JP2004243296A - 水処理用フィルタ装置及び水処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水道水、逆浸透膜透過水その他の水を中和し、PH値を一定に保持して弱アルカリ性にする水処理用フィルタ装置を提供する。
【解決手段】水処理用フィルタ1は水入口15及び水出口16を有するハウジング11と、ハウジング内に収容して設けたPH調整用処理器12と、水出口16と連通させてハウジング11内に形成された水合流室13と、水入口15側と水合流室13とを連通させてハウジング11内に形成された水通過用の主通路14とを備える。PH調整用処理器は収容ケース17を備え、このケース内にカルシウム成分を含有する複数個のセラミック固形物18bで構成した第1の水処理剤層18が充填されている。ケース17には水入口側と連通させ、ハウジング内に導入される水の一部をケース内に導入させる分流用の水導入部19と、水合流室と連通した水流出部20とを設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】水処理用フィルタ1は水入口15及び水出口16を有するハウジング11と、ハウジング内に収容して設けたPH調整用処理器12と、水出口16と連通させてハウジング11内に形成された水合流室13と、水入口15側と水合流室13とを連通させてハウジング11内に形成された水通過用の主通路14とを備える。PH調整用処理器は収容ケース17を備え、このケース内にカルシウム成分を含有する複数個のセラミック固形物18bで構成した第1の水処理剤層18が充填されている。ケース17には水入口側と連通させ、ハウジング内に導入される水の一部をケース内に導入させる分流用の水導入部19と、水合流室と連通した水流出部20とを設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水処理用フィルタを備え、水を前記フィルタを通過させて処理する水処理用フィルタ装置及び水処理装置に関する。さらに詳しくは前記フィルタを用い、水道水,井戸水,中空糸膜透過水、或いは逆浸透膜透過水等の水を中和して弱アルカリ性にする水処理用フィルタ装置および水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、身体に好適な水はPH約8弱ないし約8.5程度の弱アルカリ水であると言われている。水道水等の水のPHを調整する手段として、例えば水電解装置を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法により水のPH値を調整することができる。
【0003】
また、現在、水処理方法として逆浸透膜を利用した逆浸透(RO)法が一般に用いられている。このRO法は原水(被処理水)に適当な圧力を掛けて逆浸透膜を透過して原水に含まれている混合物(水分子以外の略全ての物質)を分離除去するシステムである。このRO法による逆浸透膜透過水(RO水)は純水ないし限りなく純水に近い水になり、医療用の無菌水や人工透析用精製水、或いは電子産業における半導体の製造用水等、さまざまな分野で利用されている。
【0004】
上記のようにRO水は純水ないし限りなく純水に近い水であるため電子産業等の分野で利用する水としては最適なものが得られる。しかるに、RO法により逆浸透膜を透過すると原水中に含まれている有効成分、特にカルシウムやマグネシウム等の硬度成分も全て分離除去されるので、PH値が低下して酸性水となる。RO水のPH値は原水の硬度により異なるが、通常の水道水を用いたRO水はPH約5.8〜約6.5、平均約6程度になる。そのため、RO水をそのまま飲料水等として利用することは健康上よくないといわれている。
【0005】
そこで、本発明者は従来のような電解装置等とは別の手段により水道水、井戸水、中空糸膜透過水、或いは逆浸透膜透過水等の水のPH値を調整する方法の開発に着手した。そして、本発明者は研究した結果、水を中和してPH値を調整する処理方法としてカルシウムを用いる方法を考え、カルシウム濾材を用いたフィルタを製造し、水を前記フィルタを通過させて処理する方法を試みた。この方法によると、水が前記濾材と接触して反応し、濾材中を通過する間にカルシウム成分が水に溶出するので、水のPH値は高くなり、アルカリ水化させることができる事実を見出した。
【0006】
しかるに、前記の方法によると、全ての水をカルシウム濾材を通過させるので、水に対するカルシウム成分の溶出量、したがって、水中のカルシウム成分の含有量が多くなり過ぎ、そのためPH値が高く成り過ぎる。処理する水の種類によりPH値に差が生じるが、例えば、水道水等の水を用いて行なった実験の結果では。PH値が12〜約16程度になることが判明した。PH値が高過ぎると、ヒトの健康上において良い結果とはならない。身体に好適な水は上述したように、PH約8弱ないし約8.5程度の範囲である。
また、前述の方法は全ての水をカルシウム濾材を通過させるので、使用当初は前記したようにカルシウム成分の溶出量が多く、その後時間の経過に伴ってカルシウム成分の溶出量が次第に少なくなり、その結果、PH値も次第に低下して弱アルカリ性に中和することができなくなる。
【0007】
上記のように前述の方法では前記フィルタを通過する水のPH値が変化して一定に保持することはできないと共に、長時間に亘り水を安定して弱アルカリ化処理することはできない問題を有している。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−117760号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような実情に鑑み、水道水、井戸水、中空糸膜透過水、或いは逆浸透膜透過水等の水を初期の段階から長期間に亘り、安定、かつ一定に保持させて中和(PH値を調整)し、身体に好適な弱アルカリ性にし得る水処理用フィルタ装置及び水処理装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のうち1つの発明(第1の発明)は、水処理用フィルタを備え、水を前記フィルタを通過させて処理する水処理用フィルタ装置において、前記水処理用フィルタは、水入口及び水出口を有するハウジングと、前記ハウジング内に収容して設けたPH調整用処理器と、前記水出口と連通させて前記ハウジング内に形成された水合流室と、前記入口側と水合流室とを連通させて前記ハウジング内に形成された水通過用の主通路とを備え、前記PH調整用処理器は、収容ケース内に充填した第1の水処理剤層と、前記ケースに設けられ、前記水入口からハウジング内に導入される水の一部を分流させて前記ケース内に導入する分流用の水導入部と、前記ケース内と水合流室側とを連通させて前記ケースに設けた水流出部とを備え、前記水処理剤層はカルシウム成分を含有する複数個のカルシウム成分含有材で構成されていることを特徴とする。
【0011】
第1の発明によれば、水を前記フィルタの水入口へ送給すると、この水はハウジング内の前記主通路を通って水合流室内へ流れる。一方、ハウジング内へ導入された前記水の一部はハウジング内で分流されて前記水導入部から前記処理器のケース内に導入される。そして、この分流導入水は前記水処理剤層を通過し、この分流通過水(この水はPH値が高い)は水流出部から水合流室内へ導出し、前記主通路を通って水合流室内へ導入された前記水と合流される。したがって、前記水入口へ送給した水は前記分流通過水との合流により中和(PH値を調整)され、弱アルカリ水となる。そして、この弱アルカリ水は水出口から流出する。また、一部の水だけを前記層を通過させるので、前記層の水処理剤を長期間にわたり有効に作用させ、安定かつ一定に保持させて前記水を中和してPH値を所望の数値に調整することができる。
【0012】
第1の発明において、前記カルシウム成分含有材は、カルシウム成分を含有するセラミック固形物で構成することができる。前記カルシウム成分を含有する物質の種類は特に限定されるものではないが、例えば珊瑚砂、焼成した珊瑚、焼成した貝化石及び焼成した動物骨等が挙げられ、これらの中から1種又は複数個を選択して採用することができる。前記構成に関しては以下に説明する発明についても同様である。
【0013】
また、第1の発明において、前記水通過用の主通路は、例えば前記水処理用フィルタのハウジングの内周壁面と前記PH調整処理器の前記ケースの外周壁面との間に形成された間隙部等で構成することができる。さらにまた、第1の発明において、前記水導入部及び前記水流出部は、例えばピンホール等で構成することができる。これらの構成に関しては以下に説明する発明についても同様である。
【0014】
本発明のうち他の1つの発明(第2の発明)は、第1の発明において、前記水処理用フィルタの前記水入口側と連結して設けられ、水入口及び水出口を有するハウジング内に第2の水処理剤層を充填した水活性用フィルタをさらに備え、前記第2の水処理剤層は二価三価鉄塩を含有する複数個のセラミック固形物で構成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明のうち、さらに他の1つの発明(第3の発明)は、第1の発明において、前記水活性用フィルタは前記水処理用フィルタの水出口側と連結して設けてあることを特徴とする。
【0016】
前記二価三価鉄塩は近年開発された活性物質で、この活性物質(二価三価鉄塩)は二価鉄と三価鉄との中間の性質を示す単一の化合物、或いは、二価鉄と三価鉄が共存する単一の化合物であると思われる。この二価三価鉄塩は現在工業的に生産可能である(例えば、特公平3−63593号公報、特公平4−27171号公報参照)。
【0017】
前記二価三価鉄塩の活性物質は水と接触することにより、次のような作用を有することが判明している。即ち、通常の水に前記活性物質を超微量(例えば、濃度2×10−12モルないし2×10−18モル)混入することにより、この水溶液(以下、この水溶液を便宜上「パイウォーター」という)は以下のような特性をもつことが判明している。
【0018】
(水分子の構造変化)…通常、水の水分子は水素と酸素の重心がかさならないため、プラス・マイナスの極性が起こる。そのため、水分子が水素結合によってカゴ状に結合するため、カゴの中に炭化水素,メタン,気体等を溶かし込むことになる。これに対し、パイウォーターでは電子スピンによって水分子及び水分子の結合構造を極性分子から無極性分子に変化、即ち、H(水素)とO(酸素)の重心をかさね、双極性を無にする。つまり、プラス及びマイナスを水分子自体が持たなくなり、その結果、通常の水のように炭化水素等を溶かし込むことはなくなる。
【0019】
(脱イオン反応)…通常、水中では金属及び金属塩はイオン解離し、イオン反応を主体とする物質変化が起こるが、パイウォーター中ではプラス・マイナスが無くなるため、金属イオンの脱解離が起こり非イオン反応系を形成する。
【0020】
(病原菌の阻止)…バクテリア等の雑菌は単細胞の微生物でマイナスチャージをもっており、通常水のイオン反応系では生息するがパイウォーター中ではイオン反応を抑制し、雑菌の平衡状態を変化させ増殖はもちろん生息できない環境にする。
【0021】
前記物質は上述したように、水分子の構造を変化させて活性することは実験上証明されている。第2及び第3の発明は上述したように、前記水活性用フィルタを備え、水を前記第2の水処理剤層を通過させるように構成してある。したがって、第2及び第3発明にあっては、水は前記層を通過中、前記セラミック固形物の前記活性物質と接触して反応し、二価三価鉄塩を含有する水となる。このように、第2及び第3の発明によれば第1の発明に加え、二価三価鉄塩の作用による上述した特性を有する水になる。
【0022】
本発明において、前記二価三価鉄塩としては、例えば式、
Fe+2 m Fe+3 n Cl2m+3n(式中m及びnは正の整数を示す)で示される化合物が例示できる。前記式で示される二価三価鉄塩は、例えば、塩化第二鉄を水酸化ナトリウム,水酸化カルシウム,水酸化カリウム,水酸化リチウム等の強アルカリの水溶液に投入して原子価変換を起こさせた場合の遷移形態等として得られる(第1の方法)。この第1の方法による具体的製造方法として、例えば次の工程により得たものを例示する。即ち、塩化第二鉄を強アルカリの水溶液に溶解させる工程、この溶液を中和する工程、この中和した溶液を濃縮する工程、とを含んで製造することができる。
【0023】
また、前記二価三価鉄塩は、三価の鉄塩と二価の金属塩とを混合した溶液によっても得られる。具体的には、例えば三価の鉄塩及び二価の金属塩を所定の比率で含有する所定濃度の希薄水溶液に、第二鉄塩を添加して溶解させ、得られた溶液を濃縮して製造することができる(第2の方法)。前記第二鉄塩としては、例えば塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄を用いることができる。前記二価の金属塩としては、例えば塩化カルシウム,塩化マグネシウム,塩化亜鉛,硫酸マグネシウム,硝酸カルシウム,硝酸マグネシウム,硝酸亜鉛を用いることができる。
【0024】
なお、上記製造方法は一例を示したもので、これに限定されるものではない。また、前記二価三価鉄塩の前記式中のm:nの比は前記化合物製造に用いる物質の種類等により特定の数値をとる。
【0025】
本発明において、前記二価三価鉄塩は、前記式で示される化合物に代え、磁性を帯びた二価三価鉄塩を採用することもできる。前記磁性を帯びた二価三価鉄塩は、電磁気処理による特性と化学処理による特性の両方を同時に兼ね備えた活性物質で、例えば磁鉄鉱を化学処理して得られる。
【0026】
前記磁性を帯びた二価三価鉄塩の活性物質は水と接触することにより、次のような作用を奏する特性を有している。即ち、通常の水に前記活性物質を超微量(濃度2×10−12モル=1/20兆)混入することにより、この物質1/20兆%水溶液は、上述したパイウォーターのもつ特性に加え、電磁気処理した活性水と同様な特性をもち、特にこの活性物質は水に溶解して共存するので、外部から磁場をかけた活性水に比べ水に強く、かつ効果的に作用する。
