JP2004248788A - トイレ器具の装飾方法および洋式便器 - Google Patents

トイレ器具の装飾方法および洋式便器 Download PDF

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利一 池谷
Shunichi Uchiyama
俊一 内山
Takahiro Mitsui
孝裕 三井
Masayasu Suzuki
正康 鈴木
Rumiko Tamada
るみ子 玉田
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Abstract

【課題】トイレ器具の表面の装飾を熟練を必要とせず簡単に行うことができるとともに、安価で、しかも、電気部品を内蔵したものに対しても適用することのできるトイレ器具の装飾方法および洋式便器を提供する。
【解決手段】トイレ器具の表面に布地C2,C3を貼り付けて装飾するトイレ器具の装飾方法であって、水溶性エマルジョンの接着剤により、布地を剥離可能に貼り付ける。また、ポリプロピレン用プライマーの下塗りを施してその上に水溶性エマルジョンの接着剤を介して布地を貼り付ける。洋式便器は、便蓋2を開く方向に付勢する付勢手段を具備する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トイレ器具の表面に布地を貼り付けて装飾するトイレ器具の装飾方法およびこの装飾方法により装飾される洋式便器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、トイレ器具における便座等の表面に、色、柄、図形等の装飾を施すことにより、トイレ内の雰囲気を明るくしたり、格調の高い雰囲気にしたりすることが検討されている。例えば、合成樹脂からなる便座においては、透明性を有する基材の裏面に印刷インキからなる印刷層が形成されたシートを、表面を上にして便座等の上面に一体成形することにより装飾を施すものが知られており(特許文献1)、また、便座の他、本体ケース、洗浄ノズル等の局部洗浄用便座の露出構成部品に、フィルム状もしくはシート状の樹脂層を設けて装飾したものが知られている(特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−017612号公報([0008]−[0017],図1−図3)
【特許文献2】
特開2001−128891号公報([0019]−[0053],図1−図9)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の方法は、成形型や射出型が必要となり、簡単な設備では製造できないという欠点がある。
そこで、本出願人は、色、柄、図形を施したフィルムを熱により変形させ、変形したフィルムを接着剤により便座等に貼り付けるという方法や、水転写による方法を検討したが、前者の方法できれいな仕上りを得るためには相当の熟練が必要であるとともに、便座等の凹面に対してきれいに貼り付け難いという本質的な問題や、フィルムの作成費用が高額であるという問題があり、さらに、後者の方法は、水転写のため便座等を水槽に漬けることになるので、洗浄水を噴出させるためのモータや暖房用のヒータ線等の電気部品を内蔵したものには適用できないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、トイレ器具の表面の装飾を熟練を必要とせず簡単に行うことができるとともに、安価で、しかも、電気部品を内蔵したものに対しても適用することのできるトイレ器具の装飾方法および洋式便器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のトイレ器具の装飾方法は、トイレ器具の表面に布地を貼り付けて装飾するトイレ器具の装飾方法であって、水溶性エマルジョンの接着剤により、トイレ器具の表面に前記布地を剥離可能に貼り付けたことを特徴とする。ここで、トイレ器具とは、トイレで使用される便器や各種用品を意味するものであり、便器本体、便座(便蓋含む)、給水タンク等の主要製品の他に、ぺーパーホルダ、タオル掛け、ブラシ、ブラシ入れ、飾り棚、トイレ用物入れ等の各種用品(トイレアクセサリー)を含む。
【0007】
請求項1記載のトイレ器具の装飾方法によれば、従来のようなフィルムを用いることなく、布地を用いて貼り付けることにより、トイレ器具の表面を装飾することができる。
トイレ器具に布地(木綿、絹、麻等の天然繊維、ポリエステルやアクリル樹脂等の化学繊維又はこれらの混合繊維による織物布、又は不織布)を貼り付ける場合、一般には、例えば、ポリプロピレン製の便座等の表面に対しては、ポリプロピレンと相性の良いポリプロピレン系の接着剤が用いられる。しかし、このポリプロピレン系の接着剤を用いて布地を貼り付けようとすると、次のような問題が生じてくる。すなわち、ポリプロピレン系の接着剤は、ゴム系で透明ではあるものの、便座等の表面に塗布してこの上から布地を貼り付けると、布地の目から表側に染み出したときに、布地の表面の色柄、模様、図形等の装飾を部分的に隠してしまうことがあった。また、ポリプロピレン系の接着剤は、布地の目に留まって布地の印象を変えてしまうといった問題を有しているとともに、成分として有機溶剤(シンナー)が含まれているので、作業者に有機溶剤による中毒症状が出るおそれもあった。
