JP2004251532A - 冷鉄源のアーク溶解炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】鉄スクラップSの装入に際して、炉内ガスの漏洩を確実に防止できる。
【解決手段】冷鉄源を溶解する溶解室と、前記溶解室の一方側の上部に直結され、冷鉄源を予熱する予熱シャフト2と、前記溶解室内で冷鉄源を溶解するアーク電極と、前記溶解室に突設され、出湯口を有する出湯部と、前記溶解室を前記出湯部側へ傾動させる傾動手段とを有し、前記予熱シャフト内の冷鉄源は、溶解中に前記溶解室の予熱シャフトが設けられている一方側から他方側へ向けて供給され、前記出湯部は、冷鉄源の供給方向とは異なる方向に設けられている、冷鉄源のアーク溶解炉において、予熱シャフト2内に冷鉄源を装入する装入手段18が設けられ、装入手段18は、上部扉19と、下部扉20と、上部扉19および下部扉20とが同時に開放されることを阻止する機械的ロック手段とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】冷鉄源を溶解する溶解室と、前記溶解室の一方側の上部に直結され、冷鉄源を予熱する予熱シャフト2と、前記溶解室内で冷鉄源を溶解するアーク電極と、前記溶解室に突設され、出湯口を有する出湯部と、前記溶解室を前記出湯部側へ傾動させる傾動手段とを有し、前記予熱シャフト内の冷鉄源は、溶解中に前記溶解室の予熱シャフトが設けられている一方側から他方側へ向けて供給され、前記出湯部は、冷鉄源の供給方向とは異なる方向に設けられている、冷鉄源のアーク溶解炉において、予熱シャフト2内に冷鉄源を装入する装入手段18が設けられ、装入手段18は、上部扉19と、下部扉20と、上部扉19および下部扉20とが同時に開放されることを阻止する機械的ロック手段とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷鉄源のアーク溶解炉、特に、予熱シャフト内に冷鉄源を装入する際に生じる炉内ガスの漏洩を確実に防止することができる、冷鉄源のアーク溶解炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、資源および環境問題から、発生量の多い鉄鋼スクラップをアーク炉を用いて溶解するプロセスが増加している。このようなアーク炉では、スクラップ溶解に多くの電力を消費するため、溶解中に炉から発生する排ガスでスクラップを予熱しながら溶解し、必要とする電力を極力少なくする、冷鉄源のアーク溶解炉が提案されている。
【0003】
その1つに特許第3114713号(特許文献1)のアーク溶解炉がある。以下、この従来アーク溶解炉を、図面を参照しながら説明する。
【0004】
図8は、従来アーク溶解炉を示す概略斜視図、図9は、図8のA−A線断面図、図10は、図8のB−B線断面図、図11は、傾動後の図8のB−B線断面図である。
【0005】
図8から図11に示すように、この従来アーク溶解炉は、冷鉄源をアーク溶解するための溶解炉1と、その一方側1aの上部に直結された、上方に向かって延在する予熱シャフト2と、溶解室1に設けられた出湯部3とを備えている。
【0006】
予熱シャフト2の上端には、排ガス吸引系に連結する可動排気ダクト4が設けられている。可動排気ダクト4内の排ガスは、排ガス処理設備(図示せず)側に接続される固定排気ダクト(図示せず)を通って排ガス処理設備に送られる。この溶解炉1および予熱シャフト2には、冷鉄源としての鉄スクラップSが装入される。
【0007】
予熱シャフト2の上方にはスクラップ装入バケット5が設けられており、このバケット5から予熱シャフト2の入口2Aから予熱シャフト2内に鉄スクラップSが装入される。また、棚吊りを防止するため、予熱シャフト2に炭素源、例えばコークスを装入しても良い。この場合に、このバスケット5からのスクラップSの装入は、操業中に、スクラップSが溶解室1と予熱シャフト2に連続して存在する状態を保つように予熱シャフト2へスクラップSを連続的または断続的に供給する。この際のスクラップSの装入は、操業実績に基づいて予め設定されたレシピに基づいて行っても良いし、予熱シャフト2内のスクラップSの量を検出可能なセンサーを設け、このセンサーからの信号に基づいてバケット5によるスクラップSの投入を適宜の制御手段により制御するようにしても良い。
【0008】
溶解炉1の上部には、開閉可能な炉蓋6が設けられており、その炉蓋6を貫通して溶解炉1の上方からその中に垂直にアーク電極7が挿入されている。また、溶解炉1の炉底8のアーク電極7と対向する位置には、炉底電極9が設けられている。そして、アーク電極7によって形成されるアーク10により、スクラップSが溶解され、溶鋼11となる。溶鋼11の上にはスラグ12が形成されており、アーク10は、このスラグ12内に形成されることとなる。アーク電極7は、支持部材13に支持されていて、炉の傾動と共に傾動する。
【0009】
溶解炉1には、2本のランス14a、14bがその先端を溶鋼湯面に向けて挿入されており、ランス14aからは酸素が供給され、ランス14bからは補助熱源としてのコークスがそれぞれインジェクションされる。
