JP2004252105A - 電気光学装置、電気光学装置の駆動方法および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カウント部6は、あるフレームの画像データを構成する所定のビット列において、所定のビットレベルの個数をカウント値として算出し、このフレームに関するカウント値を従前のフレームに関するカウント値と比較することによって、動画の判別を走査線単位で行う。駆動モード選択部7は、カウント部6の判別結果に基づいて、画素2の駆動モードを走査線単位で選択する。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電流によって発光輝度が制御される電気光学素子を用いた電気光学装置、電気光学装置の駆動方法および電子機器に係り、特に、表示対象に応じた駆動モードの選択技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホールド型ディスプレイの高画質化を図る上での課題として、動画表示特性の改善が挙げられる。ホールド型ディスプレイとは、1フレーム内で画像を表示し続けるディスプレイをいい、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等はこのタイプに属する。ホールド型ディスプレイは、1フレーム内で一時的に発光するインパルス型ディスプレイ(例えばCRT)と比較して、特に動画を表示する際に残像が目立ち、動画が不鮮明になるという問題がある。これを解消するために、従来より、ブリンキングと呼ばれる技術が提案されている。ブリンキングは、画像表示と黒表示とを交互に行うものであり、具体的には、画素の駆動系制御、バックライトの点滅制御、或いは、これらを併用した制御等によって実現される。
【0003】
例えば、特許文献1には、有機EL(Electronic Luminescence)素子に駆動電流を供給する電流経路中に、この経路を遮断するトランジスタ(同文献の図5に示すTFT3)を設けた画素回路が開示されている。このトランジスタは、1フレームの前半期間でオン状態に制御されるとともに、その後半期間でオフ状態に制御される。したがって、トランジスタがオンして駆動電流が流れる前半期間では、その電流レベルに応じた輝度で有機EL素子が発光する(画像表示)。また、トランジスタがオフして駆動電流が遮断される後半期間では、有機EL素子が強制的に非発光状態に設定される(黒表示)。
【0004】
また、特許文献2には、表示対象に応じて、バックライトの輝度を制御する液晶表示装置が開示されている。具体的には、前後のフレーム間における画像データの変化に基づいて、表示対象が動画像または静止画のどちらであるかが判別される。動画像と判別された場合には、バックライトを周期的に点滅させることにより、画像表示と黒表示とが交互に行われる。また、静止画と判別された場合には、バックライトを常時点灯させることにより、黒表示を行うことなく、画像表示のみが継続される。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−60076号公報
【特許文献2】
特開2002−123223号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、駆動電流に応じた輝度で発光する電気光学素子を用いた電気光学装置において、表示対象に応じて、電気光学素子の駆動モードを切り替えることにより、全体的な表示品質の向上を図ることである。
【0007】
また、本発明の別の目的は、かかる駆動モードの切り替え機能を電気光学装置自身に付加することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の発明は、複数の走査線と、複数のデータ線と、走査線とデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素と、走査線に走査信号を出力することにより、データの書込対象となる画素に対応する走査線を選択する走査線駆動回路と、走査線駆動回路と協働し、書込対象となる画素に対応するデータ線にデータを出力するデータ線駆動回路と、あるフレームの画像データを構成する所定のビット列において、所定のビットレベルの個数をカウント値として算出し、このフレームに関するカウント値を従前のフレームに関するカウント値と比較することによって、動画の判別を走査線単位で行うカウント部と、カウント部における判別結果に基づいて、画素の駆動モードを走査線単位で選択する駆動モード選択部とを有する電気光学装置を提供する。ここで、それぞれの画素は、データを保持する保持手段と、保持手段に保持されたデータに応じて、駆動電流を設定する駆動素子と、設定された駆動電流に応じた輝度で発光する電気光学素子とを有する。駆動モード選択部は、動画表示を行う画素に関しては、書込対象となる画素に対応する走査線が選択されてから、この走査線が次に選択されるまでの期間よりも短い第1の発光期間で、電気光学素子を駆動させる第1の駆動モードを設定する。また、駆動モード選択部は、動画表示を行わない画素に関しては、書込対象となる画素に対応する走査線が選択されてから、この走査線が次に選択されるまでの期間において、第1の発光期間よりも長い第2の発光期間で、電気光学素子を駆動させる第2の駆動モードを設定する。
【0009】
ここで、第1の発明において、第1の駆動モードはインパルス駆動であり、第2の駆動モードはホールド駆動であることが好ましい。カウント部は、カウント値を規定するビット列の一部、または、画像データを構成するビット列の一部を用いて、動画の判別を行うことが好ましい。また、カウント部は、あるフレームに関するカウント値を従前の複数のフレームに関するカウント値と比較することによって、動画の判別を行ってもよい。
【0010】
また、第1の発明において、それぞれの画素は、電気光学素子に供給される駆動電流の電流経路中に設けられ、パルス信号に応じて導通制御される制御素子を含んでいてもよい。この場合、駆動モード選択部によって選択された駆動モードに応じて、パルス信号の波形を変化させる駆動モード切替回路をさらに設けることが好ましい。そして、駆動モード切替回路は、第1の駆動モードの選択時には、パルス信号のレベルを交互に変化させ、第2の駆動モードの選択時には、パルス信号を一定レベルに維持することが望ましい。
【0011】
また、第1の発明において、駆動電流は、画素に接続された第1の電源線から画素に接続された第2の電源線に向かって流れる構成では、駆動モード選択部によって選択された駆動モードに応じて、第1の電源線または第2の電源線の少なくとも一方の電圧の可変に設定する電源線制御回路をさらに設けることが好ましい。そして、電源線制御回路は、第1の駆動モードの選択時には、第1の電源線または第2の電源線の少なくとも一方の電圧を可変に設定することにより、電気光学素子に順バイアスと非順バイアスとを交互に繰り返し印加し、第2の駆動モードの選択時には、第1の電源線および第2の電源線の電圧を一定にすることにより、電気光学素子に順バイアスを印加することが好ましい。
【0012】
また、第1の発明において、データ線駆動回路は、第1の駆動モードの選択時には、値の異なる複数のレベル値で構成された第1のグループの中から、階調データに応じたレベル値を画素に供給するデータとして選択し、第2の駆動モードの選択時には、値の異なる複数のレベル値で構成された第2のグループの中から、階調データに応じたレベル値を画素に供給するデータとして選択してもよい。この場合、同一の中間階調を規定するレベル値に関して、第1のグループの方が第2のグループよりも高いレベル値に設定されていることが好ましい。
【0013】
