JP2004247232A - 高温固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

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Shoji Ito
昌治 伊藤
Mitsuyo Takahashi
三餘 高橋
Hirohide Furuya
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Abstract

【課題】燃料または空気が、電池内でリターンフロータイプとなる円筒形電池セルのセル単体での交換が可能な高温固体酸化物形燃料電池の提供。
【解決手段】一端が閉止された円筒状の電解質管5に開放側の一端から燃料または空気を供給する管が挿入され、該挿入管と電解質管の内面に塗布された電極面とは1つ以上の電気伝導材で接合されることで、この電気伝導材と挿入管表面部分が電池内面の集電経路を構成し、挿入管内に供給された燃料または空気は電解質管5の閉止端9近傍まで導かれた後、挿入管と電解質管の間に形成される環状部に流入し、挿入管内の流れとは逆向きに電解質管5の開放端へ向かって流れ、挿入管へ供給された未反応の燃料または空気がセル外24へ流出し、電池セルの内外面からの電流取り出し構造12,13を備えた単セルを個別に取り外し可能な構成とした高温固体酸化物形燃料電池。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高温固体酸化物形燃料電池、特に、燃料または空気が電池内でリターンフロータイプの円筒形電池セルに係わり、電池セル単体での交換が可能な電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池では、インターコネクト方式の電流取り出し構造が採用され、複数の電池セルが、各インターコネクト部で相互に接触したモジュール構造となっている。そのため、接触部分の抵抗を低減するために、外部から何らかの力が加え、接触に伴う電気抵抗の低減を図っている。
【0003】
また、燃料または空気の燃料電池セルへの供給方法がワンスルーの場合、供給された流体をセル外部の高温流体と分離するためには、セル出口部で外部の流体と混合しないシール構造が必要となり、セル両端での支持構造となる。
【0004】
セルからの電流取り出し方法がインターコネクト方式でない場合には、各セル毎に正負両極からの電流取り出し線を設けなければならず、円筒形セルでは取り出し部、特に、外表面からの取り出し部は燃料または空気供給用のヘッダー部のシールが必要となる。
【0005】
特許文献1では、複数のスタックから電流取り出し用のリード線の取り付け方法が示されている。この電池構造,リード線方式では、スタックの電気的な結線は並列にしか構成できず、単セルで発生する電圧以上の電圧を得ることは難しい。しかも、リード線が電池を構成する電極の端部、および、中心の1点のみに取り付けられているため、電極内で発生する電流は電気抵抗の大きな電極内を電極厚さに比較し、1桁以上長い距離を移動することになり、大きな電圧損失を発生することになる。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−203869号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
インターコネクト方式では、モジュール毎に1つの連携した構造物として取り扱う必要があり、モジュール内の1つが不良となった場合、モジュール全体を交換しなければならない。しかも外部からの力が加えられているため、起動時などのように急激な温度変化が加わる場合には、セル単体の内部温度分布に伴い熱応力が発生する。
【0008】
これに外部からの力によって発生する応力が重なり、複雑な応力発生となるために、大きな応力が発生しないような、ゆっくりとした温度上昇が必要となる。
【0009】
セルへの燃料または空気の供給に際しては、強度的な面でのサポートと、燃料または空気を外部へ漏らさないためのシール性が要求される。
【0010】
ガスヘッダーへのセル取付部を接着剤でシールした場合、セラミックスと金属との接合のため、不良セルを単独で取り替えるには、この接合部を分離しなければならない。しかし、再利用可能な状態での分離が困難なために、モジュール全体の交換が必要となる。
