JP4073361B2 - 回転電機の特性解析プログラム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁界解析による回転機の特性解析の方法に係り、特に、渦電流損失が生じる回転機のインダクタンスおよびトルクを複数の高調波成分と漏れ磁束成分に分解することができる回転機の特性解析の方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまでの回転機の磁界解析の方法において、回転子を小刻みに回転させながら、逐次解析する時間ステップ法が採用されている(非特許文献1参照)。また、磁界解析を用いて回転機のインダクタンスおよびトルクを解析する手法も提案されている(非特許文献2参照)。
【0003】
【非特許文献1】
T.W.Preston、 A.B.J.Reece and P.S.Sangha: “Induction motor analysis by time-stepping techniques”,IEEE Trans. on Magnetics, vol.26, No.2, pp.551-554, 1990.
【非特許文献2】
佐々木他、「飽和を考慮した永久磁石式同期電動機のリアクタンス解析」、電学論D、121巻7号、2001。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、非特許文献1等に記載された従来技術の回転機の磁界解析の方法では、解析結果として得られる磁界分布に複数の高調波成分が渾然一体となっており、高調波成分毎の磁界解析を単独で行うことができなかった。また、非特許文献2に記載された従来技術の回転機のインダクタンスおよびトルク解析法では、解析結果として得られるインダクタンスおよびトルクに全ての高調波成分が渾然一体となって含まれており、磁界分布の高調波成分別のインダクタンスおよびトルクを展開できなかった。さらに、渦電流損失が生じる際のインダクタンスおよびトルクを計算できなかった。
【0005】
すなわち、トルクリプル、コギングトルク、電圧および電流波形歪み、渦電流損、鉄損、振動、騒音などは、特定の高調波成分によって引き起こされるが、従来技術によれば、インダクタンスおよびトルクは複数の高調波成分全てが重畳された状態で得られるため問題となる高調波を特定したり、トルクリプル、コギングトルク、電圧および電流波形歪み、渦電流損、鉄損、振動、騒音などの低減方法を策定したりする場合に有用な磁界分布の高調波成分別のインダクタンスおよびトルクを得ることができないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、渦電流損失を考慮の上で磁界分布の高調波成分毎のインダクタンスおよびトルクを得ることができる回転機の特性解析技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、少なくとも1つの磁界供給源を励磁して固定子と回転子とを有する回転機の全体磁界解析を実施する全体磁界解析手順と、
単一の磁界供給源を励磁し、該単一の磁界供給源以外の磁界供給源の励磁をゼロにして、前記全体磁界解析の結果として得られた透磁率データを与えて回転機の単独励磁磁界解析を実施した後、該単独励磁磁界解析の結果として得られるポテンシャルであって前記固定子と前記回転子との間のギャップに設定した円弧上におけるポテンシャルを高調波成分に展開する手順と、
展開した前記高調波成分のうちの任意の一つを前記円弧に境界条件として与えて、全ての磁界供給源の励磁をゼロにして、前記透磁率データを与えた回転機の成分磁界解析を実施した後、前記単独励磁磁界解析で励磁された磁界供給源が巻線の場合には前記成分磁界解析結果を用いて前記高調波成分に対する前記巻線の自己インダクタンス又は相互インダクタンスを計算し、前記単独励磁磁界解析で励磁された磁界供給源が磁石の場合には前記成分磁界解析結果を用いて前記高調波成分に対する鎖交磁束を計算する手順とをコンピュータに実行させるための回転機の特性解析プログラムが提供される。
【0008】
上記プログラムによれば、前記全体磁界解析の結果得られた透磁率データを与えて回転機の単独励磁磁界解析を実施した後、該単独励磁磁界解析の結果得られるポテンシャルであってギャップに設定した円弧上におけるポテンシャルを高調波成分に展開し、展開した成分毎に成分磁界解析を行うため、特定の高調波成分に関するインダクタンス又はトルクを求めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本明細書において、磁界供給源とは、現在、磁界を供給しているか否かと関係なく、磁界を供給できるものは全て磁界供給源と称する。磁界供給源の分割方法は任意であり、複数の磁界供給源をまとめて1つの磁界供給源と称することもある。
