JP2004248694A - 医療用針 - Google Patents

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輝幸 谷田部
Tetsuya Ooyanai
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Abstract

【課題】穿刺される皮膚の損傷や患者が感ずる痛みを最小限に防ぎ、かつ一定の流量を確保することができる医療用針を提供することにある。
【解決手段】先端2の内径が基端7の内径よりも小さく、先端2の外径が基端の外径7よりも小さく構成され、かつ先端と基端との間には内径及び外径がそれぞれテーパー形状であるテーパー部分6が設けられている医療用針1であって、テーパー部分6には、少なくとも一つ以上の側孔9が設けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、留置針や採血針などとして有効な医療用針に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、採血針や輸液用の留置針などの医療用針では、ストレート形状に延びた管状体の先端に刃面が設けられた形状をしている。これらの医療用針はストレート形状をしているため、ヒアルロン酸などの粘度の高い薬剤を注射する場合や、採血や点滴などで一定の流量を確保する必要がある場合には、内径が大きな針を使用する必要があり、必然的に外径も大きな針を使う必要がある。この場合、皮膚に穿刺する先端の外径も大きくなるため、皮膚の損傷、患者が感ずる痛みや抵抗感も大きい。
【0003】
そのため、この問題を解決する手段として、小径のストレート針を使用しながら流量を確保するため、側孔が設けられた針などが考案されている(特開平2−65870)。しかし、このような針で基端から側孔に達するまでの内径がストレート形状であるため、一定の流量を確保することは困難である。
【特許文献】
特開平2−65870号公報(全文)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を鑑み、先端を小径とすることで、穿刺される皮膚の損傷や患者が感ずる痛みを最小限に防ぎ、かつ一定の流量を確保することができる医療用針を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題は以下の本発明により解決される。
【0006】
(1)本発明は、先端と基端に開口部を有し、先端の内径が基端の内径よりも小さく、先端の外径が基端の外径よりも小さく構成され、かつ先端と基端との間には内径及び外径がそれぞれテーパー形状であるテーパー部分が設けられている中空管状体からなる医療用針であって、
当該テーパー部分には、少なくとも一つ以上の側孔が設けられていることを特徴とする医療用針である。
【0007】
(2)本発明は、前記側孔の総面積が、前記先端開口部の面積より大きいことを特徴とする上記(1)に記載の医療用針である。ここで、側孔の面積とは、その側孔における最小内径部分の面積をいう。
【0008】
(3)本発明は、前記側孔のうち、最も先端側から遠い位置にあるものの面積が、当該側孔の中心部を含み長手軸方向に対し垂直な断面における中空部分の断面積より大きいことを特徴とする上記(1)乃至(2)に記載の医療用針である。 ここで、側孔の中心部とは、当該側孔が真円でない場合、最大直径部と最小直径部とが交差する点をいう。
【0009】
(4)本発明は、前記先端及び前記基端の一方又両方を長手軸方向に対し斜めに切削することにより、刃面が設けられている上記(1)乃至(3)に記載の医療用針である。
【0010】
なお、本発明において、先端及び基端の開口部の内外径は、長手軸方向に対する垂直面における内外径をいい、先端及び/又は基端に刃面が形成されている場合には、刃面の根元(アゴ部)から長手軸方向に対する垂直面(断面)における内外径をいう。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の医療用針の形態について具体的に説明する。図1は、本発明の医療用針1の正面図、図2は図1におけるA−A線断面図を示す。医療用針1は、先端2と基端7に、それぞれ先端開口部4、基端開口部8を有し、先端の内径が基端の内径よりも小さく、先端の外径が基端の外径よりも小さく構成され、かつ先端と基端との間には内径及び外径がそれぞれテーパー形状であるテーパー部分6が設けられている中空管状体である。
【0012】
先端2は切削されることにより刃面3が形成され、刃面の根元(アゴ部)5から長手軸方向に対する垂直面に先端開口部4が形成され、さらにテーパー部分6には、側孔9が設けられている(図1においては底面に形成され点線で示す)。
【0013】
先端2のゲージサイズは、ISO9626:1991/And.1:2001(E)に規定される14G(ゲージ)(外径2.1mm、内径1.5mm)以下であり、特に望ましくは23G以下(外径0.6mm、内径0.32mm)である。これにより、穿刺により生じる皮膚の傷口を小さくし、患者への負担を軽減することができる。
