JP2004243496A - 回転工具 - Google Patents

回転工具 Download PDF

Info

Publication number
JP2004243496A
JP2004243496A JP2003037606A JP2003037606A JP2004243496A JP 2004243496 A JP2004243496 A JP 2004243496A JP 2003037606 A JP2003037606 A JP 2003037606A JP 2003037606 A JP2003037606 A JP 2003037606A JP 2004243496 A JP2004243496 A JP 2004243496A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cartridge
tool
rotary tool
concave groove
convex portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003037606A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4289660B2 (ja
Inventor
Shiro Yoshioka
史郎 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tungaloy Corp
Original Assignee
Tungaloy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tungaloy Corp filed Critical Tungaloy Corp
Priority to JP2003037606A priority Critical patent/JP4289660B2/ja
Publication of JP2004243496A publication Critical patent/JP2004243496A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4289660B2 publication Critical patent/JP4289660B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Milling Processes (AREA)

Abstract

【目的】高速切削に用いられる回転工具において、工具本体の強度を低下させることなく部品等の飛散を確実に防止し、作業者等への安全性を改善することを目的とする。
【構成】回転軸線Oを有する工具本体10の外周面10aから突出する切れ刃を設けられたカートリッジ20が固定部材40によって装着される回転工具1において、該回転工具1を先端から見たときに、前記工具本体10のカートリッジ取付溝13には該回転工具1の回転方向K前方側に凹んだ凹溝14が形成され、前記凹溝14には該回転工具1の外周側に位置する係合面14aが形成され、上記カートリッジ20には上記回転方向K前方側に突出した凸部21が形成され、前記凸部21には該回転工具1の外周側に位置する係合面21aが形成され、前記係合面14aが上記凸部21の係合面21aと係合する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、切れ刃を設けたカートリッジなどを装着する回転工具のなかでも特に高速切削に用いられる回転工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム合金やジュラルミン等の非鉄金属の転削加工においては、例えば切削速度が3000m/minを超えるような高速切削加工が増加する傾向にあり、これに伴い上述した回転工具の切削速度は高速化する傾向にある。そのため、従来から工具本体に装着される部品の微動又は飛散防止の対策が講じられてきた。そのような対策を講じた従来工具としては、例えば図6および図7に示すような工具がある。この回転工具は工具本体10とカートリッジ20とチップ座22と駒60等を備える。そして、工具本体10は先端部外周に係合面14aが形成された凹溝14を有するカートリッジ取付溝13と切りくずポケット17とを備えている。カートリッジ20は凸部21とチップ座22と径方向当接面20aとチップ座凹部25を備えている。チップ30は主切れ刃32と正面切れ刃33と凸部37とを有し凸部37がチップ座凹溝25に係合した状態でカートリッジ20に取付けられる。駒60は爪部62と平坦面61とを有し平坦面61がカートリッジ20の径方向当接面20aと密接して工具本体10に固定される。カートリッジ20は凸部21が駒の爪部62とともに工具本体10の係合面14aに係合した状態で固定される。
【0003】
