参照しながら説明する。図15(a)〜図17(b)は、従来のダブルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【0012】
まず、図15(a)に示す工程で、Si基板600の上部に、N型不純物をドープしながらSi単結晶層をエピタキシャル成長させる、あるいは、エピタキシャル成長後に高エネルギーのイオン注入を行なうことにより、深さ約1μmのN型埋め込み拡散層601を形成する。次に、素子分離として、酸化シリコンが埋め込まれたシャロートレンチ分離(STI)603と、アンドープポリシリコン膜605およびこれを取り囲むシリコン酸化膜606により構成されるディープトレンチ分離(DTI)604とを形成する。STI603およびDTI604の深さは、それぞれ0.25μm〜0.4μm程度および2μm〜4μm程度としておく。Si基板600内におけるSTI603同士によって挟まれる領域がコレクタ層602となる。また、STI603によってSi基板600内のコレクタ層602から分離された領域に、N型埋め込み拡散層601を介してコレクタ層602の電極とコンタクトするための、リンなどがイオン注入されたNコレクタ引き出し層607を形成する。
【0013】
次に、図15(b)に示す工程で、基板上に厚さ約30〜50nmの堆積酸化膜608と、厚さ約50〜100nm程度のアンドープポリシリコン層609とを順次形成する。続いて、堆積酸化膜608およびアンドープポリシリコン層609をリソグラフィー技術、異方性ドライエッチング技術およびウェットエッチング技術によってパターニングを行ない、ベース開口部610を形成する。次に、Si基板600上のベース開口部610に半導体層611を選択的にエピタキシャル成長により形成する。なお、ここでは半導体層611を形成する材料がSiGeである。SiGeからなる半導体層611は、コレクタ層602上では単結晶構造を有している(単結晶構造部611a)が、アンドープポリシリコン層609上では多結晶構造となっている(多結晶構造部611b)。
【0014】
次に、図16(a)に示す工程で、基板上に厚さ20〜50nm程度の堆積酸化膜612を堆積し、リソグラフィおよびウェットエッチングによりベース接合用開口部614を形成する。次いで、P型不純物がドープされた厚さ100〜200nm程度のポリシリコン層615と、厚さ100〜200nm程度の堆積酸化膜617とを順次堆積する。このことによって、ポリシリコン層615は外部ベースとして機能する。なおここで、ポリシリコン層615に代えて、アンドープポリシリコン層を堆積させた後、このアンドープポリシリコン層にボロンなどをイオン注入することによって低抵抗の外部ベースを形成してもよい。また、ポリシリコン層615および堆積酸化膜617には、リソグラフィーおよびドライエッチングによって、単結晶構造部611a上の堆積酸化膜612の上方の部分に開口部618が形成される。
【0015】
次に、図16(b)に示す工程で、開口部618の側壁に露出しているポリシリコン層615の側壁を酸化することによって、厚さ30nm程度の堆積酸化膜620を形成する。続いて、基板上に厚さ約100nm程度のN型不純物がドープされたポリシリコン層を堆積させ、エッチバックすることによってサイドウォール621を形成する。次いで、開口部618内にある堆積酸化膜612の残膜および堆積酸化膜620の残膜をウェットエッチングすることにより除去することによって、エミッタ開口部619を形成する。
【0016】
次に、図17(a)に示す工程で、基板上にN型にドープされたポリシリコンを厚さ100〜400nm程度堆積させ、エミッタ開口部619を埋める。この後、リソグラフィーおよびドライエッチングによりN型ポリシリコン層629を形成する。ここで、堆積酸化膜612および堆積酸化膜620によりN型ポリシリコン層629と外部ベースとして機能するポリシリコン層615が絶縁される。
【0017】
次に、図17(b)に示す工程で、リソグラフィおよびドライエッチングによってポリシリコン層609、多結晶構造部611b、堆積酸化膜612およびポリシリコン層615をパターニングして、外部ベースの形状を決定する。続いて、基板上に厚さ約120nmの堆積酸化膜を形成した後、ドライエッチングを行なって、N型ポリシリコン層629およびポリシリコン層615の側面にサイドウォール623を形成する。このときのドライエッチング(オーバーエッチング)によって、堆積酸化膜608の露出している部分を除去して、N型ポリシリコン層629、ポリシリコン層615およびNコレクタ引き出し層607の表面を露出させる。続いて、基板上に金属層を形成し、この金属層をパターニングすることによって、N型ポリシリコン層629、ポリシリコン層615およびNコレクタ引き出し層607のそれぞれの上に電極624を形成する。次いで、基板上に層間絶縁膜625を堆積し、層間絶縁膜625に各電極624に到達する接続孔を形成する。さらに引き続いて、各接続孔を埋めるプラグ626と各プラグ626に接続されて、層間絶縁膜625上に延びる金属配線627とを形成する。
【0018】
【特許文献1】
特許第3202011号公報(第13−17頁、第7−11図)
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したシングルポリシリコン構造およびダブルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタの従来の製造方法のいずれにおいても、堆積酸化膜のウェットエッチングによってエミッタ開口部を形成する際に、エミッタ開口部の幅(以下、エミッタ幅と称する)が設計された幅よりも広くなる。このことを図18および図19を参照しながらより詳しく説明する。
【0020】
