【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製編織して染色することにより、新規な表面感、適度なドライ感とボリューム感、ストレッチ性に優れた織編物となるマルチフィラメント加工糸の製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、合成繊維マルチフィラメントを用いた仮撚加工糸は、その嵩高性やストレッチ性により衣料分野等で幅広く用いられている。
しかしながら、仮撚加工した後にそのまま捲取る、いわゆる１ヒータ仮撚加工糸は、捲縮によるストレッチ性を有するものの、捲縮そのものが大きく、またその位相も不揃いなため、ふかつき感、ガサツキのある粗い表面感を呈し、高級衣料分野での使用には適さないものであった。
【０００３】
また、仮撚した後に熱処理を施す、いわゆる２ヒータ仮撚加工糸は、１ヒータ仮撚加工糸に比べるとふかつき感は抑えられたものとなるが、捲縮性に乏しく、これも捲縮の位相がばらついているため、やはり仮撚のガサツキ感を除去することはできなかった。
【０００４】
一方、供給原糸に仮撚加工を二回行う、すなわち仮撚加工した後に仮撚加工する方法が、例えば特許文献１や特許文献２で提案されている。
特許文献１には、ポリアミド系合成繊維からなる糸条に仮撚方向の異なる２段仮撚を施すストッキング用加工糸の製造方法が記載されており、仮撚加工して得られたトルクヤーンにさらに旋回ひずみを付与することで潜在トルクヤーンとなし、ストッキングの編目ムラの良好な状態を維持しながら、伸縮性を発揮させるという効果が得られる。しかしながら、仮撚加工に外接型、内接型のようなディスク方式や、固定ピンのような仮撚ピン方式を用いており、糸に負荷が掛かるため加工糸断面の異形度が大きくなり過ぎ、織編物にガサツキ感を与えてしまう。
【０００５】
また、特許文献２には、熱可塑性合成繊維糸条に仮撚加工を施した仮撚加工糸に、前記仮撚加工と同方向の非定常仮撚加工を行う強撚糸様特殊嵩高加工糸の製造法が記載されており、仮撚加工糸を供給糸としているため未解撚部が最密充填状態とはならず、未解撚部の嵩高性が過解撚部の嵩高性と略同様な加工糸を得ることができるため、従来の未解撚部が集束した欠点様の外観とはならない効果が得られる。しかしながら、過解撚部と未解撚部の存在により強撚調の風合いは得られるものの、撚糸状態を呈するためストレッチ性に欠け、また嵩高性も満足できるものではなかった。
【０００６】
【特許文献１】
特開昭５９−５３７３１号公報
【特許文献２】
特開昭５８−１４４１３７号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来の問題を解決し、製編織して染色することにより、ガサツキのない新規な表面感とボリューム感、ストレッチ性に優れた織編物となるマルチフィラメント加工糸の製造方法を提供することを技術的な課題とするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、合成繊維マルチフィラメント糸条に仮撚加工を施したものに、オーバーフィード下で旋回加工を行えば、従来にない新規な表面感を呈し、ボリューム感、ストレッチ性に優れた織編物となるマルチフィラメント加工糸が得られることを知見して本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成を要旨とするものである。
（１）合成繊維マルチフィラメントの仮撚加工糸を供給糸として、オーバーフィード下で流体による旋回加工を行い、糸条を構成する単フィラメントの断面変形度を１．２以下とすることを特徴とするマルチフィラメント加工糸の製造方法。
断面変形度＝（旋回加工後の異形度／旋回加工前の異形度）
（２）合成繊維マルチフィラメントに仮撚加工を行った後、引き続きオーバーフィード下で流体による旋回加工を行い、糸条を構成する単フィラメントの断面変形度を１．２以下とすることを特徴とするマルチフィラメント加工糸の製造方法。
断面変形度＝（旋回加工後の異形度／旋回加工前の異形度）
（３）旋回加工をヒータでの加熱処理後に行うことを特徴とする上記（１）または（２）記載のマルチフィラメント加工糸の製造方法。
