JP2004250842A - 炭素繊維の製造方法 - Google Patents

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Atsushi Kawamura
篤志 川村
Masashi Masuyama
正志 増山
Katsuhiko Ikeda
勝彦 池田
Takahiko Kunisawa
考彦 國澤
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Abstract

【課題】収納容器から垂直に引き上げられるトウを、折れ曲がりや捩れ(撚り)、厚みむらを生じさせずに引き上げ、焼成工程における糸切れや毛羽発生を防止し、アクリル繊維トウから高品質の炭素繊維を生産性よく製造する。
【解決手段】収納容器1にトラバースしながら収納されたアクリル繊維トウ3を、垂直方向に引き上げ焼成する炭素繊維の製法であって、トラバース幅Xと引き上げ高さYとの関係を2X≦Y≦10X垂直方向に引き上げて整トウガイドに接触させて整トウするに当り、前記収納容器の直上で引き上げたトウに、自重の0.8倍または次式で算出される張力のうち何れか大きい方の数値の張力以上の張力を更に付与することを特徴とする炭素繊維の製造方法。f≧4.5×10−4×F(ここにfは収納容器の直上で自重にさらに付与する張力(g)、Fは総繊度(デニール)を示す。)
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分割することのできるアクリル繊維トウ(以下、単にトウという場合もある。)を用いた炭素繊維の製造方法、特に、品位、物性に優れた炭素繊維を得るために前駆体であるアクリル繊維トウを非捲縮糸とした場合に収納容器からの引き出し性に優れ、安定に炭素繊維製造工程にトウを供給する方法に関する。更に詳しくは、製造コストが低く、生産性に優れ、糸切れ、毛羽の発生が少ない、分割することのできるアクリル繊維トウを用いた炭素繊維の製造方法であって、耐炎化工程で均一、かつ、安定に耐炎化処理を行うことが可能な炭素繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素繊維は、通常フィラメント数1,000〜30,000本の少数のフィラメントからなり、その前駆体であるアクリル繊維トウの梱包形態は一般にボビン巻きである。そこで炭素繊維製造工程においては、ボビンに巻き取られた前駆体をボビンから巻き戻した後、フィラメント密度を100〜5,000デニール/mmに櫛ガイドまたは溝ローラーで規制して耐炎化工程に供給する方法が採用されている。炭素繊維の製造コスト化を下げるためには、一般にフィラメント数が40,000本以上のいわゆるラージトウを使用すれば生産能力が上がり効果的であるが、ラージトウをボビン巻きすることが困難なため、収納容器に振り込んで梱包するのが一般的である。
【0003】
従来、収納容器からトウを引き上げる技術は、衣料用繊維トウで用いられる整トウ技術が一般的であるが、その際の要求事項は、トウを均一、かつ、シート状に拡げる必要がなく、また、小トウへ分割する必要もなく、トウを長手方向に沿ってほぼ平行に重ねてカット工程へ供給することができればよかった。一方、炭素繊維前駆体としてのトウを収納容器から引き上げる際に、この方法で整トウし、焼成する場合に、トウの厚みむら、捩れ(撚り)が発生すると耐炎化工程において反応熱が蓄積し、蓄熱により糸切れが発生したり、部分的に多くの毛羽が発生し、ローラーに巻き付きが生じる等の問題がある。
【0004】