上述した回転工具によれば、工具の回転に伴って発生する遠心力は、常にカートリッジ20の凸部21が工具本体10の凹溝14の係合面14aに係合する方向に付勢することになるので、工具の回転数の増加とともにカートリッジ20を工具本体10に固定する力が増加することとなって工具の回転中に、カートリッジ20が飛散することを防止する。また、工具の回転に伴う遠心力は、常にチップ凸部37がカートリッジ20のチップ座凹溝25の係合面25aに係合する方向に付勢することになるので、工具の回転数の増加とともにチップ30をカートリッジ20に固定する力が増加することとなって工具の回転中に、チップ30が飛散することを防止する。さらに、上記カートリッジ20の凸部21が工具本体10の係合面14aに係合する方向に付勢するとともに、上記駒60の爪部62がカートリッジ20の凸部21とともに工具本体10の凹溝14に嵌合するのでより確実にカートリッジ20を工具本体10の係合面14aに固定する。従って、切削速度が3000m/minを超えるような高速回転においても、カートリッジ20及びチップ30の飛散を防止して、作業者等に対する安全性を向上することができる。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
他の従来工具としては、図8および図9に示すようなものがある。この回転工具の先端外周部にはカートリッジ取付溝13が形成され、前記カートリッジ取付溝13には先端にチップ30を備えたカートリッジ20が装着され、このカートリッジ20は固定ボルト40によって工具本体10に固定される。前記カートリッジ20には前記固定ボルト40よりも先端側の位置で前記チップ30の近傍に、このチップ30の上面と交差する方向に前記カートリッジ20の本体から突出する板状の突出部26が形成される。この突出部26は前記カートリッジ取付溝13の底面に当接され、該工具本体10の径方向で前記突出部26を貫通するねじ挿通穴26aが形成される。該工具本体10には前記ねじ挿通穴26aの開口部に臨み径方向内側に向かうクランプねじ用ねじ穴19が形成され、前記ねじ挿通穴26aにクランプねじ80が挿通されクランプねじ用ねじ穴19に螺合し、該工具本体10に前記カートリッジ20が固定される。
【0005】
上述した回転工具によれば、切れ刃の近傍に工具本体10とカートリッジ20とを固定するクランプねじ80を設けたことによって、工具本体10を高速回転させて被削材を回転切削した場合でも、切れ刃が装着されたカートリッジ20の先端部分が遠心力によって工具本体10の径方向外側に変位することを抑制することができる。これにより被削材の加工面に対して切れ刃が傾いて当接することを防ぎ、回転切削時におけるカートリッジ20の径方向変位に起因した面粗さの悪化を抑制することができ、被削材の仕上がり面品位を向上させることが可能となる。(例えば、特許文献2参照)
【0006】
【特許文献1】
特開平11−000815号公報(第3頁乃至第8頁、図1乃至図12)
【特許文献2】
特開2000−288819号公報(第2頁乃至第4頁、図1乃至図4)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6および図7に示す従来工具においては、カートリッジ20の凸部21に係合するカートリッジ取付溝13の凹溝14が、該工具の回転方向Kの背面側に形成されることから、上記カートリッジ取付溝13の背面側保持部13の肉厚が少なくなってしまう。そのため、外径の小さい回転工具では上記背面側保持部13の強度が著しく低下することとなり、この従来技術におけるカートリッジ飛散防止構造は、外径の小さい回転工具には適用できないという問題があった。
【0008】
また、 図8および図9に示す従来工具は、回転時の遠心力によるカートリッジの飛散を防止する部材は、該工具本体10と別設された固定ねじ40とクランプねじ80であるため、工具本体10に一体的に設けられた耐遠心力構造にくらべると、カートリッジ20の飛散を防止する部材としての強度が充分ではない。また、前記固定ねじ40およびクランプねじ80は該工具本体10の略直径方向に向くねじ穴に螺合されるため、該回転工具の振動等によって前記固定ねじ40またはクランプねじ80の係止が緩んだ場合、どちらか一方にカートリッジ20の遠心力が集中的に作用してしまうこととなり、カートリッジ20の飛散防止部材としての強度はさらに低下してしまう。そのため、カートリッジ20およびチップ30等の動きが生じ、場合によっては破損するおそれがあった。
【0009】
さらに、カートリッジ20を該工具本体10の軸線O方向に移動させ、切れ刃の軸線O方向の突出量の調整を行う場合には、前記固定ねじ40および前記クランプねじ80の両固定部材を操作することとなり、操作性が悪く調整時間が長くかかってしまうという問題があった。
【0010】
本発明の回転工具は、上述した問題に鑑みてなされたもので、その目的は、高速切削に用いられる回転工具において、工具本体の強度を低下させることなく部品等の飛散を確実に防止し、作業者等への安全性を改善することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の回転工具は、上記課題を解決し目的を達成するために、回転軸線を有する工具本体の外周面から突出する切れ刃を設けられたカートリッジが1つの固定部材によって装着され、前記切れ刃が前記工具本体の先端部から突出される回転工具において、該回転工具を先端から見たときに、前記工具本体のカートリッジ取付溝には該回転工具の回転方向前方側に凹んだ凹溝が形成され、前記凹溝には該回転工具の外周側に位置する係合面が形成され、上記カートリッジには上記回転方向前方側に突出した凸部が形成され、前記凸部には該回転工具の外周側に位置する係合面が形成され、前記係合面が上記凸部の係合面と係合することを特徴とする。好ましくは該回転工具を先端から見たときに、前記凹溝および前記凸部の該回転工具の外周側に位置する係合面は、前記カートリッジの該回転工具の回転方向背面側に設けられる背面側当接面に対して0度より大きく180度より小さい角度に形成されることを特徴とする。さらに好ましくは前記凹溝および前記凸部の該回転工具の軸線方向における長さは、前記カートリッジの該回転工具の軸線方向における全長と略同一であり、前記凹溝および前記凸部の横断面形状が略四角形又は円弧状又はU字形又はV字形のいずれかであることを特徴とする。
