JP2004246493A - 自動プログラミング装置 - Google Patents

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JP2004246493A
JP2004246493A JP2003034075A JP2003034075A JP2004246493A JP 2004246493 A JP2004246493 A JP 2004246493A JP 2003034075 A JP2003034075 A JP 2003034075A JP 2003034075 A JP2003034075 A JP 2003034075A JP 2004246493 A JP2004246493 A JP 2004246493A
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Soichiro Fukui
宗一郎 福井
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Abstract

【課題】求めれられる寸法公差を踏まえ、しかも加工効率の高い最適なNCプログラムを自動生成することができる自動プログラミング装置を提供する。
【解決手段】自動プログラミング装置1は、製品の形状データと寸法公差データとを相互に関連付けて記憶する第1製品形状データ記憶部51、寸法公差の設定された形状寸法に関係する複数の面について、その法線方向に許容される位置誤差量を算出する許容誤差量算出部11、許容位置誤差量データと形状データとを相互に関連付けて記憶する第2製品形状データ記憶部12、素材諸元データ,工具諸元データ,加工条件データを記憶する各記憶部、CLデータを生成するCLデータ生成部16、CLデータをNCプログラムに変換するNCプログラム生成部58を備える。CLデータ生成部16は、許容位置誤差量データ,素材諸元及び工具諸元の各データを基に、加工条件データを参照して、工具送り速度を設定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、NC工作機械の動作を制御するNCプログラムを自動的に生成するための自動プログラミング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述した自動プログラミング装置として、図11に示すような自動プログラミング装置が知られている。この自動プログラミング装置50は、CPU,RAM,ROMやハードディスクなどを備えて構成され、同図11に示すように、製品形状データ記憶部51,素材データ記憶部52,工具データ記憶部53,加工条件データ記憶部54,CLデータ生成部55,CLデータ記憶部56,工作機械データ記憶部57,NCプログラム生成部58,NCプログラム記憶部59などの各部からなる。
【0003】
そして、前記製品形状データ記憶部51及び素材データ記憶部52には、CAD装置61が接続され、前記素材データ記憶部52,工具データ記憶部53,加工条件データ記憶部54及び工作機械データ記憶部57には、入力装置62が接続され、前記NCプログラム記憶部59には、出力装置63が接続されている。
【0004】
前記製品形状データ記憶部51には、CAD装置61を用いて生成された製品の形状データと、前記製品の寸法公差に関するデータとが相互に関連付けられて格納される。
【0005】
尚、前記形状データは、製品の形状を定義するためのデータであって、3次元空間内の座標値で表される頂点データ、2つの頂点を結んで構成される稜線の方程式データ、前記稜線と前記2つの頂点とを関連付けた稜線データ、稜線により囲まれて形成される面の方程式データ、前記面と前記稜線とを関連付けた面データなどを含んで構成される。
【0006】
前記素材データ記憶部52には、素材の諸元に関するデータが格納される。この素材諸元データは、素材の上記形状データや材質などに関するデータであって、CAD装置61を用いて生成されたものや、入力装置62を介して入力されたものが、素材データ記憶部52に格納される。
【0007】
前記工具データ記憶部53には、工具の諸元に関するデータが格納される。この工具諸元データは、ドリル,エンドミル,フェイスミルといった工具の種類,呼び寸法や材質などに関するデータであり、入力装置62を介して工具データ記憶部53に格納される。
【0008】
前記加工条件データ記憶部54には、加工条件に関するデータが格納される。この加工条件データは、工具の送り量(例えば、フェイスミルやエンドミルの場合には一刃当たりの送り量、ドリルなどの場合には一回転当たりの送り量)や切削速度などに関するデータであり、荒加工,仕上加工といった加工工程、前記素材材質や前記工具材質、前記寸法公差に応じて工具毎に設定され、入力装置62を介して加工条件データ記憶部54に格納される。
【0009】
前記CLデータ生成部55は、前記製品形状データ記憶部51,素材データ記憶部52,工具データ記憶部53及び加工条件データ記憶部54に格納された各データを基にCLデータを生成する。このCLデータは、少なくともワーク座標系における工具の移動位置、その送り速度及び回転速度を含むデータからなる。
【0010】
具体的には、まず、製品形状データ記憶部51に格納された製品の形状データ、及び素材データ記憶部52に格納された素材形状データを基に、加工を要する部位の形状を抽出,認識し、認識した各加工部位についてその加工順序を決定する。
【0011】
次に、決定した加工順序に従って、各加工部位毎に、その形状及び素材データ記憶部52に格納された素材材質データを基に、工具データ記憶部53に記憶されたデータを参照して、当該加工で使用する工具を設定する。
【0012】
ついで、加工条件データ記憶部54に格納されたデータを参照して、各加工部位毎に、設定工具に応じた加工条件を設定し、設定した加工条件を基に、当該工具の回転速度及び送り速度に関するデータを生成するとともに、ワーク座標系における工具の移動位置データを生成して、前記CLデータとする。
【0013】
このとき、CLデータ生成部55は、当該加工部位に関する形状データと関連付けられて製品形状データ記憶部51に格納された寸法公差に関するデータを読み出し、読み出した寸法公差データ、並びに素材データ記憶部52及び工具データ記憶部53に格納された素材材質及び使用工具に関する各データを基に、加工条件データ記憶部54に格納された加工条件データを参照して、前記送り速度を設定する。尚、形状データと関連付けられた寸法公差データが存在しない場合には、荒加工,仕上加工といった加工工程に応じて、前記送り速度を設定する。