図18は、シングルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタの従来の製造方法において、図13(b)に示す工程で形成されたエミッタ開口部514を拡大した断面図である。図19は、ダブルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタの従来の製造方法において、図16(b)に示す工程で形成されたエミッタ開口部619を拡大した断面図である。
【0021】
シングルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタの従来の製造方法では、図13(b)に示す工程でウェットエッチングによって堆積酸化膜512が等方的にエッチングされる。このため、図18に示すように、堆積酸化膜512のサイドエッチングによって、実際のエミッタ幅W1は、ポリシリコン膜513をパターニングすることによって設計した開口幅(理想的なエミッタ幅)W2よりも大きくなってしまう。このため、エミッタ−ベース間の寄生容量をさらに低減することが難しく、電気的特性のさらなる向上を困難なものとしている。また、実際のエミッタ幅W1を縮小するために堆積酸化膜512のウェットエッチング量を変更しても、1つのウエハから得られる各トランジスタに電流利得のバラツキが生じる原因ともなる。
【0022】
ダブルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタの従来の製造方法では、図16(b)に示す工程でウェットエッチングによって堆積酸化膜612が等方的にエッチングされる。このため、図19に示すように、堆積酸化膜612のサイドエッチングによって、実際のエミッタ幅W3は、サイドウォール621をパターニングすることによって設計した開口幅(理想的なエミッタ幅)W4よりも大きくなってしまう。このため、シングルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタと同様に、エミッタ−ベース間の寄生容量をさらに低減することが難しく、電気的特性のさらなる向上を困難なものとしている。また、実際のエミッタ幅W3を縮小するために堆積酸化膜612のウェットエッチング量を変更しても、1つのウエハから得られる各トランジスタに電流利得のバラツキが生じる原因ともなる。
【0023】
本発明は、上記の諸事情に鑑みてなされたものであり、高性能で且つ量産性に優れたバイポーラトランジスタを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明のバイポーラトランジスタの製造方法は、第1導電型の第1半導体層と、上記第1半導体層上に形成された第2導電型の第2半導体層とを有する基板を用意する工程(a)と、上記第2半導体層上に絶縁膜を堆積した後、異方性エッチングによって、上記絶縁膜を貫通し、上記第2半導体層の上面の一部を露出する開口部を形成する工程(b)と、上記開口部内に位置する第2半導体層を熱酸化することによって熱酸化膜を形成する工程(c)と、上記熱酸化膜をウェットエッチングによって除去する工程(d)と、上記開口部を埋める第1導電型の第3半導体層を堆積する工程(e)とを含み、上記工程(d)で用いるエッチャントに対する上記熱酸化膜のエッチングレートは、上記エッチャントに対する上記絶縁膜のエッチングレートと異なる。
【0025】
本発明のバイポーラトランジスタの製造方法では、工程(d)で用いるエッチャントに対する上記熱酸化膜のエッチングレートが、上記絶縁膜と異なる。このため、工程(d)で、熱酸化膜をウェットエッチングを行なうことによって除去する際に、絶縁膜はほとんど影響を受けない。従って、工程(b)で形成した通りの開口部の幅(すなわち、エミッタ幅)がほぼ維持される。つまり、本発明によれば、従来の製造方法において生じるサイドエッチングによるエミッタ幅の広がりを抑制することができる。
【0026】
上記熱酸化膜はシリコン酸化膜であり、上記絶縁膜はシリコン窒化膜およびシリコン酸窒化膜のいずれか一方である。
【0027】
上記第2半導体層は、Siを含む半導体で形成されている。
【0028】
上記第2半導体層は、SiGe、SiC、SiGeCのうちのいずれか1つから形成されている。
【0029】
本発明のバイポーラトランジスタは、第1導電型の第1半導体層を上部に有する基板と、上記第1半導体層上に設けられた第2導電型の第2半導体層と、上記第2半導体層上に設けられた第1絶縁膜と、上記第1絶縁膜を貫通し上記第2半導体層の上面に達する第1開口部と、上記第1絶縁膜上に設けられた導体層と、上記導体層を貫通し、上記第1絶縁膜の上面に達する第2開口部と、上記導体層の上面上、上記第2開口部内に露出している上記導体層の側面上、および上記第2開口部内に露出している上記第1絶縁膜の上面上に設けられた第2絶縁膜と、上記第2絶縁膜のうちの、上記第2開口部内に露出している上記導体層の側面上に設けられた部分、および上記第2開口部内に露出している上記第1絶縁膜の上面上に設けられた部分の上に設けられた導体からなるサイドウォールと、上記第1開口部を埋めるように設けられた第1導電型の第3半導体層とを備え、上記第1開口部内に露出している上記第1絶縁膜の側面と、上記第2開口部内に露出している上記第2絶縁膜の側面と、上記第2開口部内に露出している上記サイドウォールの側面とが形成する面には、実質的に段差が無い。
【0030】
本発明によれば、リソグラフィー技術の更なる向上を要することなく、エミッタ幅が微細で、且つエミッタ幅の寸法バラツキが小さいバイポーラトランジスタを実現することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を順次説明する。
【0032】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のシングルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタを示す断面図である。なお、図1にはバイポーラトランジスタの断面図のみが示されているが、共通の基板上にCMOSデバイスが設けられていることが多く、その場合には、図示していない領域にCMOSデバイスが形成されているものとする。
