JP2004251970A - ストレッチラベル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原反フィルムの両端部を重ね合わせ、その重合部を接合して接合部を形成し、かつ、ボトル胴部の外周表面に装着する筒状のストレッチラベルにおいて、上記の原反フィルムが、ポリエチレン系樹脂を主体とする樹脂組成物による多層共押出樹脂フィルムからなるり、更に、該多層共押出樹脂フィルムが、40μm〜80μmの膜厚に製膜されていることを特徴とするストレッチラベルに関するものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ストレッチラベルに関し、更に詳しくは、ストレッチラベルを構成する原反フィルムが、カット性に優れ、かつ、高い剛性(腰)を有し、ラベル製造時、ボトル装着時等における作業性を著しく向上させることができ、更に、資材の減量化に役立ち、環境問題に大きく貢献することができ、併せて、ストレッチ性、耐熱性、強靱性、防傷性、印刷適性、美粧性等に優れ、フィルムの自己伸縮性を利用して、主に、飲料、食油、化成品等を充填するボトル胴部の外周表面に強固に密接着して装着し得る極めて美麗なストレッチラベルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラスチック、ガラス、あるいは、金属等からなる各種の包装用容器の外周表面に装着されるラベルとてしは、種々の形態のものが開発され、提案されているが、それらの一つに、フィルムの自己伸縮性を利用して、包装用容器の外周表面に装着されるストレッチラベルが知られている。
このものは、自己伸縮性を有するものであることから、包装用容器の寸法変化等に対し追従することができ、包装用容器の外周表面に密着状態を保持することができる、他方、使用後においては、包装用容器とラベルとの分離が容易であり、分別回収が可能であり、環境対応に適する、安価にラベルを製造することができる等の種々の利点を有するものである。
而して、現在、ストレッチラベルを構成するフィルムとしては、例えば、酢酸ビニル含有量が3〜10重量%位であって、自己伸縮性を有するエチレン−酢酸ビニル共重合重フィルムからなる原反フィルムが最も一般的に使用されているものである(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
更には、自己伸縮性を有する低密度ポリエチレンフィルム等からなる原反フィルム等も使用されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭55−40474号公報(特許請求の範囲、実施例1等)
【特許文献2】
実開平6−74330号公報(実用新案登録請求の範囲、実施例等)
【特許文献3】
特開昭58−144883号公報(特許請求の範囲、実施例1等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなストレッチラベルにおいて、該ストレッチラベルを構成する自己伸縮性を有するエチレン−酢酸ビニル共重合重フィルム、あるいは、低密度ポリエチレンフィルム等の原反フィルムは、スリッタ−(カッタ−)等を用いてフィルムを縦方向あるいは横方向等に切断するカット性に劣ることから、ラベル製造時およびボトル装着時の作業適性に著しく欠け、その生産性に劣るという問題点があり、更に、そのカット性に劣ることから、ラベルを構成する端部のカット面を美麗に仕上げることが困難であるという問題点がある。
また、上記のようなストレッチラベルにおいて、該ストレッチラベルを構成する自己伸縮性を有するエチレン−酢酸ビニル共重合重フィルムにおいては、表面光沢性、フィルム剛性、臭気等に問題点があり、特に、剛性に欠けることから、いわゆる、フィルムとしての腰に欠け、現行品においては、通常、90μm〜100μmからなる膜厚のフィルムを使用することが実状であり、その減量化が強く求められているものである。
近年、包装分野においては、使用後の包装用容器について、環境問題が大きく騒がれており、その一貫としての資材の減量、減容化が進んでいるものであり、ストレッチラベル等のラベル業界においても、その資材の減量、減容化は、大きな課題であり、早急な対策が必要とされているものである。
そこで本発明は、ストレッチラベルを構成する原反フィルムが、カット性に優れ、かつ、高い剛性(腰)を有し、ラベル製造時、ボトル装着時等における作業性を著しく向上させることができ、更に、資材の減量化に役立ち、環境問題に大きく貢献することができ、併せて、ストレッチ性、耐熱性、強靱性、防傷性、印刷適性、美粧性等に優れ、フィルムの自己伸縮性を利用して、主に、飲料、食油、化成品等を充填するボトル胴部の外周表面に強固に密接着して装着し得る極めて美麗なストレッチラベルに関するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ストレッチラベルに関する上記のような問題点を解決すべく種々検討の結果、原反フィルムの両端部を重ね合わせ、その重合部を接合して接合部を形成し、かつ、ボトル胴部の外周表面に装着する筒状のストレッチラベルにおいて、まず、上記の原反フィルムとして、ポリエチレン系樹脂を主体とする樹脂組成物による多層共押出樹脂フィルムを製造し、より具体的には、原反フィルムを構成する表面層として、密度0.930g/cm3 程度のシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体からなる第1層を使用し、これにより、表面光沢性、透明性等を向上させると共に剛性の向上を図り、更に、臭気の回避等も図り、また、中間層として、高圧法低密度ポリエチレンからなる第2層を使用し、これにより、スリッタ−等によるカット性等の機械適性を改良し、更に、裏面層として、シングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、および/または、高圧法低密度ポリエチレンからなる第3層を使用し、これにより、スリッタ−等によるカット性等の機械適性の更なる向上を図り、而して、上記の第1〜3層からなり、更に、その膜厚を40μm〜80μmの膜厚に製膜化して、外観美粧性、薄膜化対応性、高剛性等を有する多層共押出樹脂フィルムを製造し、次いで、該多層共押出樹脂フィルムをストレッチラベルを構成する原反フィルムとして使用し、その多層共押出樹脂フィルムの上に、印刷模様部等を形成して長尺状のラベル原反フィルムを製造し、次いで、該長尺状のラベル原反フィルムを、その横方向、あるいは、縦方向等にスリッタ−等を用いてカットしてストレッチラベルを構成するラベルフィルムを製造し、しかる後、該ラベルフィルムを、その両端部を重ね合わせて、その重合部を接着剤等を介して接合して接合部を形成して筒状のストレッチラベルを製造したところ、ストレッチラベルを構成する原反フィルムは、高い剛性(腰)を有し、それを横方向、あるいは、縦方向に、スリッタ−等を使用してカットする場合に、その原反フィルムが、スリッタ−等を用いて縦方向あるいは横方向等に切断するカット性に優れ、ラベル製造時あるいはボトル装着時の作業適性に何らの支障もなく、その作業能率を著しく向上させ、その生産性を高めることができ、更に、そのカット性に優れていることから、ラベルを構成する端部のカット面を美麗に仕上げることができ、大量のラベル不良品等の発生を阻止し、終極的には、その生産性を阻害することなく、ラベル製造時、あるいは、ボトル装着時等における作業性を著しく向上させることができ、更に、資材の減量化に役立ち、環境問題に大きく貢献することができ、併せて、ストレッチ性、耐熱性、強靱性、防傷性、印刷適性、美粧性等に優れ、フィルムの自己伸縮性を利用して、主に、飲料、食油、化成品等を充填するボトル胴部の外周表面に強固に密接着して装着し得る極めて美麗なストレッチラベルを見出して本発明を完成したものである。
【0006】
すなわち、本発明は、原反フィルムの両端部を重ね合わせ、その重合部を接合して接合部を形成し、かつ、ボトル胴部の外周表面に装着する筒状のストレッチラベルにおいて、上記の原反フィルムが、ポリエチレン系樹脂を主体とする樹脂組成物による多層共押出樹脂フィルムからなるり、更に、該多層共押出樹脂フィルムが、40μm〜80μmの膜厚に製膜されていることを特徴とするストレッチラベルに関し、具体的には、原反フィルムが、表面層から、シングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物による第1層、高圧法低密度ポリエチレンを主体とする樹脂組成物による第2層、および、高圧法低密度ポリエチレンを主体とする樹脂組成物による第3層の多層共押出樹脂フィルムからなることを特徴とする上記に記載するストレッチラベル、または、原反フィルムが、表面層から、シングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物による第1層、高圧法低密度ポリエチレンを主体とする樹脂組成物による第2層、および、シングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物による第3層の多層共押出樹脂フィルムからなることを特徴とする上記に記載するストレッチラベル、あるいは、原反フィルムが、表面層から、シングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物による第1層、高圧法低密度ポリエチレンを主体とする樹脂組成物による第2層、および、高圧法低密度ポリエチレンとシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体とを主体とする樹脂組成物による第3層の多層共押出樹脂フィルムからなることを特徴とする上記に記載するストレッチラベルに関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について図面等を用いて以下に更に詳しく説明する。
