JP2004251482A - フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】エアーコンディショナーにおける吸気口を備えた前面パネル、及び除塵フィルターに粉塵が付着するのを抑制して清掃頻度を下げることができ、取り扱い容易なフィルターを提供する。
【解決手段】隙間を形成して壁面に取り付けられたエアコン本体の前面の吸気部に対向配置され、前記エアコン本体に開閉可能に設けられた前面パネルの吸気口から前記吸気部に向けて粉塵が流入するのを防止するフィルターであって、前記隙間に圧入可能に構成された圧入部と、通気性を有して粉塵の通過を防止するシート状のフィルター部とを備え、前記圧入部は、フィルター部に連設されるとともに、フィルター部は、圧入部を隙間に圧入した状態で、前記前面パネルの前面を被覆可能に設けられてなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁面に取り付けられたエアーコンディショナーにおけるフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から空調機器として壁面取付型のエアーコンディショナーが周知である。かかるエアーコンディショナーは、送風機、熱交換器等が内装されたエアコン本体と、送風機が吸気する空気を流通させるスリット状の吸気口の形成された前面パネルとを備え、該前面パネルがエアコン本体の前面に開閉可能に配置されたものが一般的である。
【0003】
前記エアコン本体は、前面パネルの吸気口を介して空気が流入する流入部と、該流入部から流入した空気を送風機によって室内に向けて吹き出す送風口とが形成されており、取付金具を介して壁面に固定されるようになっている。さらに、該エアコン本体の前面は、流入部から粉塵等が内部に流入しないように除塵フィルターを着脱自在に取り付けることができるように構成されている。
【0004】
前記除塵用フィルターは、角形の枠体の開口を塞ぐように、シート状のフィルター本体が取り付けられて構成されており、該フィルター本体に塵等が付着した場合には、前面パネルを開いて当該除塵フィルターを本体から取り外し、枠体ごとフィルター本体を水洗いするなどして清掃するようになっている。
【0005】
前記前面パネルは、エアコン本体に枢着されて開閉可能に構成されており、除塵フィルターの清掃・交換、エアコン本体内のメンテナンス・清掃等を行えるようになっている。
【0006】
上記構成のエアーコンディショナーは、前面パネルが室内側に位置するようにエアコン本体が取付金具を介して壁面に固定されることにより、壁面と本体との間に隙間を形成した状態で取り付けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成のエアーコンディショナーは、エアコン本体内への粉塵の流入のみを防止すべく、除塵フィルターがエアコン本体及び前面パネル間に介装されているため、前面パネルの吸気口を通過する空気は除塵されておらず、そのため、前面パネルにおける吸気口近傍に粉塵が付着してしまう。
【0008】
このように前面パネルに付着した粉塵が堆積すると、該粉塵がエアコン本体側に吸い込まれて防塵フィルターを目詰まりさせる原因になるとして、エアーコンディショナーを提供する各メーカーから前面パネルの清掃が要求されているが、前面パネルを前記通気口がスリット状に形成されているため、付着した粉塵の除去がしにくく、前面パネルにおける粉塵の除去作業は、煩雑であった。
【0009】
また、除塵フィルター(フィルター本体)が目詰まりすると、空気に吸い込みが悪くなって、エアーコンディショナーの性能を低下するとして、これについても各メーカーから除塵フィルターの清掃を頻繁に行うことが要求されているが、除塵フィルターを清掃するには、エアコン本体から除塵フィルターを取り外して洗浄しなければならず、作業が繁雑であった。