第2の発明は、複数の走査線と、複数のデータ線と、走査線とデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素と、走査線に走査信号を出力することにより、データの書込対象となる画素に対応する走査線を選択する走査線駆動回路と、走査線駆動回路と協働し、書込対象となる画素に対応するデータ線にデータを出力するデータ線駆動回路と、画素の駆動モードとして、第1の駆動モードまたは第2の駆動モードのいずれかを選択する駆動モード選択部とを有する電気光学装置を提供する。ここで、それぞれの画素は、データを保持する保持手段と、保持手段に保持されたデータに応じて、駆動電流を設定する駆動素子と、当該設定された駆動電流に応じた輝度で発光する電気光学素子とを有する。第1の駆動モードでは、書込対象となる画素に対応する走査線が選択されてから、この走査線が次に選択されるまでの期間よりも短い第1の発光期間で、電気光学素子の駆動が行われる。第2の駆動モードでは、書込対象となる画素に対応する走査線が選択されてから、この走査線が次に選択されるまでの期間において、第1の発光期間よりも長い第2の発光期間で、電気光学素子の駆動が行われる。データ線駆動回路は、第1の駆動モードの選択時には、値の異なる複数のレベル値で構成された第1のグループの中から、階調データに応じたレベル値を画素に供給するデータとして選択し、第2の駆動モードの選択時には、値の異なる複数のレベル値で構成された第2のグループの中から、階調データに応じたレベル値を画素に供給するデータとして選択する。同一の中間階調を規定するレベル値に関して、第1のグループの方が第2のグループよりも高いレベル値に設定されている。
【0014】
第3の発明は、上述した第1または第2の発明に係る電気光学装置を実装した電子機器を提供する。
【0015】
第4の発明は、走査線とデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素を有し、複数の画素のそれぞれが、データを保持する保持手段と、保持手段に保持されたデータに応じて、駆動電流を設定する駆動素子と、設定された駆動電流に応じた輝度で発光する電気光学素子とを有し、かつ、複数の画素のそれぞれの駆動モードを走査線単位で選択する電気光学装置の駆動方法を提供する。この駆動方法は、あるフレームの画像データを構成する所定のビット列において、所定のビットレベルの個数をカウント値として算出し、このフレームに関するカウント値を従前のフレームに関するカウント値と比較することによって、動画の判別を画素行単位で行う第1のステップと、判別結果より、動画表示を行う画素行に関しては、書込対象となる画素に対応する走査線が選択されてから、この走査線が次に選択されるまでの期間よりも短い第1の発光期間で、電気光学素子を駆動させる第2のステップと、判別結果より、動画表示を行わない画素行に関しては、書込対象となる画素に対応する走査線が選択されてから、この走査線が次に選択されるまでの期間において、第1の発光期間よりも長い第2の発光期間で、電気光学素子を駆動させる第3のステップとを有する。
【0016】
ここで、第4の発明において、第2のステップでは、電気光学素子のインパルス駆動が行われ、第3のステップでは、電気光学素子のホールド駆動が行われることが好ましい。
【0017】
また、第4の発明において、第1のステップでは、カウント値を規定するビット列の一部、または、画像データを構成を構成するビット列の一部を用いて、動画の判別を行うことが好ましい。
【0018】
また、第4の発明において、画素のそれぞれは、電気光学素子に供給される駆動電流の電流経路中に設けられ、パルス信号に応じて導通制御される制御素子を含んでいてもよい。この場合、第2のステップは、パルス信号のレベルを交互に変化させるステップを含み、第3のステップは、パルス信号を一定レベルに維持するステップを含むことが好ましい。
【0019】
また、第4の発明において、駆動電流は、画素に接続された第1の電源線から画素に接続された第2の電源線に向かって流れる構成では、第2のステップは、第1の電源線または第2の電源線の少なくとも一方の電圧を可変に設定することにより、電気光学素子に順バイアスと非順バイアスとを交互に繰り返し印加するステップを含み、第3のステップは、第1の電源線および第2の電源線の電圧を一定に維持することにより、電気光学素子に順バイアスを印加するステップを含むことが好ましい。
【0020】
また、第4の発明において、第2のステップは、値の異なる複数のレベル値で構成された第1のグループの中から、階調データに応じたレベル値をデータとして選択し、このデータを画素に供給するステップを含み、第3のステップは、値の異なる複数のレベル値で構成された第2のグループの中から、階調データに応じたレベル値をデータとして選択し、このデータを画素に供給するステップを含んでいてもよい。この場合、同一の中間階調を規定するレベル値に関して、第1のグループの方が第2のグループよりも高いレベル値に設定されていることが好ましい。
【0021】
第5の発明は、走査線とデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素を有し、複数の画素のそれぞれが、データを保持する保持手段と、保持手段に保持されたデータに応じて、駆動電流を設定する駆動素子と、設定された駆動電流に応じた輝度で発光する電気光学素子とを有し、かつ、複数の画素のそれぞれの駆動モードを走査線単位で選択する電気光学装置の駆動方法を提供する。この駆動方法は、書込対象となる画素に対応する走査線が選択されてから、この走査線が次に選択されるまでの期間よりも短い第1の発光期間で、電気光学素子を駆動させる第1のステップと、書込対象となる画素に対応する走査線が選択されてから、この走査線が次に選択されるまでの期間において、第1の発光期間よりも長い第2の発光期間で、電気光学素子を駆動させる第2のステップとを有する。ここで、第1のステップは、値の異なる複数のレベル値で構成された第1のグループの中から、階調データに応じたレベル値をデータとして選択し、このデータを画素に供給するステップを含み、第2のステップは、値の異なる複数のレベル値で構成された第2のグループの中から、階調データに応じたレベル値をデータとして選択し、このデータを画素に供給するステップを含む。そして、同一の中間階調を規定するレベル値に関して、第1のグループの方が第2のグループよりも高いレベル値に設定されている。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る電気光学装置のブロック構成図である。表示部1には、mドット×nライン分の画素2がマトリクス状(二次元平面的)に並んでいるとともに、水平方向に延在している水平ライン群Y1〜Ynと、垂直方向に延在しているデータ線群X1〜Xmとが配置されている。1つの水平ラインY(YはY1〜Ynの任意のものを指す。以下の符号についても同様)は、1本の走査線と1本の信号線で構成されており、それぞれに対して、走査信号SEL、パルス信号PLSが供給される。それぞれの画素2は、水平ライン群Y1〜Ynとデータ線群X1〜Xmとの各交差に対応して配置されている。パルス信号PLSは、ある画素2が選択されてからこの画素2が次に選択されるまでの期間(本実施形態では1垂直走査期間)において、その画素2に含まれる電気光学素子を、ホールド駆動またはインパルス駆動のいずれかの駆動モードで駆動させる信号である。なお、本実施形態では、1つの画素2を画像の最小表示単位としているが、1つの画素2を複数のサブ画素で構成してもよい。また、図1では、それぞれの画素2に対して所定の固定電圧Vdd,Vssを供給する電源線等が省略されている。
【0023】
図2は、画素2の一例を示す回路図である。1つの画素2は、有機EL素子OLED、4つのトランジスタT1〜T4、および、データを保持するキャパシタCによって構成されている。なお、本実施形態に係る画素回路では、nチャネル型のトランジスタT1,T2,T4とpチャネル型のトランジスタT3とが用いられているが、これは一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。また、データを保持する回路要素としては、キャパシタC以外にも、複数のビットデータを記憶可能なメモリ(SRAM等)を用いることもできる。
【0024】
第1のスイッチングトランジスタT1のゲートは、走査信号SELが供給された走査線に接続され、そのソースは、データ電流Idataが供給されたデータ線Xに接続されている。第1のスイッチングトランジスタT1のドレインは、第2のスイッチングトランジスタT2のソースと、駆動素子の一形態である駆動トランジスタT3のドレインと、制御素子の一形態である制御トランジスタT4のドレインとに共通接続されている。第2のスイッチングトランジスタT2のゲートは、第1のスイッチングトランジスタT1と同様に、走査信号SELが供給された走査線に接続されている。第2のスイッチングトランジスタT2のドレインは、キャパシタCの一方の電極と、駆動トランジスタT3のゲートとに共通接続されている。キャパシタCの他方の電極と駆動トランジスタT3のソースとには、電源電圧Vddが印加されている。パルス信号PLSがゲートに供給された制御トランジスタT4は、駆動トランジスタT3のドレインと有機EL素子OLEDのアノード(陽極)との間に設けられている。この有機EL素子OLEDのカソード(陰極)には、電源電圧Vddよりも低い電圧Vssが印加されている。