まず、図1、図2、図3、および、図4は、本発明にかかるストレッチラベルを構成する原反フィルムについてその層構成の概略を示す概略的断面図であり、図5、図6、図7、図8、および、図9は、本発明にかかるストレッチラベルについてその概略の構成を示す概略的断面図、概略的平面図ないし概略的斜視図である。
【0008】
本発明にかかるストレッチラベルは、図1に示すように、ストレッチラベルを構成する原反フィルムAとしては、、ポリエチレン系樹脂を主体とする樹脂組成物からなるり、更に、その膜厚が、40μm〜80μmの膜厚に製膜化されている多層多層共押出樹脂フィルム1からなる構成を基本構造とするものである。
而して、本発明にかかるストレッチラベルを構成する原反フィルムについて具体例を挙げると、図2に示すように、表面層から、シングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物による第1層2、高圧法低密度ポリエチレンを主体とする樹脂組成物による第2層3、および、高圧法低密度ポリエチレンを主体とする樹脂組成物による第3層4からなり、更に、その膜厚が、40μm〜80μmの膜厚に製膜化されている多層多層共押出樹脂フィルム1からなる本発明にかかるストレッチラベルを構成する原反フィルムA1 を例示することができる。
【0009】
また、本発明にかかるストレッチラベルを構成する原反フィルムについて別の具体例を挙げると、図3に示すように、表面層から、シングルサイト系触媒(メタロセン系系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物による第1層1、高圧法低密度ポリエチレンを主体とする樹脂組成物による第2層2、および、シングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物による第3層4aからなり、更に、その膜厚が、40μm〜80μmの膜厚に製膜化されている多層多層共押出樹脂フィルム1からなる本発明にかかるストレッチラベルを構成する原反フィルムA2 を例示することができる。
【0010】
更に、本発明にかかるストレッチラベルを構成する原反フィルムについて別の具体例を挙げると、図4に示すように、表面層から、シングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物による第1層2、高圧法低密度ポリエチレンを主体とする樹脂組成物による第2層3、および、高圧法低密度ポリエチレンとシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体とを主体とする樹脂組成物による第3層4bからなり、更に、その膜厚が、40μm〜80μmの膜厚に製膜化されている多層多層共押出樹脂フィルム1からなる本発明にかかるストレッチラベルを構成する原反フィルムA3 を例示することができる。
上記の例示は、本発明にかかるストレッチラベルを構成する原反フィルムについてその二三例を例示するものであり、本発明はこれによって限定されるものではないものである。
【0011】
而して、本発明においては、図5に示すように、上記の多層共押出樹脂フィルム1をストレッチラベルを構成する長尺状の原反フィルムA(A1 〜A3 )として使用し、該長尺状の原反フィルムA(A1 〜A3 )の上に、本発明にかかるストレッチラベルを複数個取りするために、縦方向(印刷方向)Xおよび/または横方向Yに、それぞれ所定の間隔Xa、Yaをおいて、例えば、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、スクリ−ン印刷方式、転写印刷方式、その他等の印刷方式により、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所望の印刷模様部11・・・・・を多列に繰り返して形成して、長尺状のラベル原反フィルムPを製造する。
【0012】
次に、本発明においては、図6に示すように、上記で製造した長尺状のラベル原反フィルムPについて、スリッタ−等を使用し、所定の間隔Xa、Yaの中心線La、Laからなるカット線L、L(図5参照)でカットして、ストレッチラベルを構成する原反フィルムA(A1 〜A3 )の上に、ストレッチラベルを構成する印刷模様部11を有すると共にストレッチラベルを構成する原反フィルムA(A1 〜A3 )の上下および左右の端部に、ストレッチラベルを構成する原反フィルムA(A1 〜A3 )の生地面からなり、かつ、上記の所定の間隔Xa、Yaの1/2の間隔を有する領域12a、12bを形成して、ストレッチラベルを構成するラベルフィルムQを製造する。
【0013】
次いで、図7、図8に示すように、上記で製造したラベルフィルムQについて、その原反フィルムA(A1 〜A3 )の印刷模様部11の面を内面側にして、その印刷模様部11を有する内面側の端部に接着剤層21を形成し、他方、原反フィルムA(A1 〜A3 )の表面側の端部にコロナ放電処理を施してコロナ放電処理面22を形成し(図7)、しかる後、その両端部を、上記の接着剤層21とコロナ放電処理面22の面とを対向させて重ね合わせ、しかる後、その重合部の両端部を、上記の接着剤層21等を介して接合して接合部23を形成することにより、ボトル胴部の外周表面に密接着させて装着することができる筒状のストレッチラベルR(図8)を製造するものである。
【0014】
而して、本発明においては、図9に示すように、上記で製造した筒状のストレッチラベルRを使用し、これを、例えば、引き伸ばし機等を使用し、10〜25%位に引き伸ばした状態でボトル31の胴部外周表面に装着させて、ストレッチラベルを構成する印刷模様部は勿論のこと、原反フィルムを構成する多層共押出樹脂フィルムの生地面からなる領域が、ボトル31の胴部外周表面に、強固に緊張して、密接着してなるストレッチラベル付きボトルSを製造することがてきるものである。
【0015】
なお、本発明においては、図示しないが、上記で印刷模様等を形成した長尺状のラベル原反フィルムについて、スリッタ−等を使用し、まず、縦方向の所定の間隔の中心線からなるカット線で縦方向にカットして、ストレッチラベルを構成する長尺条のラベル原反フィルムを製造し、次いで、これを、その長尺条のラベル原反フィルムの印刷模様部の面を内面側にして、その印刷模様部を有する内面側の端部に接着剤層を形成し、他方、長尺条のラベル原反フィルムの表面側の端部にコロナ放電処理を施してコロナ放電処理面を形成し、しかる後、その両端部を、上記の接着剤層とコロナ放電処理面の面とを対向させて重ね合わせ、次いで、その重合部の両端部を、上記の接着剤層等を介して接合して接合部を形成して筒貼りすると共に横方向の所定の間隔の中心線からなるカット線で横方向にスリッタ−等を使用してカットして、ボトル胴部の外周表面に密接着させて装着することができる筒状のストレッチラベルを製造することができるものである。
【0016】
次に、上記の本発明にかかるストレッチラベルについて、該ストレッチラベル等を構成する材料、製造法等について説明すると、まず、ストレッチラベルを構成する多層共押出樹脂フィルムからなる原反フィルムを形成する第1層、第3層等におけるシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体としては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン系触媒を使用して重合してなるエチレン−α−オレフィン共重合体を使用することができる。
上記のメタロセン系触媒は、現行の触媒が、活性点が不均一でマルチサイト系触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一であることからシングルサイト系触媒とも呼ばれているものである(以下、メタロセン系触媒と、シングルサイト系触媒とは、同等の意味である。)。
【0017】