【0010】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、エアーコンディショナーにおける吸気口を備えた前面パネル、及び除塵フィルターに粉塵が付着するのを抑制して清掃頻度を下げることができ、取り扱いが容易なフィルターを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるフィルターは、請求項1記載の如く、隙間を形成して壁面に取り付けられたエアコン本体の前面の吸気部に対向配置され、前記エアコン本体に開閉可能に設けられた前面パネルの吸気口から前記吸気部に向けて粉塵が流入するのを防止するフィルターであって、前記隙間に圧入可能に構成された圧入部と、通気性を有して粉塵の通過を防止するシート状のフィルター部とを備え、前記圧入部は、フィルター部に連設されるとともに、フィルター部は、圧入部を隙間に圧入した状態で、前記前面パネルの前面を被覆可能に設けられてなることを特徴とする。なお、「連設」とは、圧入部とフィルター部とを直接連結した状態のものを含むことは勿論のこと、フィルター部と圧入部とが他のシート体や、帯状体等を介して間接的に連結された状態のものを含む概念である。
【0012】
かかるフィルターによれば、壁面とエアコン本体との隙間に圧入可能に構成された圧入部が、通気性を有して粉塵の通過を防止するシート状のフィルター部に連設され、該フィルター部は、圧入部を隙間に圧入した状態で、前記前面パネルの前面を被覆可能に設けられているので、隙間に圧入部を圧入すれば、壁面に取り付けられた既設のエアーコンディショナーの前面パネルの前面をフィルター部で覆うことができる。
【0013】
これにより、前面パネルの吸気口を通過する空気は、フィルター部によって粉塵が取り除かれ、前面パネルにおける吸気部、及びエアコン本体の吸気部に粉塵が到達するのを抑制、又は防止することができ、前面パネル及び、エアコン本体内部の清掃頻度を下げることができる。
【0014】
また、該フィルターは、隙間に圧入部を圧入することのみで取り付けることができるので、該フィルターに粉塵などが付着した場合には、容易に取り外すことができ、該フィルターの洗浄、交換等の取り扱いが容易である。
【0015】
また、請求項2記載の如く、前記圧入部は、弾性を有して変形可能な棒状に形成されるとともに、フィルター部の一端縁に沿って設けられてなり、前記フィルター部は、前記前面パネルを覆った状態で、他端部が前記エアコン本体と前面パネルとで狭持可能に構成されてなることが好ましい。
【0016】
このようにすれば、圧入部を隙間に圧入した際に隙間の間隔に応じて圧入部が変形し、該変形による復元力が壁面及びエアコン本体に作用するので、簡易な構成で隙間内での圧入部の圧入状態を維持させることができる。
【0017】
また、圧入部を隙間に圧入した状態で、該圧入部の連結された一端縁とは反対側の他端部を、エアコン本体と前面パネルとで狭持すれば、フィルター部の両端部が固定された状態となり、空気の流れによるフィルター部の揺れ動きを防止することができる。また、フィルター部を前面パネルの前面に密接状態で配置することができ、前面パネルとフィルター部との間に隙間が形成されず、粉塵が前面パネルとフィルター部との間を介して吸気口に流入するのを防止することができる。
【0018】
さらに、請求項3記載の如く、前記フィルター部は、不織布で構成されてなることが好ましく、このようにすれば、効率よく空気を通過させることができる一方で、粉塵を高確率で捕獲することができる。
【0019】
また、請求項4記載の如く、前記フィルター部は、防カビ剤を含有してなる構成を採用することもできる。このようにすれば、フィルター部に含有した防カビ剤の成分がエアコン本体内に入り込み、エアコン本体内でのカビの発生を防止することができる。防カビ剤としては、チアベンダゾールや、特開2002−308712号公報所載のもの(式:Ti(OH)(PO(HPO(HPO(OR)(Rは炭素数1〜4のアルキル基、x、y、z、l及びmは、それぞれ0以上の数値であり、x+3y+2z+l+m=4を満たす。)で表されるリン酸チタニウム系化合物またはその縮合体を有効成分とするもの)等を採用することができる。
【0020】
さらに、請求項5記載の如く、前記フィルター部は、消臭剤を含有してなる構成も採用することができる。なお、防臭とは、臭いの発生を防止するものや、臭いを消す(消臭)するもの等を含む概念である。
【0021】
