JP2004250228A - 音や音声によるエスカレータやマンコンベアの昇降案内方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】視力に障害を持つ方がエスカレータやマンコンベアに乗車する場合およびエスカレータやマンコンベアから下車する場合の利便性と安全性を高める。
【解決手段】エスカレータやマンコンベアのステップの動きに同期あるいは連動させて音や音声による乗車のタイミングや下車のタイミングの案内を行う。案内には数字など順序の分かる情報を用い、乗車時に利用者の耳に届けられた順序情報が下車位置で再び利用者の耳に届けられることで利用者は自分が下車位置に到達したと判断できる。案内に用いる音や音声を異ならせることにより、エスカレータやマンコンベアが上昇用であるか下降用であるかを判断できるようにする。また、同様にして乗車位置であるか下車位置であるかを判断できるようにし、誤って下車位置から乗車することによって生じる危険を回避できる。
【選択図】図1
【解決手段】エスカレータやマンコンベアのステップの動きに同期あるいは連動させて音や音声による乗車のタイミングや下車のタイミングの案内を行う。案内には数字など順序の分かる情報を用い、乗車時に利用者の耳に届けられた順序情報が下車位置で再び利用者の耳に届けられることで利用者は自分が下車位置に到達したと判断できる。案内に用いる音や音声を異ならせることにより、エスカレータやマンコンベアが上昇用であるか下降用であるかを判断できるようにする。また、同様にして乗車位置であるか下車位置であるかを判断できるようにし、誤って下車位置から乗車することによって生じる危険を回避できる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、視力に障害を持つ方がエスカレータやマンコンベアに乗車する場合およびエスカレータやマンコンベアから下車する場合の利便性と安全性を高めるための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、デパートや駅などのフロアーの移動手段としてエスカレータやマンコンベアが用いられている。エスカレータやマンコンベアの利用者にとって、乗車や下車の際にはそのタイミングに注意を必要とする。特開平6−100280では光と音楽を用いてエスカレータへの乗車のタイミングおよびエスカレータからの下車のタイミングを案内する装置が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−100280号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これは次のような欠点があった。
イ.複数のエスカレータやマンコンベアが近接して設けられている場合に、音による下車のタイミングの案内がなされたとしても、視力に障害を持つ方にとっては聞こえてくる音が自分の利用しているあるいは利用を望むエスカレータやマンコンベア用の案内であるのかそれとも他のエスカレータやマンコンベアの案内のための音であるのか判断しにくいことがある。そのため、誤ったタイミングでエスカレータやマンコンベアに乗車しようとしてしまったり、エスカレータやマンコンベアから下車しようとしてしまうなどの危険が生じる。
ロ.視力に障害を持つ方のエスカレータやマンコンベアからの下車を考えた場合、音で下車のタイミングを案内されるだけでは視力に障害を持つ方は下車位置までの距離や所要時間をうまく把握できないことがあるので、音で下車のタイミングを案内されてもその案内が自分に対する案内であるのか自分よりも前にいる人に対する案内であるのか明確ではない。そのためエスカレータやマンコンベアからの正確な下車のタイミングを把握できない。
ハ.視力に障害を持つ方は上記のような理由で下車のタイミングが分からないので、視力に障害を持つ方のエスカレータやマンコンベアからの下車に際して危険が生じる。
ニ.視力に障害を持つ方にとっては、エスカレータやマンコンベアが上昇用として運転しているか下降用として運転しているかを把握できない場合がある。この点を把握できないと、誤って視力に障害を持つ方に接近してくる方向に運転しているエスカレータやマンコンベアに乗車しようとしてしまう、つまり本来は下車位置である降り口から誤って乗車しようとしてしまうなどの危険がある。
本発明は、これらの欠点を解決するために発明されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
エスカレータやマンコンベアの利用者に乗車のタイミングや下車のタイミングを音や音声で案内する。タイミングを案内する音や音声は、エスカレータやマンコンベアのステップの動きに同期あるいは連動させて発する。
【0006】
案内に用いる音や音声としては、エスカレータやマンコンベアのどのステップに乗った利用者にとっても同一である音や音声を用いてもよいし、利用者の乗るステップに対応した情報を持つ音や音声でもよい。利用者の乗るステップに対応した情報を持つ音や音声を用いる場合は、乗車位置で利用者の聴覚に届くステップに関する情報と同一の情報が下車位置でも利用者の聴覚に届けられる。この方法により、エスカレータやマンコンベアの利用者は、乗車時に聞いた音や音声の情報が再び通知された場合に自分が下車位置に到達したことを知ることができ、下車行動を行うことができる。
乗車位置と下車位置を区別できるように、乗車のタイミングの案内に用いる音や音声と下車のタイミングの案内に用いる音や音声を異なる音や音声として用意する方法も考えられる。ただし、利用者の乗るステップに対応した情報を持つ音や音声が用いられる場合は、ステップに関する情報は乗車位置でも下車位置でも同一であり、異なるのはそのステップに関する情報を利用者に届ける音の音質や音声の高低などである。音や音声が異なることによって乗車位置と下車位置を区別できることにより、誤って下車位置から乗車しようとしてしまう危険を回避できる。また、近接するエスカレータやマンコンベアの案内の音や音声と区別できるように、それぞれのエスカレータやマンコンベア同士の案内の音や音声の音質や高低などを異ならせる方法や、エスカレータやマンコンベアを区別するための情報を音や音声に持たせる方法も考えられる。また、上昇用のエスカレータやマンコンベアと下降用のエスカレータやマンコンベアで案内の音や音声の音質や肯定を異ならせることや、あるいは上昇用のエスカレータやマンコンベアと下降用のエスカレータやマンコンベアを区別できるような情報を音や音声に持たせることにより、エスカレータやマンコンベアが上昇用であるか下降用であるかを利用者に案内する方法も考えられる。
【0007】