【0027】
本発明において、前記磁性を帯びた二価三価鉄塩としては、例えば磁鉄鉱を濃塩酸に溶解させた後、この溶液を中和し、この中和した溶液を濃縮して結晶化し、この結晶を、磁鉄鉱を濃塩酸に半溶解させた溶液に加える工程を含んで得られる化合物で構成することができる。前記中和に用いる成分としては、例えば水酸化ナトリウム,水酸化カルシウム,水酸化カリウム,水酸化リチウム等を挙げることができる。なお、前記製造方法は一例を示したもので、これに限定されるものではない。
【0028】
前記二価三価鉄塩の構成等に関しては以下に説明する発明についても同様である。
【0029】
本発明のうち、さらに他の1つの発明(第4の発明)は、第1の発明において、前記水処理用フィルタの前記水入口と前記主通路及び前記水導入部とを連通させて前記ハウジング内に形成した水処理剤収容室をさらに備え、前記第2の水処理剤層は前記収容室内に充填してあることを特徴とする。
【0030】
第4の発明によれば、前記フィルタの水入口から前記ハウジング内に導入される水は前記第2の水処理剤層を通過し、この通過水は前記主通路を通って水合流室内へ流れる。一方、前記通過水の一部は分流されて前記水導入部から前記処理器のケース内に導入され、前記第1の水処理剤層を通過する。そして、この分流通過水(この水はPH値が高い)は第1の発明と同様に水流出部から水合流室内へ導出し、前記主通路を通って水合流室内へ導入された前記水と合流する。したがって、第4の発明によれば第1の発明及び第2,第3の発明の両方の作用効果を同時に兼ね備える。
【0031】
本発明は第4の発明において、前記水処理剤収容室内へ活性炭で構成した第3の水処理剤層をさらに充填して設けた構成(第5の発明)を採用することができる。活性炭は水の悪臭や塩素等を吸収して除去する作用を有していると共に、活性炭で形成された第3の水処理剤層は約1μm以上の物質を吸着、濾過して分離除去する作用を有している。したがって、第5の発明によれば、第4の発明に加え、上述した作用効果を奏する。
【0032】
本発明(第1ないし第5の発明)の水処理用フィルタ装置はそのままで各種の水処理用フィルタ装置として使用される。
【0033】
本発明のうち、他の1つの発明(第6の発明)は、水処理装置であって、前記第1ないし第5の発明のいずれかの水処理用フィルタ装置を用いて構成したことを特徴とする。なお、この明細書において「水処理装置」とは、家庭用活水器及び活水装置、家庭用浄水器及び浄水装置、業務用活水器及び活水装置、業務用浄水器及び浄水装置、或いは浄水と活水の両方の機能を兼ね備えた家庭用及び業務用の水処理器ないし水処理装置等の全てを含む概念として用いられている。
【0034】
第6の発明において、水処理装置はその一例として、前記水処理用フィルタ装置の上流側に連結して設けた逆浸透膜フィルタを備えて構成することができる。(第7の発明)。第7の発明は水道水等の原水(被処理水)を逆浸透膜を透過させ、この逆浸透膜透過水を前記第1ないし第5の発明のいずれかの水処理用フィルタ装置で中和(PH値を調整)し、弱アルカリ化するものである。
【0035】
本発明において、前記逆浸透膜フィルタに使用される逆浸透膜の素材や形態等は何ら限定はなく、全て適応可能である。
【0036】
本発明において、前記水処理装置は被処理水を前記逆浸透膜フィルタ側へ送給するポンプを備えた構成を採用することができる。また、前記水処理用フィルタ装置の下流側と連結して設けた貯水タンクを備えた構成を採用することができる。さらにまた、前記タンク内に二価三価鉄塩を含有する所望数のセラミック固形物を出し入れ自在に収容する構成を採用することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して実施の形態の一例について説明する。図1は本発明の水処理用フィルタの一実施の形態を示す縦断面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は同上装置に採用されるPH調整用処理器の収容ケースの本体部分を示す縦断面図、図4は前記処理器の蓋部材の部分を示す平面図、図5及び図6は図4のB−B線及びC−C線断面図、図7は同上装置に採用される押え部材を示す平面図、図8は図7のD−D線断面図、図9は同上フィルタ装置の作用説明図である。
【0038】
上記図1ないし図9において、この実施の形態(実施の形態1)の水処理用フィルタ装置は水を通過させて処理する水処理用フィルタ1を備えている。
【0039】
前記フィルタ1は、ハウジング11と、PH調整用処理器12と、水合流室13、及び水通過用の主通路14とを備えている。
【0040】
前記ハウジング11は水入口15及び水出口16を有している。図示のハウジング11は一端を閉塞板11bで閉塞し、他端を開口した円筒状の容器本体11aと、容器本体11aの開口他端に気密性を保持させて嵌合した密閉蓋体11cとを備えている。前記水入口15は閉塞板11bに設けてあると共に前記水出口16は前記蓋体11cに設けてある。
【0041】
前記PH調整用処理器12は前記ハウジング11内(図示では容器本体11a内)に収容して設けてある。前記処理器12は収容ケース17と、このケース17内に充填した第1の水処理剤層18と、前記ケース17に設けられ、前記水入口15からハウジング11内へ導入される水の一部を分流させて前記ケース17内に導入する分流用の水導入部19と、前記ケース17内と水合流室13とを連通させて前記ケース17に設けた水流出部20とを備えている。
【0042】
前記収容ケース17は前記処理剤層18を充填して収容するもので、適当な大きさに形成される。この実施の形態の前記ケース17は前記ハウジング11の前記容器本体11aの内径より小径に形成し、一端を閉塞板17bで閉塞し、他端を開口した円筒状のケース本体17aと、ケース本体17aの開口他端にオーリング等のシール部材21を介在し、気密性を保持させて嵌合した蓋部材17cとを備えている。そして、前記処理器12は前記水導入部19側を前記水入口15に位置させると共にハウジング11の内周壁面と前記ケース17の外周壁面との間に間隙部14aを形成して前記ハウジング11内に出し入れ自在に収容されている。
【0043】
実施の形態1の前記処理器12は前記ケース本体17aの前記閉塞板17b側の端部における外周壁に、前記間隙部14aと対応する長さの複数個(図示では4個)のリブ片22が円周方向に略等間隔で突設されている。また、前記蓋部材17cの外周壁にも前記間隙部14aと対応する長さの複数個(図示では6個)のリブ片23が円周方向に略等間隔で突設されている。前記両リブ片22,23は前記ケース17の前記ハウジング11内における横方向の動きを規制するためのものである。これにより、前記ケース17は前記ハウジング11内に横方向への動きを規制して収容される。
【0044】
前記ハウジング11の前記容器本体11a内の前記水入口15側には、前記閉塞板11bとの間に適当な間隔で水受入れ室24を形成してフィルタ部材25が敷設されていると共に前記蓋部材17cの外側にもフィルタ部材26が敷設されている。これにより、前記ケース17は前記両フィルタ部材25及び26で挟まれた状態で前記ハウジング11内に収容されている。前記両フィルタ部材25,26はグラスファイバー、不織布その他の素材で構成されている。
【0045】
また、前記ハウジング11の前記容器本体11a内の開口部側には、容器本体11aの内径と略同径ないし微かに大径に形成されていると共に水流通用の大きな水流通孔28を有する押え部材27が押し入れられ、この押え部材27で前記フィルタ部材26を前記蓋部材17c側へ強く押し付けてある。これにより、前記ケース17は軸方向の動きを規制されて前記容器本体11a内に収容されている。また、押え部材27はハウジング11の前記蓋体11cの先端を当接して押えられている。
【0046】
前記水処理剤層18は、前記ケース17内に充填して設けたカルシウムを含有する複数個のカルシウム成分含有材18aで構成されている。実施の形態1の前記成分含有材18aはカルシウム成分を含有するセラミック固形物18bで構成されている。
【0047】
前記カルシウム成分を含有する物質の種類は特に限定されるものではないが、例えば、珊瑚砂、焼成した珊瑚、焼成した貝化石及び焼成した動物骨等が挙げられ、これらの中から1種又は複数種を選択して採用することができる。また、前記成分含有材18aをセラミック固形物18bで構成する場合には、前記例示した物質の中でも特に焼成した動物骨を粉末化した骨粉を採用するのが最も好ましい。この事実は長期間にわたる研究・実験の成果として判明したものである。
【0048】
前記セラミック固形物18bは任意の方法により適当な大きさ及び形状に形成するもので、実施の形態1ではボール状に形成したものが図示されている。また、セラミック固形物18bは無数の微細な孔(室)を備えた多孔質に形成することが好ましい。なお、セラミック固形物18bの製造方法の具体例については追って説明する。
【0049】
前記水導入部19は、前記水入口15からハウジング11内の水受入れ室24内へ導入される水の一部を分流させて前記ケース17内へ導入するものである。実施の形態1の前記水導入部19は前記ケース17の閉塞板17bの略中心部に設けたピンホール19aで構成されている(図2、図3参照)。実施の形態1では閉塞板17bの中央部に凹部29が形成され、前記ピンホール19aは前記凹部29の略中心に形成されている。また、前記凹部29内にはグラスファイバーその他の任意の素材のフィルタ部材30が設けてある。
【0050】
前記水導入部19(ピンホール19a)の大きさにより水受入れ室24内の水を分流させてケース17内へ導入させる量が決定される。前記ピンホール19aの大きさは適当に決めるものであるが、例えば前記水入口15の内径を約3ないし4ミリ程度に設定する場合には、前記ホール19aの大きさは例えば、直径約0.1ミリないし約0.6ミリ程度の範囲が挙げられる。但し、上記範囲内に限定するものではない。前記例示した範囲内で前記ホール19aの大きさを変えることにより、前記ケース17内への水の分流量(導入量)を調整することができる。
【0051】
前記水流出部20は、前記ケース17内と水合流室13とを連通させ、前記ケース17内の前記水処理剤層18を通過した通過水を水合流室内13へ導出して前記主通路14を通って水合流室13内へ導入する水と合流させるものである。実施の形態1の前記水流出部20は図4ないし図6に詳細に示すように、前記蓋部材17cの略中心部に設けたピンホール20aで構成されている。実施の形態1では蓋部材17cの略中央部に凹部31が形成され、前記ピンホール20aは前記凹部31の略中心に形成されている。また、凹部31内にはグラスファイバーその他の任意の素材のフィルタ部材32が設けてある。前記水流出部20(ピンホール20a)の大きさは前記と同様の範囲に設定することができる。
【0052】
前記水合流室13は前記水出口16と連通して前記ハウジング11内(図示では密閉蓋体11c内)に形成されている。この水合流室13は前記主通路14を通って水出口16方向へ流れる水と前記処理器12内を通過した通過水とを合流させるものである。前記水合流室13は適当な容積に設定することができる。
【0053】
前記水通過用の主通路14は前記水入口15側と水合流室13とを連通させて前記ハウジング11内に形成されている。この主通路14はハウジング11の水入口15から送給される水を前記処理器12の前記ケース17内を通過させないで、そのまま水合流室13内へ導入するものである。実施の形態1の前記主通路14は前記ハウジング11の容器本体11aの内周壁面と前記ケース17の外周壁面との間に形成された前記間隙部14a(図示では円筒状の間隙部)で構成されている。
【0054】
実施の形態1の水処理用フィルタ装置は上記のように構成したものである。この構成により、ハウジング11の水入口15から導入される水道水,井戸水,中空糸膜透過水、或いは逆浸透膜透過水等の水は、図9の矢印で示すように水受入れ室24内に入り、フィルタ部材25を通過し、主通路14を通り、フィルタ部材26、孔28を通って水合流室13内へ導入される。一方、前記過程において、水受入れ室24内へ導入された前記水の一部は前記室24内で分流され、フィルタ部材25、30を通過して水導入部19から前記処理器12の前記ケース17内へ導入される。この分流導入水は前記ケース17内の前記水処理剤層18を通過し、フィルタ部材32を経て水流出部20からケース17外へ流出する。そして、前記水は前記層18を通過中、前記セラミック固形物18bと接触して陽イオン交換(水素イオンが取り入れられ、その分カルシウムイオンが放出される)が行なわれ、中和される。
【0055】
上記のように、前記ケース17内へ導入された前記分流導入水は前記層18を通過する間に中和処理される。そして、前記層18を通過した分流通過水(この通過水はPH値が高い)は上記のように水流出部20から導出され、フィルタ部材26、孔28を通過して水合流室13内へ入り、主通路14を通って水合流室13内へ導入した前記水(前記層18を通過しない主流の水)と合流し、ハウジング11の水出口16から流出する。したがって、前記水は前記分流通過水により中和(PH値を調整)され、弱アルカリ水となる。
【0056】
なお、実施の形態1の前記フィルタ装置は、一般的には前記水出口16側を上部に位置させて縦型の姿勢で配置して使用するようになると思われるが、横型その他任意の姿勢で配置して使用するように構成できること勿論である。前記した姿勢の配置構成については後述する各実施の形態においても同様である。
【0057】
本発明の水処理用フィルタ装置は、実施の形態1に示す構成において、前記リブ片22,23は、例えばケース本体17aのみに設ける等、適当に変更可能なものである。また、前記ケース17の構成も図示以外の構成に変更可能なものである。上記した変形例については後述する実施の形態についても同様である。
