JP2004245194A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Tetsuji Matsuo
哲治 松尾
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Abstract

【課題】加工工数の増大を招くことなく、噴孔から噴射される噴射角度が容易に調整される燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】各噴孔を形成する部分における噴孔プレート60の板厚は、各噴孔から噴射される燃料の噴霧の位置によって異なっている。噴孔プレート60の中心軸から遠い位置に燃料を噴射する噴孔は、噴孔プレート60の板厚が大きな部分に形成されている。一方、噴孔プレート60の中心軸に近い位置に燃料を噴射する噴孔は、噴孔プレート60の板厚が小さな部分に形成されている。すなわち、噴孔プレート60と噴孔から噴射される噴霧の軸とがなす噴射角度が大きくなるほど、噴孔を形成する部分における噴孔プレート60の板厚は大きくなる。これにより、各噴孔は噴孔プレート60の中心軸に対する傾斜角度が一定であっても、噴孔から噴射される燃料の噴射角度が変化する。したがって、加工ならびに噴射角度の調整は容易である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、内燃機関を「エンジン」という。)に燃料を噴射する噴孔を噴孔部材に形成した燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの吸気に燃料を噴射する燃料噴射装置においては、例えば排気中の有害物質の低減ならびに燃費の向上の観点から噴射される燃料の微粒化は重要な要素である。このような燃料噴射装置の場合、弁ボディと弁部材とから形成される燃料通路を通過した燃料は、噴孔部材が形成する複数の噴孔を経由して噴射される。
【0003】
噴孔部材が形成する複数の噴孔は、弁ボディの中心軸に対して傾斜して形成されている。複数の噴孔は、それぞれ燃料の噴霧を形成する位置にあわせて弁ボディの中心軸に対する傾斜角度が設定されている(特許文献1参照)。複数の噴孔の傾斜角度をそれぞれ設定することにより、噴霧同士の干渉を防止し、燃料の微粒化を図っている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−72067号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、燃料の噴霧を形成する位置にあわせて噴孔の傾斜角度を設定する場合、噴孔部材が形成する複数の噴孔の傾斜角度はそれぞれ異なる。そのため、噴孔を形成する際に各噴孔ごとに傾斜角度を調整する必要がある。したがって、複数の噴孔を同時に形成することは困難であり、加工工数の増大を招くという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、加工工数の増大を招くことなく、噴孔から噴射される噴射角度が容易に調整される燃料噴射装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の燃料噴射装置によると、噴孔部材は噴孔から噴射される燃料の噴射角度によって噴孔を形成する部分の板厚が異なる。すなわち、噴孔部材は噴孔を形成する部分ごとに板厚が異なっている。ここで、本明細書中における噴射角度とは、噴孔部材の中心軸と噴孔から噴射される燃料の噴霧の軸とがなす角度をいう。噴孔部材の板厚が変化すると、噴孔ごとに燃料の流れを案内する内壁の全長が異なる。これにより、噴孔から噴射される燃料の噴射角度が変化する。そのため、複数の噴孔の傾斜角度を概ね同一にする場合でも、噴孔を形成する部分の板厚を変更することにより各噴孔から噴射される燃料の噴射角度は調整される。その結果、傾斜角度が同一である複数の噴孔は同時に形成することができる。したがって、加工工数の増大を招くことなく、噴孔から噴射される燃料の噴射角度を容易に調整することができる。