エスカレータやマンコンベアの利用者に、乗車や下車のタイミングを利用者の乗るステップに対応した情報を持つ音や音声で案内する場合には、点字や視覚を用いずに指先などで判読できる文字など利用者の乗っているステップを特定できる情報源をエスカレータやマンコンベアの手摺に設けておき、案内に用いる音や音声の情報をこれらの文字情報に対応させる方法も考えられる。あるいは、手摺に設けるこれらの文字情報を可変できるように設けておき、案内に用いる音や音声の情報にこれらの文字情報を対応させる方法も考えられる。
また、案内用の音や音声が常時発せられているモードとエスカレータやマンコンベアの利用者が必要としたときに発せられるモードを用意しておき、適宜これらのモードを切り替えて音や音声による案内を行う方法も考えられる。また、どちらか一方のモードの機能しか持たない方法も考えられる。
【0008】
また、案内の音や音声は、足元や天井や、エスカレータやマンコンベアの側面や床面などの外面、などの任意の位置に配置したスピーカーなどの任意の発音装置を用いてエスカレータやマンコンベアの任意の利用者に直接届けられる方法や、任意の周波数の電磁波や超音波など任意の通信媒介を用いた任意の通信方式を採用し、任意の受信装置を持つ利用者のみに届けられるようにする方法も考えられる。任意の受信装置を持つ利用者のみに届けられる場合は、近接するエスカレータやマンコンベア毎に任意の異なる通信チャンネルを用いる方法も考えられる。また、乗車と下車の案内に応じて任意の異なる通信チャンネルを用いる方法も考えられる。あるいは上昇用と下降用で異なる通信チャンネルを用いる方法も考えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
エスカレータやマンコンベアの利用者の乗車および下車に際して音や音声でタイミングを案内する。タイミングを案内する音や音声は、エスカレータやマンコンベアのステップの動きに同期あるいは連動させて発する。音や音声をステップの動きと同期あるいは連動させる方法としては、エスカレータやマンコンベアの動力源の回転数や運転状況を測定したり、乗降口の床下などの任意の位置で物理的スイッチなどの接触式のセンサあるいは光学センサや超音波センサなどの非接触式などのセンサなど任意のセンサを用いてステップの通過や運転状況を感知したり、タコジェネレータやパルスエンコーダなどのステップの運転速度を測るセンサとタイマー装置を使ってステップの位置を推測するなどが考えられる。各ステップあるいは特定のステップが乗車位置や下車位置に到達するたびに音や音声を発する。案内用の音や音声は、利用者の足元や天井やエスカレータやマンコンベアの側面や床面などの外面など、乗車位置や下車位置の付近の任意の場所に任意の発音装置を設けて発する。乗車位置と下車位置が近かったり、エスカレータやマンコンベアが近接する場合など音や音声が混同されやすい場合は指向性の高いスピーカを用いる方法も考えられる。
案内に用いる音や音声としては、「ピッ、ピッ、ピッ・・・」や「ポン、ポン、ポン・・・」や「次、次、次・・・」などのようにエスカレータやマンコンベアのどのステップに乗った利用者にとっても同一である音や音声を用いる方法が考えられる。
【0010】
また、「A1、A2、A3・・・A50、A51、A52・・・A1、A2、A3・・・」、「1−1、1−2、1−3・・・1−50、1−51、1−52、・・・1−1、1−2、1−3・・・」などのように利用者の乗るステップに対応する情報を持つ音や音声を用いる方法も考えられる。この方法においては、エスカレータやマンコンベアの所定のステップが乗車位置に来た時に、そのステップに対応する任意の音や音声を発し、その音や音声の持つ情報に対応するステップが下車位置に来た時に下車のタイミングとして乗車時に発した音や音声と同じ情報を持つ音や音声を再び発する。この音や音声としては番号のように順序が分かりやすい音や音声をその順序にしたがって順番に用いることが考えられる。例えば、乗車位置で「A1、A2、A3・・・A15、A16、A17・・・」という音や音声が流れていて、ある利用者が「A16」で乗車したとすると、その利用者が下車位置に近づくにつれて「A1、A2、A3・・・A12、A13、A14・・・」という音や音声が下車位置付近から次第に聞こえてきて、「A16」が発せられたときがその利用者の下車のタイミングとなる。
【0011】
番号などの音声が一度発せられてから次ぎに同じ番号などの音声が発せられるまでの周期は、エスカレータやマンコンベアのステップが乗車位置に着てから下車位置に着くまでの時間間隔以上にしておく方法も考えられる。このことにより、エスカレータやマンコンベアの利用者にとって、乗るべきステップが乗車位置に着た時に発せられる音や音声が次に発せられるのはステップが下車位置に来た時に限られる。つまり、乗車位置付近で「A1、A2、A3・・・A14、A15、A16・・・」という音や音声が発せられているエスカレータへの乗車時に「A15」を聞いた利用者が再び「A15」を聞くことは下車位置付近に到達するまでありえず、乗車位置でも下車位置でもない地点でその利用者が「A15」を聞くことはない。もちらん下車位置では、対応するステップが下車位置に到達するたびに「A1、A2、A3・・・A14、A15、A16・・・」という音や音声が発せられる。このことにより、利用者は乗車時に聞いた音や音声が再び発せられた時に下車行動を行えばよい。また、乗車や下車の案内に用いられている音や音声に順序があるので、エスカレータやマンコンベアの利用者は、下車位置が近くなるにつれて下車位置付近で発せられる音や音声の情報が自分の番号などの順序情報に近くなることを認識することにより、下車位置までの距離や所要時間を把握することができ、下車の準備をすることが可能になる。また、従来なされているように「まもなく降り口です」などという案内では利用者はいつ実際の下車行動を起こせばよいのか曖昧であるが、本方法では下車行動を起こすべきタイミングをより明確に把握することができる。
【0012】
さらには、エスカレータやマンコンベアが上昇用であるか下降用であるかによって音や音声を異なるようにしておくことで、利用者は乗ろうとしているエスカレータやマンコンベアが上昇用であるか下降用であるかを判断できたり、あるいは目的の方向に運転しているエスカレータやマンコンベアを探すことができる。この方法は、上述したエスカレータやマンコンベアのどのステップに乗った利用者にとっても同一である音や音声を用いる方法においても適用できる。
