JP2004243870A - チューブレスタイヤ用中子支持体及びその組付方法並びに中子支持体を装着したタイヤホイール組立体 - Google Patents
チューブレスタイヤ用中子支持体及びその組付方法並びに中子支持体を装着したタイヤホイール組立体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】タイヤ形状やリム形状の変更を必要とせず、チューブレスタイヤとホイールとの組立体に対する脱着を容易にしたチューブレスタイヤ用中子支持体及びその組付方法、更にはタイヤホイール組立体を提供する。
【解決手段】周方向に分割された複数の分割片22a〜22cからなる環状の中子22を備え、分割片22a〜22cに対して摺動可能な紐体24で該分割片を環状に連結した中子支持体21を構成する。中子22を分割状態でタイヤ1内に挿入し、紐体24の少なくとも一方の端部をホイール11のリム12に設けた貫通孔13を通してリム外周側からリム内周側に引き出し、タイヤ1を中子22と共にリム12に組み込んだ後、紐体24を引っ張ることで分割片22a〜22cを互いに引き寄せて中子22を環状に組み立て、その状態で紐体24をリム12に対して係止する。
【選択図】 図1
【解決手段】周方向に分割された複数の分割片22a〜22cからなる環状の中子22を備え、分割片22a〜22cに対して摺動可能な紐体24で該分割片を環状に連結した中子支持体21を構成する。中子22を分割状態でタイヤ1内に挿入し、紐体24の少なくとも一方の端部をホイール11のリム12に設けた貫通孔13を通してリム外周側からリム内周側に引き出し、タイヤ1を中子22と共にリム12に組み込んだ後、紐体24を引っ張ることで分割片22a〜22cを互いに引き寄せて中子22を環状に組み立て、その状態で紐体24をリム12に対して係止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チューブレスタイヤ用中子支持体及びその組付方法に関し、さらに詳しくは、タイヤ形状やリム形状の変更を必要とせず、チューブレスタイヤとホイールとの組立体に対する脱着を容易にしたチューブレスタイヤ用中子支持体及びその組付方法に関し、更には中子支持体を装着したタイヤホイール組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、チューブレスタイヤを内圧低下時に内側から支える環状の中子を、ホイールのリム上に装着することが提案されている。このような中子はそのままの形状ではタイヤ内に挿入することが困難であり、またリムフランジを乗り越えることができないので、通常、複数の分割片から構成され、これら分割片をチューブレスタイヤの内部で組み立てるようにしている。
【0003】
その一例として、リム組み作業の途中で、チューブレスタイヤの内部に複数の分割片と締結リングを挿入し、これら分割片を締結リングにより締結することで環状の中子に組み立てることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、締結リングを用いた場合であっても、チューブレスタイヤの内部での中子の組み立て作業は極めて困難である。
【0004】
また、チューブレスタイヤの内部で環状の中子を組み立てた後、サイドリングを備えた平底リムに対して、タイヤと共に中子を滑り込ませることも提案されている。(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この場合、15°テーパーリムのように傾斜したリムを備えたホイールには装着することができないという問題がある。
【0005】
なお、通常のタイヤ形状やリム形状を変更することで中子の組付作業を容易にすることが提案されているが、そのような手法は既存のタイヤやホイールに対して汎用性がないという欠点がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−239814号公報
【特許文献2】
特開平10−211807号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、タイヤ形状やリム形状の変更を必要とせず、チューブレスタイヤとホイールとの組立体に対する脱着を容易にしたチューブレスタイヤ用中子支持体及びその組付方法、更には中子支持体を備えたタイヤホイール組立体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のチューブレスタイヤ用中子支持体は、チューブレスタイヤを内圧低下時に内側から支える中子支持体において、周方向に分割された複数の分割片からなる環状の中子を備え、前記分割片に対して摺動可能な紐体で該分割片を環状に連結したことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のタイヤホイール組立体は、チューブレスタイヤとホイールとの組立体において、周方向に分割された複数の分割片からなる環状の中子を備え、前記分割片に対して摺動可能な紐体で該分割片を環状に連結したチューブレスタイヤ用中子支持体を、前記ホイールのリム上に装着したことを特徴とするものである。
【0010】
更に、本発明のチューブレスタイヤ用中子支持体の組付方法は、周方向に分割された複数の分割片からなる環状の中子を備え、前記分割片に対して摺動可能な紐体で該分割片を環状に連結したチューブレスタイヤ用中子支持体を、チューブレスタイヤとホイールとの組立体に組付ける方法であって、前記中子を分割状態で前記タイヤ内に挿入し、前記紐体の少なくとも一方の端部を前記ホイールのリムに設けた貫通孔を通してリム外周側からリム内周側に引き出し、前記タイヤを前記中子と共にリムに組み込んだ後、前記紐体を引っ張ることで前記分割片を互いに引き寄せて前記中子を環状に組み立て、その状態で前記紐体をリムに対して係止すると共に前記貫通孔を閉塞することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の他のチューブレスタイヤ用中子支持体の組付方法は、周方向に分割された複数の分割片からなる環状の中子を備え、前記分割片に対して摺動可能な紐体で該分割片を環状に連結したチューブレスタイヤ用中子支持体を、チューブレスタイヤとホイールとの組立体に組付ける方法であって、前記中子を分割状態で前記タイヤ内に挿入し、前記紐体の少なくとも一方の端部を前記ホイールのリムに設けた貫通孔を通してリム外周側からリム内周側に引き出し、前記タイヤを前記中子と共にリムに組み込んだ後、前記紐体を引っ張ることで前記分割片を互いに引き寄せて前記中子を環状に組み立て、その状態で各分割片をリムに対してボルトで固定し、次いで前記紐体を前記中子から引き抜いた後で前記貫通孔を閉塞することを特徴とするものである。