【0025】
図3は、図2に示した画素2の駆動タイミングチャートである。画素2の選択が開始されるタイミングをtaとし、その画素2の選択が次に開始されるタイミングをtcとする。この期間ta〜tcは、前半のプログラミング期間ta〜tbと、後半の駆動期間tb〜tcとに分けられる。
【0026】
プログラミング期間ta〜tbでは、キャパシタCに対するデータの書き込みが行われる。まず、タイミングtaにおいて、走査信号SELがHレベルに立ち上がり、スイッチングトランジスタT1,T2が共にオンする。これにより、データ線Xと駆動トランジスタT3のドレインとが電気的に接続されるとともに、駆動トランジスタT3は、自己のゲートと自己のドレインとが電気的に接続されたダイオード接続となる。駆動トランジスタT3は、データ線Xより供給されたデータ電流Idataを自己のチャネルに流し、このデータ電流Idataに応じたゲート電圧Vgを自己のゲートに発生させる。駆動トランジスタT3のゲートに接続されたキャパシタCには、発生したゲート電圧Vgに応じた電荷が蓄積され、データが書き込まれる。このように、プログラミング期間ta〜tbにおいて、駆動トランジスタT3は、キャパシタCにデータを書き込むプログラミングトランジスタとして機能する。
【0027】
プログラミング期間ta〜tbでは、有機EL素子OLEDの駆動モードに関わりなく、パルス信号PLSがLレベルに維持されているため、制御トランジスタT4はオフのままである。したがって、有機EL素子OLEDに対する駆動電流Ioledの電流経路が遮断され続けるため、有機EL素子OLEDは発光しない。
【0028】
続く駆動期間tb〜tcでは、駆動電流Ioledが有機EL素子OLEDを流れ得る状態になり、駆動モードに応じた駆動が行われる。まず、タイミングtbにおいて、走査信号SELがLレベルに立ち下がり、スイッチングトランジスタT1,T2が共にオフする。これにより、データ電流Idataが供給されたデータ線Xと駆動トランジスタT3のドレインとが電気的に分離され、駆動トランジスタT3のゲートとドレインとの間も電気的に分離される。駆動トランジスタT3のゲートには、キャパシタCの蓄積電荷に応じたゲート電圧Vgが印加され続ける。
【0029】
タイミングtbにおける走査信号SELの立ち下がりと同期して、それ以前はLレベルだったパルス信号PLSの波形は、駆動モードに応じて、パルス状またはホールド状のいずれかに変化する。駆動モードには、インパルス駆動とホールド駆動の2種類があり、後述する駆動モード信号DRTMによって、いずれかが選択される。
【0030】
駆動モードがインパルス駆動の場合、パルス信号PLSの波形は、HレベルとLレベルとを交互に繰り返すパルス状になる。このパルス波形は、画素2が次に選択されるタイミングtcに至るまで継続される。これにより、パルス信号PLSによって導通制御される制御トランジスタT4は、オンとオフとを交互に繰り返す。制御トランジスタT4のオン期間では、電源電圧Vddから電圧Vssに向かって、駆動トランジスタT3と制御トランジスタT4と有機EL素子OLEDとを介した駆動電流Ioledの電流経路が形成される。有機EL素子OLEDを流れる駆動電流Ioledは、駆動トランジスタT3のチャネル電流に相当し、その電流レベルは、キャパシタCの蓄積電荷に起因したゲート電圧Vgによって制御される。したがって、オン期間では、駆動電流Ioledに応じた輝度で有機EL素子OLEDが発光する(画像表示)。一方、制御トランジスタT4のオフ期間では、駆動電流Ioledの電流経路が制御トランジスタT4によって強制的に遮断される。したがって、オフ期間では、有機EL素子OLEDの発光が一時的に停止する(黒表示)。このように、インパルス駆動時には、駆動電流Ioledの電流経路の断続が繰り返されるため、有機EL素子OLEDの発光と非発光とが繰り返される。
【0031】
一方、駆動モードがホールド駆動の場合、パルス信号PLSの波形は、常時Hレベルのホールド状になる。これにより、駆動期間tb〜tcにおいて、制御トランジスタT4は常時オンし、駆動電流Ioledの電流経路が形成され続ける。したがって、有機EL素子OLEDは駆動電流Ioledに応じた輝度で発光し続ける。
【0032】
制御回路5は、図示しない上位装置より入力される垂直同期信号Vs、水平同期信号Hs、ドットクロック信号DCLKおよび画像データD等に基づいて、走査線駆動回路3とデータ線駆動回路4とを同期制御する。この同期制御の下、走査線駆動回路3およびデータ線駆動回路4は、互いに協働して、表示部1の表示制御を行う。それとともに、制御回路5は、データカウント部6および駆動モード選択部7の制御も行う。
【0033】
また、制御回路5は、駆動モード切替回路8に対して、2種類の駆動信号INP1,INP2を出力する。ここで、第1の駆動信号INP1は、高レベル(以下「Hレベル」という)と低レベル(以下「Lレベル」という)とを交互に繰り返す常時パルス状の信号である。また、第2の駆動信号INP2は、第1の駆動信号INP1とは異なるパルス信号であり、Hレベルのデューティ比(単位時間に占めるHレベル時間の割合)が第1の駆動信号INP1のそれよりも大きい。本実施形態では、第2の駆動信号INP2として、デューティ比が100%であるホールド信号(常時Hレベルの信号)を用いている。
【0034】
走査線駆動回路3は、シフトレジスタ、出力回路等を主体に構成されており、走査線に走査信号SELを出力することによって、走査線を順番に選択する線順次走査を行う。これにより、1垂直走査期間において、所定の走査方向に(一般的には最上から最下に向かって)、1水平ライン分の画素群に相当する画素行が順番に選択されていく。なお、走査線駆動回路3は、走査信号SELの他に、画素行単位で制御信号LMも出力する。制御信号LMは、走査信号SELと同期した信号であり、走査信号SELとは制御信号LMとは反対の論理レベルをとる。ただし、走査信号SELの変化タイミングに対して、制御信号LMの変化タイミングを若干ずらすこともある。
【0035】
一方、データ線駆動回路4は、シフトレジスタ、ラインラッチ回路、出力回路等を主体に構成されている。本実施形態では、画素2へのデータ書き込みを電流プログラム方式により行う関係上、データ線駆動回路4は、画素2の表示階調に相当するデータ(データ電圧Vdata)をデータ電流Idataへと変換する可変電流源を含む。データ線駆動回路4は、1水平走査期間において、今回データを書き込む画素行に対するデータ電流Idataの一斉出力と、次の水平走査期間で書き込みを行う画素行に関するデータの点順次的なラッチとを同時に行う。ある水平走査期間において、データ線Xの本数に相当するm個のデータが順次ラッチされる。そして、次の水平走査期間において、ラッチされたm個のデータは、データ電流Idataに変換された上で、それぞれのデータ線X1〜Xmに対して一斉に出力される。なお、データ線駆動回路4に対してフレームメモリ等(図示せず)から直接データを線順次的に入力する構成でも本発明を適用できるが、その場合においても本発明の主眼とする部分の動作は同様であるので説明を省略する。この場合、データ線駆動回路4中にシフトレジスタを設ける必要がなくなる。
【0036】
データ線駆動回路4は、階調値を規定するデータ(データ電圧Vdata)として、値が異なる複数のレベル値(電圧値)で構成されたグループの中から階調データDに応じたものを選択するが、本実施形態では、このグループが2種類用意されている。第1のグループはインパルス駆動時のデータ設定用、第2のグループはホールド駆動時のデータ設定用にそれぞれ用いられる。それぞれのグループは、階調数に相当する個数の電圧値Vで構成されており、それぞれが階調値に応じた電圧レベルに設定されている。中間階調を規定する電圧値Vに関しては、インパルス駆動用の第1のグループの方が、ホールド駆動用の第2のグループよりもレベル値が高く設定されている。その理由は、同一階調の表示を行う場合に、ホールド駆動時とインパルス駆動時とで有機EL素子OLEDの発光輝度を一致させるためである。すなわち、駆動モードに拘わらず、同一階調のレベル値を同じに設定した場合、インパルス駆動の方がホールド駆動よりも有機EL素子OLEDの実効的な発光時間が短いため、輝度が低下してしまう。そこで、発光時間が短い分だけ、インパルス駆動時の中間的なレベル値をホールド駆動時のそれよりも高く設定する必要がある。なお、データの設定にあたって、第1および第2のグループのどちらが適用されるかは、駆動モード信号DRTMに基づいて決定される。