また、乗車や下車のタイミングの案内に用いられる音や音声は、乗車用と下車用で区別できるようにしておく方法が考えられる。例えば、エスカレータやマンコンベアのどの位置に乗った利用者にとっても同一である音や音声を用いる方法では、乗車用を「ピッ、ピッ、ピッ・・・」とし下車用を「ポン、ポン、ポン・・・」とする。また、利用者の乗る位置に対応する音や音声を用いる方法では、例えば、乗車用を男性風の声で「A1、A2、A3・・・A50、A51、A52・・・A1、A2、A3・・・」とし、下車用を女性風の声で「A1、A2、A3・・・A50、A51、A52・・・A1、A2、A3・・・」とする。このことにより、エスカレータやマンコンベアの利用者が誤って下車位置から乗車しようとすることを防ぐことができ、下車位置から乗車しようとすることによって利用者に生じる危険を回避することができる。この方法は、上述した上昇用と下降用で音や音声を異ならせる方法と組み合わせて用いることも可能である。例えば上昇用のエスカレータの乗車位置では「ピッ、ピッ、ピッ・・・」という音や音声が発せられており、下車位置では「ポン、ポン、ポン・・・」という音や音声が発せられている。また、下降用のエスカレータの乗車位置では「ブー、ブー、ブー・・・」という音や音声が発せられており、下車位置では「ポロ、ポロ、ポロ・・・」という音や音声が発せられているなどである。
【0013】
また、上述したエスカレータやマンコンベアの利用者の乗るステップに対応する情報を持つ音や音声を用いる方法においては、例えば上昇用の音声の初めの音声はアルファベットの最初であるAから順に用い、下降用はアルファベットの最後であるZから逆順に用いる方法が考えられる。つまり、上昇用のエスカレータが2台と下降用のエスカレータが2台あるとしたら、上昇用の1台のエスカレータは「A1、A2、A3・・・A50、A51、A52・・・A1、A2、A3・・・」という音声を用い、他の上昇用のエスカレータは「B1、B2、B3・・・B50、B51、B52・・・B1、B2、B3・・・」という音声を用い、下降用のエスカレータの1台は「Z1、Z2、Z3・・・Z50、Z51、Z52・・・Z1、Z2、Z3・・・」という音声を用い、他の下降用のエスカレータは「Y1、Y2、Y3・・・Y50、Y51、Y52・・・Y1、Y2、Y3・・・」という音声を用いるなどである。この場合においては、エスカレータやマンコンベアの利用者は案内の音声がどのようなアルファベットで始まるかによって、そのエスカレータやマンコンベアが上昇用であるのか、下降用であるのかを判断できる。また運転方向が同じでも行き先が違う場合が、利用者は予め目標地点に行くためのエスカレータのアルファベットを調べておくことで、目的の場所につながるエスカレータを探すことができる。また、誤解を防ぐために「B」と「D」など聞き間違えやすいアルファベットの使用は避けることも考えられる。また、聞きやすさを考えて、例えば「A52」など数字を含む音や音声は「えーごじゅうに」などと発せずに「えーごーにー」などと発する方法も考えられる。
【0014】
順序のある音や音声を案内に用いる場合として、例えば数字を読み上げた音声が考えられるが、その音声が一度発せられてから次ぎに発せられるまでの数字の周期については次の2つの方法が考えられる。
1つ目は、個々のエスカレータやマンコンベアの長さによらず、全てのエスカレータやマンコンベアで同じ周期を用いる方法である。例えばどのエスカレータやマンコンベアにおいても数字は1から始まり300まで達すると再び1に戻る、つまり「1,2,3、・・・298、299、300、1,2,3・・・」という方式である。この例においては数字が300までで1に戻ることを視力に障害を持つ方など音や音声による案内を必要とする利用者に周知徹底しておくことで、乗車時に「1」を聞いた利用者は、下車位置付近で「・・・298、299、300」が発せられていることを耳にすると次に1が来る事を予測できるので、下車の準備をできる。この例では数字は300までで1に戻るとしたが、実際の場合の数値は既存のエスカレータやマンコンベアの長さを考慮して決める方法も考えられるが、必ずしも音声が一度発せられてから次ぎに発せられるまでの周期をエスカレータやマンコンベアのステップが乗車位置に着てから下車位置に着くまでの時間間隔以上にする必要はないので、利用者の覚えやすい周期を採用しその周期を周知徹底しておく方法も考えられる。
2つ目は、個々のエスカレータやマンコンベアの長さに応じて案内用の音声として発する数字の周期を定める方法である。例えば、あるエスカレータでは50までで1に戻り、他のエスカレータでは77までで1に戻るなどである。この方法においては、エスカレータやマンコンベアの手摺に点字や視覚を用いずに指先などで判読できる文字によって順序情報を持たせ、乗車時に利用者に知らせる音や音声をこの順序情報に対応させる方法をとることができる。つまり、例えば「A33」を意味する手摺に従って乗車する利用者の乗車時には「A33」という音声が発せられ、下車時にも再び「A33」という音声が発せられるという方式にすることもできる。この場合の利点は、利用者が乗車時に聞いた数値などを忘れても手摺の順序情報からその数値を知ることができる点である。
【0015】
あるいは、エスカレータやマンコンベアの手摺の点字や視覚を用いずに指先などで判読できる文字を運転中に変えられるようにしておき、案内用の音や音声の情報にその文字の表す情報を合わせる方法も考えられ、この場合には、個々のエスカレータやマンコンベアの長さに応じて昇降案内用の音声として発する数字の周期を定めなくても、点字や視覚を用いずに指先などで判読できる文字と連動させることができ、利用者が乗車時に聞いた数値などを忘れても手摺の順序情報からその数値を知ることもできる。
【0016】
また、大規模な施設では複数のエスカレータやマンコンベアが近接して設置されている場合があるので、これらの案内用の音や音声を区別できるように、近接するエスカレータやマンコンベア同士の音や音声の情報を異ならせておく方法が考えられる。例えば、ある上昇用のエスカレータは「A1、A2、A3・・・A50、A51、A52・・・A1、A2、A3・・・」という音声を用い、そのエスカレータに近接するエスカレータは「B1、B2、B3・・・B50、B51、B52・・・B1、B2、B3・・・」という音声を用い、他の近接する下降用のエスカレータは「C1、C2、C3・・・C50、C51、C52・・・C1、C2、C3・・・」という音声を用いる方法が考えられる。この方法と前記の乗車用と下車用の音声を区別できるようにしておく方法を組み合わせる方法も考えられる。
【0017】