このようにすれば、室内の空気が異臭を含む場合であっても、該空気がフィルター部を通過する際に、該空気の異臭が消臭され、室内に送風される空気に異臭が含まれなくなる。
【0022】
また、エアーコンディショナーは、通常、エアコン本体内で熱交換が行われるため、当該エアコン本体内に結露等が生じやすいため、この水分により異臭が発生する場合もあるが、消臭剤の成分が空気の吸引とともにエアコン本体内に吸い込まれるので、エアコン内部で消臭剤の成分が作用し、当該エアコン内での異臭の発生を防止することができる。
【0023】
消臭剤としては、臭いの成分を吸着する吸着能を備えた炭や、ゼオライト、特開2002−308712号公報所載のもの(式:Ti(OH)(PO(HPO(HPO(OR)(Rは炭素数1〜4のアルキル基、x、y、z、l及びmは、それぞれ0以上の数値であり、x+3y+2z+l+m=4を満たす。)で表されるリン酸チタニウム系化合物またはその縮合体を有効成分とするもの)等を採用することができる。
【0024】
さらに、請求項6記載の如く、前記フィルター部は、マイナスイオンを発生するマイナスイオン発生物質を含有してなる構成を採用することもできる。このようにすれば、マイナスイオン発生物質から発生したマイナスイオンが、エアーコンディショナーの駆動によってエアコン本体内に吸い込まれることになる。
【0025】
マイナスイオンは、殺菌効果を有するので、エアコン本体内での雑菌等の発生を防止することができる。また、マイナスイオン発生物質がマイナスイオン発生性能が高いものであれば、吸い込まれたマイナスイオンがエアーコンディショナーからの送風される風にのって室内に放出され、室内をマイナスイオン化することができ、室内に滞在する人はリラックス効能を得ることができる。
【0026】
ここで、マイナスイオン発生物質としては、トルマリン鉱石や、水晶等を採用することができ、これらを粉砕しフィルター部を成形する際に練り込んだり、バインダーを介してこれらをフィルター部に付着させたりするようにしてもよい。また、マイナスイオン発生物質として、上記特開2002−308712号公報所載ものを採用することもできる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかるフィルターについて、添付図面を参照して説明する。
【0028】
かかるフィルターは、壁面に取り付けられるエアーコンディショナーの吸気口から粉塵が流入するのを防止するためのものであり、該フィルターの説明に先立って、当該フィルターの取り付け対象となるエアーコンディショナーについて説明する。
【0029】
フィルターの取付対象となるエアーコンディショナーは、一般的に流通する壁取付型のエアーコンディショナーであり、図1に示す如く、壁面Wに取り付けられたエアコン本体50と、該エアコン本体50の前面に開閉可能に設けられた前面パネル51とを備えたものである。
【0030】
前記エアコン本体50は、背面が取付金具(図示しない)を介して壁面Wに固定されている。該エアコン本体50は、内部に送風機、熱交換機等(図示しない)が内装されており、前面には送風機によって吸引される空気が流入する吸気部52が形成されており、該吸気部52の下方には、吸気部52から吸引した空気が送風される送風口53が形成されている。
【0031】
前記吸気部52の前方には、粉塵が送風機、熱交換機内に到達するのを防止すべく、粉塵を捕獲する除塵フィルター54が着脱自在に設けられている。
【0032】
この除塵フィルター54は、略角形の枠体55と、該枠体55の開口を閉塞するように枠体55に貼着されたフィルター本体56とで構成されている。
【0033】
該フィルター本体56は、不織布やメッシュ生地などが採用されており、空気を通気させる一方で、粉塵を繊維目で捕獲するようになっている。
【0034】
前記前面パネル51は、エアコン本体50の吸気部52の形成領域に略対応した形状をなしたパネルであり、本実施形態においては正面視略矩形状をなしている。該前面パネル51には、貫通したスリット状の吸気口57が複数形成されており、該吸気口57の形成領域と前記エアコン本体50の除塵フィルター54の取り付け位置(吸気部52の形成位置)とを対応させるように、上端部がエアコン本体50の前面上端部に枢着されて回動可能になっている。
