JP2004244780A - 形状安定性に優れた有孔樹脂加工繊維構造物の製造方法 - Google Patents

形状安定性に優れた有孔樹脂加工繊維構造物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】布帛の孔寸法や非孔部分の寸法が安定で、柄(目)曲がりも発生しにくく、かつ孔の形状、大きさ、数などの選択の自由度も大きい、形状安定性に優れた有孔樹脂加工繊維構造物を提供する。
【解決手段】少なくとも経(長さ)方向の破断強力が50N/5cm以上である布帛に樹脂付与率が5%以上となるように樹脂加工した後、該布帛に、孔面積0.01〜4200cm/孔、開口率1〜85%、孔数2〜200000孔/mである孔を形成させることを特徴とする形状安定性に優れた有孔樹脂加工繊維構造物の製造方法。但し、樹脂付与率と開口率は次式で求められるものである。
樹脂付与率(%)=(R1−F)×100/R1
開口率(%)=S1×100/(S1+S2)
R1:樹脂付与乾燥後布帛質量、F:樹脂付与前布帛質量
S1:布帛の開口部面積、S2:布帛の非開口部面積
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、優れた幾何学的配列と美観を持つ有孔樹脂加工繊維構造物に関する。
その用途は、特に限定されないが、土木分野における崩落防止材や盛土補強材、海浜埋立用等の補強材、構築物における防風、防雪材、防獣の垣根、遮光材、養殖用の間仕切り等の防御資材、河川・海浜工事における簡易漁礁や簡易堤防等の簡易梱包材、その他、室内インテリアや屋外エクステリア等の用途や遮光材、更にはアウトドアースポーツ等のあらゆる分野にも使用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、有孔樹脂加工構造物には色々な製造方法が確立されている。布帛状態で既に孔を作っておき、これを樹脂加工する方法では、例えば、製織機上で「カラミ組織」、「もしゃ織組織」等に代表される格子形状組織の生地を作り、この生地を樹脂加工する方法である。またラッセル機を使用することで得られる格子形状生地や亀甲目編生地を樹脂加工する方法がある。更に又、不織布製品では、不織布製造工程中に孔を同時に開けてしまい、その後に樹脂加工する方法がある。
しかし「カラミ組織」等の製織で孔を設ける方法は、おおむね四角形形状に限定されるだけでなく、孔サイズが大きくなるほど経糸、緯糸間での滑りや張力不揃いが原因で四角形状が不揃いになり、整然とした孔形状が維持出来ない、経糸や緯糸部分に製織時から存在する隙間が樹脂加工後にも埋まらずに見難い形状になる、樹脂加工後の孔の形が製織時の形と微妙に異なってしまうなどの欠点がある。また、これらの製編織で先に孔を形成させておく方法では、孔サイズや孔の数、孔の形などに関して様々な制約を受ける。さらに、物理的方法で布帛に先に孔を開ける場合、孔を開けてから樹脂加工すると、樹脂加工〜乾燥〜キュア工程の張力や収縮により、孔形状や孔以外の残された部分の形状や寸法が変化しやすく、樹脂加工前と大きく変化してしまうことがある。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】
従来実施されている製編織時に孔を設けた布帛に樹脂加工したり、スパンボンド(SB)のような不織布に孔を設けた後に樹脂加工する方法では、布帛の柄(目)曲がりが発生しやすく、また孔寸法及び非孔部分の寸法変化が大きく、さらには製編織において発生する孔以外の部分の細孔間隙が樹脂加工でも埋められずに間隙となって残ってしまう欠点がある。本発明は、従来にない方法でこれらの欠点を解消しようとするものであり、布帛の孔寸法や非孔部分の寸法が安定するだけでなく、柄(目)曲がりも発生しにくく、細孔間隙もなく、孔の形状、大きさ、数などの選択の自由度も大きい、形状安定性に優れた有孔樹脂加工繊維構造物を提供しようとするものである。
【0004】