【0010】
以下、本発明の実施の形態による回転機の磁界解析法について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態による特性解析法の流れを示す図である。図2は、本実施の形態による特性解析の対象となる回転機の解析空間を示す図である。図3は、本実施の形態による特性解析法の補足的な図である。図2に示すように、回転機の磁界解析の対象は、外周側解析空間52と、内周側解析空間54とからなる全体解析空間50である。全体解析空間50において、回転軸に垂直な断面の二次元空間を想定し、磁界解析の変数は、磁気ベクトルポテンシャルの軸方向成分を想定して説明する。外周側解析空間52と内周側解析空間54とは、それぞれ固定子側、回転子側、或いは、それぞれ回転子側、固定子側のいずれかとなる。外周側解析空間52と内周側解析空間54との境界となるb−b’間の円弧は、固定子と回転子の間のエアギャップ中に位置させる。固定子には回転磁界の供給源となる電機子巻線を有する。
【0011】
回転子は、巻線および磁石による磁界供給源を有していてもよい。これらの巻線や磁石は複数あっても良いし、無くても良い。例えば、巻線形同期機では回転子に界磁巻線を有する。誘導機では回転子に2次巻線を有する。永久磁石形同期機では回転子に磁石を有する。上記の他の巻線と磁石との両方を有する回転機も対象となる。逆に、シンクロナスリラクタンスモータでは、電機子巻線の他に磁界供給源が存在しない。また、電機子巻線が作る回転磁界に同期して回転するd軸を定義し、空間的にd軸と電気角で90°回転した位置にq軸を定義する。
【0012】
この定義に従って、電機子巻線を、電機子d軸巻線と電機子q軸巻線にdq変換して表す。必要に応じて、電機子巻線以外の巻線(または磁石)に対しても、これと同じd軸およびq軸巻線(またはd軸およびq軸磁石)への変換処理、またはこの他の変換式によって等価巻線(または等価磁石)への変換処理を施して表現してもよい。但し、以後の説明では、簡単のため使用する全ての変換式は、インダクタンスの相反性が成り立つ変換、すなわち直交変換(ユニタリー変換)を前提として説明を行う。尚、インダクタンスの相反性が成り立たないことに注意しさえすれば、直交変換(ユニタリー変換)が前提にならない場合にも本実施の形態による解析技術を適用することが可能である。上述のような回転磁界に同期したd、q軸から見ると、定常運転状態において回転機内の主要磁界分布が静止して見える。このため、磁界の回転に同期したインダクタンスを計算する際に都合が良い。尚、同期運転時には回転磁界の回転角速度と回転子の回転角速度とが一致しているが、すべり運転時には両者が一致しないため、回転子の回転速度とd、q軸の回転速度が異なる。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態による特性解析の第1ステップとして、一般的な全体磁界解析2を実施する。全体磁界解析2に関する手順の例を説明する。全体磁界解析2において、全体解析空間50(図2)の境界条件は、外周側円弧上のss’間と内周円弧上のrr’間ポテンシャルを、
【0014】
【数1】
Figure 0004073361
とおき、周方向端部の境界sr間とs’r’間は互いに周期境界条件となるようにする。ここで、θは周方向の空間位相を、tは時間を表す。全体解析空間50が一周にわたる解析領域として設定されている場合には周期境界条件は用いない。磁界解析は、磁気特性データに基づいた非線形解析又は透磁率を一定とした線形解析とし、磁界の供給源となる巻線電流、磁石磁力を与え、円弧bb’上で回転子を移動させながら逐次解析する時間ステップ法により実施する。全体解析空間50内に渦電流が流れる導体がある場合は、この導体部分に導電率を設定して渦電流を考慮した解析を行う。非線形磁気特性を考慮した非線形解析とする場合は、全体磁界解析2の結果として得られる各時刻での各要素の透磁率を透磁率データ記憶部4に格納しておく。
【0015】
全体磁界解析2を非線形解析とした場合には、以後の全ての磁界解析6、12、28、60、68は、透磁率データ4を時刻ステップ毎に各要素の透磁率として読み込んで与える線形磁界解析とする。全体磁界解析2を線形解析とした場合には、全ての磁界解析6、12、28、60、68で、全体磁界解析2と同一の透磁率を使用した線形磁界解析とする。全ての磁界解析6、12、28、60、68において、全体解析2と同一の回転子移動、同一の時間ステップ、同一の導電率を用いた解析とする。また、全体解析空間50の外周ss’間、rr’間、sr間、s’r’間の境界条件を、全体解析2と同一とする。