【0014】
そして、前記CLデータ記憶部56には、上記のようにして、CLデータ生成部55により生成されたCLデータが格納される。
【0015】
前記工作機械データ記憶部57には、工作機械の諸元に関するデータが格納される。この工作機械諸元データは、例えば、マシニングセンタ,旋盤といった工作機械の種類や工作機械の構造などに関するデータであり、入力装置62を介して工作機械データ記憶部57に格納される。
【0016】
前記NCプログラム生成部58は、CLデータ記憶部56に格納されたCLデータをNCプログラムに変換する処理を行う。より具体的には、工作機械データ記憶部57に格納されたデータを基に、CLデータの前記ワーク座標系に係る移動位置を絶対座標系の移動位置に変換して、NCプログラムを生成する。
【0017】
そして、前記NCプログラム記憶部59には、NCプログラム生成部58により生成されたNCプログラムが格納され、出力装置63から適宜出力される。
【0018】
尚、前記絶対座標系は、工作機械に対して設定される固有の座標系であり、前記ワーク座標系は、工作機械上で固定された素材に対し設定される座標系である。
【0019】
斯して、以上の構成を備えた従来の自動プログラミング装置50によれば、前記CLデータ生成部55においてCLデータを生成する際に、その工具送り速度を製品に要求される寸法公差に応じたものとしているので、製品の形状寸法を寸法公差内に収めるために適したNCプログラムを当初から自動的に生成することができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記寸法公差は製品の形状寸法に対して設定される許容誤差範囲であり、例えば、▲1▼平行なA面とB面の2面間の寸法に対して設定されたり、▲2▼C面,D面の2面が交差する稜線とこれから距離をおいたE面との間の寸法に対して設定されたり、▲3▼F面,G面の2面が交差する稜線とH面,I面の2面が交差する稜線との2つの稜線間の寸法に対して設定されたりする。
【0021】
そして、寸法公差の設定された形状寸法に関係する複数の面(例えば、上記▲1▼の場合A及びB面、▲2▼の場合C,D及びE面、▲3▼の場合F,G,H及びI面)について、その形状寸法を前記寸法公差以内に収めるに当たり各面に許容される位置誤差量は、必ずしもこれを同じ値として一律にとらえる必要が無い場合がある。
【0022】
例えば、製品が図5に示す如き5角柱物であり、その面F5,面F6の2面が交差する稜線と、面F3との間の寸法(稜線から面F3に降ろした垂直線の長さ)が80mmで、その公差が±0.05mmである場合、寸法を公差内に収めるために前記各面F3,F5,F6が果たす役割が均等であるとすると、前記寸法を公差内に収めるためには、前記各面F3,F5,F6の前記垂直線方向(寸法設定方向)における位置誤差量は、それぞれ公差幅T(=0.1mm)の1/3以内でなければならない。言い換えれば、前記各面F3,F5,F6の前記寸法設定方向における許容位置誤差量tは、それぞれ公差幅Tの1/3となる。尚、図5は、後述する図2に示した製品の平面図である。
【0023】
その一方、加工にあたって管理される加工面の位置誤差は、通常、加工面に対する直角方向(法線方向)の位置誤差である。そこで、前記各面F5,F6の前記寸法設定方向における許容位置誤差量tを、各面F5,F6に対する法線方向の許容位置誤差量W1,W2に換算すると、これら許容位置誤差量W1,W2は、図5に示した幾何学関係からそれぞれ下式、数式(1)及び数式(2)によって算出される。尚、aは、前記寸法設定方向と面F5の法線方向とがなす角度であり、bは、前記寸法設定方向と面番号F6の法線方向とがなす角度である。
【0024】
【数1】
Figure 2004246493
【0025】
【数2】
Figure 2004246493
【0026】
これら数式(1)及び数式(2)から分かるように、sin(a+b)/sin(b)>1、sin(a+b)/sin(a)>1となる場合には、W1>t、W2>tとなり、面F5,F6の許容位置誤差量W1,W2は、面F3の許容位置誤差量W3(=t)よりも大きな値となる。
【0027】
このように、寸法公差の設定された形状寸法に関係する複数の面に関し、その形状寸法を前記寸法公差以内に収めるために各面に許容される位置誤差量は、必ずしもこれを同じ値として一律にとらえる必要が無い場合があるのである。
【0028】
この場合、上記のように、当該寸法公差に関係する複数の面について、前記工具の送り速度を一律に設定したのでは、他の面に比べて許容位置誤差量が大きな面については、その加工精度が過剰なものとなり、加工効率の面からすると、当該面に対し設定された送り速度は必ずしも最適なものとなっていない。言い換えれば、他の面に比べて許容位置誤差量が大きな面については、その送り速度を速くしても当該形状寸法を公差内に収めることが可能である。
【0029】
そこで、従来では、自動生成されたNCプログラムを用いて一旦加工を行い、その上で、送り速度を速くすることができる加工部位を経験的に模索し、得られた知見から当該加工部位の送り速度を速くするようにNCプログラムを修正して、加工効率を高めるようにしていた。
【0030】
しかしながら、このような修正作業を要したのでは、最適なNCプログラムを得るまでに長時間を要して非効率であり、また、人為的なミスも起こり得る。
【0031】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、求めれられる寸法公差を踏まえ、しかも加工効率の高い最適なNCプログラムを自動生成することができる自動プログラミング装置の提供をその目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成するための本発明は、製品の形状を定義する形状データであって、3次元空間内の座標値で表される頂点データ、2つの頂点を結んで構成される稜線の方程式データ、前記稜線と前記2つの頂点とを関連付ける稜線データ、稜線により囲まれて形成される面の方程式データ、及び前記面と前記稜線とを関連付ける面データを少なくとも含んで構成される形状データと、前記製品の形状寸法について設定された寸法公差に係るデータとを相互に関連付けて記憶する第1製品形状データ記憶部と、