【0011】
また、セルへの流体の供給がワンスルーの場合、入口側のシールのみならず、出口側についてもシールが必要となり、セルの両端が固定される。これにより、大きな熱応力発生の要因となる。同時に、セルを交換する際には、シール部が入口,出口の2ヶ所となるため、モジュール全体を分解して交換した後、再組立てとなり、使い勝手,特に、保守性の点で必ずしも良好とは云えない。
【0012】
本発明は上記に鑑み、外部からの力による応力の発生が小さく、セルへの燃料または空気の供給をリターンフロー方式とすることで、セルの一端を固定し、シールするだけで運転できる高温固体酸化物形燃料電池の提供にある。
【0013】
また、各セル毎に電流取り出し構造を備えることにより、保守性,使い勝手が良く、単独でのセル交換が可能で、急速起動時にも熱応力の発生が小さく、かつ、信頼性の高い高温固体酸化物形燃料電池の提供にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記に対し、本発明の要旨は次ぎのとおりである。
【0015】
安定化ジルコニア等を電解質とし、その両面にLa/Sr/MnOのようなペロブスカイト型酸化物、Ni,Co,貴金属などの電極材などから構成される高温固体酸化物形燃料電池において、
一端が閉止された円筒状の電解質管に開放側の一端から燃料または空気を供給する管が挿入され、該挿入管と電解質管の内面に塗布された電極面とは1つ以上の電気伝導材で接合されることで、この電気伝導材と挿入管表面部分が電池内面の集電経路を構成し、挿入管内に供給された燃料または空気は電解質管の閉止端近傍まで導かれた後、挿入管と電解質管の間に形成される環状部に流入し、挿入管内の流れとは逆向きに電解質管の開放端へ向かって流れ、挿入管へ供給された未反応の燃料または空気がセル外へ流出し、電池セルの内外面からの電流取り出し構造を備えた単セルを個別に取り外し可能な構成とした高温固体酸化物形燃料電池にある。
【0016】
即ち、円筒形状単セルの電解質管の一端を閉止し、開放端から燃料または空気供給管を挿入、または、電解質管の断面を複数の空間に分割し、セル内の流体の流れをリターンフロー流れにし、電池内部の電極面と挿入管、複数に分割された空間との間に電流取り出し経路を構成するインターコネクトレス法式とすることにより、セルを一端で支持し、シールすることができる。
【0017】
さらに、電極表面に多孔質の電気良導体層を設置する2層電極とすることで、電池反応部で発生する電流の流れを1層目の電極厚さ方向への抵抗とすることができ、内部抵抗の小さなインターコネクトレス方式となる。
【0018】
これにより電池モジュールの高性能な運転が可能となり、大きな熱応力の発生が無い高温固体酸化物形燃料電池を提供できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
〔実施例 1〕
図1は、本発明による高温固体酸化物燃料電池の単セルの構造の一例を示す模式断面図である。
【0020】
単セル1は円筒形状で、部分安定化ジルコニアYSZを材料とする電解質管5の一端が、閉止部9で閉止されている。その内面にニッケルをベースとする燃料極側電極20が、外面にはLa/Sr/MnO系などの空気極側電極10が設けられ、電解質との間に界面を形成している。
【0021】
図1では、燃料供給管が燃料極側の電流取り出し構造を兼用した燃料供給兼電流取り出し管22を形成しており、Niなどの金属管で構成される。
【0022】
この燃料供給管には、メタン、ブタン、プロパンなどの炭化水素系燃料、あるいは、それらの混合ガスである天然ガス、また、最近注目されている合成燃料、例えば、ジメチルエーテル、ガソリンなどの液体燃料を燃料として供給することができる。もちろん水素を燃料として使用することも可能である。
【0023】
燃料極とこの燃料供給管とは図1のA矢視図に示すように、Ni薄板でロー付けなどにより接合され、この部分を通して電極から外部へ電流を取り出す。
【0024】
空気極側電極10からの電流は、空気極側集電部11から空気極側電流取り出し部(リード線)13に、空気極側電流取り出し接続部12を介して外部へ取り出される。
【0025】
これらの集電,取り出し部は、銀,Ni−Cr,NiあるいはNimonicなどの材料で形成された線または板で、これらはメッキ,溶射,蒸着などによって形成することができる。