【0035】
上記構成のエアーコンディショナーは、上述の如く、取付金具を介して壁面Wに取り付けられていることから、エアコン本体50の背面と壁面Wとの間に隙間Aが形成されている。
【0036】
上記構成のエアーコンディショナーに取り付ける本実施形態にかかるフィルターは、図2に示す如く、シート状のフィルター部1と、該フィルター部1に連接された圧入部2とで構成されている。
【0037】
前記フィルター部1は、通気性を有し、且つ粉塵を捕獲することができる生地が採用されており、本実施形態においては、不織布が採用されている。該フィルター部1は、平面視略矩形状に形成されており、長手方向が前記エアーコンディショナーの幅X(図1)以上に寸法設定されるとともに、短手方向がエアコン本体50の奥行きY(図1)と、前面パネル51の縦方向の長さZ(図1)の合計以上に寸法設定されている。
【0038】
また、該フィルター部1は、防カビ剤、消臭剤、及びマイナスイオン発生物質を含有して形成されている。具体的には、特開2002−308712号公報所載の「式:Ti(OH)(PO(HPO(HPO(OR)(Rは炭素数1〜4のアルキル基、x、y、z、l及びmは、それぞれ0以上の数値であり、x+3y+2z+l+m=4を満たす。)で表されるリン酸チタニウム系化合物またはその縮合体を有効成分とするもの」がフィルター部1に含浸されている。この含浸させたリン酸チタニウム系化合物またはその縮合体を有効成分とするものは、防カビ剤、消臭剤、抗菌剤、マイナスイオン発生物質として機能する。
【0039】
前記圧入部2は、棒状に形成されており、弾性変形可能に構成されている。該圧入部2は、フィルター部1の短手方向の一端縁に沿って形成されている。
【0040】
具体的に説明すると、該圧入部2は、図3(図2における断面I―I)に示す如く、弾性変形可能な発泡樹脂(例えば、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン等)を所定の外径で棒状に形成した心材3に対して前記フィルター部1の一端部を巻き付けるように、前記フィルター部1の一端部を折り返し、該折り返しにより対向した部分同士を接着することで前記圧入部2が形成されている。
【0041】
該圧入部2は、外径が前記エアーコンディショナーとエアコン本体50の背面との間の隙間Aより大きく設定されている。これにより、圧入部2は、前記隙間Aに圧入した際に、エアコン本体50の背面及び壁面Wに弾性により復元力が作用するようになっている。
【0042】
上記構成のフィルターをエアーコンディショナーに取り付けるには、図4(イ)に示す如く、フィルターの圧入部2を、エアコン本体50の上方側からエアコン本体50と壁面Wとの間の隙間Aに押し込み(圧入し)、フィルター部1をエアコン本体50の天面、及び前面パネル51の前面に沿わして当該フィルター部1の他端側を垂下させる。そして、前面パネル51を開き、図4(ロ)に示す如く、フィルター部1が前面パネル51の前面に密接させるように、フィルター部1を下方に引っ張りつつ、当該フィルター部1の他端部を前面パネル51の後面(エアコン本体50)側に折り返す。
【0043】
そして、図4(ハ)に示す如く、フィルター部1の他端部の折り返し状態を維持させたまま、前面パネル51を閉じることにより、当該フィルター部1の他端部がエアコン本体50と前面パネル51とによって狭持された状態となり、フィルターの取り付けが完了する。
【0044】
そして、フィルター部1の長手方向が、エアーコンディショナーの幅より長い場合には、フィルターがエアーコンディショナーの幅に合うように、フィルター部1をはさみ等で短手方向に切断し、これに合わせて圧入部2を切断すれば当該フィルターを見栄えのよい状態で取り付けることができる。
【0045】
この状態で、エアーコンディショナーを駆動すると、フィルター部1、吸気口57、除塵フィルター54を介して室内の空気が吸引され、該空気が熱交換器によって加熱、或いは冷却されて前記送風口53から送風されることとなる。
【0046】