【0058】
図10は本発明の水処理用フィルタ装置の他の実施の形態(実施の形態2)の全体構成の概略を示すブロック図、図11は同上装置に採用される水活性用フィルタの一例を示す縦断面図、図12は前記フィルタの作用説明図、図13はセラミック固形物の製造工程を示す説明図である。この水処理用フィルタ装置において、実施の形態1で既に説明した構成と共通する部材には同一の符号を付し、説明は省略する。実施の形態2は前記水処理用フィルタ1と連結して配置した水活性用フィルタ2を備えた構成を特徴とする。
【0059】
前記水活性用フィルタ2は図11に詳細に示すように、水入口42及び水出口43を有するハウジング41と、このハウジング41内に設けた第2の水処理剤層44とを備えている。このフィルタ2は図10に示すように、前記水出口43を管路P1により前記水処理用フィルタ1の前記水入口15と連結して配置されている。
【0060】
図示のハウジング41は一端を閉塞板41bで閉塞し、他端を開口した円筒状の容器本体41aと、容器本体41aの開口他端に気密性を保持して嵌合した密閉蓋体41cとを備えている。前記水入口42は閉塞板41bに設けられ、また、前記水出口43は前記蓋体41cに設けてある。
【0061】
前記第2の水処理剤層44はハウジング41a内に充填して設けた二価三価鉄塩を含有する複数個のセラミック固形物101で構成されている。前記層44の両端にはグラスファイバー、不織布その他の素材よりなるフィルタ部材45、46が敷設されている。
【0062】
前記セラミック固形物101が含有する二価三価鉄塩としては、式Fe+2 mFe+3 n Cl2m+3n(式中m及びnは正の整数を示す)で示される化合物を採用する。
【0063】
前記セラミック固形物101は前記化合物をセラミック基材101aに含有させたものである。前記固形物101は適当な大きさ及び形状に形成するもので、この実施の形態2では図13に詳細に示すように、例えば直径約5〜約15ミリ程度のボール状に形成してある。セラミック基材101aの構成原料は粘土を主材とし、これに所望の添加剤(材)を適量混入する。また、セラミック固形物101は無数の微細な孔(室)を備えた多孔質に形成することが好ましく、その形成手段として、前記基材101aの原料中に適量のおがくずを混入するのが製造上においても簡単である。
【0064】
前記セラミック基材101aの焼成温度は約800℃〜約1100℃程度、焼成時間は特に限定されるものではないが、実験の結果では約10時間〜約30時間程度が好ましいことが判明した。また、基材101aの原料中に混入する二価三価鉄塩の活性物質の量は極く少量で充分であり、例えばセラミック基材101aの原料を混練して所望の大きさ、形状に形成する際に使用する水(蒸留水等がよい)に約100万〜約10億分の1%混入、即ち、前記活性物質を蒸留水等に約100万〜約10億分の1%含有してなる水溶液を粘土材の練り用水として使用することにより目的を達成することができる。但し、前記%の範囲内に限定するものではない。
【0065】
次に前記セラミック固形物101の具体的な製造方法の一例につき説明する。まづ、上述した式で示される二価三価鉄塩は例えば次の方法により製造できる。即ち、1.0mgの塩化第二鉄を100mlの0.5Nカセイソーダ水溶液に入れ、攪拌溶解させて24時間静置する。前記溶液中に生じた不溶性物質を除去し、この溶液を塩酸で中和した後、減圧濃縮してデシケーター中で乾燥結晶化する。得られた結晶に50mlのイソプロピルアルコール80重量%水溶液を加えて再溶解し、減圧濃縮して溶媒を除去、乾燥させ、この再溶解,濃縮,乾燥を数回繰り返すことにより0.25mgの結晶(二価三価鉄塩)を得た。この結晶を蒸留水等で溶解して約1万倍に希釈して前記二価三価鉄塩を含有する原液(原液A)とする。
【0066】
次に前記固形物101は例えば次の方法により製造できる。即ち、図13に示すように、セラミック基材101aの主原料として、粘土(粉末)約70重量%、これに添加剤(材)として、ゼオライト(粉末)約10重量%、アルミナ(粉末)約10重量%、おがくず約10重量%を配合する。そして、上記の原料、即ち、粘土102,ゼオライト103,アルミナ104,おがくず105を図13Aに示すように適当な容器106に入れると共に、これに前記二価三価鉄塩の原液Aを蒸留水等の水で約1000倍〜約1万倍に希釈した希釈液(水溶液)107を適量添加して均一に攪拌混練し、これを所望の大きさ形状(例えば直径約10ミリ程度のボール状)に形成する(図13B参照)。そして、この成形品101bを適当な温度(例えば約800℃〜約1100℃程度)で適当時間(例えば約10時間〜約30時間)焼成する。これにより、前記成形品101bはセラミック状に焼成固化し、また、二価三価鉄塩も同時に焼結してセラミック基材101aに均一に担持され、かつ、おがくずは燃焼してセラミック基材101aには全体的に無数の微細な孔(室)108が形成され、セラミック固形物101が造られる(図13C参照)。
【0067】
実施の形態2において、前記式で示される二価三価鉄塩は次の方法により製造したものを採用することもできる。即ち、濃度10ミリモルの塩化カルシウム水溶液100mlに、塩化第二鉄270mlを添加して溶解させた。この溶液を水(蒸留水)で希釈して、濃度10−10ミリモルの希薄溶液を調製した。この希薄溶液20mlに結晶状態の塩化第二鉄1gを溶解させた後、これを磁器製蒸発皿に入れ、湯煎で徐々に蒸発させて濃縮した。得られた固溶状の濃縮物をデシケーター中で乾燥して結晶(二価三価鉄塩)を得た。この結晶を蒸留水等で溶解して約1万倍に希釈して前記二価三価鉄塩を含有する原液(原液B)とする。そして、前記原液Aに代え、原液Bを用いる以外は上述した方法と同様に処理してセラミック固形物101を製造する。
【0068】
上記により製造したセラミック固形物101は、これを水に入れると、水はセラミック基材101aの前記孔(室)108を通じて基材101a内に浸み込んで前記物質と接触して反応し、前記式で示される二価三価鉄塩を含有する水となる。また、前記物質はセラミック基材101aに一体に焼結して担持されているので、水に一度に溶出することなく、基材内にとどまって長時間にわたり継続的に安定して作用する(有効作用期間は約1〜2年程度)。
【0069】
実施の形態2の水処理用フィルタ装置の水活性用フィルタ2は、ハウジング41内に前記セラミック固形物101を所望数充填して構成した第2の水処理剤層44を備えている。この構成により、ハウジング41の水入口42から導入される水道水,井戸水,中空糸膜透過水、或いは逆浸透膜透過水等の水は、図12に矢印で示すように、フィルタ部材45、前記水処理剤層44、フィルタ部材46を通過して水出口43から流出する。そして、前記水は前記層44を通過中、セラミック固形物101と接触して反応し、前記式で示される二価三価鉄塩を含有する水となる。
【0070】
水活性用フィルタ2の水出口43から流出する前記水は管路P1を通って前記水入口15から水処理用フィルタ1へ導入され、前記と同様に中和(PH値を調整)されて水出口16から流出する。この水は実施の形態1と同様に身体に好適な弱アルカリ性になり、加えて二価三価鉄塩の作用による上述した特性を有する水となる。
【0071】
実施の形態2において、前記二価三価鉄塩は、前記式で示される化合物に代え、磁性を帯びた二価三価鉄塩を採用することもできる。磁性を帯びた二価三価鉄塩は上述したように電磁気処理による特性と化学処理による特性の両方を同時に兼ね備えた活性物質で、この活性物質は例えば次の方法により製造できる。
【0072】
即ち、0.1gの磁鉄鉱を10mlの濃塩酸に入れ、攪拌溶解させて24時間静置する。この溶液に25mlの2N水酸化ナトリウム水溶液を加えて24時間静置し、中和する。この溶液を減圧濃縮して結晶を析出し、空気乾燥器中で結晶を乾燥する。この結晶を10mlのエチルアルコールに入れて洗浄する。この洗浄操作を数回繰り返して結晶を精製し、活性物質(結晶)を得る。この際の収率は0.88gであった。次いで、5gの磁鉄鉱を10mlの濃塩酸に入れ、攪拌して半溶解させた後、上記工程で得られた活性物質結晶を0.1g加え、良く攪拌して24時間静置する。この上澄み液をデカンテーション法により不溶の磁鉄鉱と分離し、活性物質溶液(磁性を帯びた二価三価鉄塩の活性物質の溶液)を得る。
【0073】
そして、前記により得られた活性物質溶液を用い、前記セラミック固形物101と同様の方法により処理して磁性を帯びた二価三価鉄塩を担持させたセラミック固形物を製造する。なお、セラミック固形物の製造に当たり、前記基材101aの原料中に混入する前記活性物質溶液の分量についても前記セラミック固形物101と同様である。なお、この場合には前記溶液を水(蒸留水等)に溶かして原液(原液C)とする。これにより処理した水は実施の形態1と同様に身体に好適な弱アルカリ性になり、加えて磁性を帯びた二価三価鉄塩の作用による上述した特性を有する水になる。
【0074】
図14は本発明の水処理用フィルタ装置のさらに他の実施の形態(実施の形態3)の全体構成の概略を示すブロック図である。この水処理用フィルタ装置において、実施の形態1及び2で既に説明した構成と共通する部材には同一符号を付して説明は省略する。
【0075】
実施の形態3は実施の形態2において、前記水活性用フィルタ2を水処理用フィルタ1の水出口16側と連結して配置した構成を特徴とする。即ち、実施の形態3においては、水活性用フィルタ2は水入口42を管路P2により水処理用フィルタ1の水出口16と連結して配置されている。他の構成については実施の形態2と同様である。この実施の形態3によっても実施の形態2で処理した水と同様の水が得られる。
【0076】
図15は本発明の水処理用フィルタ装置のさらに他の実施の形態(実施の形態4)を示す縦断面図、図16は図15の前記フィルタ装置の作用説明図である。この水処理用フィルタ装置において、実施の形態1及び2で既に説明した構成と共通する部材には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0077】
実施の形態4の水処理用フィルタ装置は前記水処理用フィルタ1と水活性用フィルタ2とを組合せた構成に特徴がある。即ち、実施の形態4は実施の形態1の水処理用フィルタ装置において、前記ハウジング11内に前記PH調整用処理器12と、前記第2の水処理剤層44とを一緒に設けた構成に特徴がある。実施の形態4の水処理用フィルタ装置は水を通過させて処理する水処理用フィルタ1Aを備えている。
【0078】
前記水処理用フィルタ1Aは、前記ハウジング11内の前記水入口側に位置させて、前記水入口15と前記水通過用の主通路14及び前記水導入部19とを連通させて形成した水処理剤収容室33を備えている。そして、前記収容室33内に前記第2の水処理剤層44が充填して収容されている。この水処理剤層44は実施の形態2で開示した二価三価鉄塩を含有する複数個のセラミック固形物101で構成されている。前記層44の前記水入口15側端(図15において下端)にはグラスファイバー、不織布その他の素材よりなるフィルタ部材34が敷設されている。これにより、第2の水処理剤層44は両端を前記フィルタ部材34及び25でサンドイッチ状に挟まれている。また、実施の形態4の前記収容室33内には前記閉塞板11bの内壁面にフィルタ受け体35が突設されている。そして、前記受け体35で前記フィルタ部材34を受け止めている。他の構成は実施の形態1の水処理用フィルタと同様に構成されている。
【0079】
前記PH調整用処理器12の前記収容ケース17内に充填した前記第1の水処理剤層18は上述したように実施の形態1で開示したカルシウム成分を含有する複数個の前記カルシウム成分含有材18aで構成され、このカルシウム成分含有材18aは実施の形態1と同様にカルシウム成分を含有する前記セラミック固形物18bで構成されている。
【0080】
ここで、前記セラミック固形物18bの具体的製造方法の一例につき説明する。前記セラミック固形物18bは実施の形態2で説明した二価三価鉄塩を含有するセラミック固形物101と同様の方法により製造することができる。即ち、例えば、前記セラミック基材101aと同様の材料を前記と同様の割合で配合し、この配合物に対して焼成した動物の骨粉を適当な割合(例えば前記配合物に対して約5重量%ないし約30重量%)で添加する。そして、前記原料を適当な容器に入れ、これに蒸留水等の水を適量添加して均一に攪拌混練し、これを所望の大きさ及び形状(例えば直径約2ミリ〜約5ミリ程度のボール状)に形成する。この場合、前記水として二価三価鉄塩を含有する水を採用してもよい。この水としては上述した二価三価鉄塩の原液(原液A又はB又はC)を例えば約10万倍〜約1000万倍に希釈した希釈液を使用することができる。
【0081】
そして、前記成形品を適当な温度(例えば約800℃〜約1100℃程度)で適当な時間(例えば約10時間〜約30時間)焼成する。これにより前記成形品はセラミック状に焼成固化し、カルシウム成分を含有するセラミック固形物18bが造られる。このセラミック固形物18bは前記セラミック固形物101と同様に、全体的に無数の微細な孔(室)を備えた多孔質に形成される。
【0082】
実施の形態4の水処理用フィルタ装置は上記した構成を具備してなっている。この構成により、ハウジング11の水入口15から導入される水道水,井戸水,中空糸膜透過水、或いは逆浸透膜透過水等の水は、図16に矢印で示すように、フィルタ部材34、収容室33内の第2の水処理剤層44、及びフィルタ部材25を通過し、前記主流路14を通り、フィルタ部材26、孔28を通って水合流室13内へ導入される。そして、前記水は前記層44を通過中、セラミック固形物101と接触して反応し、前記二価三価鉄塩を含有する水となる。
【0083】