【0012】
本発明におけるチューブレスタイヤ用中子支持体は、複数の分割片からなる環状の中子を備え、これら分割片に対して摺動可能な紐体で該分割片を環状に連結したものであるので、中子を分割状態でタイヤ内に簡単に挿入することができ、しかもタイヤを中子と共にリムに組み込む際に分割片の間隔を広げることでリムフランジを簡単に乗り越えることができる。そして、タイヤを中子と共にリムに組み込んだ後、紐体を引っ張ることにより、タイヤ内に収容された分割片を互いに引き寄せて中子を環状に組み立てることができる。
【0013】
その結果、タイヤ形状やリム形状の変更を必要とせずに、チューブレスタイヤとホイールとの組立体に対する中子支持体の脱着を容易に行うことが可能になる。また、本発明のチューブレスタイヤ用中子支持体は、15°テーパーリムのように傾斜したリムを有するホイールにも簡単に装着することができる。
【0014】
本発明において、中子の形状はリムのウエル部の形状に整合させることが好ましい。これにより、紐体の締め付けによってリムに対する中子の位置が自動的に決まる。特に、中子の幅はチューブレスタイヤの左右一対のビード部の内面間隔と一致させることが好ましい。これにより、内圧低下時にビード部が嵌合位置から外れ難くなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1及び図2は本発明の第1実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示し、図3はその中子支持体の組付前の状態を示すものである。図1及び図2において、1はチューブレスタイヤ、11はホイール、21は中子支持体である。チューブレスタイヤ1は、トレッド部2、サイドウォール部3及びビード部4から構成されている。一方、ホイール11はリム12を有し、そのリム12にウエル部13が形成されている。チューブレスタイヤ1のビード部4はリム12のフランジに沿って嵌合されている。
【0017】
中子支持体21は、チューブレスタイヤ1を内圧低下時に内側から支えるものであり、周方向に分割された複数の分割片22a,22b,22cからなる環状の中子22を備えている。これら分割片22a〜22cには中子周方向に連通する複数のガイド穴23が形成され、これらガイド穴23にそれぞれ分割片22a〜22cに対して摺動可能な紐体24が挿入されている。これにより、分割片22a〜22cは環状に連結されている。ガイド穴23は分割片22aの2箇所で中子22の内周面に連通し、紐体24の両端部が中子22の内周側に引き出されている。
【0018】
一方、ホイール11のリム12には紐体24の両端部に対応する位置にそれぞれ貫通孔14が形成されている。そして、紐体24の両端部が貫通孔14を通してリム外周側からリム内周側に引き出されている。図1において、紐体24の両端部にはそれぞれ係止部24aが形成されているが、中子支持体の組付前の状態では紐体24の両端部は中子22の内周側に十分に長く延出するようになっている(図3参照)。
【0019】
紐体24は、少なくとも1本必要であるが、その本数が特に限定されるものではない。紐体24の中子内の位置は特に限定されるものではない。また、紐体24の材質は特に限定されるものではなく、有機繊維コードやスチールコード等のコードを用いることができる。
【0020】
中子22の形状はリム12のウエル部13の形状に整合している。つまり、子午線断面において、中子22はリム12のウエル部13に沿った形状を有し、ウエル部13を塞ぐようになっている。そのため、中子22はウエル部13に落ち込むことでリム幅方向の位置が自動的に決まる。
【0021】
また、中子22の幅W1はチューブレスタイヤ1の左右一対のビード部4,4の内面間隔Wと一致している。そのため、チューブレスタイヤ1の内圧が低下した際に、中子22がビード部4,4の動きを抑えるので、ビード部4,4が嵌合位置から外れ難くなる。
【0022】
リム12のウエル部13には、通常、エアバルブ15が接続されているが、このエアバルブ15の機能を損なうことを回避するために、中子22のバルブ対応位置には開口部25を設けると良い。
【0023】
次に、上述したチューブレスタイヤ用中子支持体の組付方法について説明する。先ず、分割片22a〜22cのガイド穴23に紐体24を通し、その紐体24の両端部を中子22の内周側に引き出した状態にし、中子22を分割状態でチューブレスタイヤ1内に挿入する。次いで、紐体24の両端部をホイール11のリム12に設けた貫通孔14を通してリム外周側からリム内周側に引き出し、チューブレスタイヤ1を中子22と共にリム12に組み込む。このとき、中子22は分割片22a〜22cの間隔を広げることでリムフランジを簡単に乗り越えることができる。
【0024】
その後、紐体24を引っ張ることで分割片22a〜22cを互いに引き寄せて中子22を環状に組み立て、この状態で紐体24をリム12に対して係止すると共に貫通孔14を気密的に閉塞する。例えば、紐体24と貫通孔14との間にゴム部材を噛ませたり、紐体24に適当な係止部材を取り付けることが可能である。紐体24の不要な部分は切断し、必要に応じて紐体24の係止部24aにシーラント等を塗布しても良い。
【0025】
一方、チューブレスタイヤ1をリム12から外すときには、紐体24を切断すれば良い。これにより、中子22及びチューブレスタイヤ1は再び使用することが可能である。紐体24としては新たなものを用意すれば良い。
【0026】
図4及び図5は本発明の第2実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示すものである。図4及び図5において、上記第1実施形態と同一物には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