【0026】
燃料供給兼電流取り出し管22の一端には、燃料供給管鞘部材30が接合部33で燃料供給兼電流取り出し管22の外側に接合されている。
【0027】
上記の燃料供給管鞘部材30はセラミックス、金属製の何れでもよく、セラミックスの場合には、直接、鞘部材30の電流取り出し口から空気極側電流取り出し部(リード線)13で空気極側の電流を取り出すことができる。
【0028】
また、金属製の場合には、燃料供給管鞘部材30に絶縁加工、例えば、セラミックスチューブまたはセラミックス溶射などにより電気的に絶縁し、その空間をセラミックス系の接着剤を充填することで、電気的短絡やシール上の問題も無く取り出すことができる。
【0029】
また、燃料供給管鞘部材30と燃料供給兼電流取り出し管22との接合には、金属/セラミックスの場合にはセラミックス系接着剤またはロー付け、拡散接合などの方法がある。
【0030】
単セル1は、燃料供給管鞘部材30によりセル支持板(図示省略)に取り付けられ、流入燃料23をセルに供給し、セル内で、未反応燃料24をセル外へ排出され、酸化剤となる高温空気14とを分離する。
【0031】
固体高温酸化物形燃料電池の運転は、700〜1000℃の範囲で可能であるが、材料の信頼性,電池性能,原動機等との組合せによるハイブリッドシステム等を考慮すると、800〜900℃での運転が好ましい。
【0032】
このような温度領域で使用される際には、前記のような構造とすることで、単セルが壊れた場合に、壊れた単セルのみを交換することができ、モジュール全体を交換する場合に比べて、保守費用の低廉化を図ることができる。しかも、燃料供給兼電流取り出し管22に供給された燃料は、単セル内を供給管内とは逆方向に電気化学反応させながら流れる。
【0033】
これにより、未反応燃料成分24が燃料供給側に排出されるため、一方向からのみのモジュールの分解,組み立てが可能となり、単セルを交換を容易にすることができる。
【0034】
また、未反応燃料24は再度、燃料としてセルに供給できる以外に、酸化剤となる空気の予熱用燃料として使用することもでき、要求仕様に合わせて燃料電池の高効率化を図ることができる。
【0035】
〔実施例 2〕
図2は図1に示すリターンフローセル構造の他の実施例で、電解質管を複数の空間に分割したリターンフロー型インターコネクトレス方式高温固体酸化物形燃料電池セルの模式断面図である。
【0036】
電解質管の断面を複数の空間に分割された内のいずれかの空間を燃料または空気供給流路とし、その流路出口部に分割された空間を連結するセル内ヘッダー25を設ける。このヘッダーからの流体は、供給流路とは逆方向に電気化学反応をしながらセル内を流れ、セル外へ反応生成物の流れ,未反応燃料24または未反応酸化剤を排出するようにしたものである。
【0037】
図2(b)ni示すように、3つに分割された空間構造を有する電解質管5を1回の押出し成形で作製することもできるが、外側の楕円管と内部の円管とを別々に押出し成形し、焼成前に組合せて一体成型することでも可能である。
【0038】
2つの電解質管で形成される空間の内面、および、外側にある電解質管の外表面への電極塗布は、従来と同様に、外面はディッピング,刷毛塗り、内面はシリンジによる押し込みとエアーブローの組合せで行うことができる。
【0039】
図2の実施例では、円形断面の空間を燃料供給流路とし、これにメタン,天然ガス,プロパンなどの一次燃料を、電池の電気化学反応に必要な水素成分への改質触媒を内面に塗布する。これにより電池内での電気化学反応に伴う発生熱を有効に利用し、セル温度の上昇防止、燃料改質に必要なエネルギーの自己補給などによって、セルの信頼性向上と長寿命化を図ると共に、発電効率の向上を達成することができる。
【0040】
〔実施例 3〕
図3は図1に示す電池構造において、電解質管の断面構造を4つの空間に分割した模式断面図である。
【0041】
本実施例の場合には、図3(b)に示す様に電解質管断面の中心部に三角形断面構造を形成したことで、電解質管強度が向上し、外側にある円形断面部の電解質管5の壁の厚さを薄くでき、電解質部の内部抵抗を小さくできるので電池性能の向上を図ることができる。
【0042】
〔実施例 4〕