一方、前記過程において、前記層44を通過した水の一部は前記室33内で分流され、フィルタ部材25、30を通過して水導入部19から前記水処理器12の前記ケース17内へ導入される。この分流導入水は前記ケース17内の第1の水処理剤層18を通過し、フィルタ部材32を経て水流出部20からケース17外へ流出する。そして、前記水は第1の水処理剤層18を通過中、前記セラミック固形物18bと接触して前記と同様に陽イオン交換が行なわれ、中和される。
【0084】
上記のように、前記ケース17内へ導入された前記分流導入水は前記層18を通過する間に前記と同様に中和処理される。そして、前記層18を通過した分流通過水(この通過水はPH値が高い)は上記したように水流出部20から導出され、フィルタ部材26、孔28を通過して水合流室13内へ入り、主通路14を通って水合流室13内へ導入した前記水(前記層18を通過しない主流の水)と合流し、ハウジング11の水出口16から流出する。したがって、前記水は前記分流通過水により中和(PH値を調整)され、弱アルカリ水となる。このように、実施の形態4によれば、前記フィルタ1Aのハウジング11の水出口16から流出する水は身体に好適な弱アルカリ性になり、加えて二価三価鉄塩の作用による上述した特性を有する水になる。
【0085】
図17は本発明の水処理用フィルタ装置のさらに他の実施の形態(実施の形態5)を示す縦断面図である。実施の形態5は実施の形態4の水処理用フィルタ装置において、前記水処理剤収容室33内に第3の水処理剤層36をさらに充填して設けた構成に特徴がある。
【0086】
即ち、実施の形態5の水処理用フィルタ装置の水処理用フィルタ1Bの前記収容室33内には活性炭で構成した第3の水処理剤層36が充填されている。図17では前記収容室33内の図において前記第2の水処理剤層44の上部側、即ち、第2の水処理剤層44とPH調整用処理器12との間に位置させて、前記第2の水処理剤層44の端面にフェルト材や濾紙その他の素材よりなるフィルタ部材37を介在して第3の水処理剤層36を充填した例が開示されている。他の構成は実施の形態4の水処理用フィルタ1Aと同様であるため、同一構成部には同一符号を付して説明を省略する。
【0087】
実施の形態5の水処理用フィルタ装置は上記のように構成されている。これにより実施の形態4のフィルタ装置の作用に加え、既に説明した活性炭による作用で処理された水になる。
【0088】
図18は本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置の一実施の形態の全体構成の概略を示すブロック図、図19は同上装置に使用される逆浸透膜フィルタの一例を示す縦断面図、図20は同上フィルタの逆浸透膜エレメントの構成を説明するために示す説明図、図21は前記フィルタの逆浸透膜部分を示す縦断面図である。この実施の形態(実施の形態6)の水処理装置は実施の形態1の水処理用フィルタ装置(図1ないし図9に開示したフィルタ装置)を用いて構成した水処理装置である。この水処理装置において、実施の形態1で既に説明した構成と共通する部材には同一符号を付して説明は省略する。
【0089】
上記図18ないし図21において、この実施の形態6の水処理装置は、図18に示すように、一次フィルタ3と、このフィルタ3と管路P3で連結した二次フィルタ4と、このフィルタ4と管路P4で連結した逆浸透膜フィルタ5と、このフィルタ5と管路P5で連結した前記水処理用フィルタ1と、このフィルタ1と管路P6で連結した貯水タンク6とを備えている。
【0090】
前記一次フィルタ3は一次処理用のフィルタで、炭素繊維等のフィルタ素子が内臓され、約5μm以上の物質を濾過して分離除去するように構成されている。このフィルタ3は入口部3aを原水供給部7(水道等の蛇口等)と管路P7で連結され、原水(水道水等)を前記フィルタ3へ圧力導入するように構成してある。これにより、原水は前記フィルタ3を通して鉄錆や水垢等の比較的大きめ(約5μm以上)の不純物が除去され、一次処理水となって二次フィルタ4へ送給される。
【0091】
前記二次フィルタ4は二次処理用のプレフィルタで、高吸着活性炭等の濾過素子が内臓され、約1μm以上の物質を吸着・濾過して分離除去するように構成されている。このフィルタ4は入口部4aを前記フィルタ3の出口部3bと前記管路P3で連結して配置されている。
【0092】
前記管路P3中にはポンプ8が介装して設けられ、前記フィルタ3から送出される水(一次処理水)を前記ポンプ8で前記二次フィルタ4へ圧力送給するようにしてある。前記ポンプ8は例えばブースタポンプ等で構成され、水を所定の圧力で送給するようになっている。前記ポンプ8は水の送給圧力を調整できるタイプのものを採用することが好ましい。前記一次処理水は前記ポンプ8により所定の圧力で前記二次フィルタ4へ送給され、前記フィルタ4を通過する間に塩素,一部の雑菌,水臭気等、約1μm以上の不純物が除去され、二次処理水となって前記逆浸透膜フィルタ5へ所定の圧力で送給される。
【0093】
前記タンク6は前記水処理用フィルタ1から流出する処理水を貯留するもので、入口部6a及びコック6bを備えている。前記フィルタ1と前記タンク6の入口部6aを連結した前記管路P6中には電磁弁9が介装して設けてある。前記タンク6は所定部にタンク6内の水位を検知するセンサ(図示せず)を備え、このセンサは前記電磁弁9及び前記ポンプ8と関連させてあり、タンク6内の水位が所定の位置に達すると、ポンプ8の稼動を停止すると共に電磁弁9を閉じ、タンク6内の水位が所定の位置より低下するとポンプ8を稼動すると共に電磁弁9を開くように構成してある。これによりタンク6内には常時所定量の水が貯留される。
【0094】
また、前記タンク6はプラグ型アキュムレータ等の空気圧力タンクを採用することもできる。この場合にはタンク6の所定部にタンク6内の圧力を検知するセンサ(図示せず)を前記ポンプ8及び電磁弁9と関連して設ける。そして、タンク内の圧力を前記センサで検知させ、ポンプ8の稼動・停止及び電磁弁9の開閉を制御するように構成する。
【0095】
前記逆浸透膜フィルタ5は前記管路P4により前記二次フィルタ4の出口部4bと連結して配置され、フィルタ4から送出される水(二次処理水)が圧力導入される。このフィルタ5は水に含まれる略全ての溶解物(水分子以外の略全ての物質)を分離除去するものである。
【0096】
この実施の形態6の前記逆浸透膜フィルタ5は、図19に示すように、入口部52及び出口部53を有するハウジング51と、前記入口部52側と出口部53側とを仕切るように、前記ハウジング51内に収容して設けた逆浸透膜エレメント54とを備えている。前記ハウジング51は円筒状に形成され、両端に閉塞板55及び56を備えている。前記入口部52は一方の閉塞板55に、また、前記出口部53は他方の閉塞板56に設けてある。
【0097】
前記入口部52は前記管路P4により前記二次フィルタ4の出口部4bと連結されている。前記出口部53は逆浸透膜を透過した逆浸透膜透過水の出口である。前記他方の閉塞板56には前記逆浸透膜を透過しない水を排出する排水出口57が設けてある。
【0098】
前記逆浸透膜エレメント54は逆浸透膜を形態化したもので、逆浸透膜の形態には平膜,複合膜或いは中空糸膜等があり、その素材としては、酢酸セルロール系,ポリアミド系,架橋ポリアミン系,架橋ポリエーテル系,スルホン化ポリスルホン等がある。また、前記エレメント54の形態にはスパイラル型,平板型,プリーツ型或いは複数本の中空糸膜を束ねて形成した中空糸型等がある。本発明はこれらの素材及び形態に左右されるものではなく、全て適応可能である。
【0099】
この実施の形態6の前記エレメント54は、図20に示すように、複数の透孔58aが形成された中空管58と、前記管58の外周に配置した複数の逆浸透膜59と、前記各膜59間に介在したコルゲート状やネット状等のスペーサ60、及び透過水通過層61とを備えている。前記逆浸透膜59は、図21に示すように全体として袋状に形成され、その中に例えばトリコット等からなる前記通過層61が収容されている。そして、図20に示すように、前記逆浸透膜59の開口部59aで前記中空管58の透孔58aを包むようにして、前記各逆浸透膜59の開口端部を樹脂接着剤等により気密性を保持して前記管58の外周面に固着されて前記管58の周囲に配置されている。これにより各膜59の内部は透孔58aを介して中空管58内と連通している。
【0100】
そして、各逆浸透膜59を各スペーサ60と一緒に中空管58に渦巻状に巻き付けてスパイラル型に構成され、全体の両端に通液構造の枠体62,63(図19参照)を装着することによりスパイラル構造を維持している。
【0101】
前記枠体62,63には弾性ガスケット64,65が固定されている。前記エレメント54は、一方の枠体(図示では枠体62)を一方の閉塞板55側に、また、他方の枠体(図示では枠体63)を他方の閉塞板56側に位置させて、前記ガスケット64,65でシールされてハウジング51内に収容されている。
【0102】
前記中空管58の一端58a(図19において枠体62側)は閉塞され、前記管58の他端58b(図19において枠体63側)側は前記閉塞板56を貫通すると共にシールして板56外に突出させ、この突出端部で前記出口部53を構成してある。
【0103】
前記構成により、ハウジング51の入口部52から圧力導入される水(二次処理水)は、図19に矢印で示すように枠体62側から逆浸透膜59のスペーサ60の部分へ導入される。この水はスペーサ60の部分を通る過程で、その一部の水が逆浸透膜59を透過する。そして、前記膜59を透過した水は前記通過層61に沿って次第に中空管58に近づき、透孔58aを経て中空管58内に取込まれ、残りの水は排水出口57からハウジング51外へ排出され、前記出口57と連結した排水管路P8(図18参照)を通って所定部に排水される。
【0104】
一方、前記管58内に取り入れられた透過水は出口部53からハウジング51外へ送出され、水処理用フィルタへ送給される。この透過水は前記膜51の透過により、水分子以外の略全ての物質が分離除去され、純水ないし限りなく純水に近い水になる。なお、前記透過水は上述したように、水中に含まれているカルシウムやマグネシウム等の硬度成分も全て分離除去されるので、PH値が低下してPH約5.8〜約6.5、平均約6程度の酸性水となる。
【0105】
そして、前記逆浸透膜透過水は管路を通って水処理用フィルタ1の水入口15からハウジング11内に導入され、実施の形態1で説明をしたように水処理用フィルタ1で中和処理(PH値を調整)されて弱アルカリ水となり、この水は水出口16から流出し、管路P6を通って貯水タンク76内に入り、貯留される。この水は身体に好適な弱アルカリ水である。そして、所要時に前記タンク6のコック6aを開けて使用する。
【0106】
また、実施の形態6では、図18に示すように、前記タンク6内に二価三価鉄塩を含有する所望数のセラミック固形物10を出し入れ自在に収容されている。前記固形物10は、例えば、多数の孔を有する容器や網製のケース等に入れた状態で前記タンク5内に収容される。前記セラミック固形物10は実施の形態2で説明した前記セラミック固形物101と同様のものを使用することができる。なお、前記セラミック固形物10は所望に応じて設けるもので、省略してもよい。この点については後述する実施の形態においても同様である。
【0107】
図22は本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置の他の実施の形態(実施の形態7)の全体構成の概略を示すブロック図である。この実施の形態7の水処理装置は実施の形態2の水処理用フィルタ装置(図10ないし図13に開示したフィルタ装置)を用いて構成した水処理装置である。この水処理装置において、実施の形態2及び6で既に説明した構成と共通する部材には同一符号を付し、説明は省略する。
【0108】
実施の形態7は実施の形態6の水処理装置において、前記水処理用フィルタ1と逆浸透膜フィルタ5との間に実施の形態2で説明した水活性用フィルタ2を介装して設けた構成を特徴とする。即ち、実施の形態7では、前記水活性用フィルタ2の水出口43を管路P1により前記水処理用フィルタ1の水入口15と連結すると共に水入口42を管路P5により逆浸透膜フィルタ5の出口部53と連結して配置されている。他の構成は実施の形態6の水処理装置と同様に構成されている。
【0109】
実施の形態7の水処理装置は上記のように構成されている。これにより、逆浸透膜フィルタ5から送出される逆浸透膜透過水は管路P5を通って水活性用フィルタ2の水入口42からハウジング41内に導入され、実施の形態2で説明したように前記フィルタ2で処理されて二価三価鉄塩を含有する水となる。そして、この水は水出口43から流出し、管路P1を通って水処理用フィルタ1へ送給され、この水は前記と同様に水処理用フィルタ1で中和(PH値を調整)されて水出口16から流出し、管路P6を通って貯水タンク76内に入り、貯留される。この水は実施の形態6と同様に身体に好適な弱アルカリ性になり、加えて二価三価鉄塩の作用による上述した特性を有する水となる。
【0110】
図23は本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置のさらに他の実施の形態(実施の形態8)の全体構成の概略を示すブロック図である。この実施の形態8は実施の形態3の水処理用フィルタ装置(図14に開示したフィルタ装置)を用いて構成した水処理装置である。この水処理装置において、実施の形態3及び6で既に説明した構成と共通する部材には同一符号を付し、説明を省略する。
【0111】
実施の形態8は実施の形態6の水処理用装置において、前記水活性用フィルタ2を前記水処理用フィルタ1と前記タンク6との間に配置した構成を特徴とする。即ち、実施の形態8においては、水活性用フィルタ2は水入口42を管路P2により水処理用フィルタ1の入出口16と連結すると共に入出口43を管路P6により貯水タンク6の入口部6aと連結して配置されている。他の構成は実施の形態6の水処理装置と同様に構成されている。この実施の形態8によっても実施の形態7で処理した水と同様の水が得られる。