【0027】
中子支持体31は、チューブレスタイヤ1を内圧低下時に内側から支えるものであり、周方向に分割された複数の分割片32a,32b,32cからなる環状の中子32を備えている。分割片32a〜32cの分割線は、直線状だけでなく、屈曲したものでも良い。これら分割片32a〜32cには中子周方向に延びる複数のガイド部材33Xが付設され、これらガイド部材33Xにそれぞれ分割片32a〜32cに対して摺動可能な紐体34が挿入されている。これにより、分割片32a〜32cは環状に連結されている。分割片32aには中子径方向に延びるガイド穴33が形成され、このガイド穴33を通して紐体34の一方の端部が中子32の内周側に引き出されている。
【0028】
一方、ホイール11のリム12には紐体34の端部に対応する位置に貫通孔14が形成されている。そして、紐体34の端部が貫通孔14を通してリム外周側からリム内周側に引き出されている。図1において、紐体34の両端部にはそれぞれ係止部34aが形成されているが、中子支持体の組付前の状態では紐体34の引き出された端部は中子32の内周側に十分に長く延出するようになっている。
【0029】
紐体34は、少なくとも1本必要であるが、その本数が特に限定されるものではない。紐体34の中子内の位置は特に限定されるものではない。また、紐体34の材質は特に限定されるものではなく、有機繊維コードやスチールコード等のコードを用いることができる。
【0030】
中子32の形状はリム12のウエル部13の形状に整合している。つまり、子午線断面において、中子32はリム12のウエル部13に沿った形状を有し、ウエル部13を塞ぐようになっている。そのため、中子32はウエル部13に落ち込むことでリム幅方向の位置が自動的に決まる。
【0031】
また、中子32の幅W2はチューブレスタイヤ1の左右一対のビード部4,4の内面間隔Wと一致している。そのため、チューブレスタイヤ1の内圧が低下した際に、中子32がビード部4,4の動きを抑えるので、ビード部4,4が嵌合位置から外れ難くなる。
【0032】
リム12のウエル部13には、通常、エアバルブ15が接続されているが、このエアバルブ15の機能を損なうことを回避するために、中子32のバルブ対応位置には開口部35を設けると良い。
【0033】
また、リム12のウエル部13に中子回転防止用のストッパー16を設けると共に、中子32の内周面にストッパー16を受け入れる凹部36を設けるようにすれば、中子32の回転を防止することができる。
【0034】
次に、上述したチューブレスタイヤ用中子支持体の組付方法について説明する。先ず、分割片32a〜32cのガイド穴33及びガイド部材33Xに紐体34を通し、その紐体34の一方の端部を中子32の内周側に引き出した状態にし、中子32を分割状態でチューブレスタイヤ1内に挿入する。次いで、紐体34の端部をホイール11のリム12に設けた貫通孔14を通してリム外周側からリム内周側に引き出し、チューブレスタイヤ1を中子32と共にリム12に組み込む。このとき、中子32は分割片32a〜32cの間隔を広げることでリムフランジを簡単に乗り越えることができる。
【0035】
その後、紐体34を引っ張ることで分割片32a〜32cを互いに引き寄せて中子32を環状に組み立て、この状態で紐体34をリム12に対して係止すると共に貫通孔14を気密的に閉塞する。例えば、紐体34と貫通孔14との間にゴム部材を噛ませたり、紐体34に適当な係止部材を取り付けることが可能である。紐体34の不要な部分は切断し、必要に応じて紐体34の係止部34aにシーラント等を塗布しても良い。
【0036】
一方、チューブレスタイヤ1をリム12から外すときには、紐体34を切断すれば良い。これにより、中子32及びチューブレスタイヤ1は再び使用することが可能である。紐体34としては新たなものを用意すれば良い。
【0037】
図6及び図7は本発明の第3実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示すものである。図6及び図7において、上記第1実施形態と同一物には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
【0038】
中子支持体41は、チューブレスタイヤ1を内圧低下時に内側から支えるものであり、周方向に分割された複数の分割片42a,42b,42cからなる環状の中子42を備えている。分割片42a〜42cの分割線は、直線状だけでなく、屈曲したものでも良い。これら分割片42a〜42cには中子周方向に延びる複数のガイド部材43Xが付設され、これらガイド部材43Xにそれぞれ分割片42a〜42cに対して摺動可能な紐体44が挿入されている。これにより、分割片42a〜42cは環状に連結されている。分割片42aには中子径方向に延びるガイド穴43が形成され、このガイド穴43を通して紐体44の両端部が中子42の内周側に引き出されている。なお、ガイド穴43はボルト孔になっている。また、紐体44の一方の端部には結び目44bが形成され、その結び目44bがガイド部材43Xに係止されている。
【0039】
一方、ホイール11のリム12には周方向に間隔をおいて複数の貫通孔14が形成されている。そして、紐体44の両端部が貫通孔14の1つを通してリム外周側からリム内周側に引き出されている。紐体44の引き出された両端部は中子42の内周側に十分に長く延出するようになっている。
【0040】
紐体44は、少なくとも1本必要であるが、その本数が特に限定されるものではない。紐体44の中子内の位置は特に限定されるものではない。また、紐体44の材質は特に限定されるものではなく、有機繊維コードやスチールコード等のコードを用いることができる。
【0041】
中子42の形状はリム12のウエル部13の形状に整合している。つまり、子午線断面において、中子42はリム12のウエル部13に沿った形状を有し、ウエル部13を塞ぐようになっている。そのため、中子42はウエル部13に落ち込むことでリム幅方向の位置が自動的に決まる。
【0042】