前記寸法公差の設定された形状寸法に関係する複数の面について、前記形状寸法を前記寸法公差以内に収めるに当たり前記各面に対しその法線方向に許容される位置誤差量を、前記第1製品形状データ記憶部に格納された形状データ及び寸法公差に係るデータを基にそれぞれ算出する許容誤差量算出部と、
前記許容誤差量算出部によって算出された許容位置誤差量に関するデータと、前記形状データとを相互に関連付けて記憶する第2製品形状データ記憶部と、
素材の形状,材質といった諸元に関するデータを記憶する素材データ記憶部と、
工具の種別,寸法や材質といった諸元に関するデータを記憶する工具データ記憶部と、
前記素材諸元,工具諸元及び許容位置誤差量に応じて設定された加工条件に関するデータを記憶する加工条件データ記憶部と、
前記第2製品形状データ記憶部,素材データ記憶部,工具データ記憶部及び加工条件データ記憶部に格納された各データを基に、ワーク座標系における工具の移動位置,その送り速度及び回転速度を少なくとも含んで構成されるCLデータを生成する処理部であって、前記送り速度の設定に当たり、前記形状データと関連付けられて前記第2製品形状データ記憶部に格納された前記許容位置誤差量に関するデータ、並びに前記素材データ記憶部及び工具データ記憶部に格納された各データを基に、前記加工条件データ記憶部に格納された加工条件データを参照して前記送り速度を設定するように構成されたCLデータ生成部と、
該CLデータ生成部において生成されたCLデータの前記ワーク座標系の移動位置を絶対座標系の移動位置に変換してNCプログラムを生成するNCプログラム生成部とを備えてなることを特徴とする自動プログラミング装置に係る。
【0033】
この発明によれば、前記第1製品形状データ記憶部には、製品の形状を定義する形状データであって、3次元空間内の座標値で表される頂点データ、2つの頂点を結んで構成される稜線の方程式データ、前記稜線と前記2つの頂点とを関連付ける稜線データ、稜線により囲まれて形成される面の方程式データ、及び前記面と前記稜線とを関連付ける面データを少なくとも含んで構成される形状データと、前記製品の寸法公差に関するデータとが相互に関連付けて格納される。
【0034】
そして、前記許容誤差量算出部は、前記寸法公差の設定された形状寸法に関係する複数の面について、前記形状寸法を前記寸法公差以内に収めるに当たり前記各面に対しその垂直方向に許容される位置誤差量を、前記第1製品形状データ記憶部に格納された形状データ及び寸法公差に係るデータを基にそれぞれ算出し、算出した位置誤差量に関するデータと、前記形状データとを相互に関連付けて前記第2製品形状データ記憶部に格納する。
【0035】
前記素材データ記憶部には、素材の形状,材質といった諸元に関するデータが格納され、前記工具データ記憶部には、工具の種別,寸法や材質といった諸元に関するデータが格納され、前記加工条件データ記憶部には、素材諸元,工具諸元及び位置誤差量に応じて設定された加工条件に関するデータが格納される。
【0036】
尚、前記素材諸元データは、素材の形状データや材質などに関するデータであり、前記工具諸元データは、ドリル,エンドミル,フェイスミルといった工具の種類,呼び寸法や材質などに関するデータである。また、前記加工条件データは、工具の送り量(例えば、フェイスミルやエンドミルの場合には一刃当たりの送り量、ドリルなどの場合には一回転当たりの送り量)や切削速度などに関するデータであり、前記許容位置誤差量の他、荒加工,仕上加工といった加工工程、前記素材材質や前記工具材質に応じて、工具毎に設定される。
【0037】
前記CLデータ生成部は、第2製品形状データ記憶部,素材データ記憶部,工具データ記憶部及び加工条件データ記憶部に格納された各データを基にCLデータを生成する。このCLデータは、少なくともワーク座標系における工具の移動位置、その送り速度及び回転速度を含むデータからなる。
【0038】
具体的には、CLデータ生成部は、まず、第2製品形状データ記憶部に格納された製品の形状データ、及び素材データ記憶部に格納された素材形状データを基に、加工を要する部位の形状を抽出,認識し、認識した各加工部位についてその加工順序を決定する。
【0039】
次に、設定した加工順序に従って、各加工部位毎に、その形状及び素材データ記憶部に格納された素材材質データを基に、工具データ記憶部に記憶されたデータを参照して、当該加工で使用する工具を設定する。
【0040】
ついで、加工条件データ記憶部に格納されたデータを参照して、各加工部位毎に、設定工具に応じた加工条件を設定し、設定した加工条件を基に、当該工具の回転速度及び送り速度に関するデータを生成するとともに、ワーク座標系における工具の移動位置データを生成して、前記CLデータとする。
【0041】
このとき、CLデータ生成部は、当該加工部位に関する形状データと関連付けられて第2製品形状データ記憶部に格納された許容位置誤差量に係るデータを読み出し、読み出した許容位置誤差量に係るデータ、並びに素材データ記憶部及び工具データ記憶部に格納された素材材質及び使用工具に関する各データを基に、加工条件データ記憶部に格納された加工条件データを参照して前記送り速度を設定する。尚、形状データと関連付けられた許容位置誤差量に係るデータが存在しない場合には、荒加工,仕上加工といった加工工程に応じて、前記送り速度を設定する。
【0042】
そして、上記の如くして、CLデータ生成部により生成されたCLデータを基に、NCプログラム生成部は、CLデータに係るワーク座標系の移動位置を絶対座標系の移動位置に変換してNCプログラムを生成する。
【0043】
尚、前記絶対座標系は、工作機械に対して設定される固有の座標系であり、前記ワーク座標系は、工作機械上で固定された素材に対し設定される座標系である。
【0044】
このように、この自動プログラミング装置によれば、適宜加工部位(面)について工具送り速度を設定する際に、当該加工部位について許容される法線方向の位置誤差量を考慮し、工具送り速度をこの許容位置誤差量に応じたものとしているので、後に、修正を加えるまでも無く、当初から、加工効率が高く、しかも加工仕上がり寸法を公差内に収めるための適正なNCプログラムを自動的に効率良く生成することができる。