【0112】
図24は本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置のさらに他の実施の形態(実施の形態9)の全体構成の概略を示すブロック図である。この実施の形態9は実施の形態4の水処理用フィルタ装置(図15及び図16に開示したフィルタ装置)を用いて構成した水処理装置である。この水処理装置において、実施の形態4及び6で既に説明した構成と共通する部材には同一符号を付し、説明を省略する。
【0113】
実施の形態9は実施の形態6の水処理装置において、前記逆浸透膜フィルタ5と貯水タンク6との間に実施の形態4で開示した前記水処理用フィルタ1Aを配置した構成を特徴とする。即ち、実施の形態9は前記フィルタ1Aの水入口15を管路P5により逆浸透膜フィルタ5の出口部53と連結すると共に水出口16を管路P6により貯水タンク6の入口部6aと連結して配置されている。他の構成は実施の形態6の水処理装置と同様に構成されている。
【0114】
実施の形態9の水処理装置は上記のように構成されている。これにより、逆浸透膜透過水は管路P5を通って水処理用フィルタ1Aの水入口15からハウジング11内に導入され、実施の形態4で説明したように第2の水処理剤層44で処理されて二価三価鉄塩を含有する水となると共にPH調整用処理器で中和(PH値を調整)されて水出口16から流出し、管路P6を通って貯水タンク6内に入り、貯留される。この水は実施の形態6と同様に身体に好適な弱アルカリ性になり、加えて二価三価鉄塩の作用による上述した特性を有する水となる。
【0115】
図25は本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置のさらに他の実施の形態(実施の形態10)を示す説明図である。この実施の形態10は実施の形態5の水処理用フィルタ装置(図17に開示したフィルタ装置)を用いて構成した水処理装置である。
【0116】
実施の形態5の水処理装置200は、図25に示すように、図17の水処理用フィルタ1Bを出し入れ自在に収容するハウジング201を備えている。ハウジング201は前記フィルタ1Bを収容する円筒状の収容筒202と、この筒202の一端(図において上端)を気密に閉塞する上蓋203と、筒202の他端(図において下端)を気密に閉塞する底部材204とを備えている。
【0117】
前記底部材204の上面中心部には前記フィルタ1Bの水入口15(管)を嵌合してハウジング11の水処理剤収容室33に連通する嵌合孔205を有し、前記フィルタ1Bは水入口15を前記孔205へ嵌合して収容筒202内に収容されている。前記底部材204は前記孔205に連通する水導入口206を有し、水導入口206には接続プラグ207が取付けてある。また、前記上蓋203の中心部には中心孔(図示せず)を有する取付部材208が一体形成され、送水管209の基端部をナット部材210により取付部材208の前記孔と連通させて取付けてある。そして、前記フィルタ1Bの水出口16(管)はシール部材211を貫通して水出口16の先端を送水管209の基端と連通させ、前記ナット部材210で締め付けて、前記フィルタ1Bを収容筒202に固定してある。なお、上述したように、前記フィルタ1Bは図17に開示したものであるため、同一構成部には同一符号を付して説明を省略する。
【0118】
図25に示す実施の形態5の水処理装置200は上記のように構成したもので、次にその使用方法等につき説明する。前記プラグ207を例えば水道の蛇口等(図示せず)に接続してセットする。そこで、蛇口等のコックを開くと、水は水導入口206を通り、水入口15からハウジング51の前記収容室33内に導入される。この水は上述したように第2及び第3の水処理材層44、36を通過して処理され、また、第1の水処理剤層18で中和(PH値調整)され、水出口16を通り、送水管209から流出する。この水は身体に好適な弱アルカリ性になり、加えて活性炭による作用及び二価三価鉄塩の作用による上述した特性を有する水となる。
【0119】
なお、上述した実施の形態の水処理装置は一例として開示したもので、既に説明したように、水処理装置の種類等は任意の構成に変更できるものである。
【0120】
【発明の効果】
本発明によれば水道水,井戸水,中空糸膜透過水、或いは逆浸透膜透過水その他の水を中和(PH値を調整)して、身体に好適な弱アルカリ性にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水処理用フィルタ装置の一実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】同上装置に採用されるPH調整用処理器の収容ケースのケース本体部分を示す縦断面図である。
【図4】前記収容ケースの蓋部材の部分を示す平面図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】図4のC−C線断面図である。
【図7】同上装置に採用される押え部材を示す平面図である。
【図8】図7のD−D線断面図である。
【図9】同上フィルタ装置の作用説明図である。
【図10】本発明の水処理用フィルタ装置の他の実施の形態の全体構成の概略を示すブロック図である。
【図11】図10の装置に採用される水活性用フィルタの一例を示す縦断面図である。
【図12】図11の前記フィルタの作用説明図である。
【図13】図11の前記フィルタのセラミック固形物の製造工程を示す説明図であって、同図Aはセラミック基材の構成原料を製造する工程を示す説明図、同図Bはセラミック基材の成形品を製造する工程を示す説明図、同図Cはセラミック固形物の完成品を示す説明図である。
【図14】本発明の水処理用フィルタ装置のさらに他の実施の形態の全体構成の概略を示すブロック図である。
【図15】本発明の水処理用フィルタ装置のさらに他の実施の形態を示す縦断面図である。
【図16】図15の前記フィルタ装置の作用説明図である。
【図17】本発明の水処理用フィルタ装置のさらに他の実施の形態を示す縦断面図である。
【図18】本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置の一実施の形態の全体構成の概略を示すブロック図である。
【図19】図18の装置に使用される逆浸透膜フィルタの一例を示す縦断面図である。
【図20】図19の前記フィルタの逆浸透膜エレメントの構成を説明するために示す説明図である。
【図21】前記フィルタの逆浸透膜部分を示す縦断面図である。
【図22】本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置のさらに他の実施の形態の全体構成の概略を示すブロック図である。
【図23】本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置のさらに他の実施の形態の全体構成の概略を示すブロック図である。
【図24】本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置のさらに他の実施の形態の概略を示すブロック図である。
【図25】本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置のさらに他の実施の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…水処理用フィルタ
11…ハウジング
12…PH調整用処理器
13…水合流室
14…水通過用の主通路
15…水入口
16…水出口
17…収容ケース
18…第1の水処理剤層
18b…セラミック固形物
19…水導入部
20…水流出部
【発明の属する技術分野】
本発明は水処理用フィルタを備え、水を前記フィルタを通過させて処理する水処理用フィルタ装置及び水処理装置に関する。さらに詳しくは前記フィルタを用い、水道水,井戸水,中空糸膜透過水、或いは逆浸透膜透過水等の水を中和して弱アルカリ性にする水処理用フィルタ装置および水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、身体に好適な水はPH約8弱ないし約8.5程度の弱アルカリ水であると言われている。水道水等の水のPHを調整する手段として、例えば水電解装置を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法により水のPH値を調整することができる。
【0003】
また、現在、水処理方法として逆浸透膜を利用した逆浸透(RO)法が一般に用いられている。このRO法は原水(被処理水)に適当な圧力を掛けて逆浸透膜を透過して原水に含まれている混合物(水分子以外の略全ての物質)を分離除去するシステムである。このRO法による逆浸透膜透過水(RO水)は純水ないし限りなく純水に近い水になり、医療用の無菌水や人工透析用精製水、或いは電子産業における半導体の製造用水等、さまざまな分野で利用されている。
【0004】
上記のようにRO水は純水ないし限りなく純水に近い水であるため電子産業等の分野で利用する水としては最適なものが得られる。しかるに、RO法により逆浸透膜を透過すると原水中に含まれている有効成分、特にカルシウムやマグネシウム等の硬度成分も全て分離除去されるので、PH値が低下して酸性水となる。RO水のPH値は原水の硬度により異なるが、通常の水道水を用いたRO水はPH約5.8〜約6.5、平均約6程度になる。そのため、RO水をそのまま飲料水等として利用することは健康上よくないといわれている。
【0005】
そこで、本発明者は従来のような電解装置等とは別の手段により水道水、井戸水、中空糸膜透過水、或いは逆浸透膜透過水等の水のPH値を調整する方法の開発に着手した。そして、本発明者は研究した結果、水を中和してPH値を調整する処理方法としてカルシウムを用いる方法を考え、カルシウム濾材を用いたフィルタを製造し、水を前記フィルタを通過させて処理する方法を試みた。この方法によると、水が前記濾材と接触して反応し、濾材中を通過する間にカルシウム成分が水に溶出するので、水のPH値は高くなり、アルカリ水化させることができる事実を見出した。
【0006】
しかるに、前記の方法によると、全ての水をカルシウム濾材を通過させるので、水に対するカルシウム成分の溶出量、したがって、水中のカルシウム成分の含有量が多くなり過ぎ、そのためPH値が高く成り過ぎる。処理する水の種類によりPH値に差が生じるが、例えば、水道水等の水を用いて行なった実験の結果では。PH値が12〜約16程度になることが判明した。PH値が高過ぎると、ヒトの健康上において良い結果とはならない。身体に好適な水は上述したように、PH約8弱ないし約8.5程度の範囲である。
また、前述の方法は全ての水をカルシウム濾材を通過させるので、使用当初は前記したようにカルシウム成分の溶出量が多く、その後時間の経過に伴ってカルシウム成分の溶出量が次第に少なくなり、その結果、PH値も次第に低下して弱アルカリ性に中和することができなくなる。
【0007】
上記のように前述の方法では前記フィルタを通過する水のPH値が変化して一定に保持することはできないと共に、長時間に亘り水を安定して弱アルカリ化処理することはできない問題を有している。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−117760号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような実情に鑑み、水道水、井戸水、中空糸膜透過水、或いは逆浸透膜透過水等の水を初期の段階から長期間に亘り、安定、かつ一定に保持させて中和(PH値を調整)し、身体に好適な弱アルカリ性にし得る水処理用フィルタ装置及び水処理装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のうち1つの発明(第1の発明)は、水処理用フィルタを備え、水を前記フィルタを通過させて処理する水処理用フィルタ装置において、前記水処理用フィルタは、水入口及び水出口を有するハウジングと、前記ハウジング内に収容して設けたPH調整用処理器と、前記水出口と連通させて前記ハウジング内に形成された水合流室と、前記入口側と水合流室とを連通させて前記ハウジング内に形成された水通過用の主通路とを備え、前記PH調整用処理器は、収容ケース内に充填した第1の水処理剤層と、前記ケースに設けられ、前記水入口からハウジング内に導入される水の一部を分流させて前記ケース内に導入する分流用の水導入部と、前記ケース内と水合流室側とを連通させて前記ケースに設けた水流出部とを備え、前記水処理剤層はカルシウム成分を含有する複数個のカルシウム成分含有材で構成されていることを特徴とする。
【0011】
第1の発明によれば、水を前記フィルタの水入口へ送給すると、この水はハウジング内の前記主通路を通って水合流室内へ流れる。一方、ハウジング内へ導入された前記水の一部はハウジング内で分流されて前記水導入部から前記処理器のケース内に導入される。そして、この分流導入水は前記水処理剤層を通過し、この分流通過水(この水はPH値が高い)は水流出部から水合流室内へ導出し、前記主通路を通って水合流室内へ導入された前記水と合流される。したがって、前記水入口へ送給した水は前記分流通過水との合流により中和(PH値を調整)され、弱アルカリ水となる。そして、この弱アルカリ水は水出口から流出する。また、一部の水だけを前記層を通過させるので、前記層の水処理剤を長期間にわたり有効に作用させ、安定かつ一定に保持させて前記水を中和してPH値を所望の数値に調整することができる。
【0012】