上記のシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体について更に詳述すると、具体的には、例えば、メタロセン系遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物との組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン系触媒(いわゆるカミンスキ−触媒を含む)を使用して重合してなるエチレン−α−オレフィン共重合体を使用することができる。
なお、上記のメタロセン系触媒(メタロセン系触媒)は、無機物に担持されて使用されることもあるものである。
上記において、メタロセン系遷移金属化合物としては、例えば、IVB族から選ばれる遷移金属、具体的には、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)に、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラヒドロインデニル基、フルオニル基またと置換フルオニル基が1ないし2個結合しているか、あるいは、これらのうちの二つの基が共有結合で架橋したものが結合しており、他に水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリ−ル基、アセチルアセトナ−ト基、カルボニル基、窒素分子、酸素分子、ルイス塩基、ケイ素原子を含む置換基、不飽和炭化水素等の配位子を有するものを使用することができる。
【0018】
また、上記において、有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウム、または鎖状あるいは環状アルミノキサン等を使用することができる。
ここで、アルキルアルミニウムとしては、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロリド等を使用することができる。
また、鎖状あるいは環状アルミノキサンとしては、例えば、アルキルアルミニウムと水を接触させて生成することができる。
例えば、重合時に、アルキルアルミニウムを加えておき、後に水を添加するか、あるいは、錯塩の結晶水または有機・無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることで生成することができる。
次にまた、上記において、メタロセン系触媒を担持させる無機物としては、例えば、シリカゲル、ゼオライト、珪素土等を使用することができる。
【0019】
次に、上記において、重合方法としては、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、気相重合等の各種の重合方法で行なうことができる。
また、上記の重合は、バッチ式あるいは連続式等のいずれの方法でもよい。
上記において、重合条件としては、重合温度、−100〜250℃、重合時間、5分〜10時間、反応圧力、常圧〜300Kg/cm2 位である。
更に、本発明において、エチレンと共重合されるコモノマ−であるα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、デセン等を使用することができる。
上記のα−オレフフィンは、単独で使用してもよく、また、2以上を組み合わせて使用することもできる。
また、上記のα−オレフフィンの混合比率は、例えば、1〜50重量%、望ましくは、10〜30重量%とすることが好ましい。
而して、本発明において、上記のシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体の物性は、例えば、分子量、5×103 〜5×106 、密度、0.915〜0.940g/cm3 、メルトフロ−レ−ト〔MFR〕、0.1、好ましくは、1.0〜6.0g/10分位である。
なお、本発明においては、上記のシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体には、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、難燃化剤、無機ないし有機充填剤、染料、顔料等を任意に添加して使用することができる。
【0020】
本発明において、上記のシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体としては、具体的には、三菱化学株式会社製の商品名「カ−ネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エボリュ−」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフィニティ−(AFFINITY)、商品名「エンゲ−ジ(ENGAGE)」等のエチレン−α−オレフィン共重合体を使用することができる。
【0021】
次に、上記の本発明にかかるストレッチラベルを構成する多層共押出樹脂フィルムからなる原反フィルムを形成する第2層、あるいは、第3層における高圧法低密度ポリエチレンとしては、例えば、連続反応装置等を用いて、圧力、1200〜3000atm、温度、130〜350℃等の高圧高温下で、開始剤としては、酸素あるいは有機過酸化物等を使用し、まず、段階的圧縮、ラジカル開始剤の導入、エチレンの部分的重合、ポリエチレンからエチレンの分離、溶融ポリエチレンの押し出し、最後にエチレンの冷却等の工程を経て、重合時間を短くして製造される高圧法低密度ポリエチレンを使用することができる。
なお、本発明において、上記のような高圧法低密度ポリエチレンとしては、エチレンの単独重合体、あるいは、エチレンと、例えば、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、デセン等のα−オレフィンとの共重合体等を使用することができる。
而して、本発明において、上記の高圧法低密度ポリエチレンの物性としては、例えば、密度、0.905〜0.935g/cm3 、メルトフロ−レ−ト(MFR)、0.1〜3.0g/10分位の特性を有するものを使用することが好ましいものである。
なお、本発明においては、上記の高圧法低密度ポリエチレンには、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、難燃化剤、無機ないし有機充填剤、染料、顔料等を任意に添加して使用することができる。
【0022】
なお、本発明にかかるストレッチラベルを構成する多層共押出樹脂フィルムからなる原反フィルムを形成するには、第1層、第2層、あるいは、第3層を構成する樹脂中に、必要ならば、例えば、高圧法低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、若しくは、メタクリル酸メチル等との共重合体、アイオノマ−樹脂、ポリプロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン、若しくは、ヘキセン等との共重合体、その他等のポリオレンフィン系樹脂を添加し、ブレンドして使用することができる。
上記の添加し、ブレンドする量としては、0.1〜10重量%程度の少量であることが望ましいものである。
【0023】
次に、本発明において、上記のような材料を使用し、本発明にかかるストレッチラベルを構成する多層共押出樹脂フィルムからなる原反フィルムを成形する方法について説明すると、かかる方法としては、例えば、前述の第1層を構成するシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、第2層を構成する高圧法低密度ポリエチレン、および、第3層を構成する高圧法低密度ポリエチレンおよび/またはシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用し、これらを、Tダイ共押出機、インフレ−ション共押出機、その他等を使用して共押出成形して、自己弾性伸縮性を有する多層共押出樹脂フィルムを製造することができるものである。
【0024】
次に、本発明において、上記の多層共押出樹脂フィルムの膜厚としては、約30μm〜100μm位、好ましくは、約40μm〜80μm位が望ましいものである。
而して、上記において、膜厚が、30μm、更には、40μm未満であると、フィルム剛度(コシ)が極端に低下し、印刷および客先ライン適性等が顕著に低下し、また、フィルムの強度が落ち、外力の影響を受け易くなる等の理由から好ましくなく、また、膜厚が、80μm、更には、100μmを越えると、強度、剛度(コシ)等は非常に高くなるが、減量化、省資源化等の環境的問題から特に好ましくないものである。
【0025】
また、上記の多層共押出樹脂フィルムにおいて、該多層共押出樹脂フィルムを構成する第1層と第2層と第3層との膜厚としては、第1層:第2層:第3層=2:5:2位の範囲内の割合からなることが好ましいものである。
更に、上記の多層共押出樹脂フィルムの膜厚としては、第1層が、膜厚5μm〜20μm、第2層が、膜厚20μm〜50μm、第3層が、膜厚5μm〜20μm位の範囲からなることが好ましいものである。