【0045】
また、上記自動プログラミング装置は、前記許容位置誤差量を、その大きさに応じて段階的に設定された等級に分類するための基準データを記憶した基準データ記憶部を更に備えるとともに、
前記加工条件データ記憶部が、前記素材諸元,工具諸元及び等級に応じて設定された加工条件に関するデータを記憶するように構成され、
前記CLデータ生成部が、前記送り速度の設定に当たり、前記形状データと関連付けられて前記第2製品形状データ記憶部に格納された前記許容位置誤差量に関するデータを基に、前記基準データ記憶部に格納された基準データを参照して、該許容位置誤差量を前記等級別に分類し、分類した等級、並びに前記素材データ記憶部及び工具データ記憶部に格納された各データを基に、前記加工条件データ記憶部に格納された加工条件データを参照して前記送り速度を設定するように構成されていても良い。
【0046】
この自動プログラミング装置によれば、前記CLデータ生成部において、CLデータの送り速度を設定する際に、対象の加工部位に関する形状データと関連付けられて第2製品形状データ記憶部に格納された許容位置誤差量に関するデータが読み出され、読み出された許容位置誤差量が、基準データ記憶部に格納された基準データを基にして等級別に分類される。そして、分類された等級、並びに素材材質及び使用工具に関する各データを基に、加工条件データ記憶部に格納された加工条件データを参照して前記送り速度が設定される。尚、上記と同様に、形状データと関連付けられた許容位置誤差量データが存在しない場合には、荒加工,仕上加工といった加工工程に応じて、前記送り速度が設定される。
【0047】
斯くして、この自動プログラミング装置によっても、上記のものと同様に、適宜加工部位(面)について工具送り速度を設定する際に、当該加工部位について許容されるその法線方向の位置誤差量を考慮し、工具送り速度をこの許容位置誤差量に応じたものとしているので、後に、修正を加えるまでも無く、当初から、加工効率が高く、しかも加工仕上がり寸法を公差内に収めるための適正なNCプログラムを自動的に効率良く生成することができる。
【0048】
また、許容位置誤差量の等級に応じて加工条件を設定するようにしているので、全ての許容位置誤差量に応じて事細かに加工条件を設定する場合に比べて、加工条件に関するデータ量が少なくなり、そのデータ入力の手間を省くことができる。
【0049】
また、上記自動プログラミング装置は、前記加工条件データ記憶部が、前記許容位置誤差量と無関係に設定された加工条件データを記憶するように構成されるとともに、前記CLデータ生成部が、前記送り速度の設定に当たり、前記素材データ記憶部及び工具データ記憶部に格納された各データを基に、前記加工条件データ記憶部に格納された加工条件データを参照し、参照した加工条件データを、前記形状データと関連付けられて前記第2製品形状データ記憶部に格納された前記許容位置誤差量に関するデータに応じて変更し、変更した加工条件データを基に前記送り速度を設定するように構成されていても良い。
【0050】
この自動プログラミング装置によれば、まず、加工条件データ記憶部に、許容位置誤差量と無関係に設定された加工条件データが格納される。加工条件データは、上記のように、工具の送り量や切削速度などに関するデータであり、許容位置誤差量とは無関係に、荒加工,仕上加工といった加工工程、素材材質や工具材質に応じて、工具毎に設定される。
【0051】
そして、CLデータ生成部において、CLデータの送り速度を設定する際に、対象の加工部位に関する形状データと関連付けられて第2製品形状データ記憶部に格納された許容位置誤差量に関するデータが読み出されるとともに、素材材質及び使用工具に関する各データを基に、加工条件データ記憶部に格納された加工条件データが参照、即ち検索されて、当該加工部位における工具の送り速度及び回転速度が設定される。
【0052】
次に、設定した工具の送り速度が、前記読み出した許容位置誤差量に応じて変更され、変更した送り速度が最終的な送り速度とされる。尚、この送り速度の変更は、許容位置誤差量に応じて予め設定された倍率を乗じることなどによって行われる。
【0053】
このように、この自動プログラミング装置によっても、上記のものと同様に、適宜加工部位(面)について工具送り速度を設定する際に、当該加工部位について許容される法線方向の位置誤差量を考慮し、工具送り速度をこの許容位置誤差量に応じたものとしているので、後に、修正を加えるまでも無く、当初から、加工効率が高く、しかも加工仕上がり寸法を公差内に収めるための適正なNCプログラムを自動的に効率良く生成することができる。
【0054】
また、荒加工,仕上加工といった加工工程、素材材質や工具材質など基本的な項目について、予めこれに応じた加工条件を設定しておき、許容位置誤差量に応じてこれを変更するようにしているので、許容位置誤差量に応じて直接加工条件を設定する場合に比べて、加工条件に関するデータ量が少なくてすみ、そのデータ入力の手間を大幅に省くことができる。
【0055】
また、更に、上記自動プログラミング装置は、前記第1製品形状データ記憶部に格納された形状データ及び寸法公差に係るデータ、並びに前記第2製品形状データ記憶部に格納された許容位置誤差量に関するデータを基に、少なくとも前記製品の形状及び寸法公差に関する図形と、前記寸法公差及び前記許容位置誤差量に関する情報とを、同時に画面表示する画面表示手段を備えて構成されていても良い。
【0056】
このようにすれば、画面表示手段によって、製品の形状,寸法公差及び許容位置誤差量が画面表示されるので、オペレータは、生成されたNCプログラムを解析したりしなくても、画面表示された図形や情報から、寸法公差が設定されている加工面について、どの程度の工具送り速度が適用されているかといったことなどを認識することが可能となる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態について添付図面に基づき説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る自動プログラミング装置の概略構成を示したブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る自動プログラミング装置1は、上記従来の自動プログラミング装置50を改良したものであり、従って、従来の自動プログラミング装置50の構成と同じ構成部分については同一の符号を付している。