【0012】
上述した回転工具によれば、該回転工具を高速回転させたときに、カートリッジに設けられた凸部における該回転工具の外周側に位置する係合面が、工具本体のカートリッジ取付溝に設けられた凹溝における上記外周側に位置する係合面と係合するので、カートリッジに生じる遠心力が前記係合面に付勢することとなり、上記カートリッジは上記係合面によって固定され、飛散することがない。そして、上記凸部と上記凹溝の係合面は、該回転工具の軸線方向においてカートリッジのほぼ全長にわたって延設され、広い面積を確保しているので、前記凹溝の係合面に付勢するカートリッジの遠心力に対して充分な強度を有することとなり、カートリッジの飛散を確実に防止することができる。
【0013】
さらに、カートリッジ取付溝の凹溝は該回転工具の回転方向前方側に形成され、上記カートリッジ取付溝の回転方向背面側保持部の肉厚を減少させることがない。特に外径の小さい回転工具において工具本体の強度低下を防止できるので、小径工具への適用が可能となる。
【0014】
また、上記凸部と上記凹溝の係合面における係合以外に、カートリッジを工具本体に固定するのは固定部材1つのみであるため、切れ刃の軸線方向の振れを調整するときのカートリッジの固定にあたっては、前記固定部材のみを操作すればよいので、操作性が良好であり、調整に要する時間も短くなる。
【0015】
上述したように、本発明の回転工具によれば、高速切削に用いられる回転工具において、工具本体の強度を低下させることなく部品等の飛散を確実に防止でき、さらに切れ刃の振れ調整作業が容易になるため、作業者等への安全性および作業性を改善することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。図1(a)および(b)は本発明の一実施形態であり、工具外径63mm、刃数5枚の正面フライスの正面図および側面図である。図2(a)、(b),(c)はそれぞれカートリッジの正面図、側面図、斜視図である。図3(a)は図1におけるX矢視図であり、図3(b)は図1におけるY矢視図である。図4(a)乃至(e)はカートリッジの凸部、および、カートリッジ取付溝の凹溝の横断面形状を示す図である。
【0017】
この実施形態の回転工具1は、図1(a)および(b)に示すように、鋼やアルミニウム合金などからなる工具本体10が軸線Oを中心とする略円筒状をなし、その一端部に基部端面11と軸中心P付近を軸線O方向に貫通する取付穴12が設けられる。前記基部端面11と前記取付穴12がそれぞれ図示しないアーバ又は工作機械主軸等の端面および軸部に係合してボルトなどの固定部材によって固定される。他端部の先端外周部にはカートリッジ取付溝13が外周面10aに沿って少なくとも1つ形成されている。各カートリッジ取付溝13は、図3(a)および(b)に示すように、前記工具本体10の外周面10aおよび先端面10bに開口し軸線Oに沿って形成される。そして、図3(b)のように、前記カートリッジ取付溝13においては、該回転工具の直径方向外側を向く径方向取付面13aと、該回転工具1の回転方向K背面側に背面側取付面13bと、回転方向K前方側に形成される凹溝形成面13cとが形成される。上記凹溝形成面13cの直径方向内側に上記回転工具の回転方向K前方側に凹溝14が形成され、この凹溝14は、横断面形状が角溝状を呈し少なくとも該工具本体10の外周側の位置に平坦な係合面14aが形成される。そして、前記凹溝14は該工具本体10の軸線Oに沿って前記カートリッジ取付溝13とほぼ同じ長さにわたって形成される。
【0018】
前記カートリッジ取付溝13の径方向取付面13aから該工具本体10の直径方向内側に向かって固定ねじ用ねじ穴15が形成され、基部端面11側に長丸状の微調整ねじ取付溝16が連設され、基部端面11側の微調整ねじ取付面16aから該工具本体10の軸線O方向に沿って基部端面11側に微調整ねじ用ねじ穴16bが形成される。前記微調整ねじ用ねじ穴16bには微調整ねじ50が螺合する。
【0019】
前記カートリッジ取付溝13に装着されるカートリッジ20は、図2(a)乃至(c)に示すように、径方向当接面20aと背面側当接面20bと基部側当接面20dとが略平坦な面で形成される。前記背面側当接面20bに対向するチップ座形成面20cから突出するように凸部21が形成され、該カートリッジの全長とほぼ同じ長さにわたって延設される。そして、前記凸部21にはチップ座形成面20c側に向く平坦な係合面21aが形成される。該カートリッジ20の一端部にはチップ座形成面20cに沿ってチップ座22が形成され、前記チップ座22の略中央部にチップ取付ねじ用ねじ穴23が形成される。該カートリッジ20の前記基部側当接面20dの近傍に固定ねじ当接面20eが設けられ、この固定ねじ当接面20eと前記径方向当接面20aとに貫通する固定ねじ挿通穴24が穿設される。前記チップ座22には切れ刃を有するチップ30が装着される。例えば、このチップ30は中央付近に上下面を貫通する中央穴31が形成され、この中央穴31にチップ取付ねじ36が挿通され、前記チップ取付ねじ36が該カートリッジ20の取付ねじ用ねじ穴23に螺合することによって、前記チップ30は該カートリッジ20のチップ座22に固定される。前記チップ30は、例えば主切れ刃32および正面切れ刃33等の切れ刃が焼結ダイヤモンド34からなり、前記焼結ダイヤモンド34が超硬などのチップ台金35にろう付けされたものである。