【0033】
図1に示すように、基板100の上部は、エピタキシャル成長法、イオン注入法などによって導入されたリンなどのN型不純物を含む深さ約1μmのN型埋め込み拡散層101となっている。また、基板100には、酸化シリコンが埋め込まれたSTI103と、アンドープポリシリコン膜105およびこれを取り囲むシリコン酸化膜106により構成されるDTI104とが、素子分離として設けられている。STI103の深さは、0.25μm〜0.4μm程度、DTI104の深さは2μm〜4μm程度である。
【0034】
基板100内のSTI103によって挟まれる領域にはコレクタ層102が設けられており、基板100内のコレクタ層102とSTI103によって分離された領域には、N型埋め込み拡散層101を介してコレクタ層102の電極とコンタクトするためのNコレクタ引き出し層107が設けられている。
【0035】
また、基板100の上には、P型不純物がドープされた厚さ約50〜100nmの半導体層111が設けられている。半導体層111のうちの中央部(後述するエミッタ開口部114の下方領域)が内部ベース119として機能する。なお、半導体層111は、コレクタ層102上では単結晶構造、STI103上では多結晶構造となっている。
【0036】
半導体層111の上には厚さ約20〜50nmの絶縁膜112が設けられており、絶縁膜112にはエミッタ開口部114が形成されている。特に、本実施形態のバイポーラトランジスタでは、エミッタ開口部114を有する絶縁膜112は、半導体層111を酸化することによって得られる酸化膜以外の絶縁体から形成されている。
【0037】
上記半導体層111のうちエミッタ開口部114の下方領域を除く部分と、STI103上で多結晶構造となっている部分とによって外部ベースが構成されている。
【0038】
エミッタ開口部114を埋めて絶縁膜112上に延びる厚さ約100〜400nmのN型半導体層129が設けられている。
【0039】
さらに、コレクタ引き出し層107、半導体層111のSTI103上で多結晶構造となっている部分およびN型半導体層129の表面には、それぞれ電極124が形成されている。また、基板全体は層間絶縁膜125によって覆われており、層間絶縁膜125を貫通してNコレクタ引き出し層107、外部ベースの一部である半導体層111のSTI103上で多結晶構造となっている部分およびN型半導体層129上の電極124に到達する接続孔がそれぞれ形成されている。そして、この各接続孔を埋めるプラグ126と、各プラグ126に接続されて、層間絶縁膜125の上に延びる金属配線127とが設けられている。
【0040】
本実施形態のシングルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタの製造方法を、図2(a)〜図5(b)を参照しながら説明する。図2(a)〜図5(b)は、本実施形態のシングルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。なお、図2(a)〜図5(b)にはバイポーラトランジスタの断面図のみが示されているが、共通の基板上にCMOSデバイスが設けられていることが多く、その場合には、図示していない領域にCMOSデバイスが形成されているものとする。
【0041】
まず、図2(a)に示す工程で、最上部に半導体層を有する基板100の上部に、N型不純物をドープしながら単結晶半導体層をエピタキシャル成長させる、あるいは、単結晶半導体層をエピタキシャル成長させた後に高エネルギーのN型不純物イオンを注入することにより、深さ約1μmのN型埋め込み拡散層101を形成する。
【0042】
次に、素子分離として、酸化シリコンが埋め込まれたシャロートレンチ分離(STI)103と、アンドープポリシリコン膜105及びこれを取り囲むシリコン酸化膜106により構成されるディープトレンチ分離(DTI)104とを形成する。STI103およびDTI104の深さは、それぞれ0.25μm〜0.4μm程度および2μm〜4μm程度としておく。基板100内におけるSTI103同士によって挟まれる領域がコレクタ層102となる。また、STI103によって基板100内のコレクタ層102から分離された領域に、N型埋め込み拡散層101を介してコレクタ層102の電極とコンタクトするための、リンなどがイオン注入されたNコレクタ引き出し層107を形成する。
【0043】
次に、図2(b)に示す工程で、基板上に厚さ約30〜50nmの絶縁膜108と、厚さ約50〜100nm程度のアンドープポリシリコン層109とを順次形成する。続いて、絶縁膜108およびアンドープポリシリコン層109をリソグラフィー技術、異方性ドライエッチング技術およびウェットエッチング技術によってパターニングを行ない、ベース開口部110を形成する。続いて、基板上にP型不純物がドープされた厚さ約50〜100nmの半導体層111を非選択的にエピタキシャル成長により形成する。半導体層111は、コレクタ層102上では単結晶構造を有している(単結晶構造部111a)が、アンドープポリシリコン層109上では多結晶構造となっている(多結晶構造部111b)。
【0044】
次に、図3(a)に示す工程で、基板上に厚さ20〜50nm程度の絶縁膜112を堆積する。なお、絶縁膜112は、ウェットエッチングで用いるエッチャントに対するエッチングレートが後述する酸化膜115とは異なる材料を用いて形成する。
【0045】
次に、図3(b)に示す工程で、単結晶構造部111a上に位置する絶縁膜112に、リソグラフィーおよび異方性ドライエッチングによってエミッタ開口部114を形成する。なお、単結晶構造部111aのうちのエミッタ開口部114の下方領域が内部ベースとして機能する。単結晶構造部111aのうちのエミッタ開口部114の下方領域を除く部分と、多結晶構造部111bとは、外部ベースとして機能する。
【0046】