【0037】
データカウント部6は、制御回路5の制御下において、あるフレームの画像データDの一部を構成し、カウント単位となるビット列毎に、ビットレベル”1”(”0”でも可)の個数をカウントし、このカウント値を従前フレームのそれと比較する。本実施形態では、走査線毎に駆動モードを設定する関係上、カウント単位も走査線単位、すなわち、画素行単位(mドット)であり、画素行毎にカウント値が算出・比較される。
【0038】
図4は、データカウント部6のブロック構成図である。このデータカウント部6は、カウント回路6a、アドレス回路6b、メモリ6cおよびカウント数比較回路6gによって構成されている。メモリ6cは、それぞれが1フレーム分のカウント値CNを格納するアドレス領域に相当する3つのカウント数格納部6d〜6fを有する。カウント回路6aは、同期信号に応じて、上位装置より入力される1フレームの画像データD(デジタルデータ)より、カウント単位となる1画素行分のビット列を抽出する。そして、カウント回路6aは、抽出されたビット列のそれぞれに関して、これに含まれる”1”の個数をカウントし、カウント値CNを算出する。したがって、1フレーム全体ではn個のカウント値CN1,CN2,・・・,CNnが算出される。以下、1フレームにおけるカウント値の集合{CN1,CN2,・・・,CNn}を単にカウント値CNと総称する。
【0039】
カウント値CNとしては、”1”の合計数をそのまま用いてもよいが(例えば”01011010”)、本実施形態では、カウント値CNの一部のビット列(例えば下4桁”1010”)のみを用いている。この場合には、上位桁のオーバーフローを許容したカウントが行われることになる。後述するように、カウント値CNは動画判別に用いられるため、その値が”1”の個数を厳密に表している必要は必ずしもなく、これが反映された値であれば足りる。これにより、動画判別の精度をあまり低下させることなく、カウント回路6aの簡略化と、メモリ6cの容量低減と、カウント数比較回路6gの簡略化とを図れる。
【0040】
また、同様の観点より、画像データの上位側ビットを無視し、その最下位ビットのみ、若しくは、下位数ビットのみをカウント対象としてもよい。階調変化の小さい下位ビットをカウント対象とした場合、輝度の微少な変化がカウント値CNに反映されるため、結果的に、輝度変化の比較的少ない表示対象を動画として判別できる。また、階調変化の大きい上位ビットをカウント対象としてもよい。この場合には、輝度の大きな変化のみがカウント値CNに反映されるため、結果的に、輝度変化がダイナミックな表示対象を動画として判別できる。
【0041】
アドレス回路6bは、同期信号に応じて、カウント回路6aで算出された1フレーム分のカウント値CNを、後段のカウント数格納部6d〜6fのいずれかに割り振って格納する。例えば、(k−2)番目のフレームに関するカウント値CN(k−2)がカウント数格納部6f、(k−1)番目のフレームに関するカウント値CN(k−1)がカウント数格納部6e、k番目のフレームに関するカウント値CN(k)がカウント数格納部6dにそれぞれ格納されるといった如くである。
【0042】
カウント数比較回路6gは、比較命令に応じて、カウント数格納部6d〜6fよりカウント値CN(k)〜CN(k−2)を読み出して、今回のフレームに関するカウント値CN(k)を、従前の2フレーム分のカウント値CN(k−1),CN(k−2)と比較する。この比較は、対応する画素行毎に行われ、例えば、最上の画素行に関するカウント値CN1(k)は、従前の2フレームにおける最上の画素行に関するカウント値CN1(k−1),CN1(k−2)と比較される。比較対象を直前のフレームのみならず、更にその前のフレームも含める理由は、カウント値CN(k)〜CN(k−2)が偶然一致してしまうことを回避するためである。CN(k)がCN(k−1),CN(k−2)の双方と一致する場合(変化量が所定のしきい値以下の場合を含む)、画像データの時系列的な変化を伴わない静止画(テキストを含む)と判別される。この場合、判別対象となった画素行に関しては、動画表示が行われないものと判断される。これに対して、これらが一致しない場合、画像データの時系列的な変化を伴う動画と判別される。この場合、判別対象となった画素行に関しては、動画表示が行われるものと判断される。このようにして、カウント数比較回路6gは、動画/静止画の判別を1フレームを構成するすべての画素行について行い、それぞれの画素行に関する判別結果を駆動モード選択部7に対して出力する。
【0043】
駆動モード選択部7は、データカウント部6からの判別結果に基づいて、画素行単位(走査線単位)で、駆動モードを指定する駆動モード信号DRTMを生成する。ここで、「走査線単位」とは、本実施形態のように1本の走査線であってもよいが、互いに隣接した複数の走査線Yを1グループ化したものも含む(「画素行単位」も同じ意味)。
【0044】
図5は、駆動モード信号DRTMの説明図である。この駆動モード信号DRTMは、走査線駆動回路3の線順次走査と同期しており、Lレベルがホールド駆動を指示し、Hレベルがインパルス駆動を指示する。一例として、表示領域Bで動画表示を行い、その上下の表示領域A,Cで静止画表示を行うケースについて考える。表示領域Aを構成する走査線群が順次選択される期間t0〜t1では、駆動モード信号DRTMがLレベルになっている。したがって、表示領域Aでは、静止画の表示に適したホールド駆動が行われる。つぎに、表示領域Bを構成する走査線群が順次選択される期間t1〜t2では、駆動モード信号DRTMがHレベルになっている。したがって、表示領域Bでは、動画表示に適したインパルス駆動が行われる。そして、表示領域Cを構成する走査線群が順次選択される期間t2〜t3では、駆動モード信号DRTMがLレベルになっているため、表示領域Cでは、静止画の表示に適したホールド駆動が行われる。駆動モード選択部7によって生成された駆動モード信号DRTMは、駆動モード切替回路8とデータ線駆動回路4とに出力される。
【0045】
駆動モード切替回路8は、走査線単位で設けられており、駆動モード信号DRTMにより指定された駆動モードに応じて、パルス信号PLSの波形を設定する。それぞれの切替回路8は、制御回路5からの信号INP1,INP2、走査線駆動回路3からの信号SEL,LM、および、駆動モード選択部7からの駆動モード信号DRTMに基づいて、パルス信号PLSを走査線単位で発生し、これを対応する走査線に対して出力する。
【0046】
図6は、駆動モード切替回路8の回路図である。この駆動モード切替回路8は、Dフリップフロップ8a(D−FF)と、一対のトランスミッションゲート8b,6c、2つのインバータ8d,8eおよびNANDゲート8fで構成されている。Dフリップフロップ8aのD入力は、駆動モード信号DRTMが供給された信号線に接続されており、そのC入力は、走査信号SEL(n)が供給された走査線に接続されている。ここで、走査信号SEL(n)は、n番目の走査線に対して出力される走査信号SELである((n)の意味は後述する各信号についても同様)。Dフリップフロップ8aは、C入力の走査信号SEL(n)の立ち上がりタイミングにおいて、D入力の駆動モード信号DRTMのレベル状態を記憶し、記憶したレベル状態を信号DRMD(n)としてQ出力より出力する。
【0047】