本発明において、上記のような材料を使用し、かつ、上記のような膜厚とする理由は、まず、第1層は、表層であり、防傷、滑り性等に優れ、かつ、美粧性等に優れている必要性があり、かつ、高密度化が要求されることによるものであり、また、第2層は、ストレッチラベル自体の物性を大きく左右するものであり、そのため、伸びに強く、カット性に適さないシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用せず、かつ、低いメルトフロレ−ト(MFR、高分子量)の高圧法低密度ポリエチレンを用いることで、カット性とストレッチラベル適性とを両立させているものであり、また、高剛性等を充足するものであり、更に、第3層は、第2層におけるストレッチラベル適性とカット性を更に補い、かつ、印刷適性等を重視するためであり、而して、本発明においては、上記のような第1層、第2層、および、第3層を組み合わせて、その薄膜化を可能として、減量化とうい環境対応に適うものである。
【0026】
更に具体的には、本発明においては、上記の多層共押出樹脂フィルムからなる原反フィルムを構成する第1層は、ストレッチラベルの最表面となることから、強度、表面硬度等を有し、強靱性、耐熱性、耐殺傷性等に優れ、更に、その光沢性、透明性等に優れ、かつ、ストレッチ性に優れているものであり、更に、臭気を回避するものであり、次に、多層共押出樹脂フィルムを構成する第2層は、スリッタ−等を使用し、横方向、あるいは、縦方向等にカットするカット性等の機械適性に優れ、更に、ストレッチ性に優れているものであり、更に、多層共押出樹脂フィルムを構成する第3層は、スリッタ−等によるカット適性等の機械適性の更なる向上を図ると共にボトル胴部の外周表面に対する密接着性に優れ、ストレッチラベルのボトル胴部の外周表面からの脱落を防止し、更に、所望の印刷模様部等を形成する印刷適性等に優れ、かつ、ストレッチ性に優れているものである。
而して、本発明にかかるストレッチラベルは、例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器のボトル胴部の外周表面に強固に密接着して、その脱落は認められないものであり、また、ボトル使用後、ストレッチラベルを持って引き剥がしたところ、ストレッチラベルは、その部分から引き剥がされて、簡単に、ボトルとスチレッチラベルとに分別することができ、更に、長尺状のラベル原反フィルムを、スリッタ−を使用して、横方向と縦方向にカットする場合、カットによる圧着、フィルム糸引き等の不具合はなく、支障なくカットすることができ、かつ、高いカット適性を示し、口開き良好で、カット面をシャ−プにし、かつ、美麗にカットすることができるものである。
【0027】
また、本発明においては、上記のストレッチラベルを構成する多層共押出樹脂フィルムからなる原反フィルム中には、例えば、共押出成形して製膜化する際に、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加し、第1層、第2層、および、第3層を構成する樹脂組成物を調整し、これを使用して、本発明にかかるストレッチラベルを構成する多層共押出樹脂フィルムを製膜化し得るものである。
上記において、配合剤ないし添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料、分散剤、界面活性剤、ブロッキング防止剤、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
また、本発明においては、上記のストレッチラベルを構成する多層共押出樹脂フィルムからなる原反フィルムとしては、成膜後、一軸あるいは二軸方向に延伸加工し、次いで、熱固定されているフィルム等を使用することができ、好ましくは、一軸方向に5〜15%位延伸加工し、次いで、熱固定されている多層共押し出し樹脂フィルムを使用することが好ましいものである。
【0028】
上記において、配合剤や添加剤等としては、具体的には、それ自身が滑性を有し、かつ、樹脂中における移行が少ない滑剤を使用することができ、例えば、流動パラフィン、白色ワセリン、石油系ワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類、炭素数が8〜22の高級脂肪酸、または、高級脂肪酸アルミニウム、高級脂肪酸カルシウム、高級脂肪酸マグネシウム高級脂肪酸亜鉛、高級脂肪酸リチウム等の高級脂肪酸またはその金属塩、炭素数が8〜18の直鎖脂肪族1価アルコ−ル、グリセリン、ソルビト−ル、プロピレングリコ−ル、ペンタエリスリト−ル、トリエチレングリコ−ル等の脂肪族アルコ−ル類、炭素数が4〜22の高級脂肪酸と炭素数が8〜18の直鎖脂肪族1価アルコ−ルとのエステル類、アセチルクエン酸ドリブチル、アジピン酸ジ−2エチル−ヘキシル、アゼライン酸−n−ヘキシル、エタンジオ−ルモンタン酸エステル、ポリ(1.3−ブタンジオ−ルアジピン酸)エステル、アセチルリシノ−ル酸メチル、ポリ(1.3−ブチレングリコ−ル、1.4−ブチレングリコ−ル、アジピン酸オクチルアルコ−ル)エステル、糖ろう糖のアルコ−ルと脂肪酸とのエステル類、水添食用油脂、ひまし油、スパ−ムアセチワックス、アセチル化モノグリセライド糖のグリセライド類、炭素数が16〜18の例えばエチレンビスオレイルアミドに代表されるエチレンビス脂肪酸アミド、炭素数が8〜22の高級脂肪酸アミド、ステアリルエルカアミド、エルカ酸アミド、オレイルパルミトアミド等の高級脂肪酸アミド類、その他、メチルヒドロジエンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・ジメチルポリシロキサン等のシリコ−ン油ヤロジンやマレイン酸変性ロジンのグリセリンエステル等の1種ないし2種以上を使用することができる。
なお、本発明においては、上記のような滑剤の中でも、特に、エルカ酸アミドやエチレンビスオレイルアミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等は、それ自身が滑性をもち、極めて有効な材料である。
上記の滑剤の添加量としては、樹脂100重量部に対し0.08重量%〜10.0重量%位の割合で添加することが好ましいものである。
【0029】
また、本発明においては、その他、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸等のケイ酸塩、その他、カオリン、タルク、けいそう土等の無機化合物系のブロッキング防止剤、あるいは、高密度ポリエチレン、分子量300000以上の超高分子ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリアミド、ポリエステル、メラミン樹脂、ジアリルフタレ−ト樹脂、アクリル系樹脂、その他等の微粉末等からなる有機化合物系のブロッキング防止剤の1種ないし2種以上を添加することができる。
その添加量としては、樹脂100重量部に対し0.01〜3重量%位が好ましい。
【0030】
次にまた、上記の本発明にかかるストレッチラベルにおいては、多層共押出樹脂フィルムには、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる印刷模様部が形成されているものである。
而して、本発明において、上記の印刷模様部は、例えば、通常のグラビア印刷インキ、オフセット印刷インキ、凸版印刷インキ、スクリ−ン印刷インキ、その他等を用いて、例えば、グラビア、オフセット、凸版、スクリ−ン、転写、その他等の通常の印刷方式により、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所望の印刷模様を印刷して形成することができるものである。
なお、本発明において、ストレッチラベルを構成する多層共押出樹脂フィルムからなる原反フィルムの内面の上側部および/または下側部の面には、多層共押出樹脂フィルムからなる原反フィルムの生地面からなる領域が、巾1mm〜10mm位で、横幅全域にわたって形成されていると、本発明にかかるストレッチラベルをボトル胴部の外周表面に装着した際に、その生地面とボトル胴部の外周表面とが密接着することができ、ラベルの脱落防止等の作用効果を奏することから好ましいものである。
【0031】
次にまた、上記の本発明にかかるストレッチラベルにおいては、多層共押出樹脂フィルムからなる原反フィルムを、その印刷模様部を内面側にして、その両端部を重ね合わせて、しかる後、その重合部の両端部を、例えば、接着剤等を使用して接合して接合部を形成して、ストレッチラベルを製造する際に、例えば、多層共押出樹脂フィルムからなる原反フィルムの相互の接合面には、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ放電処理、フレ−ム処理、サンドブラスト処理、化学薬品処理、プレヒ−ト処理、紫外線照射処理、高周波加熱処理、電磁誘導加熱処理、マイクロウエ−ブ処理、アンカ−コ−ト剤コ−ト処理、その他等の前処理を任意に行うことができるものである。