【0008】
これに対し、水溶性エマルジョンの接着剤は、固化すると透明になるので、布地の表面の色柄、模様、図形等の装飾が、前記ポリプロピレン系の接着剤等を用いたときのように、隠れてしまうといった問題は発生しない。
また、水溶性エマルジョンの接着剤には、有機溶剤が含まれていないので、有機溶剤による作業者の中毒を防止することができる。
さらに、水溶性エマルジョンの接着剤は、速乾性がないので、布地の貼付け調整を簡単に行うことができる。また、便座等の凹面に対しても、布地の伸縮性を生かして柔軟に装飾することができる。
【0009】
また、水溶性エマルジョン(例えば、酢酸ビニールエマルジョン接着剤)は、ポリプロピレン用の接着剤として用いられていないが、乾燥により固化すると、布地を便座等の表面に沿った状態に成形するので、布地を強制的に剥がそうとする場合以外は、便座等から剥離することはない。
【0010】
したがって、トイレ器具の表面の装飾を、熟練を必要とせず簡単に行うことができるとともに、従来のようなフィルムを使用することがないので、安価に行うことができるという利点が得られる。
また、従来の水転写によるときのような、便座等を水槽に漬ける作業を伴わないので、電気部品を内蔵したものに対しても適用することができる。
【0011】
なお、請求項1に記載のトイレ器具の装飾方法において、便座の着座面に布地を貼り付ける場合や便器本体の外周面に全周に及んで布地を貼り付ける場合には、水溶性エマルジョンの固化によって、貼り付けられた布地がそれぞれ断面皿状、筒状に成形されることとなる。このような状態になると、布地は、その伸縮性により貼付け面に密着成形されて一体化されるので、さらに、剥がれ難くなる。したがって、水溶性エマルジョンの接着剤で便座等における平坦な表面を装飾する場合は、他の湾曲面も含むように、装飾面を決定すると、剥離し難い状態で便座等の表面に布地を固定することが可能となる。
【0012】
しかも、布地は、水溶性エマルジョンによりトイレ器具に貼り付けられるので、模様替えを行う際などの張替えが簡単である。便座等から布地を外す場合は、便座等の表面と布地との間にへら状の部材を挿入して、便座等から布地を引き剥がすようにすることで、便座等から布地を簡単に剥離させることができる。便座等から布地を外した後は、別のデザインの布地を同様にして便座等の表面に貼り付けることにより、便座等のイメージを変えることができる。
なお、トイレ器具の主要部分や主だった部分、さらにはトイレアクセサリー等も同一の柄で装飾することにより、トイレ全体としての統一性をもたせることができるようになる。
【0013】
請求項2に記載のトイレ器具の装飾方法は、請求項1記載のトイレ器具の装飾方法において、前記水溶性エマルジョンの接着剤による前記布地の貼り付け前、予め、前記トイレ器具の表面に、水溶性エマルジョンの接着剤に対して石こう配合高分子ポリマーの粉末を混合した下塗り材を塗布して下塗層を形成しておくようにしたことを特徴とする。
【0014】
水溶性エマルジョンの接着剤に石こう配合高分子ポリマーを混合した下塗り剤を、例えば、前記便座等の表面に塗布して下塗層とし、これに水溶性エマルジョンの接着剤を介して布地を固定すると、便座等の表面に対する布地の剥離強さが改善されて剥がれ難くなる。剥離に対する強さが改善されて増すのは、下塗層に対して水溶性エマルジョンの接着剤の馴染みがよく、両者が接着によって一体化することにより、剥離に対する接着強さが向上することによるものと考えられる。また、剥離に対しては、下塗層の石こう配合高分子ポリマーがこれ自身の強度を超えたときに、剥がれやすくなるものと考えられる。
【0015】
請求項3に記載のトイレ器具の装飾方法は、請求項1又は請求項2記載のトイレ器具の装飾方法において、前記トイレ器具として洋式便器の便座を装飾する際に、前記便座の縁部を覆うモールを前記便座の縁部に嵌め込んでこのモールにより前記布地を前記便座に固定するようにしたことを特徴とする。
【0016】
便座の縁部にモールを嵌め込むと、モールにより、布地は、便座に固定される。布地は、その端部がモールで便座に押さえられることとなるので、経時的変化等によって、布地が便座から剥離する現象を効果的に防止することができる。
また、モールで布地の端部を隠すことができるので、仕上がりがきれいになり、見栄えも向上する。
さらに、便座の模様替えなどで、便座から布地を外す際は、モールを外し、便座の表面と布地との間にへら状の部材を挿入して、布地の端部から剥がしていくと、布地全体を便座から簡単に剥離させることができる。
なお、ここで言う便座には、便座を覆う便蓋が含まれる。
【0017】
請求項4に記載のトイレ器具の装飾方法は、トイレ器具の表面に布地を貼り付けて装飾するトイレ器具の装飾方法であって、トイレ器具の表面に、ポリプロピレン用プライマーの下塗りを施して下地を形成した後、前記下地に水溶性エマルジョンの接着剤を介して前記布地を貼り付けるようにしたことを特徴とする。
【0018】
