JP2004245814A - 回転電機の磁界解析プログラム - Google Patents

回転電機の磁界解析プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】回転機の磁界分布を、特定部位における特定高調波でフィルタリングする回転機の磁界解析法を提供する。
【構成】解析空間内の第1の特定部位に与えられた電磁気的な変数に関する第1の境界条件に基づき、解析空間の磁界解析を行う第1の磁界解析手順1と、第1の磁界解析手順1により得られた解析空間内の第2の特定部位における電磁気的な変数を高調波成分毎に展開する展開手順2と、展開した電磁気的な変数の高調波成分のうちの少なくとも一つの高調波成分に関する電磁気的な変数を第2の特定部位に第2の境界条件として与える第2の境界条件設定手順と、第1及び第2の境界条件に基づいて解析空間の磁界解析を行う手順3とをコンピュータに実行させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転機の磁界解析技術に関し、特に回転機の磁界分布を構成する複数の高調波成分と漏れ磁界成分に分解することができる回転機の磁界解析技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまでの回転機の磁界解析法において、回転子を小刻みに回転させながら逐次解析する時間ステップ法が採用されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
T.W.Preston, A.B.J.Reece and P.S.Sangha: “Induction motor analysis by time−stepping techniques”, IEEE Trans. on Magnetics, vol.26, No.2, pp.551−554, 1990
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
振動、騒音、鉄損、渦電流損などは、特定の高調波成分によって引き起こされる。ところが、上記従来技術による回転機の磁界解析方法では、解析結果として得られる磁界分布に複数の高調波成分が含まれ、高調波成分単独での磁界解析ができなかった。すなわち、従来の磁界解析結果として得られる磁界分布は複数の高調波成分全てが重畳された状態で得られるため、問題となる高調波を特定したり、振動、騒音、鉄損、渦電流損などの低減方法を策定したりする場合に有用な特定高調波毎の磁界分布が得られないという問題があった。さらに、解析対象を2次元解析のみではなく3次元解析にまで拡張できれば便利である。
【0005】
本発明の目的は、特定の空間高調波又は時間高調波の磁界分布を表示することにより、回転機の設計者が振動・騒音等を分析するのに有益な情報を得ることできる回転機の磁界解析技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、解析空間内の第1の特定部位に与えられた電磁気的な変数に関する第1の境界条件に基づき、解析空間の磁界解析を行う第1の磁界解析手順と、前記第1の磁界解析手順により得られた前記解析空間内の第2の特定部位における電磁気的な変数を高調波成分毎に展開する展開手順と、前記分析した電磁気的な変数の高調波成分のうちの少なくとも一つの高調波成分に関する電磁気的な変数を前記第2の特定部位に第2の境界条件として与える第2の境界条件設定手順と、前記第1及び第2の境界条件に基づいて解析空間の磁界解析を行う手順とをコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0007】
また、解析空間の外側境界面に境界条件を与え、電流又は磁石磁力による起磁力を与えて、回転機全体の磁界解析を行う全体磁界解析手順と、前記全体磁界解析手順により得られた磁性体内部の透磁率分布を記憶する手順と、前記全体磁界解析により得られた回転子と固定子との間のスライド面上における磁界分布を記述するポテンシャルを、回転軸方向にはある分布を有し回転方向に関して定数あるいは周期的な分布をもつ複数の高調波成分に展開する手順と、前記全体磁界解析手順における境界条件と同じ境界条件を与え、さらに、前記スライド面上にはディリクレ条件を与え、記憶した前記透磁率分布を解析空間全体に与えて固定し、前記全体磁界解析手順で与えた電流或いは磁石磁力を与えて、回転子を含む回転子空間と、固定子を含む固定子空間のそれぞれにおいて線形の磁界解析を実施する手順と、前記全体磁界解析手順における境界条件と同じ境界条件を与え、さらに、前記高調波成分を順次前記スライド面上に境界条件として与え、さらに、前記透磁率分布を磁性体全体に与え、電流或いは磁石磁力を零にして、回転子を含む回転子空間と固定子を含む固定子空間とのそれぞれに線形の磁界解析を実施する手順とをコンピュータに実行させるための回転電機の磁界解析プログラムが提供される。
【0008】
全体磁界解析により得られた回転子と固定子との間のスライド面上における磁界分布を記述するポテンシャルを、回転軸方向にはある分布を有し回転方向に関して定数或いは周期的な分布をもつ高調波成分に展開する手順を含めることにより、解析対象を3次元に拡張することができる。
【0009】
