JP2004245320A - 螺旋結合部における緩み止め構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体との螺旋結合部における緩み止めを確実にし、部品数および加工数の削減を可能にして、製造コストの低減化を可能にする。
【解決手段】外側筒体(2,B)内にこの外側筒体(2,B)より高硬度の内側筒体あるいは内側棒体(1)との螺旋結合部における緩み止め構造であって、内側筒体あるいは内側棒体(1)の外周に形成の雄螺条(1a)が外側筒体(2,B)の内周に形成の雌螺条(2b)に螺合しながら内側筒体あるいは内側棒体(1)の雄螺条(1a)における後端に連続する圧入部(1c)が外側筒体(2,B)の雌螺条(2b)の一部を押し潰してなる。
【選択図】 図2
【解決手段】外側筒体(2,B)内にこの外側筒体(2,B)より高硬度の内側筒体あるいは内側棒体(1)との螺旋結合部における緩み止め構造であって、内側筒体あるいは内側棒体(1)の外周に形成の雄螺条(1a)が外側筒体(2,B)の内周に形成の雌螺条(2b)に螺合しながら内側筒体あるいは内側棒体(1)の雄螺条(1a)における後端に連続する圧入部(1c)が外側筒体(2,B)の雌螺条(2b)の一部を押し潰してなる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、螺旋結合された内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体との間に出現する螺旋結合部における緩み止め構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、油圧緩衝器の組立時には、油圧緩衝器を形成する筒体の下端開口をボトム部材で閉塞することがあるが、このとき、外側筒体たる上記のボトム部材の筒状部とこの筒状部内に捩じ込まれる内側筒体たる上記の筒体との間に出現する螺旋結合部に緩み止めが施されるのが常態であり、それゆえ、螺旋結合部における緩み止め構造の提案がある(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
すなわち、この螺旋結合部における緩み止め構造にあっては、油圧緩衝器を形成する筒体の下端部をボトム部材の筒状部内に捩じ込むようにして螺旋結合した後に、筒状部の肉厚をこの筒状部の径方向に沿って貫通するように形成されている螺条孔にセットスクリューを螺入するとしている。
【0004】
このとき、セットスクリューの先端と筒体の外周との間には、弾性体が介在されるとし、この弾性体の介在でセットスクリューが螺入された螺条孔から緩んで抜け出ないようにしている。
【0005】
それゆえ、この螺旋結合部における緩み止め構造によれば、セットスクリューが螺条孔から緩んで抜け出ないから、筒体の下端開口をボトム部材で閉塞した状態を恒久的に保障し得ることになる。
【0006】
【特許文献1】
実開平2‐24140号公報(特許請求の範囲)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した提案にあっては、部品数および加工数の削減を図れない不利があると指摘される可能性がある。
【0008】
すなわち、上記した提案では、部品としてのセットスクリューおよび弾性体が必須になるのはもちろんのこと、このセットスクリューを螺入するための螺条孔の形成、すなわち、加工が必須になり、部品数および加工数の削減を図り難くして、製造コストの低減化に寄与し得ないことになる。
【0009】
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体との間の螺旋結合部における緩み止めを確実なものにするのはもちろんのこと、このとき、部品数および加工数の削減を可能にして、製造コストの低減化を可能にし、その汎用性の向上を期待するのに最適となる螺旋結合部における緩み止め構造を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、この発明による螺旋結合部における緩み止め構造の構成を、基本的には、外側筒体とこの外側筒体より高硬度の内側筒体あるいは内側棒体との螺旋結合部における緩み止め構造であって、内側筒体あるいは内側棒体の外周に形成の雄螺条が外側筒体の内周に形成の雌螺条に螺合しながら内側筒体あるいは内側棒体の雄螺条における後端に連続する圧入部が外側筒体の雌螺条の一部を押し潰してなるとする。
【0011】
それゆえ、内側筒体あるいは内側棒体の圧入部が外側筒体の雌螺条の一部を押し潰すようにして圧入されることで、この圧入部位において、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体とが隙間なく密着する。
【0012】