【0010】
予熱シャフト2内のスクラップSは、溶解炉1の一方側(予熱シャフト2側)1aからその他方側(反対側)1bに向かう方向へ供給されるが、出湯部3は、このスクラップSの供給方向に対して直交する方向に向くように溶解炉1に突設されている。そして、溶解炉1は、図示しない傾動手段により、傾動軸線(L)を中心として出湯部3側に傾動可能となっている。また、溶解炉1の予熱シャフト2が設けられた部分と出湯部3が設けられた部分とは距離aだけ離間しており、溶解炉1が傾動された際に、その部分の壁部によりスクラップSが出湯部3側に流出することが阻止される。
【0011】
出湯部3の先端近傍の底部には、出湯口15が形成されており、この出湯口15を開閉するための上下動可能なストッパー16が設けられている。さらに、出湯部3の先端部側面には、スラグ12の排出時に開くスラグドア17が設けられている。
【0012】
このように構成される従来アーク溶解炉において、鉄スクラップを溶解するには、まず、溶解炉1と予熱シャフト2内に、冷鉄源としての鉄スクラップSを装入し、鉄スクラップSが溶解炉1と予熱シャフト2に連続して存在する状態とする。
【0013】
この状態でアーク電極7によりアーク10を形成し、鉄スクラップSを溶解する。この際に、ランス14aから酸素を供給し、スクラップの溶解を補助する。そして、炉内に溶鋼が溜まってきたら、ランス14bからスラグ中に補助熱源としてのコークスをインジェクションしてスラグフォーミング操業に移行し、電極7の先端をスラグ12中に埋没させ、アーク10がスラグ12内に形成されるようにする。この補助熱源としてのコークスはスクラップSの溶解に寄与する。
【0014】
このようなスクラップ溶解により発生する排ガスは、予熱シャフト2および可動排気ダクト4を経由して炉外に排出され、この排ガスの熱により、シャフト2内のスクラップSが予熱される。
【0015】
溶解炉1内でスクラップSが溶解するに従い、予熱シャフト2のスクラップが順次溶解炉1に供給されるため、予熱シャフト2内のスクラップSの上端位置が低下してくる。この場合に、スクラップSが溶解室と予熱シャフトに連続して存在する状態を保つように、バケット5から予熱シャフト2へスクラップSを連続的または断続的に供給する。これにより、常に一定量以上のスクラップが溶解炉1および予熱シャフト2内に存在している状態が保たれる。この際のスクラップSの装入は、上述したように、操業実績に基づいて予め設定されたレシピに基づいて行っても良いし、予熱シャフト2内のスクラップSの量を検出可能なセンサーを設け、このセンサーからの信号に基づいてバケット4によるスクラップSの投入を制御するようにしても良い。
【0016】
スクラップSが溶解していくと、溶解炉1内で冷鉄源であるスクラップSと溶鋼とが共存する状態となっており、溶鋼の温度が低く、例えば、1540〜1550℃と、溶鋼の凝固温度1530℃に対してわずかなスーパーヒートしかなく、このままでは出湯の際に出湯口がつまる等の不都合が生じる。このため、出湯前に図7に示すように、溶解炉1を出湯部3側に傾動させてアーク加熱を続ける。この場合に、出湯部3は、溶解炉1へのスクラップSの流入方向に対して直交する方向に向くように溶解炉1に突設されており、しかも、溶解炉1の予熱シャフト2が設けられた部分と出湯部3が設けられた部分とは距離aだけ離間しており、その部分の壁部によりスクラップSが出湯部3側に流出することが阻止されるため、出湯部3側へ流れ込んだ溶鋼とスクラップSとの接触面積を小さくすることができる。従って、溶鋼のスーパーヒートを高くすることができ、出湯される溶鋼の温度が低いという問題を回避することができる。
【0017】
以上のようにして溶解が進行し、所定量の溶鋼が炉内に溜まったら、溶解炉1を傾動して溶鋼とスクラップの接触面積を小さくし、一定時間アーク加熱することにより溶鋼をスーパーヒートさせた後、さらに、溶解炉1を傾動させ溶解炉1および溶解シャフト2内にスクラップSが連続して存在する状態を保ったまま、出湯部3の出湯口15を塞いでいたストッパー16を上昇させて出湯口15を開き、出湯口15から1チャージ分の溶鋼を取鍋等へ出湯する。
【0018】
このようにしてスクラップを溶解する場合には、予熱シャフト2内にプッシャーやフィンガー等のスクラップ搬送供給のための設備を備えていないので、これらが設けられている従来溶解設備よりも使用する酸素量を増やすことができ、排ガス温度を高めることができる。従って、従来溶解設備よりも高い温度にスクラップを予熱することが可能になる。
【0019】
また、常にスクラップSが溶解炉1と予熱シャフト2に連続して存在する状態を保つように予熱シャフト2へスクラップSを供給し、溶解炉1内で1チャージ分以上の溶鋼が形成されてこれを出湯する際にも、溶解炉1および予熱シャフト2に連続してスクラップが存在するため、排ガスによるスクラップ予熱効率が高い。この場合に、溶解中および出湯時に1チャージ分の50%以上のスクラップを溶解炉1および予熱シャフト2に連続して存在するようにすることによって、予熱効率が極めて高いものとなる。
【0020】