三次元の回転機構造体を分析する場合に、解析空間の外側境界面に境界条件を与え、電流又は磁石磁力による起磁力を与えて回転機の磁界解析を実施する手順において、ゲージフリー又は部分的にゲージフリーの条件のもとで得られたポテンシャルをゲージ条件を満足するポテンシャルに変換する手順を、ポテンシャルを、回転軸方向にはある分布を有し回転方向に関して定数あるいは周期的な分布をもつ複数の高調波成分に展開する手順の前に行うのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本明細書においては、定数成分や基本波成分も含めて高調波と称する。
以下、本発明に係る回転機の磁界解析技術について図面に参照しつつ説明を行う。まず、本発明の第1の実施の形態による磁界解析方法について図1を参照して説明する。図1に示すように、本実施の形態による磁界解析方法では、第1ステップとして、従来技術に従った全体磁界解析1を実施する。このとき、回転子は計算条件として設定される回転数で回転させながら、逐次、時間ステップ法で解析を進める。磁界のソースとしては、電流、磁石などの起磁力を与える。また、非線形磁気特性を考慮した非線形解析とする場合は、時刻ステップ毎に、各要素の透磁率データ5を格納するか又は記憶していく。第2ステップとして、第1ステップの解析結果として得られたポテンシャルのうち、特定部位におけるポテンシャルの高調波展開2を行う。高調波としては、空間的な分布に含まれる空間高調波と、時間変化に含まれる時間高調波があるが、どちらか一方を展開(分離)する場合、或いは双方とも展開する場合が含まれる。高調波成分への展開の具体的な手法としては、公知のフーリエ変換(フーリエ展開)あるいはウェーブレット変換等の手法を用いることができる。
【0011】
第3ステップとして、成分磁界解析3を実施する。成分磁界解析3は、ソース成分磁界解析3aと、ポテンシャル高調波を境界条件とする成分磁界解析3bとを有する。成分磁界解析3では、全体解析1で得られた各要素の透磁率データ5を、時刻ステップ毎に各要素の透磁率として読み込んで与える。ソース成分磁界解析3aでは、磁界のソースとして、電流、磁石磁力を与えた線形磁界解析を実施する。この際、電流、磁石磁力としては、全体磁界解析1で与えた電流、磁石磁力をそのものを与えて一回の磁界解析を行っても良いし、総和が全体磁界解析1で与えた電流、磁石磁力となるように成分分離させた各電流、磁石磁力成分を与えて複数回の磁界解析を行っても良い。
【0012】
ポテンシャル高調波を境界条件とする成分磁界解析3bでは、特定部位におけるポテンシャルの高調波展開2で得られたポテンシャルの高調波成分を特定部位上に境界条件として与え、磁界を解析する。高調波成分は複数あるため、成分磁界解析3bも複数の高調波成分に対して複数回実施する。第4ステップは、任意成分磁界解析結果の重畳4を実施するステップであり、複数の特定高調波成分からなる磁界分布を知りたい場合に頭に、任意に実行することができる。
【0013】
図2は本発明の第2の実施の形態による磁界解析法の流れを示し、図3は、本実施の形態による磁界解析法の補足説明図である。図2に示すように、本実施の形態による磁界解析法では、外周側解析空間12と内周側解析空間13とからなる全体解析空間11があり、高調波としては、空間高調波と時間高調波の双方を展開(分離)する。全体解析空間11は、軸方向断面の二次元空間を想定し、磁界解析の変数は、磁気ベクトルポテンシャルの軸方向成分を想定して説明する。外周側解析空間12、内周側解析空間13は、それぞれ固定子側、回転子側、或いは、それぞれ回転子側、固定子側のいずれかとなる。外周側解析空間12、内周側解析空間13の境界となるbb’間の円弧は、固定子と回転子の間のエアギャップ中に位置させる。
【0014】
全体磁界解析21の方法を説明する。全体解析において、全体解析空間11の境界条件は、外周側円弧上のss’間と内周円弧上のrr’間ポテンシャルを、
【0015】
【数1】
Figure 2004245814
とおき、周方向端部の境界sr間とs’r’間は互いに周期境界条件となるようにする。全体解析空間11が一周にわたる解析領域として設定されている場合、周期境界条件は用いない。磁界解析では、磁気特性データに基づいた非線形解析とし、磁界のソースとなる電流、磁石磁力等を入力し、円弧bb’上において回転子を移動させながら、逐次解析する時間ステップ法を実施する。全体解析空間11内に導体がある場合は、導電率を入力して渦電流を解析すればよい。尚、透磁率を一定とした線形解析、渦電流を考慮しない解析であってもよい。ここで、各時刻での各要素の透磁率は、各要素の透磁率データ5に格納しておく。
【0016】
ポテンシャルaの空間高調波、時間高調波分析22では、全体磁界解析21で得られた円弧bb’上でのポテンシャルを、
【0017】
【数2】
Figure 2004245814
のように空間高調波と時間高調波の成分に展開する。尚、ポテンシャルaの高調波成分を展開する円弧bb’は、内周側解析空間13を回転子と見立てて移動させる場合、図3に示すように、静止系の座標に円弧bb’として固定する場合と、回転系の座標に円弧cc’として固定する場合とが考えられるが、静止系の座標から回転系の座標へは座標変換で変換できるため何れの方法を用いても良い。言い換えれば、静止系の座標に円弧bb’上で展開して、回転系の座標に円弧cc’上に座標変換することもできるし、回転系の座標に円弧cc’上で分析して、静止系の座標に円弧bb’上に座標変換することもできる。
【0018】