【問題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、到達したものである。すなわち、本発明の構成は、以下のとおりである。
1.少なくとも経(長さ)方向の破断強力が50N/5cm以上である布帛に樹脂付与率が5%以上となるように樹脂加工した後、該布帛に、孔面積0.01〜4200cm/孔、開口率1〜85%、孔数2〜200000孔/mである孔を形成させることを特徴とする形状安定性に優れた有孔樹脂加工繊維構造物の製造方法。
但し、樹脂付与率と開口率は次式で求められるものである。
樹脂付与率(%)=(R1−F)×100/R1
開口率(%)=S1×100/(S1+S2)
R1:樹脂付与乾燥後布帛質量、F:樹脂付与前布帛質量
S1:布帛の開口部面積、S2:布帛の非開口部面積
2.布帛が合成繊維であることを特徴とする第1に記載の形状安定性に優れた有孔樹脂加工繊維構造物の製造方法。
3.樹脂が合成樹脂であることを特徴とする第1又は2に記載の形状安定性に優れた有孔樹脂加工繊維構造物の製造方法。
4.樹脂付与方法がディップ法、コート法、ラミネート法、噴霧法、プリント法、粉末溶融法、溶融押出法の少なくとも1法を使用することを特徴とする第1〜3のいずれかに記載の形状安定性に優れた有孔樹脂加工繊維構造物の製造方法。
5.孔の形成方法が、打ち抜き、ナイフカット、高水圧水流カット、溶融カット(レーザーを含む)、鋏切抜き法の少なくとも1法であることを特徴とする第1〜4のいずれかに記載の形状安定性に優れた有孔樹脂加工繊維構造物の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に用いる布帛の繊維素材としては、特に限定されるものではなく、コストや強靭性、易加工性、安定品質面からポリエステル、ナイロン、アクリルなどの合成繊維素材が好ましい。もちろんこれらの繊維はその繊度や断面形状、表面形状等が制限されるものではなく、また着色剤や少なくとも1種以上の機能剤が混合(練り込み及び共重合も含む)されていても良い。また布帛形態としては、織物、編物、不織布またはこれらの一体化したものでも良い。
【0006】
布帛を樹脂加工する樹脂は、布帛に形成された孔の形態を維持するのに役立つ樹脂であれば、特に限定されるものではなく、一般的な接着剤、バインダー、コーティング剤、一般樹脂加工剤などを有孔布帛の用途に応じて適宜使用することができる。また付与樹脂には、着色剤や少なくとも1種類以上の機能剤を混合しても良い。しかし、ダイオキシン発生樹脂や環境ホルモン物質(内分泌撹乱化学物質)発生物質が含まれるものは好んで推奨出来るものではない。
【0007】
樹脂の付与方法は、ディップ法、コート法、ラミネート法、噴霧法、プリント法、粉末溶融法,溶融押出法の中から適宜選択することができる。
付与樹脂の付与時粘度も特に限定されるものでなく、噴霧法ならば水程度の粘度から1,000cps程度までが、ディップ法ならば水程度の粘度から100,000cps付近までが、コート法ならば500〜100,000cps付近までが、プリント法ならば500〜20,000cps付近まで等の樹脂付与方式にあった粘度でよい。ラミネート法はフィルム(膜体状)樹脂であり、粘度には関係ない。溶融法は溶融樹脂の融点以上ならば粘度及び温度に制限しない。
【0008】
樹脂の付与量は、樹脂付与された布帛質量に対する樹脂付与率が5%以上であることが必要である。5%未満では、繊維群を頑丈に固定する樹脂量としては少なすぎて、繊維同士が動きやすい状態になるため、特にナイフ等の刃物使用カット方法では切れ残りが発生しやすく、またカット後にホツレ糸が発生しやすくなる。好ましくは10%以上が良い。なお、樹脂付与率(%)は、以下で求められるものである。
樹脂付与率(%)=(R1−F)×100/R1
R1:樹脂付与乾燥後布帛質量、F:樹脂付与前布帛質量
【0009】