また、中子42の幅W3はチューブレスタイヤ1の左右一対のビード部4,4の内面間隔Wと一致している。そのため、チューブレスタイヤ1の内圧が低下した際に、中子42がビード部4,4の動きを抑えるので、ビード部4,4が嵌合位置から外れ難くなる。
【0043】
リム12のウエル部13には、通常、エアバルブ15が接続されているが、このエアバルブ15の機能を損なうことを回避するために、中子42のバルブ対応位置には開口部45を設けると良い。
【0044】
また、リム12のウエル部13に位置決め用の突起17を設けると共に、中子42の内周面に突起17に整合する凹部46を設けるようにすれば、中子42の周方向の位置を正しく設定することができる。つまり、中子42はリム12の貫通孔14に対応する位置に複数のボルト孔47を備えているので、これらボルト孔47の位置を貫通孔14の位置と一致させるために、上記のような位置決め手段を設けることが好ましい。各ボルト孔47にはリム12を挟んでボルト48が螺合されるが、気密性を高めるためにボルト48とリム12との間には銅ワッシャー等を噛ませることが好ましい。
【0045】
次に、上述したチューブレスタイヤ用中子支持体の組付方法について説明する。先ず、分割片42a〜42cのガイド穴43及びガイド部材43Xに紐体44を通し、その紐体44の両端部を中子42の内周側に引き出した状態にし、中子42を分割状態でチューブレスタイヤ1内に挿入する。次いで、紐体44の端部をホイール11のリム12に設けた貫通孔14を通してリム外周側からリム内周側に引き出し、チューブレスタイヤ1を中子42と共にリム12に組み込む。このとき、中子42は分割片42a〜42cの間隔を広げることでリムフランジを簡単に乗り越えることができる。
【0046】
その後、紐体44を引っ張ることで分割片42a〜42cを互いに引き寄せて中子42を環状に組み立てる。このとき、リム12の位置決め用の突起17と中子42の凹部46とが互いに噛み合い、中子42のボルト孔47の位置とリム12の貫通孔14の位置とが互いに一致する。この状態で貫通孔14を通してボルト48をボルト孔47に螺合することにより、分割片42a〜42bをリム12に対して仮止めする。次いで、紐体44を中子42から引き抜く。そして、ボルト孔を兼用するガイド穴43にもボルト48を螺合し、全てのボルト48を締め込むことにより、分割片42a〜42bをリム12に対して固定すると共に、全ての貫通孔14を気密的に閉塞する。
【0047】
一方、チューブレスタイヤ1をリム12から外すときには、ボルト48を外せば良い。これにより、中子42、紐体44及びチューブレスタイヤ1は再び使用することが可能である。
【0048】
本実施形態では、紐体44を引き出すためのガイド穴43がボルト孔を兼用する場合について説明したが、両者を別々に設けることも可能である。その場合、分割片42a〜42bのリム12への固定が完了した後、紐体44を引き抜き、貫通孔14を気密的に閉塞すれば良い。
【0049】
本発明によれば、タイヤ形状やリム形状の変更を必要とせずに、チューブレスタイヤ1とホイール11との組立体に対する中子支持体21,31,41の脱着を容易に行うことがである。つまり、特殊なリムフランジ形状が不要であるので、従来のチューブレスタイヤにも適用が可能である。但し、本発明のチューブレスタイヤ用中子支持体は、特殊なタイヤ形状又はリム形状の場合にも適用が可能である。
【0050】
また、中子は複数の分割片に分割されていることが必要であるが、分割状態でリムフランジの乗り越えを許容する限りにおいて、それら分割片のうち2個以上をヒンジ等を介して互いに連結しても良い。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、周方向に分割された複数の分割片からなる環状の中子を備え、これら分割片に対して摺動可能な紐体で該分割片を環状に連結したチューブレスタイヤ用中子支持体を用い、中子を分割状態でタイヤ内に挿入し、紐体の少なくとも一方の端部をホイールのリムに設けた貫通孔を通してリム外周側からリム内周側に引き出し、タイヤを中子と共にリムに組み込んだ後、紐体を引っ張ることで分割片を互いに引き寄せて中子を環状に組み立てるようにしたから、タイヤ形状やリム形状の変更を必要とすることなく、タイヤホイール組立体に対する中子支持体の脱着を容易にすることが可能になる。また、本発明のチューブレスタイヤ用中子支持体は、15°テーパーリムのように傾斜したリムを有するホイールにも簡単に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示す一部切り欠き側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示す子午線側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体を示す側面図である。
【図4】本発明の第2実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示す一部切り欠き側面図である。
【図5】本発明の第2実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示す子午線側面図である。
【図6】本発明の第3実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示す一部切り欠き側面図である。
【図7】本発明の第3実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示す子午線側面図である。
【符号の説明】
1 チューブレスタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
11 ホイール
12 リム
13 ウエル部
14 貫通孔
21,31,41 中子支持体
22,32,42 中子
22a〜22c,32a〜32c,42a〜42c 分割片
24,34,44 紐体
【発明の属する技術分野】