すなわち、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体の両者があらかじめ形成されている円周面同士で密着する場合には両者間に緩みの原因になる隙間を生じ得る危惧があることに比較して、上記の圧入部位においては、両者間に緩みの原因になる隙間を生じなくなり、したがって、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体との間における螺旋結合部が緩むことがなく、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体の螺旋結合状態が恒久的に保障される。
【0013】
そして、上記した構成において、より具体的には、内側筒体あるいは内側棒体の圧入部における外周が円周面とされてなるとし、あるいは、内側筒体あるいは内側棒体の圧入部における外周が螺条にならない凹凸部を有してなるとする。
【0014】
それゆえ、圧入部の外周が円周面とされるとき、外側筒体の雌螺条における一部が完全に押し潰される状態になって密着性が向上され、また、圧入部の外周が螺条にならない凹凸部、すなわち、環状の凹凸部あるいは間欠する環状の凹凸部を有するとき、押し潰される雌螺条が内部応力の作用で復帰するように上記の凹凸部に隆起することを期待でき、その結果、螺旋結合した後に螺旋結合でない部分が出現されることになり、爾後における回動操作を不能にし、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体との螺旋結合状態が解除されなくなる。
【0015】
さらに、内側筒体が油圧緩衝器を形成する筒体とされると共に、外側筒体が上記の筒体の下端開口を閉塞するボトム部材の筒状部とされるとし、あるいは、内側筒体が油圧緩衝器を形成する筒体とされると共に、外側筒体が油圧緩衝器の下端部に連結されるアクスルブラケットの筒状部とされるとする。
【0016】
それゆえ、この螺旋結合部における緩み止め構造を油圧緩衝器の組立時に、あるいは、油圧緩衝器にアクスルブラケットを連結するときに具現化し得ることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明による螺旋結合部における緩み止め構造は、図1,図2に示すように、油圧緩衝器の組立時に油圧緩衝器を形成する筒体1の下端開口をボトム部材2で閉塞するときに具現化されるとしている。
【0018】
すなわち、図示す実施形態では、油圧緩衝器を形成する筒体1がこの発明に言う内側筒体であり、筒体1が捩じ込まれるボトム部材2における筒状部2aがこの発明に言う外側筒体である。
【0019】
また、筒体1は、たとえば、鉄製とされ、筒状部2aを含むボトム部材2は、筒体1より低硬度のアルミ製とされている。
【0020】
そして、この発明による緩み止め構造は、筒状部2a内に筒体1が捩じ込まれることで出現する螺旋結合部に具現化されるもので、図示する実施形態では、筒体1の雄螺条1aが筒状部2aの雌螺条2bに螺合しながら筒体1の雄螺条1aにおける後端に連続する圧入部1bが筒状部2aの雌螺条2bにおける図中で左側となり、符号Wで示す一部を押し潰してなるとする。
【0021】
それゆえ、図示する実施形態では、筒体1の圧入部1bが筒状部2aの雌螺条2bにおける一部Wを押し潰すことで、この圧入部位A(図2参照)において筒体1の外周と言わば新たに形成される筒状部2aの内周とが隙間なく密着することになる。
【0022】
すなわち、筒体1と筒状部2aにあらかじめ断面が同心円になるように形成されている円周面同士で密着する場合には両者間に緩みの原因になる隙間を生じ得る危惧があることに比較して、上記の圧入部位Aにおいては、両者間に緩みの原因になる隙間を生じなくなり、したがって、筒体1と筒状部2aとの間における螺旋結合部が緩むことがなく、筒体1と筒状部2aとの螺旋結合状態が恒久的に保障されることになる。
【0023】
上記した観点からすれば、圧入部1bの外径については、これが筒状部2aの雌螺条2bにおける内径より小さくならないことはもちろんで、これを度外視すれば、雌螺条2bを形成していない筒状部2aの開口端部における内径と同一ないしはほぼ同一の外径になるように設定されるのが好ましい。
【0024】
上記したところが、この発明の特徴とするところであるが、図示した実施形態は、筒体1の下端開口をボトム部材2で閉塞する場合であり、それゆえ、筒体1は、その下端がボトム部材2の内底に当接されるまで、すなわち、図中に符号Wで示す間隔分を押し潰しストロークとすることになる。
【0025】
そして、筒体1の下端が、図2に示すように、ボトム部材2の内底に当接されると、筒体1がそれ以上捩じ込まれなくなるばかりでなく、いわゆる戻ることもできなくなり、筒体1の下端開口をボトム部材2で閉塞する状態が恒久的に保障されることになる。
【0026】
ところで、上記したところは、図3,図4に示すように、油圧緩衝器を形成する筒体1がアクスルブラケットBにおける筒状部B1に捩じ込まれる場合に具現化されるとしても良い。
【0027】
このとき、内側筒体たる筒体1は、ボトム部があらかじめ閉塞されており、アクスルブラケットBは、言わば全体が筒状に形成されていて、筒状部B1が外側筒体とされている。
【0028】