孔の形成方法は、打ち抜き法、ナイフカット法、高水圧水流カット法、溶融カット(レーザーカットを含む)法、鋏切抜き法の少なくとも1法を使用することが好ましく、また孔形状やコストでそれらが適宜選択される。孔の形状については、デザイン面を優先する場合は円や楕円を含む曲面カットが含まれて良い。
【0010】
構造体としての強力を重視する場合は、格子状に配列された正方形〜長方形に開けることが好ましく、このことにより特に織物においては経糸及び緯糸が切断されにくいので望ましい。さらに、この際、これらの方形の四隅部分は鋭角にカットされても良いが、各内角部起因のホツレ防止や裂け目発生を抑制するために、孔の最狭部幅の1/2〜1/10値を半径とする内接円で丸味を持った形状にカットすることが好ましい。 内接円半径が1/2以上でも丸みが無いより好ましいが、一方、1/10未満では丸みが小さくなって鋭角化に近づくことになるため推奨されない。
【0011】
孔を形成させる前の布帛の強力としては、50N/5cm幅以上が望ましい。50N/5cm幅未満では、樹脂加工後に孔を開けることに関しては問題ないが、弱すぎるので用途面で制約を受ける。好ましくは100N/5cm幅以上、より好ましくは300N/5cm幅以上である。
【0012】
開口面積としては、0.01〜4200cm/孔である。0.01cm/孔未満は孔径のコントロールが困難となり孔面積が揃えにくい。好ましくは0.1cm/孔以上である。また4200cm/孔を超えると、棄てる部分が余りにも多すぎるし、残る部分の寄与が少なすぎる。好ましくは1000cm/孔以下、より好ましくは400cm/孔以下である。
【0013】
また開口率としては、1〜85%である。開口率が1%未満では、大きな孔であって孔数/mが少ない場合は問題ないが、極小孔の集合体(粉塵等の捕捉フィルター材のような物)用途には適さない。一方、85%を超えると布帛のほとんどがカットされてしまう訳であり、ロスが大きすぎる。特に布帛が織物製であれば、残った部分の経糸及び緯糸も部分的にカットされている確率が大きくなるために、経方向や緯方向の引張り強力値が予想値より大きく減少する確率が大きくなって非開口部を残す事が困難になってくる(但し、孔数/mが少なくて孔面積/孔が大きい時は可能域になる)。好ましくは3.5%から60%の範囲である。なお、開口率は次式で求められるものである。
開口率(%)=S1×100/(S1+S2)
S1:布帛の開口部面積、S2:布帛の非開口部面積
【0014】
孔の数は、2〜200000孔/mである。1孔/m以下では用途面で期待出来ない。また200000孔/mを超えると孔部意外の場所の残し方が不揃いでその部分の性能に問題が発生して技術的に困難である。好ましくは20〜20000孔/mである。
【0015】
また布帛の形状も特に限定されるものではない。不織布でも可能である。しかし破断強力で50N/5cm未満の布帛では余りにも脆弱すぎていずれの用途にも適さない。基本的には高強力用途に不織布布帛は最適ではない。高強力が求められる時は自ずと織編物になる。特に織物は、経糸、緯糸が 比較的直線的に配置されるために原糸強力寄与率が高いため好ましい。その破断強力は500N/5cm以上が好ましい。この織物の組織については特に限定されるものではない。
【0016】
本発明における繊維構造物で孔の形状については特に限定されないが、引張り強さを要求される時、孔の形状はほぼ四角形が好ましい。しかも四角形は経糸(長さ)方向とそれに直交する緯糸方向に平行であるような辺を有する四角形孔が格子状(市松状でない)に整然と開いていることが経、緯軸の強力の有効利用上好ましい。この時、四角形孔の4角は丸みを持たせても良い。
【0017】
また、該繊維構造物は、樹脂付与で補強布帛に一体性が発生し、破断強力値が若干であるが向上する。ソフトな樹脂付与では不陸部分へのフィット性が良く、硬い樹脂の付与は、その剛性で不陸状態でも平面状を作り出して余分な敷設面積の発生を抑える。また、樹脂付与により、補強材表面に何か硬い物が接触した場合にダメージを防ぎ、敷設時の降雨浸透を防ぎ、又は抑制することができる。さらに、鉄板の如く重くない、錆びない、孔を利用した固定や連結が可能、樹脂中に機能剤を混合して機能目的を発揮させる等の特徴が発揮される。