次に、図4(a)に示す工程で、上記図3(b)に示す工程においてエミッタ開口部114内に位置する単結晶構造部111aの上部に受けたドライエッチングによるダメージ(不図示)を除去するために、エミッタ開口部114内に位置する単結晶構造部111aの上部を熱酸化する。このことによって、厚さ5〜10nm程度の酸化膜115が形成される。
【0047】
次に、図4(b)に示す工程で、酸化膜115を、例えばDHF水溶液(混合比DHF:水=1:100)を用いてウェットエッチングを行なうことによって除去する。このことによって、エミッタ開口部114内に位置する単結晶構造部111aの上部が凹形状になり、エミッタ開口部114内に位置する単結晶構造部111aの厚さがわずかに減少する。
【0048】
次に、図5(a)に示す工程で、N型不純物がドープされた半導体層を厚さ100〜400nm程度堆積させ、エミッタ開口部114を埋める。この後、リソグラフィーおよびドライエッチングによりN型半導体層129を形成する。続いて、多結晶構造部111b上およびアンドープポリシリコン層109上にある絶縁膜112を除去する。
【0049】
次に、図5(b)に示す工程で、リソグラフィーおよび異方性ドライエッチングにより、絶縁膜108、アンドープポリシリコン層109およびアンドープポリシリコン層109上に位置する多結晶構造部111bを除去する。このことによって、半導体層111のうちエミッタ開口部114の下方領域を除く部分と、STI103上の多結晶構造部111bとからなる外部ベースが形成される。続いて、基板上に金属層を形成し、この金属層をパターニングすることによって、Nコレクタ引き出し層107、多結晶構造部111bおよびN型半導体層129の上に電極124を形成する。なお、電極表面を、低抵抗化するためシリサイド化しておくことが好ましい。
【0050】
続いて、基板上に層間絶縁膜125を堆積し、層間絶縁膜125に各電極に到達する接続孔を形成する。次いで、各接続孔を埋めるプラグ126と各プラグ126に接続されて、層間絶縁膜125上に延びる金属配線127とを形成する。
【0051】
上述の本実施形態のバイポーラトランジスタの製造方法では、図3(a)に示す工程で、図4(b)に示す工程のウェットエッチングで用いるエッチャントに対するエッチングレートが酸化膜115とは異なる材料を用いて絶縁膜112を基板上に形成する。このため、図4(b)に示す工程で、酸化膜115をウェットエッチングを行なうことによって除去する際に、絶縁膜112はほとんど影響を受けない。従って、図3(b)に示す工程で設計した通りのエミッタ開口部114の幅(すなわち、エミッタ幅)がほぼ維持される。つまり、本実施形態の製造方法によれば、従来の製造方法において生じるサイドエッチングによるエミッタ幅の広がりを抑制することができる。
【0052】
従って、リソグラフィー技術の更なる向上を要することなく、エミッタ幅が微細で、且つエミッタ幅の寸法バラツキが小さいバイポーラトランジスタを実現することができる。
【0053】
また、本実施形態のバイポーラトランジスタの製造方法によれば、図3(b)に示す工程での異方性ドライエッチングによるエミッタ開口部114内に位置する単結晶構造部111aのダメージを、図4(b)に示す工程でほとんど取り除くことができる。
【0054】
絶縁膜112としては、上述のように、図4(b)に示す工程のウェットエッチングで用いるエッチャントに対するエッチングレートが酸化膜115とは異なる材料から形成されている。具体的には、酸化膜115としてシリコン酸化膜が形成される場合には、絶縁膜112としてシリコン窒化膜(SiN)、シリコン酸窒化膜(SiON)を形成することが好ましい。
【0055】
なお、図5(a)に示す工程での絶縁膜112の除去には、例えば絶縁膜112がシリコン窒化膜である場合、リン酸ボイル等の方法により除去する。このことによってエッチングダメージのない外部ベースを形成することができる。
【0056】
本実施形態のバイポーラトランジスタにおいて、半導体層111およびN型半導体層129を、例えば、Si、SiGe、SiC、およびSiGeCのいずれか1つを用いて形成してもよい。また特に、ベースとして機能する半導体層111を、エミッタとして機能するN型半導体層129よりもバンドギャップの狭い材料から形成することが好ましい。例えば、SiGe、SiC、またはSiGeCで、N型半導体層129をSiでそれぞれ形成することが好ましい。このことによって、ヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)を実現することができる。
【0057】
ヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)は、より優れた伝導特性を有し、さらに良好な高周波特性を有することが知られている(B. Jagannathan, M. Khater, F. Pagette, J. −S. Rieh, D. Angell, H. Chen, L. Florkey, D. R. Greenberg, R. Groves, S. J. Jeng, J. Johnson, E. Mengistu, K. T. Schonenberg, C. M. Schnabel, P. Smith, A. Stricker, D. Ahlgren, G. Freeman, K. Stein, and S. Subbanna, ‘Self−Aligned SiGe NPN Transistors With 285 GHz fmax and 207 GHz ft in a Manufacturable Technology’, IEEE Electron Device Letters, vol. 23, NO. 5, May, 2002)。
【0058】