また、Dフリップフロップ8aのQ出力(信号DRMD(n))は、一対のトランスミッションゲート8b,8cを主体に構成された選択部8gに出力される。具体的には、このQ出力は、トランスミッションゲート8bの一部を構成するnチャネル型トランジスタのゲートと、トランスミッションゲート8cの一部を構成するpチャネル型トランジスタのゲートとに供給される。また、Q出力は、インバータ8dによるレベル反転後、トランスミッションゲート8bのpチャネル型トランジスタのゲートと、トランスミッションゲート8cのnチャネル型トランジスタのゲートとに供給される。また、一方のトランスミッションゲート8bの入力端には、インパルス状の第1の駆動信号INP1が供給され、他方のトランスミッションゲート8cの入力端には、ホールド状の第2の駆動信号INP2が供給される。一対のトランスミッションゲート8b,8cは、pチャネル型トランジスタにLレベルのゲート信号が供給され、かつ、NチャネルトランジスタにHレベルのゲート信号が供給された場合にオンする。したがって、フリップフロップ8aのQ出力レベルに応じて、どちらか一方のトランスミッションゲート8b,8cが択一的にオンになり、駆動信号INP1,INP2のいずれかがトランスミッションゲート8b,8cより出力される。
【0048】
NANDゲート8fは、選択部8gからの出力信号と、走査線駆動回路3からの制御信号LMとを入力として、両者の排他的論理和を演算する。そして、その演算結果はインバータ8eによってレベル反転された後、パルス信号PLS(n)として、対応する画素行に出力される。
【0049】
つぎに、図7に示すタイミングチャートを参照しながら、線順次走査による表示部1の表示制御について説明する。このタイミングチャートは、図5に示したように、表示領域A,Cでホールド駆動を行い、表示領域Bでインパルス駆動を行うケースに関するものである。走査線駆動回路3は、1垂直走査期間t0〜t3において、最上の走査線から最下の走査線に向かって、走査信号SELのレベルを順番にHレベルにすることにより、走査線を1本ずつ選択していく。これにより、選択された走査線に対応する画素行が順次選択されていく。
【0050】
まず、ホールド駆動が行われる表示領域Aにおける任意の走査線aについて説明する。表示領域Aを線順次走査する期間t0〜t1において、駆動モード信号DRTMは、ホールド駆動を指示するLレベルに維持されている。走査線駆動回路3は、ある走査線aの選択開始タイミングにおいて、この走査線aに供給する走査信号SEL(a)をLレベルからHレベルに立ち上げ、このHレベルを1水平走査期間分だけ維持する。それとともに、走査線駆動回路3は、走査信号SEL(a)の立ち上がりタイミングと同期して、制御信号LM(a)をHレベルからLレベルに立ち下げ、このLレベルを1水平走査期間分だけ維持する。
【0051】
図6に示したDフリップフロップ8aは、走査信号SEL(a)の変化タイミング(本実施形態では、立ち上がりタイミング)において、駆動モード信号DRTMのレベル、すなわち、Lレベルを保持する。これにより、Dフリップフロップ8aは、出力信号DRMD(a)としてLレベルを出力する。この出力信号DRMD(a)がLレベルの場合、後段の選択部8gは、ホールド状の第2の駆動信号INP2を選択し、この信号INP2を後段のNANDゲート8fに出力する。NANDゲート8fは、走査信号SEL(a)と反対の論理レベルを取る制御信号LM(a)がLレベルの間、選択部8gからの出力に依存することなく、Hレベルを出力する。したがって、この期間において、インバータ8eからの出力であるパルス信号PLS(a)はLレベルとなる。パルス信号PLSがLレベルになる期間は、図3に示したプログラミング期間ta〜tbに相当し、画素2へのデータ書き込みが行われる。なお、データ線駆動回路4は、駆動モード信号DRTMがLレベルの場合には、上述したホールド駆動用の第2のグループを用いて、データ電圧Vdataを設定し、これをデータ電流Idataに変換した上で、データ線X1〜Xmに出力する。その後、制御信号LM(a)がHレベルになると、NANDゲート8fは、選択部8gから出力された第2の駆動信号INP2とは反対の論理レベル(Lレベル)を出力する。したがって、制御信号LM(a)がHレベルの期間において、パルス信号PLS(a)として、第2の駆動信号INP2と同様の波形、すなわち、常時Hレベルのホールド信号が出力される。パルス信号PLS(a)がHレベルになる期間(図3に示した駆動期間tb〜tcに相当)では、制御トランジスタT4が常時オンするため、有機EL素子OLEDのホールド駆動が行われる。
【0052】
つぎに、インパルス駆動が行われる表示領域Bにおける任意の走査線bについて説明する。表示領域Bを線順次走査する期間t1〜t2において、駆動モード信号DRTMは、インパルス駆動を指示するHレベルに維持されている。走査線駆動回路3は、走査線bの選択開始タイミングにおいて、この走査線bに供給する走査信号SEL(b)をLレベルからHレベルに立ち上げるとともに、これと同期して、制御信号LM(b)をHレベルからLレベルに立ち下げる。走査線bに対応する駆動モード切替回路8において、Dフリップフロップ8aは、走査信号SEL(b)の立ち上がり時における駆動モード信号DRTMのレベル、すなわち、Hレベルを保持する。これにより、Dフリップフロップ8aは、出力信号DRMD(b)としてHレベルを出力する。この出力信号DRMD(a)がHレベルの場合、後段の選択部8gは、インパルス状の第1の駆動信号INP1を選択し、第1の駆動信号INP1を後段のNANDゲート8fに出力する。NANDゲート8fは、制御信号LM(b)がLレベルの間、選択部8gからの出力に依存することなく、Hレベルを出力する。したがって、図3に示したプログラミング期間ta〜tbにおいて、インバータ8eからの出力であるパルス信号PLS(b)はLレベルとなって、画素2へのデータ書き込みが行われる。なお、データ線駆動回路4は、駆動モード信号DRTMがLレベルの場合には、上述したインパルス駆動用の第1のグループを用いて、データ電圧Vdataを設定し、これをデータ電流Idataに変換した上で、データ線X1〜Xmに出力する。その後、制御信号LM(b)がHレベルになると、NANDゲート8fは、選択部8gから出力された第1の駆動信号INP1とは反対の論理レベルのパルス状の信号を出力する。これにより、制御信号LM(b)がHレベルの期間において、パルス信号PLS(a)として、第1の駆動信号INP1と同様の波形、すなわち、パルス状のインパルス信号が出力される。パルス信号PLS(b)がパルス状になる期間(図3に示した駆動期間tb〜tcに相当)では、制御トランジスタT4のオンとオフとが繰り返されるため、有機EL素子OLEDのインパルス駆動が行われる。
【0053】
ホールド駆動が行われる表示領域Cにおける任意の走査線cについては、上述した表示領域Aと同様、結果的に、有機EL素子OLEDのホールド駆動が行われる。
【0054】
このように、本実施形態では、有機EL素子OLEDの駆動モードを走査線単位(画素行単位)で設定し、かつ、表示対象に応じて駆動モードを切り替える。すなわち、動画を表示すべき画素行(表示領域B)に関しては、インパルス駆動が設定される。これにより、書込対象となる画素2に対応する走査線が選択されてからこの走査線が次に選択されるまでの期間よりも短い第1の発光期間で、有機EL素子OLEDの駆動が行われる。これに対して、静止画を表示すべき画素行(表示領域A,C)に関しては、ホールド駆動が設定される。これにより、書込対象となる画素2に対応する走査線が選択されてからこの走査線が次に選択されるまでの期間において、第1の発光期間よりも長い第2の発光期間で、有機EL素子OLEDの駆動が行われる。このようなインパルス駆動を行うことで、画素2の光学応答をインパルス型に近づけることができ、かつ、有機EL素子OLEDが非発光となる期間(黒表示の期間)が分散されるため、表示画像のちらつきの低減を図ることができる。それとともに、画素2の光学応答を改善することにより、動画表示等における疑似輪郭の発生も有効に抑制可能となる。
【0055】
また、本実施形態によれば、走査線駆動回路3および駆動モード切替回路8の双方を含む走査線駆動系を主体とした制御で、駆動モードの切り替えを実現できる。したがって、駆動モードの切り替え機能の付加に伴う、電気光学装置の回路規模の増大や回路の複雑化を抑えることができる。
【0056】
また、本実施形態によれば、インパルス駆動とホールド駆動とが混在した表示を行う場合に、同一階調の発光輝度を一致させることができる。なぜなら、ある中間階調を規定するデータに関して、インパルス駆動時のレベル値(電圧値)をホールド駆動時のレベル値(電圧値)よりも高く設定しているからである。これにより、駆動モードの違いに起因した、換言すれば、1フレームに占める発光期間の割合の違いに起因した、有機EL素子OLEDの発光輝度のずれを解消できる。その結果、表示品質の一層の向上を図ることが可能となる。