また、本発明において、多層共押出樹脂フィルムの両端部を接合する際に使用する接着剤としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、尿素あるいはメラミン系樹脂、その他等の樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂系接着剤等を使用することができる。
【0032】
次に、本発明において、ストレッチラベルを構成する筒状の外径としては、ボトル胴部の外径よりやや小さい外径を構成して、筒状のストレッチラベルを形成することが好ましいものである。
本発明において、上記の筒状のストレッチラベルをボトル胴部の外周表面に装着するに際しては、筒状のストレッチラベルの外径を、引き伸ば機等を使用して緊張し、拡開した状態で装着するものである。
而して、ストレッチラベルが、ボトル胴部の外周表面に装着されると、該ストレッチラベルは、ストレッチラベルを構成する多層共押出樹脂フィルムの自己弾性伸縮力あるいは自己回復性等により、ボトル胴部の外周表面に緊密に密接着した状態で装着されるものである。
【0033】
なお、本発明において、上記のようにボトル胴部の外周表面にストレッチラベルを装着した後、ボトル内に炭酸飲料、果汁、その他等の内容物を充填包装し、次いで、キャッピングして密閉し、しかる後、例えば、約70℃位の熱水シャワ−等を10数分間放散して殺菌処理(低温殺菌)を施しても、ボトル胴部の外表面に対するストレッチラベルの密接着性は劣ることなる、その両者は強固に密接着し、ストレッチラベルが、ボトル胴部の外表面から滑り易くなって脱落するということはなく、これにより、強靱性、耐表面殺傷性、その他等の特性に優れたストレッチラベルを極めて良好にボトル胴部の外表面に装着し得ることができものである。
なお、本発明においては、上記において、内容物を充填し、殺菌処理後、ストレッチラベルを装着し得ることは勿論である。
而して、本発明においては、ボトルを使用後において、ボトルとストレッチラベルとを極めて容易に、かつ、簡単に分離して、分別回収することができるというものである。
【0034】
なお、本発明において、本発明にかかるストレッチラベルは、例えば、プラスチック製、ガラス製、金属製、その他等の種々の形態からなるボトル容器に適用することができ、特に、本発明においては、ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、ポリプロピレン樹脂、あるいは、ポリエチレン系樹脂等からなる延伸ブロ−成形容器等に適用することが好ましいものである。
また、本発明において、ボトル内に充填包装する内容物としては、炭酸飲料、果汁、調味料、その他等の種々の飲食物、化学品ないし医薬品、その他等を挙げることができる。
【0035】
【実施例】
次に、本発明について更に具体例を挙げて更に詳しく説明する。
実施例1
(1). まず、下記の(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(外層、第1層)シングルサイト系触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔密度、0.928g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、2.0g/10分〕100.0重量部と合成シリカ0.5重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とエチレンビスオレイン酸ルアミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ロ).(中間層、第2層)高圧法低密度ポリエチレン〔HPLDPE、密度、0.924g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、0.7g/10分〕100.0重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ハ).(内層、第三層)高圧法低密度ポリエチレン〔HPLDPE、密度、0.924g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、0.7g/10分〕 100.0 重量と合成シリカ0.5重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これらを、マルチマニフォ−ルドタイプのTダイ共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を16μm、(ロ)の樹脂組成物による層を38μm、(ハ)の樹脂組成物による層を16μmにそれぞれ共押出して3層からなる未延伸の樹脂フィルムを製造し、しかる後、該未延伸の樹脂フィルムを加熱ロ−ル間を通しながら10%程度1軸方向に延伸し、次いで、熱固定して、層厚70μmの長尺状の多層共押出樹脂フィルムを製造した。
(2).次に、上記で製造した長尺状の多層共押出樹脂フィルムの片面に、まず、カ−ボンブラックを顔料としたポリウレタン樹脂系墨インキ(ザ・インクテック株式会社製、商品名、991墨)を使用し、所望の文字を印刷し、次いで、藍、紅、黄の顔料を使用したウレタン系樹脂色インキ(ザ・インクテック株式会社製、商品名、639藍、212紅、423黄)を使用し、グラビア印刷方式にて,文字、記号、図形、絵柄等からなる所定の絵柄印刷を3列に、かつ、列毎に、ラベルを構成する模様単位毎に、繰り返して印刷し、しかる後、その上に、デザインの背景、および、内溶液隠蔽を主目的とし、チタンホワイトを顔料としたウレタン樹脂系白インキ(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名、ファインラップNTV/XOX1392コンク白)を使用し、白ベタインキ層(乾燥膜厚、4μm)を印刷して、長尺状のラベル原反フィルムを製造した。
(3).次に、上記で製造した長尺状のラベル原反フィルムを、スリッタ−を使用して、縦方向と横方向に、各列を隔てる間隔の中心線で、上下左右の端部に各々8mmの多層共押出樹脂フィルムの生地面が露出するようにカットして、1つのストレッチラベルを構成するラベルフィルムを製造した。
更に、上記で製造したラベルフィルムについて、その印刷模様部の面を内面側にして、その印刷模様部を有する内面側の端部に2液硬化型のポリウレタン系樹脂からなる接着剤を施して接着剤層を形成し、他方、そのフィルムの表面側の端部にコロナ放電処理を施してコロナ放電処理面を形成し、しかる後、その両端部を、上記の接着剤層とコロナ放電処理面の面とを対向させて重ね合わせ、しかる後、その重合部の両端部を、上記の接着剤層等を介して接合して接合部を形成することにより、ボトル胴部の外周表面に密接着させて装着することができる筒状のストレッチラベルを製造した。
次に、上記で製造した筒状のストレッチラベルを使用し、これを、引き伸ばし機を用いて、約15%程度拡開し、ポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器の胴部の外周表面に装着した。
更に、上記でストレッチラベルを装着したポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器内に、炭酸飲料を充填包装し、キャッピング後、約70℃の熱水を10分間放散して殺菌処理したところ、ラベルは、ボトル胴部の外周表面に強固に密接着して、その脱落は認められなかった。
ボトル使用後、ストレッチラベルを持って引き剥がしたところ、ストレッチラベルは、その部分から引き剥がされて、簡単に、ボトルとスチレッチラベルとに分別することができた。
なお、上記において、長尺状のラベル原反フィルムを、スリッタ−を使用して、横方向と縦方向にカットする場合、カットによる圧着、フィルム糸引き等の不具合はなく、支障なくカットすることができ、かつ、高いカット適性を示し、口開き良好で、カット面をシャ−プにし、かつ、美麗にカットすることができた。
また、薄膜ラベルにもかかわらず自立し、装着性に支障のないストレッチラベルであった。
【0036】
なお、上記において、上記で印刷模様を施して製造した長尺状のラベル原反フィルムを、スリッタ−を使用して、縦方向に、各列を隔てる間隔の中心線で、左右の端部に各々8mmの多層共押し出し樹脂フィルムの生地面が露出するようにカットして、長尺状のラベルフィルムを製造し、次いで、その印刷模様部の面を内面側にして、その印刷模様部を有する内面側の端部に2液硬化型のポリウレタン系樹脂からなる接着剤を施して接着剤層を形成し、他方、そのフィルムの表面側の端部にコロナ放電処理を施してコロナ放電処理面を形成し、しかる後、その両端部を、上記の接着剤層とコロナ放電処理面の面とを対向させて重ね合わせ、しかる後、その重合部の両端部を、上記の接着剤層等を介して接合して接合部を形成して筒状体を製造しながらラベル装着機内のカッタ−を使用して横方向にカットして、ボトル胴部の外周表面に装着し得る筒状のストレッチラベルを連続式に製造した。