このようにすると、トイレ器具の便座等の表面にポリプロピレン用プライマーの下地に水溶性エマルジョンの接着剤を介して布地が一体化される。
これにより、容易には剥離し難い状態で布地を便座等に貼り付けることができる。
【0019】
請求項5に記載のトイレ器具の装飾方法は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のトイレ器具の装飾方法において、前記布地の貼り付け後、布地表面の凹凸、毛羽立ちを除去すべく前記布地の表面に研磨を施すようにしたことを特徴とする。
【0020】
このようにすると、布地の表面が平滑になるので、より見栄えが向上する。また、表面の凹凸がなくなるので、便座等の表面に貼り付けられている布地に対して下塗り塗装をし、その上に上塗り塗装をすることが可能となる。したがって、仕上げのきれいなトイレ器具が得られる。
【0021】
請求項6に記載のトイレ器具の装飾方法は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のトイレ器具の装飾方法において、前記布地の貼り付け後、前記布地の表面に水溶性エマルジョンの接着剤を塗布して水溶性エマルジョンの接着剤のコート層を形成するようにしたことを特徴とする。
【0022】
便座等の表面に、布地を貼り付けて装飾をすると、布地の自然な風合をそのまま利用することができるが、表面に塗装を施して耐久性や外観を変えたい場合がある。このような場合、布地の表面に、水溶性エマルジョンの接着剤と同じ水溶性エマルジョンを塗布して乾燥させる。前記したように水溶性エマルジョンは乾くと透明になるので、このようにすると、布地のデザインをそのまま生かした状態で耐久性を向上させることができる。また、光沢による高級感を醸し出すこともできる。
【0023】
請求項7に記載のトイレ器具の装飾方法は、請求項6に記載のトイレ器具の装飾方法において、前記コート層の上に、透明なウレタン又は透明なゴム塗料のいずれかによる塗装を施すようにしたことを特徴とする。
【0024】
透明なウレタン又は透明なゴム塗料のいずれか一方を塗装すると、ウレタンは、透明なので、布地のデザインをそのまま生かした状態で耐久性を向上させることができる。また、透明なゴム塗料を塗装した場合も同様な効果が得られる。なお、ウレタンを塗装することにより耐水性が向上するので、一般的に、水濡れや水拭き掃除等により濡れることの多いトイレ器具には、ウレタン塗装が特に有用である。さらに、透明なウレタンを塗装することにより、便座等の表面の仕上がりが柔らかくなるという利点も得られる。また、油性ウレタンを使用することにより家具等に匹敵する硬度を便座等にもたせることもできるようになる。
【0025】
請求項8に記載の洋式便器は、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のトイレ器具の装飾方法により装飾される洋式便器であって、便蓋を開く方向に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする。
【0026】
このような洋式便器によれば、便蓋は付勢手段により開く方向に付勢されるので、便蓋を開くときに必要となる力が軽減されるようになる。
したがって、開閉操作が頻繁に行われる便蓋に装飾を施すことにより、便蓋の重量が装飾前の重量より重くなることがあるが、そのような場合でも、便蓋の開閉操作を無理なく行うことができる。特に、近年、便蓋の開閉をアシストするためのダンパー装置や便蓋の開閉を自動で行うためのモータ駆動装置を備えたものが人気を博しているが、そのような装置を備えた洋式便器に、このような付勢手段を設けることにより、装飾により重量の増した便蓋の開閉動作を補助することができるようになり、便蓋の開閉動作を装飾前の状態と同様に、スムーズに行うことができるようになる。なお、便蓋に対して適正な付勢力が付与されるように、付勢力を調整することができるように構成されていることが望ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態にかかるトイレ器具の装飾方法を説明するためのトイレ器具としての洋式便器を表した図であり、(a)は、便蓋を開いた状態の斜視図、(b)は、便蓋を閉じた状態の斜視図である。図1(a)に示すように、洋式便器1は、便器本体1aにO型の便座3が取り付けられ、使用時には、便座3に枢着された便蓋2を開いて後方へ略垂直に倒した状態とされるものである。便器本体1aは、陶器製であり、また、便蓋2および便座3は、ポリプロピレン製である。
【0028】
洋式便器1は、図1(b)に示すように、便蓋2の上面2aと側面2bに布地C2が貼り付けられて装飾され、また、図1(a)に示すように、便座3の上面(着座面)3aに布地C3が貼り付けられて装飾される。使用される布地C2,C3としては、木綿、絹、麻等の天然繊維、ポリエステルやアクリル樹脂等の化学繊維又はこれらの混合繊維による織物布、又は不織布等がある。本実施形態では、所望の大きさに裁断された木綿製のものを用いている。
【0029】
