JP2004243361A - アルミニウム材又は銅材のエレクトロガスアーク溶接方法 - Google Patents

アルミニウム材又は銅材のエレクトロガスアーク溶接方法 Download PDF

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Masayuki Hirami
正行 平見
Toshiro Uesono
敏郎 上園
Tomoyuki Kamiyama
智之 上山
Hironori Noda
裕紀 野田
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Abstract

【課題】アルミニウム材又は銅材のエレクトロガスアーク溶接方法において、アークスタート直後の溶接ワイヤ5からの溶滴が被溶接材1a、1bの熱伝導性が良いために移行後すぐに凝固してしまい、開先2の底部一面を覆う初期溶融池を形成することができず融合不良が発生する。
【解決手段】本発明は、溶接開始部に被溶接材1a、1b又は溶接ワイヤ5と同じ材質のブロック9を配置し、このブロック9と溶接ワイヤ5との間にアーク6を発生させ、このアーク6によって上記ブロック9を溶融させて初期溶融池を形成し、その後に溶接トーチ4の移動を開始して溶接を行い、上記ブロック9の体積は、このブロック9が溶融して形成される上記初期溶融池が開先2の底部一面を覆うことができる体積であるアルミニウム材又は銅材のエレクトロガスアーク溶接方法である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム材又は銅材のエレクトロガスアーク溶接方法に関し、特に、溶接開始部の融合不良を抑制する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロガスアーク溶接方法は、数十mm程度の厚板の鉄鋼材料から成る継手を効率よく溶接することができる。以下,厚板の鋼材から成る突合せ継手にギャップを設けて開先を形成し、この開先部を立向きでエレクトロガスアーク溶接を行う典型的な場合について図面を参照して説明する(公知文献としては、例えば特許文献1を参照)。
【0003】
図3は、突合せ継手の立向きエレクトロガスアーク溶接の概要図である。被溶接材1a、1bは、十数mm〜数十mmの厚板の鋼材であり、突合せ継手を形成する。継手部には十数mm〜数十mmのギャップを設けて、開先2を形成する。この開先2内に後述するように溶融地を形成し、溶融池がこぼれないようにするために裏当金3a及び図示していない表当金を配置する。これらの当金には、水冷銅板等が使用される。また、開先2の底部にも、タブ板3bをコの字状に配置する。このタブ板3bには、被溶接材1a、1bと同じ材質で同程度の板厚の鋼材が使用される。タブ板3bには、溶融池をこぼれないように底壁となる作用と共に、タブ板3bの開先部分で十分な溶融池を形成して融合不良を防止するための助走区間となる作用もある。
【0004】
溶接トーチ4は、開先2内に挿入されて、溶接ワイヤ5を送給する。そして、溶接ワイヤ5とタブ板3b(開先底部)との間にアーク6が発生する。シールドガスには、炭酸ガス、炭酸ガスとアルゴンガスとの混合ガス等を使用する。アーク6の発生後の溶接の進行状態を図4に示す。同図(A)に示すように、溶接トーチ4を停止したままで、溶接ワイヤ5がアーク6によって溶融して移行し、初期溶融池7aを形成する。この初期溶融池7aは時間経過に伴って次第に大きくなり、開先の底部一面を覆うことになる。この状態でさらにタブ板3b及び被溶接材1a、1bを加熱するために、初期溶融池7aをさらに大きくする。
【0005】
次に、初期溶融池7aが底部全面を覆うように大きくなると、溶融池7が鉛直方向へ上昇を開始する。この溶融池7の上昇速度と略一致するように、溶接トーチ4を数cm/min程度の遅い溶接速度で鉛直方向へ移動させる。溶融池7の下側部分はアーク6からの入熱から遠ざかるために冷却されて凝固する。このときに、被溶接材1a、1bは、溶融池7からの熱伝導によって界面部が溶融し、同図(B)に示すように、溶着金属8が開先内に充填されて、適正な溶け込みを有しかつ融合不良のない健全な溶接部が形成される。
【0006】
上述したように、エレクトロガスアーク溶接では、開先の底部一面を覆う適正な体積を有する溶融池7を形成し、溶接中その状態を維持することが重要である。
【0007】