次に、上記で製造した筒状のストレッチラベルを使用し、これを、引き伸ばし機を用いて、約15%程度拡開し、ポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器の胴部の外周表面に装着した。
更に、上記でストレッチラベルを装着したポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器内に、炭酸飲料を充填包装し、キャッピング後、約70℃の熱水を10分間放散して殺菌処理したところ、ラベルは、ボトル胴部の外周表面に強固に密接着して、その脱落は認められなかった。
ボトル使用後、ストレッチラベルを持って引き剥がしたところ、ストレッチラベルは、その部分から引き剥がされて、簡単に、ボトルとスチレッチラベルとに分別することができた。
なお、上記において、長尺状のラベル原反フィルムを、スリッタ−を使用して、横方向と縦方向にカットする場合、カットによる圧着、フィルム糸引き等の不具合はなく、支障なくカットすることができ、かつ、高いカット適性を示し、口開き良好で、カット面をシャ−プにし、かつ、美麗にカットすることができた。
また、薄膜ラベルにもかかわらず自立し、装着性に支障のないストレッチラベルであった。
【0037】
実施例2
(1). まず、下記の(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(外層、第1層)シングルサイト系触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔密度、0.928g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、2.0g/10分〕100.0重量部と合成シリカ0.5重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とエチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ロ).(中間層、第2層)高圧法低密度ポリエチレン〔HPLDPE、密度、0.924g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、0.7g/10分〕100.0重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ハ).(内層、第三層)高圧法低密度ポリエチレン〔HPLDPE、密度、0.924g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、0.7g/10分〕 100.0 重量と合成シリカ0.5重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これらを、マルチマニフォ−ルドタイプのTダイ共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を9μm、(ロ)の樹脂組成物による層を22μm、(ハ)の樹脂組成物による層を9μmにそれぞれ共押出して3層からなる未延伸の樹脂フィルムを製造し、しかる後、該未延伸の樹脂フィルムを加熱ロ−ル間を通しながら10%程度1軸方向に延伸し、次いで、熱固定して、層厚40μmの長尺状の多層共押出樹脂フィルムを製造した。
(2).以下、上記の実施例1と全く同様にして、長尺状のラベル原反フィルム、ラベルフィルム、筒状のストレッチラベルを製造した。
次に、上記で製造した筒状のストレッチラベルを使用し、これを、引き伸ばし機を用いて、約15%程度拡開し、ポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器の胴部の外周表面に装着した。
更に、上記でストレッチラベルを装着したポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器内に、炭酸飲料を充填包装し、キャッピング後、約70℃の熱水を10分間放散して殺菌処理したところ、ラベルは、ボトル胴部の外周表面に強固に密接着して、その脱落は認められなかった。
ボトル使用後、ストレッチラベルを持って引き剥がしたところ、ストレッチラベルは、その部分から引き剥がされて、簡単に、ボトルとスチレッチラベルとに分別することができた。
なお、上記において、長尺状のラベル原反フィルムを、スリッタ−を使用して、横方向と縦方向にカットする場合、カットによる圧着、フィルム糸引き等の不具合はなく、支障なくカットすることができ、かつ、高いカット適性を示し、口開き良好で、カット面をシャ−プにし、かつ、美麗にカットすることができた。
また、薄膜ラベルにもかかわらず自立し、装着性に支障のないストレッチラベルであった。
【0038】
実施例3
(1). まず、下記の(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(外層、第1層)シングルサイト系触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔密度、0.928g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、2.0g/10分〕100.0重量部と合成シリカ0.5重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とエチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ロ).(中間層、第2層)高圧法低密度ポリエチレン〔HPLDPE、密度、0.924g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、0.7g/10分〕100.0重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ハ).(内層、第三層)シングルサイト系触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔密度、0.917g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、4.0g/10分〕100.0重量部と合成シリカ0.5重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これらを、マルチマニフォ−ルドタイプのTダイ共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を11μm、(ロ)の樹脂組成物による層を28μm、(ハ)の樹脂組成物による層を11μmにそれぞれ共押出して3層からなる未延伸の樹脂フィルムを製造し、しかる後、該未延伸の樹脂フィルムを加熱ロ−ル間を通しながら10%程度1軸方向に延伸し、次いで、熱固定して、層厚50μmの長尺状の多層共押出樹脂フィルムを製造した。
(2).以下、上記の実施例1と全く同様にして、長尺状のラベル原反フィルム、ラベルフィルム、筒状のストレッチラベルを製造した。
次に、上記で製造した筒状のストレッチラベルを使用し、これを、引き伸ばし機を用いて、約15%程度拡開し、ポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器の胴部の外周表面に装着した。
更に、上記でストレッチラベルを装着したポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器内に、炭酸飲料を充填包装し、キャッピング後、約70℃の熱水を10分間放散して殺菌処理したところ、ラベルは、ボトル胴部の外周表面に強固に密接着して、その脱落は認められなかった。
ボトル使用後、ストレッチラベルを持って引き剥がしたところ、ストレッチラベルは、その部分から引き剥がされて、簡単に、ボトルとスチレッチラベルとに分別することができた。
なお、上記において、長尺状のラベル原反フィルムを、スリッタ−を使用して、横方向と縦方向にカットする場合、カットによる圧着、フィルム糸引き等の不具合はなく、支障なくカットすることができ、かつ、高いカット適性を示し、口開き良好で、カット面をシャ−プにし、かつ、美麗にカットすることができた。
また、薄膜ラベルにもかかわらず自立し、装着性に支障のないストレッチラベルであった。
【0039】
実施例4