【0014】
基端7のゲージサイズは、ISO9626:1991/And.1:2001(E)に規定される30G(外径0.3mm、内径0.188mm)以上であり、特に望ましくは27G(外径0.4mm、内径0.133mm)以上である。中心軸に対するテーパーの角度θは、2度以下が望ましく、1度50分以下がより望ましい。
【0015】
通常、留置針や採血針などを静脈に穿刺する場合、血管内に入る長さは15mm程度である。このため、先端より15mm以上の部分に側孔9が設けられている場合、側孔9が血管に入りきらず、薬液漏れや血液漏れ等の事故が発生する危険がある。そのため、側孔9は最先端から1mm以上15mm以下、特に望ましくは2mm以上10mm以下の範囲に側孔全体が含まれるように設けられることが望ましい。
【0016】
本発明の医療用針1は上述した形状により、先端が小径であるため、穿刺される皮膚の損傷や患者が感ずる痛みを最小限に防ぎ、かつ先端開口部4とテーパー部分6に側孔9とによって。基端開口部8を流通する流量をそのまま流入・流出させることができる。
【0017】
側孔9は、その面積が、先端開口部4の面積より大きくなるように開けられていることが望ましい。これにより、内径がテーパー形状であるテーパー部分がありながら、流出させる際の流路抵抗値を低くすることができる。流路抵抗値は、同じ長さであれば、針管内径の断面積の二乗に反比例する。断面積が大きいほど抵抗は小さくなり、逆に断面積が小さくなれば抵抗は大きくなる。そのため、側孔9(複数ある場合は、先端から最も遠い位置にあるもの)が、その中心部を含み長手軸方向に対し垂直な断面における針管中空部分の断面積より大きい場合、側孔の面積と同じ内径を持ったストレート針と比較すると、側孔9から基端に向けてどこの断面をとってもストレート針の断面積より大きくなり、小さくなる部分がないため、必然的に流路抵抗値は小さくなる。
【0018】
しかしながら、側孔9の面積は大きすぎると、針の強度が弱くなり。折れ曲がりやすくなるため、穿刺時に針が折れてしまう可能性がある。そのため、側孔9は、側孔9の中心部を含み長手軸方向に対し垂直な面の外周における割合を、45%以下とすることが望ましく、特に40%以下とすることが望ましい。
【0019】
このように、先端2と基端7との間のテーパー部分6に、少なくとも先端開口部4より大きな開口部31を設けることにより、低侵襲と低流路抵抗を両立することができる。
【0020】
本発明の医療用針は、テーパー部分を有する針を形成した後、プレス加工により側孔を設ける方法や、板状材料から医療用針の展開形状体を打ち抜き、同時に展開形状体の一部を打ち抜き側孔を形成した展開形状体を丸める方法などにより作成することができる。
【0021】
また、医療用針は、ステンレス、アルミニウム、チタンなどの金属材料や、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの樹脂材料が適選使用できる。
【0022】
なお、本発明の医療用針の具体的な寸法などの具体例(実施例1〜4)を表1に示す。各実施例の医療用針は、先端が30G(外径0.3mm,内径0.15mm)、基端が18G(外径1.2mm、内径0.8mm)相当であり、先端が30Gでありながら、22Gの注射針(外径0.7mm、内径0.39mm)と同等以上の流路抵抗を持ちながら、皮膚の傷口をそれ以下に抑えることができる。
【0023】
【表1】
Figure 2004248694
【0024】
以下に、上述した医療用針1以外の本発明にかかる医療用針の具体的な形状を示す。図3は、本発明の医療用針11の正面図、図4は図3におけるB−B線断面図を示す。医療用針11は、先端12と基端17に、それぞれ先端開口部14、基端開口部18を有し、先端の内径が基端の内径よりも小さく、先端の外径が基端の外径よりも小さく構成され、かつ先端と基端との間には内径及び外径がそれぞれテーパー形状であるテーパー部分16が設けられている中空管状体である。
【0025】
先端12は切削されることにより刃面13が形成され、刃面の根元15から長手軸方向に対する垂直面に先端開口部14が形成され、さらにテーパー部分16には、任意の方向に小さな3つの側孔19a,19b,19cが設けられている(図3においては底面に形成され点線で示す)。
【0026】
医療用針11は、3つの側孔を有する表1の実施例2の具体的な形状であり、使用目的によって、側孔が開いている方向を変えることにより、局所的にあるいは広範囲に薬液を投与したり、効率的に血液や体液などを吸引することが可能となる。
【0027】
なお、医療用針11においては、側孔のうち、最も先端側から遠い位置にある側孔19cの面積が、当該側孔の中心部19dにおける中空部分19eの断面積より大きくなっている。
【0028】
図5は、本発明の医療用針21の正面図、図6は図5におけるC−C線断面図を示す。医療用針21は、先端22と基端27に、それぞれ先端開口部24、基端開口部28を有し、先端の内径が基端の内径よりも小さく、先端の外径が基端の外径よりも小さく構成され、かつ先端と基端との間には内径及び外径がそれぞれテーパー形状であるテーパー部分26が設けられている中空管状体である。
