JP2004245353A - 遮断弁 - Google Patents

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JP2004245353A JP2003036820A JP2003036820A JP2004245353A JP 2004245353 A JP2004245353 A JP 2004245353A JP 2003036820 A JP2003036820 A JP 2003036820A JP 2003036820 A JP2003036820 A JP 2003036820A JP 2004245353 A JP2004245353 A JP 2004245353A
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Kumayuki Nakayama
熊幸 中山
Minoru Ishii
稔 石井
Takahiro Horiuchi
隆博 堀内
Kenji Hatanaka
健治 畑仲
Tadashi Yanai
忠司 谷内
Masashige Imazaki
正成 今崎
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SERENDI KK
Liquid Gas Co Ltd
Kimmon Manufacturing Co Ltd
Sentec Co Ltd Japan
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SERENDI KK
Liquid Gas Co Ltd
Kimmon Manufacturing Co Ltd
Sentec Co Ltd Japan
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Abstract

【課題】ガスメータの構成要素を、液化石油ガスLPG圧力容器21からのガスを供給する遮断弁1にも共用化し、量産を容易にする。
【解決手段】遮断弁1の弁箱2に、弁座部材3と開閉駆動手段4と復帰手段5とを、個別的に装着する。開閉駆動手段4は、永久磁石片45の磁気吸引力によって弁棒42を吸着して弁体41を弁座部材3から離脱した開弁状態に保ち、また電磁コイル47の励磁によって、ばね46は、そのばね力によって弁体41を弁座部材3に着座して閉弁状態に保つ。復帰手段5は、ばね46のばね力に抗して押圧して永久磁石片45に弁体41、したがって弁棒42の一端部を磁気吸着して開弁状態に復帰する。弁箱2の取付け孔66から弁座部材3を挿入して弁箱2に装着し、次に開閉駆動手段の弁体を取付け孔66から弁箱2の通路15,16に挿入し、固定座8に、取付け部材44を、ボルト63によって固定する。復帰手段5は、弁箱2、弁座部材3および開閉駆動手段4とは反対側(図1の下方)から装着される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば地震発生時などに、都市ガスなどの流体の供給を緊急に遮断するために好適する遮断弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ガスを計量するいわゆるマイコンメータと呼ばれるガスメータは、地震発生時、その地震が発生したことを検出してガスの供給を遮断したままになる遮断弁を有し、これによって地震発生の災害時、生ガスが供給し続けるという危険が回避される。液化石油ガスLPGを貯留した複数本の圧力容器から、複数の各家庭にガスを供給する液化石油ガス基地でもまた、地震発生時、ガスの供給を遮断するために遮断弁が用いられる。したがってガスメータの構成要素と、液化石油ガス基地における遮断弁の構成要素とを、共用化し、大量生産をさらに容易にすることが望まれる。
【0003】
或先行技術(特許文献1参照)では、ガスメータの弁箱自体の一部が弁座を構成し、したがってこのようなガスメータの個別的な構成要素を、たとえば液化石油ガス基地における遮断弁の構成要素として共用化することはできない。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−42729
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、遮断弁を構成する複数の構成要素を、たとえばガスメータなどとともに共用化することが容易である遮断弁を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、弁箱に、
