JP2004251544A - 振動流式ヒートパイプおよび振動流式ヒートパイプを用いた機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】可撓性を有するとともに、熱輸送能力の低下を防止することができる振動流式ヒートパイプを提供するとともに、このヒートパイプを用いて、半導体等を効率的に冷却する機器を提供する。
【解決手段】流路5が隣り合うように蛇行する閉流路を有するヒートパイプ本体10内に動作液が封入され、この動作液を強制振動させることにより受熱部と放熱部との間で熱を伝導させる振動流式ヒートパイプ1において、ヒートパイプ本体10を、受熱側金属コンテナ3と、放熱側金属コンテナ4と、これらの金属コンテナ3,4を接続する可撓性コンテナ2と、から構成し、可撓性コンテナ2の各流路5に、該流路5内の動作液に接するように、所定の間隔をおいて複数の金属部材を埋設する。
【選択図】 図1
【解決手段】流路5が隣り合うように蛇行する閉流路を有するヒートパイプ本体10内に動作液が封入され、この動作液を強制振動させることにより受熱部と放熱部との間で熱を伝導させる振動流式ヒートパイプ1において、ヒートパイプ本体10を、受熱側金属コンテナ3と、放熱側金属コンテナ4と、これらの金属コンテナ3,4を接続する可撓性コンテナ2と、から構成し、可撓性コンテナ2の各流路5に、該流路5内の動作液に接するように、所定の間隔をおいて複数の金属部材を埋設する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動流式ヒートパイプおよび振動流式ヒートパイプを用いた機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子機器における筐体内部の温度上昇は、機器の性能及び寿命に悪影響を及ぼし、筐体表面の温度上昇は、ユーザーの使用感に悪影響を及ぼす。このため、電子機器の冷却は、重要な意味を持っている。
【0003】
また、近年の電子機器の高性能化に伴い、筐体内部の半導体等の発熱部品の発熱量は年々増加傾向にある。一方、ユーザーは、より薄く、小さな電子機器を求める傾向にあり、発熱量が年々増加するにもかかわらず、その熱を放出すべき場所が少なくなりつつある。
【0004】
このような問題に対応して、例えば、ノートパソコンのように、本体筐体と表示部とが開閉自在に構成された電子機器においては、伝熱構造を持つヒンジとヒートパイプを組み合わせて、本体筐体内部の半導体の熱を表示部の筐体に伝える方式が、一般的に採用されている。しかしながら、このような方式では、ヒートパイプと比較して熱伝導率の劣る部材をヒンジ部に使用する必要があるため、ヒンジ部がボトルネックとなり、本体筐体内部の半導体の熱を、充分に表示部の筐体に伝えることができない。
【0005】
このために、ヒートパイプのコンテナをプラスチックやゴム等の可撓性材料から形成して弾性を持たせ、本体筐体内部で発生した熱を、表示部の筐体側へ伝導する技術が知られている(例えば、特許文献1、2、3参照。)。
【0006】
一方、前述したヒートパイプは、コンテナ内を真空状態に保って、内部液体の相変化により熱移動を行うものであるが、このようなヒートパイプとは異なる動作原理を用いた振動流式ヒートパイプの研究も進められている。
【0007】
例えば、非特許文献1に示す東京大学生産技術研究所にて提案された振動流式ヒートパイプは、コンテナ内部を動作液で満たし、その動作液を振動させることにより熱を伝えるものである。
【0008】
すなわち、振動流式ヒートパイプは、図9に示すように、受熱部Hと放熱部Cとの間で蛇行する閉流路が形成されたヒートパイプ本体内に動作液が封入され、動作液を振動子Aによって強制振動させることにより熱を伝導するものであり、振動流による拡散促進効果を利用して、熱を持った動作液とコンテナ壁との熱の授受、及び動作液の振動作用により、効率の高い伝熱を実現している。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−42983号公報
【特許文献2】
特開平10−30892号公報
【特許文献3】
特開平10−78293号公報
【非特許文献1】
西尾 茂文、他2名、「振動制御形熱輸送管に関する研究」,日本機械学 会論文集(B編),1994年10月,60巻,578号,p276−281
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した特許文献記載のヒートパイプは、可撓性を付加するため、コンテナをゴム等の可撓性材料から形成しており、この結果、ヒートパイプの動作特性上、コンテナ内を真空に保つ必要があるにもかかわらず、ゴム等の経年変化により、コンテナ内を真空状態に保つことが困難である。
【0011】
一方、相変化を利用しない振動流式ヒートパイプは、コンテナ内を真空状態に保つ必要はないが、動作液とコンテナの間で熱の授受が行われる必要があるため、コンテナには熱伝導性の優れたアルミ等の金属を用いるのが望ましい。
【0012】