以上に挙げた方法の組み合わせの例として、上昇用のエスカレータが2台と下車用のエスカレータが2台ある場合を示す。上昇用の1台のエスカレータは乗車位置では男性風の音声で「A1、A2、A3・・・A50、A51、A52・・・A1、A2、A3・・・」と直接聴覚に対して案内し、下車位置では女性風の音声で「A1、A2、A3・・・A50、A51、A52・・・A1、A2、A3・・・」と直接聴覚に対して案内する。他の上昇用のエスカレータは乗車位置では男性風の音声で「B1、B2、B3・・・B70、B71、B72・・・B1、B2、B3・・・」と直接聴覚に対して案内し、下車位置では女性風の音声で「B1、B2、B3・・・B71、B72、B73・・・B1、B2、B3・・・」と直接聴覚に対して案内する。下降用のエスカレータの1台は乗車位置では男性風の音声で「Z1、Z2、Z3・・・Z30、Z31、Z32・・・Z1、Z2、Z3・・・」と直接聴覚に対して案内し、下車位置では女性風の音声で「Z1、Z2、Z3・・・Z30、Z31、Z32・・・Z1、Z2、Z3・・・」と直接聴覚に対して案内する。他の下降用のエスカレータは乗車位置では男性風の音声で「Y1、Y2、Y3・・・Y60、Y61、Y62・・・Y1、Y2、Y3・・・」と直接聴覚に対して案内し、下車位置では女性風の音声で「Y1、Y2、Y3・・・Y60、Y61、Y62・・・Y1、Y2、Y3・・・」と直接聴覚に対して案内する。この例では、エスカレータやマンコンベアの利用者は常に男性風の音声の聞こえてくる場所をエスカレータやマンコンベアの乗車位置として判断できる。したがって、利用者がエスカレータやマンコンベアに乗ろうとした時に女性風の音声が聞こえてきたら、誤って下車位置から乗車しようと試みていることが分かり、実際にエスカレータやマンコンベアに乗る前に誤りに気づくことができる。これにより、誤って下車位置から乗車してしまう危険を回避することができる。
【0018】
また、案内用の音や音声の発音に関しては、案内用の音や音声を常時発するモードの他に、エスカレータやマンコンベアの利用者が必要とした時にのみ案内用の音や音声を発するモードを設け、これらのモードを混雑状況などに応じて適宜切り替えて使用する方式も考えられる。あるいは、エスカレータやマンコンベアの設置当初にどちらか一方のモードのみの機能に限定する方法も考えられる。必要時にのみ案内用の音や音声を発するモードの場合は、案内を必要とする利用者がスイッチやリモコン装置や音声命令などの任意の手段で案内の機能をONにする方式が考えられ、案内を必要とする利用者が乗車する前後の任意の時間内は音や音声による乗車のタイミングの案内をし、案内を必要とする利用者が下車する前後の任意の時間内は音や音声による下車のタイミングの案内をする。この場合、利用者が下車してから任意の時間が経過後に案内の機能をOFFになるようにしておく。このようにエスカレータやマンコンベアの利用者が必要とした場合のみ音や音声によってタイミングを案内することで、その利用者の乗る特定のステップの動きに対してのみ案内が行われ、利用者にとっては情報の混乱を避けることができる。
【0019】
以上の例では案内用の音や音声は乗車位置や下車位置付近に設置した任意の発音装置によってエスカレータやマンコンベアの利用者の耳に直接届けられるとしたが、案内用の音や音声を任意の周波数の電磁波や超音波など任意の通信媒介を用いたAM変調やFM変調など任意の通信方式でAMラジオやFMラジオなどの任意の受信装置を持つ利用者のみに届けられるようにする方法も考えられる。
任意の受信装置を持つ利用者のみに案内用の音や音声が届けられる場合は、近接するエスカレータやマンコンベア毎に異なる通信チャンネルを用いる方法も考えられる。また、乗車と下車の案内に応じて任意の異なる通信チャンネルを用いる方法も考えられる。例えば、案内用の音や音声をFMラジオで受信できるようにしておき、上昇用の向かって右側のエスカレータについては乗車用が77MHzで受信可能で下車用が78MHzで受信可能で、上昇用の向かって左側のエスカレータについては乗車用が80MHzで受信可能で下車用が81MHzで受信可能で、下降用のエスカレータは乗車用も下車用も87MHzで受信可能であるなどである。
【0020】
エスカレータやマンコンベアの利用者の身体特性などに影響される可能性があるので、利用者が乗車行動および下車行動を実行に移すべきタイミングは、本発明による案内の方法を実施する場合の案内用の音や音声のタイミングとは微妙に異なる可能性があり、その異なり方も乗車と下車でさらに異なる可能性もある。しかし、案内の音や音声の発せられたタイミングから利用者それぞれがそれぞれの時間間隔を考慮して乗車行動および下車行動を行えばよい。
【0021】
例えば、ある利用者は乗車用の音や音声が発せられてから0.1秒後に足を踏み出し、下車用の音や音声が発せられてから0.2秒後に足を踏み出すと良いかも知れない。また、例えば、別の利用者にとっては、乗車用の音や音声が発せられてから0.2秒後に足を踏み出し、下車用の音や音声が発せられてから0.1秒後に足を踏み出すと良いかも知れない。このようなしかるべき時間間隔の感覚は本発明によるエスカレータやマンコンベアを利用するうちに習得できる。
【0022】
【発明の効果】
エスカレータやマンコンベアの乗車のタイミングや下車のタイミングを利用者に音や音声で知らせることができるので、視力に障害を持つ方などがエスカレータやマンコンベアを従来よりも安全に利用できる。また、エスカレータやマンコンベアが上昇用であるか下降用であるかを区別できたり、乗車位置と下車位置を区別できるので誤って下車位置から乗車しようとする危険性を回避できる。また、視力に障害を持つ方も障害を持たない方も同じエスカレータやマンコンベアを利用することができるので、いわゆるバリアフリーの効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乗車時の概念図
【図2】本発明の下車時の概念図
【符号の説明】
1 エスカレータやマンコンベアの乗車位置
2 エスカレータやマンコンベアの下車位置
3 エスカレータやマンコンベアの利用者
4 エスカレータやマンコンベアのステップ
5 エスカレータやマンコンベアの手摺
6 スピーカーなどの発音装置
【発明の属する技術分野】
この発明は、視力に障害を持つ方がエスカレータやマンコンベアに乗車する場合およびエスカレータやマンコンベアから下車する場合の利便性と安全性を高めるための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、デパートや駅などのフロアーの移動手段としてエスカレータやマンコンベアが用いられている。エスカレータやマンコンベアの利用者にとって、乗車や下車の際にはそのタイミングに注意を必要とする。特開平6−100280では光と音楽を用いてエスカレータへの乗車のタイミングおよびエスカレータからの下車のタイミングを案内する装置が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−100280号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これは次のような欠点があった。
