JP2004251288A - 内燃機関の排気系圧力推定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】別ルーチンで求められたシリンダ吸入空気量Qac,シリンダ吸入EGR量Qec,吸気温度Ta,排気温度Te,体積効率相当値Kinを入力し(S1) 、これらの値に基づいて吸気圧Pmを演算する (S2) 。
【選択図】 図4
Description
また過給機付機関の場合は、オイル劣化等による過給機の作動特性の変化により過渡運転時の最適化ができないという問題が判明した。
排気還流(EGR)装置を備えた内燃機関において、
機関に吸入される空気流量を検出する吸入空気流量検出手段と、
機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
検出された機関の吸入空気流量に基づいてシリンダから排出される排気量を演算するシリンダ排出排気量演算手段と、
シリンダに吸入されるシリンダ吸入EGR量を演算するシリンダ吸入EGR量演算手段と、
前記演算されたシリンダ排出排気量とシリンダ吸入EGR量と機関回転速度とを含む要素に基づいて排気系圧力を演算する排気系圧力演算手段と、
を含む排気系圧力推定手段と、
を含んで構成したことを特徴とする。
吸入空気流量検出手段で検出された機関の吸入空気流量と回転速度検出手段で検出された機関回転速度との関係から排気系圧力推定手段が、排気系圧力を推定する。
一方、機関5の燃焼室に装着された燃料噴射ノズル6には、噴射ポンプ7から各気筒に分配して燃料が圧送供給され、該燃料噴射ノズル6から燃焼室に向けて燃料が噴射され、該噴射された燃料は圧縮行程末期に着火して燃焼される。
燃焼後の排気は、排気マニホールド8より前記過給機1の排気タービン1Bを回転駆動させた後、排気中に含まれるパーティキュレート (排気微粒子) 等がフィルタ14で捕集され、マフラー15で消音された後に大気中に放出される。
まず、吸気系圧力 (以下吸気圧という) Pmの演算のルーチンを、図2のフローチャートに従って説明する。
ステップ (図ではSと記す。以下同様) 1では、それぞれ後述する別ルーチンで演算された1シリンダ当りの吸入空気量Qac,1シリンダ当りの吸入EGR量Qec,吸気温度Ta,EGR温度Te,体積効率相当値Kinを入力する。
Pm=R/Kvol/Kin× (Qac×Ta+Qec×Te)
次に、排気系圧力 (EGR取出口の圧力,以下排気圧という) Pexhの演算のルーチンを、図3のフローチャートに従って説明する。尚、このルーチンが排気系圧力演算手段に相当する。
Pexh= (Qexh−Qe) ×Texh×Ne×Kpexh+Opexh
図4は、1シリンダ当りの吸入空気量 (以下シリンダ吸入空気量という) Qacを演算するフローチャートを示す。尚、このルーチンがシリンダ吸入空気量演算手段を構成する。
ステップ22では、前記出力値Q0 から変換テーブルにより吸入空気流量Qasmを求める。
ステップ23では、前記吸入空気流量Qasmに対して加重平均処理を行ってQas0を求める。ステップ24では、回転速度センサ17により検出される機関回転速度Neを読み込む。
Qac0=Qas0/Ne×Kc
ステップ26では、前記シリンダ当りの吸入空気量Qac0のn回演算分のディレイ処理を行い、吸気コレクタ入口部の吸入空気量Qacnを演算する。具体的には、最新から過去n回前までのQac0を記憶しておき、n回前のQac0値をQacnとして取り出す。
Qac=Qacn-1 × (1−Kvol×Kin)+Qacn×Kvol×Kin
このようにして、シリンダ当りの吸入空気量Qacを精度良く求めることができる。
次にEGR制御時にシリンダ当りの吸入EGR量を演算するルーチンを、図5のフローチャートに従って説明する。尚、このルーチンがシリンダ吸入EGR量演算手段を構成する。
ステップ32では、機関回転速度Neを読み込む。
ステップ33では、前記EGR量Qeと機関回転速度Neとから、吸気コレクタ部へ吸入されるシリンダ容積当りのEGR量Qecnを演算する。
Qec=Qecn-1 × (1−Kvol×Kin)+Qecn×Kvol×Kin
図6は、吸入空気 (EGRガスを含まない新気) の温度Taを演算するルーチンのフローチャートである。尚、この処理は、吸気温度を直接検出するセンサを有する場合は、不要である。
ステップ42では、次式により断熱変化の関係から吸入空気温度Taを演算する。