第1の発明において、前記カルシウム成分含有材は、カルシウム成分を含有するセラミック固形物で構成することができる。前記カルシウム成分を含有する物質の種類は特に限定されるものではないが、例えば珊瑚砂、焼成した珊瑚、焼成した貝化石及び焼成した動物骨等が挙げられ、これらの中から1種又は複数個を選択して採用することができる。前記構成に関しては以下に説明する発明についても同様である。
【0013】
また、第1の発明において、前記水通過用の主通路は、例えば前記水処理用フィルタのハウジングの内周壁面と前記PH調整処理器の前記ケースの外周壁面との間に形成された間隙部等で構成することができる。さらにまた、第1の発明において、前記水導入部及び前記水流出部は、例えばピンホール等で構成することができる。これらの構成に関しては以下に説明する発明についても同様である。
【0014】
本発明のうち他の1つの発明(第2の発明)は、第1の発明において、前記水処理用フィルタの前記水入口側と連結して設けられ、水入口及び水出口を有するハウジング内に第2の水処理剤層を充填した水活性用フィルタをさらに備え、前記第2の水処理剤層は二価三価鉄塩を含有する複数個のセラミック固形物で構成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明のうち、さらに他の1つの発明(第3の発明)は、第1の発明において、前記水活性用フィルタは前記水処理用フィルタの水出口側と連結して設けてあることを特徴とする。
【0016】
前記二価三価鉄塩は近年開発された活性物質で、この活性物質(二価三価鉄塩)は二価鉄と三価鉄との中間の性質を示す単一の化合物、或いは、二価鉄と三価鉄が共存する単一の化合物であると思われる。この二価三価鉄塩は現在工業的に生産可能である(例えば、特公平3−63593号公報、特公平4−27171号公報参照)。
【0017】
前記二価三価鉄塩の活性物質は水と接触することにより、次のような作用を有することが判明している。即ち、通常の水に前記活性物質を超微量(例えば、濃度2×10−12モルないし2×10−18モル)混入することにより、この水溶液(以下、この水溶液を便宜上「パイウォーター」という)は以下のような特性をもつことが判明している。
【0018】
(水分子の構造変化)…通常、水の水分子は水素と酸素の重心がかさならないため、プラス・マイナスの極性が起こる。そのため、水分子が水素結合によってカゴ状に結合するため、カゴの中に炭化水素,メタン,気体等を溶かし込むことになる。これに対し、パイウォーターでは電子スピンによって水分子及び水分子の結合構造を極性分子から無極性分子に変化、即ち、H(水素)とO(酸素)の重心をかさね、双極性を無にする。つまり、プラス及びマイナスを水分子自体が持たなくなり、その結果、通常の水のように炭化水素等を溶かし込むことはなくなる。
【0019】
(脱イオン反応)…通常、水中では金属及び金属塩はイオン解離し、イオン反応を主体とする物質変化が起こるが、パイウォーター中ではプラス・マイナスが無くなるため、金属イオンの脱解離が起こり非イオン反応系を形成する。
【0020】
(病原菌の阻止)…バクテリア等の雑菌は単細胞の微生物でマイナスチャージをもっており、通常水のイオン反応系では生息するがパイウォーター中ではイオン反応を抑制し、雑菌の平衡状態を変化させ増殖はもちろん生息できない環境にする。
【0021】
前記物質は上述したように、水分子の構造を変化させて活性することは実験上証明されている。第2及び第3の発明は上述したように、前記水活性用フィルタを備え、水を前記第2の水処理剤層を通過させるように構成してある。したがって、第2及び第3発明にあっては、水は前記層を通過中、前記セラミック固形物の前記活性物質と接触して反応し、二価三価鉄塩を含有する水となる。このように、第2及び第3の発明によれば第1の発明に加え、二価三価鉄塩の作用による上述した特性を有する水になる。
【0022】
本発明において、前記二価三価鉄塩としては、例えば式、
Fe+2 m Fe+3 n Cl2m+3n(式中m及びnは正の整数を示す)で示される化合物が例示できる。前記式で示される二価三価鉄塩は、例えば、塩化第二鉄を水酸化ナトリウム,水酸化カルシウム,水酸化カリウム,水酸化リチウム等の強アルカリの水溶液に投入して原子価変換を起こさせた場合の遷移形態等として得られる(第1の方法)。この第1の方法による具体的製造方法として、例えば次の工程により得たものを例示する。即ち、塩化第二鉄を強アルカリの水溶液に溶解させる工程、この溶液を中和する工程、この中和した溶液を濃縮する工程、とを含んで製造することができる。
【0023】
また、前記二価三価鉄塩は、三価の鉄塩と二価の金属塩とを混合した溶液によっても得られる。具体的には、例えば三価の鉄塩及び二価の金属塩を所定の比率で含有する所定濃度の希薄水溶液に、第二鉄塩を添加して溶解させ、得られた溶液を濃縮して製造することができる(第2の方法)。前記第二鉄塩としては、例えば塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄を用いることができる。前記二価の金属塩としては、例えば塩化カルシウム,塩化マグネシウム,塩化亜鉛,硫酸マグネシウム,硝酸カルシウム,硝酸マグネシウム,硝酸亜鉛を用いることができる。
【0024】
なお、上記製造方法は一例を示したもので、これに限定されるものではない。また、前記二価三価鉄塩の前記式中のm:nの比は前記化合物製造に用いる物質の種類等により特定の数値をとる。
【0025】
本発明において、前記二価三価鉄塩は、前記式で示される化合物に代え、磁性を帯びた二価三価鉄塩を採用することもできる。前記磁性を帯びた二価三価鉄塩は、電磁気処理による特性と化学処理による特性の両方を同時に兼ね備えた活性物質で、例えば磁鉄鉱を化学処理して得られる。
【0026】
前記磁性を帯びた二価三価鉄塩の活性物質は水と接触することにより、次のような作用を奏する特性を有している。即ち、通常の水に前記活性物質を超微量(濃度2×10−12モル=1/20兆)混入することにより、この物質1/20兆%水溶液は、上述したパイウォーターのもつ特性に加え、電磁気処理した活性水と同様な特性をもち、特にこの活性物質は水に溶解して共存するので、外部から磁場をかけた活性水に比べ水に強く、かつ効果的に作用する。
【0027】
本発明において、前記磁性を帯びた二価三価鉄塩としては、例えば磁鉄鉱を濃塩酸に溶解させた後、この溶液を中和し、この中和した溶液を濃縮して結晶化し、この結晶を、磁鉄鉱を濃塩酸に半溶解させた溶液に加える工程を含んで得られる化合物で構成することができる。前記中和に用いる成分としては、例えば水酸化ナトリウム,水酸化カルシウム,水酸化カリウム,水酸化リチウム等を挙げることができる。なお、前記製造方法は一例を示したもので、これに限定されるものではない。
【0028】
前記二価三価鉄塩の構成等に関しては以下に説明する発明についても同様である。
【0029】
本発明のうち、さらに他の1つの発明(第4の発明)は、第1の発明において、前記水処理用フィルタの前記水入口と前記主通路及び前記水導入部とを連通させて前記ハウジング内に形成した水処理剤収容室をさらに備え、前記第2の水処理剤層は前記収容室内に充填してあることを特徴とする。
【0030】
第4の発明によれば、前記フィルタの水入口から前記ハウジング内に導入される水は前記第2の水処理剤層を通過し、この通過水は前記主通路を通って水合流室内へ流れる。一方、前記通過水の一部は分流されて前記水導入部から前記処理器のケース内に導入され、前記第1の水処理剤層を通過する。そして、この分流通過水(この水はPH値が高い)は第1の発明と同様に水流出部から水合流室内へ導出し、前記主通路を通って水合流室内へ導入された前記水と合流する。したがって、第4の発明によれば第1の発明及び第2,第3の発明の両方の作用効果を同時に兼ね備える。
【0031】
本発明は第4の発明において、前記水処理剤収容室内へ活性炭で構成した第3の水処理剤層をさらに充填して設けた構成(第5の発明)を採用することができる。活性炭は水の悪臭や塩素等を吸収して除去する作用を有していると共に、活性炭で形成された第3の水処理剤層は約1μm以上の物質を吸着、濾過して分離除去する作用を有している。したがって、第5の発明によれば、第4の発明に加え、上述した作用効果を奏する。
【0032】
本発明(第1ないし第5の発明)の水処理用フィルタ装置はそのままで各種の水処理用フィルタ装置として使用される。
【0033】
本発明のうち、他の1つの発明(第6の発明)は、水処理装置であって、前記第1ないし第5の発明のいずれかの水処理用フィルタ装置を用いて構成したことを特徴とする。なお、この明細書において「水処理装置」とは、家庭用活水器及び活水装置、家庭用浄水器及び浄水装置、業務用活水器及び活水装置、業務用浄水器及び浄水装置、或いは浄水と活水の両方の機能を兼ね備えた家庭用及び業務用の水処理器ないし水処理装置等の全てを含む概念として用いられている。
【0034】
第6の発明において、水処理装置はその一例として、前記水処理用フィルタ装置の上流側に連結して設けた逆浸透膜フィルタを備えて構成することができる。(第7の発明)。第7の発明は水道水等の原水(被処理水)を逆浸透膜を透過させ、この逆浸透膜透過水を前記第1ないし第5の発明のいずれかの水処理用フィルタ装置で中和(PH値を調整)し、弱アルカリ化するものである。
【0035】
本発明において、前記逆浸透膜フィルタに使用される逆浸透膜の素材や形態等は何ら限定はなく、全て適応可能である。
【0036】
本発明において、前記水処理装置は被処理水を前記逆浸透膜フィルタ側へ送給するポンプを備えた構成を採用することができる。また、前記水処理用フィルタ装置の下流側と連結して設けた貯水タンクを備えた構成を採用することができる。さらにまた、前記タンク内に二価三価鉄塩を含有する所望数のセラミック固形物を出し入れ自在に収容する構成を採用することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して実施の形態の一例について説明する。図1は本発明の水処理用フィルタの一実施の形態を示す縦断面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は同上装置に採用されるPH調整用処理器の収容ケースの本体部分を示す縦断面図、図4は前記処理器の蓋部材の部分を示す平面図、図5及び図6は図4のB−B線及びC−C線断面図、図7は同上装置に採用される押え部材を示す平面図、図8は図7のD−D線断面図、図9は同上フィルタ装置の作用説明図である。
【0038】
上記図1ないし図9において、この実施の形態(実施の形態1)の水処理用フィルタ装置は水を通過させて処理する水処理用フィルタ1を備えている。
【0039】
前記フィルタ1は、ハウジング11と、PH調整用処理器12と、水合流室13、及び水通過用の主通路14とを備えている。
【0040】
前記ハウジング11は水入口15及び水出口16を有している。図示のハウジング11は一端を閉塞板11bで閉塞し、他端を開口した円筒状の容器本体11aと、容器本体11aの開口他端に気密性を保持させて嵌合した密閉蓋体11cとを備えている。前記水入口15は閉塞板11bに設けてあると共に前記水出口16は前記蓋体11cに設けてある。
【0041】
前記PH調整用処理器12は前記ハウジング11内(図示では容器本体11a内)に収容して設けてある。前記処理器12は収容ケース17と、このケース17内に充填した第1の水処理剤層18と、前記ケース17に設けられ、前記水入口15からハウジング11内へ導入される水の一部を分流させて前記ケース17内に導入する分流用の水導入部19と、前記ケース17内と水合流室13とを連通させて前記ケース17に設けた水流出部20とを備えている。
【0042】
前記収容ケース17は前記処理剤層18を充填して収容するもので、適当な大きさに形成される。この実施の形態の前記ケース17は前記ハウジング11の前記容器本体11aの内径より小径に形成し、一端を閉塞板17bで閉塞し、他端を開口した円筒状のケース本体17aと、ケース本体17aの開口他端にオーリング等のシール部材21を介在し、気密性を保持させて嵌合した蓋部材17cとを備えている。そして、前記処理器12は前記水導入部19側を前記水入口15に位置させると共にハウジング11の内周壁面と前記ケース17の外周壁面との間に間隙部14aを形成して前記ハウジング11内に出し入れ自在に収容されている。
【0043】
実施の形態1の前記処理器12は前記ケース本体17aの前記閉塞板17b側の端部における外周壁に、前記間隙部14aと対応する長さの複数個(図示では4個)のリブ片22が円周方向に略等間隔で突設されている。また、前記蓋部材17cの外周壁にも前記間隙部14aと対応する長さの複数個(図示では6個)のリブ片23が円周方向に略等間隔で突設されている。前記両リブ片22,23は前記ケース17の前記ハウジング11内における横方向の動きを規制するためのものである。これにより、前記ケース17は前記ハウジング11内に横方向への動きを規制して収容される。
【0044】
前記ハウジング11の前記容器本体11a内の前記水入口15側には、前記閉塞板11bとの間に適当な間隔で水受入れ室24を形成してフィルタ部材25が敷設されていると共に前記蓋部材17cの外側にもフィルタ部材26が敷設されている。これにより、前記ケース17は前記両フィルタ部材25及び26で挟まれた状態で前記ハウジング11内に収容されている。前記両フィルタ部材25,26はグラスファイバー、不織布その他の素材で構成されている。
【0045】
また、前記ハウジング11の前記容器本体11a内の開口部側には、容器本体11aの内径と略同径ないし微かに大径に形成されていると共に水流通用の大きな水流通孔28を有する押え部材27が押し入れられ、この押え部材27で前記フィルタ部材26を前記蓋部材17c側へ強く押し付けてある。これにより、前記ケース17は軸方向の動きを規制されて前記容器本体11a内に収容されている。また、押え部材27はハウジング11の前記蓋体11cの先端を当接して押えられている。