イ.複数のエスカレータやマンコンベアが近接して設けられている場合に、音による下車のタイミングの案内がなされたとしても、視力に障害を持つ方にとっては聞こえてくる音が自分の利用しているあるいは利用を望むエスカレータやマンコンベア用の案内であるのかそれとも他のエスカレータやマンコンベアの案内のための音であるのか判断しにくいことがある。そのため、誤ったタイミングでエスカレータやマンコンベアに乗車しようとしてしまったり、エスカレータやマンコンベアから下車しようとしてしまうなどの危険が生じる。
ロ.視力に障害を持つ方のエスカレータやマンコンベアからの下車を考えた場合、音で下車のタイミングを案内されるだけでは視力に障害を持つ方は下車位置までの距離や所要時間をうまく把握できないことがあるので、音で下車のタイミングを案内されてもその案内が自分に対する案内であるのか自分よりも前にいる人に対する案内であるのか明確ではない。そのためエスカレータやマンコンベアからの正確な下車のタイミングを把握できない。
ハ.視力に障害を持つ方は上記のような理由で下車のタイミングが分からないので、視力に障害を持つ方のエスカレータやマンコンベアからの下車に際して危険が生じる。
ニ.視力に障害を持つ方にとっては、エスカレータやマンコンベアが上昇用として運転しているか下降用として運転しているかを把握できない場合がある。この点を把握できないと、誤って視力に障害を持つ方に接近してくる方向に運転しているエスカレータやマンコンベアに乗車しようとしてしまう、つまり本来は下車位置である降り口から誤って乗車しようとしてしまうなどの危険がある。
本発明は、これらの欠点を解決するために発明されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
エスカレータやマンコンベアの利用者に乗車のタイミングや下車のタイミングを音や音声で案内する。タイミングを案内する音や音声は、エスカレータやマンコンベアのステップの動きに同期あるいは連動させて発する。
【0006】
案内に用いる音や音声としては、エスカレータやマンコンベアのどのステップに乗った利用者にとっても同一である音や音声を用いてもよいし、利用者の乗るステップに対応した情報を持つ音や音声でもよい。利用者の乗るステップに対応した情報を持つ音や音声を用いる場合は、乗車位置で利用者の聴覚に届くステップに関する情報と同一の情報が下車位置でも利用者の聴覚に届けられる。この方法により、エスカレータやマンコンベアの利用者は、乗車時に聞いた音や音声の情報が再び通知された場合に自分が下車位置に到達したことを知ることができ、下車行動を行うことができる。
乗車位置と下車位置を区別できるように、乗車のタイミングの案内に用いる音や音声と下車のタイミングの案内に用いる音や音声を異なる音や音声として用意する方法も考えられる。ただし、利用者の乗るステップに対応した情報を持つ音や音声が用いられる場合は、ステップに関する情報は乗車位置でも下車位置でも同一であり、異なるのはそのステップに関する情報を利用者に届ける音の音質や音声の高低などである。音や音声が異なることによって乗車位置と下車位置を区別できることにより、誤って下車位置から乗車しようとしてしまう危険を回避できる。また、近接するエスカレータやマンコンベアの案内の音や音声と区別できるように、それぞれのエスカレータやマンコンベア同士の案内の音や音声の音質や高低などを異ならせる方法や、エスカレータやマンコンベアを区別するための情報を音や音声に持たせる方法も考えられる。また、上昇用のエスカレータやマンコンベアと下降用のエスカレータやマンコンベアで案内の音や音声の音質や肯定を異ならせることや、あるいは上昇用のエスカレータやマンコンベアと下降用のエスカレータやマンコンベアを区別できるような情報を音や音声に持たせることにより、エスカレータやマンコンベアが上昇用であるか下降用であるかを利用者に案内する方法も考えられる。
【0007】
エスカレータやマンコンベアの利用者に、乗車や下車のタイミングを利用者の乗るステップに対応した情報を持つ音や音声で案内する場合には、点字や視覚を用いずに指先などで判読できる文字など利用者の乗っているステップを特定できる情報源をエスカレータやマンコンベアの手摺に設けておき、案内に用いる音や音声の情報をこれらの文字情報に対応させる方法も考えられる。あるいは、手摺に設けるこれらの文字情報を可変できるように設けておき、案内に用いる音や音声の情報にこれらの文字情報を対応させる方法も考えられる。
また、案内用の音や音声が常時発せられているモードとエスカレータやマンコンベアの利用者が必要としたときに発せられるモードを用意しておき、適宜これらのモードを切り替えて音や音声による案内を行う方法も考えられる。また、どちらか一方のモードの機能しか持たない方法も考えられる。
【0008】
また、案内の音や音声は、足元や天井や、エスカレータやマンコンベアの側面や床面などの外面、などの任意の位置に配置したスピーカーなどの任意の発音装置を用いてエスカレータやマンコンベアの任意の利用者に直接届けられる方法や、任意の周波数の電磁波や超音波など任意の通信媒介を用いた任意の通信方式を採用し、任意の受信装置を持つ利用者のみに届けられるようにする方法も考えられる。任意の受信装置を持つ利用者のみに届けられる場合は、近接するエスカレータやマンコンベア毎に任意の異なる通信チャンネルを用いる方法も考えられる。また、乗車と下車の案内に応じて任意の異なる通信チャンネルを用いる方法も考えられる。あるいは上昇用と下降用で異なる通信チャンネルを用いる方法も考えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
エスカレータやマンコンベアの利用者の乗車および下車に際して音や音声でタイミングを案内する。タイミングを案内する音や音声は、エスカレータやマンコンベアのステップの動きに同期あるいは連動させて発する。音や音声をステップの動きと同期あるいは連動させる方法としては、エスカレータやマンコンベアの動力源の回転数や運転状況を測定したり、乗降口の床下などの任意の位置で物理的スイッチなどの接触式のセンサあるいは光学センサや超音波センサなどの非接触式などのセンサなど任意のセンサを用いてステップの通過や運転状況を感知したり、タコジェネレータやパルスエンコーダなどのステップの運転速度を測るセンサとタイマー装置を使ってステップの位置を推測するなどが考えられる。各ステップあるいは特定のステップが乗車位置や下車位置に到達するたびに音や音声を発する。案内用の音や音声は、利用者の足元や天井やエスカレータやマンコンベアの側面や床面などの外面など、乗車位置や下車位置の付近の任意の場所に任意の発音装置を設けて発する。乗車位置と下車位置が近かったり、エスカレータやマンコンベアが近接する場合など音や音声が混同されやすい場合は指向性の高いスピーカを用いる方法も考えられる。