以上のように、プッシャーやフィンガー等の設備が不要であるため排ガス温度を高めることができ、かつ常にスクラップSが溶解炉1と予熱シャフト2に連続して存在する状態を保つことができるのでスクラップの溶解効率が極めて高い。また、冷鉄源であるスクラップSとそれが溶解して生成された溶鋼との接触面積を小さくすることができるので、溶鋼をスーパーヒートさせることができ、出湯される溶鋼の温度が低いという問題を解消することができる等、従来アーク溶解炉は、種々の利点を有していた。
【0021】
【特許文献1】
特許第3114713号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来アーク溶解炉は、以下のような問題を有していた。
【0023】
上述のように、鉄スクラップSが溶解炉1と予熱シャフト2に連続して存在すうものの、予熱シャフト2の入口2Aは開放されているので、鉄スクラップSの装入時に炉内ガスが炉外に漏洩する。炉内ガスが炉外に漏洩して大気に触れると、異常爆発が起こる場合があり危険である。これを防止するために、入口2Aに上部扉および下部扉からなる装入手段を予熱シャフト2の入口2Aに設け、まず、上部扉を開いて鉄スクラップSを閉鎖されている下部扉上に投入し、次いで、上部扉を閉鎖した後、下部扉を開放して、鉄スクラップSを装入する方法が考えられる。
【0024】
上部および下部扉の開閉制御を電気的に行うことが一般的に考えられるが、さらに、確実に炉内ガスが漏洩することなく上部扉および下部扉の開閉を行うことができるアーク溶解炉が望まれていた。
【0025】
従って、この発明の目的は、予熱シャフト内に冷鉄源を装入する際に生じる炉内ガスの漏洩を確実に防止することができる、冷鉄源のアーク溶解炉を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、冷鉄源を溶解する溶解室と、前記溶解室の一方側の上部に直結され、冷鉄源を予熱する予熱シャフトと、前記溶解室内で冷鉄源を溶解するアーク電極と、前記溶解室に突設され、出湯口を有する出湯部と、前記溶解室を前記出湯部側へ傾動させる傾動手段とを有し、前記予熱シャフト内の冷鉄源は、溶解中に前記溶解室の予熱シャフトが設けられている一方側から他方側へ向けて供給され、前記出湯部は、冷鉄源の供給方向とは異なる方向に設けられている、冷鉄源のアーク溶解炉において、前記予熱シャフト内に冷鉄源を装入する装入手段が設けられ、前記装入手段は、上部扉と、下部扉と、前記上部扉および前記下部扉とが同時に開放されることを阻止する機械的ロック手段とを備えたことに特徴を有するものである。
【0027】
請求項2記載の発明は、前記ロック手段は、前記上部扉が開放されている間、前記下部扉の開放をロックする下部扉ロック機構と、前記下部扉が開放されている間、前記上部扉の開放をロックする上部扉ロック機構とからなることに特徴を有するものである。
【0028】
請求項3記載の発明は、前記下部扉ロック機構は、閉鎖位置での前記上部扉の昇降に伴って進退する第1ロッドと、閉鎖されている前記下部扉を拘束する、前記第1ロッドと連動するフックとを備え、前記上部扉の下降に伴う前記第1ロッドの前進によって、前記フックによる前記下部扉の拘束が解除され、前記上部扉ロック機構は、前記下部扉の開閉に伴って進退する第2ロッドと、閉鎖されている前記上部扉を拘束する、前記第2ロッドと連動するストッパーとを備え、前記下部扉の開放に伴う前記第2ロッドの後退によって、前記ストッパーによる前記上部扉の拘束が行われることに特徴を有するものである。
【0029】
請求項4記載の発明は、前記第1ロッドおよび前記第2ロッドは、ガイド管内に挿通され、可撓性に富んでいることに特徴を有するものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の、冷鉄源のアーク溶解炉の一実施態様を図面を参照しながら説明する。
【0031】
図1は、この発明のアーク溶解炉における、冷鉄源の装入手段を示す概略斜視図、図2は、上部扉側の下部扉ロック機構を示す正面図、図3は、下部扉側の下部扉ロック機構を示す正面図、図4は、図3のC−C断面図、図5は、下部扉側の上部扉ロック機構を示す側面図、図6は、上部扉側の上部扉ロック機構を示す正面図、図7は、図6のD−D断面図である。
【0032】
図1から図7に示すように、この発明のアーク溶解炉は、上述した従来アーク溶解炉における予熱シャフト2の入口2Aに、上部扉19および下部扉20を備えた冷鉄源の装入手段18を設け、この装入手段18にこれら両扉が同時に開放されることを阻止する機械的ロック手段を設けたものである。
【0033】
上部扉19は、予熱シャフト2の入口2Aの上部に敷設されたレール21を車輪19Aによって水平方向に走行し、閉鎖位置まで走行した後、下降することによって入口2Aを閉鎖する。下部扉20は、上部扉19より下方の入口2Aに設けられ、傾斜レール(図示せず)に沿って走行する。下部扉20が傾斜しているのは、下部扉20上に乗せられた冷鉄源としての鉄スクラップSを自重により予熱シャフト2内に落下させるためである。
【0034】
上記ロック手段は、上部扉19が完全に閉じられる間、下部扉20の開放をロックする下部扉ロック機構22と、下部扉20が開放されている間、上部扉19の開放をロックする上部扉ロック機構23からなっている。