【0057】
なお、上述した実施形態では、第1の駆動信号INP1をインパルス信号とし、第2の駆動信号INP2をホールド信号とする例について説明した。しかしながら、後述する各実施形態も含めて、第2の駆動信号INP2は、ホールド信号である必要性は必ずしもなく、例えば、図8に示すように、第1の駆動信号INP1とは波形形状(デューティ比)が異なるパルス信号であってもよい。このようにしてパルス信号PLSの波形を調整することにより、有機EL素子OLEDの時間平均の発光輝度を任意に設定することが可能となる。
【0058】
(第2の実施形態)
本実施形態は、表示対象に応じた駆動モードの切り替えを、走査線駆動系の制御ではなく、電源線の電圧を可変制御することにより実現するものである。
【0059】
図9は、本実施形態に係る電気光学装置のブロック構成図である。それぞれの画素2は、第1の電源線L1に共通接続されているとともに、走査線単位で設けられた第2の電源線L2に接続されている。第1の電源線L1の電圧は電源電圧Vddに固定的に設定されている。一方、第2の電源線L2の電圧(後述する出力電圧Vout)は、有機EL素子OLEDのインパルス駆動を実現すべく、可変に設定される。電源線制御回路9(1)〜9(n)は、走査線単位で設けられており、対応する制御信号Sc(1)〜Sc(n)に応じて、対応する出力電圧Vout(1)〜Vout(n)を出力する。これらの出力電圧Vout(1)〜Vout(n)は、走査線単位で設けられた第2の電源線L2(1)〜L2(n)のうちの対応するものに供給される。例えば、最上の走査線Y1に対応して設けられた電源線制御回路9(1)は、制御信号Sc(1)に応じて、最上の走査線Y1の画素行に対応する第2の電源線L2(1)に対して、出力電圧Vout(1)を供給する。これにより、図2に示した画素回路において、キャパシタCの他方の電極および駆動トランジスタT3のソースには、固定的な電源電圧Vddが印加され、有機EL素子OLEDのカソード(陰極)には、可変的な出力電圧Voutが印加される。それぞれの電源線制御回路9(1)〜9(n)は、駆動モード選択部7より出力された制御信号Sc(1)〜Sc(n)のいずれかによって制御される。なお、図1に示したものと同一のブロックについては同一の符号を付して、ここでの説明を省略する。
【0060】
1つの電源線制御回路9は、制御回路5からの1つの制御信号Scに応じて、第2の電源線L2の電圧である出力電圧Voutを可変に制御する。図10は、電源線制御回路9の回路図である。この電源線制御回路9は、CMOSインバータ9aと、増幅器であるオペアンプ9bとによって構成されている。このインバータ9aは、2つの固定電圧Voff,Vssとの間に直列接続されたnチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタとを有し、その入力となる制御信号Scのレベルに応じて、電圧Voff,Vssを択一的に出力する。ここで、オフ電圧Voffは電源電圧Vdd以上の所定の電圧であり、電圧Vssは電源電圧Vddよりも低い所定の電圧である(Voff≧Vdd>Vss)。インバータ9aから出力された出力電圧Vin+は、オペアンプ9bの非反転入力端(+入力端)に入力される。オペアンプ9bによって構成される回路は、ユニティゲイン・バッファと呼ばれるバッファ回路であるが、ソースフォロワ回路を含む電圧フォロワ回路を用いてもよい。オペアンプ9bから出力される出力電圧Voutは、電源制御信号Scのレベルを反転させた出力波形を有する。後段の回路に対して十分な駆動能力を確保すべく、インバータ9aを構成するトランジスタの利得係数βは大きく、オペアンプ9bのスルーレートは高く設定されている。
【0061】
電源線制御回路9からの出力電圧Voutは、電圧Vss,Voffのいずれかに設定され、これにより、図2に示した画素2を構成する有機EL素子OLEDの発光状態が制御される。具体的には、制御信号ScがHレベルの場合、オペアンプ9bから出力される出力電圧Voutは、電源電圧Vddよりも低い電圧Vssとなる。この場合、有機EL素子OLEDのカソードには、第2の電源線L2を介して電圧Vssが印加される。有機EL素子OLEDのアノードには、第1の電源線L1を介して電源電圧Vddが印加されているため、Vss印加時には、有機EL素子OLEDには順バイアス(順方向電圧)が印加される。その結果、第1の電源線L1から第2の電源線L2に向かって駆動電流Ioledが流れ得るため、有機EL素子OLEDの発光が許容される。これに対して、制御信号ScがLレベルの場合、オペアンプ9bから出力される出力電圧Voutは、電源電圧Vdd以上のオフ電圧Voffとなり、このオフ電圧Voffが有機EL素子OLEDのカソードに印加される。したがって、有機EL素子OLEDには、順バイアスでないバイアス、すなわち、非順バイアスが印加される。ここで、オフ電圧Voffを電源電圧Vddよりも高い電圧に設定した場合、非順バイアスは逆バイアス(逆方向電圧)に相当する。また、オフ電圧Voffを電源電圧Vddとほぼ同等の電圧に設定した場合(正確には、0≦Vdd−Voff<Vth(Vthは有機EL素子OLEDの閾電圧))、非順バイアスはバイアスが印加されない状態に相当する。このような非順バイアス印加時には、有機EL素子OLEDの整流作用によって、駆動電流Ioledの流れが阻止されるため、キャパシタCの蓄積電荷に関わりなく、有機EL素子OLEDは発光しない。
【0062】
図11は、図5に示したケースにおける線順次走査によるタイミングチャートである。表示領域Aを線順次走査する期間t0〜t1において、駆動モード信号DRTMは、ホールド駆動を指示するLレベルに維持されている。走査線駆動回路3は、走査線aの選択開始タイミングにおいて、この走査線aに供給する走査信号SEL(a)をLレベルからHレベルに立ち上げ、このHレベルを1水平走査期間分だけ維持する。この期間では、走査線aに対応する画素行において、キャパシタCにデータが書き込まれるが、これに対応する制御信号Sc(a)がLレベルに維持されている。したがって、この画素行の有機EL素子OLEDには非順バイアスが印加されるため、これらは非発光状態に設定される(黒表示)。
【0063】
その後、走査線aの選択が終了すると、それ以前はLレベルだった制御信号Sc(a)はHレベルへと変化し、この状態が所定期間だけ維持される。制御信号ScがHレベルの場合、電源線L1,L2間の電圧関係がVdd>Vout(=Vss)となるため、有機EL素子OLEDに順バイアスが印加される。したがって、第1の電源線L1から第2の電源線L2に向かって、駆動トランジスタT3と有機EL素子OLEDとを介した、駆動電流Ioledの電流経路が形成され得る。その結果、有機EL素子OLEDは駆動電流Ioledに応じた輝度で発光する。このように、制御信号Sc(a)をHレベルに維持することで、有機EL素子OLEDの駆動モードはホールド駆動となり、走査線aが再び選択されるまでこれが継続される。
【0064】
つぎに、表示領域Bにおける任意の走査線bに対応する画素行に関しては、この画素行の1垂直走査期間のうちの前半期間において、走査線bが選択されて、データ書き込みが行われる。この期間では、対応する制御信号Sc(b)がLレベルに維持され、この画素行の有機EL素子OLEDには非順バイアスが印加されるため、これらは非発光状態に設定される。走査線Ybの選択後、これが次に選択されるまでの期間では、制御信号Sc(b)がパルス波形に変化するため、走査線bに対応する画素行における有機EL素子OLEDのインパルス駆動が行われる。
【0065】
ホールド駆動が行われる表示領域Cにおける任意の走査線cについては、上述した表示領域Aと同様、結果的に、有機EL素子OLEDのホールド駆動が行われる。
【0066】
本実施形態では、電源線制御回路9(1)〜9(n)を走査線単位で設け、第2の電源線L2(1)〜L2(n)の電圧を独立して可変設定することにより、走査線単位での駆動モードの切り替えを実現している。したがって、表示対象に応じた駆動モードを、走査線単位で選択できるため、表示部1の全体的な表示品質の一層の向上を図ることができる。また、かかる機能を電気光学装置の一機能として付加することにより、電気光学装置の回路規模の増大や回路の複雑化を抑えることができる。さらに、駆動モードに応じたデータレベルを設定することにより、駆動モードの違いに起因した発光輝度のずれを解消できる。