（４）旋回加工を行う際のヒータ温度が、仮撚加工時のヒータ温度以上であることを特徴とする上記（３）記載のマルチフィラメント加工糸の製造方法。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明においては、合成繊維マルチフィラメントの仮撚加工糸を供給糸として、または、合成繊維マルチフィラメントを仮撚加工した後に、オーバーフィード下で流体による旋回加工処理を行うことが必要である。
【００１０】
まず、合成繊維マルチフィラメントの仮撚加工糸を供給糸とするか、または合成繊維マルチフィラメントに仮撚加工を施すことで、糸条に一般的に用いられている１ヒータ仮撚加工糸の特性、すなわち捲縮性や、断面変形を付与する。これにより、捲縮によるストレッチ性、断面変形による適度なドライ感を得ることができる。この仮撚加工の方法は特に限定されるものではなく、仮撚ピン、フリクションディスク、ニップベルトなどを具備した通常の仮撚加工機を用いて、一般的に用いられている仮撚加工条件を採用すればよい。なお、合成繊維マルチフィラメントに仮撚加工を施した後、引き続きオーバーフィード下で流体による旋回加工処理を行えば、１工程によるコストメリットとともに、一旦パッケージに巻き上げることによる捲縮のへたりも防止することができ、仮撚直後の放縮効果も相俟って、十分に捲縮が発現した状態で旋回加工を行えるため、より高品質の織編物となる加工糸が得られる。
【００１１】
本発明では、上記仮撚加工糸にオーバーフィード下で流体による旋回加工を施す。オーバーフィード下で流体による旋回加工を行うことにより、仮撚加工糸に無理な力が加わらないため、断面変形を進行させずに捲縮効果をさらに向上することができる。
【００１２】
また本発明では、次式で表す断面変形度を１．２以下、好ましくは１．１以下とすることが重要である。
断面変形度＝（旋回加工後の異形度／旋回加工前の異形度）
このように断面変形を進行させずに捲縮効果をさらに増加させるためには旋回加工の旋回力として３００〜３０００Ｔ／ｍが好ましく、５００〜２０００Ｔ／ｍがより好ましい。旋回力が３００Ｔ／ｍ未満になると前記効果が得られないため好ましくなく、逆に３０００Ｔ／ｍを超えると通常の仮撚と同様に仮撚加工糸に負荷が掛かりすぎるため断面変形が進行し、後述するようなギラツキ感やガサツキなどが強調されるため好ましくない。
【００１３】
さらに前記旋回加工の効果として、通常の仮撚とは異なり力の加わる位置が固定されていないため、仮撚加工糸の自由度が高いことに加え、仮撚加工糸が緩んだ状態、すなわち、捲縮が発現している状態で旋回加工が行われるため、整流効果により元々ばらついていた仮撚加工糸の捲縮が整えられ、位相のばらつきが少なくなり、比較的位相の揃った捲縮糸を得ることが可能になるものと推定している。このように断面変形した仮撚加工糸の捲縮位相を比較的揃えることによって、織編物にした際に通常の仮撚加工糸では得られない、揃ったものがずれるような独特のきしみ感を得ることができる。
【００１４】
仮撚加工糸に旋回加工を施す際の仮撚加工糸のオーバーフィード率は、旋回加工により上記の効果が付与される範囲であれば特に限定されるものではないが、整流効果等の面から０．１〜２０％の範囲内が好ましい。
【００１５】
上記旋回加工を適用することなく、仮撚加工糸に仮撚ピン、フリクションディスク、ニップベルトなどを用いて再度仮撚加工を施すと、ねじり変形を与える位置、例えば仮撚ピンであればピンと仮撚加工糸との接点が実質的な作用点となり、自由度が少ないことにより力の分散がされ難いため捲縮の位相が揃いにくく、また解撚域で個々のフィラメントが強いねじり変形から解放されることにより、捲縮の位相がさらにばらついてしまう。加えて物理的な変形がさらに付加されるため、断面変形が進行するとともに、ギラツキ感やガサツキが助長され、得られる加工糸を製編織しても陳腐な織編物になるため好ましくない。
【００１６】
前記旋回加工処理は、ヒータでの加熱処理後に行うことが好ましく、ヒータ温度が仮撚加工時のヒータ温度と同等、もしくはそれ以上であれば、さらに好ましい。ヒータでの加熱処理を行うことで、熱可塑化特性により旋回効果がより生かされるため、仮撚加工糸の捲縮をより微細なものとすることができるとともに、捲縮の位相が揃いやすくなる。また、ヒータ温度を仮撚加工時のヒータ温度と同等、もしくはそれ以上にすることで、旋回による施撚効果がさらに高まり、ストレッチ性、繊細な表面感、きしみ感がより顕著となる。ただしフィラメント同士が融着してしまうと、本発明の効果が得られないため、ヒータ温度は融着しない範囲に設定することが好ましい。