例えば、半導体層111をSiGe、N型半導体層129をSiでそれぞれ形成し、本実施形態のバイポーラトランジスタをSi/SiGe−HBTとすると、エミッタとして機能するN型半導体層129(Si)よりもバンドギャップの狭いSiGeがベースとして機能する半導体層111を形成しており、このバンドギャップの違いによってエミッタ−ベース接合の注入効率を大幅に増大することができる。このため、ベースの不純物濃度を高くして、ベース抵抗を低減することができる。さらに、エミッタの不純物濃度を低くできるため、従来のホモ型のバイポーラトランジスタよりも高速動作が可能となる。
【0059】
なお、半導体層111を、厚さ20〜40nm程度でGe組成が10%〜20%程度のアンドープSiGe層(I−SiGe層)と、P型に不純物がドープされた厚さ20〜40nm程度のp−SiGe層と、厚さ10〜30nm程度のSiキャップ層とから構成されている積層構造としてもよい。ここでp−SiGe層のGe組成を、基板100側からSiキャップ層方向に傾斜させたプロファイルとすることが好ましい。このことによって、さらに高周波特性を向上できることが知られている(特開2001−68479号公報)。
【0060】
(第2の実施形態)
図6は、本実施形態のダブルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタを示す断面図である。なお、図6にはバイポーラトランジスタの断面図のみが示されているが、共通の基板上にCMOSデバイスが設けられていることが多く、その場合には、図示していない領域にCMOSデバイスが形成されているものとする。
【0061】
図6に示すように、基板200の上部は、エピタキシャル成長法、イオン注入法などによって導入されたリンなどのN型不純物を含む深さ約1μmのN型埋め込み拡散層201となっている。また、基板200には、酸化シリコンが埋め込まれたSTI203と、アンドープポリシリコン膜205およびこれを取り囲むシリコン酸化膜206により構成されるDTI204とが、素子分離として設けられている。STI203の深さは、0.25μm〜0.4μm程度、DTI204の深さは2μm〜4μm程度である。
【0062】
基板200内のSTI203によって挟まれる領域にはコレクタ層202が設けられており、基板200内のコレクタ層202とSTI203によって分離された領域には、N型埋め込み拡散層201を介してコレクタ層202の電極とコンタクトするためのNコレクタ引き出し層207が設けられている。
【0063】
また、基板200の上には、厚さ約30〜50nmの絶縁膜208と、絶縁膜208の上に厚さ約50〜100nm程度のアンドープポリシリコン層209が設けられており、絶縁膜208およびアンドープポリシリコン層209を貫通して基板200の上面に達するベース開口部210が形成されている。基板200の上面のうちベース開口部210に露出する部分からアンドープポリシリコン層209の上に亘って、P型不純物がドープされた厚さ約50〜100nmの半導体層211が設けられている。半導体層211のうちのコレクタ層202上に位置する部分は単結晶構造となっており(以下、単結晶構造部211aと称する)、単結晶構造部211aのうちの後述するエミッタ開口部219の下方領域が内部ベースとして機能する。なお、半導体層211は、STI203およびアンドープポリシリコン層209上では多結晶構造となっている(以下、多結晶構造部211bと称する)。
【0064】
半導体層211の上には、厚さ約20〜50nmの絶縁膜212が設けられており、絶縁膜212には、半導体層211に達するベース接合用開口部214および単結晶構造部211aのみに達するエミッタ開口部219が形成されている。
【0065】
さらに、絶縁膜212上には、ベース接合用開口部214を埋めるように厚さ20〜100nm程度のポリシリコン層215と、厚さ100〜200nm程度の絶縁膜217とが堆積されている。ポリシリコン層215および絶縁膜217のうち、エミッタ開口部219の上方に位置する部分は開口されており、ポリシリコン層215および絶縁膜217の側面上、ならびに絶縁膜217の上面上には厚さ約30nmの絶縁膜220が形成されている。
【0066】
絶縁膜220のうちの、ポリシリコン層215および絶縁膜217の側面上設けられている部分の上には、厚さ約100nmのポリシリコンからなるサイドウォール221が設けられている。さらに、エミッタ引き出し電極として機能する厚さ約100〜400nmのN型半導体層129が、エミッタ開口部219を埋めて絶縁膜220の上に延びるように設けられている。
【0067】
さらに、アンドープポリシリコン層209、半導体層211、ポリシリコン層215およびN型半導体層229の外側面はサイドウォール223により覆われている。
【0068】
また、Nコレクタ引き出し層207、多結晶構造部211bおよびN型半導体層229の表面上には、それぞれ電極224が形成されている。また、基板全体は層間絶縁膜225によって覆われており、層間絶縁膜225を貫通してNコレクタ引き出し層207、外部ベースの一部である多結晶構造部211bおよびエミッタ引き出し電極であるN型半導体層229上の電極224に到達する接続孔がそれぞれ形成されている。そして、この各接続孔を埋めるプラグ226と、各プラグ226に接続されて、層間絶縁膜225の上に延びる金属配線227とが設けられている。
【0069】
特に、本実施形態のバイポーラトランジスタでは、絶縁膜220およびエミッタ開口部219を有する絶縁膜212は、半導体層211を酸化することによって得られる酸化膜以外の絶縁体から形成されている。
【0070】
次に、本実施形態のダブルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタの製造方法を、図7(a)〜図10(b)を参照しながら説明する。図7(a)〜図10(b)は、本実施形態のダブルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。なお、図7(a)〜図10(b)にはバイポーラトランジスタの断面図のみが示されているが、共通の基板上にCMOSデバイスが設けられていることが多く、その場合には、図示していない領域にCMOSデバイスが形成されているものとする。