【0016】
第2ステップとして、磁界の供給源毎に単独励磁磁界解析6を実施する。磁界の供給源は、電機子d軸巻線、電機子q軸巻線、回転子の巻線、回転子の磁石を含む。単独励磁磁界解析6では、このうち任意の一つの供給源のみを励磁する。この際、その他の供給源の励磁はゼロに設定する。この単独励磁磁界解析6は、磁界供給源ごとに複数回実施する。但し、着目する磁界供給源以外の解析を省略しても良い。
【0017】
第3ステップとして、各磁界供給源による単独励磁磁界解析6の結果それぞれに対して、インダクタンス解析8を実施する。インダクタンス解析8では、ギャップ高調波分析10、成分磁界解析12、インダクタンス分析14を順次実施する。
【0018】
ギャップ高調波分析10では、単独励磁磁界解析6で得られた円弧bb’上でのポテンシャルaを高調波成分に展開する。尚、高調波としては、周方向の空間的な分布に含まれる空間高調波と、時間変化に含まれる時間高調波とがあるが、どちらか一方のみを分析する場合と、双方とも分析する場合とがある。双方とも分析する場合、該ポテンシャルを、
【0019】
【数2】
Figure 0004073361
のようにj次空間高調波とn次時間高調波の成分に展開する。ここで、本明細書中において用いる「高調波」との用語は、j=±1又はn=±1である基本波成分や、j=0又はn=0である直流成分も含めて、あらゆるj,nの成分を含む意味で用いることとする。
【0020】
尚、内周側解析空間54が回転子の場合を例に説明すると、ポテンシャルaの高調波成分を分析する円弧bb’は、図3(A)に示すように、静止系の座標に円弧bb’として固定する場合と、図3(B)に示すように、回転系の座標に円弧cc’として固定する場合とが考えられるが、静止系の座標から回転系の座標へは座標変換で変換できるため、いずれを用いても良い。言い換えれば、静止系の座標に円弧bb’上で分析して、回転系の座標に円弧cc’上に座標変換することも可能であり、回転系の座標に円弧cc’上で分析して、静止系の座標に円弧bb’上に座標変換することも可能である。
空間高調波のみを分析する場合、ポテンシャルを、(2)式の代わりに
【0021】
【数3】
Figure 0004073361
のようにj次空間高調波の成分に分析する。時間高調波のみを分析する場合、該ポテンシャルを、(2)式の代わりに
【0022】
【数4】
Figure 0004073361
のようにn次時間高調波の成分に分析する。以下では空間高調波と時間高調波の双方とも分析する場合について説明する。但し、(2)式の代わりに(3)式又は(4)式のいずれかを用い、以下の説明や数式を(3)式又は(4)式に基づく説明に置き換えることにより、空間高調波と時間高調波の双方とも分析する場合に替えて、いずれか一方のみを分析する場合の説明とすることができるため、いずれか一方のみを分析する場合の説明に関しては省略する。
【0023】
成分磁界解析12では、ギャップ高調波分析10で得られた特定のj次空間高調波、n次時間高調波のポテンシャルをギャップ上に境界条件として与え、磁界解析する。高調波成分は複数あるため、高調波磁界解析12も複数の高調波成分に対して複数回実施する。但し、全ての空間高調波次数と時間高調波次数とについて計算するのは難しいため、着目する空間高調波次数及び時間高調波次数以外の計算を省略して処理を行ってもよい。外周側解析空間52側の円弧bb’上、内周側解析空間54側の円弧cc’上には、(2)式で分析したポテンシャルのうち、特定のj次空間高調波、n次時間高調波のみを抽出した
【0024】
【数5】
Figure 0004073361
を境界条件として設定する。尚、円弧bb’上と円弧cc’上では、時間高調波次数が異なることになるが、これは一方の円弧上の分析結果に対し、静止系回転系間での座標変換を実施して他方の円弧上に与えることができる。該境界条件のもとで、全体磁界解析2で与えた電流、磁石磁力などの磁界供給源を一切与えずに、線形磁界解析する。成分磁界解析12では、外周側解析空間52と内周側解析空間54との境界となる、円弧bb’上、円弧cc’上にそれぞれ(5)式の境界条件を与えるため、外周側解析空間52と内周側解析空間54とを個別に解析することができる。
【0025】