【００１７】
また、本発明において、旋回加工時の旋回方向は特に限定されるものではなく、仮撚方向と同方向でも異方向でもよい。同方向にした場合には、トルクやストレッチ性が増加することで、従来にない特性、表面感の織編物が得られる。一方、異方向にした場合には、仮撚のねじれと逆の旋回により、捲縮がより細かくなり、繊細な表面感の織編物が得られる。
【００１８】
旋回加工を行うための旋回ノズルは、流体により糸条を回転、すなわち施撚効果のあるものであれば特に限定されず、また旋回加工を行うための流体も特に限定されるものではないが、コスト面、性能面、扱いやすさ等を考慮して圧縮空気を用いることが好ましい。さらに、旋回ノズルの旋回力としては、糸条に３００〜３０００Ｔ／ｍの撚を付与できるものであればよい。また旋回力の測定方法としては、旋回状態にある糸条を旋回ノズル上部（加撚域）にて撚がほどけないように採取し、その実撚数を測定する方法が一例として挙げられる。
【００１９】
本発明に用いる合成繊維マルチフィラメントとしては、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）又はＰＥＴを主成分とする共重合ポリエステルなどのポリエステルや、ナイロン６、ナイロン６６などのポリアミドなど、熱可塑性を有するものであれば何れでもよい。
【００２０】
次に、本発明のマルチフィラメント加工糸の製造方法について図面を用いて説明する。
図１は、本発明のマルチフィラメント加工糸の製造方法を示す概略工程図である。図１において供給糸１は、ガイド２を通り、フィードローラ３、ヒータ４、仮撚施撚装置５、デリベリローラ６により仮撚加工が施される。
また、供給糸に仮撚加工糸を用いる場合には、図１において供給糸１１（仮撚加工糸）をガイド１２に通し、デリベリローラ６に供給する。
【００２１】
次いで、上記仮撚加工糸は、デリベリローラ６、好ましくはヒータ７、流体旋回ノズル８、第２デリベリローラ９により旋回加工されてマルチフィラメント加工糸となり、パッケージ１０に巻き取られる。
なお、上記ヒータ４、７は、接触式、非接触式のいずれでもよく、非接触式を用いる場合は、接触式よりも高温に設定すればよい。
【００２２】
【作用】
本発明によれば、仮撚加工糸にオーバーフィード下で流体による旋回加工を施すことにより、仮撚加工糸に無理な力が加わらないため、断面変形を進行させずに捲縮効果を更に向上させることができる。また、通常の仮撚加工とは異なり力の加わる位置が固定されていないため、仮撚加工糸の自由度が高いことに加え、仮撚加工糸が緩んだ状態、すなわち、捲縮が発現している状態で旋回加工が行われるため、元々ばらついていた仮撚加工糸の捲縮が整えられ、位相のばらつきが少なくなり、比較的位相の揃った捲縮糸を得ることが可能となる。この結果、得られる加工糸を製編織すれば、ガサツキのない新規な表面感、適度なドライ感とボリューム感、ストレッチ性に優れた織編物を得ることができる。また、断面変形した仮撚捲縮糸の位相が比較的揃うことによって、織編物にした際に独特のきしみ感を得ることができる。
【００２３】
さらに旋回加工処理をヒータの加熱処理後、好ましくは、仮撚加工時のヒータ温度以上の温度で行えば、仮撚加工糸の捲縮をより微細なものとすることができるとともに、捲縮の位相が揃いやすくなり、ストレッチ性、繊細な表面感、きしみ感がより顕著となる。
【００２４】
【実施例】
次に、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。
本発明において、断面変形度を算出するための異形度は、旋回加工前と旋回加工後の糸条について、顕微鏡にて糸条を構成する単フィラメントの断面をそれぞれ撮影し、その内接円と外接円の直径比により下記式にて算出し、１０回の平均値で表す。
異形度＝（外接円の直径／内接円の直径）
なお、旋回加工前の異形度は、仮撚加工を施した後、旋回加工を介さずに、すなわち、デリベリローラ６からパッケージ１０に直接巻き取ったものの異形度を測定すればよい。また、供給糸に仮撚加工糸を用いる場合には、その仮撚加工糸の異形度を測定すればよい。
【００２５】
実施例１