本発明は、チューブレスタイヤ用中子支持体及びその組付方法に関し、さらに詳しくは、タイヤ形状やリム形状の変更を必要とせず、チューブレスタイヤとホイールとの組立体に対する脱着を容易にしたチューブレスタイヤ用中子支持体及びその組付方法に関し、更には中子支持体を装着したタイヤホイール組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、チューブレスタイヤを内圧低下時に内側から支える環状の中子を、ホイールのリム上に装着することが提案されている。このような中子はそのままの形状ではタイヤ内に挿入することが困難であり、またリムフランジを乗り越えることができないので、通常、複数の分割片から構成され、これら分割片をチューブレスタイヤの内部で組み立てるようにしている。
【0003】
その一例として、リム組み作業の途中で、チューブレスタイヤの内部に複数の分割片と締結リングを挿入し、これら分割片を締結リングにより締結することで環状の中子に組み立てることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、締結リングを用いた場合であっても、チューブレスタイヤの内部での中子の組み立て作業は極めて困難である。
【0004】
また、チューブレスタイヤの内部で環状の中子を組み立てた後、サイドリングを備えた平底リムに対して、タイヤと共に中子を滑り込ませることも提案されている。(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この場合、15°テーパーリムのように傾斜したリムを備えたホイールには装着することができないという問題がある。
【0005】
なお、通常のタイヤ形状やリム形状を変更することで中子の組付作業を容易にすることが提案されているが、そのような手法は既存のタイヤやホイールに対して汎用性がないという欠点がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−239814号公報
【特許文献2】
特開平10−211807号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、タイヤ形状やリム形状の変更を必要とせず、チューブレスタイヤとホイールとの組立体に対する脱着を容易にしたチューブレスタイヤ用中子支持体及びその組付方法、更には中子支持体を備えたタイヤホイール組立体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のチューブレスタイヤ用中子支持体は、チューブレスタイヤを内圧低下時に内側から支える中子支持体において、周方向に分割された複数の分割片からなる環状の中子を備え、前記分割片に対して摺動可能な紐体で該分割片を環状に連結したことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のタイヤホイール組立体は、チューブレスタイヤとホイールとの組立体において、周方向に分割された複数の分割片からなる環状の中子を備え、前記分割片に対して摺動可能な紐体で該分割片を環状に連結したチューブレスタイヤ用中子支持体を、前記ホイールのリム上に装着したことを特徴とするものである。
【0010】
更に、本発明のチューブレスタイヤ用中子支持体の組付方法は、周方向に分割された複数の分割片からなる環状の中子を備え、前記分割片に対して摺動可能な紐体で該分割片を環状に連結したチューブレスタイヤ用中子支持体を、チューブレスタイヤとホイールとの組立体に組付ける方法であって、前記中子を分割状態で前記タイヤ内に挿入し、前記紐体の少なくとも一方の端部を前記ホイールのリムに設けた貫通孔を通してリム外周側からリム内周側に引き出し、前記タイヤを前記中子と共にリムに組み込んだ後、前記紐体を引っ張ることで前記分割片を互いに引き寄せて前記中子を環状に組み立て、その状態で前記紐体をリムに対して係止すると共に前記貫通孔を閉塞することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の他のチューブレスタイヤ用中子支持体の組付方法は、周方向に分割された複数の分割片からなる環状の中子を備え、前記分割片に対して摺動可能な紐体で該分割片を環状に連結したチューブレスタイヤ用中子支持体を、チューブレスタイヤとホイールとの組立体に組付ける方法であって、前記中子を分割状態で前記タイヤ内に挿入し、前記紐体の少なくとも一方の端部を前記ホイールのリムに設けた貫通孔を通してリム外周側からリム内周側に引き出し、前記タイヤを前記中子と共にリムに組み込んだ後、前記紐体を引っ張ることで前記分割片を互いに引き寄せて前記中子を環状に組み立て、その状態で各分割片をリムに対してボルトで固定し、次いで前記紐体を前記中子から引き抜いた後で前記貫通孔を閉塞することを特徴とするものである。
【0012】
本発明におけるチューブレスタイヤ用中子支持体は、複数の分割片からなる環状の中子を備え、これら分割片に対して摺動可能な紐体で該分割片を環状に連結したものであるので、中子を分割状態でタイヤ内に簡単に挿入することができ、しかもタイヤを中子と共にリムに組み込む際に分割片の間隔を広げることでリムフランジを簡単に乗り越えることができる。そして、タイヤを中子と共にリムに組み込んだ後、紐体を引っ張ることにより、タイヤ内に収容された分割片を互いに引き寄せて中子を環状に組み立てることができる。
【0013】
その結果、タイヤ形状やリム形状の変更を必要とせずに、チューブレスタイヤとホイールとの組立体に対する中子支持体の脱着を容易に行うことが可能になる。また、本発明のチューブレスタイヤ用中子支持体は、15°テーパーリムのように傾斜したリムを有するホイールにも簡単に装着することができる。
【0014】
本発明において、中子の形状はリムのウエル部の形状に整合させることが好ましい。これにより、紐体の締め付けによってリムに対する中子の位置が自動的に決まる。特に、中子の幅はチューブレスタイヤの左右一対のビード部の内面間隔と一致させることが好ましい。これにより、内圧低下時にビード部が嵌合位置から外れ難くなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1及び図2は本発明の第1実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示し、図3はその中子支持体の組付前の状態を示すものである。図1及び図2において、1はチューブレスタイヤ、11はホイール、21は中子支持体である。チューブレスタイヤ1は、トレッド部2、サイドウォール部3及びビード部4から構成されている。一方、ホイール11はリム12を有し、そのリム12にウエル部13が形成されている。チューブレスタイヤ1のビード部4はリム12のフランジに沿って嵌合されている。