従来の技術として収納容器からトウを、所定の引き上げ高さに整トウガイドを配置する方法が開示されている(例えば特許文献1参照)が、引き上げ高さ分のトウの自重によって整トウガイドにフィードされる前に捩れ(撚り)を解除する必要があり、特にトウが非捲縮糸である場合、安定して捩れを解除することができなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−229241号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、炭素繊維製造工程において、収納容器から垂直に引き上げられるトウに、さらに張力を付与し、収納容器に振り込まれたトウの最上層面からトラバースしながら引き上げられるトウに、折れ曲がりや、捩れ(撚り)、厚みむらを生じさせることなく引き上げ、焼成工程における糸切れや、毛羽発生による巻き付きを防止し、アクリル繊維トウから炭素繊維を生産性よく製造しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、収納容器にトラバースしながら収納されたアクリル繊維トウを、垂直方向に引き上げ焼成工程に送って炭素繊維を製造する方法であって、トラバース幅Xと引き上げ高さYとの関係を2X≦Y≦10X垂直方向に引き上げて整トウガイドに接触させて整トウするに当り、前記収納容器の直上で垂直に引き上げたトウに、自重の0.8倍または次式で算出される張力のうち何れか大きい方の数値の張力以上の張力を更に付与することを特徴とする炭素繊維の製造方法にある。
f≧4.5×10−4×F
(ここにfは収納容器の直上で自重にさらに付与する張力(g)、Fは総繊度(デニール)を示す。)
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、実施の態様を詳細に説明する。
本発明において、炭素繊維の前駆体であるアクリル繊維トウは、シート状でトラバースされて、前後、左右に振られながら、収納容器に振り込まれる。トウが収納された収納容器は、前駆体製造工程から耐炎化工程を経る炭素繊維製造工程へ移送され、例えば直置き、又は、台車やパレット等に積み替えられて静置された後、トウが収納容器から垂直に引き上げられ整トウされる。
【0009】
トラバースされて収納容器に収納されたアクリル繊維トウを、垂直方向に引き上げ焼成する炭素繊維の製造方法において、トラバース幅Xと引き上げ高さYとの関係を2X≦Y≦10X垂直方向に引き上げて、整トウガイドに接触させて整トウする。ここで、引き上げ高さとは、収納容器中のトウの最上層面から整トウガイドまでの距離をいう。トウの引き上げの際に本発明においては、整トウガイドへトウの捩れや撚りがフィードされるのを防ぐため、整トウガイドと収納容器の直上との間にトウに下方に張力を付与する手段を設ける。
【0010】
引き上げつつあるトウに張力を付与する手段としては、少なくとも2本の固定したバーまたはロールに接触することによる方法や、トウをスリット間を通過させ、その際の接触摩擦により張力を得る方法、下向きに流れるエア流内を通過することによって得られる空気流との摩擦抵抗により張力を得る方法などが採用できる。
この張力付与手段として最も簡易な設備としては、少なくとも2本の固定したバーまたはロールに接触する方法が挙げられる。この方法においては、トウのトラバースに伴う巻き付き角など接触状態の変化があるため、隣接して水平方向に配置された2本のガイドバーの間を単に通すのみでは連続して張力を付与し続けることが困難であり、S字状にトウを通過させるか、少なくとも2本のバーまたはロールが垂直方向に並んでいる方法がより好ましい手段として挙げられる。
【0011】
アクリル繊維トウから炭素繊維を製造するための焼成工程は、通常耐炎化工程とそれに引き続く炭素化工程とからなる。用いるアクリル繊維トウは、1本のトウ形態を保ちながら、2本以上の複数の小トウに分割することのできるアクリル繊維トウや、主に耐炎化工程通過後に得られる耐炎繊維として供されるトウである。詳しくは、所定数の複数の糸条群が並行してなるトウに各糸条群の側端部(耳部)で互いに弱く交絡し合い、シート状に保持させた形態であることが好ましい。
【0012】
炭素繊維の前駆体であるアクリル繊維トウは、アクリロニトリル単位90〜99.9質量%に対し、他の共重合可能なモノマー単位を0.1〜10質量%の割合で共重合させたアクリロニトリル共重合体を紡糸して得られるアクリル繊維トウである。アクリロニトリルと共重合可能な他のモノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸又はその塩、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリロニトリル、クロロアクリルニトリル等である。