【0008】
本発明の請求項2記載の燃料噴射装置によると、噴孔部材の板厚は噴射角度が小さな噴孔を形成する部分ほど小さい。すなわち、噴孔部材の中心軸よりに燃料を噴射する噴孔が形成される部分ほど噴孔部材の板厚は小さい。噴孔を形成する部分における噴孔部材の板厚が大きくなると、燃料の流れを案内する噴孔の内壁の全長は大きくなり、燃料は噴孔の傾斜角度に近い角度で噴射される。一方、噴孔を形成する部分における噴孔部材の板厚が小さくなると、燃料の流れを案内する噴孔の内壁の全長は短くなり、燃料は噴孔の傾斜角度よりも小さな角度ですなわち噴孔部材の中心軸側に噴射される。そのため、噴孔部材の板厚が大きくなるほど、弁ボディの中心軸と噴孔から噴射される燃料の噴霧とがなす角度は大きくなる。したがって、噴孔部材の板厚を変更することにより、噴孔から噴射される燃料の噴射角度を容易に調整することができる。
【0009】
本発明の請求項3記載の燃料噴射装置によると、噴孔部材は凹み部を有している。凹み部は少なくとも一方の端面側から他方の端面側へ凹んで形成されている。すなわち、噴孔部材は噴孔が形成されている部分に凹み部を形成することにより板厚が変更される。したがって、噴孔部材の板厚は容易に変更することができる。
【0010】
本発明の請求項4記載の燃料噴射装置によると、凹み部は噴孔部材の燃料出口側に形成されている。燃料出口側の形状は噴孔を流れる燃料の流量に与える影響が小さい。そのため、燃料出口側の端面側に凹み部を形成しても、噴孔の内部を流れる燃料の流量が変化しにくい。したがって、複数の噴孔から噴射される燃料の量のばらつきを低減することができる。
本発明の請求項5記載の燃料噴射装置によると、複数の噴孔は概ね同一の内径を有している。したがって、複数の噴孔から噴射される燃料の量のばらつきを低減することができる。
【0011】
本発明の請求項6記載の燃料噴射装置によると、噴孔部材は少なくとも二重の同心円周上に配置されている複数の噴孔を有している。噴孔部材の板厚は、径方向外側すなわち径方向外側に円周上に配置されている噴孔を形成する部分ほど大きくなっている。これにより、径方向外側の噴孔から噴射される噴霧の位置を基準として、径方向内側の噴孔の板厚が調整される。すなわち、複数の噴孔の傾斜角度を径方向外側の噴孔から噴射される噴霧の位置にあわせ、径方向内側の噴孔の板厚を調整する。したがって、複数の噴孔から噴射される燃料の噴射角度を容易に調整することができる。
本発明の請求項7記載の燃料噴射装置によると、噴孔部材は中心軸を通り径方向に伸びる直線で二つの領域に分割したとき、一方の領域には少なくと二つの噴孔を有している。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料噴射装置(以下、燃料噴射装置を「インジェクタ」という。)を図1に示す。第1実施形態によるインジェクタ10は、例えば直噴式のガソリンエンジンに適用される。なお、インジェクタ10は、直噴式のガソリンエンジンに限らず、予混合式のガソリンエンジン、またはディーゼルエンジンなどに適用してもよい。直噴式のガソリンエンジンに第1実施形態によるインジェクタ10を適用する場合、インジェクタ10は図示しないエンジンヘッドに搭載される。
【0013】
インジェクタ10のハウジング11は筒状に形成されている。ハウジング11は、第一磁性部12、非磁性部13および第二磁性部14を有している。非磁性部13は、第一磁性部12と第二磁性部14との磁気的な短絡を防止している。固定コア15は、磁性材料により筒状に形成されている。固定コア15は、ハウジング11の内周側にハウジング11と同軸に固定されている。可動コア16は、磁性材料で筒状に形成され、ハウジング11の内周側に収容されている。可動コア16は、ハウジング11の内周側を軸方向へ往復移動可能である
【0014】
ハウジング11の外周側にはスプール21が装着されている。スプール21にはコイル22が巻回されている。スプール21およびコイル22の外周側は樹脂モールド20により覆われている。コイル22は、樹脂モールド20により形成されているコネクタ23に埋設されているターミナル24と接続されている。ターミナル24を経由してコイル22に通電されると、固定コア15と可動コア16との間に磁気吸引力が発生する。