【0017】
中子支持体21は、チューブレスタイヤ1を内圧低下時に内側から支えるものであり、周方向に分割された複数の分割片22a,22b,22cからなる環状の中子22を備えている。これら分割片22a〜22cには中子周方向に連通する複数のガイド穴23が形成され、これらガイド穴23にそれぞれ分割片22a〜22cに対して摺動可能な紐体24が挿入されている。これにより、分割片22a〜22cは環状に連結されている。ガイド穴23は分割片22aの2箇所で中子22の内周面に連通し、紐体24の両端部が中子22の内周側に引き出されている。
【0018】
一方、ホイール11のリム12には紐体24の両端部に対応する位置にそれぞれ貫通孔14が形成されている。そして、紐体24の両端部が貫通孔14を通してリム外周側からリム内周側に引き出されている。図1において、紐体24の両端部にはそれぞれ係止部24aが形成されているが、中子支持体の組付前の状態では紐体24の両端部は中子22の内周側に十分に長く延出するようになっている(図3参照)。
【0019】
紐体24は、少なくとも1本必要であるが、その本数が特に限定されるものではない。紐体24の中子内の位置は特に限定されるものではない。また、紐体24の材質は特に限定されるものではなく、有機繊維コードやスチールコード等のコードを用いることができる。
【0020】
中子22の形状はリム12のウエル部13の形状に整合している。つまり、子午線断面において、中子22はリム12のウエル部13に沿った形状を有し、ウエル部13を塞ぐようになっている。そのため、中子22はウエル部13に落ち込むことでリム幅方向の位置が自動的に決まる。
【0021】
また、中子22の幅W1はチューブレスタイヤ1の左右一対のビード部4,4の内面間隔Wと一致している。そのため、チューブレスタイヤ1の内圧が低下した際に、中子22がビード部4,4の動きを抑えるので、ビード部4,4が嵌合位置から外れ難くなる。
【0022】
リム12のウエル部13には、通常、エアバルブ15が接続されているが、このエアバルブ15の機能を損なうことを回避するために、中子22のバルブ対応位置には開口部25を設けると良い。
【0023】
次に、上述したチューブレスタイヤ用中子支持体の組付方法について説明する。先ず、分割片22a〜22cのガイド穴23に紐体24を通し、その紐体24の両端部を中子22の内周側に引き出した状態にし、中子22を分割状態でチューブレスタイヤ1内に挿入する。次いで、紐体24の両端部をホイール11のリム12に設けた貫通孔14を通してリム外周側からリム内周側に引き出し、チューブレスタイヤ1を中子22と共にリム12に組み込む。このとき、中子22は分割片22a〜22cの間隔を広げることでリムフランジを簡単に乗り越えることができる。
【0024】
その後、紐体24を引っ張ることで分割片22a〜22cを互いに引き寄せて中子22を環状に組み立て、この状態で紐体24をリム12に対して係止すると共に貫通孔14を気密的に閉塞する。例えば、紐体24と貫通孔14との間にゴム部材を噛ませたり、紐体24に適当な係止部材を取り付けることが可能である。紐体24の不要な部分は切断し、必要に応じて紐体24の係止部24aにシーラント等を塗布しても良い。
【0025】
一方、チューブレスタイヤ1をリム12から外すときには、紐体24を切断すれば良い。これにより、中子22及びチューブレスタイヤ1は再び使用することが可能である。紐体24としては新たなものを用意すれば良い。
【0026】
図4及び図5は本発明の第2実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示すものである。図4及び図5において、上記第1実施形態と同一物には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
【0027】
中子支持体31は、チューブレスタイヤ1を内圧低下時に内側から支えるものであり、周方向に分割された複数の分割片32a,32b,32cからなる環状の中子32を備えている。分割片32a〜32cの分割線は、直線状だけでなく、屈曲したものでも良い。これら分割片32a〜32cには中子周方向に延びる複数のガイド部材33Xが付設され、これらガイド部材33Xにそれぞれ分割片32a〜32cに対して摺動可能な紐体34が挿入されている。これにより、分割片32a〜32cは環状に連結されている。分割片32aには中子径方向に延びるガイド穴33が形成され、このガイド穴33を通して紐体34の一方の端部が中子32の内周側に引き出されている。
【0028】
一方、ホイール11のリム12には紐体34の端部に対応する位置に貫通孔14が形成されている。そして、紐体34の端部が貫通孔14を通してリム外周側からリム内周側に引き出されている。図1において、紐体34の両端部にはそれぞれ係止部34aが形成されているが、中子支持体の組付前の状態では紐体34の引き出された端部は中子32の内周側に十分に長く延出するようになっている。
【0029】
紐体34は、少なくとも1本必要であるが、その本数が特に限定されるものではない。紐体34の中子内の位置は特に限定されるものではない。また、紐体34の材質は特に限定されるものではなく、有機繊維コードやスチールコード等のコードを用いることができる。
【0030】
中子32の形状はリム12のウエル部13の形状に整合している。つまり、子午線断面において、中子32はリム12のウエル部13に沿った形状を有し、ウエル部13を塞ぐようになっている。そのため、中子32はウエル部13に落ち込むことでリム幅方向の位置が自動的に決まる。
【0031】
また、中子32の幅W2はチューブレスタイヤ1の左右一対のビード部4,4の内面間隔Wと一致している。そのため、チューブレスタイヤ1の内圧が低下した際に、中子32がビード部4,4の動きを抑えるので、ビード部4,4が嵌合位置から外れ難くなる。
【0032】