【0058】
本例の自動プログラミング装置1は、図1に示すように、CPU,RAM,ROMやハードディスクなどを備えて構成される第1製品形状データ記憶部51,許容誤差量算出部11,第2製品形状データ記憶部12,素材データ記憶部52,工具データ記憶部53,基準データ記憶部13,標準加工条件データ記憶部14,等級別加工条件データ記憶部15,CLデータ生成部16,CLデータ記憶部56,表示制御部17,工作機械データ記憶部57,NCプログラム生成部58,NCプログラム記憶部59などの各部と、入力装置62,出力装置63及び表示装置64とからなる。
【0059】
前記第1製品形状データ記憶部51及び素材データ記憶部52にはCAD装置61が接続され、前記素材データ記憶部52,工具データ記憶部53,基準データ記憶部13,標準加工条件データ記憶部14,等級別加工条件データ記憶部15及び工作機械データ記憶部57には、入力装置62が接続され、前記NCプログラム記憶部59には出力装置63が接続され、前記表示制御部17には入力装置62及び表示装置64が接続されている。尚、表示制御部17及び表示装置64が、画面表示手段として機能する。
【0060】
前記第1製品形状データ記憶部51には、CAD装置61を用いて生成された製品の形状データと、許容精度データとが相互に関連付けられて格納される。
【0061】
形状データは、製品の形状を定義するためのデータであり、3次元空間内の座標値で表される頂点データ、2つの頂点を結んで構成される稜線の方程式データ、前記稜線と前記2つの頂点とを関連付けた稜線データ、稜線により囲まれて形成される面の方程式データ、前記面と前記稜線とを関連付けた面データなどから構成され、例えば、製品が図2に示すような形状の場合、図3に示すようなデータテーブルとして前記第1製品形状データ記憶部51に格納される。
【0062】
また、前記許容精度に関するデータは、寸法特性,幾何特性に関する公差や面精度(表面粗さ、表面うねりなど)など、加工精度に対し許容される範囲を示すものであり、例えば、製品が図2に示すような許容精度を求められる場合、当該許容精度データが図4に示すようなデータテーブルとして前記第1製品形状データ記憶部51に格納される。具体的には、図2に示した製品では、許容精度として、面番号F1と面番号F2との間に寸法公差±0.02が設定され、面番号F3と稜線E14との間に寸法公差±0.05が設定されているが、これらの許容精度値(この場合公差幅)が面番号,稜線番号や頂点番号と関連付けられて、図4に示したデータテーブルとして、前記第1製品形状データ記憶部51に格納される。即ち、図4では、面番号F1と面番号F2との相互間に、公差幅0.04が格納され、稜線番号E14と、この稜線に関係する面番号F5及びF6、並びに面番号F3との相互間に公差幅0.1が格納されている。
【0063】
特に例示しないが、平面度,平行度,直角度といった幾何特性に関する公差や面精度(表面粗さ、表面うねりなど)についても同様に、関係する面番号,稜線番号や頂点番号と関連付けられて、前記第1製品形状データ記憶部51に格納される。
【0064】
前記許容誤差量算出部11は、第1製品形状データ記憶部51に格納された形状データ及び寸法公差に関するデータを基に解析し、前記寸法公差の設定された形状寸法に関係する複数の面について、前記形状寸法を前記寸法公差以内に収めるに当たり前記各面に対しその法線方向に許容される位置誤差量を算出し、算出した許容位置誤差量に関するデータと、前記形状データとを相互に関連付けて前記第2製品形状データ記憶部12に格納する処理を行う。
【0065】
ところで、上述したように、寸法公差の設定された形状寸法に関係する複数の面について、その形状寸法を前記寸法公差以内に収めるに当たり各面に許容される位置誤差量は、必ずしもこれを同じ値として一律にとらえる必要が無い場合がある。
【0066】
例えば、製品が本例の図2及び図5に示す如き5角柱物の場合、その面F5,面F6の2面が交差する稜線と、面F3との間の寸法(稜線から面F3に降ろした垂直線の長さ)が80mmで、その公差が±0.05mmであるが、寸法を公差内に収めるために前記各面F3,F5,F6が果たす役割が均等であるとすると、前記寸法を公差内に収めるためには、前記各面F3,F5,F6の前記垂直線方向(寸法設定方向)における位置誤差量は、それぞれ公差幅T(=0.1mm)の1/3以内でなければならない。言い換えれば、前記各面F3,F5,F6の前記寸法設定方向における許容位置誤差量tは、それぞれ公差幅Tの1/3となる。尚、図5は、図2に示した製品の平面図である。
【0067】
その一方、加工にあたって管理される加工面の位置誤差は、通常、加工面に対する直角方向(法線方向)の位置誤差である。そこで、前記各面F5,F6の前記寸法設定方向における許容位置誤差量tを、各面F5,F6に対する法線方向の許容位置誤差量W1,W2に換算すると、これら許容位置誤差量W1,W2は、図5に示した幾何学関係からそれぞれ下式、数式(3)及び数式(4)によって算出される。尚、aは、前記寸法設定方向と面F5の法線方向とがなす角度であり、bは、前記寸法設定方向と面番号F6の法線方向とがなす角度である。
【0068】
【数3】
Figure 2004246493
【0069】
【数4】
Figure 2004246493
【0070】
これら数式(3)及び数式(4)から分かるように、sin(a+b)/sin(b)>1、sin(a+b)/sin(a)>1となる場合には、W1>t、W2>tとなり、面F5,F6の許容位置誤差量W1,W2は、面F3の許容位置誤差量W3(=t=)よりも大きな値となる。
【0071】
このように、寸法公差の設定された形状寸法に関係する複数の面に関し、その形状寸法を前記寸法公差以内に収めるために各面に許容される位置誤差量は、必ずしもこれを同じ値として一律にとらえる必要が無い場合があるのである。
【0072】
そこで本例では、上述したように、前記許容誤差量算出部11において、第1製品形状データ記憶部51に格納された形状データ及び寸法公差に関するデータを基に解析し、前記寸法公差の設定された形状寸法に関係する複数の面について、前記形状寸法を前記寸法公差以内に収めるに当たり前記各面に対しその法線方向に許容される位置誤差量を算出し、算出した許容位置誤差量に関するデータと、前記形状データとを相互に関連付けて前記第2製品形状データ記憶部12に格納するようにしている。