次いで、固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析23を実施する。固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析23では、全体磁界解析21で得られた各要素の透磁率データベース5を、各時刻ステップ毎に各要素の透磁率として読み込んで与える。境界条件としては、全体磁界解析21と同じく、全体解析空間11の外周側円弧上のss’間と内周円弧上のrr’間ポテンシャルは、上記(1)式とおき、周方向端部の境界sr間とs’r’間は互いに周期境界条件となるようにする。また、外周側解析空間12側の円弧bb’上、内周側解析空間13側の円弧cc’上には、上記(1)式と同じ、
【0019】
【数3】
Figure 2004245814
の境界条件を設定することで、外周側解析空間12内および内周側解析空間13内で漏れ磁束のみを発生させるようにする。磁界のソースとしては、全体磁界解析21で与えた電流、磁石磁力を与え、線形磁界解析とし、全体磁界解析21導電率を与えて渦電流を計算していれば、同様に導電率を与え、渦電流を考慮した解析を実施すればよい。このとき電流、磁石磁力としては、全体解析1で与えた電流、磁石磁力をそのものを与えて1回の磁界解析を行っても良いし、総和が全体解析1で与えた電流、磁石磁力となるように成分分離させた各電流、磁石磁力成分を与えて複数回の磁界解析を行っても良い。また、この固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析23では、外周側解析空間12と内周側解析空間13の境界となる、円弧bb’上、円弧cc’上にそれぞれ上記(3)式の境界条件を与えるため、外周側解析空間12と内周側解析空間13とは、個別に解析することが可能になる。
【0020】
固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析23と平行して、特定空間高調波、時間高調波磁界解析24を実施する。特定空間高調波、時間高調波磁界解析24では、固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析23と同様に、全体磁界解析21で得られた各要素の透磁率データ5を、各時刻ステップ毎に各要素の透磁率として読み込んで与える。境界条件としては、固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析23と同様に、全体磁界解析21と同じく、全体解析空間11の外周側円弧上のss’間と内周円弧上のrr’間ポテンシャルは(1)式とおき、周方向端部の境界sr間とs’r’間は互いに周期境界条件となるようにする。外周側解析空間12側の円弧bb’上、内周側解析空間13側の円弧cc’上には、固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析23と異なり、(2)式で分析したポテンシャルのうち、特定のm次空間高調波、l次時間高調波のみを抽出した、
【0021】
【数4】
Figure 2004245814
を境界条件として設定する。磁界のソースは、全体磁界解析21で与えた電流、磁石磁力を与えずに、線形磁界解析とし、全体磁界解析21において導電率を与えて渦電流を計算していれば、同様に導電率を与え、渦電流を考慮した解析を行えばよい。なお、円弧bb’上と円弧cc’上では、空間高調波次数が異なることになるが、これは一方の円弧上の展開結果に対し、静止系と回転系の間での座標変換を実施して他方の円弧上に与えることができる。
【0022】
固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析23と同様に、特定空間高調波、時間高調波磁界解析24でも、外周側解析空間12と内周側解析空間13の境界となる、円弧bb’上、円弧cc’上にそれぞれ(3)式の境界条件を与えるため、外周側解析空間12と内周側解析空間13とは、個別に解析することができる。
【0023】
また、固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析23と、特定空間高調波、時間高調波磁界解析24は、順不同で、任意に実施可能であり、特定空間高調波、時間高調波磁界解析24における特定のm次空間高調波、l次空間高調波は、解析者の欲する次数のみ着目して解析すればよい。
【0024】
図4は本発明の第3の実施の形態による磁界解析法の流れを示す図である。図4に示す解析例は、図2に示す解析例に対し、取り扱う高調波を空間高調波のみとしたものである。全体磁界解析21は図2と同じであり、各要素の透磁率データ5も同じように格納する。ポテンシャルaの空間高調波分析25では、全体磁界解析21で得られた円弧bb’上でのポテンシャルを、
【0025】
【数5】
Figure 2004245814
のように空間高調波の成分に展開する。固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析23は、図2と同じである。
【0026】
特定空間高調波磁界解析26では、全体磁界解析21で得られた各要素の透磁率データ5を、各時刻ステップ毎に各要素の透磁率として読み込んで与える。境界条件としては、全体解析空間11の外周側円弧上のss’間と内周円弧上のrr’間ポテンシャルを図2と同じく(1)式とおき、周方向端部の境界sr間とs’r’間は互いに周期境界条件とする。外周側解析空間12側の円弧bb’上、内周側解析空間13側の円弧cc’上には、(5)式により分析したポテンシャルのうち、特定のm次空間高調波のみを抽出した、
【0027】
【数6】
Figure 2004245814