しかし、ノートパソコン等の電子機器に振動流式ヒートパイプを搭載した場合、すなわち、受熱部分を本体筐体側に配置するとともに、放熱部分を表示部の筐体に配置した場合、表示部の筐体の開閉作業に応じてヒートパイプは可撓性を有する必要がある。このとき、コンテナ部分に可撓性材料、例えば、ゴム等の熱伝導性の低い材質を使用すると、コンテナ壁と動作液との熱の授受が不充分となり、熱輸送能力が低下するといった問題が生じる。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑み創作されたものであって、可撓性を有するとともに、熱輸送能力の低下を防止することができる振動流式ヒートパイプ、およびこのヒートパイプを用いて、半導体等を効率的に冷却する機器を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、流路が隣り合うように蛇行する閉流路を有するヒートパイプ本体内に動作液が封入され、この動作液を強制振動させることにより受熱部と放熱部との間で熱を伝導させる振動流式ヒートパイプにおいて、ヒートパイプ本体は、受熱側金属コンテナと、放熱側金属コンテナと、これらの金属コンテナを接続する可撓性コンテナと、から構成され、また、可撓性コンテナの各流路に、該流路内の動作液に接するように、所定の間隔をおいて複数の金属部材が埋設されていることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、ヒートパイプ本体の受熱側金属コンテナと、放熱側金属コンテナとが、可撓性コンテナで接続されているので、可撓性コンテナ部分においてヒートパイプ本体を屈曲させることができる。
【0016】
また、可撓性コンテナに、金属部材が各流路内の動作液に接するように埋設されているので、可撓性コンテナを熱伝導性の低い材質で形成した場合であっても、金属部材により熱が伝導され、可撓部分においても動作液とコンテナ間で熱の授受を行なうことができ、伝熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
【0017】
さらに、複数の金属部材が所定の間隔をおいて埋設されているので、ヒートパイプの屈曲時においても可撓性コンテナが潰されることがなく、動作液が流通する流路の空間を確保することができ、動作液の振動を妨げることがない。
【0018】
この結果、ノートパソコン等の電子機器に可動部があっても、搭載の自由度を確保することができるとともに、受熱側金属コンテナで受熱した熱を、放熱側コンテナへ効率よく伝熱して、放熱部で放熱することができる。
【0019】
本発明は、前記金属部材が、可撓性コンテナ内の隣り合う流路において、相互に連結されたことを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、一つの流路において、動作液に熱が伝導される際、この動作液から金属部材に伝えられた熱が、この金属部材と連結している隣り合う流路の金属部材にも伝えられるので、隣り合う流路間で熱の授受を行なうことができ、さらに伝熱性能の向上を図ることができる。
【0021】
本発明は、前記可撓性コンテナが、可撓性材料に金属粉を混入して形成されたことを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、可撓性コンテナに金属粉が混入されているので、金属部材を介して動作液と可撓性コンテナとの間で、一層効率よく熱の授受を行なうことができ、伝熱性能の向上を図ることができる。
【0023】
本発明は、流路が隣り合うように蛇行する閉流路を有するヒートパイプ本体内に動作液が封入され、この動作液を強制振動させることにより受熱部と放熱部との間で熱を伝導させる振動流式ヒートパイプにおいて、ヒートパイプ本体は、受熱側金属コンテナと、放熱側金属コンテナと、これらの金属コンテナを接続する可撓性外管体と、受熱側金属コンテナの各流路および受熱側金属コンテナの各流路と対向する放熱側金属コンテナの各流路をそれぞれ接続する可撓性内管体と、から構成され、可撓性外管体の内面と各可撓性内管体の外面との空間に熱伝導性液体が封入されていることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、ヒートパイプ本体の受熱側金属コンテナと、放熱側金属コンテナとが、可撓性外管体で接続されているとともに、可撓性外管体の内部に可撓性内管体が位置しているので、可撓性外管体および可撓性内管体からなる可撓部分においてヒートパイプ本体を屈曲させることができる。
【0025】
また、可撓性外管体の内面と可撓性内管体の外面との空間に熱伝導性液体が封入されているので、可撓部分においても、熱伝導性液体を介して、動作液と可撓性外管体、可撓性内管体間で熱の授受を行なうことができる。
【0026】
この結果、ノートパソコン等の電子機器に可動部があっても、搭載の自由度を確保することができるとともに、受熱側金属コンテナで受熱した熱を、放熱側コンテナへ効率よく伝熱して、放熱部で放熱することができる。
【0027】
本発明は、上記記載の振動流式ヒートパイプの受熱側金属コンテナに、半導体等の発熱部品を接触させたことを特徴とする振動流式ヒートパイプを用いた機器である。
【0028】
この発明によれば、半導体等の熱を受熱側金属コンテナ、可撓性コンテナ若しくは可撓性管体を経て、放熱側金属コンテナへと伝熱させることができるので、可動部を有する電子機器においても、可動部に可撓性コンテナ若しくは可撓性管体を位置させることで、振動流式ヒートパイプを搭載することが可能となり、半導体等を効率的に冷却することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