インダクタンス分析14では、特定のj次空間高調波、n次時間高調波成分に対するインダクタンス又は磁石による鎖交磁束の少なくともいずれか一方を計算する。単独励磁磁界解析6において励磁した磁界供給源が巻線の場合にはインダクタンスを計算する。一方、単独励磁磁界解析6において励磁した磁界供給源が磁石の場合には、電機子d軸巻線および電機子q軸巻線の鎖交磁束を計算する。まず、インダクタンス分析14において、磁界供給源が巻線の場合について説明する。この場合には、まず、成分磁界解析12で得られた磁界分布から、電機子d、q軸巻線及び磁界供給源自身の巻線を含めて任意の巻線の鎖交磁束を計算する。この鎖交磁束を、単独励磁磁界解析6の磁界供給源である巻線に流した電流値で除算する。これによりj次空間高調波、n次時間高調波に対する磁界供給源巻線の自己インダクタンスと、磁界供給源巻線と鎖交磁束計算巻線間の相互インダクタンスと、が計算できる。すなわち、磁界供給源巻線を添え字Y、鎖交磁束計算巻線を添え字Zで表し、磁界供給源巻線Yの電流をIY、鎖交磁束計算巻線Zの鎖交磁束をΦZYjnと表せば、j次空間高調波、n次時間高調波に対する両巻線Y、Z間の相互インダクタンスLZYjnが、LZYjn=ΦZYjn/IYによって計算される。
【0026】
但し、巻線YとZとが同一巻線であった場合には、同じ計算により、j次空間高調波、n次時間高調波に対する巻線Yの自己インダクタンスLYYjnが、LYYjn=ΦYYjn/IYによって計算されることになる。具体例として、磁界供給源Yが電機子d軸巻線、鎖交磁束計算巻線Zが電機子q軸巻線である場合を示す。この場合、添え字Y、Zをそれぞれ添え字d、qに置き換えて表すことにすると、j次空間高調波、n次時間高調波に対する電機子d軸巻線の自己インダクタンスがLddjn=Φddjn/Idとして、j次空間高調波、n次時間高調波に対する電機子d軸巻線と電機子q軸巻線間の相互インダクタンスがLqdjn=Φqdjn/Idとして計算できる。尚、全ての鎖交磁束とインダクタンスは時間tの関数である。
【0027】
次に、インダクタンス分析14において、磁界供給源が磁石である場合について説明する。この場合には、成分磁界解析12で得られた磁界分布から電機子d軸巻線及び電機子q軸巻線の鎖交磁束を計算する。磁界供給源磁石を添え字βで表すと、j次空間高調波、n次時間高調波に対する電機子d軸巻線鎖交磁束はΦdβjn、同じく電機子q軸巻線鎖交磁束はΦqβjnと表される。同時に、他の巻線の鎖交磁束も計算する。
【0028】
第4ステップとして、各種トルク算出16を実施する。各種トルク算出16においては、各種磁界供給源によるインダクタンス解析8の中のインダクタンス分析14において計算したj次空間高調波とn次時間高調波とに対する電機子d軸巻線または電機子q軸巻線に関係する自己インダクタンス又は相互インダクタンスと、各種磁石による電機子d、q軸巻線の鎖交磁束を用いて、j次空間高調波、n次時間高調波に対する軸トルクの発生要因別成分の少なくともいずれかを算出する。すなわち、リラクタンストルクτrjn、dq干渉トルクτcjn、励磁トルクτfjn、磁石トルクτpjnを、以下の式(6)〜(9)によって算出する。但し、電動機運転時のトルクを正に取る。
【0029】
【数6】
Figure 0004073361
【0030】
【数7】
Figure 0004073361
【0031】
【数8】
Figure 0004073361
【0032】
【数9】
Figure 0004073361
【0033】
ここで、Iは電流、ωeは回転磁界の角周波数電気角、ωmは回転子の回転角周波数電気角、添え字d、qはそれぞれ電機子d、q軸巻線を、添え字Yは回転子の巻線Yを、添え字βは回転子の磁石βを表す。電流、インダクタンス、鎖交磁束がいずれも時間の関数であるからトルクも時間の関数である。すなわち、定常トルクだけでなく、脈動トルクも計算可能である。このトルク計算を、複数の空間・時間高調波次数において実施する。
【0034】
算出した各トルクの発生要因は次のようになる。リラクタンストルクは、鉄心の構造によって生じるトルクである。dq干渉トルクは、磁気飽和の影響によるdq軸間磁気結合によって生じるトルクである。励磁トルクは、回転子の巻線群に印加された電流が出す磁束によって生じるトルクである。磁石トルクは回転子の磁石群によって生じるトルクである。
【0035】
以上、単独励磁磁界解析6から各種トルク解析16までの一連の流れによって、j次空間高調波、n次時間高調波に対する各種巻線の自己インダクタンスおよび各種巻線間の相互インダクタンスと、j次空間高調波、n次時間高調波に対する発生要因別の軸トルク成分の幾つかを算出できる。
【0036】
次いで、第5ステップとして、全体磁界解析2の解析結果に対してギャップ高調波分析26を実施する。ギャップ高調波分析26は、ギャップ高調波分析10と同じ方法によって、単独励磁磁界解析6の代わりに全体磁界解析2で得られた円弧bb’上でのポテンシャルを高調波成分に展開するステップを含む。