を境界条件として設定する。磁界のソースは、全体磁界解析21で与えた電流、磁石磁力を与えずに、線形磁界解析とし、全体磁界解析21導電率を与えて渦電流を計算していれば、同様に導電率を与え、渦電流を考慮した解析を実施すればよい。その後、解析した特定空間高調波の磁界分布のみを表示手段に表示する。本実施例によれば、特定空間高調波の磁界分布を表示して回転機の設計者に示すことにより、設計者は振動・騒音発生等の要因を分析するために有益な情報を得ることができる。
【0028】
図5は本発明の第4の実施の形態による磁界解析法の流れを示す図である。図5に示す解析例は、図2に示す解析例に対し、取り扱う高調波を時間高調波のみとしたものである。全体磁界解析21は図2と同じであり、各要素の透磁率データ5も同じように格納する。ポテンシャルaの時間高調波分析25では、全体磁界解析21で得られた円弧bb’上でのポテンシャルを、
【0029】
【数7】
Figure 2004245814
のように時間高調波の成分に分析する。固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析23は、図2と同じである。
【0030】
特定時間高調波磁界解析26では、全体磁界解析21で得られた各要素の透磁率データ5を、各時刻ステップ毎に各要素の透磁率として読み込んで与える。境界条件としては、全体解析空間11の外周側円弧上のss’間と内周円弧上のrr’間ポテンシャルを図2と同じく(1)式とおき、周方向端部の境界sr間とs’r’間は互いに周期境界条件とする。外周側解析空間12側の円弧bb’上、内周側解析空間13側の円弧cc’上には、(7)式により分析したポテンシャルのうち、特定の1次時間高調波のみを抽出した、
【0031】
【数8】
Figure 2004245814
を境界条件として設定する。磁界のソースは、全体磁界解析21で与えた電流、磁石磁力を与えずに、線形磁界解析とし、全体磁界解析21導電率を与えて渦電流を計算していれば、同様に導電率を与え、渦電流を考慮した解析を実施すればよい。その後、解析した特定時間高調波の磁界分布のみを表示手段に表示する。
【0032】
本実施の形態によれば、特定時間高調波の磁界分布を表示して回転機の設計者に示すことにより、設計者は振動・騒音発生等の要因を分析するために有益な情報を得ることができる。
【0033】
次に、磁界解析を3次元に拡張する3次元解析法について説明する。図6は、本発明の第5の実施の形態による磁界解析法の流れを示す図である。第1ステップとして、従来技術に沿った全体磁界解析101を実施する。この際、電流、磁石などの起磁力を与え、回転子は計算条件として設定される回転数で回転させながら、逐次、時間ステップ法で解析を進める。また、非線形磁気特性を考慮した非線形解析とする場合は、時間ステップ毎に磁性体の各要素の透磁率データ105を記憶し格納する。第2ステップとして、第1ステップの解析結果として得られたポテンシャルのうち、特定部位におけるポテンシャルの高調波展開102を行う。この場合、空間高調波と時間高調波のどちらか一方を展開することもできるし、双方とも展開することもできる。
【0034】
第3ステップとして、成分磁界解析103を実施する。成分磁界解析103は、ソース成分磁界解析103aとポテンシャル高調波を境界条件とする成分磁界解析103bとを含む。成分磁界解析103では、全体解析101で得られた各時間ステップにおける磁性体内の各要素の透磁率データ105を、磁性体内の各要素の透磁率として固定して割り当て、線形磁界解析を実行する。
【0035】
ソース成分磁界解析103aでは、磁界のソースとして電流又は磁石磁力の少なくともいずれか一方を与えた線形磁界解析を実施する。この際、電流、磁石磁力としては、全体磁界解析101で与えたコイル電流、磁石磁力そのものを与えて一回の磁界解析を行っても良いし、総和が全体磁界解析101で与えた電流、磁石磁力となるように成分分離させた各電流、磁石磁力成分を与えて個別に磁界解析を行っても良い。3次元解析に拡張するために、ポテンシャル高調波を境界条件とする成分磁界解析103bでは、特定部位におけるポテンシャルの高調波分析102で得られた回転方向に関する定数成分(回転軸方向にはある分布をもち、回転方向には定数である成分)あるいは高調波成分(回転軸方向にはある分布をもち、回転方向に関しては周期的な分布をもつ複数の空間高調波モード成分)を同じ特定部位上に境界条件として与え、コイル電流、磁石磁力を全て零にして磁界解析する。高調波成分は複数あるため、成分磁界解析103bも複数の高調波成分に対応させて複数回行う。第4ステップは、任意成分磁界解析結果の重畳104を実施する処理を行うものであり、複数の特定高調波成分からなる磁界分布を知りたい場合に、任意に実行すればよい。
【0036】
図7は、本発明の第6の実施の形態による回転機の磁界解析法の流れを示す図である。図7に示す解析例は、外周側解析空間112と内周側解析空間113とを有する全体解析空間111があり、高調波としては、空間高調波と時間高調波の双方を展開する例である。全体解析空間111は回転軸方向に垂直な断面における二次元空間を想定し、磁界解析の変数は、例として辺要素有限要素法において各要素の辺上に配置された磁気ベクトルポテンシャルの辺上への射影線積分値aを想定して説明する。ポテンシャルを対象とするため、以下の実施例で説明するポテンシャルに、ある定数ベクトルを一様に加えて、辺上の線積分で得られる変数aを用いても良いことは言うまでもない。
【0037】