【0035】
図2から図4に示すように、下部扉ロック機構22は、上部扉19の閉鎖位置におけるレール21の途中に設けられた昇降台24と、可撓性を有する材質からなる第1ロッド25と、下部扉20上に固定されたピン26に先端が係合可能なフック27とからなっている。
【0036】
第1ロッド25は、ガイド管28内に挿通され、その一端25Aは、昇降台24に固定され、他端25Bは、フック27の後端に固定されている。
【0037】
図5から図7に示すように、上部扉ロック機構23は、下部扉20の先端傾斜面20Aに一端が当接され、下部扉20の移動により回動するレバー29と、可撓性を有する材質からなる第2ロッド30と、上部扉19の端部に形成された突片19Bの上面に先端が係合する水平回動自在に取り付けられたストッパー31とからなっている。
【0038】
第2ロッド30は、ガイド管32内に挿通され、その一端30Aは、レバー29の他端に固定され、他端30Bは、ストッパー31の後端に固定されている。
【0039】
この発明のアーク溶解炉によれば、以下のようにして、冷鉄源が炉内ガスの漏洩なく予熱シャフト内に装入される。
【0040】
上部扉19が開放されている間は、図3中二点鎖線で示すように、フック27がピン26に係合しているので、下部扉20は開放されない。この状態で、鉄スクラップSを予熱シャフト2内に装入する。鉄スクラップSは、閉鎖されている下部扉20に乗る。
【0041】
次に、上部扉19を閉鎖して下部扉20を開放するのであるが、上部扉19が昇降台24上まで走行すると、上部扉19の自重により昇降台24が図2中一点鎖線で示すように下降する。これにより第1ロッド25の他端25Bが前進し、この結果、ピン26に係合しているフック27が図3中実線で示すように回動して、フック27の係合が解除される。すなわち、上部扉19が下降して完全に閉鎖されるまでは、下部扉20を開放することができない。
【0042】
このようにして、上部扉19が閉鎖された後、下部扉20を開放する。これによって、下部扉20上の鉄スクラップSは、予熱シャフト2内に装入される。
【0043】
この後、上部扉19を開放して、再度、鉄スクラップSを装入するのであるが、図5に示すように、閉鎖されている下部扉20が開放方向に移動すると、レバー29が回動する。これにより第2ロッド30の他端30Bが後退して、ストッパー31が上部扉19の突片19B上に回動し、この結果、上部扉19の上昇を阻止する。すなわち、下部扉20が完全に開放されるまでは、上部扉19を開放することができない。
【0044】
このように、この発明のアーク溶解炉によれば、鉄スクラップSの装入に当たり、上部扉19が完全に閉鎖されないと、下部扉20を開放することができず、また、下部扉20が完全に閉鎖されないと、上部扉19を開放することができないので、鉄スクラップSの装入に際して、炉内ガスの漏洩を確実に防止できる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、冷鉄源の従来アーク溶解炉に上部扉および下部扉とが同時に開放されることを阻止する機械的ロック手段を設けることによって、予熱シャフト内に冷鉄源を装入する際に生じる炉内ガスの漏洩を確実に防止することができるといった有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のアーク溶解炉における、冷鉄源の装入手段を示す概略斜視図である。
【図2】上部扉側の下部扉ロック機構を示す正面図である。
【図3】下部扉側の下部扉ロック機構を示す正面図である。
【図4】図3のC−C断面図である。
【図5】下部扉側の上部扉ロック機構を示す側面図である。
【図6】上部扉側の上部扉ロック機構を示す正面図である。
【図7】図6のD−D断面図である。
【図8】従来アーク溶解炉を示す概略斜視図である。
【図9】図8のA−A線断面図である。
【図10】図8のB−B線断面図である。
【図11】傾動後の図8のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1:溶融炉
2:予熱シャフト
2A:入口
3:出湯部
4:可動排気ダクト
5:スクラップ装入バケット
6:炉蓋
7:アーク電極
8:炉底
9:炉底電極
10:アーク
11:溶鋼
12:スラグ
13:支持部材
14a,15b:ランス
15:出湯口
16:ストッパー
17:スラグドア
18:装入手段
19:上部扉
19A:車輪
19B:突片
20:下部扉
20A:傾斜面
21:レール
22:下部扉ロック機構
23:上部扉ロック機構
24:昇降台
25:第1ロッド
25A:第1ロッドの一端
25B:第1ロッドの他端
26:ピン
27:フック
28:ガイド管
29:レバー
30:第2ロッド
30A:第2ロッドの一端
30B:第2ロッドの他端
31:ストッパー
32:ガイド管