【0013】
次に、添付の図面に基づいて説明する。トウ3の引き上げ高さとは、図1に示した様に収納容器1内のトウの最上層面から整トウガイド2までの距離Y(m)をいう。このときトウ3の引き上げ高さは、図2に示すように収納容器1内におけるトウのトラバース幅X(m)との関係が2X≦Y≦10Xになるように設定する必要がある。
整トウガイド2は、少なくとも2本、通常3本以上のガイドバーから構成される。かかるガイドバーは平ガイドバーであっても、湾曲ガイドバーであってもよい。トウ3は、図3に1例として示した様にガイドバーに互い違いに接触させつつ通し次の工程に送られる。
図3には、ガイドバーA〜Eの配置の1例を示す。ガイドバーA〜Eは平ガイド(直線状ガイド)と、湾曲ガイド(長手方向にある曲率で湾曲したガイド)から構成される。この場合、A〜Cを平ガイド、D〜Eを湾曲ガイドとする組合せや、A、C、Eを平ガイド、B、Dを湾曲ガイドとする組合せなどが用いられる。図3には5本のガイドバーによって構成される整トウガイドの例を示しているが、必ずしも5本に限定されるわけではなく、トウの走行状態などから適宜その構成本数を決定すればよい。
【0014】
本発明においてトウの上記引き上げ高さYが10Xより大きい場合は、整トウガイド2の設置高さが高く糸掛け等の作業性が悪く、また、クリール設備を大きくする必要があり製造コストが上昇し好ましくない。一方、2Xより小さい場合は、整トウガイド2を構成するガイドバーA〜C上で糸揺れが発生しやすく、湾曲ガイドD〜E上で走行糸条の片寄りや、トウ側端部の折れ曲がりや、捩れ(撚り)が発生しやすくなる。また、糸揺れが増加するため、隣接する収納容器から引き上げられたトウが互いに接触しないように隣接する収納容器との間隔を確保する必要が生じ、クリール設備面積が大となり製造コストが上昇するという問題がある。
【0015】
次に、図4に垂直方向に並んだ3本のバーによる実施の態様を示す。図4は収納容器1や、その上部に設けられる整トウガイド2との向きの関係示す。収納容器の直上に取り付けられるガイドバー4には平ガイドバーが用いられる。なお、ガイドバー4の材質はいずれであってもよいが、耐久性及びコストを考慮すれば鉄、ステンレス等の金属、またはセラミックが好ましい。ガイドバー4の直径も特に制約を受けるものではないが、収納容器1に直接取り付ける場合が多いことなどを考慮すると、直径15mm〜50mm程度のものが好適である。また、複数の平ガイドバーの取り付け間隔も特に制約を受けるものではなく、与えたい張力を増やしたい場合は取り付け間隔を狭めるなどして巻き付き角を大きくするなど適宜調整すればよい。
【0016】
また、図5においてはスリット5間を通過させる場合の実施の態様を示す。図5にはスリット5の方向と収納容器1や、上部に設けられる整トウガイド2との向きの関係示す。スリット部の材質はいずれを問わないが、耐久性、コストを考慮するとステンレス等の金属板によるものが好ましい。スリット5のクリアランスは2〜8mm、スリットの長さは20〜100mmが好適であるが、さらにスリット長さとスリットクリアランスは、糸通し性や、付与しようとする張力などを考慮してそのクリアランスを調整できるようにしておくか、または、あらかじめ確認を行って適宜調整すればよい。
【0017】
さらに、図6に下向きエア流内を通過させる場合の実施の態様を示す。
エア流(矢印で示す)は、エアカーテン流が好ましく、トウに張力を効率的に付与するためには、15°〜45°の角度でエア流がトウに当たるように設置するのが好ましい。図6はエアカーテン流の方向と容器1や、上部に設けられる整トウガイド2との向きの関係も示している。
【0018】
本発明で用いるアクリル繊維トウの形態は、50,000デニール以上250,000デニール以下の小トウへ分割することが出来、かつ、繊度が150,000〜1,500,000デニールのトウを用いることが好ましい。さらに、本発明は、総繊度150,000〜9,000,000デニールの小トウへの分割することが出来ない炭素繊維製造工程の耐炎化工程通過後に得られ、耐炎繊維として供されるアクリル繊維を用いることも可能である。
【0019】