案内に用いる音や音声としては、「ピッ、ピッ、ピッ・・・」や「ポン、ポン、ポン・・・」や「次、次、次・・・」などのようにエスカレータやマンコンベアのどのステップに乗った利用者にとっても同一である音や音声を用いる方法が考えられる。
【0010】
また、「A1、A2、A3・・・A50、A51、A52・・・A1、A2、A3・・・」、「1−1、1−2、1−3・・・1−50、1−51、1−52、・・・1−1、1−2、1−3・・・」などのように利用者の乗るステップに対応する情報を持つ音や音声を用いる方法も考えられる。この方法においては、エスカレータやマンコンベアの所定のステップが乗車位置に来た時に、そのステップに対応する任意の音や音声を発し、その音や音声の持つ情報に対応するステップが下車位置に来た時に下車のタイミングとして乗車時に発した音や音声と同じ情報を持つ音や音声を再び発する。この音や音声としては番号のように順序が分かりやすい音や音声をその順序にしたがって順番に用いることが考えられる。例えば、乗車位置で「A1、A2、A3・・・A15、A16、A17・・・」という音や音声が流れていて、ある利用者が「A16」で乗車したとすると、その利用者が下車位置に近づくにつれて「A1、A2、A3・・・A12、A13、A14・・・」という音や音声が下車位置付近から次第に聞こえてきて、「A16」が発せられたときがその利用者の下車のタイミングとなる。
【0011】
番号などの音声が一度発せられてから次ぎに同じ番号などの音声が発せられるまでの周期は、エスカレータやマンコンベアのステップが乗車位置に着てから下車位置に着くまでの時間間隔以上にしておく方法も考えられる。このことにより、エスカレータやマンコンベアの利用者にとって、乗るべきステップが乗車位置に着た時に発せられる音や音声が次に発せられるのはステップが下車位置に来た時に限られる。つまり、乗車位置付近で「A1、A2、A3・・・A14、A15、A16・・・」という音や音声が発せられているエスカレータへの乗車時に「A15」を聞いた利用者が再び「A15」を聞くことは下車位置付近に到達するまでありえず、乗車位置でも下車位置でもない地点でその利用者が「A15」を聞くことはない。もちらん下車位置では、対応するステップが下車位置に到達するたびに「A1、A2、A3・・・A14、A15、A16・・・」という音や音声が発せられる。このことにより、利用者は乗車時に聞いた音や音声が再び発せられた時に下車行動を行えばよい。また、乗車や下車の案内に用いられている音や音声に順序があるので、エスカレータやマンコンベアの利用者は、下車位置が近くなるにつれて下車位置付近で発せられる音や音声の情報が自分の番号などの順序情報に近くなることを認識することにより、下車位置までの距離や所要時間を把握することができ、下車の準備をすることが可能になる。また、従来なされているように「まもなく降り口です」などという案内では利用者はいつ実際の下車行動を起こせばよいのか曖昧であるが、本方法では下車行動を起こすべきタイミングをより明確に把握することができる。
【0012】
さらには、エスカレータやマンコンベアが上昇用であるか下降用であるかによって音や音声を異なるようにしておくことで、利用者は乗ろうとしているエスカレータやマンコンベアが上昇用であるか下降用であるかを判断できたり、あるいは目的の方向に運転しているエスカレータやマンコンベアを探すことができる。この方法は、上述したエスカレータやマンコンベアのどのステップに乗った利用者にとっても同一である音や音声を用いる方法においても適用できる。
また、乗車や下車のタイミングの案内に用いられる音や音声は、乗車用と下車用で区別できるようにしておく方法が考えられる。例えば、エスカレータやマンコンベアのどの位置に乗った利用者にとっても同一である音や音声を用いる方法では、乗車用を「ピッ、ピッ、ピッ・・・」とし下車用を「ポン、ポン、ポン・・・」とする。また、利用者の乗る位置に対応する音や音声を用いる方法では、例えば、乗車用を男性風の声で「A1、A2、A3・・・A50、A51、A52・・・A1、A2、A3・・・」とし、下車用を女性風の声で「A1、A2、A3・・・A50、A51、A52・・・A1、A2、A3・・・」とする。このことにより、エスカレータやマンコンベアの利用者が誤って下車位置から乗車しようとすることを防ぐことができ、下車位置から乗車しようとすることによって利用者に生じる危険を回避することができる。この方法は、上述した上昇用と下降用で音や音声を異ならせる方法と組み合わせて用いることも可能である。例えば上昇用のエスカレータの乗車位置では「ピッ、ピッ、ピッ・・・」という音や音声が発せられており、下車位置では「ポン、ポン、ポン・・・」という音や音声が発せられている。また、下降用のエスカレータの乗車位置では「ブー、ブー、ブー・・・」という音や音声が発せられており、下車位置では「ポロ、ポロ、ポロ・・・」という音や音声が発せられているなどである。
【0013】
また、上述したエスカレータやマンコンベアの利用者の乗るステップに対応する情報を持つ音や音声を用いる方法においては、例えば上昇用の音声の初めの音声はアルファベットの最初であるAから順に用い、下降用はアルファベットの最後であるZから逆順に用いる方法が考えられる。つまり、上昇用のエスカレータが2台と下降用のエスカレータが2台あるとしたら、上昇用の1台のエスカレータは「A1、A2、A3・・・A50、A51、A52・・・A1、A2、A3・・・」という音声を用い、他の上昇用のエスカレータは「B1、B2、B3・・・B50、B51、B52・・・B1、B2、B3・・・」という音声を用い、下降用のエスカレータの1台は「Z1、Z2、Z3・・・Z50、Z51、Z52・・・Z1、Z2、Z3・・・」という音声を用い、他の下降用のエスカレータは「Y1、Y2、Y3・・・Y50、Y51、Y52・・・Y1、Y2、Y3・・・」という音声を用いるなどである。この場合においては、エスカレータやマンコンベアの利用者は案内の音声がどのようなアルファベットで始まるかによって、そのエスカレータやマンコンベアが上昇用であるのか、下降用であるのかを判断できる。また運転方向が同じでも行き先が違う場合が、利用者は予め目標地点に行くためのエスカレータのアルファベットを調べておくことで、目的の場所につながるエスカレータを探すことができる。また、誤解を防ぐために「B」と「D」など聞き間違えやすいアルファベットの使用は避けることも考えられる。また、聞きやすさを考えて、例えば「A52」など数字を含む音や音声は「えーごじゅうに」などと発せずに「えーごーにー」などと発する方法も考えられる。