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷鉄源のアーク溶解炉、特に、予熱シャフト内に冷鉄源を装入する際に生じる炉内ガスの漏洩を確実に防止することができる、冷鉄源のアーク溶解炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、資源および環境問題から、発生量の多い鉄鋼スクラップをアーク炉を用いて溶解するプロセスが増加している。このようなアーク炉では、スクラップ溶解に多くの電力を消費するため、溶解中に炉から発生する排ガスでスクラップを予熱しながら溶解し、必要とする電力を極力少なくする、冷鉄源のアーク溶解炉が提案されている。
【0003】
その1つに特許第3114713号(特許文献1)のアーク溶解炉がある。以下、この従来アーク溶解炉を、図面を参照しながら説明する。
【0004】
図8は、従来アーク溶解炉を示す概略斜視図、図9は、図8のA−A線断面図、図10は、図8のB−B線断面図、図11は、傾動後の図8のB−B線断面図である。
【0005】
図8から図11に示すように、この従来アーク溶解炉は、冷鉄源をアーク溶解するための溶解炉1と、その一方側1aの上部に直結された、上方に向かって延在する予熱シャフト2と、溶解室1に設けられた出湯部3とを備えている。
【0006】
予熱シャフト2の上端には、排ガス吸引系に連結する可動排気ダクト4が設けられている。可動排気ダクト4内の排ガスは、排ガス処理設備(図示せず)側に接続される固定排気ダクト(図示せず)を通って排ガス処理設備に送られる。この溶解炉1および予熱シャフト2には、冷鉄源としての鉄スクラップSが装入される。
【0007】
予熱シャフト2の上方にはスクラップ装入バケット5が設けられており、このバケット5から予熱シャフト2の入口2Aから予熱シャフト2内に鉄スクラップSが装入される。また、棚吊りを防止するため、予熱シャフト2に炭素源、例えばコークスを装入しても良い。この場合に、このバスケット5からのスクラップSの装入は、操業中に、スクラップSが溶解室1と予熱シャフト2に連続して存在する状態を保つように予熱シャフト2へスクラップSを連続的または断続的に供給する。この際のスクラップSの装入は、操業実績に基づいて予め設定されたレシピに基づいて行っても良いし、予熱シャフト2内のスクラップSの量を検出可能なセンサーを設け、このセンサーからの信号に基づいてバケット5によるスクラップSの投入を適宜の制御手段により制御するようにしても良い。
【0008】
溶解炉1の上部には、開閉可能な炉蓋6が設けられており、その炉蓋6を貫通して溶解炉1の上方からその中に垂直にアーク電極7が挿入されている。また、溶解炉1の炉底8のアーク電極7と対向する位置には、炉底電極9が設けられている。そして、アーク電極7によって形成されるアーク10により、スクラップSが溶解され、溶鋼11となる。溶鋼11の上にはスラグ12が形成されており、アーク10は、このスラグ12内に形成されることとなる。アーク電極7は、支持部材13に支持されていて、炉の傾動と共に傾動する。
【0009】
溶解炉1には、2本のランス14a、14bがその先端を溶鋼湯面に向けて挿入されており、ランス14aからは酸素が供給され、ランス14bからは補助熱源としてのコークスがそれぞれインジェクションされる。
【0010】
予熱シャフト2内のスクラップSは、溶解炉1の一方側(予熱シャフト2側)1aからその他方側(反対側)1bに向かう方向へ供給されるが、出湯部3は、このスクラップSの供給方向に対して直交する方向に向くように溶解炉1に突設されている。そして、溶解炉1は、図示しない傾動手段により、傾動軸線(L)を中心として出湯部3側に傾動可能となっている。また、溶解炉1の予熱シャフト2が設けられた部分と出湯部3が設けられた部分とは距離aだけ離間しており、溶解炉1が傾動された際に、その部分の壁部によりスクラップSが出湯部3側に流出することが阻止される。
【0011】
出湯部3の先端近傍の底部には、出湯口15が形成されており、この出湯口15を開閉するための上下動可能なストッパー16が設けられている。さらに、出湯部3の先端部側面には、スラグ12の排出時に開くスラグドア17が設けられている。
【0012】
このように構成される従来アーク溶解炉において、鉄スクラップを溶解するには、まず、溶解炉1と予熱シャフト2内に、冷鉄源としての鉄スクラップSを装入し、鉄スクラップSが溶解炉1と予熱シャフト2に連続して存在する状態とする。
【0013】
この状態でアーク電極7によりアーク10を形成し、鉄スクラップSを溶解する。この際に、ランス14aから酸素を供給し、スクラップの溶解を補助する。そして、炉内に溶鋼が溜まってきたら、ランス14bからスラグ中に補助熱源としてのコークスをインジェクションしてスラグフォーミング操業に移行し、電極7の先端をスラグ12中に埋没させ、アーク10がスラグ12内に形成されるようにする。この補助熱源としてのコークスはスクラップSの溶解に寄与する。
【0014】
このようなスクラップ溶解により発生する排ガスは、予熱シャフト2および可動排気ダクト4を経由して炉外に排出され、この排ガスの熱により、シャフト2内のスクラップSが予熱される。
【0015】