【0067】
なお、上述した実施形態では、第1の電源線L1を固定電圧Vdd、第2の電源線L2(1)〜L2(n)を可変電圧Voutにそれぞれ設定しているが、第2の電源線L1の電圧を可変に設定してもよい。この場合、第1の電源線L1の電圧Voutとして、2つの固定電圧Voff,Vddのいずれかを出力する。ここで、オフ電圧Voffは所定の電圧Vss以下の所定の電圧であり、電源電圧Vddは所定の電圧Vssよりも高い電圧である(Voff≦Vss<Vdd)。なお、この場合、電源線制御回路9(1)〜9(n)は、図10の回路構成をそのまま用いることができるが、同図に示したインバータ9aの2つの電圧端子のうち、オフ電圧Voff側を電源電圧Vdd、電圧Vss側を本実施形態でいうオフ電圧Voffにそれぞれ変更する必要がある。また、2つの電源線L1,L2のそれぞれに電源線制御回路9を別個に設け、双方の電源線L1,L2の電圧を可変設定することにより、印加バイアスの切り替えを行うことも可能である。例えば、有機EL素子OLEDに順バイアスを印加する場合、第1の電源線L1の電圧をVdd、第2の電源線L2の電圧をVssに設定し、非順バイアスを印加する場合、第1の電源線L1の電圧を1/2Vdd、第2の電源線L2の電圧も1/2Vddに設定するといった如くである。
【0068】
なお、上述した各実施形態では、電気光学素子として有機EL素子OLEDを用いた例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、それ以外の、駆動電流に応じた輝度で発光する電気光学素子に対して適用可能である。また、図2に示した画素2の回路構成は一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、例えば、特表2002−514320号公報に開示された電流プログラム方式の画素回路、特開2001−147659号公報に開示されたカレントミラー型の画素回路、或いは、電圧プログラム方式の画素回路等に対しても適用可能である。
【0069】
さらに、上述した各実施形態に係る電気光学装置は、例えば、テレビ、プロジェクタ、携帯電話機、携帯端末、モバイル型コンピュータ、パーソナルコンピュータ等を含む様々な電子機器に実装可能である。これらの電子機器に上述した電気光学装置を実装すれば、電子機器の商品価値を一層高めることができ、市場における電子機器の商品訴求力の向上を図ることができる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、駆動電流に応じた輝度で発光する電気光学素子を用いた電気光学装置において、表示すべき対象に応じて、異なる駆動モードを走査線単位で選択できる。これにより、それぞれの表示対象の特性に適した駆動モードを適用できるので、全体的な表示品質の向上を図ることができる。それとともに、駆動モードの切り替え機能を電気光学装置自身に付加することにより、これを比較的簡単な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る電気光学装置のブロック構成図
【図2】有機EL素子を含む画素の一例を示す回路図
【図3】画素の駆動タイミングチャート
【図4】データカウント部のブロック構成図
【図5】駆動モード信号DRTMの説明図
【図6】駆動モード切替回路の回路図
【図7】第1の実施形態に係る線順次走査のタイミングチャート
【図8】駆動信号INP1,INP2のパルス波形を示す図
【図9】第2の実施形態に係る電気光学装置のブロック構成図
【図10】電源線制御回路の回路図
【図11】第2の実施形態に係る線順次走査のタイミングチャート
【符号の説明】
1 表示部
2 画素
3 走査線駆動回路
4 データ線駆動回路
5 制御回路
6 データカウント部
6a カウント回路
6b アドレス回路
6c メモリ
6d〜6f カウント数格納部
6g カウント数比較回路
7 駆動モード選択部
8 駆動モード切替回路
8a Dフリップフロップ
8b,8c トランスミッションゲート
8d,8e インバータ
8f NANDゲート
8g 選択部
9 電源線制御回路
9a CMOSインバータ
9b オペアンプ
T1 第1のスイッチングトランジスタ
T2 第2のスイッチングトランジスタ
T3 駆動トランジスタ
T4 制御トランジスタ
C キャパシタ
OLED 有機EL素子
Claims (18)
- 電気光学装置において、
複数の走査線と、
複数のデータ線と、
前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられた複数の画素であって、かつ、前記複数の画素のそれぞれが、データを保持する保持手段と、前記保持手段に保持されたデータに応じて、駆動電流を設定する駆動素子と、当該設定された駆動電流に応じた輝度で発光する電気光学素子とを有する複数の画素と、
前記走査線に走査信号を出力することにより、データの書込対象となる画素に対応する前記走査線を選択する走査線駆動回路と、
前記走査線駆動回路と協働し、前記書込対象となる画素に対応する前記データ線にデータを出力するデータ線駆動回路と、
あるフレームの画像データを構成する所定のビット列において、所定のビットレベルの個数をカウント値として算出し、当該フレームに関する前記カウント値を従前のフレームに関する前記カウント値と比較することによって、動画の判別を走査線単位で行うカウント部と、
前記カウント部における判別結果に基づいて、前記画素の駆動モードを走査線単位で選択する駆動モード選択部とを有し、
前記駆動モード選択部は、
前記動画表示を行う画素に関しては、前記書込対象となる画素に対応する前記走査線が選択されてから当該走査線が次に選択されるまでの期間よりも短い第1の発光期間で、前記電気光学素子を駆動させる第1の駆動モードを設定し、
前記動画表示を行わない画素に関しては、前記書込対象となる画素に対応する前記走査線が選択されてから当該走査線が次に選択されるまでの期間において、前記第1の発光期間よりも長い第2の発光期間で、前記電気光学素子を駆動させる第2の駆動モードを設定することを特徴とする電気光学装置。 - 前記第1の駆動モードはインパルス駆動であり、前記第2の駆動モードはホールド駆動であることを特徴とする請求項1に記載された電気光学装置。
- 前記カウント部は、前記カウント値を規定するビット列の一部、または、前記画像データを構成するビット列の一部を用いて、動画の判別を行うことを特徴とする請求項1または2に記載された電気光学装置。
- 前記カウント部は、あるフレームに関する前記カウント値を従前の複数のフレームに関する前記カウント値と比較することによって、動画の判別を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載された電気光学装置。
- 前記画素のそれぞれは、前記電気光学素子に供給される前記駆動電流の電流経路中に設けられ、パルス信号に応じて導通制御される制御素子を含み、
前記駆動モード選択部によって選択された前記駆動モードに応じて、前記パルス信号の波形を変化させる駆動モード切替回路をさらに有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された電気光学装置。 - 前記駆動モード切替回路は、前記第1の駆動モードの選択時には、前記パルス信号のレベルを交互に変化させ、前記第2の駆動モードの選択時には、前記パルス信号を一定レベルに維持することを特徴とする請求項5に記載された電気光学装置。
- 前記駆動電流は、前記画素に接続された第1の電源線から前記画素に接続された第2の電源線に向かって流れ、
前記駆動モード選択部によって選択された前記駆動モードに応じて、前記第1の電源線または前記第2の電源線の少なくとも一方の電圧の可変に設定する電源線制御回路をさらに有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された電気光学装置。 - 前記電源線制御回路は、前記第1の駆動モードの選択時には、前記第1の電源線または前記第2の電源線の少なくとも一方の電圧を可変に設定することにより、前記電気光学素子に順バイアスと非順バイアスとを交互に繰り返し印加し、前記第2の駆動モードの選択時には、前記第1の電源線および前記第2の電源線の電圧を一定にすることにより、前記電気光学素子に順バイアスを印加することを特徴とする請求項7に記載された電気光学装置。