図1ないし図3には、本発明の振動流式ヒートパイプ1の第1実施形態が示されている。
【0031】
この振動流式ヒートパイプ1は、流路5が隣り合うように蛇行する閉流路を有するヒートパイプ本体10内に動作液6が封入され、この動作液6を強制振動させることにより受熱部Hと放熱部Cとの間で熱を伝導させるものである(図1、図2参照)。
【0032】
ヒートパイプ本体10は、受熱側金属コンテナ3と、放熱側金属コンテナ4と、これらの金属コンテナ3,4を接続する可撓性コンテナ2と、から構成されている。
【0033】
各金属コンテナ3,4は、熱伝導性の高いアルミ等の金属で形成されており、可撓性コンテナ2は、ゴム等の可撓性材料で形成されている。
【0034】
金属コンテナ3,4の流路5と可撓性コンテナ2の流路5とは、接合されており、1つの振動子(図示せず)が起こす振動により、ヒートパイプ本体10の流路5内の動作液6を振動させることができる。
【0035】
なお、可撓性コンテナ2はゴム等で形成されているため、ヒートパイプ本体10は、図1に示すように金属コンテナ3,4及び可撓性コンテナ2を直線状に配置する形態に限られるものではなく、任意に屈曲させることができる。また、図1では2つの金属コンテナ3,4と、1つの可撓性コンテナ2を示しているが、可撓性コンテナ2の数は2つ以上であってもよい。この場合、振動流式ヒートパイプ1を搭載する電子機器等の部位に関して、搭載の自由度を高めることができる。
【0036】
可撓性コンテナ2の各流路5には、各流路5内の動作液6に接するように、金属部材として、複数の金属リング7が、所定の間隔をおいて埋設されている(図2参照)。
【0037】
図3に、本実施形態における振動流式ヒートパイプ1の屈曲時の断面図を示す。この場合、可撓性コンテナ2に金属リング7が埋設されているため、屈曲時においても可撓性コンテナ2が潰されることがない。したがって、各流路5の空間を確保することができ、動作液6の振動を妨げることはない。
【0038】
次に、本実施形態に係る振動流式ヒートパイプ1によって熱が伝導される動作について、図2を参照しながら説明する。
【0039】
なお、動作液6はヒートパイプ本体10内を満たしているが、説明の便宜上、動作液6の一部を61、62とする。
【0040】
発熱体(図示せず)により高温になった流路5内の動作液61は振動子(図示せず)により位置h1から位置h2へ移動し、動作液61の熱は位置h2の可撓性コンテナ2の壁面に伝えられる。このとき、可撓性コンテナ2には、位置h2において熱伝導性の高い金属リング71があるので、h2に移動した動作液61の熱は金属リング71へ伝えられる。金属リング71に伝わった熱は、次の半周期後の振動で位置h2に移動してくる動作液62に伝わり、さらに半周期後には、動作液61からの熱が金属リング71に伝わるとともに、動作液62からの熱が金属リング72に伝わる。
【0041】
ここで、動作液6の振幅と、同一流路5内の隣合う金属リング71と72間の距離とを等しくすると、伝熱効率が高いので望ましい。
【0042】
また、各流路5は、隣り合うように蛇行する閉流路を形成しているので、隣り合う流路5では、動作液6の振動流の方向は逆向きとなる。
【0043】
このようにして、動作液6の振動により、受熱部Hの熱は、受熱側金属コンテナ3、可撓性コンテナ2の金属リング7、放熱側金属コンテナ4を経て、放熱部Cへと伝導させることができる。
【0044】
なお、流路5は方形に限らず円形であってもよく、その際、金属部材としての金属リング7は、円形の流路に対応して円環状となる。この際、図4に示すように、隣り合う流路5,5にわたるように、金属リング7を相互に連結してもよい。
【0045】
このように、隣り合う流路5,5内の金属リング7、7を連結することにより、上記説明した一の流路5での動作液6の移動による伝熱動作に加えて、隣の流路5での動作液6による伝熱動作に寄与することとなる。例えば、図2において、動作液61から金属リング71へ伝わった熱は、上記説明した伝熱動作により金属リング72へ伝導する他に、連結している金属リング73にも伝導する。この金属リング73へ伝導された熱は、上記と同様の伝熱作用により、隣りの流路5においても同様の伝熱が行われるため、伝熱効率を高めることができる。
【0046】
また、上記構成の振動流式ヒートパイプ1において、可撓性コンテナ2をゴム等の材質にアルミ等の熱伝導性の高い金属粉等を混入して形成してもよい。
【0047】
この場合、動作液6と可撓性コンテナ2との間で、一層効率よく熱の授受を行なうことができるので、伝熱効率の向上を図ることができる。
【0048】
次に本発明の振動流式ヒートパイプ1の第2実施形態について、図5ないし図7を参照しながら説明する。
【0049】
本実施形態に係る振動流式ヒートパイプ1のヒートパイプ本体10は、受熱側金属コンテナ3と、放熱側金属コンテナ4と、これらの金属コンテナ3,4を接続する可撓性外管体8aと、受熱側金属コンテナ3の流路5および受熱側金属コンテナ3の流路5と対向する放熱側金属コンテナ4の流路5を接続する可撓性内管体8bと、から構成されている。
【0050】