【0014】
順序のある音や音声を案内に用いる場合として、例えば数字を読み上げた音声が考えられるが、その音声が一度発せられてから次ぎに発せられるまでの数字の周期については次の2つの方法が考えられる。
1つ目は、個々のエスカレータやマンコンベアの長さによらず、全てのエスカレータやマンコンベアで同じ周期を用いる方法である。例えばどのエスカレータやマンコンベアにおいても数字は1から始まり300まで達すると再び1に戻る、つまり「1,2,3、・・・298、299、300、1,2,3・・・」という方式である。この例においては数字が300までで1に戻ることを視力に障害を持つ方など音や音声による案内を必要とする利用者に周知徹底しておくことで、乗車時に「1」を聞いた利用者は、下車位置付近で「・・・298、299、300」が発せられていることを耳にすると次に1が来る事を予測できるので、下車の準備をできる。この例では数字は300までで1に戻るとしたが、実際の場合の数値は既存のエスカレータやマンコンベアの長さを考慮して決める方法も考えられるが、必ずしも音声が一度発せられてから次ぎに発せられるまでの周期をエスカレータやマンコンベアのステップが乗車位置に着てから下車位置に着くまでの時間間隔以上にする必要はないので、利用者の覚えやすい周期を採用しその周期を周知徹底しておく方法も考えられる。
2つ目は、個々のエスカレータやマンコンベアの長さに応じて案内用の音声として発する数字の周期を定める方法である。例えば、あるエスカレータでは50までで1に戻り、他のエスカレータでは77までで1に戻るなどである。この方法においては、エスカレータやマンコンベアの手摺に点字や視覚を用いずに指先などで判読できる文字によって順序情報を持たせ、乗車時に利用者に知らせる音や音声をこの順序情報に対応させる方法をとることができる。つまり、例えば「A33」を意味する手摺に従って乗車する利用者の乗車時には「A33」という音声が発せられ、下車時にも再び「A33」という音声が発せられるという方式にすることもできる。この場合の利点は、利用者が乗車時に聞いた数値などを忘れても手摺の順序情報からその数値を知ることができる点である。
【0015】
あるいは、エスカレータやマンコンベアの手摺の点字や視覚を用いずに指先などで判読できる文字を運転中に変えられるようにしておき、案内用の音や音声の情報にその文字の表す情報を合わせる方法も考えられ、この場合には、個々のエスカレータやマンコンベアの長さに応じて昇降案内用の音声として発する数字の周期を定めなくても、点字や視覚を用いずに指先などで判読できる文字と連動させることができ、利用者が乗車時に聞いた数値などを忘れても手摺の順序情報からその数値を知ることもできる。
【0016】
また、大規模な施設では複数のエスカレータやマンコンベアが近接して設置されている場合があるので、これらの案内用の音や音声を区別できるように、近接するエスカレータやマンコンベア同士の音や音声の情報を異ならせておく方法が考えられる。例えば、ある上昇用のエスカレータは「A1、A2、A3・・・A50、A51、A52・・・A1、A2、A3・・・」という音声を用い、そのエスカレータに近接するエスカレータは「B1、B2、B3・・・B50、B51、B52・・・B1、B2、B3・・・」という音声を用い、他の近接する下降用のエスカレータは「C1、C2、C3・・・C50、C51、C52・・・C1、C2、C3・・・」という音声を用いる方法が考えられる。この方法と前記の乗車用と下車用の音声を区別できるようにしておく方法を組み合わせる方法も考えられる。
【0017】
以上に挙げた方法の組み合わせの例として、上昇用のエスカレータが2台と下車用のエスカレータが2台ある場合を示す。上昇用の1台のエスカレータは乗車位置では男性風の音声で「A1、A2、A3・・・A50、A51、A52・・・A1、A2、A3・・・」と直接聴覚に対して案内し、下車位置では女性風の音声で「A1、A2、A3・・・A50、A51、A52・・・A1、A2、A3・・・」と直接聴覚に対して案内する。他の上昇用のエスカレータは乗車位置では男性風の音声で「B1、B2、B3・・・B70、B71、B72・・・B1、B2、B3・・・」と直接聴覚に対して案内し、下車位置では女性風の音声で「B1、B2、B3・・・B71、B72、B73・・・B1、B2、B3・・・」と直接聴覚に対して案内する。下降用のエスカレータの1台は乗車位置では男性風の音声で「Z1、Z2、Z3・・・Z30、Z31、Z32・・・Z1、Z2、Z3・・・」と直接聴覚に対して案内し、下車位置では女性風の音声で「Z1、Z2、Z3・・・Z30、Z31、Z32・・・Z1、Z2、Z3・・・」と直接聴覚に対して案内する。他の下降用のエスカレータは乗車位置では男性風の音声で「Y1、Y2、Y3・・・Y60、Y61、Y62・・・Y1、Y2、Y3・・・」と直接聴覚に対して案内し、下車位置では女性風の音声で「Y1、Y2、Y3・・・Y60、Y61、Y62・・・Y1、Y2、Y3・・・」と直接聴覚に対して案内する。この例では、エスカレータやマンコンベアの利用者は常に男性風の音声の聞こえてくる場所をエスカレータやマンコンベアの乗車位置として判断できる。したがって、利用者がエスカレータやマンコンベアに乗ろうとした時に女性風の音声が聞こえてきたら、誤って下車位置から乗車しようと試みていることが分かり、実際にエスカレータやマンコンベアに乗る前に誤りに気づくことができる。これにより、誤って下車位置から乗車してしまう危険を回避することができる。
【0018】
また、案内用の音や音声の発音に関しては、案内用の音や音声を常時発するモードの他に、エスカレータやマンコンベアの利用者が必要とした時にのみ案内用の音や音声を発するモードを設け、これらのモードを混雑状況などに応じて適宜切り替えて使用する方式も考えられる。あるいは、エスカレータやマンコンベアの設置当初にどちらか一方のモードのみの機能に限定する方法も考えられる。必要時にのみ案内用の音や音声を発するモードの場合は、案内を必要とする利用者がスイッチやリモコン装置や音声命令などの任意の手段で案内の機能をONにする方式が考えられ、案内を必要とする利用者が乗車する前後の任意の時間内は音や音声による乗車のタイミングの案内をし、案内を必要とする利用者が下車する前後の任意の時間内は音や音声による下車のタイミングの案内をする。この場合、利用者が下車してから任意の時間が経過後に案内の機能をOFFになるようにしておく。このようにエスカレータやマンコンベアの利用者が必要とした場合のみ音や音声によってタイミングを案内することで、その利用者の乗る特定のステップの動きに対してのみ案内が行われ、利用者にとっては情報の混乱を避けることができる。