【0018】
孔の開け方は、ナイフカット法、打ち抜き法、溶融(レーザーカットを含む)法、高水圧水流法、鋏切抜き法の少なくとも1法を使用して開けられる。樹脂付与後の予備乾燥前後(樹脂不完結固着状態)〜本格固着の間で孔開けを行い、その後に本格固着をされても良いものとする。
【0019】
【実施例】
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は何等これらに限定されるものではない。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート(以下PETと記載する)マルチフィラメント1650dtexの3本撚糸を経糸に15本/2.54cm、緯糸に15本/2.54cmとなるように打込んだ平組織織物(目付け550g/m、破断強力の経及び緯方向が8400N/5cm)を黒色に色付けしたアクリル系樹脂(アクロナール2716D:BASFディスパージョン社製)でディップ〜ニップ〜乾燥し、乾燥後の樹脂付着量×100/樹脂付着後質量で20%になるよう付与し、幅105cmの樹脂加工布帛を得た。次にタテ方向及びヨコ方向に0.5cm×0.5cmなる幅で四隅の角の丸みを半径1mmとなるような略正方形孔をタテ、ヨコ方向ともに10mmの距離をおいて格子状に幾何学配置として、打抜き刃方式、レーザー方式でそれぞれ孔を開けた細孔樹脂布帛を得た。
【0020】
(実施例2)
実施例1の樹脂加工布帛を使用して、タテ方向及びヨコ方向に5cm×5cmなる幅で四隅の角の丸みを半径1cmとなるような略正方形孔を5cmの孔でない場所を前後左右に残すよう格子状に幾何学配置として、打抜き刃方法、ナイフ型カッター、レーザーカッター、鋏でそれぞれ孔を開けた略正方形孔樹脂加工布帛を得た。
【0021】
(実施例3)
実施例1と同様に処理した樹脂加工布帛に幅5cm×長さ45cmで、四隅の角の丸みを半径2.5cmとなるような略長楕円形孔を格子状の幾何学的配置になるよう前後左右に5cmのスペースを残す形状に実施例2の4方法でそれぞれ孔を開け、略長楕円形孔樹脂加工布帛を得た。
【0022】
(実施例4)
PETスパンボンド(以下PET−SBと記す)の目付け43g/m、厚さ0.4mm、経(長さ)方向の破断強力が70N/5cm、緯(幅)方向の破断強力が50N/5cmの布帛を実施例1と同様の樹脂で加工し、樹脂付与率20%の樹脂加工布帛を得た。次にこの樹脂加工布帛を実施例1と同様の孔を同配置、同方法で空けた細孔樹脂加工布帛を得た。
【0023】
(実施例5)
実施例4と同じPET―SBの樹脂加工布帛に実施例2と同様の孔を実施例2と同配置、同方法に孔を空けて正方形孔樹脂加工布帛を得た。
【0024】
(実施例6)
実施例4と同じPET―SBの樹脂加工布帛に実施例3と同様の孔を実施例3と同配置、同方法に孔を空けて長方形孔樹脂加工布帛を得た。
【0025】
(比較例1)
実施例1と同様のPETマルチフィラメント1650dtexを使用して孔サイズ及び配置間隔を実施例1に合わせたカラミ織物を実施例1と同様の樹脂で樹脂加工し、細穴樹脂加工布帛を得た。
【0026】
(比較例2)
実施例1と同様のPETマルチフィラメント1650dtexを使用して孔サイズ及び配置間隔を実施例2に合わせたカラミ織物を実施例2と同様の樹脂で樹脂加工し、細穴樹脂加工布帛を得た。
【0027】
(比較例3)
実施例1と同様のPETマルチフィラメント1650dtexを使用して孔サイズ及び配置間隔を実施例3に合わせた製編布帛を緯糸挿入ラッセル機で製編し、実施例3と同様の樹脂で樹脂加工し、長方形孔樹脂加工布帛を得た。
【0028】
(比較例4)