それゆえ、この筒体1とアクスルブラケットBとの間おける螺旋結合部にあっても、前記したところと同様に、筒体1の雄螺条1aがアクスルブラケットBの筒状部B1に形成の雌螺条2bに螺合しながら筒体1の雄螺条1aにおける後端に連続する圧入部1bが筒状部B1の雌螺条2bの一部を押し潰して圧入されてなるとすることで、前記したところと同様の作用効果を奏することになる。
【0029】
このとき、図示するところでは、筒体1の圧入部1bにおける外周が螺条にならない、たとえば、環状のあるいは間欠する環状の凹凸部1cを有してなるとしている。
【0030】
それゆえ、上記の圧入部1bが筒状部B1の雌螺条2bの一部を押し潰して圧入する際に、押し潰される雌螺条2bが内部応力の作用で復帰するように上記の凹凸部1cに隆起することを期待でき、その結果、螺旋結合した後に螺旋結合でない部分が出現されることになり、爾後における回動操作を不能にし、筒体1と筒状部B1とにおける螺旋結合が解除されなくなる。
【0031】
その結果、図示する実施形態にあっても、上記の圧入部位Aにおいては、筒体1と筒状部B1間に緩みの原因になる隙間を生じなくなり、したがって、両者1,B1間における螺旋結合による連結状態が恒久的に維持されることになる。
【0032】
前記したところは、外側筒体内に内側筒体が捩じ込まれる場合を例にしたものであるが、この発明が意図するところからすれば、内側筒体に代えて、これが内側棒体とされても良く、その場合における作用効果も異ならないことはもちろんである。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明にあっては、内側筒体あるいは内側棒体の圧入部が外側筒体の雌螺条の一部を押し潰して圧入されるから、この圧入部位において、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体とが隙間なく密着することになる。
【0034】
それゆえ、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体の両者があらかじめ一致する円周面に形成されて大きな変形を伴わない圧入部位で密着する場合に両者間に緩みの原因になる隙間を生じ得る危惧があることに比較して、上記の圧入部位においては、圧入部位における変形が大きくなるから、両者間に緩みの原因になる隙間を生じなくなり、したがって、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体との間における螺旋結合部が緩むことがなく、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体の螺旋結合状態が恒久的に保障される。
【0035】
そして、請求項2および請求項3の発明にあっては、圧入部の外周が円周面とされるとき、外側筒体の雌螺条における先端側が消滅するように完全に押し潰される状態になって密着性が向上され、また、圧入部の外周が螺条にならない凹凸部を有してなるとき、押し潰される雌螺条が内部応力の作用で復帰するように上記の凹凸部に隆起することになり、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体との間における螺旋結合が解除されなくなる。
【0036】
そして、請求項4の発明にあっては、上記の作用効果を油圧緩衝器の組立時における筒体の下端開口をボトム部材で閉塞する場合に具現化できることになり、請求項5の発明にあっては、上記の作用効果を油圧緩衝器の下端部のアクスルブラケットを固定状態に連結する場合に具現化できることになる。
【0037】
その結果、この発明によれば、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体とを螺旋結合する場合に、その螺旋結合部における緩み止めを確実に具現化できるのはもちろんのこと、部品数および加工数の削減を可能にして、製造コストの低減化を可能にし、その汎用性の向上を期待するのに最適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】外側筒体内に内側筒体を捩じ込んだ途中状態を示す部分断面図である。
【図2】外側筒体内に内側筒体を完全に捩じ込んで螺旋結合部における緩み止めを具現化した状態を図1と同様に示す図である。
【図3】他の実施形態による外側筒体内に内側筒体を捩じ込んだ途中状態を図1と同様に示す図である。
【図4】同じく外側筒体内に内側筒体を完全に捩じ込んで螺旋結合部における緩み止めを具現化した状態を図1と同様に示す図である。
【符号の説明】
1 内側筒体たる筒体
1a 雄螺条
1b 圧入部
2 ボトム部材
2a,B1 外側筒体たる筒状部
2b 雌螺条
A 圧入部位
B アクスルブラケット
【発明の属する技術分野】
この発明は、螺旋結合された内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体との間に出現する螺旋結合部における緩み止め構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、油圧緩衝器の組立時には、油圧緩衝器を形成する筒体の下端開口をボトム部材で閉塞することがあるが、このとき、外側筒体たる上記のボトム部材の筒状部とこの筒状部内に捩じ込まれる内側筒体たる上記の筒体との間に出現する螺旋結合部に緩み止めが施されるのが常態であり、それゆえ、螺旋結合部における緩み止め構造の提案がある(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