リム12のウエル部13には、通常、エアバルブ15が接続されているが、このエアバルブ15の機能を損なうことを回避するために、中子32のバルブ対応位置には開口部35を設けると良い。
【0033】
また、リム12のウエル部13に中子回転防止用のストッパー16を設けると共に、中子32の内周面にストッパー16を受け入れる凹部36を設けるようにすれば、中子32の回転を防止することができる。
【0034】
次に、上述したチューブレスタイヤ用中子支持体の組付方法について説明する。先ず、分割片32a〜32cのガイド穴33及びガイド部材33Xに紐体34を通し、その紐体34の一方の端部を中子32の内周側に引き出した状態にし、中子32を分割状態でチューブレスタイヤ1内に挿入する。次いで、紐体34の端部をホイール11のリム12に設けた貫通孔14を通してリム外周側からリム内周側に引き出し、チューブレスタイヤ1を中子32と共にリム12に組み込む。このとき、中子32は分割片32a〜32cの間隔を広げることでリムフランジを簡単に乗り越えることができる。
【0035】
その後、紐体34を引っ張ることで分割片32a〜32cを互いに引き寄せて中子32を環状に組み立て、この状態で紐体34をリム12に対して係止すると共に貫通孔14を気密的に閉塞する。例えば、紐体34と貫通孔14との間にゴム部材を噛ませたり、紐体34に適当な係止部材を取り付けることが可能である。紐体34の不要な部分は切断し、必要に応じて紐体34の係止部34aにシーラント等を塗布しても良い。
【0036】
一方、チューブレスタイヤ1をリム12から外すときには、紐体34を切断すれば良い。これにより、中子32及びチューブレスタイヤ1は再び使用することが可能である。紐体34としては新たなものを用意すれば良い。
【0037】
図6及び図7は本発明の第3実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示すものである。図6及び図7において、上記第1実施形態と同一物には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
【0038】
中子支持体41は、チューブレスタイヤ1を内圧低下時に内側から支えるものであり、周方向に分割された複数の分割片42a,42b,42cからなる環状の中子42を備えている。分割片42a〜42cの分割線は、直線状だけでなく、屈曲したものでも良い。これら分割片42a〜42cには中子周方向に延びる複数のガイド部材43Xが付設され、これらガイド部材43Xにそれぞれ分割片42a〜42cに対して摺動可能な紐体44が挿入されている。これにより、分割片42a〜42cは環状に連結されている。分割片42aには中子径方向に延びるガイド穴43が形成され、このガイド穴43を通して紐体44の両端部が中子42の内周側に引き出されている。なお、ガイド穴43はボルト孔になっている。また、紐体44の一方の端部には結び目44bが形成され、その結び目44bがガイド部材43Xに係止されている。
【0039】
一方、ホイール11のリム12には周方向に間隔をおいて複数の貫通孔14が形成されている。そして、紐体44の両端部が貫通孔14の1つを通してリム外周側からリム内周側に引き出されている。紐体44の引き出された両端部は中子42の内周側に十分に長く延出するようになっている。
【0040】
紐体44は、少なくとも1本必要であるが、その本数が特に限定されるものではない。紐体44の中子内の位置は特に限定されるものではない。また、紐体44の材質は特に限定されるものではなく、有機繊維コードやスチールコード等のコードを用いることができる。
【0041】
中子42の形状はリム12のウエル部13の形状に整合している。つまり、子午線断面において、中子42はリム12のウエル部13に沿った形状を有し、ウエル部13を塞ぐようになっている。そのため、中子42はウエル部13に落ち込むことでリム幅方向の位置が自動的に決まる。
【0042】
また、中子42の幅W3はチューブレスタイヤ1の左右一対のビード部4,4の内面間隔Wと一致している。そのため、チューブレスタイヤ1の内圧が低下した際に、中子42がビード部4,4の動きを抑えるので、ビード部4,4が嵌合位置から外れ難くなる。
【0043】
リム12のウエル部13には、通常、エアバルブ15が接続されているが、このエアバルブ15の機能を損なうことを回避するために、中子42のバルブ対応位置には開口部45を設けると良い。
【0044】
また、リム12のウエル部13に位置決め用の突起17を設けると共に、中子42の内周面に突起17に整合する凹部46を設けるようにすれば、中子42の周方向の位置を正しく設定することができる。つまり、中子42はリム12の貫通孔14に対応する位置に複数のボルト孔47を備えているので、これらボルト孔47の位置を貫通孔14の位置と一致させるために、上記のような位置決め手段を設けることが好ましい。各ボルト孔47にはリム12を挟んでボルト48が螺合されるが、気密性を高めるためにボルト48とリム12との間には銅ワッシャー等を噛ませることが好ましい。
【0045】
次に、上述したチューブレスタイヤ用中子支持体の組付方法について説明する。先ず、分割片42a〜42cのガイド穴43及びガイド部材43Xに紐体44を通し、その紐体44の両端部を中子42の内周側に引き出した状態にし、中子42を分割状態でチューブレスタイヤ1内に挿入する。次いで、紐体44の端部をホイール11のリム12に設けた貫通孔14を通してリム外周側からリム内周側に引き出し、チューブレスタイヤ1を中子42と共にリム12に組み込む。このとき、中子42は分割片42a〜42cの間隔を広げることでリムフランジを簡単に乗り越えることができる。
【0046】
その後、紐体44を引っ張ることで分割片42a〜42cを互いに引き寄せて中子42を環状に組み立てる。このとき、リム12の位置決め用の突起17と中子42の凹部46とが互いに噛み合い、中子42のボルト孔47の位置とリム12の貫通孔14の位置とが互いに一致する。この状態で貫通孔14を通してボルト48をボルト孔47に螺合することにより、分割片42a〜42bをリム12に対して仮止めする。次いで、紐体44を中子42から引き抜く。そして、ボルト孔を兼用するガイド穴43にもボルト48を螺合し、全てのボルト48を締め込むことにより、分割片42a〜42bをリム12に対して固定すると共に、全ての貫通孔14を気密的に閉塞する。