【0015】
アジャスティングパイプ17は、固定コア15の内周側に圧入されている。アジャスティングパイプ17の内周側は、燃料通路31を形成している。アジャスティングパイプ17は、可動コア16側の端部がスプリング18に当接している。スプリング18は、一方の端部がアジャスティングパイプ17に当接し、他方の端部が可動コア16に当接している。これにより、スプリング18は可動コア16を反固定コア方向へ付勢する。アジャスティングパイプ17の圧入量を調整することにより、可動コア16を付勢するスプリング18の荷重が調整される。ハウジング11は、図示しない燃料タンクから燃料が供給される燃料入口19を有している。燃料入口19から流入した燃料は、フィルタ32を経由してハウジング11の内周側に流入する。フィルタ32は、燃料に含まれる異物を除去する。
【0016】
ノズルホルダ40は、筒状に形成され、ハウジング11の端部に接続されている。ノズルホルダ40の内周側には、弁ボディ50が固定されている。弁ボディ50は、筒状に形成され、例えば圧入あるいは溶接などによりノズルホルダ40に固定されている。弁ボディ50は、先端に近づくにつれて内径が小さくなる円錐状の内壁面に弁座51を有している。弁ボディ50の反ハウジング側の端部とノズルホルダ40との間には、噴孔部材としての噴孔プレート60が設置されている。噴孔プレート60は、複数の噴孔70を形成している。
【0017】
弁部材としてのニードル41は、ハウジング11、ノズルホルダ40および弁ボディ50の内周側に軸方向へ往復移動可能に収容されている。ニードル41は弁ボディ50と同軸上に配置されている。ニードル41は、一方の端部が可動コア16に接続されている。これにより、ニードル41は可動コア16と一体に軸方向へ往復移動可能である。ニードル41の反可動コア側の端部には、弁ボディ50の弁座51に着座可能な当接部42が形成されている。ニードル41と弁ボディ50との間には、燃料が流れる燃料通路53が形成される。
【0018】
燃料入口19からハウジング11の内周側に流入した燃料は、フィルタ32、アジャスティングパイプ17の内周側に形成される燃料通路31、ならびに固定コア15の内周側を経由して、可動コア16の内周側に流れる。可動コア16の内周側の燃料は、可動コア16の内側と外側とを連通する燃料孔35を経由してハウジング11とニードル41との間へ流れる。そして、燃料は、ノズルホルダ40とニードル41との間を経由して、弁ボディ50とニードル41との間に形成される燃料通路53へ流入する。
【0019】
コイル22への通電が停止されているとき、ニードル41はスプリング18の付勢力により可動コア16とともに図1の下方へ移動している。そのため、当接部42は弁座51に着座し、燃料通路53と噴孔プレート60に形成されている噴孔70との間の燃料の流れは遮断されている。したがって、燃料通路53に流入した燃料は噴孔70から噴射されない。
【0020】
コイル22に通電されると、固定コア15と可動コア16との間には磁気吸引力が発生する。これにより、可動コア16ならびに可動コア16と一体のニードル41は、スプリング18の付勢力に抗して図1の上方すなわち固定コア15方向へ移動する。そのため、当接部42は弁座51から離座し、燃料通路53と噴孔70とは連通する。したがって、燃料通路53に流入した燃料は噴孔70から噴射される。
【0021】
コイル22への通電が停止されると、固定コア15と可動コア16との間の磁気吸引力が消滅する。これにより、可動コア16ならびに可動コア16と一体のニードル41は、スプリング18の付勢力により図1の下方へ移動する。そのため、当接部42は再び弁座51に着座し、燃料通路53と噴孔70との間の燃料の流れは遮断される。したがって、燃料通路53から噴孔70には燃料が流入せず、燃料の噴射が終了する。
【0022】
次に、噴孔プレート60ならびに噴孔70から噴射される燃料の噴霧について詳細に説明する。