【0037】
第6ステップとして、成分磁界解析28を実施する。成分磁界解析28では、成分磁界解析12と同じ方法によって、ギャップ高調波分析10の代わりにギャップ高調波分析26で得られた特定のj次空間高調波、n次時間高調波のポテンシャルをギャップ上に境界条件として与え、磁界解析する。高調波成分は複数存在するため、高調波磁界解析12も複数の高調波成分に対して複数回実施する。
【0038】
第7ステップとして、渦電流損計算30を実施する。これは、成分磁界解析28の結果から、渦電流が流れる導体における渦電流損失Pejnを計算する。全体解析空間50内の渦電流損失の総和を計算しても良いし、導体が複数ある場合には導体毎の渦電流損失として複数個のPejnを計算しても良い。
【0039】
第8ステップとして、渦電流トルク算出32を実施する。これは、渦電流損計算30で得られた渦電流損失の総和または導体毎の渦電流損失であるPejnによって、特定のj次空間高調波、n次時間高調波の渦電流トルクτejnを以下の式によって算出する。
【0040】
【数10】
Figure 0004073361
【0041】
渦電流トルクτejnは渦電流の電力消費に起因して消費されるトルクである。第9ステップとして、鎖交磁束計算34を実施する。これは、成分磁界解析28の結果から、電機子d軸巻線鎖交磁束Φdjnおよび電機子q軸巻線鎖交磁束Φqjnを計算する。
【0042】
第10ステップとして、変圧器トルク算出36を実施する。これは、鎖交磁束計算34で得られた電機子d軸巻線鎖交磁束Φdjnおよび電機子q軸巻線鎖交磁束Φqjnを使って、特定のj次空間高調波、n次時間高調波の変圧器トルクτtjnを以下の式によって算出する。
【0043】
【数11】
Figure 0004073361
変圧器トルクτtjnは電機子巻線に生じる変圧器起電力に起因して発生するトルクである。
【0044】
以上、各種トルク算出16、渦電流トルク算出32、変圧器トルク算出36によって、特定のj次空間高調波、n次時間高調波に対して、発生要因別のトルク、すなわちリラクタンストルクτrjn、dq干渉トルクτcjn、励磁トルクτfjn、磁石トルクτpjn、渦電流トルクτejn、変圧器トルクτtjnを計算できる。全空間高調波、全時間高調波の全ての発生要因別トルクを総和したものが高調波トルクの総和38である。
【0045】
次いで、第11ステップとして、磁界の供給源毎に、単独励磁漏れ磁界解析60を実施する。単独励磁漏れ磁界解析60では、外周側解析空間52側の円弧bb’上、内周側解析空間54側の円弧c’上に、(1)式と同じ、
【0046】
【数12】
Figure 0004073361
の境界条件を設定することで、外周側解析空間52内及び内周側解析空間54内で漏れ磁束のみを発生させるようにする。磁界の供給源には、電機子d軸巻線、電機子q軸巻線、回転子の巻線、磁石がある。単独励磁磁界解析60では、まず、このうち任意一つの供給源のみを励磁した線形磁界解析を実施する。この際、その他の供給源の励磁はゼロにする。この単独励磁条件下での線形磁界解析60は、磁界供給源ごとに複数回実施する。但し、着目する磁界供給源以外の解析を省略しても良い。尚、外周側解析空間52と内周側解析空間54との境界となる、円弧bb’上、円弧cc’上にそれぞれ(12)式の境界条件を与えるため、外周側解析空間52と内周側解析空間54とは、個別に解析することが可能になる。
【0047】
第12ステップとして、漏れインダクタンス分析62を実施する。まず、磁界供給源が電機子d軸巻線である単独励磁磁界解析60の結果から、電機子d軸巻線鎖交磁束Φdd1、電機子q軸巻線鎖交磁束Φqd1を算出する。このときの電流をIdとすると、電機子d軸漏れインダクタンスLdd1がLdd1=Φdd1/Idとして計算され、電機子q軸d軸間漏れインダクタンスLqd1がLqd1=Φqd1/Idとして計算される。次に、磁界供給源が電機子q軸巻線である単独励磁磁界解析60の結果から、電機子q軸巻線鎖交磁束Φqq1、電機子d軸巻線鎖交磁束Φdq1を算出する。このときの電流をIqとすると、電機子q軸漏れインダクタンスLqq1がLqq1=Φqq1/Iqとして計算され、電機子d軸q軸間漏れインダクタンスLdq1がLdq1=Φdq1/Iqとして計算される。また、磁界供給源が回転子の巻線Yである単独励磁磁界解析60の結果から、回転子の巻線Zの鎖交磁束ΦZY1を算出する。このときの電流をIYとすると、両巻線Y、Z間の相互漏れインダクタンスLZY1がLZY1=ΦZY1/IYとして計算される。但し、巻線YとZが同一巻線であった場合には、この計算により、巻線Yの漏れインダクタンスLYY1が、LYY1=ΦYY1/IYによって計算されることになる。また、磁界供給源が磁石βである単独励磁磁界解析60の結果から、回転子の巻線Zの磁石による漏れ鎖交磁束ΦZβ1を算出する。