【0071】
まず、図7(a)に示す工程で、最上部に半導体層を有する基板200の上部に、N型不純物をドープしながら単結晶半導体層をエピタキシャル成長させる、あるいは、単結晶半導体層をエピタキシャル成長させた後に高エネルギーのイオン注入を行なうことにより、深さ約1μmのN型埋め込み拡散層201を形成する。次に、素子分離として、酸化シリコンが埋め込まれたシャロートレンチ分離(STI)203と、アンドープポリシリコン膜205およびこれを取り囲むシリコン酸化膜206により構成されるディープトレンチ分離(DTI)204とを形成する。STI203およびDTI204の深さは、それぞれ0.25μm〜0.4μm程度および2μm〜4μm程度としておく。基板200内におけるSTI203同士によって挟まれる領域がコレクタ層202となる。また、STI203によって基板200内のコレクタ層202から分離された領域に、N型埋め込み拡散層201を介してコレクタ層202の電極とコンタクトするための、リンなどがイオン注入されたNコレクタ引き出し層207を形成する。
【0072】
次に、図7(b)に示す工程で、基板上に厚さ約30〜50nmの絶縁膜208と、厚さ約50〜100nm程度のアンドープポリシリコン層209とを順次形成する。続いて、絶縁膜208およびアンドープポリシリコン層209をリソグラフィー技術、異方性ドライエッチング技術およびウェットエッチング技術によってパターニングを行ない、ベース開口部210を形成する。次に、基板200上のベース開口部210にP型不純物がドープされた半導体層211を選択的にエピタキシャル成長により形成する。なお、ここで半導体層211は、コレクタ層202上では単結晶構造を有している(単結晶構造部211a)が、アンドープポリシリコン層209上では多結晶構造となっている(多結晶構造部211b)。
【0073】
次に、図8(a)に示す工程で、基板上に厚さ20〜50nm程度の絶縁膜212を堆積し、リソグラフィおよびウェットエッチングによりベース接合用開口部214を形成する。次いで、P型不純物がドープされた厚さ100〜200nm程度のポリシリコン層215と、厚さ100〜200nm程度の絶縁膜217とを順次堆積する。このことによって、ポリシリコン層215は外部ベースとして機能する。なお本実施形態では、P型不純物がドープされたポリシリコン層215を形成しているが、これに限定されず、導体からなる層で有ればよい。例えば、ポリシリコン層215に代えて、アンドープポリシリコン層を堆積させた後、このアンドープポリシリコン層にボロンなどをイオン注入することによって低抵抗の外部ベースを形成してもよい。続いて、ポリシリコン層215と絶縁膜217とは、リソグラフィーおよびドライエッチングによって、単結晶構造部211a上の絶縁膜212の上方に位置する部分に開口部218が形成される。
【0074】
次に、図8(b)に示す工程で、基板上に厚さ30nm程度の絶縁膜220を形成する。続いて、基板上に厚さ約100nm程度のN型不純物がドープされたポリシリコン層を堆積させ、エッチバックすることによってサイドウォール221を形成する。次いで、開口部218内にある絶縁膜212の残膜および絶縁膜220の残膜をサイドウォール221をマスクとする異方性ドライエッチングで除去することによって、エミッタ開口部219を形成する。
【0075】
次に、図9(a)に示す工程で、上記図8(b)に示す工程においてエミッタ開口部219内に位置する単結晶構造部211aの上部に受けたドライエッチングによるダメージ(不図示)を除去するために、エミッタ開口部219内に位置する単結晶構造部211aの上部を熱酸化する。このことによって、厚さ5〜10nm程度の酸化膜240が形成される。
【0076】
次に、図9(b)に示す工程で、酸化膜240を、例えばBHF水溶液(混合比BHF:水=1:20)を用いてウェットエッチングを行なうことによって除去する。このことによって、エミッタ開口部219内に位置する単結晶構造部111aの上部が凹形状になり、エミッタ開口部219内に位置する単結晶構造部111aの厚さがわずかに減少する。
【0077】
次に、図10(a)に示す工程で、基板上にN型半導体を堆積させることによってエミッタ開口部219を埋める。続いて、堆積されたN型半導体をリソグラフィおよびドライエッチングによりパターニングし、N型半導体層229を形成する。ここで、絶縁膜212および絶縁膜220によりN型半導体層229と外部ベースとして機能するポリシリコン層215が絶縁される。
【0078】
次に、図10(b)に示す工程で、リソグラフィおよびドライエッチングによってポリシリコン層209、多結晶構造部211b、絶縁膜212およびポリシリコン層215をパターニングして、外部ベースの形状を決定する。続いて、基板上に厚さ約120nmの絶縁膜を形成した後、ドライエッチングを行なって、N型半導体層229およびポリシリコン層215の側面にサイドウォール223を形成する。このときのドライエッチング(オーバーエッチング)によって、絶縁膜208の露出している部分を除去して、N型半導体層229、ポリシリコン層215およびNコレクタ引き出し層207の表面を露出させる。続いて、基板上に金属層を形成し、この金属層をパターニングすることによって、N型半導体層229、ポリシリコン層215およびNコレクタ引き出し層207のそれぞれの上に電極224を形成する。次いで、基板上に層間絶縁膜225を堆積し、層間絶縁膜225に各電極224に到達する接続孔を形成する。さらに引き続いて、各接続孔を埋めるプラグ226と各プラグ226に接続されて、層間絶縁膜225上に延びる金属配線227とを形成する。
【0079】
ダブルポリシリコン構造を有するバイポーラトランジスタでは、リソグラフィー技術の最小寸法より小さなエミッタ幅を容易に形成できる。このためベース抵抗及びコレクタ容量を低減することができる。
【0080】