可撓性外管体8aおよび可撓性内管体8bは、例えば、蛇腹状のコルゲート管のように屈曲時に内部流路が確保できるものが好適に用いられる。また、可撓性外管体8aの内面と可撓性内管体8bの外面との空間には、熱伝導性及び粘性の高い熱伝導性液体9が封入されている。
【0051】
熱伝導性液体9は、例えばシリコンオイルに熱伝導性の高い金属粉末を混入させた液体である。
【0052】
したがって、可撓性管体8a,8b自体は、熱伝導性が低いゴムや樹脂等の可撓性材料から形成されているが、その間の空間には熱伝導性の高い熱伝導性液体9が封入されているので、動作液6および熱伝導性液体9との間で熱の授受を行うことによって熱輸送が可能になる。また、振動流式ヒートパイプ1の屈曲時はその曲げ方向により熱伝導性液体9の入っている空間の形状は変化するが、可撓性管体8a,8bと熱伝導性液体9の密着性は変らないため、熱抵抗は一定である。さらに、振動流式ヒートパイプ1の屈曲時において、可撓性管体8a,8bは可撓性コンテナ2と同様に屈曲するが、可撓性内管体8bの内部空間は確保されるので、流路5が潰れることはなく、動作液6の振動に支障はない。
【0053】
次に、本実施形態における振動流式ヒートパイプ1の作成方法の一例について、図7を参照しながら説明する。
【0054】
まず、受熱側金属コンテナ3と可撓性外管体8aを接続するとともに、受熱側金属コンテナ3の各流路5内周面に、可撓性内管体8bの外周面を挿入して接続した後、可撓性内管体8bと対応する放熱側金属コンテナ4の各流路5とを接続するとともに可撓性外管体8aを放熱側金属コンテナ4に接続する。
【0055】
次に、受熱側金属コンテナ3の端部3aから動作液6を注入するとともに、流路5に動作液6が満たされるまで、放熱側金属コンテナ4の端部4aから内部空気の排気を行い、その後、各端部3a及び4aをかしめる。
【0056】
動作液6を満たした後に、熱伝導性液体注入口91から熱伝導性液体9を注入するとともに、可撓性外管体8aと可撓性内管体8bとの空間に熱伝導性液体9が満たされるまで、排出口92から内部空気の排気を行い、その後注入口91および排出口92をかしめる。
【0057】
次に、以上説明した本発明の振動流式ヒートパイプ1を、ノートパソコン等の電子機器に内蔵する形態の一例について、図8を参照しながら説明する。
【0058】
例えば、振動流式ヒートパイプ1における受熱側金属コンテナ3を、本体筐体内に配置された半導体等の発熱部品Bに接触させるとともに、放熱側金属コンテナ4を表示部の筐体に接触させ、さらに可撓性コンテナ2を電子機器のヒンジに内蔵することにより、発熱部品Bの熱を表示部の筐体側に伝導させることができる。
【0059】
したがって、電子機器に振動流式ヒートパイプを設けることにより、種々の電子機器における半導体等の発熱部品の冷却に広く使用することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、可撓性を有するとともに、熱輸送能力の低下を防止することができる。また、可動部を有する場合でも、半導体の効率的な冷却を実現した機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動流式ヒートパイプの一例を示す斜視図である。
【図2】図1の断面形状を示す概略図である。
【図3】図1の振動流式ヒートパイプの屈曲時における断面を示す概略図である。
【図4】第1実施形態における可撓性コンテナに埋設された金属リングを示す概略図である。
【図5】本発明の振動流式ヒートパイプの他の例を示す斜視図である。
【図6】図5の断面形状を示す概略図である。
【図7】本発明の振動流式ヒートパイプの作成方法の一例を示す概略図である。
【図8】本発明の振動流式ヒートパイプを内蔵したノートパソコンを示す概略図である。
【図9】東京大学生産技術研究所にて提案された振動流式ヒートパイプの概略図である。
【符号の説明】
1 振動流式ヒートパイプ
10 ヒートパイプ本体
2 可撓性コンテナ
3 受熱側金属コンテナ
4 放熱側金属コンテナ
5 流路
6 動作液
7 金属リング
8a 可撓性外管体
8b 可撓性内管体
9 熱伝導性液体
H 受熱部
C 放熱部
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動流式ヒートパイプおよび振動流式ヒートパイプを用いた機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子機器における筐体内部の温度上昇は、機器の性能及び寿命に悪影響を及ぼし、筐体表面の温度上昇は、ユーザーの使用感に悪影響を及ぼす。このため、電子機器の冷却は、重要な意味を持っている。
【0003】
また、近年の電子機器の高性能化に伴い、筐体内部の半導体等の発熱部品の発熱量は年々増加傾向にある。一方、ユーザーは、より薄く、小さな電子機器を求める傾向にあり、発熱量が年々増加するにもかかわらず、その熱を放出すべき場所が少なくなりつつある。
【0004】
このような問題に対応して、例えば、ノートパソコンのように、本体筐体と表示部とが開閉自在に構成された電子機器においては、伝熱構造を持つヒンジとヒートパイプを組み合わせて、本体筐体内部の半導体の熱を表示部の筐体に伝える方式が、一般的に採用されている。しかしながら、このような方式では、ヒートパイプと比較して熱伝導率の劣る部材をヒンジ部に使用する必要があるため、ヒンジ部がボトルネックとなり、本体筐体内部の半導体の熱を、充分に表示部の筐体に伝えることができない。