この際、室内の空気がフィルター部1を通過する際に、粉塵がフィルター部1の繊維目に捕獲されることとなり、該フィルター部1以降の前面パネル51の吸気口57、除塵フィルター54等には粉塵の除去されたクリーンな空気が流れ込むこととなる。
【0047】
したがって、前面パネル51、除塵フィルター54に粉塵が付着することがないので、前面パネル51の清掃、除塵フィルター54の洗浄・交換作業の作業頻度が少なくなる。
【0048】
また、前記フィルター部1は、防カビ剤、消臭剤、マイナスイオン発生物質として特開2002―308712公報所載のものが含浸されているので、防カビ剤、消臭剤、マイナスイオン発生物質を個別に含有させることなく各機能を発揮させることができる。したがって、室内の空気の通過に伴って各成分がエアコン本体50内に入り込むと、熱交換器等での結露等によってこれまで発生していたカビの発生が防カビ剤の成分により防止され、異臭の発生が消臭剤の成分により防止され、雑菌の発生がマイナスイオンによる殺菌効果によって防止されることとなる。なお、室内の空気が異臭を含む場合においても、その空気がフィルター部1を通過する際に消臭剤によって消臭されることとなる。
【0049】
また、マイナスイオン発生物質によって発生したマイナスイオンは、空気の流れに沿って、エアコン本体50内を介して送風口53から空気と伴に室内に放出されるので、該室内をマイナスイオン雰囲気にすることができ、該室内に滞在する人にリラックス効果を与えることができる。
【0050】
上記構成のフィルターのフィルター部1が目詰まりが発生した場合には、上記した取付手順とは逆に、前面パネル51をあけてフィルター部1の他端部の狭持状態を解除するとともに、圧入部2を隙間Aから取り出せば当該フィルターを取り外すことができ、上記構成と同様のフィルターに交換したり、取り外したフィルターを洗浄して再度取り付けたりすることで、目詰まりを解消することができる。
【0051】
以上のように、本実施形態にかかるフィルターは、エアーコンディショナーにおける吸気口57を備えた前面パネル51、及び除塵フィルター54に粉塵が付着するのを抑制して清掃頻度を下げることができ、取り扱いが容易である。
【0052】
尚、本発明のフィルターは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0053】
本実施形態において、フィルター部1を不織布で構成したが、これに限定されるものではなく、通気性を有して粉塵の捕獲が可能なシート状のものであればよく、例えば、目の細かいメッシュ生地等であってもよい。
【0054】
本実施形態において、圧入部2をフィルター部1に直接連設したが、これに限定されるものではなく、例えば、本実施形態における心材3自体を圧入部2とするとともに、フィルター部1を前記前面パネル51の前面を覆える大きさに設定し、該圧入部2とフィルター部1とを別の部材(例えば、他のシート体や、帯状体、紐状体)を介して連結するようにしてもよい。この場合、取付状態において別部材がエアコン本体50の天面上に位置することとなる。
【0055】
また、本実施形態において、フィルター部1の他端部を前面パネル51の裏面側に折り返し、前面パネル51とエアコン本体50とで狭持可能に当該フィルター部1を寸法設定したが、フィルター部1は、必ずしも前面パネル51とエアコン本体50とで狭持可能に寸法設定する必要はなく、前面パネル51の吸気口57を覆えるようにしていればよい。すなわち、該フィルター部1は、空気がエアコン本体50内に吸引される前面パネル51の前面に配置されるものであり、エアーコンディショナーが駆動している場合には、空気の吸い込みによってフィルター部1に密着した状態となるので、当該フィルター部1は、必ずしも前面パネル51とエアコン本体50とで狭持できるように寸法設定しなくてもよい。
【0056】
また、本実施形態における圧入部2は、弾性変形可能な心材3にフィルター部1の他端部を巻き付けて形成したが、これに限定されるものではなく、例えば、フィルター部1の他端部を巻き付け、該巻き付けのみで棒状の圧入部2を形成してもよい。この場合、フィルター部1は、生地自体に弾性のある不織布であることが好ましい。
【0057】