【0020】
上述したカートリッジ20は、図1(a)における矢印Yの方向から工具本体10のカートリッジ取付溝内13へ挿入され、径方向当接面20aと背面側当接面20bをそれぞれ前記カートリッジ取付溝13の径方向取付面13aと背面側取付面13bとに当接するとともに、微調整ねじ当接面20dが微調整ねじ50のフランジ部51に当接するようにして装着される。そして、該カートリッジ20は、固定ねじ挿通穴24に挿通された固定ねじ40が工具本体10の固定ねじ用ねじ穴15に螺合されて、該工具本体10に固定される。また、前記微調整ねじ50を回転させ該工具本体10の軸線O方向に沿って進出させることによって、該カートリッジ20の微調整ねじ当接面20dが前記微調整ねじ50のフランジ部51に押圧され、正面切れ刃33の突出量が調整される。
【0021】
この実施形態における回転工具1を先端から見たときに、カートリッジ20の径方向当接面20aおよび背面側当接面20bが固定ねじ40によって工具本体10のカートリッジ取付溝13の壁面に密接された状態において、前記カートリッジ20の凸部21の係合面21aと前記カートリッジ取付溝13の凹溝14の係合面14aとは密接している。そうすれば、該回転工具が高速回転したとき、該カートリッジに働く遠心力が前記凹溝14の係合面14aで受け止められることによって、該カートリッジ20の飛散が防止できる。また、前記凸部21の係合面21aと前記凹溝14の係合面14aとはわずかに離間していてもよい。そうすれば、カートリッジ20が遠心力により工具本体10の直径方向外側に微動したときに前記凸部21と前記凹溝14の両係合面21a、14aが密接することとなり、上述したことと同様に該カートリッジ20の飛散が防止できる。
仮に工具本体10と固定ねじ40との螺合が緩んだときにも、上述した作用、効果がなくなることはないので確実にカートリッジ20の飛散が防止できる。
【0022】
そして、該回転工具1の軸線O方向における前記正面切れ刃33の突出量の調整は、微調整ねじ50を回して該回転工具1の軸線Oに沿って先端側に進出させ、該カートリッジ20を押動させることによって行われる。このときカートリッジ20の固定に際しては、1つの固定ねじ40を操作するだけでよいので操作が容易となり作業性が改善される。
【0023】
カートリッジ20の凸部21およびカートリッジ取付溝13の凹溝14は、カートリッジ取付溝13に対して該回転工具1の回転方向K前方側に形成される。そのため、前記カートリッジ取付溝13の背面側保持部13dの肉厚を減少させることがなく、工具本体10強度を低下させることがない。特に工具外径が小さい回転工具においては前記背面側保持部13dが小さくなる傾向にあるため上述した効果はきわめて高くなる。
【0024】
例えば、工具外径40mm、刃数3枚の正面フライスにおいて、背面側保持部13dの強度を比較した例を以下に説明する。図5(a)に示すこの実施形態の工具は、カートリッジ20の凸部21およびカートリッジ取付溝13の凹溝14が前記カートリッジ20に対して該工具本体10の回転方向K前方側に設けられる。一方、図5(b)に示す特許文献1に相当する従来工具は、前記凸部21および前記凹溝14が前記カートリッジ20に対して該工具本体10の回転方向K背面側に設けられる。その他の工具本体10、カートリッジ20、チップ30等の形態は両工具ともに同一とした。本実施形態の回転工具1では、切れ刃に作用する切削抵抗とほぼ同等の力が、おもにカートリッジ取付溝13の背面側取付面13bと径方向取付面13aに作用することから両取付面13b、13aの交差する角部13eに応力集中する。従来工具1aでは、カートリッジ20に働く遠心力とほぼ同等の力がおもにカートリッジ取付溝13の凹溝14の係合面14aに作用することから前記係合面14aの最も背面側に位置する角部14bに応力集中する。図5に示す工具先端視の形状において、上述した応力集中の位置から工具本体10の外周面10aまでの距離を両工具で比較してみると、図5(a)および(b)に示すように距離A1>距離A2となり、本発明の回転工具1は、従来工具1aに対して背面保持部13dが肉厚の減少が抑えられ強度の改善が図られている。
【0025】
この実施例では、カートリッジ取付溝13の凹溝14に設けられる係合面14aおよびカートリッジ20の凸部21の係合面21aと、該カートリッジの背面側当接面20bと、のなす角度αが90度に設定されており、作用する遠心力が前記係合面14aにほぼ垂直に作用する。上述した角度αは0度より大きく180度より小さければ、カートリッジの飛散を防止するという本発明の作用効果を実現可能である。また、前記角度αが90度より小さく又は大きくするほど前記係合面14a、21aに垂直に作用する分力が小さくなるので好ましいが、過度に小さく又は大きくすると、前記係合面14a、21aの面積を確保することが難しくなるので、前記角度αは0度より大きく150度以下とするのが好ましい。さらに好ましくは、前記係合面14a、21aに作用する分力がカートリッジ20を背面側取付面13bから離間させる方向に向かわないようにするため、前記角度αは0度より大きく90度以下とするのがよい。