ここでは、簡単のため全体の解析空間の外周面における周期境界以外の境界面での境界条件として、磁界が境界面に平行に沿うディリクレ条件としてa=0を設定する場合について説明する。磁界強度が弱い外周面では、このように通常ディリクレ条件としてa=0を設定する場合が多い。外周側解析空間112、内周側解析空間113は、それぞれ固定子側、回転子側、或いは、それぞれ回転子側、固定子側のいずれかとなる。外周側解析空間112、内周側解析空間113の境界となるスライド面bb’は、固定子と回転子の間のエアギャップ中に位置させる。全体磁界解析121の方法を説明する。全体解析において、全体解析空間111の境界条件は、外周面ss’と内周面rr’のポテンシャルを0とおき、周方向端部の境界面srと面s’r’は互いに周期境界条件で接続される。全体解析空間111が一周にわたる解析領域として設定されている場合、周期境界条件は用いない。
【0038】
磁界解析では、磁気特性データに基づいた非線形解析とし、磁界のソースとなる電流、磁石磁力等を入力し、スライド面bb’上に沿って回転子を回転しながら、時間ステップ法を用いて逐次解析する。全体解析空間111内に導体がある場合は、導電率を入力して渦電流を解析すればよい。尚、透磁率を時間的に一定とした線形解析や、渦電流を考慮しない解析であってもよい。ここで、各時刻での磁性体内各要素の透磁率は、透磁率データ105に格納しておく。ポテンシャルaの空間高調波、時間高調波成分への展開122では、全体磁界解析121で得られたスライド面bb’上でのポテンシャルを、
【0039】
【数9】
Figure 2004245814
のように空間高調波並びに時間高調波に成分展開する。この場合、静止系で成分展開しても良いし、回転子にのった回転座標系で成分展開しても良い。
【0040】
次いで、固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析123を実施する。固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析123では、全体磁界解析121で得られた磁性体内各要素の透磁率データ105を、時間ステップ毎に磁性体内各要素に割り当てる。境界条件としては、全体磁界解析121と同じく、全体解析空間111の外周面ss’と内周面rr’のポテンシャルを0とおき、周方向端部の境界面srともう一方の境界面s’r’は互いに周期境界条件で接続される。また、外周側解析空間112側のスライド面bb’上、内周側解析空間113側のスライド面cc’上のポテンシャルは、外周面ss’及び内周面rr’と同様に0に設定することで、外周側解析空間112内および内周側解析空間113内で漏れ磁束のみを発生させるようにする。磁界のソースとしては、全体磁界解析121で与えた電流、磁石磁力を与え、線形磁界解析とし、全体磁界解析121で導電率を与えて渦電流を計算していれば、同様に導電率を与え、渦電流を考慮した解析を実施すればよい。このとき電流、磁石磁力としては、全体磁界解析121で与えた電流、磁石磁力そのものを与えて1回の磁界解析を行っても良いし、総和が全体磁界解析121で与えた電流、磁石磁力となるように成分展開させた各電流、磁石磁力成分を与えて個別に磁界解析を行っても良い。
【0041】
また、この固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析123では、外周側解析空間112と内周側解析空間113の境界となるスライド面bb’上、スライド面cc’上の境界条件を0に設定するため、外周側解析空間112と内周側解析空間113とは、個別に解析することが可能になる。固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析123とは別に、特定空間高調波、時間高調波磁界解析124を実施する。特定空間高調波、時間高調波磁界解析124では、固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析23と同様に、全体磁界解析121で得られた磁性体内各要素の透磁率データ105を、時刻ステップ毎に磁性体内各要素に割り当てる。境界条件としては、固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析123と同様に、全体磁界解析121と同じく、全体解析空間111の外周面ss’と内周面rr’において境界条件を0に設定し、周方向端部の境界面srと境界面s’r’は互いに周期境界条件で接続される。外周側解析空間12側のスライド面bb’上、内周側解析空間113側のスライド面cc’上には、固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析123とは異なり、(9)式で展開したポテンシャルのうち、特定のm次空間高調波、1次時間高調波のみを抽出した、
【0042】
【数10】
Figure 2004245814
を境界条件として設定する。外周側解析空間112が固定子ならば、スライド面bb’の境界条件としての(2)式は静止座標系のものを用い、外周側解析空間112が回転子ならば、回転座標系のものを用いる。また同様にして、内周側解析空間113が固定子ならば、スライド面cc’の境界条件としての(10)式は静止座標系のものを用い、内周側解析空間113が回転子ならば、回転座標系のものを用いる。こうした上で、全体磁界解析121で磁界ソースとして与えた電流・磁石磁力は与えずに、線形磁界解析を実行する。全体磁界解析121で導電率を与えて渦電流を計算していれば、同様に導電率を与え、渦電流を考慮した解析を実施すればよい。
【0043】