図4は図1に示す電池構造において、空気極側電極10の表面に集電特性を改善する目的で、電気伝導性の良い材料の集電多孔質層からなる空気極側集電部15を設けたものである。この空気極のリード線として空気極側電流取り出し部13は、空気極側電流取り出し接合部12で接続されている。
【0043】
上記の電気伝導性の良い材料の集電多孔質層からなる空気極側集電部15を設けることで、空気極側の電流の流れは、移動距離の最も短い膜厚方向となり、電流移動に伴う内部抵抗が低減でき、電池の性能の向上を図ることができる。
【0044】
〔実施例 5〕
図5は図1に示す単セルにおいて、燃料供給兼電流取り出し管22を直接、燃料極側電極20へ接合した構造を示す。これも図1と同様な効果を得ることができる。
【0045】
〔実施例 6〕
図6は、図1に示す単セル1において、燃料極を2層の多孔質としたものである。電解質管5と接する燃料極側電極20は、電気化学反応を活性化するため電解質、例えば、安定化ジルコニア粉末とNi粉末とを混合したNiサーメットで構成した。この1層目の電極は、先に述べたようにシリンジで電極スラリーを電解質チューブ内へ圧入し、その後、空気で余分な電極スラリー部分を吹き飛ばし後、焼成する。燃料ガスの流れ側の燃料極集電層26として機能するようにNi粉末のみで構成する。
【0046】
この2層目の電極も焼成後の1層目の上に1層目と同様な方法で形成することができる。燃料極をこのような2層構造とすることで、前記図4の空気極の場合と同様に、燃料極内の電流の流れを、最も移動抵抗の少ない膜厚方向としたことで電池性能が向上する。
【0047】
〔実施例 7〕
図7は本実施例の単セル電池のモジュール構造を示す模式断面図である。複数の単セル1は、燃料供給管鞘部材30により燃料ヘッダー40の1つの構成部材であるセル支持部材兼セル挿入板32に取り付けられている。
【0048】
起動時には、燃料ヘッダー40に供給された燃料は単セル本体内を流れ、セル温度が電池反応作動温度に達するまでは未反応燃料24のままセル外へ流出する。
【0049】
このような起動時の未反応燃料24は1次供給燃料のままであり、セル起動用バーナー(図示省略)へ供給され、空気と反応し、セル温度を電池作動開始温度まで加熱することになる。セル温度が作動開始温度に達すると、供給された燃料は電気化学反応で消費され、一部は未反応のままセル外へ流出する。
【0050】
この電池運転中の未反応燃料24には1次供給燃料の改質成分、例えば、水素、一酸化炭素などの未反応分と、これらのガスが電気化学反応で消費された結果の水分、および、改質されていない1次供給燃料成分などが含まれ、モジュール出口の高温作動ガスとの熱交換で予熱され、反応用の余熱空気16と触媒燃焼器50内で混合,反応し、高温空気14としてセルへ供給される。
【0051】
セル本体は、未反応燃料集合室45を構成するセル支持部材兼セル挿入板の開口部から高温空気14の流れの中に設置して、高温空気14と未反応燃料24とは、セル本体鞘部材35のシール効果で分離される。
【0052】
セルセル支持部材兼セル挿入板32の高温空気側には断熱材46が設置され、セルの電気化学反応領域からの熱損失を防止している。
【0053】
モジュール全体は、セル支持部材兼セル挿入板32と一体で取り外すことができる。取り外した後にセルを単独で抜き取ることができ、容易に故障したセルを交換することが可能である。
【0054】
また、上記セル支持部材32は、片側からのアクセスで容易に取り外すことができるので、その保守作業を大幅に低減することができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、電解質管の一端を閉止し、この電解質管の中に挿入された燃料または空気供給管が燃料極側あるいは空気極側の電流取り出し構造を兼ねている。従って、燃料または空気がこの供給管から供給され、電解質管の閉止端で供給管内の流体の流れ方向とは逆向きに流れるリターンフロー流れ構造となる。
【0056】
これによりセルの電流を各電極から取り出すことで、外部からの力による応力発生が無く、かつ、急速起動の可能な一方向からのみのモジュールの分解、組立てとなり、容易に単セルを交換することができる。
【0057】
また、未反応燃料成分は、再度、燃料としてセルに供給できる他に、酸化剤となる空気の予熱用燃料として使用でき、電池システムの高効率化を図ることができる。
【0058】