弁座部材と、
弁体を有し、永久磁石片の磁気吸引力によって弁体を弁座部材から離脱した状態に保ち、電磁コイルが励磁されることによって、永久磁石片の磁気吸引力を打消して、ばねのばね力によって、弁体を弁座部材に着座した閉弁状態に保つ開閉駆動手段と、
弁座部材に着座している弁体を、ばねのばね力に抗して押圧し、永久磁石片に磁気吸着させて開弁状態に復帰する復帰手段とを、
個別的に装着することを特徴とする遮断弁である。
【0007】
また本発明は、(a)流体の入口と出口とを有し、入口から出口を連通する通路が形成される弁箱と、
(b)弁箱に、前記通路の途中で、装着される弁座部材と、
(c)開閉駆動手段であって、
弁座部材に着座、離脱する弁体と、
一端部が弁体に設けられる弁棒と、
弁箱に装着される取付け部材と、
取付け部材に設けられ、弁棒の他端部に磁気吸着可能である永久磁石片と、
弁棒の他端部と永久磁石片とを磁気吸引力に抗して離脱する方向のばね力を与えるばねと、
励磁されることによって、弁棒の他端部と永久磁石片との磁気吸引力を打消す磁気を発生する電磁コイルとを有する開閉駆動手段と、
(d)弁箱に装着され、弁座部材に着座している弁体を、ばねのばね力に抗して押圧し、弁棒の他端部を、永久磁石片に磁気吸着されて開弁状態に復帰する復帰手段とを含むことを特徴とする遮断弁である。
【0008】
本発明に従えば、遮断弁を構成する構成要素である弁座部材と開閉駆動手段と復帰手段とを、個別的に弁箱にそれぞれ装着し、たとえば着脱可能に装着する。こうして弁座部材と開閉駆動手段と復帰手段とは、個別的に製造されることができ、これらの弁座部材と開閉行動手段と復帰手段とを、本件遮断弁のために用いる代りに、既存のガスメータに用いることも可能であり、またガスメータに用いられている弁座部材と開閉駆動手段と復帰手段とを、本件遮断弁を構成するために弁箱にそれぞれ装着して共用化することができる。
【0009】
地震などが発生していない通常時、開閉駆動手段は、弁体をばねのばね力に抗して、永久磁石片には、その磁気吸引力によって、弁棒の前記他端部が磁気吸着され、これによって弁体を弁座部材から離脱した状態に保つ。こうして開弁状態に保たれた状態で、液化石油ガスLPGまたは都市ガスなどのガスまたは液体などの流体は、弁座部材の弁孔を経て流れる。
【0010】
地震発生時、電磁コイルが励磁され、これによって永久磁石片の磁気吸引力が打消される。したがって永久磁石片と弁棒の前記他端部との磁気吸着が解除され、弁体はばねのばね力によって、弁座部材に着座した状態に保たれる。こうして弁座部材の弁孔は、弁体によって閉じられる。そのため地震発生時、閉弁状態が達成され、ガスなどの流体が流れることが停止され、安全性が確保される。
【0011】
閉弁状態になっている遮断弁において、復帰手段を操作し、弁体を、ばねのばね力に抗して押圧して、永久磁石片の磁気吸引力によって弁棒の前記他端部を永久磁石片に磁気吸着し、弁体を弁座から離脱した状態に保って、復帰する。
【0012】
また本発明は、取付け部材は、弁体の最外周部よりも外方で、弁箱に固定される固定部を有し、
弁箱には、
弁体を挿通可能な取付け孔が形成され、
この取付け孔の外周部付近に、前記固定部を固定する固定座が形成されることを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、開閉駆動手段の取付け部材の固定部は、弁箱の固定座に、たとえばボルトなどを用いて固定するためのものであって、弁体の最外周部よりも外方に存在し、すなわち弁体が、たとえば円板状であるとき、固定部は、その弁体の外形よりも半径方向外方の位置に設けられる。したがって弁箱に形成された取付け孔に弁体が挿通されて弁箱内に形成されている流路に配置された状態で、弁箱の外方から、固定部をボルトなどで固定座に固定することができる。そのため作業性が容易であるとともに、このことによってたとえばガスメータとともに開閉駆動手段を共用化することが容易に可能である。
【0014】
また本発明は、前記取付け孔は、弁座部材をも、挿通可能に形成されることを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、弁箱の取付け孔には、前述の弁体だけでなく弁座部材をも挿通可能である。したがって弁箱に先ず、弁座部材を装着し、次に、開閉駆動手段の取付け部材を弁箱に取付けることができる。取付け孔から弁座部材を挿通して弁箱に取付けることができるので、たとえば前述のようにガスメータとに、弁座部材を共用化することが容易に可能である。