便蓋2に使用される布地C2は、例えば、図2(a)に示すように、便蓋2の上面2aと側面2bとを覆う大きさの四角形状に裁断されている。また、便座3に使用される布地C3は、例えば、図3(a)に示すように、便座3の上面3aを覆う大きさの輪郭四角形状に裁断されている。なお、本品をキット品として販売する場合には、国内メーカの標準の便器全てに貼り付けることができる程度の大きさを備えたものを用意する。
【0030】
なお、布地C2,C3を節約するために、また、後述する布地C2,C3の貼付け作業時において、その手間を少なくするために、予め、被装飾物である便蓋2等の形状(輪郭)に合わせた大きさに布地C2,C3を裁断しておいても良い。また、メーカー毎の機種に合わせて布地C2,C3を裁断して用意しておくようにしても良い。
なお、布地C2,C3は、予め、市場調査などに基づいて多数作成しておいてユーザーに色又は色柄の見本を提示して色又は色柄を決定するようにしても良い。また、所望の色や色柄がない場合には、新たに作成しても良い。
【0031】
布地C2,C3の貼り付けには、水溶性エマルジョンの接着剤が用いられる。本実施形態では、水溶性エマルジョンの接着剤として、汎用性の高い酢酸ビニールエマルジョンEを用いている。
布地C2,C3による装飾方法としては、大きく分けて、将来、模様替えなどで、布地C2,C3を剥がすケースがあることを前提とした装飾方法Aと、剥がすことを前提としない装飾方法Bとの2通りがある。初めに装飾方法Aについて説明する。
【0032】
装飾方法A
装飾方法Aは、前記のように、将来、模様替え等の張替え目的で布地C2,C3を剥がすケースがあることを前提とした装飾方法であり、ユーザーの好みに合わせて、好きなときに布地C2,C3を貼り替えることが可能である。したがって、布地C2,C3の色、柄、図形等のバリエーションを楽しむことが可能な装飾方法であるといえる。以下、装飾の手順を説明する。初めに、洋式便器1の便蓋2と便座3とを布地C2,C3でそれぞれ装飾する際の手順について説明する。
【0033】
1.便蓋2の装飾
(1)便蓋2の上面2aおよび側面2bを作業用布などできれいに拭き、はけやへら等の道具を用いて、酢酸ビニールエマルジョンEを均一に塗り広げる。このとき、凹凸や塗りムラのないように滑らかに塗るようにする。
(2)酢酸ビニールエマルジョンEを塗った上に、例えば、所望の柄の布地C2(図2(a)参照)を被せて、しわなどを伸ばしながら貼り付ける。酢酸ビニールエマルジョンEは、速乾性ではないので、布地C2の貼付け調整が可能である。この場合、布地C2は、木綿製であるので伸縮性を有しており、便蓋2の曲線形状に合わせて柔軟に貼り付けることが可能である。また、便蓋2に布地C2を貼り付けると、酢酸ビニールエマルジョンEが布地C2に浸み込む作用により、布地C2の伸縮性がより促進されることとなり、布地C2は、便蓋2の形状に一層沿った状態で貼り付けられるようになる。なお、布地C2を貼り付けたときに、便蓋2の縁部2cから酢酸ビニールエマルジョンEがはみ出すことがあるが、酢酸ビニールエマルジョンEは、水溶性であるので、この場合には、濡らした作業用布等を用いることにより、簡単に拭き取ることができる。
(3)便蓋2に貼り付けた布地C2の表面C2aに、図4に示すように、酢酸ビニールエマルジョンEを塗布し、コート層を形成する。このように、表面C2aに酢酸ビニールエマルジョンEを塗リ付けることにより、布地C2の表面C2aの凹凸を埋めることができる。これにより、布地C2の表面C2aは、平滑に近づくとともに、布地C2のデザインをそのまま生かした状態で、耐久性を向上させることができる。なお、布地C2に用いられている糸が太い(分厚い)場合は、この工程を繰り返して行い、布地C2の表面C2aの凹凸を酢酸ビニールエマルジョンEで埋めるようにする。
(4)貼り付けられた布地C2を乾燥させる。布地C2の乾燥は、自然乾燥により行っても良いが、好ましくは、乾燥室などの設備を用いることにより短時間で行うことができる。
乾燥終了後、便蓋2よりはみ出した余分な布地C2b(図4参照)を便蓋2の縁部2cに沿ってハサミやカッターで切り取る。これにより、全体の見栄えを整える。
(5)布地C2の表面C2aの凹凸、毛羽立ちを除去すべく、布地C2の表面C2aを仕上げ用ペーパーヤスリにて平滑になるまで研磨する。これにより、布地C2の表面C2aが平滑になるので、見栄えがよくなる。また、次の仕上げ塗装の下準備ともなる。
(6)透明な水性ウレタンU(図1(a)参照)を用いて仕上げ塗装を行う。これにより、耐水性等が向上し、その後の手入れ(拭き掃除)も行いやすくなる。なお、水性ウレタンの代わりに水性ゴム塗料、例えば、アクリル系合成ゴムを用いても良い。
(7)図5に示すように、布地C2の端部C2c表面に、ポリプロピレン用接着剤P1を塗布し、断面U字形のビニール製モールMを便蓋2の縁部2cに嵌め込むようにして装着する。これにより、布地C2の端部C2cにモールMが接着固定されるとともに、便蓋2の縁部2cがモールMで装飾される。
【0034】
以上のようにして、便蓋2に布地C2が貼り付けられる。なお、便蓋2に布地C2を貼り付ける際(上記(2))の作業の簡便化を図るために、図2(b)に示すように、予め、便蓋2の上面2aの中央に、仮止め用の両面粘着テープTを貼り付けておき、布地C2の貼付け位置をこの両面粘着テープTによって決定してから、酢酸ビニールエマルジョンEを便蓋2の上面2aおよび側面2bに塗布して、布地C2を貼り付けるようにしても良い。なお、簡単に剥がせるようにするために、両面粘着テープTは、粘着力の弱いものを用いる。