特に、上述の本実施形態のバイポーラトランジスタの製造方法では、図8(a)および図8(b)に示す工程でそれぞれ絶縁膜212および絶縁膜220を、図9(b)に示す工程のウェットエッチングで用いるエッチャントに対するエッチングレートが酸化膜240とは異なる材料を用いて基板上に形成する。このため、図9(b)に示す工程で、酸化膜240をウェットエッチングを行なうことによって除去する際に、絶縁膜212および絶縁膜220はほとんど影響を受けない。
【0081】
図11は、本実施形態のバイポーラトランジスタの製造方法において、図8(b)に示す工程で形成されたエミッタ開口部219を拡大した断面図である。図11に示すように、エミッタ開口部219の幅が、サイドウォール221によって規定される理想的な幅とほぼ同じになる。すなわち、エミッタ開口部219内に露出している絶縁膜212の側面と、開口部218内に露出している絶縁膜220の側面と、開口部218内に露出しているサイドウォール221の側面とが形成する面には、実質的に段差が無い。
【0082】
つまり、本実施形態の製造方法によれば、従来の製造方法において生じるサイドエッチングによるエミッタ幅の広がりを抑制することができる。従って、リソグラフィー技術の更なる向上を要することなく、エミッタ幅が微細で、且つエミッタ幅の寸法バラツキが小さいバイポーラトランジスタを実現することができる。
【0083】
また、本実施形態のバイポーラトランジスタの製造方法によれば、図8(b)に示す工程での異方性ドライエッチングによるエミッタ開口部219内に位置する単結晶構造部211aのダメージを、図9(b)に示す工程でほとんど取り除くことができる。
【0084】
絶縁膜212および絶縁膜220は、上述のように、図9(b)に示す工程のウェットエッチングで用いるエッチャントに対するエッチングレートが酸化膜240とは異なる材料から形成されている。具体的には、酸化膜240としてシリコン酸化膜が形成される場合には、絶縁膜212および絶縁膜220としてシリコン窒化膜(SiN)、シリコン酸窒化膜(SiON)を形成することが好ましい。
【0085】
なお、図10(a)に示す工程での絶縁膜220の除去には、例えば絶縁膜220がシリコン窒化膜である場合、リン酸ボイル等の方法により除去する。このことによってエッチングダメージのない外部ベースを形成することができる。
【0086】
本実施形態のバイポーラトランジスタにおいても、上記第1の実施形態と同様に、半導体層211およびN型半導体層229をSi、SiGe、SiC、またはSiGeCのいずれを用いて形成してもよい。また特に、ベースとして機能する半導体層211を、エミッタとして機能するN型半導体層229よりもバンドギャップの狭い材料から形成することが好ましい。例えば、半導体層211をSiGe、SiC、またはSiGeCで、N型半導体層229をSiでそれぞれ形成することが好ましい。このことによって、ヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)を実現することができる。
【0087】
また、本実施形態のバイポーラトランジスタにおいても、上記第1の実施形態と同様に、半導体層211を、厚さ20〜40nm程度でGe組成が10%〜20%程度のアンドープSiGe層(I−SiGe層)と、P型に不純物がドープされた厚さ20〜40nm程度のp−SiGe層と、厚さ10〜30nm程度のSiキャップ層とから構成されている積層構造としてもよい。ここでp−SiGe層のGe組成を、基板200側からSiキャップ層方向に傾斜させたプロファイルとすることが好ましい。このことによって、さらに高周波特性を向上できる。
【0088】
(その他の実施形態)
上述した実施形態で説明したNPN型のバイポーラトランジスタおよびその製造方法は、不純物の種類を変更することによってPNP型のバイポーラトランジスタにも適用することも可能である。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、高性能で且つ量産性に優れたバイポーラトランジスタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態のバイポーラトランジスタを示す断面図である。
【図2】図2(a)および図2(b)は、第1の実施形態のバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図3】図3(a)および図3(b)は、第1の実施形態のバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図4】図4(a)および図4(b)は、第1の実施形態のバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図5】図5(a)および図5(b)は、第1の実施形態のバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施形態のバイポーラトランジスタを示す断面図である。
【図7】図7(a)および図7(b)は、第1の実施形態のバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図8】図8(a)および図8(b)は、第1の実施形態のバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図9】図9(a)および図9(b)は、第1の実施形態のバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図10】図10(a)および図10(b)は、第1の実施形態のバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図11】図11は、図8(b)に示す工程で形成されたエミッタ開口部を拡大した断面図である。