【0016】
また本発明は、復帰手段は、開閉駆動手段と弁座部材とに関して、弁箱の反対側から装着されることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、復帰手段を、開閉駆動手段および弁座部材との装着方向とは逆方向から、弁箱に装着することができる。そのため装着作業が容易であるとともに、前述のようにガスメータなどの復帰手段との共用化が容易である。
【0018】
また本発明は、復帰手段は、
弁棒の前記他端部に当接可能な一端部を有する押圧操作棒と、
押圧操作棒を、弁棒の前記他端部から遠去かる方向にばね力を与える復帰用ばねと、
押圧操作棒の他端部に設けられ、押圧操作棒の軸線と同軸に角変位自在である表示体と、
押圧操作棒の押圧操作および復帰用ばねによる軸線方向の直線移動のたびに、表示体を、1回転未満の角度だけ、角変位する表示体駆動手段とを含むことを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、地震発生時に弁体の弁座部材への着座によって、復帰手段の押圧操作棒の一端部が、弁棒の前記他端部によって軸線方向に直線変位される。そのため表示体は、表示体駆動手段によって1回転未満の角度、たとえば60°だけ、角変位され、これによって閉弁状態であることが表示される。閉弁状態となっている遮断弁を、開弁状態に復帰するにあたり、作業者が押圧操作棒の他端部を、復帰用ばねのばね力に抗して押圧する。これによって遮断弁の弁体、したがって弁棒の前記他端部を、遮断弁のばね力に抗して押込み、これによって弁棒の前記一端部を永久磁石片に磁気吸着して開弁状態に保つことができる。このとき表示体駆動手段は、表示体を開弁状態から閉弁状態に切換わるときとは逆方向に、または同一方向に1回転未満の角度だけ、角変位し、こうして開弁状態に復帰したことが、表示体によって表示される。表示体駆動手段は、このような押圧操作棒の軸線方向に沿う直線移動の往復運動を、表示体の角変位運動に変換する働きを果たす。
【0020】
また本発明は、弁座部材と、開閉駆動手段と、復帰手段とは、
前記弁箱だけでなく、
ガス燃料の流量を計測するガスメータにも、装着可能であることを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、たとえば都市ガスまたは液化石油ガスなどのガス燃料の流量を計測して計量するガスメータに用いられている弁座部材と開閉駆動手段と復帰手段とを、本件遮断弁に流用して共用化を図ることができる。このような弁座部材と開閉駆動手段と復帰手段とを含む構成要素の共用化を図ることによって、生産性を高めることができ、安価に実現することができるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の遮断弁1の縦断面図である。この遮断弁1は基本的に、弁箱2と、弁座部材3と、開閉駆動手段4と、復帰手段5とを含む。
【0023】
図2は、図1に示される遮断弁1の平面図である。図2の切断面線B−Bから見た断面は、前述の図1である。開閉駆動手段4を弁箱2の外方で囲むキャップ6は、取外し可能なボルト7によって弁箱2の固定座8に固定される。
【0024】
図3は遮断弁1の側面図であり、図4は図3の切断面線A−Aから見た断面図である。さらに図5は遮断弁1の正面図であり、図6は遮断弁1の底面図である。これらの図面を参照して、弁箱2には、たとえば液化石油ガスLPGなどの流体であるガスの入口11と出口12とが形成され、管接続のためにフランジ13,14がそれぞれ設けられる。弁箱2内には、入口11と出口12とを連通する通路15,16が形成され、これらの通路15,16間に隔壁である仕切部材17が形成される。
【0025】
図7は、遮断弁1が備えられる液化石油ガス供給装置19の基地の全体の構成を簡略化して示す図である。複数の圧力容器21には、液化石油ガスLPGが供給され、共通に接続された供給管22から遮断弁1を経て、各家庭23に、各家庭23毎のガスメータ24を介して供給される。遮断弁1は、地震発生時に、その地震発生を検出する地震検出装置25からの電力供給用電線26を介する電力によって励磁され、緊急遮断される。これによって地震による災害発生時、生ガスが不所望に供給され続ける恐れはなく、安全性が確保される。遮断弁1と地震検出装置25と電力供給用電線26とは、遮断弁装置27を構成する。