【0035】
2.便座3の装飾
(イ)前記手順(1)と同様に、便座3の上面(着座面)3aをきれいに拭き、布地C3を貼り付ける下準備をする。
(ロ)酢酸ビニールエマルジョンEを便座3の上面3aに均一に塗布し、この酢酸ビニールエマルジョンEを塗った上に、布地C3を被せて貼り付ける。布地C3は、図3(a)に示すように、O型の便座3の形状に合わせて、中央部分を丸く切り取っておくと、貼り付けが行いやすい。
布地C3の貼付け方としては、まず、便座3の内周縁3bに沿って布地C3を貼り付け、布地C3の位置決めを行いつつ、布地C3を便座3の外周縁3cに向けて放射状に均すようにする。このような貼付け方を行うことにより、布地C3の伸縮性をうまく利用することができるようになり、布地C3は、便座3にきれいに貼り付けられることとなる。
(ハ)前記手順(3)〜(6)を行い、酢酸ビニールエマルジョンEの塗布、布C3の乾燥、仕上げ塗装を行う。なお、便座3は、前記便蓋2に比べて、使用時に水濡れするケースが多くなると思われるため、水性ウレタンUや水性ゴム塗料を用いた仕上げ塗装を行う有効性が高い。なお、前記モールMを用いた装飾を便座3に対して行っても良い。また、便座3に布地C3を貼り付ける際の作業の簡便化を図るために、図3(b)に示すように、予め、便座3の上面3aに仮止め用の両面粘着テープT1,T1を貼り付けておいてから、布地C3の貼付け位置を決定するようにしても良い。
なお、便座3が図示しないU型形状のものである場合にも、上記手順と同様にして布地C3を貼り付けることができる。その場合、U型の便座3の形状に合わせて、中央部分に切込みを入れておくと、貼り付けが行いやすくなる。
【0036】
以上のようにして便蓋2および便座3に布地C2,C3が貼り付けられて装飾される。布地C2,C3は、固化すると透明になる酢酸ビニールエマルジョンEにより貼り付けられるので、布地C2,C3の表面の色柄、模様、図形等の装飾が、ポリプロピレン系の接着剤等を用いたときのように、隠れてしまうといった問題が発生しない。また、酢酸ビニールエマルジョンEには、有機溶剤が含まれていないので、有機溶剤による作業者の中毒を防止することができる。
また、酢酸ビニールエマルジョンEは、ポリプロピレン用の接着剤として一般的に用いられていないが、乾燥により固化すると、布地C2,C3を便蓋2,便座3の表面形状にそれぞれ沿った状態に成形するので、布地C2,C3を強制的に剥がそうとする場合以外は、便蓋2,便座3から剥離することはない。
【0037】
すなわち、ポリプロピレン用の接着剤として一般的に用いられることのない酢酸ビニールエマルジョンEを用いることにより、ポリプロピレン製の便蓋2,便座3に布地C2,C3を接着することが実現できるようになる。
なお、布地C2,C3は、便蓋2,便座3にそれぞれ貼り付けられると、断面略皿状に成形されることとなる。これにより、布地C2,C3はその伸縮性により各貼付け面に密着成形されて一体化されるので、さらに剥がれ難くなる。したがって、このように湾曲面も含むように装飾することで、剥離し難い状態で布地C2,C3を固定することが可能となる。また、仕上げ塗装に水性ウレタンUを用いいることにより、便蓋2,便座3の表面の仕上がりが柔らかくなるという利点が得られる。
さらに、油性ウレタンを使用した場合には、家具に匹敵する硬度を便蓋2,便座3にもたせることができるようになる。
【0038】
このようにして貼り付けられた布地C2,C3は、へら状の道具、例えば、図4に示したような、塗布用のへらHを用いて引き剥がすことにより、便蓋2や便座3から容易に剥離させることができる。便蓋2や便座3から布地C2,C3を引き剥がした後は、別のデザインの布地を前記手順で貼り付けることにより、便蓋2や便座3の模様替えを行うことができる。
上記装飾方法Aによれば、布地C2,C3は、剥離性を備えた状態で、便蓋2や便座3に貼り付けられることとなるが、次に説明するように、剥離性を備えつつ、剥離に抗する接着強さが増すように、貼り付けることも可能である。
その手順は、便蓋2に布地C2を貼り付ける作業を例にとって説明すると、前記酢酸ビニールエマルジョンEによる布地C2の貼り付け前、すなわち、前記(1)で説明した手順において、便蓋2の上面2aおよび側面2bを作業用布などできれいに拭いた後に、酢酸ビニールエマルジョンEに対して石こう配合高分子ポリマーの粉末を混合した下塗り材を塗布し、下塗層を形成するものである。
【0039】
このような下塗り剤による下塗層に、酢酸ビニールエマルジョンEを介して布地C2を固定すると、便座2に対する布地C2の剥離強さが改善されて剥がれ難くなる。剥離に対する強さが改善されて増すのは、下塗層に対して酢酸ビニールエマルジョンEの馴染みがよく、両者が接着によって一体化することにより、剥離に対する接着強さが向上することによるものと考えられる。また、剥離に対しては、下塗層の石こう配合高分子ポリマーがこれ自身の強度を超えたときに、剥がれやすくなるものと考えられる。
【0040】