(1). まず、下記の(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(外層、第1層)シングルサイト系触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔密度、0.928g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、2.0g/10分〕100.0重量部と合成シリカ0.5重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とエチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ロ).(中間層、第2層)高圧法低密度ポリエチレン〔HPLDPE、密度、0.924g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、0.7g/10分〕100.0重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ハ).(内層、第三層)シングルサイト系触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔密度、0.917g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、4.0g/10分〕70.0重量部と高圧法低密度ポリエチレン〔HPLDPE、密度、0.924g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、0.7g/10分〕30.0重量部と合成シリカ0.5重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これらを、マルチマニフォ−ルドタイプのTダイ共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を13μm、(ロ)の樹脂組成物による層を34μm、(ハ)の樹脂組成物による層を13μmにそれぞれ共押出して3層からなる未延伸の樹脂フィルムを製造し、しかる後、該未延伸の樹脂フィルムを加熱ロ−ル間を通しながら10%程度1軸方向に延伸し、次いで、熱固定して、層厚60μmの長尺状の多層共押出樹脂フィルムを製造した。
(2).以下、上記の実施例1と全く同様にして、長尺状のラベル原反フィルム、ラベルフィルム、筒状のストレッチラベルを製造した。
次に、上記で製造した筒状のストレッチラベルを使用し、これを、引き伸ばし機を用いて、約15%程度拡開し、ポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器の胴部の外周表面に装着した。
更に、上記でストレッチラベルを装着したポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器内に、炭酸飲料を充填包装し、キャッピング後、約70℃の熱水を10分間放散して殺菌処理したところ、ラベルは、ボトル胴部の外周表面に強固に密接着して、その脱落は認められなかった。
ボトル使用後、ストレッチラベルを持って引き剥がしたところ、ストレッチラベルは、その部分から引き剥がされて、簡単に、ボトルとスチレッチラベルとに分別することができた。
なお、上記において、長尺状のラベル原反フィルムを、スリッタ−を使用して、横方向と縦方向にカットする場合、カットによる圧着、フィルム糸引き等の不具合はなく、支障なくカットすることができ、かつ、高いカット適性を示し、口開き良好で、カット面をシャ−プにし、かつ、美麗にカットすることができた。
また、薄膜ラベルにもかかわらず自立し、装着性に支障のないストレッチラベルであった。
【0040】
実施例5
(1). まず、下記の(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(外層、第1層)シングルサイト系触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔密度、0.928g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、2.0g/10分〕100.0重量部と合成シリカ0.5重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とエチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ロ).(中間層、第2層)高圧法低密度ポリエチレン〔HPLDPE、密度、0.924g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、0.7g/10分〕100.0重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ハ).(内層、第三層)シングルサイト系触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔密度、0.917g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、4.0g/10分〕30.0重量部と高圧法低密度ポリエチレン〔HPLDPE、密度、0.924g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、0.7g/10分〕70.0重量部と合成シリカ0.5重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これらを、マルチマニフォ−ルドタイプのTダイ共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を13μm、(ロ)の樹脂組成物による層を34μm、(ハ)の樹脂組成物による層を13μmにそれぞれ共押出して3層からなる未延伸の樹脂フィルムを製造し、しかる後、該未延伸の樹脂フィルムを加熱ロ−ル間を通しながら10%程度1軸方向に延伸し、次いで、熱固定して、層厚60μmの長尺状の多層共押出樹脂フィルムを製造した。
(2).以下、上記の実施例1と全く同様にして、長尺状のラベル原反フィルム、ラベルフィルム、筒状のストレッチラベルを製造した。
次に、上記で製造した筒状のストレッチラベルを使用し、これを、引き伸ばし機を用いて、約15%程度拡開し、ポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器の胴部の外周表面に装着した。
更に、上記でストレッチラベルを装着したポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器内に、炭酸飲料を充填包装し、キャッピング後、約70℃の熱水を10分間放散して殺菌処理したところ、ラベルは、ボトル胴部の外周表面に強固に密接着して、その脱落は認められなかった。
ボトル使用後、ストレッチラベルを持って引き剥がしたところ、ストレッチラベルは、その部分から引き剥がされて、簡単に、ボトルとスチレッチラベルとに分別することができた。
なお、上記において、長尺状のラベル原反フィルムを、スリッタ−を使用して、横方向と縦方向にカットする場合、カットによる圧着、フィルム糸引き等の不具合はなく、支障なくカットすることができ、かつ、高いカット適性を示し、口開き良好で、カット面をシャ−プにし、かつ、美麗にカットすることができた。
また、薄膜ラベルにもかかわらず自立し、装着性に支障のないストレッチラベルであった。
【0041】
比較例1
単層でエチレン−酢酸ビニル共重合体〔密度、0.925g/m3 、メルトフロ−レ−ト(MFR)、1.5g/10分、酢酸ビニル含有量2.0wt%〕100.0重量部とエルカ酸アマイド0.05重量部とエチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部と合成シリカ0.5重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これらを、Tダイ共押出機を用いて、未延伸の樹脂フィルムを製造し、しかる後、該未延伸の樹脂フィルムを加熱ロ−ル間を通しながら10%程度1軸方向に延伸し、次いで、熱固定して、膜厚80μmからなる樹脂フィルムを製造した。
次に、上記で製造した樹脂フィルムを使用し、以下、上記の実施例1と全く同様にして、印刷を行い、その後スリッタ−等により、各ラベル展開寸法幅にカットし、次いで、筒状に貼り合わせたところ、腰の低下によるバラツキにより加工が非常に困難であった。
更に、装着機内のカッタ−からラベルを枚葉にカットしたところ、完全なカットができず、一部で開口部の厚着、糸引きが認められ、ラベルカット後の自立性は、腰の低さにより困難であることが判明した。
また、表面の光沢、原反の透明性が著しく低下し、ラベル外観上不適当と判断した。
【0042】
実験例
上記の実施例1〜5と、比較例1とで製造したストレッチラベルについて、各物性評価を下記のとおり実施した。
(1).腰物性評価
これは、株式会社エスエムテ−製、純曲げ試験機、機種名、JTC−911BT・純曲げ試験機から、印刷後原反フィルムの腰(曲げトルク)を測定して評価した。
(2).ラベルカット性評価
これは、JIS−K−7128に準拠したエルメンドルフ引き裂き法(B法)から2号試験片を用いてカット性の指標として評価した。
(3).ストレッチ適性評価
これは、25%伸張のリサイクル試験から自己回復性の指標とした。
リサイクル試験後の瞬間的な歪みから評価した。
条件は、15mm幅×150mm長の試験片を切り出し、チャック間距離100mm、試験速度300mm/minでテンシロン万能引っ張り試験機を用いて実施した。
(4).光沢性評価
これは、光沢計からJIS−K7105に準拠した方法で実施した。