- 前記データ線駆動回路は、前記第1の駆動モードの選択時には、値の異なる複数のレベル値で構成された第1のグループの中から、階調データに応じたレベル値を前記画素に供給するデータとして選択し、前記第2の駆動モードの選択時には、値の異なる複数のレベル値で構成された第2のグループの中から、階調データに応じたレベル値を前記画素に供給するデータとして選択し、かつ、同一の中間階調を規定する前記レベル値に関して、前記第1のグループの方が前記第2のグループよりも高いレベル値に設定されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載された電気光学装置。
- 電気光学装置において、
複数の走査線と、
複数のデータ線と、
前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられた複数の画素であって、かつ、前記複数の画素のそれぞれが、データを保持する保持手段と、前記保持手段に保持されたデータに応じて、駆動電流を設定する駆動素子と、当該設定された駆動電流に応じた輝度で発光する電気光学素子とを有する複数の画素と、
前記走査線に走査信号を出力することにより、データの書込対象となる画素に対応する前記走査線を選択する走査線駆動回路と、
前記走査線駆動回路と協働し、前記書込対象となる画素に対応する前記データ線にデータを出力するデータ線駆動回路と、
前記画素の駆動モードとして、前記書込対象となる画素に対応する前記走査線が選択されてから当該走査線が次に選択されるまでの期間よりも短い第1の発光期間で、前記電気光学素子を駆動させる第1の駆動モード、または、前記書込対象となる画素に対応する前記走査線が選択されてから当該走査線が次に選択されるまでの期間において、前記第1の発光期間よりも長い第2の発光期間で、前記電気光学素子を駆動させる第2の駆動モードのいずれかを選択する駆動モード選択部とを有し、
前記データ線駆動回路は、前記第1の駆動モードの選択時には、値の異なる複数のレベル値で構成された第1のグループの中から、階調データに応じたレベル値を前記画素に供給するデータとして選択し、前記第2の駆動モードの選択時には、値の異なる複数のレベル値で構成された第2のグループの中から、階調データに応じたレベル値を前記画素に供給するデータとして選択し、かつ、同一の中間階調を規定する前記レベル値に関して、前記第1のグループの方が前記第2のグループよりも高いレベル値に設定されていることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項1から10のいずれかに記載された電気光学装置を実装した電子機器。
- 走査線とデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素を有し、前記複数の画素のそれぞれが、データを保持する保持手段と、前記保持手段に保持されたデータに応じて、駆動電流を設定する駆動素子と、当該設定された駆動電流に応じた輝度で発光する電気光学素子とを有し、かつ、前記複数の画素のそれぞれの駆動モードを走査線単位で選択する電気光学装置の駆動方法において、
あるフレームの画像データを構成する所定のビット列において、所定のビットレベルの個数をカウント値として算出し、当該フレームに関する前記カウント値を従前のフレームに関する前記カウント値と比較することによって、動画の判別を画素行単位で行う第1のステップと、
前記判別結果より、前記動画表示を行う画素行に関しては、前記書込対象となる画素に対応する前記走査線が選択されてから当該走査線が次に選択されるまでの期間よりも短い第1の発光期間で、前記電気光学素子を駆動させる第2のステップと、
前記判別結果より、前記動画表示を行わない画素行に関しては、前記書込対象となる画素に対応する前記走査線が選択されてから当該走査線が次に選択されるまでの期間において、前記第1の発光期間よりも長い第2の発光期間で、前記電気光学素子を駆動させる第3のステップと
を有することを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 前記第2のステップでは、前記電気光学素子のインパルス駆動が行われ、
前記第3のステップでは、前記電気光学素子のホールド駆動が行われることを特徴とする請求項12に記載された電気光学装置の駆動方法。 - 前記第1のステップでは、前記カウント値を規定するビット列の一部、または、前記画像データを構成を構成するビット列の一部を用いて、動画の判別を行うことを特徴とする請求項12または13に記載された電気光学装置の駆動方法。
- 前記画素のそれぞれは、前記電気光学素子に供給される前記駆動電流の電流経路中に設けられ、パルス信号に応じて導通制御される制御素子を含み、
前記第2のステップは、前記パルス信号のレベルを交互に変化させるステップを含み、
前記第3のステップは、前記パルス信号を一定レベルに維持するステップを含むことを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載された電気光学装置の駆動方法。 - 前記駆動電流は、前記画素に接続された第1の電源線から前記画素に接続された第2の電源線に向かって流れ、
前記第2のステップは、前記第1の電源線または前記第2の電源線の少なくとも一方の電圧を可変に設定することにより、前記電気光学素子に順バイアスと非順バイアスとを交互に繰り返し印加するステップを含み、
前記第3のステップは、前記第1の電源線および前記第2の電源線の電圧を一定に維持することにより、前記電気光学素子に順バイアスを印加するステップを含むことを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載された電気光学装置の駆動方法。 - 前記第2のステップは、値の異なる複数のレベル値で構成された第1のグループの中から、階調データに応じたレベル値をデータとして選択し、当該データを前記画素に供給するステップを含み、
前記第3のステップは、値の異なる複数のレベル値で構成された第2のグループの中から、階調データに応じたレベル値をデータとして選択し、当該データを前記画素に供給するステップを含み、
同一の中間階調を規定する前記レベル値に関して、前記第1のグループの方が前記第2のグループよりも高いレベル値に設定されていることを特徴とする請求項12から16のいずれかに記載された電気光学装置の駆動方法。 - 走査線とデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素を有し、前記複数の画素のそれぞれが、データを保持する保持手段と、前記保持手段に保持されたデータに応じて、駆動電流を設定する駆動素子と、当該設定された駆動電流に応じた輝度で発光する電気光学素子とを有し、かつ、前記複数の画素のそれぞれの駆動モードを走査線単位で選択する電気光学装置の駆動方法において、
前記書込対象となる画素に対応する前記走査線が選択されてから当該走査線が次に選択されるまでの期間よりも短い第1の発光期間で、前記電気光学素子を駆動させる第1のステップと、
前記書込対象となる画素に対応する前記走査線が選択されてから当該走査線が次に選択されるまでの期間において、前記第1の発光期間よりも長い第2の発光期間で、前記電気光学素子を駆動させる第2のステップとを有し、
前記第1のステップは、値の異なる複数のレベル値で構成された第1のグループの中から、階調データに応じたレベル値をデータとして選択し、当該データを前記画素に供給するステップを含み、
前記第2のステップは、値の異なる複数のレベル値で構成された第2のグループの中から、階調データに応じたレベル値をデータとして選択し、当該データを前記画素に供給するステップを含み、
同一の中間階調を規定する前記レベル値に関して、前記第1のグループの方が前記第2のグループよりも高いレベル値に設定されていることを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
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