さらに、仕上げ塗装に使用する水性ウレタンUや水性ゴム塗料等に、予め、酸化チタンの粉体を混入しておき、特定波長の紫外線に反応する酸化チタンによって臭気が分解されるようにしても良い。この場合に、酸化チタンの粉末は、白色なので、布地の白地部分に対してのみ使用されるようにする。
【0041】
図6は、洋式便器1の便蓋2の下面2dと便器本体1aに対しても布地C2d,C1a,C1bを貼り付けた場合を例示しており、洋式便器1の全体を統一性のある模様で装飾したものである。
【0042】
便蓋2の下面2dに布地C2dを貼り付ける手順は、前記便蓋2の上面2aおよび側面2b(図1(b)参照)に対する布地C2の貼付け手順(1)〜(6)と同様である。なお、前記便蓋2の上面2aおよび側面2bは、凸面で構成されるのに対し、便蓋2の下面2dは、これとは逆に、凹面で構成されるので、便蓋2の下面2dおよび側面2bの裏面に布地C2dを貼り付ける際には、布地C2dの伸縮性を利用するだけでは吸収することのできないしわが、下面2dと側面2bとの角部周辺で形成される場合がある。この場合には、しわの部分にカッターやハサミで切り込みを入れ、あるいは余分な部分を削除して、その削除した部分同士が重なるようにすることで、見かけ状、しわをなくすことができる。なお、前記削除した部分同士が重なったところは、乾燥後に、布地C2d同士が密着して目立たない状態となり、美観に影響を及ぼすことはない。
【0043】
便器本体1aは、前記便蓋2および便座3とは異なり、材質が陶器製であるが、前記手順(1)〜(6)と同様の手順により、布地C1a,C1bを貼り付けることができる。すなわち、便器本体1aの表面1a1を作業用布できれいに拭いて、酢酸ビニールエマルジョンEを均一に塗布し、左右両側方から布地C1a,C1bを貼り付け、さらに、その上から酢酸ビニールエマルジョンEを塗布した後に布C1a,C1bを乾燥させて余分な部分を削除した後、水性ウレタンU等で仕上げ塗装を行う。
【0044】
便器本体1aの表面1a1は、凹部と凸部とが入り組んだものとなっているので、布地C1a,C1bを貼り付ける際には、布地C1a,C1bが有している前記伸縮性をうまく利用する。これにより、比較的容易に貼付け作業を行うことができる。なお、本実施形態では、便器本体1aの装飾を、左右それぞれ1枚づつの布地C1a,C1bを貼り合わせることにより行うようにしたが、これに限らず、図示しない複数枚の布地を用いるようにしても良い。この場合には、布地を貼り合わせる際の自由度が高まるので、作業がより行いやすくなるという利点が得られる。
【0045】
このようにして便器本体1aに貼り付けられた布地C1a,C1bは、固化すると透明になる酢酸ビニールエマルジョンEにより貼り付けられるので、布地C1a,C1bの表面の色柄、模様、図形等の装飾が、隠れてしまうといった問題が発生しない。
また、酢酸ビニールエマルジョンEは、陶器用の接着剤として用いられていないが、乾燥により固化すると、布地C1a,C1bを便器本体1aの表面形状に沿った状態に成形するので、布地C1a,C1bを強制的に剥がそうとする場合以外は、便器本体1aから剥離することはない。
さらに、便器本体1aの外周面に全周に及んで布地C1a,C1bが貼り付けられると、酢酸ビニールエマルジョンEの固化によって、貼り付けられた布地C1a,C1bは筒状に成形されることとなる。このような状態になると、布地C1a,C1bは、その伸縮性により便器本体1aの表面1a1に密着成形されて一体化されるので、さらに、剥がれ難くなる。
【0046】
装飾方法B
装飾方法Bは、前記のように、将来、剥がすことを前提としない装飾方法であり、前記装飾方法Aよりも剥離し難い状態が得られるものである。装飾方法Bが前記装飾方法Aと異なるところは、便蓋2の上面2aおよび側面2bを装飾する場合を例に説明すると、便蓋2の上面2aおよび側面2bに酢酸ビニールエマルジョンEを塗布する前に、以下の下地処理を行う点である。
(ニ)便蓋2の側面2bの縁部近傍2b1を、図7に示すように、図示しないサンドペーパーで研磨する。
(ホ)研磨した部分に、ポリプロピレン用プライマーP2を塗布する。
(ヘ)前記手順(ホ)で塗布したポリプロピレン用プライマーP2を乾燥させる。
(ト)石こう配合高分子ポリマーの粉末を水に溶かし、その液体Fをポリプロピレン用プライマーP2の上に塗布し、乾燥させる。
という下地処理を行う。そして、その上に、酢酸ビニールエマルジョンEを塗布するとともに、便蓋2の上面2aおよび側面2bにも酢酸ビニールエマルジョンEを塗布して、布地C2を貼り付ける。その後、前記手順(4)〜(6)に基づいて、乾燥、研磨、仕上げ塗装を行う。
【0047】
上記手順(ニ)の研磨で使用するサンドペーパーの粗度としては、#80〜#100のものが適当である。また、本実施形態で使用したポリプロピレン用プライマーは、会社名:長嶋特殊塗料株式会社、製品名:ポリプロピレン用プライマーS−54である。
このような下地処理を行うことによって、ポリプロピレン用プライマーの下地に、石こう配合高分子ポリマーの粉末(液体F)と酢酸ビニールエマルジョンEとを介して布地C2が一体化される。