すなわち、この螺旋結合部における緩み止め構造にあっては、油圧緩衝器を形成する筒体の下端部をボトム部材の筒状部内に捩じ込むようにして螺旋結合した後に、筒状部の肉厚をこの筒状部の径方向に沿って貫通するように形成されている螺条孔にセットスクリューを螺入するとしている。
【0004】
このとき、セットスクリューの先端と筒体の外周との間には、弾性体が介在されるとし、この弾性体の介在でセットスクリューが螺入された螺条孔から緩んで抜け出ないようにしている。
【0005】
それゆえ、この螺旋結合部における緩み止め構造によれば、セットスクリューが螺条孔から緩んで抜け出ないから、筒体の下端開口をボトム部材で閉塞した状態を恒久的に保障し得ることになる。
【0006】
【特許文献1】
実開平2‐24140号公報(特許請求の範囲)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した提案にあっては、部品数および加工数の削減を図れない不利があると指摘される可能性がある。
【0008】
すなわち、上記した提案では、部品としてのセットスクリューおよび弾性体が必須になるのはもちろんのこと、このセットスクリューを螺入するための螺条孔の形成、すなわち、加工が必須になり、部品数および加工数の削減を図り難くして、製造コストの低減化に寄与し得ないことになる。
【0009】
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体との間の螺旋結合部における緩み止めを確実なものにするのはもちろんのこと、このとき、部品数および加工数の削減を可能にして、製造コストの低減化を可能にし、その汎用性の向上を期待するのに最適となる螺旋結合部における緩み止め構造を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、この発明による螺旋結合部における緩み止め構造の構成を、基本的には、外側筒体とこの外側筒体より高硬度の内側筒体あるいは内側棒体との螺旋結合部における緩み止め構造であって、内側筒体あるいは内側棒体の外周に形成の雄螺条が外側筒体の内周に形成の雌螺条に螺合しながら内側筒体あるいは内側棒体の雄螺条における後端に連続する圧入部が外側筒体の雌螺条の一部を押し潰してなるとする。
【0011】
それゆえ、内側筒体あるいは内側棒体の圧入部が外側筒体の雌螺条の一部を押し潰すようにして圧入されることで、この圧入部位において、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体とが隙間なく密着する。
【0012】
すなわち、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体の両者があらかじめ形成されている円周面同士で密着する場合には両者間に緩みの原因になる隙間を生じ得る危惧があることに比較して、上記の圧入部位においては、両者間に緩みの原因になる隙間を生じなくなり、したがって、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体との間における螺旋結合部が緩むことがなく、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体の螺旋結合状態が恒久的に保障される。
【0013】
そして、上記した構成において、より具体的には、内側筒体あるいは内側棒体の圧入部における外周が円周面とされてなるとし、あるいは、内側筒体あるいは内側棒体の圧入部における外周が螺条にならない凹凸部を有してなるとする。
【0014】
それゆえ、圧入部の外周が円周面とされるとき、外側筒体の雌螺条における一部が完全に押し潰される状態になって密着性が向上され、また、圧入部の外周が螺条にならない凹凸部、すなわち、環状の凹凸部あるいは間欠する環状の凹凸部を有するとき、押し潰される雌螺条が内部応力の作用で復帰するように上記の凹凸部に隆起することを期待でき、その結果、螺旋結合した後に螺旋結合でない部分が出現されることになり、爾後における回動操作を不能にし、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体との螺旋結合状態が解除されなくなる。
【0015】
さらに、内側筒体が油圧緩衝器を形成する筒体とされると共に、外側筒体が上記の筒体の下端開口を閉塞するボトム部材の筒状部とされるとし、あるいは、内側筒体が油圧緩衝器を形成する筒体とされると共に、外側筒体が油圧緩衝器の下端部に連結されるアクスルブラケットの筒状部とされるとする。
【0016】