【0046】
前記水処理剤層18は、前記ケース17内に充填して設けたカルシウムを含有する複数個のカルシウム成分含有材18aで構成されている。実施の形態1の前記成分含有材18aはカルシウム成分を含有するセラミック固形物18bで構成されている。
【0047】
前記カルシウム成分を含有する物質の種類は特に限定されるものではないが、例えば、珊瑚砂、焼成した珊瑚、焼成した貝化石及び焼成した動物骨等が挙げられ、これらの中から1種又は複数種を選択して採用することができる。また、前記成分含有材18aをセラミック固形物18bで構成する場合には、前記例示した物質の中でも特に焼成した動物骨を粉末化した骨粉を採用するのが最も好ましい。この事実は長期間にわたる研究・実験の成果として判明したものである。
【0048】
前記セラミック固形物18bは任意の方法により適当な大きさ及び形状に形成するもので、実施の形態1ではボール状に形成したものが図示されている。また、セラミック固形物18bは無数の微細な孔(室)を備えた多孔質に形成することが好ましい。なお、セラミック固形物18bの製造方法の具体例については追って説明する。
【0049】
前記水導入部19は、前記水入口15からハウジング11内の水受入れ室24内へ導入される水の一部を分流させて前記ケース17内へ導入するものである。実施の形態1の前記水導入部19は前記ケース17の閉塞板17bの略中心部に設けたピンホール19aで構成されている(図2、図3参照)。実施の形態1では閉塞板17bの中央部に凹部29が形成され、前記ピンホール19aは前記凹部29の略中心に形成されている。また、前記凹部29内にはグラスファイバーその他の任意の素材のフィルタ部材30が設けてある。
【0050】
前記水導入部19(ピンホール19a)の大きさにより水受入れ室24内の水を分流させてケース17内へ導入させる量が決定される。前記ピンホール19aの大きさは適当に決めるものであるが、例えば前記水入口15の内径を約3ないし4ミリ程度に設定する場合には、前記ホール19aの大きさは例えば、直径約0.1ミリないし約0.6ミリ程度の範囲が挙げられる。但し、上記範囲内に限定するものではない。前記例示した範囲内で前記ホール19aの大きさを変えることにより、前記ケース17内への水の分流量(導入量)を調整することができる。
【0051】
前記水流出部20は、前記ケース17内と水合流室13とを連通させ、前記ケース17内の前記水処理剤層18を通過した通過水を水合流室内13へ導出して前記主通路14を通って水合流室13内へ導入する水と合流させるものである。実施の形態1の前記水流出部20は図4ないし図6に詳細に示すように、前記蓋部材17cの略中心部に設けたピンホール20aで構成されている。実施の形態1では蓋部材17cの略中央部に凹部31が形成され、前記ピンホール20aは前記凹部31の略中心に形成されている。また、凹部31内にはグラスファイバーその他の任意の素材のフィルタ部材32が設けてある。前記水流出部20(ピンホール20a)の大きさは前記と同様の範囲に設定することができる。
【0052】
前記水合流室13は前記水出口16と連通して前記ハウジング11内(図示では密閉蓋体11c内)に形成されている。この水合流室13は前記主通路14を通って水出口16方向へ流れる水と前記処理器12内を通過した通過水とを合流させるものである。前記水合流室13は適当な容積に設定することができる。
【0053】
前記水通過用の主通路14は前記水入口15側と水合流室13とを連通させて前記ハウジング11内に形成されている。この主通路14はハウジング11の水入口15から送給される水を前記処理器12の前記ケース17内を通過させないで、そのまま水合流室13内へ導入するものである。実施の形態1の前記主通路14は前記ハウジング11の容器本体11aの内周壁面と前記ケース17の外周壁面との間に形成された前記間隙部14a(図示では円筒状の間隙部)で構成されている。
【0054】
実施の形態1の水処理用フィルタ装置は上記のように構成したものである。この構成により、ハウジング11の水入口15から導入される水道水,井戸水,中空糸膜透過水、或いは逆浸透膜透過水等の水は、図9の矢印で示すように水受入れ室24内に入り、フィルタ部材25を通過し、主通路14を通り、フィルタ部材26、孔28を通って水合流室13内へ導入される。一方、前記過程において、水受入れ室24内へ導入された前記水の一部は前記室24内で分流され、フィルタ部材25、30を通過して水導入部19から前記処理器12の前記ケース17内へ導入される。この分流導入水は前記ケース17内の前記水処理剤層18を通過し、フィルタ部材32を経て水流出部20からケース17外へ流出する。そして、前記水は前記層18を通過中、前記セラミック固形物18bと接触して陽イオン交換(水素イオンが取り入れられ、その分カルシウムイオンが放出される)が行なわれ、中和される。
【0055】
上記のように、前記ケース17内へ導入された前記分流導入水は前記層18を通過する間に中和処理される。そして、前記層18を通過した分流通過水(この通過水はPH値が高い)は上記のように水流出部20から導出され、フィルタ部材26、孔28を通過して水合流室13内へ入り、主通路14を通って水合流室13内へ導入した前記水(前記層18を通過しない主流の水)と合流し、ハウジング11の水出口16から流出する。したがって、前記水は前記分流通過水により中和(PH値を調整)され、弱アルカリ水となる。
【0056】
なお、実施の形態1の前記フィルタ装置は、一般的には前記水出口16側を上部に位置させて縦型の姿勢で配置して使用するようになると思われるが、横型その他任意の姿勢で配置して使用するように構成できること勿論である。前記した姿勢の配置構成については後述する各実施の形態においても同様である。
【0057】
本発明の水処理用フィルタ装置は、実施の形態1に示す構成において、前記リブ片22,23は、例えばケース本体17aのみに設ける等、適当に変更可能なものである。また、前記ケース17の構成も図示以外の構成に変更可能なものである。上記した変形例については後述する実施の形態についても同様である。
【0058】
図10は本発明の水処理用フィルタ装置の他の実施の形態(実施の形態2)の全体構成の概略を示すブロック図、図11は同上装置に採用される水活性用フィルタの一例を示す縦断面図、図12は前記フィルタの作用説明図、図13はセラミック固形物の製造工程を示す説明図である。この水処理用フィルタ装置において、実施の形態1で既に説明した構成と共通する部材には同一の符号を付し、説明は省略する。実施の形態2は前記水処理用フィルタ1と連結して配置した水活性用フィルタ2を備えた構成を特徴とする。
【0059】
前記水活性用フィルタ2は図11に詳細に示すように、水入口42及び水出口43を有するハウジング41と、このハウジング41内に設けた第2の水処理剤層44とを備えている。このフィルタ2は図10に示すように、前記水出口43を管路P1により前記水処理用フィルタ1の前記水入口15と連結して配置されている。
【0060】
図示のハウジング41は一端を閉塞板41bで閉塞し、他端を開口した円筒状の容器本体41aと、容器本体41aの開口他端に気密性を保持して嵌合した密閉蓋体41cとを備えている。前記水入口42は閉塞板41bに設けられ、また、前記水出口43は前記蓋体41cに設けてある。
【0061】
前記第2の水処理剤層44はハウジング41a内に充填して設けた二価三価鉄塩を含有する複数個のセラミック固形物101で構成されている。前記層44の両端にはグラスファイバー、不織布その他の素材よりなるフィルタ部材45、46が敷設されている。
【0062】
前記セラミック固形物101が含有する二価三価鉄塩としては、式Fe+2 mFe+3 n Cl2m+3n(式中m及びnは正の整数を示す)で示される化合物を採用する。
【0063】
前記セラミック固形物101は前記化合物をセラミック基材101aに含有させたものである。前記固形物101は適当な大きさ及び形状に形成するもので、この実施の形態2では図13に詳細に示すように、例えば直径約5〜約15ミリ程度のボール状に形成してある。セラミック基材101aの構成原料は粘土を主材とし、これに所望の添加剤(材)を適量混入する。また、セラミック固形物101は無数の微細な孔(室)を備えた多孔質に形成することが好ましく、その形成手段として、前記基材101aの原料中に適量のおがくずを混入するのが製造上においても簡単である。
【0064】
前記セラミック基材101aの焼成温度は約800℃〜約1100℃程度、焼成時間は特に限定されるものではないが、実験の結果では約10時間〜約30時間程度が好ましいことが判明した。また、基材101aの原料中に混入する二価三価鉄塩の活性物質の量は極く少量で充分であり、例えばセラミック基材101aの原料を混練して所望の大きさ、形状に形成する際に使用する水(蒸留水等がよい)に約100万〜約10億分の1%混入、即ち、前記活性物質を蒸留水等に約100万〜約10億分の1%含有してなる水溶液を粘土材の練り用水として使用することにより目的を達成することができる。但し、前記%の範囲内に限定するものではない。
【0065】
次に前記セラミック固形物101の具体的な製造方法の一例につき説明する。まづ、上述した式で示される二価三価鉄塩は例えば次の方法により製造できる。即ち、1.0mgの塩化第二鉄を100mlの0.5Nカセイソーダ水溶液に入れ、攪拌溶解させて24時間静置する。前記溶液中に生じた不溶性物質を除去し、この溶液を塩酸で中和した後、減圧濃縮してデシケーター中で乾燥結晶化する。得られた結晶に50mlのイソプロピルアルコール80重量%水溶液を加えて再溶解し、減圧濃縮して溶媒を除去、乾燥させ、この再溶解,濃縮,乾燥を数回繰り返すことにより0.25mgの結晶(二価三価鉄塩)を得た。この結晶を蒸留水等で溶解して約1万倍に希釈して前記二価三価鉄塩を含有する原液(原液A)とする。
【0066】
次に前記固形物101は例えば次の方法により製造できる。即ち、図13に示すように、セラミック基材101aの主原料として、粘土(粉末)約70重量%、これに添加剤(材)として、ゼオライト(粉末)約10重量%、アルミナ(粉末)約10重量%、おがくず約10重量%を配合する。そして、上記の原料、即ち、粘土102,ゼオライト103,アルミナ104,おがくず105を図13Aに示すように適当な容器106に入れると共に、これに前記二価三価鉄塩の原液Aを蒸留水等の水で約1000倍〜約1万倍に希釈した希釈液(水溶液)107を適量添加して均一に攪拌混練し、これを所望の大きさ形状(例えば直径約10ミリ程度のボール状)に形成する(図13B参照)。そして、この成形品101bを適当な温度(例えば約800℃〜約1100℃程度)で適当時間(例えば約10時間〜約30時間)焼成する。これにより、前記成形品101bはセラミック状に焼成固化し、また、二価三価鉄塩も同時に焼結してセラミック基材101aに均一に担持され、かつ、おがくずは燃焼してセラミック基材101aには全体的に無数の微細な孔(室)108が形成され、セラミック固形物101が造られる(図13C参照)。
【0067】
実施の形態2において、前記式で示される二価三価鉄塩は次の方法により製造したものを採用することもできる。即ち、濃度10ミリモルの塩化カルシウム水溶液100mlに、塩化第二鉄270mlを添加して溶解させた。この溶液を水(蒸留水)で希釈して、濃度10−10ミリモルの希薄溶液を調製した。この希薄溶液20mlに結晶状態の塩化第二鉄1gを溶解させた後、これを磁器製蒸発皿に入れ、湯煎で徐々に蒸発させて濃縮した。得られた固溶状の濃縮物をデシケーター中で乾燥して結晶(二価三価鉄塩)を得た。この結晶を蒸留水等で溶解して約1万倍に希釈して前記二価三価鉄塩を含有する原液(原液B)とする。そして、前記原液Aに代え、原液Bを用いる以外は上述した方法と同様に処理してセラミック固形物101を製造する。
【0068】
上記により製造したセラミック固形物101は、これを水に入れると、水はセラミック基材101aの前記孔(室)108を通じて基材101a内に浸み込んで前記物質と接触して反応し、前記式で示される二価三価鉄塩を含有する水となる。また、前記物質はセラミック基材101aに一体に焼結して担持されているので、水に一度に溶出することなく、基材内にとどまって長時間にわたり継続的に安定して作用する(有効作用期間は約1〜2年程度)。
【0069】
実施の形態2の水処理用フィルタ装置の水活性用フィルタ2は、ハウジング41内に前記セラミック固形物101を所望数充填して構成した第2の水処理剤層44を備えている。この構成により、ハウジング41の水入口42から導入される水道水,井戸水,中空糸膜透過水、或いは逆浸透膜透過水等の水は、図12に矢印で示すように、フィルタ部材45、前記水処理剤層44、フィルタ部材46を通過して水出口43から流出する。そして、前記水は前記層44を通過中、セラミック固形物101と接触して反応し、前記式で示される二価三価鉄塩を含有する水となる。
【0070】
水活性用フィルタ2の水出口43から流出する前記水は管路P1を通って前記水入口15から水処理用フィルタ1へ導入され、前記と同様に中和(PH値を調整)されて水出口16から流出する。この水は実施の形態1と同様に身体に好適な弱アルカリ性になり、加えて二価三価鉄塩の作用による上述した特性を有する水となる。
【0071】
実施の形態2において、前記二価三価鉄塩は、前記式で示される化合物に代え、磁性を帯びた二価三価鉄塩を採用することもできる。磁性を帯びた二価三価鉄塩は上述したように電磁気処理による特性と化学処理による特性の両方を同時に兼ね備えた活性物質で、この活性物質は例えば次の方法により製造できる。
【0072】