特定空間高調波、時間高調波磁界解析124では、外周側解析空間112と内周側解析空間113の境界となる、スライド面bb’上、スライド面cc’上にそれぞれ(10)式の境界条件を与えるため、外周側解析空間112と内周側解析空間113は、個別に解析することができる。また、固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析123と、特定空間高調波、時間高調波磁界解析124は、順不同で、任意に実施可能であり、特定空間高調波、時間高調波磁界解析124における特定のm次空間高調波、1次時間高調波は、解析者の欲する次数のみ着目して解析すればよい。
【0044】
尚、ここで磁気ベクトルポテンシャルAを用いた解析について説明したが、二次元空間の解析であれば、自動的にクーロンゲージ
【0045】
【数11】
Figure 2004245814
が成立するが、三次元空間の解析では一般に高速解析を行うためにゲージ(divA)を固定しないでゲージフリーあるいは部分的にゲージフリーで計算するのが好ましい。このため、時間ステップを追って磁気ベクトルポテンシャルAを解析する場合、各時間ステップでdivAがゆらぐため、磁気ベクトルポテンシャルAが関する物理変数を時間高調波成分に展開する場合に問題が生じる。そこで、各時間ステップにおいて、求まった磁気ベクトルポテンシャルAに対して、
【0046】
【数12】
Figure 2004245814
を用いてクーロンゲージを課した磁気ベクトルポテンシャルA’に変換するのが望ましい。この場合、スカラーポテンシャルΨは、
【0047】
【数13】
Figure 2004245814
を用いて求めることができる。このようにして求めた各節点上のスカラーポテンシャルΨに対して、
【0048】
【数14】
Figure 2004245814
に示した新たな変数a’を変数aの代わりに用いれば、ゲージのゆらぎに関する問題は解消される。ここで、ΨおよびΨは、それぞれ、変数aの定義における磁気ベクトルポテンシャルAの辺上の線積分における辺上の始点および終点に相当する節点上のスカラーポテンシャルΨの値である。
【0049】
図8は、本発明の第7の実施の形態による磁界解析法の流れを示す図である。図8の実施例は、図7の実施例に対し、取り扱う高調波を空間高調波のみとしたものである。全体磁界解析131は図7と同じであり、磁性体内各要素の透磁率データ105も同じように格納する。ポテンシャルaの空間高調波分析132では、全体磁界解析131で得られたスライド面bb’上でのポテンシャルを、
【0050】
【数15】
Figure 2004245814
のように空間高調波の成分に展開する。固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析133は、図7と同じである。特定空間高調波磁界解析134では、全体磁界解析131で得られた磁性体内各要素の透磁率データ105を、各時刻ステップ毎に磁性体内各要素に割り当てる。境界条件としては、全体解析空間111の外周面ss’と内周面rr’上のポテンシャルを図2と同じく0とおき、周方向端部の境界面srと境界面s’r’は互いに周期境界条件で接続される。外周側解析空間112側のスライド面bb’上、内周側解析空間113側のスライド面cc’上には、(15)式で分析したポテンシャルのうち、特定のm次空間高調波(m=0,1,2、…)のみを抽出した、
【0051】
【数16】
Figure 2004245814
を境界条件として設定する。磁界のソースは,全体磁界解析131で与えた電流、磁石磁力を与えずに線形磁界解析とし、全体磁界解析131導電率を与えて渦電流を計算していれば同様に導電率を与え、渦電流を考慮した解析を実施すればよい。
【0052】
図9は、本発明の第8の実施の形態による磁界解析法の流れを示す。図9に示す解析法は、図7に示す解析法に対して、取り扱う高調波を時間高調波のみとしたものである。全体磁界解析141は図7の場合と同じであり、磁性体内各要素の透磁率データ105も同じように格納する。ポテンシャルaの時間高調波分析142では、全体磁界解析141で得られたスライド面bb’上でのポテンシャルを、
【0053】
【数17】
Figure 2004245814
のように時間高調波の成分に展開する。固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析143は、図7と同じである。特定時間高調波磁界解析144では、全体磁界解析141で得られた磁性体内各要素の透磁率データ105を、時刻ステップ毎に磁性体内各要素に割り当てる。境界条件としては、全体解析空間111の外周面ss’と内周面rr’のポテンシャルを図2と同じく0とおき、周方向端部の境界面srと境界面s’r’は互いに周期境界条件で接続される。外周側解析空間112側のスライド面bb’上、内周側解析空間113側のスライド面cc’上には、(17)式で分析したポテンシャルのうち、特定の1次時間高調波のみを抽出した、
【0054】
【数18】
Figure 2004245814
【0055】
を境界条件として設定する。全体磁界解析141で与えた磁界のソースとしてのコイル電流・磁石磁力を与えずに、線形磁界解析を実行する。全体磁界解析141で導電率を与えて渦電流を計算していれば、同様に導電率を与え、渦電流を考慮した解析を実施すればよい。
【0056】
以上に説明したいずれの実施例においても、図10に示すように、計算装置151で一連の回転子空間・固定子空間個別の解析で得られた磁界分布を、視覚的にわかるように、与えた境界条件別に個別に表示装置152に表示させることができる。
【0057】
尚、以上に説明した解析法は、回転半径が実質的に無限大であるリニアモータにも適用できるのは言うまでもない。この場合には、例えば以下の手順により解析を行うことができる。