【0026】
図8は、弁座部材3と開閉駆動手段4とを示す断面図である。弁座部材3は、たとえば真鍮などの金属などの材料から成り、全体の形状はほぼ環状に形成され、弁孔31を有する。弁孔31は、図8の上下方向である軸線を中心とする内径が一様な円形断面を有する。弁座部材3は、開閉駆動手段4に臨む着座部32と、着座部32に連なる連続部33と、大径部34と、段差部35と、この段差部35を介して大径部34に連なる小径部36とを有する。仕切部材17には、弁座取付け孔38が形成される。弁座取付け孔38は、弁座部材3の台形部34は、段差部35および小径部36に対応した内周面を有し、弁座部材3が着脱交換可能に、装着される。
【0027】
図9は、開閉駆動手段4の平面図である。この開閉駆動手段4は基本的に、弁座部材3の着座部32に着座、離脱する弁体41と、弁棒42と、ヨーク部材43と、取付け部材44と、弁体41を弁座部材3に向けてばね力を与えるコイルばね46と、電磁コイル47とを含む。弁体41は、図8の上下の補強部材48,49によって挟持される。弁体41は、ゴムまたは合成樹脂などの弾発性を有する材料から成り、弁座部材3の着座部32に着座した状態で閉弁状態となり、図8に示されるように着座部32から図8の上方に間隔をあけて離脱している開弁状態に保たれることができる。弁棒42の一端部51は弁体41に連結されて設けられる。弁棒42の他端部52は、ヨーク片53を介して永久磁石片45に、その磁気吸引力によって磁気吸着されることができる。前記他端部52がヨーク片53に当接して永久磁石片45と磁気吸着する磁気吸引力は、ばね46のばね力よりも大きく、したがってこのばね力に抗して、前記他端部52がヨーク片53に磁気吸着して保たれることができる。
【0028】
ヨーク部材43は、その全体の形状が逆U字状であり、一対の立上り部55,56と、それらの立上り部55,56の上端部を連結する連結部57と、各立上り部55,56の下部付近で外側方に屈曲して連なる取付け片58,59とを有する。これらの取付け片58,59は、ボルト61によって、取付け部材44に固定される。この取付け部材44は、固定部62を有し、ボルト63によって、弁箱2の固定座8のねじ孔64に着脱可能に固定される。
【0029】
弁箱2の固定座8には、取付け孔66が形成される。この取付け孔66の内径D66は、弁体41の外径D41よりも大きく、また弁座部材3の外径D3よりも大きい(D41<D66、D3<D66)。こうして取付け孔66には、弁座部材3を挿通することができ、また弁体41を挿通することができ、こうして弁座部材3および開閉駆動手段4を、弁箱2に装着することができ、また取外して交換することができる。取付け部材44の固定部62は、取付け孔66の内径D66よりも外方に延びる大きさ、寸法形状を有する。
【0030】
電磁コイル47は、ボビン67に設けられ、取付け部材44の案内部68に嵌め込まれて固定される。永久磁石片45はヨーク部材43の連結部57の内面に固定され、この永久磁石片45には、ヨーク片53が固定される。永久磁石片45は、弁棒42の軸線方向に各磁極が磁化されて構成される。弁棒42、ヨーク部材43、取付け部材44およびヨーク片53は、鉄などの強磁性材料から成り、磁路を形成する。前述の図1および図4ならびに図8に示されるように、弁棒42の端部52がヨーク片53を介して永久磁石片45に磁気吸着している状態で、ばね46は磁気吸引力に抗して圧縮されており、弁体41は弁座部材3から離脱し、開弁状態に保たれている。
【0031】
地震発生時、電磁コイル47に電力が供給されて励磁されると、その電磁コイル47は、永久磁石片45の弁棒42における端部52との磁気吸引力を打消す方向の磁界を発生する。これによって弁棒42の端部52とヨーク片53との磁気吸引力が、ばね46のばね力よりも小さくなり、前記端部52は、ヨーク片53から離脱し、ばね46のばね力によって弁体41は弁座部材3の着座部32に弾発的に押付けられて着座し、閉弁状態が保たれる。したがって地震発生時、弁体41が弁座部材3に着座し、閉弁状態が前述のように保たれ、液化石油ガスなどのガス燃料の供給が遮断される。
【0032】