Ta=TA♯× (Pmn-1 /PA♯)(K-1)/K +TOFF♯ここで、TA♯,PA♯は標準状態の温度,圧力であり、TOFF♯は大気から吸気コレクタに空気が入るまでの温度上昇分であるが、これらの値を水温等に応じて補正してもよい。
ステップ52では、後述するルーチンで求められた排気温度Texhを入力する。
ステップ53では、次式によりEGR温度Teを演算する。
Te=Texh×KTLOS♯
KTLOS♯は、EGR通路によるEGRの温度低下係数である。
ステップ61では、前回求められた吸気圧Pmn-1 を入力する。
ステップ62では、前記吸気圧Pmn-1 から、図9に示すようなテーブルを用いて圧力補正係数Kinpを演算する。
ステップ64では、前記圧力補正係数Kinp及び回転補正係数Kinnを用いて、体積効率Kinを次式により演算する。
Kin=Kinp×Kinn
図11はEGR出口部の排気温度Texhを演算するルーチンのフローチャートである。尚、この処理は、排気温度を直接検出するセンサを有する場合は、不要である。
ステップ72では、前記同様のサイクル遅れ分遡って演算された吸気温度Tnoを入力する。
ステップ73では、前記図3で演算された排気圧力Pexhn-1 を入力する。
ステップ75では、前記吸気温度Tnoから次式により吸気温度補正係数Ktehxh1を演算する。
Ktexh1= (Tno/TA♯)KN
吸気温度補正係数Ktehxh1は、上記のように標準温度に対する吸気温度の比のKN乗として求められるものであり、吸気温度上昇による排気温度の上昇割合を示すものである。
Ktexh2= (Pnehxn-1 /PA♯)(Ke-1)/Ke
ステップ77では、前記基本排気温度Texhb,吸気温度補正係数Ktexh1,温度上昇補正係数Ktehxh2により、次式により排気温度Texhを次式により演算する。
図13は、EGR流量Qeを演算するルーチンのフローチャートである。尚、このルーチンがEGR流量演算手段を構成する。
ステップ81では、吸気圧Pm,排気圧Pexh,EGR制御弁の実リフト量Liftsを入力する。
ステップ83では、次式によりEGR流量Qeを演算する。
Qe=Ave× (Pexh−Pm) 1/2 ×KR♯
ここで、KR♯は定数で、前後差圧ΔPにおける流速qの式q= (ΔP・2ρ) 1/2 から略 (2ρ) 1/2 に等しい値である (但し、ρは排気の密度) 。
ステップ91では、シリンダ吸入空気量Qac,燃料噴射量Qsol,シリンダ吸気温度Tnを入力する。尚、シリンダ吸気温度Tnは例えば次式により演算することができる。
(Qac×Ta+Qec×Te) / (Qac+Qec)
ステップ92では、前記Qac,Qsol,Tnにサイクル処理を施す。排気行程との位相合わせのため、吸気行程におけるQac,Tnについてはシリンダ数から1を引いた分、圧縮行程におけるQsolについてはシリンダ数から2を引いた分のディレイ処理を行い、夫々Qexh,Tno,Qfoとし処理を終了する。
図16は、EGR制御弁の指令リフト量Lifttを演算するルーチンのフローチャートである。
ステップ101 では、吸気圧Pm,排気圧Pexh,要求EGR量Tqeを入力する。
ステップ102 では、次式によりEGR制御弁の要求流路面積Tavを演算する。ここで、KR♯は前記図13のステップ83で用いたものである。
ステップ104 では、前記目標リフト量Mliftに弁の作動遅れ分の進み処理を行い、その値を指令リフト量Lifttとして出力する。
図18は、要求EGR量Tqeを演算するフローチャートである。
ステップ112 では、シリンダ吸入空気量Qacに目標EGR率Megrを乗じることにより吸気コレクタへの目標EGR流量Tqec0を求める。
ステップ113 では、前記吸入EGR量Tqec0に吸気系容積分の進み処理を進み処理を行い、シリンダへの目標EGR流量Tqecを求める。
ステップ121 では、機関回転速度Ne, 燃料噴射量Qsolを入力する。ステップ122 では、機関回転速度Neと負荷の代表値である燃料噴射量Qsolとに基づいて、例えば図20に示すようなテーブルから目標EGR率Megrを検索する。
ステップ131 では、機関回転速度Ne及びコントロールレバー開度CLを読み込む。
ステップ132 では、機関回転速度Neとコントロールレバー開度CLとから基本燃料噴射量Mqdrvを、例えば図22に示すようなテーブルから検索する。
ステップ133 では、前記基本燃料噴射量Mqdrvを水温等の各種補正係数によって補正してQsollを求める。