【0026】
また、前記凹溝14および凸部21の横断面形状が角溝状を呈するものについては、図5(b)および(d)に示すように、溝底の角部が面取り状、円弧状をなすものであってもよい。そうすれば、前記角部の応力集中が緩和され凹溝14の強度向上が図られる。上述したように、前記凹溝14および前記凸部21に形成される係合面14a、21aは、該カートリッジ20の背面側取付面20bとのなす角度αが0度より大きく180度より小さくなるように、前記凹溝14および凸部21の横断面形状は、図5(e)乃至(g)に示すとおりU字形又はV字形又は台形又は又は逆台形状であってもよい。また、上記横断面形状が円弧状であっても、凹溝と凸部とは、該工具本体の外周側に位置する円弧状の係合面で係合することとなり、カートリッジの飛散を防止することができる。
【0027】
なお、以上説明した実施形態に限らず、本発明は正面フライス以外に、例えばシェルエンドミル、エンドミル、サイドカッタ、ボーリングカッタ、ドリル等にも実施可能である。また、チップ30はチップ取付ねじ36を利用してカートリッジ20に固定するとしたが、例えば適宜のくさび等を利用してカートリッジ20に固定してもよい。さらに、正面切れ刃33の突出量を調節するために、カートリッジ20は微調整ねじ50で該回転工具1の軸線O方向に進出可能としたが、これに限定されず、正面切れ刃33の調整機構をもたずロケータを該工具本体10に固定したものであってもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の回転工具によれば、カートリッジに設けられた凸部における該回転工具の外周側に位置する係合面が、工具本体のカートリッジ取付溝に設けられた凹溝における上記外周側に位置する係合面と係合するので、該回転工具を回転させたときに、カートリッジに生じる遠心力が前記係合面に付勢することとなり、上記カートリッジは前記係合面によって固定されるので飛散することがない。そして、上記凸部と上記凹溝の係合面は、該回転工具の軸線方向においてカートリッジのほぼ全長にわたって延設され、広い面積を確保しているので、前記凹溝の係合面に付勢するカートリッジの遠心力に対して充分な強度を有することとなり、カートリッジの飛散を確実に防止することができる。さらに、カートリッジ取付溝の凹溝は該回転工具の回転方向前方側に形成され、上記カートリッジ取付溝の回転方向背面側保持部の肉厚を減少させることがない。特に外径の小さい回転工具において工具本体の強度低下を防止できるので、小径工具への適用が可能となる。また、上記凸部と上記凹溝の係合面における係合以外に、カートリッジを工具本体に固定するのは固定部材1つのみであるため、切れ刃の軸線方向の振れを調整するときのカートリッジの固定にあたっては、前記固定部材のみを操作すればよいので、操作性が良好であり、調整に要する時間も短くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施形態に係る回転工具の正面図である。
(b)本発明の一実施形態に係る回転工具の側面図である。
【図2】(a)図1に示す回転工具に装着されるカートリッジの正面図である。
(b)図1に示す回転工具に装着されるカートリッジの側面図である。
(c)図1に示す回転工具に装着されるカートリッジの斜視図である。
【図3】(a)図1に示す回転工具のカートリッジ取付溝のX矢視図である。
(b)図1に示す回転工具のカートリッジ取付溝のY矢視図である。
【図4】(a)乃至(g) 図1に示す回転工具のカートリッジの凸部、
および、カートリッジ取付溝の凹溝の横断面形状である。
【図5】(a)本発明の一実施形態に係る回転工具の先端面図である。
(b)従来の回転工具の先端面図である。
【図6】従来の回転工具の先端面図である。
【図7】図6に示す回転工具の要部の先端面図である。
【図8】他の従来回転工具の正面図である。
【図9】図8に示す回転工具の要部の正面図である。
【符号の説明】
1 本発明に係る回転工具
1a 従来の回転工具
10 工具本体
10a 外周面
10b 先端面
11 基部端面
12 取付穴
13 カートリッジ取付溝
13a 径方向取付面
13b 背面側取付面
13c 凹溝形成面
13d 背面側保持部
13e 角部
14 凹溝
14a 係合面
14b 角部
15 固定ねじ用ねじ穴
16 微調整ねじ取付溝
16a 微調整ねじ取付面
16b 微調整ねじ用ねじ穴
17 切りくずポケット
18a 固定ねじ用ねじ穴
18b ザグリ穴
19 クランプねじ用ねじ穴
20 カートリッジ
20a 径方向当接面
20b 背面側当接面
20c チップ座形成面
20d 基部側当接面
20e 固定ねじ当接面
21 凸部
21a 係合面
22 チップ座
23 チップ取付ねじ用ねじ穴
24 固定ねじ挿通穴
25 チップ座凹溝
25a 係合面
26 突出部
26a 挿通穴
30 チップ
31 中央穴
32 主切れ刃
33 正面切れ刃
34 焼結ダイヤモンド
35 チップ台金
36 チップ取付ねじ
37 チップ凸部
37a 係合面
40 固定ねじ
50 微調整ねじ
51 フランジ部
60 駒
61 駒当接面
62 爪部
63 平坦面
70 ボルト
80 クランプねじ