供給糸１１としてＰＥＴの仮撚加工糸１２０ｄｔｅｘ３６ｆを用いて、図１に示す工程に従い、表１に示す条件にて加工を行って、１２１ｄｔｅｘ３６ｆのマルチフィラメント加工糸を得た。なお、ヒータ７は接触式のものを使用した。
得られたマルチフィラメント加工糸を２８ゲージの丸編機を用い、スムース組織で編成した後、通常の処方にて精練、染色、仕上げ加工を行った。得られた編地の風合いは、新規な表面感、ドライ感ときしみ感、ボリューム感、優れたストレッチ性を有し、従来にない高級感を呈するものであった。
【００２６】
実施例２
供給糸１として１８０ｄｔｅｘ３６ｆのＰＥＴ高配向未延伸糸を用いて、図１に示す工程に従い、表１に示す条件にて加工を行って、１２５ｄｔｅｘ３６ｆのマルチフィラメント加工糸を得た。なお、ヒータ７は非接触式のものを使用した。得られた加工糸の外観は、通常の仮撚加工糸に比べて集束しているものであった。
このマルチフィラメント加工糸を、実施例１と同様に編成し、染色仕上げ加工を行ったところ、得られた編地の風合いは実施例１よりもさらに表面感、ドライ感ときしみ感、ボリューム感、ストレッチ性に優れ、従来にない高級感を呈するものであった。
【００２７】
比較例１
図１に示す工程において、デリベリローラ６を出た直後に巻き取り、１２０ｄｔｅｘ３６ｆのマルチフィラメント加工糸を得て、実施例１と同様に編成し、染色仕上げ加工を行って比較用の編地を得た。
この編地の風合いは、ふかつき感、ガサツキのある粗い表面感を呈し、従来からある陳腐なものであった。
【００２８】
比較例２
図１に示す工程において、流体旋回ノズル８を取り外し、１２５ｄｔｅｘ３６ｆのマルチフィラメント加工糸を得て、実施例１と同様に編成し、染色仕上げ加工を行って比較用の編地を得た。なお、ヒータ７は非接触式のものを使用した。
この編地の風合いは、比較例１のものと比べるとふかつき感は抑えられたものであったが、ストレッチ性に乏しく、またガサツキのある粗い表面感であった。
【００２９】
比較例３
図１に示す工程において、流体旋回ノズル８の代わりに、仮撚施撚装置５により仮撚加工を行い、１２０ｄｔｅｘ３６ｆのマルチフィラメント加工糸を得て、実施例１と同様に編成し、染色仕上げ加工を行って、比較用の編地を得た。なお、ヒータ７は接触式のものを使用した。
この編地の風合いは、比較例１のものよりもさらにふかつき感、ガサツキが強調され、粗硬な表面感を呈していた。
なお、比較例２、３については、旋回加工を施していないが、各処理後の加工糸の異形度を旋回加工後の異形度として表示した。
【００３０】
【表１】
【００３１】
【発明の効果】
本発明によれば、製編織して染色することにより、ガサツキのない新規な表面感、適度なドライ感とボリューム感、ストレッチ性に優れ、独特のきしみ感を有する織編物となるマルチフィラメント加工糸を簡単に、かつ安価に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のマルチフィラメント加工糸の製造方法の一実施態様を示す概略工程図である。
【符号の説明】
１ 供給糸
２ ガイド
３ フィードローラ
４、７ ヒータ
５ 仮撚施撚装置
６ デリベリローラ
８ 流体旋回ノズル
９ 第２デリベリローラ
１０ パッケージ
１１ 供給糸（仮撚加工糸）
１２ ガイド[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a method for producing a multifilament yarn which is knitted and knitted and dyed into a woven or knitted fabric having a novel surface feeling, moderate dryness and volume, and excellent stretchability.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, false twisted yarns using synthetic fiber multifilaments have been widely used in the field of clothing and the like due to their bulkiness and stretchability.