それゆえ、この螺旋結合部における緩み止め構造を油圧緩衝器の組立時に、あるいは、油圧緩衝器にアクスルブラケットを連結するときに具現化し得ることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明による螺旋結合部における緩み止め構造は、図1,図2に示すように、油圧緩衝器の組立時に油圧緩衝器を形成する筒体1の下端開口をボトム部材2で閉塞するときに具現化されるとしている。
【0018】
すなわち、図示す実施形態では、油圧緩衝器を形成する筒体1がこの発明に言う内側筒体であり、筒体1が捩じ込まれるボトム部材2における筒状部2aがこの発明に言う外側筒体である。
【0019】
また、筒体1は、たとえば、鉄製とされ、筒状部2aを含むボトム部材2は、筒体1より低硬度のアルミ製とされている。
【0020】
そして、この発明による緩み止め構造は、筒状部2a内に筒体1が捩じ込まれることで出現する螺旋結合部に具現化されるもので、図示する実施形態では、筒体1の雄螺条1aが筒状部2aの雌螺条2bに螺合しながら筒体1の雄螺条1aにおける後端に連続する圧入部1bが筒状部2aの雌螺条2bにおける図中で左側となり、符号Wで示す一部を押し潰してなるとする。
【0021】
それゆえ、図示する実施形態では、筒体1の圧入部1bが筒状部2aの雌螺条2bにおける一部Wを押し潰すことで、この圧入部位A(図2参照)において筒体1の外周と言わば新たに形成される筒状部2aの内周とが隙間なく密着することになる。
【0022】
すなわち、筒体1と筒状部2aにあらかじめ断面が同心円になるように形成されている円周面同士で密着する場合には両者間に緩みの原因になる隙間を生じ得る危惧があることに比較して、上記の圧入部位Aにおいては、両者間に緩みの原因になる隙間を生じなくなり、したがって、筒体1と筒状部2aとの間における螺旋結合部が緩むことがなく、筒体1と筒状部2aとの螺旋結合状態が恒久的に保障されることになる。
【0023】
上記した観点からすれば、圧入部1bの外径については、これが筒状部2aの雌螺条2bにおける内径より小さくならないことはもちろんで、これを度外視すれば、雌螺条2bを形成していない筒状部2aの開口端部における内径と同一ないしはほぼ同一の外径になるように設定されるのが好ましい。
【0024】
上記したところが、この発明の特徴とするところであるが、図示した実施形態は、筒体1の下端開口をボトム部材2で閉塞する場合であり、それゆえ、筒体1は、その下端がボトム部材2の内底に当接されるまで、すなわち、図中に符号Wで示す間隔分を押し潰しストロークとすることになる。
【0025】
そして、筒体1の下端が、図2に示すように、ボトム部材2の内底に当接されると、筒体1がそれ以上捩じ込まれなくなるばかりでなく、いわゆる戻ることもできなくなり、筒体1の下端開口をボトム部材2で閉塞する状態が恒久的に保障されることになる。
【0026】
ところで、上記したところは、図3,図4に示すように、油圧緩衝器を形成する筒体1がアクスルブラケットBにおける筒状部B1に捩じ込まれる場合に具現化されるとしても良い。
【0027】
このとき、内側筒体たる筒体1は、ボトム部があらかじめ閉塞されており、アクスルブラケットBは、言わば全体が筒状に形成されていて、筒状部B1が外側筒体とされている。
【0028】
それゆえ、この筒体1とアクスルブラケットBとの間おける螺旋結合部にあっても、前記したところと同様に、筒体1の雄螺条1aがアクスルブラケットBの筒状部B1に形成の雌螺条2bに螺合しながら筒体1の雄螺条1aにおける後端に連続する圧入部1bが筒状部B1の雌螺条2bの一部を押し潰して圧入されてなるとすることで、前記したところと同様の作用効果を奏することになる。
【0029】
このとき、図示するところでは、筒体1の圧入部1bにおける外周が螺条にならない、たとえば、環状のあるいは間欠する環状の凹凸部1cを有してなるとしている。
【0030】
それゆえ、上記の圧入部1bが筒状部B1の雌螺条2bの一部を押し潰して圧入する際に、押し潰される雌螺条2bが内部応力の作用で復帰するように上記の凹凸部1cに隆起することを期待でき、その結果、螺旋結合した後に螺旋結合でない部分が出現されることになり、爾後における回動操作を不能にし、筒体1と筒状部B1とにおける螺旋結合が解除されなくなる。
【0031】
その結果、図示する実施形態にあっても、上記の圧入部位Aにおいては、筒体1と筒状部B1間に緩みの原因になる隙間を生じなくなり、したがって、両者1,B1間における螺旋結合による連結状態が恒久的に維持されることになる。
【0032】
前記したところは、外側筒体内に内側筒体が捩じ込まれる場合を例にしたものであるが、この発明が意図するところからすれば、内側筒体に代えて、これが内側棒体とされても良く、その場合における作用効果も異ならないことはもちろんである。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明にあっては、内側筒体あるいは内側棒体の圧入部が外側筒体の雌螺条の一部を押し潰して圧入されるから、この圧入部位において、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体とが隙間なく密着することになる。
【0034】