【0073】
この許容位置誤差量の具体的な算出手順については、例えば、まず、第1製品形状データ記憶部51に格納された図4のデータテーブルを検索して、同じ公差幅が設定された面番号,稜線番号及び頂点番号を抽出し、ついで、抽出した面番号に係る各面について、同じく第1製品形状データ記憶部51に格納された図3のデータテーブルから、その法線方向のベクトル(法線ベクトル)を算出する。より具体的には、図4の例で、公差幅が0.1の場合、面番号F3,F5及びF6と稜線番号E14が抽出され、面番号F3,F5,F6に係る各面について、その法線ベクトルが算出される。尚、面番号F5,F6に関係する稜線番号E14が抽出されたことから、寸法公差が、稜線E14から面F3に降ろした垂直線の長さに対して設定されていることが認識される。
【0074】
ついで、抽出した各面について、その寸法設定方向における位置誤差量tを、公差幅Tを各抽出面で案分する、即ち公差幅Tを抽出面数で除すことによって算出する。上述した公差幅Tが0.1の場合、面F3,F5,F6の位置誤差量tは、それぞれt=T/3となる。
【0075】
次に、算出された位置誤差量tを、各面の法線方向における許容位置誤差量Wに換算する。例えば、上述した公差幅Tが0.1の場合には、面F5及びF6の許容位置誤差量W1,W2は上記数式3及び4によってそれぞれ算出される。尚、面F3についての許容位置誤差量W3は、その法線方向と寸法設定方向とが一致するため、W3=tとなる。
【0076】
斯くして、このようにして算出された許容位置誤差量Wが前記形状データと関連付けられて、図6に示すようなデータテーブルとして第2製品形状データ記憶部12に格納される。
【0077】
前記基準データ記憶部13には、寸法公差以外の許容精度及び前記許容位置誤差量を、段階的に設定された等級に分類するための基準データが格納されている。この基準データは、例えば、図7に示したようなデータテーブルから構成され、入力装置62を介して基準データ記憶部13に格納される。尚、図7に示したデータテーブルでは、寸法公差以外の許容精度(図示例では表面粗さと幾何公差)及び許容位置誤差量がそれぞれ1〜4等級の4段階に分類される。
【0078】
前記標準加工条件データ記憶部14には、前記許容位置誤差量と無関係に設定された加工条件データが格納される。この加工条件データは、工具の送り量や切削速度などに関するデータであり、荒加工,仕上加工といった加工工程、素材材質や工具材質に応じて工具毎に設定され、入力装置62を介して標準加工条件データ記憶部14に格納される。
【0079】
一方、前記等級別加工条件データ記憶部15には、前記寸法公差以外の許容精度及び許容位置誤差量の等級に応じて設定された加工条件データが格納される。この加工条件データは、上記と同様に、工具の送り量や切削速度などに関するデータであり、前記等級,素材材質や工具材質に応じて工具毎に設定され、入力装置62を介して等級別加工条件データ記憶部15に格納される。
【0080】
前記CLデータ生成部16は、前記第2製品形状データ記憶部12,素材データ記憶部52,工具データ記憶部53,基準データ記憶部13,標準加工条件データ記憶部14及び等級別加工条件データ記憶部15に格納された各データを基に、CLデータを生成する。このCLデータは、少なくともワーク座標系における工具の移動位置、その送り速度及び回転速度を含むデータからなる。
【0081】
具体的には、CLデータ生成部16は、図8及び図9に示した処理を実行する。即ち、まず、CLデータ生成部16は、第2製品形状データ記憶部12に格納された製品の形状データを読み込むとともに(ステップS1)、素材データ記憶部52から素材の形状データと材質データを読み込む(ステップS2)。
【0082】
次に、読み込んだ製品形状データ及び素材形状データを基に、加工を要する部位の形状を抽出,認識し、認識した各加工部位について、荒加工,仕上加工といった加工工程の別を含めてその加工順序を決定する(ステップS3)。
【0083】
次に、カウンタnを1にセットした(ステップS4)後、1番目の加工部位の形状を認識し(ステップS5)、認識した加工形状及び前記素材材質データを基に、工具データ記憶部53に記憶されたデータを参照して、当該加工で使用する工具を設定する(ステップS6)。例えば、面番号がF1の面を加工する場合には、使用工具としてフェイスミルやエンドミルなどが選定される。
【0084】
ついで、当該加工が荒加工であるか否かを判別して(ステップS7)、荒加工である場合には後述のステップS12に進み、仕上加工である場合には、当該加工部位の形状データを基に、第1製品形状データ記憶部51を検索して、寸法公差以外の許容精度に関するデータを読み出すとともに、第2製品形状データ記憶部12を検索して、関連する許容位置誤差量に係るデータを読み出す(ステップS8)。例えば、上記面番号F5に係る面を加工する場合、この面番号F5を基に、図6に示したデータテーブルが検索され、これに対応した許容位置誤差量W1が読み出される。
【0085】
次に、前記ステップS8において寸法公差以外の許容精度に関するデータ及び許容位置誤差量データが読み出されたか否かを確認し(ステップS9)、前記許容精度データ及び許容位置誤差量データの双方が読み出されなかった場合には、後述のステップS12に進み、前記許容精度データと許容位置誤差量データの双方若しくはいずれか一方が読み出された場合には、読み出された許容精度データ及び/又は許容位置誤差量データを基に基準データ記憶部13を検索して、当該許容精度及び/又は許容位置誤差量を基準データ記憶部13に記憶された基準データに従って等級別に分類する(ステップS10)。尚、許容精度データと許容位置誤差量データの双方が読み出され、許容精度と許容位置誤差量とで等級が異なる場合には、最も精級のものが代表等級として選定される。
【0086】
このようにして、許容精度や許容位置誤差量を等級別に分類すると、次に、分類した等級、素材材質及び使用工具の材質を基に、等級別加工条件データ記憶部15に格納されたデータを参照して、前記等級,素材材質及び使用工具の材質に応じた加工条件を設定する(ステップS11)。
【0087】