However, the so-called 1-heater false twisted yarn which is wound as it is after the false twisting process has stretchability due to crimping, but has a large crimp itself and an irregular phase. It exhibited a rough surface feeling and was not suitable for use in the field of high-grade clothing.
[0003]
Also, the so-called two-heater false-twisted yarn, which is subjected to heat treatment after false-twisting, has a reduced feeling of fluttering compared to the one-heater false-twisted yarn, but has poor crimpability and is also crimped. Cannot be removed because of the variation in phase.
[0004]
On the other hand, a method in which false twisting is performed twice on a supplied raw yarn, that is, false twisting is performed after false twisting is proposed in, for example, Patent Documents 1 and 2.
Patent Literature 1 describes a method for producing a stocking processed yarn in which a yarn made of a polyamide-based synthetic fiber is subjected to two-stage false twist in different false twist directions, and further includes a torque yarn obtained by false twisting. By imparting the turning strain, a latent torque yarn is formed, and an effect of exhibiting elasticity while maintaining a favorable state of the stitch unevenness of the stocking can be obtained. However, for the false twisting process, a disk method such as an circumscribed type or an inscribed type, or a false twisted pin method such as a fixed pin is used. It gives a rough feeling to the woven or knitted fabric.
[0005]
Patent Document 2 discloses that a false twisted yarn obtained by subjecting a thermoplastic synthetic fiber yarn to false twisting is subjected to unsteady false twisting in the same direction as the false twisting of a specially twisted yarn having a special bulkiness. The manufacturing method is described, and the untwisted portion does not become the closest packed state because the false twisted yarn is used as the supply yarn, and the bulkiness of the untwisted portion is almost the same as the bulkiness of the overtwisted portion Since such a processed yarn can be obtained, an effect that the conventional untwisted portion does not have a defect-like appearance in which the untwisted portion is bundled can be obtained. However, although a strong twisting texture can be obtained due to the presence of the over-twisted portion and the untwisted portion, the yarn has a twisted state, lacks stretchability, and bulkiness is not satisfactory.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-59-53731 [Patent Document 2]
JP-A-58-144137
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the above-mentioned conventional problems, by knitting and weaving and dyeing, a novel feeling of surface and volume without roughness, and a method for producing a multifilament processed yarn which is excellent in stretchability. It is a technical issue to provide.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to solve the above-described problems, and as a result of performing false twisting on a synthetic fiber multifilament yarn, by performing a turning process under overfeed, a novel unprecedented The present invention has been achieved by finding that a multifilament processed yarn having a surface feeling, a volume feeling, and an excellent stretch property can be obtained.
That is, the gist of the present invention is as follows.
(1) Using a false twisted yarn of a synthetic fiber multifilament as a supply yarn, performing a swirling process with a fluid under overfeed to reduce the cross-sectional deformation of a single filament constituting the yarn to 1.2 or less. Of producing multifilament processed yarn.
Deformation degree of cross section = (deformation degree after turning / deformation degree before turning)
(2) After performing false twisting on the synthetic fiber multifilament, subsequently performing swirling with a fluid under overfeed to reduce the cross-sectional deformation of the single filament constituting the yarn to 1.2 or less. Of producing multifilament processed yarn.
Deformation degree of cross section = (deformation degree after turning / deformation degree before turning)
(3) The method for producing a multifilament textured yarn according to the above (1) or (2), wherein the turning is performed after the heat treatment with a heater.