【0005】
このために、ヒートパイプのコンテナをプラスチックやゴム等の可撓性材料から形成して弾性を持たせ、本体筐体内部で発生した熱を、表示部の筐体側へ伝導する技術が知られている(例えば、特許文献1、2、3参照。)。
【0006】
一方、前述したヒートパイプは、コンテナ内を真空状態に保って、内部液体の相変化により熱移動を行うものであるが、このようなヒートパイプとは異なる動作原理を用いた振動流式ヒートパイプの研究も進められている。
【0007】
例えば、非特許文献1に示す東京大学生産技術研究所にて提案された振動流式ヒートパイプは、コンテナ内部を動作液で満たし、その動作液を振動させることにより熱を伝えるものである。
【0008】
すなわち、振動流式ヒートパイプは、図9に示すように、受熱部Hと放熱部Cとの間で蛇行する閉流路が形成されたヒートパイプ本体内に動作液が封入され、動作液を振動子Aによって強制振動させることにより熱を伝導するものであり、振動流による拡散促進効果を利用して、熱を持った動作液とコンテナ壁との熱の授受、及び動作液の振動作用により、効率の高い伝熱を実現している。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−42983号公報
【特許文献2】
特開平10−30892号公報
【特許文献3】
特開平10−78293号公報
【非特許文献1】
西尾 茂文、他2名、「振動制御形熱輸送管に関する研究」,日本機械学 会論文集(B編),1994年10月,60巻,578号,p276−281
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した特許文献記載のヒートパイプは、可撓性を付加するため、コンテナをゴム等の可撓性材料から形成しており、この結果、ヒートパイプの動作特性上、コンテナ内を真空に保つ必要があるにもかかわらず、ゴム等の経年変化により、コンテナ内を真空状態に保つことが困難である。
【0011】
一方、相変化を利用しない振動流式ヒートパイプは、コンテナ内を真空状態に保つ必要はないが、動作液とコンテナの間で熱の授受が行われる必要があるため、コンテナには熱伝導性の優れたアルミ等の金属を用いるのが望ましい。
【0012】
しかし、ノートパソコン等の電子機器に振動流式ヒートパイプを搭載した場合、すなわち、受熱部分を本体筐体側に配置するとともに、放熱部分を表示部の筐体に配置した場合、表示部の筐体の開閉作業に応じてヒートパイプは可撓性を有する必要がある。このとき、コンテナ部分に可撓性材料、例えば、ゴム等の熱伝導性の低い材質を使用すると、コンテナ壁と動作液との熱の授受が不充分となり、熱輸送能力が低下するといった問題が生じる。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑み創作されたものであって、可撓性を有するとともに、熱輸送能力の低下を防止することができる振動流式ヒートパイプ、およびこのヒートパイプを用いて、半導体等を効率的に冷却する機器を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、流路が隣り合うように蛇行する閉流路を有するヒートパイプ本体内に動作液が封入され、この動作液を強制振動させることにより受熱部と放熱部との間で熱を伝導させる振動流式ヒートパイプにおいて、ヒートパイプ本体は、受熱側金属コンテナと、放熱側金属コンテナと、これらの金属コンテナを接続する可撓性コンテナと、から構成され、また、可撓性コンテナの各流路に、該流路内の動作液に接するように、所定の間隔をおいて複数の金属部材が埋設されていることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、ヒートパイプ本体の受熱側金属コンテナと、放熱側金属コンテナとが、可撓性コンテナで接続されているので、可撓性コンテナ部分においてヒートパイプ本体を屈曲させることができる。
【0016】
また、可撓性コンテナに、金属部材が各流路内の動作液に接するように埋設されているので、可撓性コンテナを熱伝導性の低い材質で形成した場合であっても、金属部材により熱が伝導され、可撓部分においても動作液とコンテナ間で熱の授受を行なうことができ、伝熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
【0017】
さらに、複数の金属部材が所定の間隔をおいて埋設されているので、ヒートパイプの屈曲時においても可撓性コンテナが潰されることがなく、動作液が流通する流路の空間を確保することができ、動作液の振動を妨げることがない。
【0018】
この結果、ノートパソコン等の電子機器に可動部があっても、搭載の自由度を確保することができるとともに、受熱側金属コンテナで受熱した熱を、放熱側コンテナへ効率よく伝熱して、放熱部で放熱することができる。
【0019】
本発明は、前記金属部材が、可撓性コンテナ内の隣り合う流路において、相互に連結されたことを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、一つの流路において、動作液に熱が伝導される際、この動作液から金属部材に伝えられた熱が、この金属部材と連結している隣り合う流路の金属部材にも伝えられるので、隣り合う流路間で熱の授受を行なうことができ、さらに伝熱性能の向上を図ることができる。