【0019】
以上の例では案内用の音や音声は乗車位置や下車位置付近に設置した任意の発音装置によってエスカレータやマンコンベアの利用者の耳に直接届けられるとしたが、案内用の音や音声を任意の周波数の電磁波や超音波など任意の通信媒介を用いたAM変調やFM変調など任意の通信方式でAMラジオやFMラジオなどの任意の受信装置を持つ利用者のみに届けられるようにする方法も考えられる。
任意の受信装置を持つ利用者のみに案内用の音や音声が届けられる場合は、近接するエスカレータやマンコンベア毎に異なる通信チャンネルを用いる方法も考えられる。また、乗車と下車の案内に応じて任意の異なる通信チャンネルを用いる方法も考えられる。例えば、案内用の音や音声をFMラジオで受信できるようにしておき、上昇用の向かって右側のエスカレータについては乗車用が77MHzで受信可能で下車用が78MHzで受信可能で、上昇用の向かって左側のエスカレータについては乗車用が80MHzで受信可能で下車用が81MHzで受信可能で、下降用のエスカレータは乗車用も下車用も87MHzで受信可能であるなどである。
【0020】
エスカレータやマンコンベアの利用者の身体特性などに影響される可能性があるので、利用者が乗車行動および下車行動を実行に移すべきタイミングは、本発明による案内の方法を実施する場合の案内用の音や音声のタイミングとは微妙に異なる可能性があり、その異なり方も乗車と下車でさらに異なる可能性もある。しかし、案内の音や音声の発せられたタイミングから利用者それぞれがそれぞれの時間間隔を考慮して乗車行動および下車行動を行えばよい。
【0021】
例えば、ある利用者は乗車用の音や音声が発せられてから0.1秒後に足を踏み出し、下車用の音や音声が発せられてから0.2秒後に足を踏み出すと良いかも知れない。また、例えば、別の利用者にとっては、乗車用の音や音声が発せられてから0.2秒後に足を踏み出し、下車用の音や音声が発せられてから0.1秒後に足を踏み出すと良いかも知れない。このようなしかるべき時間間隔の感覚は本発明によるエスカレータやマンコンベアを利用するうちに習得できる。
【0022】
【発明の効果】
エスカレータやマンコンベアの乗車のタイミングや下車のタイミングを利用者に音や音声で知らせることができるので、視力に障害を持つ方などがエスカレータやマンコンベアを従来よりも安全に利用できる。また、エスカレータやマンコンベアが上昇用であるか下降用であるかを区別できたり、乗車位置と下車位置を区別できるので誤って下車位置から乗車しようとする危険性を回避できる。また、視力に障害を持つ方も障害を持たない方も同じエスカレータやマンコンベアを利用することができるので、いわゆるバリアフリーの効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乗車時の概念図
【図2】本発明の下車時の概念図
【符号の説明】
1 エスカレータやマンコンベアの乗車位置
2 エスカレータやマンコンベアの下車位置
3 エスカレータやマンコンベアの利用者
4 エスカレータやマンコンベアのステップ
5 エスカレータやマンコンベアの手摺
6 スピーカーなどの発音装置
Claims (8)
- エスカレータやマンコンベアの側面や床面などの外面や乗降位置の足元や天井などの任意の場所に発音装置を設け、エスカレータやマンコンベアのステップの動きに同期あるいは連動した任意の音や音声を用いて、任意の利用者に乗車のタイミングならびに下車のタイミングを知らせる音や音声によるエスカレータやマンコンベアの昇降案内方法。
- 音や音声による乗車のタイミングならびに下車のタイミングの利用者への通知を常時行うモードと、エスカレータやマンコンベアの利用者が必要とした時にその利用者に対してのみタイミングを通知するモードの2つを有し、この2つのモードを適宜切り替えることが可能であることを特徴とする請求項1記載の音や音声によるエスカレータやマンコンベアの昇降案内方法。
- 乗車のタイミングならびに下車のタイミングを通知するための音や音声を任意の通信手段を用いて送信し、任意の受信手段を持つ特定のエスカレータやマンコンベアの利用者にのみ知らせることが可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の音や音声によるエスカレータやマンコンベアの昇降案内方法。
- エスカレータやマンコンベアのどのステップに乗った利用者にとっても同一である音や音声を用いて乗車のタイミングならびに下車のタイミングをエスカレータやマンコンベアの利用者に知らせる事を特徴とする請求項1又は2又は3記載の音や音声によるエスカレータやマンコンベアの昇降案内方法。
- エスカレータやマンコンベアの利用者の乗るステップに対応してそれぞれ異なる情報をもつ音や音声を用いて乗車のタイミングを知らせ、下車位置で該情報をもつ音や音声を再び通知することにより下車のタイミングをエスカレータやマンコンベアの利用者に知らせる事を特徴とする請求項1又は2又は3記載の音や音声によるエスカレータやマンコンベアの昇降案内方法。
- 音や音声の情報を通知するための任意の数の装置を用いて、音や音声による異なる情報を利用者に通知することにより、利用者の乗るあるいは乗ろうとするエスカレータやマンコンベアと近接するエスカレータやマンコンベアの案内用の音や音声による情報と利用者の乗るあるいは乗ろうとするエスカレータやマンコンベアの案内用の音や音声による情報を区別できたり、乗車位置であるか下車位置であるかを区別できたり、エスカレータやマンコンベアが上昇用であるか下降用であるかを利用者に知らせることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5記載の音や音声によるエスカレータやマンコンベアの昇降案内方法。
- エスカレータやマンコンベアの利用者の乗るステップに対応した情報として順序のある情報を音や音声にすることを特徴とする請求項1又は2又は3又は5又は6記載の音や音声によるエスカレータやマンコンベアの昇降案内方法。
- エスカレータやマンコンベアの利用者の乗るステップに対応した音や音声としての順序のある情報と同一の順序情報を、エスカレータやマンコンベアの手摺に視覚以外で認識可能な文字情報として備えることを特徴とする請求項1又は2又は3又は5又は6又は7記載の音や音声によるエスカレータやマンコンベアの昇降案内方法。
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