(4) The method for producing a multifilament yarn according to the above (3), wherein the heater temperature at the time of performing the turning process is equal to or higher than the heater temperature at the time of the false twisting process.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
In the present invention, it is necessary to perform a turning process with a fluid under overfeed after the false twisting of the synthetic fiber multifilament as a supply yarn or after the false twisting of the synthetic fiber multifilament.
[0010]
First, by using a false twisted yarn of a synthetic fiber multifilament as a supply yarn or by performing a false twisting process on a synthetic fiber multifilament, the characteristics of a 1-heater false twisted yarn generally used for yarn are used. That is, crimpability and cross-sectional deformation are imparted. Thereby, it is possible to obtain a stretch property by crimping and an appropriate dry feeling by cross-sectional deformation. The method of this false twisting is not particularly limited, and a commonly used false twisting condition using a normal false twisting machine equipped with false twist pins, friction disks, nip belts and the like. Adopt it. In addition, if the synthetic fiber multifilament is subjected to false twisting and subsequently subjected to a swirling process with a fluid under overfeed, the cost advantage of one process and the crimping due to once winding into a package are prevented. In addition to the shrinking effect immediately after false twisting, the turning process can be performed in a state where the crimp is sufficiently developed, so that a processed yarn that becomes a higher-quality woven or knitted fabric can be obtained.
[0011]
In the present invention, the false twisted yarn is subjected to swirling with a fluid under overfeed. By performing swirling with a fluid under overfeed, an excessive force is not applied to the false twisted yarn, so that the crimping effect can be further improved without advancing the cross-sectional deformation.
[0012]
Further, in the present invention, it is important that the degree of cross-sectional deformation expressed by the following equation be 1.2 or less, preferably 1.1 or less.
Deformation degree of cross section = (deformation degree after turning / deformation degree before turning)
In order to further increase the crimping effect without progressing the cross-sectional deformation, the turning force of the turning process is preferably 300 to 3000 T / m, more preferably 500 to 2000 T / m. If the turning force is less than 300 T / m, the above-mentioned effect cannot be obtained, which is not preferable. Conversely, if it exceeds 3000 T / m, the load is applied to the false twisted yarn similarly to the normal false twisting, so that the cross-sectional deformation proceeds, It is not preferable because glare and roughness as described later are emphasized.
[0013]
Further, as an effect of the turning process, unlike the normal false twist, since the position where the force is applied is not fixed, in addition to the high degree of freedom of the false twisted yarn, the state of the false twisted yarn, that is, Since the turning process is performed in a state where the crimp is developed, the crimp of the false twisted yarn originally varied due to the rectifying effect is adjusted, the phase variation is reduced, and the crimp yarn having a relatively uniform phase is formed. Is estimated to be possible. By making the crimping phase of the false twisted yarn that has been deformed in cross section relatively uniform as described above, a unique creaking feeling that the uniform yarns cannot be obtained when woven or knitted cannot be obtained with ordinary false twisted yarns. Obtainable.
[0014]
The overfeed rate of the false twisted yarn when performing the turning process on the false twisted yarn is not particularly limited as long as the above effect is imparted by the turning process, but from the viewpoint of the rectifying effect and the like. It is preferably in the range of 0.1 to 20%.
[0015]
If the false twisted yarn is subjected to false twisting again using a false twisting pin, a friction disk, a nip belt, etc. without applying the above-mentioned turning processing, a position where a torsional deformation is caused, for example, a false twisting pin and a false twisting pin. The point of contact with the twisted yarn becomes a substantial point of action, and since the degree of freedom is small, it is difficult to disperse the force, so the crimping phase is difficult to align, and individual filaments are released from strong torsional deformation in the untwisting area. As a result, the crimping phase further varies. In addition, since physical deformation is further added, cross-sectional deformation progresses, and glare and roughness are promoted. Even if the obtained processed yarn is knitted and woven, it is not preferable because it becomes a stale woven or knitted fabric.