【0021】
本発明は、前記可撓性コンテナが、可撓性材料に金属粉を混入して形成されたことを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、可撓性コンテナに金属粉が混入されているので、金属部材を介して動作液と可撓性コンテナとの間で、一層効率よく熱の授受を行なうことができ、伝熱性能の向上を図ることができる。
【0023】
本発明は、流路が隣り合うように蛇行する閉流路を有するヒートパイプ本体内に動作液が封入され、この動作液を強制振動させることにより受熱部と放熱部との間で熱を伝導させる振動流式ヒートパイプにおいて、ヒートパイプ本体は、受熱側金属コンテナと、放熱側金属コンテナと、これらの金属コンテナを接続する可撓性外管体と、受熱側金属コンテナの各流路および受熱側金属コンテナの各流路と対向する放熱側金属コンテナの各流路をそれぞれ接続する可撓性内管体と、から構成され、可撓性外管体の内面と各可撓性内管体の外面との空間に熱伝導性液体が封入されていることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、ヒートパイプ本体の受熱側金属コンテナと、放熱側金属コンテナとが、可撓性外管体で接続されているとともに、可撓性外管体の内部に可撓性内管体が位置しているので、可撓性外管体および可撓性内管体からなる可撓部分においてヒートパイプ本体を屈曲させることができる。
【0025】
また、可撓性外管体の内面と可撓性内管体の外面との空間に熱伝導性液体が封入されているので、可撓部分においても、熱伝導性液体を介して、動作液と可撓性外管体、可撓性内管体間で熱の授受を行なうことができる。
【0026】
この結果、ノートパソコン等の電子機器に可動部があっても、搭載の自由度を確保することができるとともに、受熱側金属コンテナで受熱した熱を、放熱側コンテナへ効率よく伝熱して、放熱部で放熱することができる。
【0027】
本発明は、上記記載の振動流式ヒートパイプの受熱側金属コンテナに、半導体等の発熱部品を接触させたことを特徴とする振動流式ヒートパイプを用いた機器である。
【0028】
この発明によれば、半導体等の熱を受熱側金属コンテナ、可撓性コンテナ若しくは可撓性管体を経て、放熱側金属コンテナへと伝熱させることができるので、可動部を有する電子機器においても、可動部に可撓性コンテナ若しくは可撓性管体を位置させることで、振動流式ヒートパイプを搭載することが可能となり、半導体等を効率的に冷却することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
図1ないし図3には、本発明の振動流式ヒートパイプ1の第1実施形態が示されている。
【0031】
この振動流式ヒートパイプ1は、流路5が隣り合うように蛇行する閉流路を有するヒートパイプ本体10内に動作液6が封入され、この動作液6を強制振動させることにより受熱部Hと放熱部Cとの間で熱を伝導させるものである(図1、図2参照)。
【0032】
ヒートパイプ本体10は、受熱側金属コンテナ3と、放熱側金属コンテナ4と、これらの金属コンテナ3,4を接続する可撓性コンテナ2と、から構成されている。
【0033】
各金属コンテナ3,4は、熱伝導性の高いアルミ等の金属で形成されており、可撓性コンテナ2は、ゴム等の可撓性材料で形成されている。
【0034】
金属コンテナ3,4の流路5と可撓性コンテナ2の流路5とは、接合されており、1つの振動子(図示せず)が起こす振動により、ヒートパイプ本体10の流路5内の動作液6を振動させることができる。
【0035】
なお、可撓性コンテナ2はゴム等で形成されているため、ヒートパイプ本体10は、図1に示すように金属コンテナ3,4及び可撓性コンテナ2を直線状に配置する形態に限られるものではなく、任意に屈曲させることができる。また、図1では2つの金属コンテナ3,4と、1つの可撓性コンテナ2を示しているが、可撓性コンテナ2の数は2つ以上であってもよい。この場合、振動流式ヒートパイプ1を搭載する電子機器等の部位に関して、搭載の自由度を高めることができる。
【0036】
可撓性コンテナ2の各流路5には、各流路5内の動作液6に接するように、金属部材として、複数の金属リング7が、所定の間隔をおいて埋設されている(図2参照)。
【0037】
図3に、本実施形態における振動流式ヒートパイプ1の屈曲時の断面図を示す。この場合、可撓性コンテナ2に金属リング7が埋設されているため、屈曲時においても可撓性コンテナ2が潰されることがない。したがって、各流路5の空間を確保することができ、動作液6の振動を妨げることはない。
【0038】
次に、本実施形態に係る振動流式ヒートパイプ1によって熱が伝導される動作について、図2を参照しながら説明する。
【0039】
なお、動作液6はヒートパイプ本体10内を満たしているが、説明の便宜上、動作液6の一部を61、62とする。
【0040】