溶解炉1内でスクラップSが溶解するに従い、予熱シャフト2のスクラップが順次溶解炉1に供給されるため、予熱シャフト2内のスクラップSの上端位置が低下してくる。この場合に、スクラップSが溶解室と予熱シャフトに連続して存在する状態を保つように、バケット5から予熱シャフト2へスクラップSを連続的または断続的に供給する。これにより、常に一定量以上のスクラップが溶解炉1および予熱シャフト2内に存在している状態が保たれる。この際のスクラップSの装入は、上述したように、操業実績に基づいて予め設定されたレシピに基づいて行っても良いし、予熱シャフト2内のスクラップSの量を検出可能なセンサーを設け、このセンサーからの信号に基づいてバケット4によるスクラップSの投入を制御するようにしても良い。
【0016】
スクラップSが溶解していくと、溶解炉1内で冷鉄源であるスクラップSと溶鋼とが共存する状態となっており、溶鋼の温度が低く、例えば、1540〜1550℃と、溶鋼の凝固温度1530℃に対してわずかなスーパーヒートしかなく、このままでは出湯の際に出湯口がつまる等の不都合が生じる。このため、出湯前に図7に示すように、溶解炉1を出湯部3側に傾動させてアーク加熱を続ける。この場合に、出湯部3は、溶解炉1へのスクラップSの流入方向に対して直交する方向に向くように溶解炉1に突設されており、しかも、溶解炉1の予熱シャフト2が設けられた部分と出湯部3が設けられた部分とは距離aだけ離間しており、その部分の壁部によりスクラップSが出湯部3側に流出することが阻止されるため、出湯部3側へ流れ込んだ溶鋼とスクラップSとの接触面積を小さくすることができる。従って、溶鋼のスーパーヒートを高くすることができ、出湯される溶鋼の温度が低いという問題を回避することができる。
【0017】
以上のようにして溶解が進行し、所定量の溶鋼が炉内に溜まったら、溶解炉1を傾動して溶鋼とスクラップの接触面積を小さくし、一定時間アーク加熱することにより溶鋼をスーパーヒートさせた後、さらに、溶解炉1を傾動させ溶解炉1および溶解シャフト2内にスクラップSが連続して存在する状態を保ったまま、出湯部3の出湯口15を塞いでいたストッパー16を上昇させて出湯口15を開き、出湯口15から1チャージ分の溶鋼を取鍋等へ出湯する。
【0018】
このようにしてスクラップを溶解する場合には、予熱シャフト2内にプッシャーやフィンガー等のスクラップ搬送供給のための設備を備えていないので、これらが設けられている従来溶解設備よりも使用する酸素量を増やすことができ、排ガス温度を高めることができる。従って、従来溶解設備よりも高い温度にスクラップを予熱することが可能になる。
【0019】
また、常にスクラップSが溶解炉1と予熱シャフト2に連続して存在する状態を保つように予熱シャフト2へスクラップSを供給し、溶解炉1内で1チャージ分以上の溶鋼が形成されてこれを出湯する際にも、溶解炉1および予熱シャフト2に連続してスクラップが存在するため、排ガスによるスクラップ予熱効率が高い。この場合に、溶解中および出湯時に1チャージ分の50%以上のスクラップを溶解炉1および予熱シャフト2に連続して存在するようにすることによって、予熱効率が極めて高いものとなる。
【0020】
以上のように、プッシャーやフィンガー等の設備が不要であるため排ガス温度を高めることができ、かつ常にスクラップSが溶解炉1と予熱シャフト2に連続して存在する状態を保つことができるのでスクラップの溶解効率が極めて高い。また、冷鉄源であるスクラップSとそれが溶解して生成された溶鋼との接触面積を小さくすることができるので、溶鋼をスーパーヒートさせることができ、出湯される溶鋼の温度が低いという問題を解消することができる等、従来アーク溶解炉は、種々の利点を有していた。
【0021】
【特許文献1】
特許第3114713号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来アーク溶解炉は、以下のような問題を有していた。
【0023】
上述のように、鉄スクラップSが溶解炉1と予熱シャフト2に連続して存在すうものの、予熱シャフト2の入口2Aは開放されているので、鉄スクラップSの装入時に炉内ガスが炉外に漏洩する。炉内ガスが炉外に漏洩して大気に触れると、異常爆発が起こる場合があり危険である。これを防止するために、入口2Aに上部扉および下部扉からなる装入手段を予熱シャフト2の入口2Aに設け、まず、上部扉を開いて鉄スクラップSを閉鎖されている下部扉上に投入し、次いで、上部扉を閉鎖した後、下部扉を開放して、鉄スクラップSを装入する方法が考えられる。
【0024】
上部および下部扉の開閉制御を電気的に行うことが一般的に考えられるが、さらに、確実に炉内ガスが漏洩することなく上部扉および下部扉の開閉を行うことができるアーク溶解炉が望まれていた。
【0025】
従って、この発明の目的は、予熱シャフト内に冷鉄源を装入する際に生じる炉内ガスの漏洩を確実に防止することができる、冷鉄源のアーク溶解炉を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、冷鉄源を溶解する溶解室と、前記溶解室の一方側の上部に直結され、冷鉄源を予熱する予熱シャフトと、前記溶解室内で冷鉄源を溶解するアーク電極と、前記溶解室に突設され、出湯口を有する出湯部と、前記溶解室を前記出湯部側へ傾動させる傾動手段とを有し、前記予熱シャフト内の冷鉄源は、溶解中に前記溶解室の予熱シャフトが設けられている一方側から他方側へ向けて供給され、前記出湯部は、冷鉄源の供給方向とは異なる方向に設けられている、冷鉄源のアーク溶解炉において、前記予熱シャフト内に冷鉄源を装入する装入手段が設けられ、前記装入手段は、上部扉と、下部扉と、前記上部扉および前記下部扉とが同時に開放されることを阻止する機械的ロック手段とを備えたことに特徴を有するものである。