噴孔プレート60は、弁ボディ50の先端側すなわち反ハウジング側に取り付けられている。すなわち、噴孔プレート60は、弁座51に対し燃料流れの下流側に設置されている。噴孔プレート60は、弁ボディ50と同軸のカップ状に形成されており、弁ボディ50の先端面と対向する板状の底部に複数の噴孔70を有している。噴孔プレート60には、図2に示すように複数の噴孔70が配置されている。噴孔プレート60は、それぞれ中心軸から同心の円周上に配置される噴孔71b、72b、73b、74b、ならびに噴孔71a、71c、72a、72c、73a、73c、74a、74cを有している。噴孔71b、72b、73b、74bは、噴孔71a、71c、72a、72c、73a、73c、74a、74cよりも噴孔プレート60の径方向内側すなわち噴孔プレート60の中心軸側に配置されている。これにより、複数の噴孔は、噴孔プレート60の中心軸を中心とする二重の同心円周上に配置されている。すなわち、噴孔71b、72b、73b、74bは噴孔プレート60の中心軸側の円周C1上に配置され、噴孔71a、71c、72a、72c、73a、73c、74a、74cは噴孔71b、72b、73b、74bが配置されている円周C1よりも大径かつ径方向外側の同心円周C2上に配置されている。噴孔71a、71b、71c、72a、72b、72c、73a、73b、73c、74a、74b、74cは、それぞれ概ね同一内径の略円筒状に形成されている。また、噴孔71a、71b、71c、72a、72b、72c、73a、73b、73c、74a、74b、74cは、長軸が噴孔プレート60の中心軸を中心とした放射状の線上に配置されている。
【0023】
第1実施形態の場合、噴孔プレート60の中心軸を通り径方向に伸びる仮想直線L1により分割される二つの領域にそれぞれ六つの噴孔が配置されている。さらに、噴孔プレート60の中心軸を通り仮想直線L1に垂直な仮想直線L2により噴孔プレート60を四つの領域A1、A2、A3、A4に分割したとき、各領域A1〜A4にはそれぞれ三つの噴孔が配置されている。L1およびL2により分割される各領域A1〜A4には、それぞれL1またはL2を対称軸として隣接する領域と対称に噴孔が配置されている。噴孔プレート60に形成されている複数の噴孔には、それぞれ噴孔プレート60の外周側から燃料が流入する。すなわち、燃料は、噴孔プレート60の外周側から中心軸側へ向けて流入する。
【0024】
領域A1および領域A2の各噴孔71a、71b、71c、72a、72b、72cからは、図3に示すように略六角形の各頂点に向けて燃料が噴射される。これにより、各噴孔71a、71b、71c、72a、72b、72cから噴射された燃料は全体として略円錐形状の噴霧となる。領域A3および領域A4からの各噴孔73a、73b、73c、74a、74b、74cから噴射された燃料は、L1を対称軸として図3に示す噴霧とは対称な略円錐形状の噴霧を形成する。噴孔プレート60の中心軸に近い噴孔71b、72b、73b、74bからは、噴孔プレート60の中心軸に近い位置に燃料が噴射される。また、噴孔プレート60の中心軸から遠い噴孔71a、71c、72a、72c、73a、73c、74a、74cからは、噴孔プレート60の中心軸から遠い位置に燃料が噴射される。
【0025】
以下、説明の簡単のため、図2に示す領域A1の噴孔71a、噴孔71b、噴孔71cについて説明する。なお、他の領域A2、A3、A4の各噴孔についても領域A1の各噴孔と同様であるので説明を省略する。
噴孔71a、噴孔71bおよび噴孔71cは、図4に示すようにそれぞれ弁ボディ50と同軸の噴孔プレート60の中心軸となす角度、すなわち噴孔プレート60の板厚方向となす角度が概ね同一である。つまり、噴孔71aの傾斜角度θa、噴孔71bの傾斜角度θb、ならびに噴孔71cの傾斜角度θcは、θa=θb=θcである。また、上述のように噴孔71aの内径da、噴孔71bの内径dbならびに噴孔71cの内径dcはそれぞれ概ね同一である。すなわち、da=db=dcである。
【0026】