(5).ヘ−ズ評価
これは、ヘ−ズメ−タからJIS−K7105に準拠した方法で実施した。
上記の結果について下記の表1に示す。
【0043】
【0044】上記に示す結果より明らかなように、実施例1〜5にかかるものは、ラベルとして最も重要な外観美粧性を有し、かつ、高い機械適性を有するものであり、而して、上記の外観美粧を有するということは、ラベルの販売促進に大きな効果を示し、また、高い機械適性を有するということは、生産効率向上によるコストメリットを生み出すという利点を有するものであった。
これに対し、比較例1のものは、実施例1〜5にかかるものと比較して、外観美粧性、機械適性等に劣るものであった。
すなわち、上記より明らかなように、実施例1〜5にかかるものは、カット性に優れ、かつ、高い腰を持ち(高剛性)、ボトル装着時の作業性を著しく向上させると共に資材の減量化(環境問題)に大きく貢献できる、ボトル胴部の外周表面に強固に密着し得る極めて美麗なストレッチラベルについてであり、外観美粧性は、販売促進の大きな効果を示し、減量化は、ゴミ問題の解決策として重要である。
また、高い機械適性は生産効率向上によるコストメリットを生み出すものであった。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、原反フィルムの両端部を重ね合わせ、その重合部を接合して接合部を形成し、かつ、ボトル胴部の外周表面に装着する筒状のストレッチラベルにおいて、まず、上記の原反フィルムとして、ポリエチレン系樹脂を主体とする樹脂組成物による多層共押出樹脂フィルムを製造し、より具体的には、原反フィルムを構成する表面層として、密度0.930g/cm3 程度のシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体からなる第1層を使用し、これにより、表面光沢性、透明性等を向上させると共に剛性の向上を図り、更に、臭気の回避等も図り、また、中間層として、高圧法低密度ポリエチレンからなる第2層を使用し、これにより、スリッタ−等によるカット性等の機械適性を改良し、更に、裏面層として、シングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、および/または、高圧法低密度ポリエチレンからなる第3層を使用し、これにより、スリッタ−等によるカット性等の機械適性の更なる向上を図り、而して、上記の第1〜3層からなり、更に、その膜厚を40μm〜80μmの膜厚に製膜化して、外観美粧性、薄膜化対応性、高剛性等を有する多層共押出樹脂フィルムを製造し、次いで、該多層共押出樹脂フィルムをストレッチラベルを構成する原反フィルムとして使用し、その多層共押出樹脂フィルムの上に、印刷模様部等を形成して長尺状のラベル原反フィルムを製造し、次いで、該長尺状のラベル原反フィルムを、その横方向、あるいは、縦方向等にスリッタ−等を用いてカットしてストレッチラベルを構成するラベルフィルムを製造し、しかる後、該ラベルフィルムを、その両端部を重ね合わせて、その重合部を接着剤等を介して接合して接合部を形成して筒状のストレッチラベルを製造して、ストレッチラベルを構成する原反フィルムは、高い剛性(腰)を有し、それを横方向、あるいは、縦方向に、スリッタ−等を使用してカットする場合に、その原反フィルムが、スリッタ−等を用いて縦方向あるいは横方向等に切断するカット性に優れ、ラベル製造時あるいはボトル装着時の作業適性に何らの支障もなく、その作業能率を著しく向上させ、その生産性を高めることができ、更に、そのカット性に優れていることから、ラベルを構成する端部のカット面を美麗に仕上げることができ、大量のラベル不良品等の発生を阻止し、終極的には、その生産性を阻害することなく、ラベル製造時、あるいは、ボトル装着時等における作業性を著しく向上させることができ、更に、資材の減量化に役立ち、環境問題に大きく貢献することができ、併せて、ストレッチ性、耐熱性、強靱性、防傷性、印刷適性、美粧性等に優れ、フィルムの自己伸縮性を利用して、主に、飲料、食油、化成品等を充填するボトル胴部の外周表面に強固に密接着して装着し得る極めて美麗なストレッチラベルを製造し得るというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるストレッチラベルを構成する原反フィルムについてその層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図2】本発明にかかるストレッチラベルを構成する原反フィルムについてその層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図3】本発明にかかるストレッチラベルを構成する原反フィルムについてその層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図4】本発明にかかるストレッチラベルを構成する原反フィルムについてその層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図5】本発明にかかるストレッチラベルについてその概略の構成を示す概略的平面図である。
【図6】本発明にかかるストレッチラベルについてその概略の構成を示す概略的平面図である。
【図7】本発明にかかるストレッチラベルについてその概略の構成を示す概略的断面図である。
【図8】本発明にかかるストレッチラベルについてその概略の構成を示す概略的斜視図である。
【図9】本発明にかかるストレッチラベルについてその概略の構成を示す概略的斜視図である。
【符号の説明】
1 多層共押出樹脂フィルム
2 第1層
3 第2層
4、4a、4b 第3層
A〜A3 原反フィルム
11 印刷模様部
X 縦方向(印刷方向)
Y 横方向
Xa 間隔
Ya 間隔
La 中心線
L カット線
12a、12b 領域
21 接着剤層
22 コロナ放電処理面
23 接合部
P 長尺状のラベル原反フィルム
Q ラベルフィルム
R 筒状のストレッチラベル
31 ボトル
S ストレッチラベル付ボトル
Claims (7)
- 原反フィルムの両端部を重ね合わせ、その重合部を接合して接合部を形成し、かつ、ボトル胴部の外周表面に装着する筒状のストレッチラベルにおいて、上記の原反フィルムが、ポリエチレン系樹脂を主体とする樹脂組成物による多層共押出樹脂フィルムからなるり、更に、該多層共押出樹脂フィルムが、40μm〜80μmの膜厚に製膜されていることを特徴とするストレッチラベル。
- 原反フィルムが、表面層から、シングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物による第1層、高圧法低密度ポリエチレンを主体とする樹脂組成物による第2層、および、高圧法低密度ポリエチレンを主体とする樹脂組成物による第3層の多層共押出樹脂フィルムからなることを特徴とする上記の請求項1に記載するストレッチラベル。
- 原反フィルムが、表面層から、シングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物による第1層、高圧法低密度ポリエチレンを主体とする樹脂組成物による第2層、および、シングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物による第3層の多層共押出樹脂フィルムからなることを特徴とする上記の請求項1に記載するストレッチラベル。
- 原反フィルムが、表面層から、シングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を主体とする樹脂組成物による第1層、高圧法低密度ポリエチレンを主体とする樹脂組成物による第2層、および、高圧法低密度ポリエチレンとシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体とを主体とする樹脂組成物による第3層の多層共押出樹脂フィルムからなることを特徴とする上記の請求項1に記載するストレッチラベル。
- 第1層と第2層と第3層との膜厚が、第1層:第2層:第3層=2:5:2の割合からなることを特徴とする上記の請求項1〜4のいずれか1項に記載するストレッチラベル。
- 第1層、および、第3層を構成するシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体が、密度0.915g/cm3 〜0.940g/cm3 、メルトフロ−レ−ト(MFR)1.0〜6.0g/10分からなることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項に記載するストレッチラベル。
- 第2層、および、第3層を構成する高圧法低密度ポリエチレンが、密度0.905g/cm3 〜0.935g/cm3 、メルトフロ−レ−ト(MFR)0.1〜3.0g/10分からなることを特徴とする上記の請求項1〜6のいずれか1項に記載するストレッチラベル。
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