それゆえ、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体の両者があらかじめ一致する円周面に形成されて大きな変形を伴わない圧入部位で密着する場合に両者間に緩みの原因になる隙間を生じ得る危惧があることに比較して、上記の圧入部位においては、圧入部位における変形が大きくなるから、両者間に緩みの原因になる隙間を生じなくなり、したがって、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体との間における螺旋結合部が緩むことがなく、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体の螺旋結合状態が恒久的に保障される。
【0035】
そして、請求項2および請求項3の発明にあっては、圧入部の外周が円周面とされるとき、外側筒体の雌螺条における先端側が消滅するように完全に押し潰される状態になって密着性が向上され、また、圧入部の外周が螺条にならない凹凸部を有してなるとき、押し潰される雌螺条が内部応力の作用で復帰するように上記の凹凸部に隆起することになり、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体との間における螺旋結合が解除されなくなる。
【0036】
そして、請求項4の発明にあっては、上記の作用効果を油圧緩衝器の組立時における筒体の下端開口をボトム部材で閉塞する場合に具現化できることになり、請求項5の発明にあっては、上記の作用効果を油圧緩衝器の下端部のアクスルブラケットを固定状態に連結する場合に具現化できることになる。
【0037】
その結果、この発明によれば、内側筒体あるいは内側棒体と外側筒体とを螺旋結合する場合に、その螺旋結合部における緩み止めを確実に具現化できるのはもちろんのこと、部品数および加工数の削減を可能にして、製造コストの低減化を可能にし、その汎用性の向上を期待するのに最適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】外側筒体内に内側筒体を捩じ込んだ途中状態を示す部分断面図である。
【図2】外側筒体内に内側筒体を完全に捩じ込んで螺旋結合部における緩み止めを具現化した状態を図1と同様に示す図である。
【図3】他の実施形態による外側筒体内に内側筒体を捩じ込んだ途中状態を図1と同様に示す図である。
【図4】同じく外側筒体内に内側筒体を完全に捩じ込んで螺旋結合部における緩み止めを具現化した状態を図1と同様に示す図である。
【符号の説明】
1 内側筒体たる筒体
1a 雄螺条
1b 圧入部
2 ボトム部材
2a,B1 外側筒体たる筒状部
2b 雌螺条
A 圧入部位
B アクスルブラケット
Claims (5)
- 外側筒体とこの外側筒体より高硬度の内側筒体あるいは内側棒体との螺旋結合部における緩み止め構造であって、内側筒体あるいは内側棒体の外周に形成の雄螺条が外側筒体の内周に形成の雌螺条に螺合しながら内側筒体あるいは内側棒体の雄螺条における後端に連続する圧入部が外側筒体の雌螺条の一部を押し潰してなることを特徴とする螺旋結合部における緩み止め構造
- 内側筒体あるいは内側棒体の圧入部における外周が円周面とされてなる請求項1に記載の螺旋結合部における緩み止め構造
- 内側筒体あるいは内側棒体の圧入部における外周が螺条にならない凹凸部を有してなる請求項1に記載の螺旋結合部における緩み止め構造
- 内側筒体が油圧緩衝器を形成する筒体とされると共に、外側筒体が上記の筒体の下端開口を閉塞するボトム部材の筒状部とされてなる請求項1に記載の螺旋結合部における緩み止め構造
- 内側筒体が油圧緩衝器を形成する筒体とされると共に、外側筒体が油圧緩衝器の下端部に連結されるアクスルブラケットの筒状部とされてなる請求項1に記載の螺旋結合部における緩み止め構造
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JP2003035677A JP2004245320A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 螺旋結合部における緩み止め構造 |
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JP2003035677A JP2004245320A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 螺旋結合部における緩み止め構造 |
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Citations (6)
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-
2003
- 2003-02-13 JP JP2003035677A patent/JP2004245320A/ja active Pending
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