これに対し、噴孔71a、噴孔71bおよび噴孔71cが形成されている部分における噴孔プレート60の板厚は異なっている。噴孔71aが形成されている部分における噴孔プレート60の板厚はtaである。この板厚taは噴孔プレート60本来の板厚である。噴孔71bが形成されている部分における噴孔プレート60の板厚はtbである。噴孔71cが形成されている部分における噴孔プレート60の板厚はtcである。噴孔プレート60は、噴孔71bおよび噴孔71cが形成されている部分において燃料出口側すなわち反弁ボディ側の端面60a側にそれぞれ凹み部62、63を有している。凹み部62、63は、燃料出口側の端面60aから燃料入口側の端面60bに向けて凹んで形成されている。凹み部62、63は、例えばプレスなどにより各噴孔71a、71b、71cの形成と同時に噴孔プレート60に形成される。
【0027】
凹み部62、63を形成することにより、噴孔71bおよび噴孔71cが形成されている部分における噴孔プレート60の板厚tb、tcは、噴孔プレート60の本来の板厚taと比較して小さくなる。噴孔71bが形成されている部分の凹み部62は、噴孔71cが形成されている部分の凹み部63よりも深い。そのため、噴孔71a、噴孔71bおよび噴孔71cが形成されている部分における噴孔プレート60の板厚は、ta>tc>tbとなる。
【0028】
燃料は、図5の矢印fに示すように噴孔プレート60の外周側から各噴孔71a、71b、71cへ流入する。これにより、各噴孔71a、71b、71cに流入する燃料は、各噴孔71a、71b、71cを形成する噴孔プレート60の内壁面のうち噴孔プレート60の中心軸側の内壁面60cに案内されて各噴孔71a、71b、71c内を流れる。そのため、内壁面60cの全長が長い噴孔71aから噴射される燃料は直進性が高くなる。その結果、噴孔71aの燃料出口から噴射された燃料は、噴孔71aの中心軸に沿った方向へ噴射され、噴孔プレート60の中心軸側へ曲がりにくい。したがって、内壁面60cの全長が長い噴孔71aから噴射された燃料の噴霧の軸と噴孔プレート60の中心軸とがなす角度すなわち噴射角度は大きくなり、噴孔プレート60の中心軸から離れた位置に噴霧が形成される。
【0029】
一方、内壁面60cの全長が噴孔71aよりも短い噴孔71b、71cから噴射される燃料は、噴孔71aから噴射される燃料と比較して直進性が低くなる。そのため、噴孔71b、71cの燃料出口から噴射された燃料は噴孔プレート60の中心軸側へ曲がりやすい。したがって、内壁面60cの全長が短い噴孔71b、71cから噴射された燃料の噴霧の軸と噴孔プレート60の中心軸とがなす角度すなわち噴射角度は小さくなり、噴孔プレート60の中心軸に近い位置に噴霧が形成される。特に、内壁面60cの全長が最も短い噴孔71bから噴射された燃料は、噴孔71cから噴射された燃料よりも噴射角度が小さくなる。
【0030】
噴孔71a、71b、71cが形成される部分における噴孔プレート60の板厚が大きくなるほど、噴孔71a、71b、71cの内壁面60cの全長が大きくなる。そのため、図3に示すように噴孔71aから噴射される燃料の噴霧は、噴孔71bおよび噴孔71cから噴射される燃料の噴霧よりも噴孔プレート60の中心軸から遠い位置に形成される。また、噴孔71bから噴射される燃料の噴霧は、板厚の大きな噴孔71cから噴射される燃料の噴霧よりも噴孔プレート60の中心軸に近い位置に形成される。したがって、燃料の噴霧の位置が噴孔プレート60の中心軸から遠い噴孔71aほど噴孔71aが形成される部分の板厚taが大きくなる。
【0031】