ところで、特許文献2には、エレクトロガスアーク溶接において、溶接開始部にカットワイヤ、スチールウール又は2mm以下の鋼板を挿入することによって、アークスタート性を良好にすることが記載されている。これは、溶接ワイヤの直径が約3mmを超える場合には、アークスタート性が悪い場合があるために、これを改善するための一般的な方法である。この場合に、挿入する鋼材の板厚は2nn程度以下の薄板である必要がある。この理由は、以下のとおりである。すなわち、挿入鋼材が薄板のときには、この薄板が介在して局所的な小さな種火アークを発生させて定常のアークを誘発することができる。しかし、挿入鋼材が厚くなると、局所的な種火アークを発生させることができないために、アークスタート性は改善させない。上記のカットワイヤ及びスチールウールの場合も同様に、数mm以下の厚みで挿入する。また、カットワイヤ及びスチールウールは全体としての体積中に隙間空間の占める体積が大きいために、溶融後の体積は非常に小さい。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−118024号公報
【特許文献2】
特開2000−141031号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
被溶接材1a、1bが鉄鋼、ステンレス鋼等のように熱伝導性が比較的悪い材料である場合には、図4(A)で上述したように、アークスタート後に溶接ワイヤ5からの溶滴が堆積し、時間経過と共にタブ板3bの底部一面を覆う初期溶融池7aが形成される。そして、図4(B)で上述したように、溶接トーチ4を移動させて溶融池7を移動させ溶接を行う。
【0010】
しかし、被溶接材1a、1bがアルミニウム材又は銅材のように熱伝導性の良い材料である場合には、図5(A)に示すように、アークスタート後の溶接ワイヤ5からの溶滴は、被溶接材1a、1bと同一材質のタブ板3bに移行後すぐに熱を奪われて急速に凝固する。このために、同図(B)に示すように、溶融池7は底部一面に広がることなく凝固して底部中央部に盛り上がった溶着金属8を形成する。そして、この盛り上がった溶着金属8の上部に小さな溶融池7が形成される。このように、底部一面を覆う初期溶融池7aが形成されにくいために、開先部への溶着金属8の充填が不十分となり、かつ、溶融池7からのタブ板3b及び被溶接材1a、1bへの熱伝導も不十分になり、この結果、融合不良が発生しやすくなる。この融合不良は溶接開始部付近に多く発生する。
【0011】
そこで、本発明では、被溶接材の材質がアルミニウム材又は銅材である場合でも、底部一面を覆う初期溶融池を確実に形成することができ、融合不良の発生しないアルミニウム材又は銅材のエレクトロガスアーク溶接方法を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、アルミニウム材又は銅材の被溶接材から成る継手に開先を形成し、溶接トーチから送給された溶接ワイヤをアークによって溶融して前記開先内に溶融池を形成し、前記溶接トーチを移動させることによって前記溶融池を移動させながら溶接するエレクトロガスアーク溶接方法において、
溶接開始部に前記被溶接材又は前記溶接ワイヤと同じ材質のブロックを配置し、このブロックと前記溶接ワイヤとの間にアークを発生させ、このアークによって前記ブロックを溶融させて初期溶融池を形成し、その後に前記溶接トーチの移動を開始して溶接を行い、前記ブロックの体積は、このブロックが溶融して形成される前記初期溶融池が前記開先の底部一面を覆うことができる体積であることを特徴とするアルミニウム材又は銅材のエレクトロガスアーク溶接方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のアルミニウム材又は銅材のエレクトロガスアーク溶接方法を示す概要図である。同図において上述した図3と同一物には同一符号を付してそれらの説明は省略する。以下,図面を参照して説明する。
【0014】
被溶接材1a、1bの材質は、アルミニウム材(合金を含む)又は銅材(合金を含む)である。溶接ワイヤ5の材質は、被溶接材に対応する材質である。本発明では、同図に示すように、ブロック9を溶接開始部であるタブ板3bの底部に配置して挿入する。このブロック9の材質は、被溶接材1a、1b又は溶接ワイヤ5と同一である。さらに、このブロック9の体積は、このブロック9が溶融して形成される初期溶融池が開先2の底部一面を覆うことができる体積である。例えば、被溶接材1a、1bの板厚が数十mmである場合には、ブロック9の幅及び奥行きは開先2と同程度の数十mmにし、高さは10〜30mm程度とする。本発明では、溶接開始後の溶接の進行状態は以下のようになる。
【0015】
▲1▼ アークスタート