[0016]
The turning process is preferably performed after a heating process with a heater, and more preferably the heater temperature is equal to or higher than the heater temperature during false twisting. By performing the heat treatment with the heater, the turning effect is further utilized by the thermoplastic property, so that the crimp of the false twisted yarn can be made finer and the crimping phase can be easily aligned. . Further, by setting the heater temperature equal to or higher than the heater temperature at the time of false twisting, the twisting effect by turning is further enhanced, and the stretchability, delicate surface feeling, and squeaky feeling become more remarkable. However, if the filaments are fused together, the effect of the present invention cannot be obtained. Therefore, it is preferable to set the heater temperature in a range where the filaments are not fused.
[0017]
In the present invention, the turning direction at the time of turning is not particularly limited, and may be the same direction as the false twist direction or may be a different direction. In the case of the same direction, a woven or knitted fabric having unprecedented characteristics and surface feel can be obtained by increasing torque and stretchability. On the other hand, in the case of different directions, the crimp becomes finer due to the reverse twisting of the false twist, and a woven or knitted fabric having a delicate surface feeling can be obtained.
[0018]
The turning nozzle for performing the turning process is not particularly limited as long as it has a twisting effect by rotating the yarn with the fluid, that is, the fluid for performing the turning process is not particularly limited. It is preferable to use compressed air in consideration of cost, performance, ease of handling, and the like. Furthermore, the turning force of the turning nozzle may be any as long as it can impart a twist of 300 to 3000 T / m to the yarn. As an example of a method of measuring the turning force, a method of collecting a yarn in a turning state at the upper part (twisting area) of the turning nozzle so as not to untwist and measuring the actual number of twists is exemplified.
[0019]
As the synthetic fiber multifilament used in the present invention, any thermoplastic polyester such as polyester such as polyethylene terephthalate (PET) or copolymerized polyester containing PET as a main component and polyamide such as nylon 6 and nylon 66 can be used. May be.
[0020]
Next, a method for producing a multifilament textured yarn of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 is a schematic process chart showing a method for producing a multifilament textured yarn of the present invention. In FIG. 1, the supply yarn 1 passes through a guide 2 and is subjected to false twisting by a feed roller 3, a heater 4, a false twist twisting device 5, and a delivery roller 6.
When a false twisted yarn is used as the supply yarn, the supply yarn 11 (false twisted yarn) is passed through the guide 12 and supplied to the delivery roller 6 in FIG.
[0021]
Next, the false twisted yarn is turned by a delivery roller 6, preferably a heater 7, a fluid swirling nozzle 8, and a second delivery roller 9, into a multifilament yarn, and wound around a package 10.
The heaters 4 and 7 may be of a contact type or a non-contact type. In the case of using a non-contact type, the temperature may be set higher than that of the contact type.
[0022]
[Action]
According to the present invention, since the false twisted yarn is subjected to swirling with a fluid under overfeed, an excessive force is not applied to the false twisted yarn, so that the crimping effect is further improved without progressing the cross-sectional deformation. Can be done. Also, unlike normal false twisting, since the position where the force is applied is not fixed, the degree of freedom of the false twisted yarn is high, and the false twisted yarn is in a loosened state, that is, crimping occurs. Since the turning process is performed in the state of being crimped, the crimp of the false twisted yarn originally dispersed is adjusted, the variation in the phase is reduced, and the crimped yarn having a relatively uniform phase can be obtained. As a result, by knitting and weaving the obtained processed yarn, it is possible to obtain a woven or knitted fabric having a new feeling without roughness, an appropriate dry feeling, a voluminous feeling, and excellent stretchability. Further, since the phases of the false twisted crimped yarns whose cross sections have been deformed are relatively uniform, a unique squeaky feeling can be obtained when the woven or knitted fabric is used.
[0023]
Furthermore, if the turning process is performed at a temperature equal to or higher than the heater temperature at the time of false twisting after the heating process of the heater, the crimp of the false twisted yarn can be made finer and the crimping of the crimped yarn can be performed. The phases are easily aligned, and the stretchability, delicate surface feeling, and squeaky feeling become more remarkable.
[0024]
【Example】
Next, the present invention will be described more specifically with reference to examples.