Claims (4)

  1. 回転軸線を有する工具本体の外周面から突出する切れ刃を設けられたカートリッジが1つの固定部材によって装着され、前記切れ刃が前記工具本体の先端部から突出される回転工具において、
    該回転工具を先端から見たときに、前記工具本体のカートリッジ取付溝には該回転工具の回転方向前方側に凹んだ凹溝が形成され、
    前記凹溝には該回転工具の外周側に位置する係合面が形成され、
    上記カートリッジには上記回転方向前方側に突出した凸部が形成され、
    前記凸部には該回転工具の外周側に位置する係合面が形成され、
    前記係合面が上記凸部の係合面と係合することを特徴とする回転工具。
  2. 該回転工具を先端から見たときに、前記凹溝および前記凸部の該回転工具の外周側に位置する係合面は、前記カートリッジの該回転工具の回転方向背面側に設けられる背面側当接面に対して0度より大きく180度より小さい角度に形成されることを特徴とする請求項1に記載の回転工具。
  3. 前記凹溝および前記凸部の該回転工具の軸線方向における長さは、前記カートリッジの該回転工具の軸線方向における全長と略同一であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転工具。
  4. 前記凹溝および前記凸部の横断面形状が略四角形又は円弧状又はU字形又はV字形のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の回転工具。
JP2003037606A 2003-02-17 2003-02-17 回転工具 Expired - Lifetime JP4289660B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003037606A JP4289660B2 (ja) 2003-02-17 2003-02-17 回転工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003037606A JP4289660B2 (ja) 2003-02-17 2003-02-17 回転工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004243496A true JP2004243496A (ja) 2004-09-02
JP4289660B2 JP4289660B2 (ja) 2009-07-01