同図に示すように、溶接ワイヤ5とブロック9との間にアーク6を発生させる。アークスタート後も溶接トーチ4を停止したままで保持し、アーク6からの熱によってブロック9の温度を上昇させる。
【0016】
▲2▼ 初期溶融池の形成
ブロック9の温度上昇が融点に達すると、ブロック9は急激に溶融して、図2(A)に示すように、初期溶融池7aを短時間で形成する。上述したように、ブロック9の体積は底部一面を覆う体積であるので、初期溶融池7aは開先の底部一面を十分に覆うことになる。この初期溶融池7aからの熱伝導によって、タブ板3b及び被溶接材1a、1bの温度を上昇させると共に、初期溶融池7aとタブ板3bとの界面を溶融する。
【0017】
▲3▼ 溶接トーチの移動
上記のタブ板及び被溶接材の温度上昇並びに界面の溶融が適正状態に達した後に、図2(B)に示すように、溶接トーチ4の鉛直方向への移動を開始する。この移動に伴って溶融池7も鉛直方向に移動し、溶融池7の下部部分はアーク6から離れるために冷却されて凝固して溶着金属8となる。溶接トーチ4の移動が継続されるので、溶着金属8は開先部に完全に充填され、かつ、被溶接材1a、1bとの境界部には適正な溶け込みが得られる。この溶着金属8の上部には底部一面を覆った溶融池7が存在する。上記のようにして溶接が進行する。このように、ブロック9によって底部一面を覆う初期溶融池7aを短時間で確実に形成することができるので、融合不良は発生しない。
【0018】
上記において、溶接ワイヤの直径が太いためにアークスタートが悪い場合には、ブロックの上部に上述したようにカットワイヤ、スチールウール又は2mm以下の鋼板を挿入することもできる。また、上記においては、立向きのエレクトロガスアーク溶接の場合について例示したが、横向きのエレクトロガスアーク溶接でも同様にして本発明を適用することができる。また、被溶接材がアルミニウム材又は銅材でない場合でも、熱伝導性の良い金属であれば、本発明を適用することができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明のアルミニウム材又は銅材のエレクトロガスアーク溶接方法によれば、被溶接材がアルミニウム材又は銅材のように熱伝導性の良い材料であっても、溶接開始部にブロックを配置することによって開先の底部一面を覆う初期溶融池を短時間で形成することができるので、融合不良の発生しない良好な溶接部を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルミニウム材又は銅材のエレクトロガスアーク溶接方法の概要図である。
【図2】本発明のアルミニウム材又は銅材のエレクトロガスアーク溶接方法における溶接の進行状態を示す図である。
【図3】従来技術における鋼材のエレクトロガスアーク溶接方法の概要図である。
【図4】従来技術における鋼材のエレクトロガスアーク溶接方法の溶接進行状態を示す図である。
【図5】課題を説明するために、従来技術のエレクトロガスアーク溶接方法によってアルミニウム材又は銅材を溶接した場合の溶接進行状態図である。
【符号の説明】
1a、1b 被溶接材
2 開先
3a 裏当金
3b タブ板
4 溶接トーチ
5 溶接ワイヤ
6 アーク
7a 初期溶融池
7 溶融池
8 溶着金属
9 ブロック

Claims (1)

  1. アルミニウム材又は銅材の被溶接材から成る継手に開先を形成し、溶接トーチから送給された溶接ワイヤをアークによって溶融して前記開先内に溶融池を形成し、前記溶接トーチを移動させることによって前記溶融池を移動させながら溶接するエレクトロガスアーク溶接方法において、
    溶接開始部に前記被溶接材又は前記溶接ワイヤと同じ材質のブロックを配置し、このブロックと前記溶接ワイヤとの間にアークを発生させ、このアークによって前記ブロックを溶融させて初期溶融池を形成し、その後に前記溶接トーチの移動を開始して溶接を行い、前記ブロックの体積は、このブロックが溶融して形成される前記初期溶融池が前記開先の底部一面を覆うことができる体積であることを特徴とするアルミニウム材又は銅材のエレクトロガスアーク溶接方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106583928A (zh) * 2016-12-29 2017-04-26 西安交通大学 一种用于铜母线不预热光纤激光电弧复合焊接方法
CN108406156A (zh) * 2018-04-09 2018-08-17 沈若松 一种低热输入窄间隙垂直气电立焊方法

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