【0047】
一方、チューブレスタイヤ1をリム12から外すときには、ボルト48を外せば良い。これにより、中子42、紐体44及びチューブレスタイヤ1は再び使用することが可能である。
【0048】
本実施形態では、紐体44を引き出すためのガイド穴43がボルト孔を兼用する場合について説明したが、両者を別々に設けることも可能である。その場合、分割片42a〜42bのリム12への固定が完了した後、紐体44を引き抜き、貫通孔14を気密的に閉塞すれば良い。
【0049】
本発明によれば、タイヤ形状やリム形状の変更を必要とせずに、チューブレスタイヤ1とホイール11との組立体に対する中子支持体21,31,41の脱着を容易に行うことがである。つまり、特殊なリムフランジ形状が不要であるので、従来のチューブレスタイヤにも適用が可能である。但し、本発明のチューブレスタイヤ用中子支持体は、特殊なタイヤ形状又はリム形状の場合にも適用が可能である。
【0050】
また、中子は複数の分割片に分割されていることが必要であるが、分割状態でリムフランジの乗り越えを許容する限りにおいて、それら分割片のうち2個以上をヒンジ等を介して互いに連結しても良い。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、周方向に分割された複数の分割片からなる環状の中子を備え、これら分割片に対して摺動可能な紐体で該分割片を環状に連結したチューブレスタイヤ用中子支持体を用い、中子を分割状態でタイヤ内に挿入し、紐体の少なくとも一方の端部をホイールのリムに設けた貫通孔を通してリム外周側からリム内周側に引き出し、タイヤを中子と共にリムに組み込んだ後、紐体を引っ張ることで分割片を互いに引き寄せて中子を環状に組み立てるようにしたから、タイヤ形状やリム形状の変更を必要とすることなく、タイヤホイール組立体に対する中子支持体の脱着を容易にすることが可能になる。また、本発明のチューブレスタイヤ用中子支持体は、15°テーパーリムのように傾斜したリムを有するホイールにも簡単に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示す一部切り欠き側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示す子午線側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体を示す側面図である。
【図4】本発明の第2実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示す一部切り欠き側面図である。
【図5】本発明の第2実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示す子午線側面図である。
【図6】本発明の第3実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示す一部切り欠き側面図である。
【図7】本発明の第3実施形態からなるチューブレスタイヤ用中子支持体をタイヤホイール組立体に組付けた状態を示す子午線側面図である。
【符号の説明】
1 チューブレスタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
11 ホイール
12 リム
13 ウエル部
14 貫通孔
21,31,41 中子支持体
22,32,42 中子
22a〜22c,32a〜32c,42a〜42c 分割片
24,34,44 紐体
Claims (8)
- チューブレスタイヤを内圧低下時に内側から支える中子支持体において、周方向に分割された複数の分割片からなる環状の中子を備え、前記分割片に対して摺動可能な紐体で該分割片を環状に連結したチューブレスタイヤ用中子支持体。
- チューブレスタイヤとホイールとの組立体において、周方向に分割された複数の分割片からなる環状の中子を備え、前記分割片に対して摺動可能な紐体で該分割片を環状に連結したチューブレスタイヤ用中子支持体を、前記ホイールのリム上に装着したタイヤホイール組立体。
- 前記中子の形状を前記リムのウエル部の形状に整合させた請求項2に記載のタイヤホイール組立体。
- 前記中子の幅を前記チューブレスタイヤの左右一対のビード部の内面間隔と一致させた請求項3に記載のタイヤホイール組立体。
- 周方向に分割された複数の分割片からなる環状の中子を備え、前記分割片に対して摺動可能な紐体で該分割片を環状に連結したチューブレスタイヤ用中子支持体を、チューブレスタイヤとホイールとの組立体に組付ける方法であって、前記中子を分割状態で前記タイヤ内に挿入し、前記紐体の少なくとも一方の端部を前記ホイールのリムに設けた貫通孔を通してリム外周側からリム内周側に引き出し、前記タイヤを前記中子と共にリムに組み込んだ後、前記紐体を引っ張ることで前記分割片を互いに引き寄せて前記中子を環状に組み立て、その状態で前記紐体をリムに対して係止すると共に前記貫通孔を閉塞するチューブレスタイヤ用中子支持体の組付方法。
- 周方向に分割された複数の分割片からなる環状の中子を備え、前記分割片に対して摺動可能な紐体で該分割片を環状に連結したチューブレスタイヤ用中子支持体を、チューブレスタイヤとホイールとの組立体に組付ける方法であって、前記中子を分割状態で前記タイヤ内に挿入し、前記紐体の少なくとも一方の端部を前記ホイールのリムに設けた貫通孔を通してリム外周側からリム内周側に引き出し、前記タイヤを前記中子と共にリムに組み込んだ後、前記紐体を引っ張ることで前記分割片を互いに引き寄せて前記中子を環状に組み立て、その状態で各分割片をリムに対してボルトで固定し、次いで前記紐体を前記中子から引き抜いた後で前記貫通孔を閉塞するチューブレスタイヤ用中子支持体の組付方法。
- 前記中子の形状を前記リムのウエル部の形状に整合させた請求項5又は請求項6に記載のチューブレスタイヤ用中子支持体の組付方法。
- 前記中子の幅を前記チューブレスタイヤの左右一対のビード部の内面間隔と一致させた請求項7に記載のチューブレスタイヤ用中子支持体の組付方法。
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