なお、作業の簡略化を図るために、石こう配合高分子ポリマーの粉末は、予め、酢酸ビニールエマルジョンEに混ぜておいて、ポリプロピレン用プライマーP2を塗布して乾燥させた上に、これを塗布するようにしても良い。また、石こう配合高分子ポリマーは必ずしも用いなくても良く、ポリプロピレン用プライマーを塗布して乾燥させた上に、酢酸ビニールエマルジョンEを直に塗布して、その上に布地C2を貼り付けるようにしても良い。
このように、石こう配合高分子ポリマーを使用しない場合でも、剥離に対する所望の強さが得られることとなる。また、剥離強さをより一層高めたいときには、前記のように石こう配合高分子ポリマーを用いる。
なお、石こう配合高分子ポリマーの粉末を塗布する手順を省いた方法においては、その分、コストダウンが達成されることとなる。
また、上記装飾方法Bは、陶器製の便器本体1aに対しても同様に適用することができる。
【0048】
さらに、本実施形態では、色柄のみを施す説明をしたが、各部分に、異なる色の中から、ユーザーが選択した色をそれぞれ施すようにしても良い。また、便蓋2の上面2aおよび側面2b、便座3の上面3aを装飾する説明をしたが、ユーザーの好みに応じて、便座3の下面に装飾を施して色柄を形成しても良い。さらに、図示しない給水タンク等を布地で装飾するようにしても良い。
【0049】
また、例えば、図8に示すように、前記布地C2,C3等と同色、同模様の布地C4を用いて、ぺーパーホルダ10、タオル掛け11、ブラシ入れ12の外表面を装飾するようにしても良い。この場合、ぺーパーホルダ10、タオル掛け11、ブラシ入れ12の各ベース13に、図9、図10、図11に示すように、その表面に貼り付ける両面テープT2で仮止めしながら、酢酸ビニールエマルジョンEにより、布地C4を貼り付ける。
【0050】
図8、図9を参照すると、前記ペーパーホルダ10の保持具15は、トイレットペーパーPの芯を回転自在に支持するためのカラーを取り付けた直線部15aと、この直線部15aの両端部に設けられ前記ベース10の両側の嵌合孔16a,16aに嵌合する支持腕15b,15bとからなっており、支持腕15b,15bに外向きの力を加えて直線部15aを可撓させた状態で、嵌合孔16a,16aに各支持腕15b,15bを嵌合させる構造となっている。
【0051】
図8、図10を参照すると、タオル掛け11の保持具15は、前記したペーパーホルダ10の保持具15と共通であり、保持具15の直線部15aに直接又はカラー(図示せず)を取り付けて、直線部15aに直接又はカラー(図示せず)にタオルToを掛けるように構成している。
【0052】
図8、図11を参照すると、前記ブラシ入れ12のブラシの保持具18は、上方に開口する有底筒体状のブラシ収容部18aと、このブラシ収容部18aの上部外周鍔部をベース13に保持する保持部18bと、この保持部18bをベース13の一対の嵌合孔16a,16aに支持するための支持腕18c,18cとから構成される。
【0053】
このように、各ベース13が布地C4により装飾され色柄が統一されるので、統一された美観により、暖かさ、華やかさ、簡素さ、重厚さ、清潔さ、爽やかさ等が表現される。また、布地C4に図示しない酸化チタンを担持させることにより、トイレ内の臭気を触媒反応によって消臭することができる。これにより、異臭による不快感を一掃することが可能となる。
【0054】
(第二の実施形態)
図12は本発明の第二の実施形態にかかるトイレ器具の装飾方法により装飾される洋式便器の便蓋を示した斜視図である。本実施形態では、便蓋2を開く方向に付勢する付勢手段としての錘装置20が便蓋2に設けられている。
便蓋2は、基端部の両端においてヒンジ部2e,2eにより、図示しない便座に開閉回動可能に枢着されている。錘装置20は、図13にも示すように、アーム部21と、このアーム部21の一端部側21aの溝部21a1にスライド可能に取り付けられた錘部22とを備えている。
【0055】
アーム部21は、他端部側21bに設けられた2本の取付部23a,23bにより、便蓋2の一方のヒンジ部2eの側方にボルト24a,24bにより取り付けられる。2本の取付部23a,23bのうち、錘22に近い側の取付部23bは、ヒンジ部2e,2eを通る軸線の延長線上に重なるように取り付けられている。錘部22は、錘22aと、固定部22bとを備えている。錘部22は、図13に示すように、固定部22bに設けられたねじ22b1をアーム部21の一端部側21aの溝部21a1に挿通して、錘22aに設けられたねじ穴22a1に螺合させることにより、アーム部21の溝部21a1の所望の位置に取り付けられるようになっている。したがって、錘部22は、前記螺合を緩めることにより、溝部21a1の範囲内で取付位置を調整することが可能である。
【0056】
このような錘装置20を備えた洋式便器によれば、便蓋2を開けたとき、錘装置20の錘22aによる下方向への重力が作用するため、便蓋2は開く方向に付勢されることとなり、これによって、便蓋2を開くときに必要となる力が軽減されるようになる。
したがって、開閉操作が頻繁に行われる便蓋2において、装飾を施すことにより、便蓋2の重量が装飾前の重量より重くなることがあっても、便蓋2の開閉操作を無理なく行うことができる。