【0029】
先端22は切削されることにより刃面23が形成され、刃面の根元25から長手軸方向に対する垂直面に先端開口部24が形成され、さらにテーパー部分26には、多方向に向くように4つの側孔29a,29b,29c,29dが,29aと29bとが対称に、29cと29eとが対称になるように設けられている。
【0030】
医療用針21は、使用目的によって、側孔が開いている方向を変えることにより、局所的にあるいは広範囲に薬液を投与したり、効率的に血液や体液などを吸引することが可能となる。
【0031】
なお、医療用針21においては、側孔のうち、最も先端側から遠い位置にある側孔29c又は29dのいずれか一方の面積が、当該側孔の中心部29eにおける中空部分29fの断面積より大きくなっている。
【0032】
図7は、本発明の医療用針31の正面図、図8は図7におけるC−C線断面図を示す。医療用針31は、先端32と基端37に、それぞれ先端開口部34、基端開口部38を有し、先端の内径が基端の内径よりも小さく、先端の外径が基端の外径よりも小さく構成され、かつ先端と基端との間には内径及び外径がそれぞれテーパー形状であるテーパー部分36が設けられている中空管状体である。
【0033】
先端32は切削されることにより刃面33が形成され、刃面の根元35から長手軸方向に対する垂直面に先端開口部34が形成され、さらにテーパー部分36には、先端から後端へ長く延びる細長の側孔39を設けている。
【0034】
医療用針31は、表1の実施例4の具体的な形状である。このような形状にすることによって、万が一、異物が発生しても、側孔39の幅より大きな異物の流入・流出を防ぐフィルターの役目を果たし、異物の体内への流出、もしくはアンプルなどから異物の注射器内への流入及び針の異物による詰まりを防ぐことができる。
【0035】
以上、実施形態に基づいて本発明の説明を行ったが、本発明はこれだけに限られたものではない。例えば、先端とテーパー部分との間、あるいは基端とテーパー部分との間にストレート部分が設けられている形状のものでも、先端から後端までがテーパー部分のみで構成されているものであっても良い。
【0036】
本発明の医療用針は、その他一般的に用いられている部材と常套の手段によって組み合せることにより、留置針、血液バッグ、輸液セット、真空採血器、人工透析用注射針、硬膜外針、歯科用針等として使用できる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の、先端と基端に開口部を有し、先端の内径が基端の内径よりも小さく、先端の外径が基端の外径よりも小さく構成され、かつ先端と基端との間には内径及び外径がそれぞれテーパー形状であるテーパー部分が設けられている中空管状体からなり、当該テーパー部分には、少なくとも一つ以上の側孔が設けられていることを特徴とする医療用針により、穿刺される皮膚の損傷や患者が感ずる痛みを最小限に防ぎ、かつ一定の流量を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医療用針1の正面図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図を示す。
【図3】本発明の医療用針11の正面図である。
【図4】図3におけるB−B線断面図を示す。
【図5】本発明の医療用針21の正面図である。
【図6】図5におけるC−C線断面図を示す。
【図7】本発明の医療用針31の正面図である。
【図8】図7におけるC−C線断面図を示す。
【符号の説明】
1,11,21,31 医療用針
2,12,22,32 先端
3,13,23,33 刃面
4,14,24,34 先端開口部
5,15,25,35 刃面の根元(アゴ部)
6,16,26,36 テーパー部分
7,17,27,37 基端
8,18,28,38 基端開口部
9,19a,19b,19c,29a,29b,29c,29d,39 側孔

Claims (4)

  1. 先端と基端に開口部を有し、先端の内径が基端の内径よりも小さく、先端の外径が基端の外径よりも小さく構成され、かつ先端と基端との間には内径及び外径がそれぞれテーパー形状であるテーパー部分が設けられている中空管状体からなる医療用針であって、
    当該テーパー部分には、少なくとも一つ以上の側孔が設けられていることを特徴とする医療用針。
  2. 前記側孔の総面積が、前記先端開口部の面積より大きいことを特徴とする請求項1に記載の医療用針。
  3. 前記側孔のうち、最も先端側から遠い位置にあるものの面積が、当該側孔の中心部を含み長手軸方向に対し垂直な断面における中空部分の断面積より大きいことを特徴とする請求項1乃至2に記載の医療用針。
  4. 前記先端及び前記基端の一方又両方を長手軸方向に対し斜めに切削することにより、刃面が設けられている請求項1乃至3に記載の医療用針。
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