【0027】
請求項2記載の発明は、前記ロック手段は、前記上部扉が開放されている間、前記下部扉の開放をロックする下部扉ロック機構と、前記下部扉が開放されている間、前記上部扉の開放をロックする上部扉ロック機構とからなることに特徴を有するものである。
【0028】
請求項3記載の発明は、前記下部扉ロック機構は、閉鎖位置での前記上部扉の昇降に伴って進退する第1ロッドと、閉鎖されている前記下部扉を拘束する、前記第1ロッドと連動するフックとを備え、前記上部扉の下降に伴う前記第1ロッドの前進によって、前記フックによる前記下部扉の拘束が解除され、前記上部扉ロック機構は、前記下部扉の開閉に伴って進退する第2ロッドと、閉鎖されている前記上部扉を拘束する、前記第2ロッドと連動するストッパーとを備え、前記下部扉の開放に伴う前記第2ロッドの後退によって、前記ストッパーによる前記上部扉の拘束が行われることに特徴を有するものである。
【0029】
請求項4記載の発明は、前記第1ロッドおよび前記第2ロッドは、ガイド管内に挿通され、可撓性に富んでいることに特徴を有するものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の、冷鉄源のアーク溶解炉の一実施態様を図面を参照しながら説明する。
【0031】
図1は、この発明のアーク溶解炉における、冷鉄源の装入手段を示す概略斜視図、図2は、上部扉側の下部扉ロック機構を示す正面図、図3は、下部扉側の下部扉ロック機構を示す正面図、図4は、図3のC−C断面図、図5は、下部扉側の上部扉ロック機構を示す側面図、図6は、上部扉側の上部扉ロック機構を示す正面図、図7は、図6のD−D断面図である。
【0032】
図1から図7に示すように、この発明のアーク溶解炉は、上述した従来アーク溶解炉における予熱シャフト2の入口2Aに、上部扉19および下部扉20を備えた冷鉄源の装入手段18を設け、この装入手段18にこれら両扉が同時に開放されることを阻止する機械的ロック手段を設けたものである。
【0033】
上部扉19は、予熱シャフト2の入口2Aの上部に敷設されたレール21を車輪19Aによって水平方向に走行し、閉鎖位置まで走行した後、下降することによって入口2Aを閉鎖する。下部扉20は、上部扉19より下方の入口2Aに設けられ、傾斜レール(図示せず)に沿って走行する。下部扉20が傾斜しているのは、下部扉20上に乗せられた冷鉄源としての鉄スクラップSを自重により予熱シャフト2内に落下させるためである。
【0034】
上記ロック手段は、上部扉19が完全に閉じられる間、下部扉20の開放をロックする下部扉ロック機構22と、下部扉20が開放されている間、上部扉19の開放をロックする上部扉ロック機構23からなっている。
【0035】
図2から図4に示すように、下部扉ロック機構22は、上部扉19の閉鎖位置におけるレール21の途中に設けられた昇降台24と、可撓性を有する材質からなる第1ロッド25と、下部扉20上に固定されたピン26に先端が係合可能なフック27とからなっている。
【0036】
第1ロッド25は、ガイド管28内に挿通され、その一端25Aは、昇降台24に固定され、他端25Bは、フック27の後端に固定されている。
【0037】
図5から図7に示すように、上部扉ロック機構23は、下部扉20の先端傾斜面20Aに一端が当接され、下部扉20の移動により回動するレバー29と、可撓性を有する材質からなる第2ロッド30と、上部扉19の端部に形成された突片19Bの上面に先端が係合する水平回動自在に取り付けられたストッパー31とからなっている。
【0038】
第2ロッド30は、ガイド管32内に挿通され、その一端30Aは、レバー29の他端に固定され、他端30Bは、ストッパー31の後端に固定されている。
【0039】
この発明のアーク溶解炉によれば、以下のようにして、冷鉄源が炉内ガスの漏洩なく予熱シャフト内に装入される。
【0040】
上部扉19が開放されている間は、図3中二点鎖線で示すように、フック27がピン26に係合しているので、下部扉20は開放されない。この状態で、鉄スクラップSを予熱シャフト2内に装入する。鉄スクラップSは、閉鎖されている下部扉20に乗る。
【0041】
次に、上部扉19を閉鎖して下部扉20を開放するのであるが、上部扉19が昇降台24上まで走行すると、上部扉19の自重により昇降台24が図2中一点鎖線で示すように下降する。これにより第1ロッド25の他端25Bが前進し、この結果、ピン26に係合しているフック27が図3中実線で示すように回動して、フック27の係合が解除される。すなわち、上部扉19が下降して完全に閉鎖されるまでは、下部扉20を開放することができない。
【0042】