図10は、復帰手段5の断面図である。復帰手段5は基本的に、復帰手段本体71内で長手軸線方向に図10の上下に往復移動可能であり、しかもその軸線まわりに角変位して回転することができる押圧操作棒72と、この押圧操作棒72を、弁棒42の端部51、したがって弁体41から遠去かる方向(図10の下方)にばね力を与える復帰用ばね73と、押圧操作棒72の端部に設けられ、押圧操作棒72の軸線と同軸に角変位自在である表示体74と、この表示体74を、押圧操作棒72の軸線方向の直線移動によって表示体74を角変位する表示体駆動手段75とを含む。復帰手段本体71にはおねじ76が刻設され、弁座部材3と開閉駆動手段4とに関して弁箱2の反対側(図10の下方)から弁箱2の一部77に形成されためねじに着脱交換可能に気密に装着される。
【0033】
表示体駆動手段75は、有底筒体79を有する。この筒体79は、直円筒状の筒部81と、弁棒42の端部51に当接することができる頂部82とを有する。筒部81には、長手軸線方向に平行に延びる案内長孔83と、カム孔84とが周方向にずれて形成される。
【0034】
図11は、筒体79の周方向展開図である。カム孔84は、筒部81の長手軸線方向に平行であって、かつ周方向にずれて配置される長孔部85,86と、これらの長孔部85,86に連なり筒部81の軸線に対して傾斜した傾斜部87とを有する。案内長孔83には、押圧操作棒72の一端部に固定されたピン88が緩やかに嵌り込む。カム孔84には、復帰手段本体71に固定されたホロアであるピン89が緩やかに嵌り込む。熱体79は、復帰手段本体71と押圧操作棒72の共通な軸線と同軸であり、かつその軸線まわりに相互に角変位可能である。
【0035】
押圧操作棒72の他端部には、操作体91が設けられる。この操作体81には、押圧操作棒72が挿通する復帰用ばね73を収納して、その復帰用ばね73の端部を受ける。
【0036】
図12は、操作体91とその付近の一部の分解斜視図である。操作体91の外周部には、その軸線に沿って延びる案内溝92が形成される。この案内溝92には、復帰手段本体71に取外し可能に螺着された回り止めピン93が嵌り込み、図10の状態で操作体91が復帰用ばね73のばね力によって図10の下方に復帰手段本体71から離脱することを防ぐために案内溝92の端部に当接する抜け止めの働きを果たす。復帰用ばね73はまた、復帰手段本体71に受けられる。
【0037】
表示体74は、周方向にたとえば角度60°ずつ分断された表示部95を有し、その中央の連結部96は、有底帽状表示基部97の挿通孔98を緩かに挿通し、押圧操作棒72の端部に固定された取付け部99の取付け孔101に嵌り込んで固定される。こうして表示体74は、押圧操作棒72とともに、その軸線まわりに角変位することができる。表示体74は、遮断弁の開弁状態に対応してたとえば緑色に表示され、表示基部97は遮断弁の閉弁状態に対応して赤色に形成される。
【0038】
操作体91の端部には、カバー片102が固定される。このカバー片102は、表示体74の表示部95に対応して周方向に角度60°をあけてカバー部103が形成され、これらのカバー部103間には、切欠かれた表示領域104が形成される。
【0039】
地震発生によって電磁コイル47が励磁され、ばね46のばね力によって弁棒42および弁体41が下降されるとき、弁棒42の端部51は、筒体79の頂部82の上面を下方に押圧する。これによって筒体79が下方に変位し、ピン89は、図11の参照符89bの位置から矢符106の逆方向に傾斜部87を移動し、図11の参照符89の位置に戻る。これによって筒体89は矢符107の逆方向に角変位して案内長孔83内の参照符88bで示されるピン88を、その案内長孔83の図11における上端部に戻す。したがって押圧操作棒72がその軸線まわりに角変位され、表示体74の表示部95は、図12の参照符95bの位置からカバー片102のカバー部103に重なった位置95aのように戻る。したがって表示用切欠き104には、表示基部97の底部が露出し、赤色が表示されることになり、閉弁状態になったことが外部から容易に知ることができる。この地震発生時、弁体41が弁座部材3に着座して閉弁状態になったとき、復帰手段5は、図10に示されるとおりとなっており、ピン88は、案内長孔83の図10および図11における上端部に存在し、このときもう1つのピン89は、カム孔84の傾斜部87寄りに位置し、これによって表示体74の表示部95は、カバー片102のカバー部103に、参照符95aで示されるように重なり、したがって表示用切欠き104からは、表示基部97の赤色底部が表示される。カバー片102は、たとえば白色に形成される。操作体91の端部には、カバー片102を外方から覆って収納する透明合成樹脂製有底筒状の操作カバー体105が、固定される。この操作カバー体105の頂部106は、遮断弁1の閉弁状態から開弁状態に復帰する際に、押圧操作される。作業者は、表示用切欠き104から表示基部97の赤色が表示されることによって、本件遮断弁1が閉弁状態であることを、容易に知ることができる。この閉弁状態では、筒体79の頂部82は、弁棒42の端部51によって図10の下方に押圧されて変位された状態となっている。