【0048】
第13ステップとして、各種漏れトルク算出64を実施する。各種漏れトルク算出64では、漏れインダクタンス分析62において計算した、電機子d軸漏れインダクタンスLddl、電機子q軸d軸間漏れインダクタンスLqd1、電機子q軸漏れインダクタンスLqq1、電機子d軸q軸間漏れインダクタンスLdq1を用いて、漏れ磁束によるリラクタンストルクτr1、漏れ磁束によるdq干渉トルクτc1を以下の式によって算出する。
【0049】
【数13】
Figure 0004073361
【0050】
【数14】
Figure 0004073361
【0051】
次いで、第14ステップとして、全体漏れ磁界解析68を実施する。全体漏れ磁界解析68では、単独励磁漏れ磁界解析60と同じ境界条件を設定する。磁界の供給源となる巻線電流、磁石磁力は、全体磁界解析2と同一とする。第15ステップとして、渦電流損計算70を実施する。これは、全体漏れ磁界解析68の結果から、渦電流が流れる導体における渦電流損失Pelを計算するステップである。全体解析空間50内の渦電流損失の総和を計算しても良いし、導体が複数ある場合には導体毎の渦電流損失として複数個のPelを計算しても良い。
【0052】
第16ステップとして、漏れ渦電流トルク算出72を実施する。これは、渦電流損計算70で得られた渦電流損失の総和または導体毎の渦電流損失であるPe1によって、漏れ磁束による渦電流トルクτelを以下の式によって算出するステップである。
【0053】
【数15】
Figure 0004073361
【0054】
第17ステップとして、鎖交磁束計算74を実施する。これは、全体漏れ磁界解析68の結果から、電機子d軸巻線鎖交磁束Φdlおよび電機子q軸巻線鎖交磁束Φqlを計算するステップである。
【0055】
第18ステップとして、漏れ変圧器トルク算出76を実施する。これは、鎖交磁束計算74で得られた電機子d軸巻線鎖交磁束Φdlおよび電機子q軸巻線鎖交磁束Φqlを使って、漏れ磁束による変圧器トルクτtlを以下の式によって算出するステップである。
【0056】
【数16】
Figure 0004073361
【0057】
以上、各種漏れトルク算出64、漏れ渦電流トルク算出72、漏れ変圧器トルク算出76によって、発生要因別のトルク、すなわち漏れ磁束によるリラクタンストルクτrl、漏れ磁束によるdq干渉トルクτcl、漏れ磁束による渦電流トルクτel、漏れ磁束による変圧器トルクτtlを計算できる。これら発生要因別のトルクを総和したものが、漏れ磁束によるトルクの総和78である。さらに、全ての空間・時間高調波次数と全ての発生要因について計算した場合の高調波トルクの総和38と漏れ磁束トルクの総和78とを加算すると、回転機の軸トルク80に一致する。すなわち、この場合の軸トルク80をτとすると、以下の式のように発生要因別および高調波別に、洩れなく成分毎に展開(分離)して表すことが可能になる。
【0058】
【数17】
Figure 0004073361
【0059】
尚、導体が複数ある場合に、導体毎の渦電流トルクを計算した場合は、τejnやτe1の項を複数の渦電流トルクの和に置き換える必要がある。特定の高調波成分に起因する、トルクリプル、コギングトルク、電圧および電流波形歪み、渦電流損、鉄損、振動、騒音などの諸問題の解決のためには、本実施の形態による(17)式に示したとおり、軸トルクτを洩れなく成分毎に展開できるようにすることが重要である。
【0060】
尚、全体としての軸トルクτは、全ての空間・時間高調波次数と全ての発生要因のトルクを計算して(17)式によって計算する必要はなく、従来の全体磁界解析2から直接に計算すればよい。すなわち、注目する空間・時間高調波次数および発生要因に対するトルク成分のみを本実施の形態で説明したように解析すれば、従来の解析によって計算した回転機の軸トルクτと比較することができる。
【0061】
全ての磁界供給源および全ての時間・空間高調波に対してインダクタンス解析14を実施し、さらに全ての磁界供給源に対して漏れインダクタンス解析12を実施すると、全ての巻線の自己・相互インダクタンスと、全ての巻線に対する磁石による鎖交磁束を洩れなく計算することができる。
【0062】
尚、説明の便宜上、第1、2、3、…ステップという表現を用いたが、図1に示す流れの通り、第1ステップの全体磁界解析2を実施した後については、単独励磁磁界解析6、ギャップ高調波分析26、単独励磁漏れ磁界解析60、全体漏れ磁界解析68のいずれを先に実施しても良い。