整トウ後のトウの糸条密度は2,000〜7,500デニール/mmに規制することが好ましい。ここに糸条密度とは、糸条幅1mm当たりのフィラメント数を指し、通常フィラメント数(KD)/糸幅(mm)で算出する。炭素繊維製造工程では、クリールから耐炎化工程に送られる糸条密度を規制することで多糸条並列運転が可能となり、製造コストを下げることができるが、糸条密度が7,500デニール/mmを超えるとトウに厚みむらが生じやすくなるため、耐炎化工程において反応熱による蓄熱が起こる可能性が高く、糸切れ等の問題が生じることがある。また、糸条密度が2,000デニール/mmより小さいと、クリール設備が大幅に大きくなり、製造コストが上昇する原因となる。
【0020】
本発明において整トウガイド2は、前述したように3本以上の平ガイドバーおよび2本以上の湾曲ガイドバーを用いることが好ましい。また、整トウガイド2の構成については、トウの側端部の折れ曲がり、捩れ(撚り)の抑制効果のあるようにガイドバーを配置するのがよい。
また、本発明では、必要に応じ整トウ後にピンガイドなど小トウ単位に分割する工程を設けることも可能である。
【0021】
【実施例】
次に、本発明の実施例を挙げてより具体的に説明する。
[実施例1]
50,000デニールの三つの小トウに分割することのできる総繊度150,000デニールのアクリル繊維トウ3を、収納容器1にトウのトラバース幅Xを0.72mとして振り込んで収納した。
次に、図4に示す如くトウ3が収納された収納容器1の直上に直径20mmのステンレス製丸棒をセンター間の距離が50mmのピッチで3本垂直に並べて配置した箱直上ガイドバー4を取りつけた。
トウ密度を2,000〜7,500デニール/mmに規制する整トウガイド2の構成は、図2に示すように収納容器1中でのトラバース幅X(m)と、図1に示すようにトウ最上層面から最初の整トウガイド2までの高さY(m)の比がY=3.3Xとした。また、整トウガイド2は平ガイドバー(表面粗度:Ra 3.2a)をA、C、Eの3本と、湾曲ガイドバー(曲率半径:600mm、表面粗度:Ra 3.2a)B、D2本を用いて図3に示すように構成した。
この工程を通して250m/hrの速度でトウ3を炭素繊維焼成工程へ供給した。収納容器1より引き上げられているトウ3の自重44gであるのに対して、収納容器1直上の垂直ガイドバー4で付与する張力は、その接触状態で変動はあるものの、100〜130gの範囲であり、トウの自重より大きい範囲であった。50時間にわたって捩れ(撚り)がフィードされず安定に炭素繊維を製造することができた。
【0022】
[比較例1]
実施例1において収納容器1箱直上垂直ガイドバー4を設置せず、その他は実施例1と同様にして炭素繊維の製造を実施した。本例のトウ3の張力は自重分のみである。その結果、トウの供給を開始してから4時間後に捩れ(撚り)が炭素繊維製造工程にフィードされ、耐炎化工程で糸切れが発生したため製造工程を停止した。
【0023】
[比較例2]
図7に示す様に収納容器1に箱上ガイドバー7を平行に2本、間隔50mmで配置し、その他は実施例1と同様にして炭素繊維の製造を実施した。このときの収納容器1の直上に設けたガイドバー7によって付加された張力は、トウとガイドバー7との接触状態によって異なるものの、その範囲は45〜60gであった。その結果、トウの供給を開始してから4時間後に捩れ(撚り)が炭素繊維製造工程にフィードされ、耐炎化工程での糸切れが発生したため製造工程を停止した。
【0024】
[比較例3]
図2に示す収納容器1中でのトラバース幅X(m)と、トウの最上層面から最初の整トウガイドまでの高さY(m)の比がY=1.5Xとした外は実施例1と同様にして炭素繊維の製造を実施した。収納容器直上に設けられたガイドバー4によって付与される張力は実施例1と同様100〜130gであった。このようにしてトウ3をフィードしたところ、トウの供給を開始してから15分後に収納容器直上のガイドを通過した捩れ(撚り)が充分に解除されずそのまま整トウガイド2を通過し炭素繊維製造工程にフィードされ、耐炎化工程において糸切れが発生したので製造工程を停止した。
【0025】
[実施例2]