【0040】
遮断弁1を開弁状態に復帰するには、作業者はカバー筒体105の頂部106を図10の上方に、ばね73のばね力に抗して押圧操作する。
【0041】
操作カバー体105の頂部106をばね73のばね力に抗して図10の上方に押圧することによって、押圧操作棒72の上端部は、筒体79の頂部82を図10の上方に押圧し、この頂部82は弁棒42の端部51に当接してばね46のばね力に抗し、弁棒42の端部52がヨーク片53を介して永久磁石片45に磁気吸着するように当接させる。この押圧操作部72が図10の上方に移動するとき、筒体79もまた図10の上方に変位し、これによってピン88は案内長孔83を図11の下方に移動し、開弁状態では参照符88bの位置に到達する。ピン89は、カム孔84内で、長孔部85から、押圧操作棒72および筒体89の図10における上方への変位に伴い、傾斜部87を矢符106のように移動し、参照符89bで示されるようにもう1つの長孔部86内で傾斜部87寄りの位置に開弁状態で到達する。ピン89が傾斜部87を矢符106のように移動するとき、筒体79はその軸線まわりに角変位し、これによって筒体79はピン88、したがって押圧操作棒72をその軸線まわりに矢符107で示されるように角変位する。この押圧操作棒72の角変位に伴って、表示体74もまた角変位し、これによって緑色表示部95は、カバー片102の表示を切欠き104に、参照符95bで示されるように角変位して移動する。こうして表示用切欠き104からは、緑色表示部95が表示され、遮断弁1の開弁状態に復帰したことが表示される。筒体79は比較的軽量であり、弁体41が弁座部材3から上方に離脱して開弁状態となっているとき、ピン89は、図11の参照符89bで示されるように、長孔部86と傾斜部87との境界付近で係止したままとなり、筒体79がその自重で下降することはなく、これによって筒体89の頂部82の下面と押圧操作棒72の上端部とは、押圧操作棒72が復帰用ばね73によって図10のように復帰した状態で、図10の上下に離間したままである。こうして前述のカバー片102の表示用切欠き104には、表示体74の表示部95が緑色で表示されたままに保たれる。
【0042】
復帰手段本体71に弁箱2の外方で刻設されたおねじ108には、透明合成樹脂製有底保護カバー109が着脱可能に螺着される。
【0043】
図13は、本発明の実施の他の形態のガスメータ111を一部切欠いて示す斜視図である。ガスメータ111は、都市ガスの使用量を計量するために用いられる。ガスメータ111の入口112から供給されるガスは、ガスメータ本体114に構成された遮断弁113を経て、計量手段115に供給され、出口116から、ガス消費機器に供給される。計量されたガス量は、カウンタ117によって表示される。
【0044】
図14は、図13に示されるガスメータ111の遮断弁113を示す簡略化した水平断面図である。ガスメータ111の遮断弁113では、前述の遮断弁1において用いられる弁座部材3と開閉駆動手段4と復帰手段5とが、ガスメータ本体4に着脱交換可能に装着される。このガスメータ本体114は、弁箱を構成する。
【0045】
ガスメータ111に内蔵される電子回路118は、地震の発生を検出する感震器119と、この感震器119によって検出された地震波に応答して開閉駆動手段4の電磁コイルを励磁するための電力を供給する励磁駆動手段121とを含む。本発明では、このような弁座部材3と開閉駆動手段4と復帰手段5とを、ガスメータ111に使用するとともに、図1〜図12に関連して前述した遮断弁1のために共用化することができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、弁座部材と開閉駆動手段と復帰手段とを、弁箱に個別的に装着することができるようにし、これによって弁座部材と開閉駆動手段と復帰手段を含む構成要素を、たとえばガスメータなどと共用化することができ、生産性が高まり、品質の向上が図られ、安価に遮断弁を実現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の遮断弁1の縦断面図である。