一方、前記ステップS7において荒加工であると判別された場合、及びステップS9において許容精度データ及び許容位置誤差量データの双方が読み出されなかった場合には、素材材質及び使用工具の材質を基に、標準加工条件データ記憶部14に格納されたデータを参照して、荒加工,仕上加工の別、並びに素材材質及び使用工具材質に応じた加工条件を設定する(ステップS12)。
【0088】
そして、上記のようにして加工条件を設定した後、設定した加工条件を基に、当該工具の回転速度及び送り速度に関するデータを生成するとともに、ワーク座標系における工具の移動位置データを生成する(ステップS13)。
【0089】
以後、上記ステップS5〜S13の処理を繰り返して、全ての加工部位について、CLデータを生成した後(ステップS14,S15)、生成したCLデータをCLデータ記憶部56に格納し、処理を終了する(ステップS16)。
【0090】
前記表示制御部17は、前記第1製品形状データ記憶部51に格納された形状データ及び寸法公差に係るデータ、並びに前記第2製品形状データ記憶部12に格納された許容位置誤差量に関するデータを基に、前記入力装置62から適宜入力,指定された面について、前記表示装置64の表示画面上に、少なくとも前記製品の形状及び寸法公差に関する図形と、前記寸法公差及び前記許容位置誤差量に関する情報とを、同時に画面表示する処理を行う。
【0091】
具体的には、表示制御部17は、図10に示すような表示画面を表示装置64に表示する。同図10に示すように、この表示画面は、図2に示した製品の面F6についてのものであり、当該製品の形状,選択面(F6)及びこの選択面に係る公差(本例では公差幅(0.1))に関する図形と、選択面(F6),この選択面に係る公差(0.1)及びこの選択面について算出された許容位置誤差量(0.159870)に関するデータとが表示されている。
【0092】
斯くして、以上の構成を備えた本例の自動プログラミング装置1によれば、まず、寸法公差の設定された形状寸法に関係する複数の面について、形状寸法を寸法公差以内に収めるに当たり各面に対しその法線方向に許容される位置誤差量が、第1製品形状データ記憶部51に格納された形状データ及び寸法公差に関するデータを基に許容誤差量算出部11によって算出され、算出された許容位置誤差量に関するデータと前記形状データとが相互に関連付けられて第2製品形状データ記憶部12に格納される。
【0093】
そして、CLデータ生成部16において、CLデータの工具送り速度を設定する際に、対象加工部位の形状データと関連付けられて第2製品形状データ記憶部12に格納された許容位置誤差量に関するデータが読み出され、基準データ記憶部13に格納された基準データを参照して、前記読み出された許容位置誤差量が等級別に分類され、分類された等級、並びに素材材質及び使用工具材質に関する各データを基に、加工条件データ記憶部に格納された加工条件データが参照され、前記許容位置誤差量に応じた送り速度が設定される。
【0094】
そして、このようにして生成され、CLデータ記憶部56に格納されたCLデータが、NCプログラム生成部58によって、NCプログラムに変換されてNCプログラム記憶部59に格納され、出力装置63から適宜出力される。
【0095】
一方、表示装置64の表示画面上には、表示制御部17によって、少なくとも製品の形状及び寸法公差に関する図形と、寸法公差及び許容位置誤差量に関する情報とが、同時に画面表示される。
【0096】
このように、本例の自動プログラミング装置1によれば、適宜加工部位について工具送り速度を設定する際に、当該加工部位について許容される法線方向の位置誤差量を考慮し、工具送り速度をこの許容位置誤差量に応じたものとしているので、後に、修正を加えるまでも無く、当初から、加工効率が高く、しかも加工仕上がり寸法を公差内に収めるための適正なNCプログラムを自動的に効率良く生成することができる。
【0097】
また、許容位置誤差量の等級に応じて加工条件を設定するようにしているので、全ての許容位置誤差量に応じて事細かに加工条件を設定する場合に比べて、加工条件に関するデータ量が少なくなり、そのデータ入力の手間を省くことができる。
【0098】
また、表示制御部17によって、製品の形状,寸法公差及び許容位置誤差量が画面表示されるので、オペレータは、生成されたNCプログラムを解析したりしなくても、画面表示された図形や情報から、寸法公差が設定されている加工面について、どの程度の工具送り速度が適用されているかといったことなどを認識することが可能となる。
【0099】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の取り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
【0100】
例えば、上例では、許容精度及び許容位置誤差量を等級別に分類し、この等級に応じて工具の送り速度を設定するように構成したが、これに限るものではなく、上記基準データ記憶部13を除いて構成され、上記等級別加工条件データ記憶部15に代えて、素材材質,工具材質,許容精度及び許容位置誤差量に応じて設定された加工条件に関するデータを記憶する記憶部を備えて構成されるとともに、前記CLデータ生成処理部16が、工具送り速度の設定の際に、形状データと関連付けられて第1製品形状データ記憶部51に格納された許容精度に関するデータ、同じく形状データと関連付けられて第2製品形状データ記憶部12に格納された許容位置誤差量に関するデータ、並びに素材材質及び使用工具材質に関する各データを基に、前記記憶部に格納された加工条件データを参照して前記送り速度を設定するように構成されたものであっても良い。このような構成によっても、上記と同様の効果が奏される。
【0101】
また、上記基準データ記憶部13及び等級別加工条件データ記憶部15を除いて構成されるとともに、前記CLデータ生成処理部16が、工具送り速度の設定の際に、素材材質及び使用工具材質に関する各データを基に、前記標準加工条件データ記憶部14に格納された加工条件データを参照し、参照した加工条件データを、形状データと関連付けられて第1製品形状データ記憶部51及び第2製品形状データ記憶部12にそれぞれ格納された許容精度,許容位置誤差量に関するデータに応じて変更し、変更した加工条件データを基に前記送り速度を設定するように構成されたものであっても良い。このような構成によっても、上記と同様の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動プログラミング装置の概略構成を示したブロック図である。