発熱体(図示せず)により高温になった流路5内の動作液61は振動子(図示せず)により位置h1から位置h2へ移動し、動作液61の熱は位置h2の可撓性コンテナ2の壁面に伝えられる。このとき、可撓性コンテナ2には、位置h2において熱伝導性の高い金属リング71があるので、h2に移動した動作液61の熱は金属リング71へ伝えられる。金属リング71に伝わった熱は、次の半周期後の振動で位置h2に移動してくる動作液62に伝わり、さらに半周期後には、動作液61からの熱が金属リング71に伝わるとともに、動作液62からの熱が金属リング72に伝わる。
【0041】
ここで、動作液6の振幅と、同一流路5内の隣合う金属リング71と72間の距離とを等しくすると、伝熱効率が高いので望ましい。
【0042】
また、各流路5は、隣り合うように蛇行する閉流路を形成しているので、隣り合う流路5では、動作液6の振動流の方向は逆向きとなる。
【0043】
このようにして、動作液6の振動により、受熱部Hの熱は、受熱側金属コンテナ3、可撓性コンテナ2の金属リング7、放熱側金属コンテナ4を経て、放熱部Cへと伝導させることができる。
【0044】
なお、流路5は方形に限らず円形であってもよく、その際、金属部材としての金属リング7は、円形の流路に対応して円環状となる。この際、図4に示すように、隣り合う流路5,5にわたるように、金属リング7を相互に連結してもよい。
【0045】
このように、隣り合う流路5,5内の金属リング7、7を連結することにより、上記説明した一の流路5での動作液6の移動による伝熱動作に加えて、隣の流路5での動作液6による伝熱動作に寄与することとなる。例えば、図2において、動作液61から金属リング71へ伝わった熱は、上記説明した伝熱動作により金属リング72へ伝導する他に、連結している金属リング73にも伝導する。この金属リング73へ伝導された熱は、上記と同様の伝熱作用により、隣りの流路5においても同様の伝熱が行われるため、伝熱効率を高めることができる。
【0046】
また、上記構成の振動流式ヒートパイプ1において、可撓性コンテナ2をゴム等の材質にアルミ等の熱伝導性の高い金属粉等を混入して形成してもよい。
【0047】
この場合、動作液6と可撓性コンテナ2との間で、一層効率よく熱の授受を行なうことができるので、伝熱効率の向上を図ることができる。
【0048】
次に本発明の振動流式ヒートパイプ1の第2実施形態について、図5ないし図7を参照しながら説明する。
【0049】
本実施形態に係る振動流式ヒートパイプ1のヒートパイプ本体10は、受熱側金属コンテナ3と、放熱側金属コンテナ4と、これらの金属コンテナ3,4を接続する可撓性外管体8aと、受熱側金属コンテナ3の流路5および受熱側金属コンテナ3の流路5と対向する放熱側金属コンテナ4の流路5を接続する可撓性内管体8bと、から構成されている。
【0050】
可撓性外管体8aおよび可撓性内管体8bは、例えば、蛇腹状のコルゲート管のように屈曲時に内部流路が確保できるものが好適に用いられる。また、可撓性外管体8aの内面と可撓性内管体8bの外面との空間には、熱伝導性及び粘性の高い熱伝導性液体9が封入されている。
【0051】
熱伝導性液体9は、例えばシリコンオイルに熱伝導性の高い金属粉末を混入させた液体である。
【0052】
したがって、可撓性管体8a,8b自体は、熱伝導性が低いゴムや樹脂等の可撓性材料から形成されているが、その間の空間には熱伝導性の高い熱伝導性液体9が封入されているので、動作液6および熱伝導性液体9との間で熱の授受を行うことによって熱輸送が可能になる。また、振動流式ヒートパイプ1の屈曲時はその曲げ方向により熱伝導性液体9の入っている空間の形状は変化するが、可撓性管体8a,8bと熱伝導性液体9の密着性は変らないため、熱抵抗は一定である。さらに、振動流式ヒートパイプ1の屈曲時において、可撓性管体8a,8bは可撓性コンテナ2と同様に屈曲するが、可撓性内管体8bの内部空間は確保されるので、流路5が潰れることはなく、動作液6の振動に支障はない。
【0053】
次に、本実施形態における振動流式ヒートパイプ1の作成方法の一例について、図7を参照しながら説明する。
【0054】
まず、受熱側金属コンテナ3と可撓性外管体8aを接続するとともに、受熱側金属コンテナ3の各流路5内周面に、可撓性内管体8bの外周面を挿入して接続した後、可撓性内管体8bと対応する放熱側金属コンテナ4の各流路5とを接続するとともに可撓性外管体8aを放熱側金属コンテナ4に接続する。
【0055】
次に、受熱側金属コンテナ3の端部3aから動作液6を注入するとともに、流路5に動作液6が満たされるまで、放熱側金属コンテナ4の端部4aから内部空気の排気を行い、その後、各端部3a及び4aをかしめる。
【0056】
動作液6を満たした後に、熱伝導性液体注入口91から熱伝導性液体9を注入するとともに、可撓性外管体8aと可撓性内管体8bとの空間に熱伝導性液体9が満たされるまで、排出口92から内部空気の排気を行い、その後注入口91および排出口92をかしめる。
【0057】
次に、以上説明した本発明の振動流式ヒートパイプ1を、ノートパソコン等の電子機器に内蔵する形態の一例について、図8を参照しながら説明する。
【0058】
例えば、振動流式ヒートパイプ1における受熱側金属コンテナ3を、本体筐体内に配置された半導体等の発熱部品Bに接触させるとともに、放熱側金属コンテナ4を表示部の筐体に接触させ、さらに可撓性コンテナ2を電子機器のヒンジに内蔵することにより、発熱部品Bの熱を表示部の筐体側に伝導させることができる。
【0059】