Family

ID=33022349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003037606A Expired - Lifetime JP4289660B2 (ja) 2003-02-17 2003-02-17 回転工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4289660B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018034215A (ja) * 2016-08-29 2018-03-08 京セラ株式会社 切削工具及び切削加工物の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018034215A (ja) * 2016-08-29 2018-03-08 京セラ株式会社 切削工具及び切削加工物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4289660B2 (ja) 2009-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2007142224A1 (ja) 切削工具及び切削インサート
JP2007223020A (ja) インサート式切削工具、インサート、及びインサート式切削工具におけるインサートの固定方法
SK35598A3 (en) Milling cutting insert
KR20080000552A (ko) 기기, 특히 밀링 기기를 위한 커팅 인서트
WO2002032605A1 (fr) Outil de coupe rotatif a pointe jetable
JP4944192B2 (ja) シート部材およびそれを用いた回転工具並びにそれを用いた切削方法
JP2017080864A (ja) 刃先交換式リーマおよびリーマ用インサート
JP3438578B2 (ja) 中ぐりバイト
JP2004243496A (ja) 回転工具
JP3692256B2 (ja) 刃先交換式回転切削工具
JP2001519247A (ja) フライス工具
JP2020104219A (ja) 切削インサートおよび刃先交換式切削工具
JPH11291102A (ja) スローアウェイチップおよび該スローアウェイチップを装着したスローアウェイ式ドリル
JP3835052B2 (ja) 転削工具
JP2000107923A (ja) スローアウェイ式サイドカッター
KR19990036524A (ko) 드로우 어웨이식 엔드밀 및 드로우 어웨이팁
JP6102025B2 (ja) 回転切削工具
JPH0453613A (ja) 面取りカッター
JP2006198749A (ja) スローアウェイ式転削工具
JP2011148056A (ja) 刃先交換式溝入れ工具及び端面溝入れ加工方法
JP3376851B2 (ja) ロータリーバイト
JP2936907B2 (ja) 転削工具
JP5272682B2 (ja) インサート着脱式正面フライス
JP2004114259A (ja) カッターボディ本体、カッターボディ、スローアウェイ式回転工具、及びそのクランプ方法
JP3036382B2 (ja) バイトの取付構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080902

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090330

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090330

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4289660

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140410

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term