【0058】
1)解析空間の外側境界面に境界条件を与え、電流又は磁石磁力による起磁力を与えてリニアモータ全体の磁界解析を実施する全体磁界解析手順。2)前記全体磁界解析手順で得られた磁性体内部の透磁率分布を記憶する手順。3)前記全体磁界解析手順で得られた、可動子と固定子との間のスライド面上における磁界分布を記述するポテンシャルを、移動方向と垂直な方向にはある分布を有し、移動方向に関して定数あるいは周期的な分布をもつ複数の局在化した高調波成分に展開する手順。4)前記全体磁界解析手順における境界条件と同じ境界条件を与え、さらに、前記スライド面上にはディリクレ条件を与え、前記透磁率分布を解析空間全体に与え、前記全体磁界解析により与えた電流又は磁石磁力を与えて、可動子を含む可動子空間と固定子を含む固定子空間とのそれぞれに線形の磁界解析を実施する手順。5)前記全体磁界解析における境界条件と同じ境界条件を与え、さらに、分析した前記高調波成分を順次前記スライド面上に境界条件として与え、さらに前記透磁率分布を磁性体全体に与えて固定し、電流又は磁石磁力を零にして、可動子を含む可動子空間と、固定子を含む固定子空間と、のそれぞれに線形の磁界解析を実施する手順。この場合において、さらに、上記一連の可動子空間と固定子空間と、のそれぞれ個別の解析により得られた磁界分布を、与えた前記境界条件別に個別に表示させる手順を行っても良い。
【0059】
以上、本実施の形態に沿って説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、種々の変形が可能であるのは言うまでもない。例えば、上記解析プログラムにおける手順に基づいて行われる解析方法又は解析装置も本発明の範疇に入ることは言うまでもない。
【0060】
【発明の効果】
以上説明した本発明に関る回転機の磁界解析の方法によれば、特定の高調波成分に起因する、振動、騒音、鉄損、渦電流損などの諸問題の解決が迅速に実施できる。すなわち、特定の高調波成分に対する磁界分布や、漏れ磁束のみの磁界分布を得ることができるため、振動、騒音、鉄損、渦電流損などの寄与成分が特定でき、磁束流線から特定の高調波磁界を低減する方策が容易に策定できるため、高調波成分に起因する、振動、騒音、鉄損、渦電流損などの諸問題の考察、低減のための検討が大幅に加速される効果がある。また、2次元解析のみならず3次元解析にも適用可能であるため、より詳細な分析が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による回転機の磁界解析法の流れを示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態による磁界解析法の流れを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態による磁界解析法の補足説明図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態による磁界解析法の流れを示す図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態による磁界解析法の流れを示す図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態による磁界解析法の流れを示す図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態による磁界解析法の流れを示す図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態による磁界解析法の流れを示す図である。
【図9】本発明の第8の実施の形態である磁界解析法の流れを示す図である。
【図10】本発明の回転機の磁界解析を実施する装置を示す図である。
【符号の説明】1…全体磁界解析、2…特定部位におけるポテンシャルの高調波成分への展開、3…成分磁界解析、4…任意成分磁界解析結果の重畳、5…各要素の透磁率データ、11…全体解析空間、12…外周側解析空間、13…内周側解析空間、21…全体磁界解析、22…ポテンシャルaの空間高調波、時間高調波成分展開、23…固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析、24…特定空間高調波、時間高調波磁界解析、25…ポテンシャルaの空間高調波分析、26…特定空間高調波磁界解析、23…固定子、回転子漏れ磁束の磁界解析、101…全体磁界解析、102…高調波成分展開、103…成分磁界解析、103a…ソース成分磁界解析、103b…成分磁界解析、105…透磁率データ。

Claims (12)

  1. 解析空間内の第1の特定部位に与えられた電磁気的な変数に関する第1の境界条件に基づき、解析空間の磁界解析を行う第1の磁界解析手順と、
    前記第1の磁界解析手順により得られた前記解析空間内の第2の特定部位における電磁気的な変数を高調波成分毎に展開する展開手順と、
    展開した前記電磁気的な変数の高調波成分のうちの少なくとも一つの高調波成分に関する電磁気的な変数を前記第2の特定部位に第2の境界条件として与える第2の境界条件設定手順と、
    前記第1及び第2の境界条件に基づいて解析空間の磁界解析を行う手順と
    をコンピュータに実行させるための回転電機の磁界解析プログラム。
  2. 請求項1において、前記展開手順では前記電磁気的な変数を空間的な分布に関する高調波成分毎に展開することを特徴とする回転電機の磁界解析プログラム。