以上のようにすれば、EGR制御を行う場合に、シリンダ排出排気量とシリンダ吸入EGR量と機関回転速度とを含む要素に基づいて、前記演算式を用いて排気系圧力を精度良く演算することができる。
6 燃料噴射ノズル
7 燃料噴射ポンプ
11 バキュームポンプ
13 コントロールユニット
16 エアフローメータ
17 回転速度センサ
18 レバー開度センサ
19 水温センサ
31 スロットル弁
34 リフトセンサ
Claims (7)
- 機関に吸入される空気流量を検出する吸入空気流量検出手段と、
機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
検出された機関の吸入空気流量と回転速度とを含む要素に基づいて吸気系圧力を推定する吸気系圧力推定手段と、
を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の吸気系圧力推定装置。 - 前記吸気系圧力推定手段は、
機関の吸入空気流量と、回転速度と、体積効率相当値と、容積比 (吸気系の総容積に対するシリンダ容積の比) と、を含む要素に基づいてシリンダに吸入される空気量を演算するシリンダ吸入空気量演算手段と、
前記演算されたシリンダ吸入空気量と、体積効率相当値と、前記容積比と、を含む要素に基づいて吸気系圧力を演算する吸気系圧力演算手段と、
前記体積効率相当値を、機関運転開始時に初期値に設定し、その後は演算された吸気系圧力と検出された機関回転速度とを含む要素に基づいて演算した値で更新していく体積効率相当値演算手段と、
を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気系圧力推定装置。 - 内燃機関が排気還流 (EGR) 装置を備えており、
前記吸気系圧力推定手段は、
吸気系に吸入されるEGR流量を演算するEGR流量演算手段と、
演算されたEGR流量と、機関の回転速度と、体積効率相当値と、容積比 (吸気系の総容積に対するシリンダ容積の比) と、を含む要素に基づいてシリンダに吸入されるEGR量を演算するシリンダ吸入EGR量演算手段と、
を含んでおり、
前記吸気系圧力演算手段は、演算されたシリンダ吸入EGR量を含む要素に基づいて吸気系圧力を演算することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の吸気系圧力推定装置。 - 前記吸気系圧力演算手段は、次式により吸気圧力を演算することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の吸気圧力推定装置。
Pm=R/Kvol/Kin× (Qac×Ta+Qec×Te)
Pm:吸気圧力Kvol:1シリンダ容積/吸気系容積
Qac:1シリンダ当りの吸入空気量
Qec:1シリンダ当りの還流排気量
Ta:吸気温度
Te:還流排気温度
R,Kpm,Opm:定数 - 機関に吸入される空気流量を検出する吸入空気流量検出手段と、
機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
検出された機関の吸入空気流量と回転速度とを含む要素に基づいて排気系圧力を推定する排気系圧力推定手段と、
を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の排気系圧力推定装置。 - 内燃機関が排気還流 (EGR) 装置を備えており、
前記排気系圧力推定手段は、
シリンダから排出される排気量を演算するシリンダ排出排気量演算手段と、
シリンダに吸入されるシリンダ吸入EGR量を演算するシリンダ吸入EGR量演算手段と、
演算されたシリンダ排出排気量とシリンダ吸入EGR量と機関回転速度とを含む要素に基づいて排気系圧力を演算する排気系圧力演算手段と、を含んでいることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の排気系圧力推定装置。 - 前記排気系圧力演算手段は、次式により吸気圧力を演算することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の排気系圧力推定装置。
Pexh= (Qexh−Qe) ×Texh×Ne×Kpexh+Opexh
Pexh:排気系圧力
Qexh:排気温度
Ne:機関回転速度
Kpexh,Opexh:定数
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