【図12】図12(a)および図12(b)は、従来のバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図13】図13(a)および図13(b)は、従来のバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図14】図14(a)および図14(b)は、従来のバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図15】図15(a)および図15(b)は、従来のバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図16】図16(a)および図16(b)は、従来のバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図17】図17(a)および図17(b)は、従来のバイポーラトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図18】図18は、図13(b)に示す工程で形成されたエミッタ開口部を拡大した断面図である。
【図19】図19は、図16(b)に示す工程で形成されたエミッタ開口部を拡大した断面図である。
【符号の説明】
100、200 基板
101、201 N型埋め込み拡散層
102、202 コレクタ層
103、203 シャロートレンチ分離(STI)
104、204 ディープトレンチ分離(DTI)
105、205 アンドープポリシリコン膜
106、206 シリコン酸化膜
107、207 Nコレクタ引き出し層
108、208 絶縁膜
109、209 アンドープポリシリコン層
110、210 ベース開口部
111、211 半導体層
111a、211a 単結晶構造部
111b、211b 多結晶構造部
112、212 絶縁膜
114、219 エミッタ開口部
115、240 酸化膜
119 内部ベース
124、224 電極
125、225 層間絶縁膜
126、226 プラグ
127、227 金属配線
129、229 N型半導体層
214 ベース接合用開口部
215 ポリシリコン層
217 絶縁膜
218 開口部
220 絶縁膜
221、223 サイドウォール
500、600 Si基板
501、601 N型埋め込み拡散層
502、602 コレクタ層
503、603 シャロートレンチ分離(STI)
504、604 ディープトレンチ分離(DTI)
505、605 アンドープポリシリコン膜
506、606 シリコン酸化膜
507、607 Nコレクタ引き出し層
508、608 堆積酸化膜
509、609 アンドープポリシリコン層
510、610 ベース開口部
511、611 半導体層
511a、611a 単結晶構造部
511b、611b 多結晶構造部
512、612 堆積酸化膜
513 ポリシリコン膜
514 エミッタ開口部
524、624 電極
525、625 層間絶縁膜
526、626 プラグ
527、627 金属配線
529、629 N型ポリシリコン層
614 ベース接合用開口部
615 ポリシリコン層
617 堆積酸化膜
618 開口部
619 エミッタ開口部
620 堆積酸化膜
621、623 サイドウォール

Claims (5)

  1. 第1導電型の第1半導体層と、上記第1半導体層上に形成された第2導電型の第2半導体層とを有する基板を用意する工程(a)と、
    上記第2半導体層上に絶縁膜を堆積した後、異方性エッチングによって、上記絶縁膜を貫通し、上記第2半導体層の上面の一部を露出する開口部を形成する工程(b)と、
    上記開口部内に位置する第2半導体層を熱酸化することによって熱酸化膜を形成する工程(c)と、
    上記熱酸化膜をウェットエッチングによって除去する工程(d)と、
    上記開口部を埋める第1導電型の第3半導体層を堆積する工程(e)とを含み、
    上記工程(d)で用いるエッチャントに対する上記熱酸化膜のエッチングレートは、上記エッチャントに対する上記絶縁膜のエッチングレートと異なるバイポーラトランジスタの製造方法。
  2. 請求項1に記載のバイポーラトランジスタの製造方法において、
    上記熱酸化膜はシリコン酸化膜であり、
    上記絶縁膜はシリコン窒化膜およびシリコン酸窒化膜のいずれか一方であることを特徴とするバイポーラトランジスタの製造方法。
  3. 請求項1に記載のバイポーラトランジスタの製造方法において、
    上記第2半導体層は、Siを含む半導体で形成されていることを特徴とするバイポーラトランジスタの製造方法。
  4. 請求項3に記載のバイポーラトランジスタの製造方法において、
    上記第2半導体層は、SiGe、SiC、SiGeCのうちのいずれか1つから形成されていることを特徴とするバイポーラトランジスタの製造方法。
  5. 第1導電型の第1半導体層を上部に有する基板と、
    上記第1半導体層上に設けられた第2導電型の第2半導体層と、
    上記第2半導体層上に設けられた第1絶縁膜と、
    上記第1絶縁膜を貫通し上記第2半導体層の上面に達する第1開口部と、
    上記第1絶縁膜上に設けられた導体層と、
    上記導体層を貫通し、上記第1絶縁膜の上面に達する第2開口部と、
    上記導体層の上面上、上記第2開口部内に露出している上記導体層の側面上、および上記第2開口部内に露出している上記第1絶縁膜の上面上に設けられた第2絶縁膜と、
    上記第2絶縁膜のうちの、上記第2開口部内に露出している上記導体層の側面上に設けられた部分、および上記第2開口部内に露出している上記第1絶縁膜の上面上に設けられた部分の上に設けられた導体からなるサイドウォールと、
    上記第1開口部を埋めるように設けられた第1導電型の第3半導体層とを備え、
    上記第1開口部内に露出している上記第1絶縁膜の側面と、上記第2開口部内に露出している上記第2絶縁膜の側面と、上記第2開口部内に露出している上記サイドウォールの側面とが形成する面には、実質的に段差が無いことを特徴とするバイポーラトランジスタ。
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