  3. 請求項1において、前記展開手順では前記電磁気的な変数を時間的な分布に関する高調波成分毎に展開することを特徴とする回転電機の磁界解析プログラム。
  4. 請求項1において、前記電磁気的な変数はポテンシャルまたは起磁力であることを特徴とする回転電機の磁界解析プログラム。
  5. 請求項1において、前記第1の磁界解析手順の前に前記解析空間の透磁率分布を記憶する記憶手順を含み、
    前記第1の磁界解析手順及び前記第2の磁界解析手順においては、前記記憶手順により記憶された透磁率分布に基づき解析空間の磁界解析を行うことを特徴とする回転電機の磁界解析プログラム。
  6. 請求項1において、前記解析空間は固定子に対応する解析空間と回転子に対応する解析空間を有し、
    前記第2の特定部位は前記固定子に対応する解析空間と前記回転子に対応する解析空間の境界であることを特徴とする回転電機の磁界解析プログラム。
  7. 解析空間の外側境界面に境界条件を与え、電流又は磁石磁力による起磁力を与えて、回転機全体の磁界解析を行う全体磁界解析手順と、
    前記全体磁界解析手順により得られた磁性体内部の透磁率分布を記憶する手順と、
    前記全体磁界解析により得られた回転子と固定子との間のスライド面上における磁界分布を記述するポテンシャルを、回転軸方向にはある分布を有し回転方向に関して定数あるいは周期的な分布をもつ複数の高調波成分に展開する手順と、
    前記全体磁界解析手順における境界条件と同じ境界条件を与え、さらに、前記スライド面上にはディリクレ条件を与え、記憶した前記透磁率分布を解析空間全体に与えて固定し、前記全体磁界解析手順で与えた電流或いは磁石磁力を与えて、回転子を含む回転子空間と、固定子を含む固定子空間と、のそれぞれに線形の磁界解析を実施する手順と、
    前記全体磁界解析手順における境界条件と同じ境界条件を与え、さらに、前記高調波成分を順次前記スライド面上に境界条件として与え、さらに、前記透磁率分布を磁性体全体に与え、電流或いは磁石磁力を零にして、回転子を含む回転子空間と固定子を含む固定子空間とのそれぞれに線形の磁界解析を実施する手順とをコンピュータに実行させるための回転電機の磁界解析プログラム。
  8. 三次元の回転機構造体を分析する場合に、
    解析空間の外側境界面に境界条件を与え、電流又は磁石磁力による起磁力を与えて回転機の磁界解析を実施する手順において、ゲージフリー又は部分的にゲージフリーの条件のもとで得られたポテンシャルを、ゲージ条件を満足するポテンシャルに変換する手順を、前記時間高調波に展開する手順の前に行うことを特徴とする請求項7に記載の回転電機の磁界解析プログラム。
  9. さらに、上記一連の回転子空間と固定子空間と、のそれぞれ個別の解析により得られた磁界分布を、与えた前記境界条件別に個別に表示させる手順を含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の回転電機の磁界解析プログラム。
  10. 解析空間の外側境界面に境界条件を与え、電流又は磁石磁力による起磁力を与えて、一連の時間ステップにおける回転機全体の磁界解析を行う全体磁界解析手順と、
    前記全体磁界解析手順により得られた前記一連の時間ステップにおける磁性体内部の透磁率分布を記憶する手順と、
    前記全体磁界解析手順により得られた回転子と固定子との間のスライド面上における磁界分布を記述するポテンシャルを、回転軸方向にはある分布を有し回転方向に関して定数あるいは周期的な分布をもつ複数の高調波成分に展開し記憶する手順と、
    一連の時間ステップにおける上記解析から得られた、回転方向に関して定数あるいは周期的な分布をもつ複数の高調波成分を時間軸方向に高調波展開して、時間・空間高調波成分を抽出する手順と、
    前記全体磁界解析における境界条件と同じ境界条件を与え、さらに、前記スライド面上にはディリクレ条件を与え、前記全体磁界解析で与えた電流又は磁石磁力を与え、前記一連の時間ステップにおける前記磁性体内部の前記透磁率分布を時間ステップ毎に与え、回転子を含む回転子空間と、固定子を含む固定子空間と、のそれぞれにおいて線形の磁界解析を実施する手順と、
    前記全体磁界解析手順における境界条件と同じ境界条件を与え、前記時間・空間高調波成分を順次前記スライド面上に境界条件として与え、さらに、一連の時間ステップにおける磁性体内の前記透磁率分布を時間ステップ毎に固定して与え、電流或いは磁石磁力を零にして、回転子を含む回転子空間と固定子を含む固定子空間とのそれぞれに線形の磁界解析を実施する手順と
    をコンピュータに実行させるための回転電機の磁界解析プログラム。
  11. 三次元の回転機構造体を分析する場合に、
    解析空間の外側境界面に境界条件を与え、電流又は磁石磁力による起磁力を与えて回転機の磁界解析を実施する手順において、ゲージフリー又は部分的にゲージフリーの条件のもとで得られたポテンシャルを、ゲージ条件を満足するポテンシャルに変換する手順を、前記時間高調波に展開する手順の前に行うことを特徴とする請求項10に記載の回転電機の磁界解析プログラム。
  12. さらに、上記一連の回転子空間と固定子空間と、のそれぞれ個別の解析により得られた磁界分布を、与えた前記境界条件別に個別に表示させる手順を含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の回転電機の磁界解析プログラム。
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