【図2】形状データを構成する頂点データ,稜線データ,面データなどを説明するための説明図である。
【図3】第1製品形状データ記憶部に格納される形状データのデータ構成を示した説明図である。
【図4】第1製品形状データ記憶部に格納される寸法公差データのデータ構成を示した説明図である。
【図5】本実施形態に係る許容誤差量算出部における処理を説明するための説明図である。
【図6】本実施形態に係る第2製品形状データ記憶部に格納される形状データ及び許容位置誤差量データのデータ構成を示した説明図である。
【図7】本実施形態に係る基準データ記憶部に格納される基準データのデータ構成を示した説明図である。
【図8】本実施形態に係るCLデータ生成部における処理手順を示したフローチャートである。
【図9】本実施形態に係るCLデータ生成部における処理手順を示したフローチャートである。
【図10】本実施形態に係る表示制御部によって表示される表示画面の一例を示した説明図である。
【図11】従来例に係る自動プログラミング装置の概略構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
1 自動プログラミング装置
11 許容誤差量算出部
12 第2製品形状データ記憶部
13 基準データ記憶部
14 標準加工条件データ記憶部
15 等級別加工条件データ記憶部
16 CLデータ生成部
17 表示制御部
51 第1製品形状データ記憶部
52 素材データ記憶部
53 工具データ記憶部
56 CLデータ記憶部
57 工作機械データ記憶部
58 NCプログラム生成部
59 NCプログラム記憶部
61 CAD装置
62 入力装置
63 出力装置
64 表示装置

Claims (4)

  1. 製品の形状を定義する形状データであって、3次元空間内の座標値で表される頂点データ、2つの頂点を結んで構成される稜線の方程式データ、前記稜線と前記2つの頂点とを関連付ける稜線データ、稜線により囲まれて形成される面の方程式データ、及び前記面と前記稜線とを関連付ける面データを少なくとも含んで構成される形状データと、前記製品の形状寸法について設定された寸法公差に係るデータとを相互に関連付けて記憶する第1製品形状データ記憶部と、
    前記寸法公差の設定された形状寸法に関係する複数の面について、前記形状寸法を前記寸法公差以内に収めるに当たり前記各面に対しその法線方向に許容される位置誤差量を、前記第1製品形状データ記憶部に格納された形状データ及び寸法公差に係るデータを基にそれぞれ算出する許容誤差量算出部と、
    前記許容誤差量算出部によって算出された許容位置誤差量に関するデータと、前記形状データとを相互に関連付けて記憶する第2製品形状データ記憶部と、
    素材の形状,材質といった諸元に関するデータを記憶する素材データ記憶部と、
    工具の種別,寸法や材質といった諸元に関するデータを記憶する工具データ記憶部と、
    前記素材諸元,工具諸元及び許容位置誤差量に応じて設定された加工条件に関するデータを記憶する加工条件データ記憶部と、
    前記第2製品形状データ記憶部,素材データ記憶部,工具データ記憶部及び加工条件データ記憶部に格納された各データを基に、ワーク座標系における工具の移動位置,その送り速度及び回転速度を少なくとも含んで構成されるCLデータを生成する処理部であって、前記送り速度の設定に当たり、前記形状データと関連付けられて前記第2製品形状データ記憶部に格納された前記許容位置誤差量に関するデータ、並びに前記素材データ記憶部及び工具データ記憶部に格納された各データを基に、前記加工条件データ記憶部に格納された加工条件データを参照して前記送り速度を設定するように構成されたCLデータ生成部と、
    該CLデータ生成部において生成されたCLデータの前記ワーク座標系の移動位置を絶対座標系の移動位置に変換してNCプログラムを生成するNCプログラム生成部とを備えてなることを特徴とする自動プログラミング装置。
  2. 前記許容位置誤差量を、その大きさに応じて段階的に設定された等級に分類するための基準データを記憶した基準データ記憶部を更に備えるとともに、
    前記加工条件データ記憶部が、前記素材諸元,工具諸元及び等級に応じて設定された加工条件に関するデータを記憶するように構成され、
    前記CLデータ生成部が、前記送り速度の設定に当たり、前記形状データと関連付けられて前記第2製品形状データ記憶部に格納された前記許容位置誤差量に関するデータを基に、前記基準データ記憶部に格納された基準データを参照して、該許容位置誤差量を前記等級別に分類し、分類した等級、並びに前記素材データ記憶部及び工具データ記憶部に格納された各データを基に、前記加工条件データ記憶部に格納された加工条件データを参照して前記送り速度を設定するように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の自動プログラミング装置。
  3. 前記加工条件データ記憶部が、前記許容位置誤差量と無関係に設定された加工条件データを記憶するように構成されるとともに、
    前記CLデータ生成部が、前記送り速度の設定に当たり、前記素材データ記憶部及び工具データ記憶部に格納された各データを基に、前記加工条件データ記憶部に格納された加工条件データを参照し、参照した加工条件データを、前記形状データと関連付けられて前記第2製品形状データ記憶部に格納された前記許容位置誤差量に関するデータに応じて変更し、変更した加工条件データを基に前記送り速度を設定するように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の自動プログラミング装置。
  4. 前記第1製品形状データ記憶部に格納された形状データ及び寸法公差に係るデータ、並びに前記第2製品形状データ記憶部に格納された許容位置誤差量に関するデータを基に、少なくとも前記製品の形状及び寸法公差に関する図形と、前記寸法公差及び前記許容位置誤差量に関する情報とを、同時に画面表示する画面表示手段を備えてなることを特徴とする請求項1乃至3記載のいずれかの自動プログラミング装置。
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