【図2】図1に示される遮断弁1の平面図である。
【図3】遮断弁1の側面図である。
【図4】図3の切断面線A−Aから見た断面図である。
【図5】遮断弁1の正面図である。
【図6】遮断弁1の底面図である。
【図7】遮断弁1が備えられる液化石油ガス供給装置19の基地の全体の構成を簡略化して示す図である。
【図8】弁座部材3と開閉駆動手段4とを示す断面図である。
【図9】開閉駆動手段4の平面図である。
【図10】復帰手段5の断面図である。
【図11】筒体79の周方向展開図である。
【図12】操作体91とその付近の一部の分解斜視図である。
【図13】本発明の実施の他の形態のガスメータ111を一部切欠いて示す斜視図である。
【図14】図13に示されるガスメータ111の遮断弁113を示す簡略化した水平断面図である。
【符号の説明】
1 遮断弁
2 弁箱
3 弁座部材
4 開閉駆動手段
5 復帰手段
8 固定座
11 入口
12 出口
15,16 通路
17 仕切部材
31 弁孔
41 弁体
42 弁棒
44 取付け部材
45 永久磁石片
46 ばね
47 電磁コイル
66 取付け孔
71 復帰手段本体
72 押圧操作棒
73 復帰用ばね
74 表示体
75 表示体駆動手段

Claims (7)

  1. 弁箱に、
    弁座部材と、
    弁体を有し、永久磁石片の磁気吸引力によって弁体を弁座部材から離脱した状態に保ち、電磁コイルが励磁されることによって、永久磁石片の磁気吸引力を打消して、ばねのばね力によって、弁体を弁座部材に着座した閉弁状態に保つ開閉駆動手段と、
    弁座部材に着座している弁体を、ばねのばね力に抗して押圧し、永久磁石片に磁気吸着させて開弁状態に復帰する復帰手段とを、
    個別的に装着することを特徴とする遮断弁。
  2. (a)流体の入口と出口とを有し、入口から出口を連通する通路が形成される弁箱と、
    (b)弁箱に、前記通路の途中で、装着される弁座部材と、
    (c)開閉駆動手段であって、
    弁座部材に着座、離脱する弁体と、
    一端部が弁体に設けられる弁棒と、
    弁箱に装着される取付け部材と、
    取付け部材に設けられ、弁棒の他端部に磁気吸着可能である永久磁石片と、
    弁棒の他端部と永久磁石片とを磁気吸引力に抗して離脱する方向のばね力を与えるばねと、
    励磁されることによって、弁棒の他端部と永久磁石片との磁気吸引力を打消す磁気を発生する電磁コイルとを有する開閉駆動手段と、
    (d)弁箱に装着され、弁座部材に着座している弁体を、ばねのばね力に抗して押圧し、弁棒の他端部を、永久磁石片に磁気吸着されて開弁状態に復帰する復帰手段とを含むことを特徴とする遮断弁。
  3. 取付け部材は、弁体の最外周部よりも外方で、弁箱に固定される固定部を有し、
    弁箱には、
    弁体を挿通可能な取付け孔が形成され、
    この取付け孔の外周部付近に、前記固定部を固定する固定座が形成されることを特徴とする請求項2記載の遮断弁。
  4. 前記取付け孔は、弁座部材をも、挿通可能に形成されることを特徴とする請求項3記載の遮断弁。
  5. 復帰手段は、開閉駆動手段と弁座部材とに関して、弁箱の反対側から装着されることを特徴とする請求項1〜4のうちの1つに記載の遮断弁。
  6. 復帰手段は、
    弁棒の前記他端部に当接可能な一端部を有する押圧操作棒と、
    押圧操作棒を、弁棒の前記他端部から遠去かる方向にばね力を与える復帰用ばねと、
    押圧操作棒の他端部に設けられ、押圧操作棒の軸線と同軸に角変位自在である表示体と、
    押圧操作棒の押圧操作および復帰用ばねによる軸線方向の直線移動のたびに、表示体を、1回転未満の角度だけ、角変位する表示体駆動手段とを含むことを特徴とする請求項1〜5のうちの1つに記載の遮断弁。
  7. 弁座部材と、開閉駆動手段と、復帰手段とは、
    前記弁箱だけでなく、
    ガス燃料の流量を計測するガスメータにも、装着可能であることを特徴とする請求項1〜6のうちの1つに記載の遮断弁。
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