【0063】
以上に説明したように、本実施の形態による回転機の特性解析法によれば、機内磁束分布における特定の高調波成分に起因する、トルクリプル、コギングトルク、電圧および電流波形歪み、渦電流損、鉄損、振動、騒音などの諸問題の解決が迅速に実施できる。すなわち、回転機内磁束密度分布の空間・時間高調波成分別にインダクタンスおよびトルクや、漏れ磁束のみのインダクタンスおよびトルクを得ることができるため、トルクリプル、コギングトルク、電圧および電流波形歪み、渦電流損、鉄損、振動、騒音などの寄与成分が特定でき、インダクタンスおよびトルクから特定の高調波磁界を低減する方策が容易に策定できる。従って、高調波成分に起因する、トルクリプル、コギングトルク、電圧および電流波形歪み、渦電流損、鉄損、振動、騒音などの諸問題の考察、低減のための検討を簡単にできるという利点がある。
【0064】
以上、本実施の形態に沿って説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、種々の変形が可能であるのは言うまでもない。例えば、図1を参照して説明したプログラムにおけるそれぞれの手順を実行する方法又は装置に関する技術も、本発明の範疇に入るものとする。
【0065】
【発明の効果】
以上、説明した本発明に関る回転機の特性解析プログラムによれば、回転機の内部磁束分布における特定の高調波成分に起因して生じるトルクリプル、コギングトルク、電圧および電流波形歪み、渦電流損、鉄損、振動、騒音などの諸問題に関する情報を迅速かつ正確に知ることが出来る。従って、これらの諸問題の解決への道筋を考察する際の極めて有力な情報を得ることが出来るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態による特性解析プログラムの処理手順の流れを示す図である。
【図2】 本発明の一実施の形態による特性解析の対象である回転機の解析空間を示す図である。
【図3】 本発明の一実施の形態による特性解析を補足する図である。
【符号の説明】
2…全体磁界解析、4…透磁率データ、6…単独励磁磁界解析、8…インダクタンス解析、10…ギャップ高調波分析、12…成分磁界解析、14…インダクタンス分析、16…各種トルク算出、26…ギャップ高調波分析、28…成分磁界解析、30…渦電流損計算、32…渦電流トルク算出、34…鎖交磁束計算、36…変圧器トルク算出、38…高調波トルクの総和、50…全体解析空間、52…外周側解析空間、54…内周側解析空間、60…単独励磁漏れ磁界解析、62…漏れインダクタンス分析、64…各種漏れトルク算出、68…全体漏れ磁界解析、70…渦電流損計算、72…漏れ渦電流トルク算出、74…鎖交磁束計算、76…漏れ変圧器トルク算出、78…漏れ磁束によるトルクの総和、80…軸トルク。

Claims (8)

  1. 少なくとも1つの磁界供給源を励磁して固定子と回転子とを有する回転機の全体磁界解析を実施する全体磁界解析手順と、
    単一の磁界供給源を励磁し、該単一の磁界供給源以外の磁界供給源の励磁をゼロにして、前記全体磁界解析の結果として得られた透磁率データを与えて回転機の単独励磁磁界解析を実施した後、該単独励磁磁界解析の結果として得られるポテンシャルであって前記固定子と前記回転子との間のギャップに設定した円弧上におけるポテンシャルを高調波成分に展開する手順と、
    展開した前記高調波成分のうちの任意の一つを前記円弧に境界条件として与えて、全ての磁界供給源の励磁をゼロにして、前記透磁率データを与えた回転機の成分磁界解析を実施した後、前記単独励磁磁界解析で励磁された磁界供給源が巻線の場合には前記成分磁界解析結果を用いて前記高調波成分に対する前記巻線の自己インダクタンス又は相互インダクタンスを計算し、前記単独励磁磁界解析で励磁された磁界供給源が磁石の場合には前記成分磁界解析結果を用いて前記高調波成分に対する鎖交磁束を計算する手順と
    をコンピュータに実行させるための回転機の特性解析プログラム。
  2. 前記ギャップに設定した円弧上にポテンシャルゼロの境界条件を与え、単一の磁界供給源を励磁し、他の磁界供給源の励磁をゼロにして前記全体磁界解析の結果として得られる前記透磁率データを与えた回転機の単独励磁漏れ磁界解析を実施した後、前記単一の磁界供給源が巻線の場合には前記単独励磁漏れ磁界解析結果を用いて前記巻線の漏れインダクタンスを計算し、磁界供給源が磁石の場合には前記単独励磁漏れ磁界解析結果を用いて任意の巻線の漏れ鎖交磁束を計算する手順を有する
    ことを特徴とする請求項1記載のプログラム。