このようにして、上部扉19が閉鎖された後、下部扉20を開放する。これによって、下部扉20上の鉄スクラップSは、予熱シャフト2内に装入される。
【0043】
この後、上部扉19を開放して、再度、鉄スクラップSを装入するのであるが、図5に示すように、閉鎖されている下部扉20が開放方向に移動すると、レバー29が回動する。これにより第2ロッド30の他端30Bが後退して、ストッパー31が上部扉19の突片19B上に回動し、この結果、上部扉19の上昇を阻止する。すなわち、下部扉20が完全に開放されるまでは、上部扉19を開放することができない。
【0044】
このように、この発明のアーク溶解炉によれば、鉄スクラップSの装入に当たり、上部扉19が完全に閉鎖されないと、下部扉20を開放することができず、また、下部扉20が完全に閉鎖されないと、上部扉19を開放することができないので、鉄スクラップSの装入に際して、炉内ガスの漏洩を確実に防止できる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、冷鉄源の従来アーク溶解炉に上部扉および下部扉とが同時に開放されることを阻止する機械的ロック手段を設けることによって、予熱シャフト内に冷鉄源を装入する際に生じる炉内ガスの漏洩を確実に防止することができるといった有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のアーク溶解炉における、冷鉄源の装入手段を示す概略斜視図である。
【図2】上部扉側の下部扉ロック機構を示す正面図である。
【図3】下部扉側の下部扉ロック機構を示す正面図である。
【図4】図3のC−C断面図である。
【図5】下部扉側の上部扉ロック機構を示す側面図である。
【図6】上部扉側の上部扉ロック機構を示す正面図である。
【図7】図6のD−D断面図である。
【図8】従来アーク溶解炉を示す概略斜視図である。
【図9】図8のA−A線断面図である。
【図10】図8のB−B線断面図である。
【図11】傾動後の図8のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1:溶融炉
2:予熱シャフト
2A:入口
3:出湯部
4:可動排気ダクト
5:スクラップ装入バケット
6:炉蓋
7:アーク電極
8:炉底
9:炉底電極
10:アーク
11:溶鋼
12:スラグ
13:支持部材
14a,15b:ランス
15:出湯口
16:ストッパー
17:スラグドア
18:装入手段
19:上部扉
19A:車輪
19B:突片
20:下部扉
20A:傾斜面
21:レール
22:下部扉ロック機構
23:上部扉ロック機構
24:昇降台
25:第1ロッド
25A:第1ロッドの一端
25B:第1ロッドの他端
26:ピン
27:フック
28:ガイド管
29:レバー
30:第2ロッド
30A:第2ロッドの一端
30B:第2ロッドの他端
31:ストッパー
32:ガイド管
Claims (4)
- 冷鉄源を溶解する溶解室と、前記溶解室の一方側の上部に直結され、冷鉄源を予熱する予熱シャフトと、前記溶解室内で冷鉄源を溶解するアーク電極と、前記溶解室に突設され、出湯口を有する出湯部と、前記溶解室を前記出湯部側へ傾動させる傾動手段とを有し、前記予熱シャフト内の冷鉄源は、溶解中に前記溶解室の予熱シャフトが設けられている一方側から他方側へ向けて供給され、前記出湯部は、冷鉄源の供給方向とは異なる方向に設けられている、冷鉄源のアーク溶解炉において、
前記予熱シャフト内に冷鉄源を装入する装入手段が設けられ、前記装入手段は、上部扉と、下部扉と、前記上部扉および前記下部扉とが同時に開放されることを阻止する機械的ロック手段とを備えたことを特徴とする、冷鉄源のアーク溶解炉。 - 前記ロック手段は、前記上部扉が開放されている間、前記下部扉の開放をロックする下部扉ロック機構と、前記下部扉が開放されている間、前記上部扉の開放をロックする上部扉ロック機構とからなることを特徴とする、請求項1記載の、冷鉄源のアーク溶解炉。
- 前記下部扉ロック機構は、閉鎖位置での前記上部扉の昇降に伴って進退する第1ロッドと、閉鎖されている前記下部扉を拘束する、前記第1ロッドと連動するフックとを備え、前記上部扉の下降に伴う前記第1ロッドの前進によって、前記フックによる前記下部扉の拘束が解除され、前記上部扉ロック機構は、前記下部扉の開閉に伴って進退する第2ロッドと、閉鎖されている前記上部扉を拘束する、前記第2ロッドと連動するストッパーとを備え、前記下部扉の開放に伴う前記第2ロッドの後退によって、前記ストッパーによる前記上部扉の拘束が行われることを特徴とする、請求項2記載の、冷鉄源のアーク溶解炉。
- 前記第1ロッドおよび前記第2ロッドは、ガイド管内に挿通され、可撓性に富んでいることを特徴とする、請求項3記載の、冷鉄源のアーク溶解炉。
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- 2003-02-20 JP JP2003042214A patent/JP2004251532A/ja active Pending
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