以上説明したように、第1実施形態では、噴孔71a、71b、71c、72a、72b、72c、73a、73b、73c、74a、74b、74cから噴射される燃料の噴霧の位置によって噴孔71a、71b、71c、72a、72b、72c、73a、73b、73c、74a、74b、74cが形成される部分における噴孔プレート60の板厚は異なっている。例えば領域A1の場合、噴孔プレート60の中心軸から遠い位置に燃料を噴射する噴孔71aが形成される部分の板厚taは大きく、中心軸に近い位置に燃料を噴射する噴孔71bが形成される部分の板厚tbは小さくなっている。これにより、噴孔71a、71b、71cの傾斜角度を変更しなくても、板厚を調整することにより噴孔71a、71b、71cから噴射される噴霧の位置を調整することができる。噴孔プレート60の板厚は、噴孔71b、71cが形成される部分に凹み部62、63を形成することにより変更される。そのため、噴孔プレート60の板厚は容易に調整される。その結果、噴孔71a、71b、71cごとに傾斜角度を調整する必要がなく、噴孔71a、71b、71cから噴射される燃料噴霧の位置の調整が容易である。A1以外の領域A2〜A4に形成されている噴孔も同様である。したがって、加工工数を低減することができる。
【0032】
第1実施形態では、外側の噴孔を基準として噴孔プレート60の板厚が決定される。例えば領域A1の場合、噴孔プレート60の板厚は中心軸から遠い位置に燃料を噴射する径方向外側の噴孔71aを形成する部分の板厚taを基準として、噴孔71bおよび噴孔71cを形成する部分の板厚tb、tcが決定される。これにより、噴孔71a、71b、71cの傾斜角度を変更することなく、径方向内側の噴孔71bが形成される部分の板厚tbを小さくすることによって径方向内側の噴孔71bから噴射される噴霧の位置は調整される。噴孔プレート60の板厚は、増大させるよりも減少させる方が容易である。そのため、噴孔プレート60の板厚が大きな噴孔71aを基準とすることにより、噴孔71b、71cを形成する部分の板厚は容易に調整される。A1以外の他の領域A2〜A4に形成されている噴孔も同様である。したがって、噴霧の形成位置を容易に調整することができる。
【0033】
第1実施形態では、複数の噴孔71a、71b、71c、72a、72b、72c、73a、73b、73c、74a、74b、74cの内径は概ね同一である。そのため、各噴孔71a、71b、71c、72a、72b、72c、73a、73b、73c、74a、74b、74cに流入する燃料の量のばらつきが低減される。したがって、複数の噴孔71a、71b、71c、72a、72b、72c、73a、73b、73c、74a、74b、74cを形成する場合でも、均一な噴霧を形成することができる。
【0034】
第1実施形態では、噴孔の燃料出口側に凹み部を形成している。例えば領域A1の場合、噴孔71b、71cの燃料出口側においては、噴孔71b、72cおよび凹部62、63の形状が燃料の流れに与える影響は小さい。A1以外の他の領域A2〜A4に形成されている噴孔も同様である。したがって、噴孔を流れる燃料の量のばらつきが低減され、均一な噴霧を形成することができる。
【0035】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図6に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図6では領域A1に形成されている噴孔71a、71b、71cについて説明する。
第2実施例では、図6に示すように噴孔プレート60は噴孔71a、71b、71cの弁ボディ50側すなわち燃料入口側の端面60b側に凹み部64、65を有している。凹み部64、65は、燃料入口側の端面60b側から燃料出口側の端面60a側に向けて凹んで形成されている。燃料入口側の端面60b側に凹み部64、65を形成することにより、噴孔71a、71b、71cの内部へ流入する燃料の流量の調整は複雑になるものの、噴孔71a、71b、71cの燃料入口側で燃料の流れに乱れが形成される。そのため、燃料は乱れが生じた状態で噴孔71a、71b、71cへ流入し、噴孔71a、71b、71cの内部における燃料の流れは複雑になる。その結果、噴孔71a、71b、71cから噴射される燃料の液膜は分裂する。A1以外の他の領域A2〜A4に形成されている噴孔も同様である。したがって、第2実施形態では燃料の微粒化を促進することができる。
【0036】
(その他の実施形態)