また、本発明の燃料電池は、モジュールにすることで温水器,ファンヒーター,ガスタービン、あるいは、固体高分子形燃料電池と組み合わせて使用できる。その結果、燃料電池の保守,使い勝手の良い熱・電気、電気・電気、または、電気・化学反応物等のハイブリッド出力が得られ、分散型発電システムに好適な特性が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の一端閉止電解質管に燃料供給兼電流取り出し管を挿入したリターンフロー型インターコネクトレス方式高温固体酸化物形燃料電池セルの模式断面図である。
【図2】実施例2の電池の電解質管を複数の空間に分割したリターンフロー型インターコネクトレス方式の高温固体酸化物形燃料電池セルの模式断面図である。
【図3】実施例3の電池の電解質管の断面構造を示す模式断面図である。
【図4】実施例4の電池の空気極に集電多孔質層を設けたセル構造を示す模式断面図である。
【図5】実施例5の電池のセル構造を示す模式断面図である。
【図6】実施例6の電池のセル構造を示す模式断面図である。
【図7】実施例7の電池スタックモジュールの構造を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1…単セル、5…電解質管、9…閉止部、10…空気極側電極、11…空気極側集電部、12…空気極側電流取り出し接続部、13…空気極側電流取り出し部、14…高温空気、15…空気極側集電層、16…予熱空気、20…燃料極側電極、21…燃料極側集電部、22…燃料供給兼電流取り出し管、23…流入燃料、24…未反応燃料,反応生成物の流れ、25…セル内ヘッダー、26…燃料極側集電層、27…改質用触媒層、30…燃料給管鞘部材、32…セル支持部材兼セル挿入板、33…接合部、34…セル挿入壁面、35…セル本体鞘部材、40…燃料ヘッダー、45…未反応燃料集合室、46…断熱材、50…触媒燃焼器。

Claims (6)

  1. 安定化ジルコニア等を電解質とし、その両面にLa/Sr/MnOのようなペロブスカイト型酸化物、Ni,Co,貴金属などの電極材などから構成される高温固体酸化物形燃料電池において、
    一端が閉止された円筒状の電解質管に開放側の一端から燃料または空気を供給する管が挿入され、該挿入管と電解質管の内面に塗布された電極面とは1つ以上の電気伝導材で接合することで、この電気伝導材と挿入管表面部分が電池内面の集電経路を構成し、挿入管内に供給された燃料または空気は電解質管の閉止端近傍まで導かれた後、挿入管と電解質管の間に形成される環状部に流入し、挿入管内の流れとは逆向きに電解質管の開放端へ向かって流れ、挿入管へ供給された未反応の燃料または空気がセル外へ流出し、電池セルの内外面からの電流取り出し構造を備えた単セルを個別に取り外し可能な構成としたことを特徴とする高温固体酸化物形燃料電池。
  2. 安定化ジルコニア等を電解質とし、その両面にLa/Sr/MnOのようなペロブスカイト型酸化物、Ni,Co,貴金属などの電極材などから構成される高温固体酸化物形燃料電池において、
    一端が閉止された電解質管の断面形状が2室以上の空間に分割され、閉止端では分割された空間が一つの空間に連結し、電解質管の開放端側から電解質管断面のいずれかの空間に燃料または空気が供給され、閉止端の連結空間部で上記燃料または空気が供給されなかった空間へ流入し電解質管の開放端へ向かって流れ、その表面に電池内面の電極材料と同じ材料が塗布された空気または燃料供給管を有し、電池セルの内外面からの電流取り出し構造を備え、単セルを個別に取り外し可能な構成としたことを特徴とする高温固体酸化物形燃料電池。
  3. 前記燃料を供給する電解質管の分割空間の内面に、燃料改質用材料を塗布した請求項2に記載の高温固体酸化物燃料電池。
  4. 空気側電極の表面に電気良導性の多孔質層を設けた請求項1または2に記載高温固体酸化物形燃料電池。
  5. 燃料極側電極を電解質面に接する側と燃料が流れる側とで構成材料を変えた2層構造とする請求項1または2に記載の高温固体酸化物形燃料電池。
  6. 前記燃料または空気の供給管を直接電極表面に接触させリード線を兼用するよう構成した請求項1または2に記載の高温固体酸化物形燃料電池。
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