したがって、電子機器に振動流式ヒートパイプを設けることにより、種々の電子機器における半導体等の発熱部品の冷却に広く使用することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、可撓性を有するとともに、熱輸送能力の低下を防止することができる。また、可動部を有する場合でも、半導体の効率的な冷却を実現した機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動流式ヒートパイプの一例を示す斜視図である。
【図2】図1の断面形状を示す概略図である。
【図3】図1の振動流式ヒートパイプの屈曲時における断面を示す概略図である。
【図4】第1実施形態における可撓性コンテナに埋設された金属リングを示す概略図である。
【図5】本発明の振動流式ヒートパイプの他の例を示す斜視図である。
【図6】図5の断面形状を示す概略図である。
【図7】本発明の振動流式ヒートパイプの作成方法の一例を示す概略図である。
【図8】本発明の振動流式ヒートパイプを内蔵したノートパソコンを示す概略図である。
【図9】東京大学生産技術研究所にて提案された振動流式ヒートパイプの概略図である。
【符号の説明】
1 振動流式ヒートパイプ
10 ヒートパイプ本体
2 可撓性コンテナ
3 受熱側金属コンテナ
4 放熱側金属コンテナ
5 流路
6 動作液
7 金属リング
8a 可撓性外管体
8b 可撓性内管体
9 熱伝導性液体
H 受熱部
C 放熱部
Claims (5)
- 流路が隣り合うように蛇行する閉流路を有するヒートパイプ本体内に動作液が封入され、この動作液を強制振動させることにより受熱部と放熱部との間で熱を伝導させる振動流式ヒートパイプにおいて、
ヒートパイプ本体は、受熱側金属コンテナと、放熱側金属コンテナと、これらの金属コンテナを接続する可撓性コンテナと、から構成され、また、可撓性コンテナの各流路に、該流路内の動作液に接するように、所定の間隔をおいて複数の金属部材が埋設されていることを特徴とする振動流式ヒートパイプ。 - 前記金属部材が、可撓性コンテナ内の隣り合う流路において、相互に連結されたことを特徴とする請求項1記載の振動流式ヒートパイプ。
- 前記可撓性コンテナが、可撓性材料に金属粉を混入して形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の振動流式ヒートパイプ。
- 流路が隣り合うように蛇行する閉流路を有するヒートパイプ本体内に動作液が封入され、この動作液を強制振動させることにより受熱部と放熱部との間で熱を伝導させる振動流式ヒートパイプにおいて、
ヒートパイプ本体は、受熱側金属コンテナと、放熱側金属コンテナと、これらの金属コンテナを接続する可撓性外管体と、受熱側金属コンテナの各流路および受熱側金属コンテナの各流路と対向する放熱側金属コンテナの各流路をそれぞれ接続する可撓性内管体と、から構成され、可撓性外管体の内面と各可撓性内管体の外面との空間に熱伝導性液体が封入されていることを特徴とする振動流式ヒートパイプ。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の振動流式ヒートパイプの受熱側金属コンテナに、半導体等の発熱部品を接触させたことを特徴とする振動流式ヒートパイプを用いた機器。
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JP2003042769A JP2004251544A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 振動流式ヒートパイプおよび振動流式ヒートパイプを用いた機器 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI416057B (zh) * | 2010-02-11 | 2013-11-21 | Chaun Choung Technology Corp | 可彎曲變形的熱管結構及其製作方法 |
CN106786857A (zh) * | 2016-12-12 | 2017-05-31 | 天长市优信电器设备有限公司 | 一种散热效果优异的充电器外壳 |
US11448470B2 (en) | 2018-05-29 | 2022-09-20 | Cooler Master Co., Ltd. | Heat dissipation plate and method for manufacturing the same |
US11454454B2 (en) * | 2012-03-12 | 2022-09-27 | Cooler Master Co., Ltd. | Flat heat pipe structure |
US11913725B2 (en) | 2018-12-21 | 2024-02-27 | Cooler Master Co., Ltd. | Heat dissipation device having irregular shape |
-
2003
- 2003-02-20 JP JP2003042769A patent/JP2004251544A/ja active Pending
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