以上、説明した第1実施形態および第2実施形態では、複数の噴孔の長軸を噴孔プレートの中心軸を中心とした放射状に配置する例について説明した。しかし、複数の噴孔は、例えば仮想直線L1または仮想直線L2と平行に長軸を配置してもよい。この場合、凹み部の形状を調整することにより、噴孔における燃料の流れ、噴孔から噴射される噴霧の位置を調整することができる。
また、凹み部は噴孔の燃料入口側または出口側のいずれかに形成するのではなく、燃料入口側および出口側の双方に形成してもよい。
さらに、上記の複数の実施形態では、複数の噴孔を二重の同心円周上に配置する例について説明したが、三重以上の同心円上に配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるインジェクタを示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態によるインジェクタの噴孔プレートを示す図であって、弁ボディ側から噴孔プレートに形成されている噴孔を見た模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるインジェクタの噴孔から噴射される噴霧の形状を説明するための模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるインジェクタの噴孔を示す図であって、(A)は図2のA−A線で切断した断面図であり、(B)は図2のB−B線で切断した断面図であり、(C)は図2のc−c線で切断した断面図である。
【図5】図4に示した噴孔における燃料の流れを示す模式図である。
【図6】本発明の第2実施形態によるインジェクタの噴孔を示す図であって、(A)は図2のA−A線に対応する位置で切断した断面図であり、(B)は図2のB−B線に対応する位置で切断した断面図であり、(C)は図2のc−c線に対応する位置で切断した断面図である。
【符号の説明】
10 インジェクタ(燃料噴射装置)
41 ニードル(弁部材)
42 当接部
50 弁ボディ
51 弁座
53 燃料通路
60 噴孔プレート
62、63、64、65 凹み部
70 噴孔
71a、71b、71c、72a、72b、72c、73a、73b、73c、74a、74b、74c 噴孔

Claims (7)

  1. 燃料通路を形成する内壁面に弁座を有する弁ボディと、
    前記弁座から離座または前記弁座に着座することにより前記燃料通路を開閉する弁部材と、
    前記弁座に対し燃料流れの下流側に設置され、前記弁ボディの中心軸に対する傾斜角度が概ね同一であって前記燃料通路を流れる燃料を噴射する複数の噴孔を有し、前記噴孔から噴射される燃料の噴射角度によって前記噴孔を形成する部分の板厚が異なる噴孔部材と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 前記噴孔部材の板厚は、前記噴射角度が小さな噴孔を形成する部分ほど小さいことを特徴とする請求項1記載の燃料噴射装置。
  3. 前記噴孔部材は、少なくとも一方の端面側から他方の端面側へ凹んで形成されている凹み部を有することを特徴とする請求項1または2記載の燃料噴射装置。
  4. 前記凹み部は、前記噴孔部材の燃料出口側に形成されていることを特徴とする請求項3記載の燃料噴射装置。
  5. 前記複数の噴孔は、概ね同一の内径を有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の燃料噴射装置。
  6. 前記噴孔部材は、少なくとも二重の同心円周上に配置される複数の噴孔を有し、径方向外側の噴孔を形成する部分の板厚が径方向内側の噴孔を形成する部分の板厚よりも大きいことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の燃料噴射装置。
  7. 前記噴孔部材は、中心軸を通り径方向に伸びる直線で二つの領域に分割したとき、一方の領域には少なくとも二つの噴孔を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の燃料噴射装置。
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