実施例1において収納容器1の直上にガイドバー4を取り付ける代わりに、図5に示すようにスリットクリアランス3mm、スリット長さ100mmとしたステンレス製のスリット5を設置したほかは実施例1と同様にして炭素繊維を製造した。スリットとの接触によって付与される張力は120〜140gであった。その結果、実施例1と同様に50時間にわたって捩れ(撚り)がフィードされず安定に炭素繊維を製造することが可能であった。
【0026】
[実施例3]
実施例1において収納容器1の直上にガイドバー4を取り付ける代わりに、図6に示すようにエアカーテン流(矢印)をトウ3に吹き付けて炭素繊維を製造した。エアカーテン流の発生装置は、竹綱製作所製(株)製のエアブロウノズル(MODEL40S−800−1.0)6を2個用い、引き上げられているトウへのエアの噴出角度は30°、噴出風速は20m/min、2個のエアブロウノズル6間のトウが通過するクリアランスは30mmとした。このときエア流の抵抗によってトウに付与される張力は、75〜95gであった。その結果、実施例1と同様に50時間にわたって捩れがフィードされず安定に炭素繊維を製造することができた。
以上の実施例1、2、3および比較例1、2、3の結果を表1にまとめた。
【0027】
【表1】
Figure 2004250842
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、炭素繊維製造工程において、収納容器から垂直に引き上げられるトウに、さらに張力を付与し、収納容器に振り込まれたトウの最上層面からトラバースしながら引き上げられるトウに、折れ曲がりや捩れ(撚り)を生じさせることなく整トウガイドに供給することが出来、焼成工程における糸切れを防止し、炭素繊維の生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】収納容器と引き上げたトウの整トウガイドまでの高さを示す概念図である。
【図2】収納容器に納められているトウのトラバース幅を示す。
【図3】整トウガイドバーをトウが通過する概念図である。
【図4】垂直方向に並んだ3本のガイドバーによる引き上げたトウへの張力付与を示す。
【図5】スリットによる引き上げたトウへの張力付与を示す。
【図6】下向きエアノズルの吹出しによる引き上げたトウへの張力付与を示す。
【図7】平行ガイドバーによる引き上げたトウへの張力付与を示す。
【符号の説明】
1 収納容器
2 整トウガイド
3 トウ
4 垂直ガイドバー
5 スリット
6 エアブロウノズル
7 箱上ガイドバー
A〜E 整トウガイドバー

Claims (6)

  1. 収納容器にトラバースしながら収納されたアクリル繊維トウを、垂直方向に引き上げ焼成工程に送って炭素繊維を製造する方法であって、トラバース幅Xと引き上げ高さYとの関係を2X≦Y≦10X垂直方向に引き上げて整トウガイドに接触させて整トウするに当り、前記収納容器の直上で垂直に引き上げたトウに、自重の0.8倍または次式で算出される張力のうち何れか大きい方の数値の張力以上の張力を更に付与することを特徴とする炭素繊維の製造方法。
    f≧4.5×10−4×F
    (ここにfは収納容器の直上で自重にさらに付与する張力(g)、Fは総繊度(デニール)を示す。)
  2. アクリル繊維トウが、非捲縮糸である請求項1記載の炭素繊維の製造方法。
  3. アクリル繊維トウの収納容器の直上で更に付与する張力が、少なくとも2本の固定したバーまたはロールに接触することによる請求項1または2記載の炭素繊維の製造方法。
  4. 少なくとも2本のバーまたはロールが垂直方向に並んでいる請求項3記載の炭素繊維の製造方法。
  5. アクリル繊維トウの収納容器の直上で更に付与する張力が、トウをスリット間を通過させる際の接触摩擦により得る請求項1または2記載の炭素繊維の製造方法。
  6. アクリル繊維トウの収納容器の直上で更に付与する張力が、下向きに流れるエア流内を通過する事によって得られる張力である請求項1または2記載の炭素繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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