In the present invention, the degree of irregularity for calculating the degree of cross-sectional deformation, the yarn before turning and after the turning, the cross-section of a single filament constituting the yarn with a microscope, respectively, the inscribed circle and It is calculated by the following formula based on the diameter ratio of the circumscribed circle, and represented by an average value of 10 times.
Deformity = (diameter of circumscribed circle / diameter of inscribed circle)
The degree of irregularity before turning can be determined by measuring the degree of irregularity of the material that has been wound directly onto the package 10 from the delivery roller 6 without performing the turning processing after performing the false twisting. When a false twisted yarn is used as the supply yarn, the irregularity of the false twisted yarn may be measured.
[0025]
Example 1
By using a PET false twisted yarn 120dtex36f as the supply yarn 11 and processing it under the conditions shown in Table 1 according to the process shown in FIG. 1, a 121dtex36f multifilament yarn was obtained. The heater 7 used was of a contact type.
The obtained multifilament yarn was knitted with a smooth structure using a 28-gauge circular knitting machine, and then scouring, dyeing, and finishing were performed according to a normal prescription. The texture of the obtained knitted fabric had a novel surface feeling, a dry feeling and a smearing feeling, a voluminous feeling, an excellent stretch property, and exhibited an unprecedented luxury feeling.
[0026]
Example 2
Using a 180 dtex 36f PET highly oriented undrawn yarn as the supply yarn 1, processing was performed under the conditions shown in Table 1 in accordance with the process shown in FIG. 1 to obtain a 125 dtex 36f multifilament processed yarn. The heater 7 used was of a non-contact type. The appearance of the obtained processed yarn was more concentrated than that of a normal false twisted yarn.
The knitted multifilament yarn was knitted in the same manner as in Example 1 and dyed and finished, and the texture of the obtained knitted fabric was further improved than in Example 1 in terms of surface feeling, dry feeling, smearing feeling, volume feeling, and the like. It was excellent in stretchability and exhibited unprecedented luxury.
[0027]
Comparative Example 1
In the step shown in FIG. 1, the yarn was wound immediately after leaving the delivery roller 6 to obtain a multifilament yarn of 120 dtex 36 f, knitted in the same manner as in Example 1, and dyed and finished to obtain a knitted fabric for comparison. .
The texture of the knitted fabric exhibited a fluttering feeling and a rough rough surface feeling, and was conventionally stale.
[0028]
Comparative Example 2
In the process shown in FIG. 1, the fluid swirling nozzle 8 was removed, a multifilament yarn of 125 dtex 36 f was obtained, knitted in the same manner as in Example 1, and dyed and finished to obtain a knitted fabric for comparison. The heater 7 used was of a non-contact type.
The texture of the knitted fabric was less than that of Comparative Example 1, but had poor stretchability and a rough, rough feel.
[0029]
Comparative Example 3
In the process shown in FIG. 1, instead of the fluid swirl nozzle 8, false twisting is performed by a false twisting and twisting device 5 to obtain a multifilament yarn of 120 dtex 36f, knitted in the same manner as in Example 1, and dyed and finished. To obtain a knitted fabric for comparison. The heater 7 used was of a contact type.
The texture of the knitted fabric was more pronounced and rougher than that of Comparative Example 1, and exhibited a rough and hard surface feeling.
In Comparative Examples 2 and 3, the turning was not performed, but the irregularity of the processed yarn after each treatment was displayed as the irregularity after the turning.
[0030]
[Table 1]
[0031]
【The invention's effect】
According to the present invention, a multifilament yarn that is knitted and woven and knitted into a woven or knitted fabric having a novel surface feeling without moderate roughness, a moderate dry feeling and a voluminous feeling, excellent stretchability, and a unique squeaky feeling by dyeing. Can be easily and inexpensively manufactured.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic process diagram showing one embodiment of a method for producing a multifilament textured yarn of the present invention.
[Explanation of symbols]
REFERENCE SIGNS LIST 1 supply yarn 2 guide 3 feed roller 4, 7 heater 5 false twist twisting device 6 delivery roller 8 fluid swirl nozzle 9 second delivery roller 10 package 11 supply yarn (false twisted yarn)
12 Guide