実施例4と同様のPET―SB布帛(未樹脂加工)に、実施例4と同様の孔を実施例4と同配置、同方法で開け、同樹脂にて樹脂加工して細孔樹脂加工布帛を得た。
【0029】
(比較例5)
実施例5同様のPET―SB布帛(未樹脂加工)に、実施例5と同様の孔を実施例5と同配置、同方法で開け、同樹脂にて樹脂加工して正方形孔樹脂加工布帛を得た。
【0030】
(比較例6)
実施例6同様のPET―SB布帛(未樹脂加工)に、実施例6と同様のサイズの長方形孔を同方法、同配置で開け、同樹脂で加工して長方形孔樹脂加工布帛を得た。
【0031】
上述の実施例1〜6、比較例1〜6の結果を下記の表1及び表2にまとめた。
なお、表中の評価記号は、以下のとおりである。
○:満足すべき結果である、 ○〜△:良好である、
△:好ましいとは言えない、 △〜×:不満足である、
×:全く不満足である。
【表1】
Figure 2004244780
【0032】
【表2】
Figure 2004244780
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、従来実施されている製編織時に孔を設けた布帛に樹脂加工したり、SBのような不織布に孔を設けた後に樹脂加工した方法であれば、柄(目)曲がりが発生しやすく、また孔寸法及び非孔部分の寸法変化が大きく、製編織において発生する孔以外の部分の細孔が樹脂加工でも埋められずに細孔間隙となってしまうのに対し、 本発明によれば、布帛を樹脂加工した後に孔を開けるため、孔寸法や非孔部分の寸法が安定するだけでなく、細孔間隙もなく、柄(目)曲がりも樹脂で固定され、形態安定性に優れた有孔樹脂加工布帛を提供できる。
得られた有孔樹脂加工繊維構造物は、様々な用途に使用でき、例えば土木繊維資材としては崩落防止材や盛土補強材、海浜埋立用等の補強目的用途の他に、構築物に於ける防風や防雪材、防獣の垣根、更には遮光材や養殖用の間仕切り等の防御資材にも使用できる。また、縫製した後に石詰めすることにより河川・海浜工事における簡易漁礁や簡易堤防等の簡易梱包材にも使用できる。その他にも室内インテリアや屋外エクステリア等の用途や遮光材、更にはアウトドアースポーツ等にも使用可能である。

Claims (5)

  1. 少なくとも経(長さ)方向の破断強力が50N/5cm以上である布帛に樹脂付与率が5%以上となるように樹脂加工した後、該布帛に、孔面積0.01〜4200cm/孔、開口率1〜85%、孔数2〜200000孔/mである孔を形成させることを特徴とする形状安定性に優れた有孔樹脂加工繊維構造物の製造方法。
    但し、樹脂付与率と開口率は次式で求められるものである。
    樹脂付与率(%)=(R1−F)×100/R1
    開口率(%)=S1×100/(S1+S2)
    R1:樹脂付与乾燥後布帛質量、F:樹脂付与前布帛質量
    S1:布帛の開口部面積、S2:布帛の非開口部面積
  2. 布帛が合成繊維であることを特徴とする請求項1に記載の形状安定性に優れた有孔樹脂加工繊維構造物の製造方法。
  3. 樹脂が合成樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の形状安定性に優れた有孔樹脂加工繊維構造物の製造方法。
  4. 樹脂付与方法がディップ法、コート法、ラミネート法、噴霧法、プリント法、粉末溶融法、溶融押出法の少なくとも1法であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の形状安定性に優れた有孔樹脂加工繊維構造物の製造方法。
  5. 孔の形成方法が、打ち抜き、ナイフカット、高水圧水流カット、溶融カット(レーザーを含む)、鋏切抜き法の少なくとも1法であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の形状安定性に優れた有孔樹脂加工繊維構造物の製造方法。
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