  3. 少なくとも1つの磁界の供給源を励磁して固定子と回転子とを有する回転機の全体磁界解析を実施する全体磁界解析手順と、
    単一の磁界供給源を励磁し、他の磁界供給源の励磁をゼロにして、前記全体磁界解析の結果得られた透磁率データを与えた回転機の単独励磁磁界解析を実施した後、該単独励磁磁界解析の結果得られるポテンシャルであって、前記固定子と前記回転子との間のギャップに設定した円弧上におけるポテンシャルを高調波成分に展開する手順と、
    展開した前記高調波成分のうちの任意の一つを前記円弧上に境界条件として与えて、全ての磁界供給源の励磁をゼロにして、該透磁率データを与えた成分磁界解析を実施した後、該単独励磁磁界解析で励磁された磁界供給源が巻線の場合には前記成分磁界解析結果を用いて電機子d軸巻線および電機子q軸巻線の自己インダクタンス又は相互インダクタンスのうちの少なくともいずれか一方を計算し、前記単独励磁磁界解析で励磁された磁界供給源が磁石の場合には前記成分磁界解析結果を用いて電機子d軸巻線鎖交磁束又は電機子q軸巻線鎖交磁束のうち少なくともいずれか一方を計算する手順と、
    前記自己インダクタンス又は前記相互インダクタンス又は前記電機子d軸巻線鎖交磁束又は前記電機子q軸巻線鎖交磁束のうちから選択される少なくともいずれか1つから、前記高調波成分に対するリラクタンストルク又はdq干渉トルク又は励磁トルク又は磁石トルクのうち少なくともいずれか1つを計算する手順とをコンピュータに実行させる回転機の特性解析プログラム。
  4. 前記ギャップに設定した円弧上にポテンシャルゼロの境界条件を与え、電機子d軸巻線電流のみを与えて、他の磁界供給源の励磁をゼロにして、前記全体磁界解析の結果得られる透磁率データを与えた回転機のd軸単独励磁漏れ磁界解析を実施した後、前記d軸単独励磁漏れ磁界解析結果を用いて電機子d軸漏れインダクタンス又は電機子q軸d軸間漏れインダクタンスのうち少なくともいずれか一方とを計算する手順と、
    前記円弧上にポテンシャルゼロの境界条件を与え、電機子q軸巻線電流のみを励磁して、他の磁界供給源の励磁をゼロにして、前記全体磁界解析の結果得られる透磁率データを与えた回転機のq軸単独励磁漏れ磁界解析を実施した後、前記q軸単独励磁漏れ磁界解析結果を用いて電機子q軸漏れインダクタンス又は電機子d軸q軸間漏れインダクタンスのうち少なくともいずれか一方を計算する手順と、
    前記電機子d軸漏れインダクタンス又は前記電機子q軸d軸間漏れインダクタンス又は前記電機子q軸漏れインダクタンス又は前記電機子d軸q軸間漏れインダクタンスのうち少なくともいずれか1つを用いて、漏れ磁束によるリラクタンストルクと漏れ磁束によるdq干渉トルクとを計算する手順と
    を有することを特徴とする請求項3に記載のプログラム。
  5. 前記全体磁界解析の結果得られるポテンシャルを記憶し、前記ギャップに設定した円弧上における前記ポテンシャルを高調波成分に展開する手順と、
    展開した前記高調波成分の任意の一つを前記円弧に境界条件として与えて、全ての磁界供給源の励磁をゼロにして、前記全体磁界解析の結果得られる透磁率データを与えた成分磁界解析を実施した後、該成分磁界解析結果を用いて渦電流が流れる導体の渦電流損を計算し、該渦電流損を回転角周波数で除算することにより前記高調波成分に対する渦電流トルクを算出する手順を有することを特徴とする請求項3又は4に記載のプログラム。
  6. さらに、前記成分磁界解析結果を用いて電機子d軸巻線鎖交磁束と電機子q軸巻線鎖交磁束とを計算し、両鎖交磁束から前記高調波成分に対する変圧器トルクを算出する手順を有することを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
  7. 前記ギャップに設定した円弧上にポテンシャルゼロの境界条件を与え、前記全体磁界解析と同一の磁界の供給源を励磁し、前記全体磁界解析の結果得られる透磁率データを与えた回転機の全体漏れ磁界解析を実施した後、該全体漏れ磁界解析結果を用いて渦電流が流れる導体の渦電流損を計算し、該渦電流損を回転角周波数で除算することにより漏れ磁束による渦電流トルクを算出する手順を有することを特徴とする請求項3から6までのいずれか1項に記載のプログラム。
  8. さらに、前記全体漏れ磁界解析結果を用いて電機子d軸巻線鎖交磁束と電機子q軸巻線鎖交磁束とを計算し、両鎖交磁束から漏れ磁束による変圧器トルクを算出する手順を有することを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
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