さらに、本実施形態において、圧入部2をフィルター部1の一端縁の全長に沿って形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、圧入部2をフィルター部1の一端縁に沿って断続的に複数形成したものであってもよい。
【0058】
本実施形態において、特開2002―308712号公報所載のものをフィルター部1に含浸させて、防カビ剤、消臭剤、マイナスイオン発生物質として機能させるようにしたがこれに限定されるものではなく、例えば、防カビ剤として、チアベンダゾールを採用し、消臭剤として、臭いの成分を吸着する吸着能を備えた炭や、ゼオライト等を採用し、マイナスイオン発生物質として、トルマリン鉱石をはじめとするマイナスイオンを発生するとされる鉱石などを採用することができる。したがって、防カビ剤、収集剤、マイナスイオン発生物質は、必ずしもフィルター部1に含浸させるものに限定されるものではなく、これらの物質の態様に応じて、例えば、バインダーを介してフィルター部1の表面に付着させたり、これらを練り込んでフィルター部1を形成したりするようにしてもよい。
【0059】
さらに、本実施形態におけるフィルターに、防カビ、消臭、マイナスイオン発生機能を持たせたが、これに限定されるものではなく、これらの機能を必要に応じて付加させればよい。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかるフィルターによれば、壁面とエアコン本体との間の隙間に圧入可能に構成された圧入部と、通気性を有して粉塵の通過を防止するシート状のフィルター部とを備え、前記圧入部は、フィルター部に連設されるとともに、フィルター部は、圧入部を隙間に圧入した状態で、前記前面パネルの前面を被覆可能に設けられているので、エアーコンディショナーにおける吸気口を備えた前面パネル、及び除塵フィルターに粉塵が付着するのを抑制して清掃頻度を下げることができ、取り扱いが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるフィルターの取付対象となるエアーコンディショナーの一部破断部を含む全体斜視図を示す。
【図2】同実施形態にかかるフィルターの全体斜視図を示す。
【図3】図2におけるI―I断面図を示す。
【図4】同実施形態にかかるフィルターの取り付け方法を説明するための説明図であって、(イ)は、隙間に圧入部を圧入した状態を示し、(ロ)は、前面パネルの下端部に沿ってフィルター本体の他端部を折り返した状態を示し、(ハ)は、フィルターが取り付けられた状態を示す。
【符号の説明】
1…フィルター部、2…圧入部、3…心材、50…エアコン本体、51…前面パネル、52…吸気部、53…送風口、54…除塵フィルター、55…枠体、56…フィルター本体、57…吸気口、A…隙間、W…壁面

Claims (6)

  1. 隙間を形成して壁面に取り付けられたエアコン本体の前面の吸気部に対向配置され、前記エアコン本体に開閉可能に設けられた前面パネルの吸気口から前記吸気部に向けて粉塵が流入するのを防止するフィルターであって、前記隙間に圧入可能に構成された圧入部と、通気性を有して粉塵の通過を防止するシート状のフィルター部とを備え、前記圧入部は、フィルター部に連設されるとともに、フィルター部は、圧入部を隙間に圧入した状態で、前記前面パネルの前面を被覆可能に設けられてなることを特徴とするフィルター。
  2. 前記圧入部は、弾性を有して変形可能な棒状に形成されるとともに、フィルター部の一端縁に沿って設けられてなり、前記フィルター部は、前記前面パネルを覆った状態で、他端部が前記エアコン本体と前面パネルとで狭持可能に構成されてなる請求項1記載のフィルター。
  3. 前記フィルター部は、不織布で構成されてなる請求項1又は2記載のフィルター。
  4. 前記フィルター部は、防カビ剤を含有してなる請求項1乃至3の何れかに記載のフィルター。
  5. 前記フィルター部は、消臭剤を含有してなる請求項1乃至4の何れかに記載のフィルター。
  6. 前記フィルター部は、マイナスイオンを発生するマイナスイオン発生物質を含有してなる請求項1乃至5の何れかに記載のフィルター。
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