例えば、近年、便蓋2の開閉をアシストするためのダンパー装置や便蓋2の開閉を自動で行うためのモータ駆動装置を備えたものが人気を博しているが、そのような装置を備えたものに対して、このような錘装置20を設けることにより、装飾により重量の増した便蓋2の開閉動作を補助することができるようになり、便蓋2の開閉動作を装飾前の状態と同様に、スムーズに行うことができるようになる。
なお、錘22aは、便蓋2の大きさや構造に合わせて、重さの異なるものを複数種類用意し、状況に合わせて適正な付勢力が便蓋2に付与されるようにしても良い。また、この錘装置20による付勢力は、便蓋2を回動させるには至らない程度の力である。
さらに、錘装置20は、前記構成のものに限らず、例えば、図示しないバネやスプリングの弾性による付勢力によって、便蓋2が開く方向に付勢されるように構成しても良い。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかるトイレ器具の装飾方法は、トイレ器具の表面の装飾を熟練を必要とせず簡単に行うことができるとともに、安価で、しかも、電気部品を内蔵したものに対しても適用することができる。
また、本発明にかかる洋式便器は、便蓋に装飾を施すことにより、便蓋の重量が装飾前の重量より重くなったとしても、便蓋の開閉操作を無理なく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるトイレ器具の装飾方法を説明するためのトイレ器具としての洋式便器を表した図であり、(a)は、便蓋を開いた状態の斜視図、(b)は、便蓋を閉じた状態の斜視図である。
【図2】(a)(b)は便蓋への布地の貼付け手順を説明するための平面図である。
【図3】(a)(b)は便座への布地の貼付け手順を説明するための平面図である。
【図4】便蓋への布地の貼付け手順を説明するための斜視図である。
【図5】便蓋の縁部の拡大断面図である。
【図6】洋式便器全体に布地を装飾した状態を示す斜視図である。
【図7】便蓋への布地の貼付け手順を説明するための斜視図である。
【図8】トイレ内の装飾状態を示す斜視図である。
【図9】ぺーパーホルダを示す拡大斜視図である。
【図10】タオル掛けを示す拡大斜視図である。
【図11】ブラシ入れを示す拡大斜視図である。
【図12】本発明の第二の実施形態にかかるトイレ器具の装飾方法により装飾される洋式便器の便蓋を示した斜視図である。
【図13】錘装置を示す拡大平面図である。
【符号の説明】
1 洋式便器
1a 便器本体
2 便蓋
2a 上面
2b 側面
2c 縁部
3 便座
3a 上面
20 錘装置(付勢手段)
C1a,C1b,C2,C3,C4 布地
E 酢酸ビニールエマルジョン
M モール
P1 ポリプロピレン用接着剤
P2 ポリプロピレン用プライマー
U ウレタン

Claims (8)

  1. トイレ器具の表面に布地を貼り付けて装飾するトイレ器具の装飾方法であって、水溶性エマルジョンの接着剤により、トイレ器具の表面に前記布地を剥離可能に貼り付けたことを特徴とするトイレ器具の装飾方法。
  2. 前記水溶性エマルジョンの接着剤による前記布地の貼り付け前、予め、前記トイレ器具の表面に、水溶性エマルジョンの接着剤に対して石こう配合高分子ポリマーの粉末を混合した下塗り材を塗布して下塗層を形成しておくようにしたことを特徴とする請求項1に記載のトイレ器具の装飾方法。
  3. 前記トイレ器具として洋式便器の便座を装飾する際に、前記便座の縁部を覆うモールを前記便座の縁部に嵌め込んでこのモールにより前記布地を前記便座に固定するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトイレ器具の装飾方法。
  4. トイレ器具の表面に布地を貼り付けて装飾するトイレ器具の装飾方法であって、トイレ器具の表面に、ポリプロピレン用プライマーの下塗りを施して下地を形成した後、前記下地に水溶性エマルジョンの接着剤を介して前記布地を貼り付けるようにしたことを特徴とするトイレ器具の装飾方法。
  5. 前記布地の貼り付け後、前記布地の表面の凹凸、毛羽立ちを除去すべく前記布地の表面に研磨を施すことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載のトイレ器具の装飾方法。
  6. 前記布地の貼り付け後、前記布地の表面に水溶性エマルジョンの接着剤を塗布して水溶性エマルジョンの接着剤のコート層を形成するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のトイレ器具の装飾方法。
  7. 前記コート層の上に、透明なウレタン又は透明なゴム塗料のいずれかによる塗装を施すようにしたことを特徴とする請求項6に記載のトイレ器具の装飾方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のトイレ器具の装飾方法により装飾される洋式便器であって、便蓋を開く方向に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする洋式便器。
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