即ち、0.1gの磁鉄鉱を10mlの濃塩酸に入れ、攪拌溶解させて24時間静置する。この溶液に25mlの2N水酸化ナトリウム水溶液を加えて24時間静置し、中和する。この溶液を減圧濃縮して結晶を析出し、空気乾燥器中で結晶を乾燥する。この結晶を10mlのエチルアルコールに入れて洗浄する。この洗浄操作を数回繰り返して結晶を精製し、活性物質(結晶)を得る。この際の収率は0.88gであった。次いで、5gの磁鉄鉱を10mlの濃塩酸に入れ、攪拌して半溶解させた後、上記工程で得られた活性物質結晶を0.1g加え、良く攪拌して24時間静置する。この上澄み液をデカンテーション法により不溶の磁鉄鉱と分離し、活性物質溶液(磁性を帯びた二価三価鉄塩の活性物質の溶液)を得る。
【0073】
そして、前記により得られた活性物質溶液を用い、前記セラミック固形物101と同様の方法により処理して磁性を帯びた二価三価鉄塩を担持させたセラミック固形物を製造する。なお、セラミック固形物の製造に当たり、前記基材101aの原料中に混入する前記活性物質溶液の分量についても前記セラミック固形物101と同様である。なお、この場合には前記溶液を水(蒸留水等)に溶かして原液(原液C)とする。これにより処理した水は実施の形態1と同様に身体に好適な弱アルカリ性になり、加えて磁性を帯びた二価三価鉄塩の作用による上述した特性を有する水になる。
【0074】
図14は本発明の水処理用フィルタ装置のさらに他の実施の形態(実施の形態3)の全体構成の概略を示すブロック図である。この水処理用フィルタ装置において、実施の形態1及び2で既に説明した構成と共通する部材には同一符号を付して説明は省略する。
【0075】
実施の形態3は実施の形態2において、前記水活性用フィルタ2を水処理用フィルタ1の水出口16側と連結して配置した構成を特徴とする。即ち、実施の形態3においては、水活性用フィルタ2は水入口42を管路P2により水処理用フィルタ1の水出口16と連結して配置されている。他の構成については実施の形態2と同様である。この実施の形態3によっても実施の形態2で処理した水と同様の水が得られる。
【0076】
図15は本発明の水処理用フィルタ装置のさらに他の実施の形態(実施の形態4)を示す縦断面図、図16は図15の前記フィルタ装置の作用説明図である。この水処理用フィルタ装置において、実施の形態1及び2で既に説明した構成と共通する部材には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0077】
実施の形態4の水処理用フィルタ装置は前記水処理用フィルタ1と水活性用フィルタ2とを組合せた構成に特徴がある。即ち、実施の形態4は実施の形態1の水処理用フィルタ装置において、前記ハウジング11内に前記PH調整用処理器12と、前記第2の水処理剤層44とを一緒に設けた構成に特徴がある。実施の形態4の水処理用フィルタ装置は水を通過させて処理する水処理用フィルタ1Aを備えている。
【0078】
前記水処理用フィルタ1Aは、前記ハウジング11内の前記水入口側に位置させて、前記水入口15と前記水通過用の主通路14及び前記水導入部19とを連通させて形成した水処理剤収容室33を備えている。そして、前記収容室33内に前記第2の水処理剤層44が充填して収容されている。この水処理剤層44は実施の形態2で開示した二価三価鉄塩を含有する複数個のセラミック固形物101で構成されている。前記層44の前記水入口15側端(図15において下端)にはグラスファイバー、不織布その他の素材よりなるフィルタ部材34が敷設されている。これにより、第2の水処理剤層44は両端を前記フィルタ部材34及び25でサンドイッチ状に挟まれている。また、実施の形態4の前記収容室33内には前記閉塞板11bの内壁面にフィルタ受け体35が突設されている。そして、前記受け体35で前記フィルタ部材34を受け止めている。他の構成は実施の形態1の水処理用フィルタと同様に構成されている。
【0079】
前記PH調整用処理器12の前記収容ケース17内に充填した前記第1の水処理剤層18は上述したように実施の形態1で開示したカルシウム成分を含有する複数個の前記カルシウム成分含有材18aで構成され、このカルシウム成分含有材18aは実施の形態1と同様にカルシウム成分を含有する前記セラミック固形物18bで構成されている。
【0080】
ここで、前記セラミック固形物18bの具体的製造方法の一例につき説明する。前記セラミック固形物18bは実施の形態2で説明した二価三価鉄塩を含有するセラミック固形物101と同様の方法により製造することができる。即ち、例えば、前記セラミック基材101aと同様の材料を前記と同様の割合で配合し、この配合物に対して焼成した動物の骨粉を適当な割合(例えば前記配合物に対して約5重量%ないし約30重量%)で添加する。そして、前記原料を適当な容器に入れ、これに蒸留水等の水を適量添加して均一に攪拌混練し、これを所望の大きさ及び形状(例えば直径約2ミリ〜約5ミリ程度のボール状)に形成する。この場合、前記水として二価三価鉄塩を含有する水を採用してもよい。この水としては上述した二価三価鉄塩の原液(原液A又はB又はC)を例えば約10万倍〜約1000万倍に希釈した希釈液を使用することができる。
【0081】
そして、前記成形品を適当な温度(例えば約800℃〜約1100℃程度)で適当な時間(例えば約10時間〜約30時間)焼成する。これにより前記成形品はセラミック状に焼成固化し、カルシウム成分を含有するセラミック固形物18bが造られる。このセラミック固形物18bは前記セラミック固形物101と同様に、全体的に無数の微細な孔(室)を備えた多孔質に形成される。
【0082】
実施の形態4の水処理用フィルタ装置は上記した構成を具備してなっている。この構成により、ハウジング11の水入口15から導入される水道水,井戸水,中空糸膜透過水、或いは逆浸透膜透過水等の水は、図16に矢印で示すように、フィルタ部材34、収容室33内の第2の水処理剤層44、及びフィルタ部材25を通過し、前記主流路14を通り、フィルタ部材26、孔28を通って水合流室13内へ導入される。そして、前記水は前記層44を通過中、セラミック固形物101と接触して反応し、前記二価三価鉄塩を含有する水となる。
【0083】
一方、前記過程において、前記層44を通過した水の一部は前記室33内で分流され、フィルタ部材25、30を通過して水導入部19から前記水処理器12の前記ケース17内へ導入される。この分流導入水は前記ケース17内の第1の水処理剤層18を通過し、フィルタ部材32を経て水流出部20からケース17外へ流出する。そして、前記水は第1の水処理剤層18を通過中、前記セラミック固形物18bと接触して前記と同様に陽イオン交換が行なわれ、中和される。
【0084】
上記のように、前記ケース17内へ導入された前記分流導入水は前記層18を通過する間に前記と同様に中和処理される。そして、前記層18を通過した分流通過水(この通過水はPH値が高い)は上記したように水流出部20から導出され、フィルタ部材26、孔28を通過して水合流室13内へ入り、主通路14を通って水合流室13内へ導入した前記水(前記層18を通過しない主流の水)と合流し、ハウジング11の水出口16から流出する。したがって、前記水は前記分流通過水により中和(PH値を調整)され、弱アルカリ水となる。このように、実施の形態4によれば、前記フィルタ1Aのハウジング11の水出口16から流出する水は身体に好適な弱アルカリ性になり、加えて二価三価鉄塩の作用による上述した特性を有する水になる。
【0085】
図17は本発明の水処理用フィルタ装置のさらに他の実施の形態(実施の形態5)を示す縦断面図である。実施の形態5は実施の形態4の水処理用フィルタ装置において、前記水処理剤収容室33内に第3の水処理剤層36をさらに充填して設けた構成に特徴がある。
【0086】
即ち、実施の形態5の水処理用フィルタ装置の水処理用フィルタ1Bの前記収容室33内には活性炭で構成した第3の水処理剤層36が充填されている。図17では前記収容室33内の図において前記第2の水処理剤層44の上部側、即ち、第2の水処理剤層44とPH調整用処理器12との間に位置させて、前記第2の水処理剤層44の端面にフェルト材や濾紙その他の素材よりなるフィルタ部材37を介在して第3の水処理剤層36を充填した例が開示されている。他の構成は実施の形態4の水処理用フィルタ1Aと同様であるため、同一構成部には同一符号を付して説明を省略する。
【0087】
実施の形態5の水処理用フィルタ装置は上記のように構成されている。これにより実施の形態4のフィルタ装置の作用に加え、既に説明した活性炭による作用で処理された水になる。
【0088】
図18は本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置の一実施の形態の全体構成の概略を示すブロック図、図19は同上装置に使用される逆浸透膜フィルタの一例を示す縦断面図、図20は同上フィルタの逆浸透膜エレメントの構成を説明するために示す説明図、図21は前記フィルタの逆浸透膜部分を示す縦断面図である。この実施の形態(実施の形態6)の水処理装置は実施の形態1の水処理用フィルタ装置(図1ないし図9に開示したフィルタ装置)を用いて構成した水処理装置である。この水処理装置において、実施の形態1で既に説明した構成と共通する部材には同一符号を付して説明は省略する。
【0089】
上記図18ないし図21において、この実施の形態6の水処理装置は、図18に示すように、一次フィルタ3と、このフィルタ3と管路P3で連結した二次フィルタ4と、このフィルタ4と管路P4で連結した逆浸透膜フィルタ5と、このフィルタ5と管路P5で連結した前記水処理用フィルタ1と、このフィルタ1と管路P6で連結した貯水タンク6とを備えている。
【0090】
前記一次フィルタ3は一次処理用のフィルタで、炭素繊維等のフィルタ素子が内臓され、約5μm以上の物質を濾過して分離除去するように構成されている。このフィルタ3は入口部3aを原水供給部7(水道等の蛇口等)と管路P7で連結され、原水(水道水等)を前記フィルタ3へ圧力導入するように構成してある。これにより、原水は前記フィルタ3を通して鉄錆や水垢等の比較的大きめ(約5μm以上)の不純物が除去され、一次処理水となって二次フィルタ4へ送給される。
【0091】
前記二次フィルタ4は二次処理用のプレフィルタで、高吸着活性炭等の濾過素子が内臓され、約1μm以上の物質を吸着・濾過して分離除去するように構成されている。このフィルタ4は入口部4aを前記フィルタ3の出口部3bと前記管路P3で連結して配置されている。
【0092】
前記管路P3中にはポンプ8が介装して設けられ、前記フィルタ3から送出される水(一次処理水)を前記ポンプ8で前記二次フィルタ4へ圧力送給するようにしてある。前記ポンプ8は例えばブースタポンプ等で構成され、水を所定の圧力で送給するようになっている。前記ポンプ8は水の送給圧力を調整できるタイプのものを採用することが好ましい。前記一次処理水は前記ポンプ8により所定の圧力で前記二次フィルタ4へ送給され、前記フィルタ4を通過する間に塩素,一部の雑菌,水臭気等、約1μm以上の不純物が除去され、二次処理水となって前記逆浸透膜フィルタ5へ所定の圧力で送給される。
【0093】
前記タンク6は前記水処理用フィルタ1から流出する処理水を貯留するもので、入口部6a及びコック6bを備えている。前記フィルタ1と前記タンク6の入口部6aを連結した前記管路P6中には電磁弁9が介装して設けてある。前記タンク6は所定部にタンク6内の水位を検知するセンサ(図示せず)を備え、このセンサは前記電磁弁9及び前記ポンプ8と関連させてあり、タンク6内の水位が所定の位置に達すると、ポンプ8の稼動を停止すると共に電磁弁9を閉じ、タンク6内の水位が所定の位置より低下するとポンプ8を稼動すると共に電磁弁9を開くように構成してある。これによりタンク6内には常時所定量の水が貯留される。
【0094】
また、前記タンク6はプラグ型アキュムレータ等の空気圧力タンクを採用することもできる。この場合にはタンク6の所定部にタンク6内の圧力を検知するセンサ(図示せず)を前記ポンプ8及び電磁弁9と関連して設ける。そして、タンク内の圧力を前記センサで検知させ、ポンプ8の稼動・停止及び電磁弁9の開閉を制御するように構成する。
【0095】
前記逆浸透膜フィルタ5は前記管路P4により前記二次フィルタ4の出口部4bと連結して配置され、フィルタ4から送出される水(二次処理水)が圧力導入される。このフィルタ5は水に含まれる略全ての溶解物(水分子以外の略全ての物質)を分離除去するものである。
【0096】
この実施の形態6の前記逆浸透膜フィルタ5は、図19に示すように、入口部52及び出口部53を有するハウジング51と、前記入口部52側と出口部53側とを仕切るように、前記ハウジング51内に収容して設けた逆浸透膜エレメント54とを備えている。前記ハウジング51は円筒状に形成され、両端に閉塞板55及び56を備えている。前記入口部52は一方の閉塞板55に、また、前記出口部53は他方の閉塞板56に設けてある。
【0097】
前記入口部52は前記管路P4により前記二次フィルタ4の出口部4bと連結されている。前記出口部53は逆浸透膜を透過した逆浸透膜透過水の出口である。前記他方の閉塞板56には前記逆浸透膜を透過しない水を排出する排水出口57が設けてある。
【0098】
前記逆浸透膜エレメント54は逆浸透膜を形態化したもので、逆浸透膜の形態には平膜,複合膜或いは中空糸膜等があり、その素材としては、酢酸セルロール系,ポリアミド系,架橋ポリアミン系,架橋ポリエーテル系,スルホン化ポリスルホン等がある。また、前記エレメント54の形態にはスパイラル型,平板型,プリーツ型或いは複数本の中空糸膜を束ねて形成した中空糸型等がある。本発明はこれらの素材及び形態に左右されるものではなく、全て適応可能である。
【0099】
この実施の形態6の前記エレメント54は、図20に示すように、複数の透孔58aが形成された中空管58と、前記管58の外周に配置した複数の逆浸透膜59と、前記各膜59間に介在したコルゲート状やネット状等のスペーサ60、及び透過水通過層61とを備えている。前記逆浸透膜59は、図21に示すように全体として袋状に形成され、その中に例えばトリコット等からなる前記通過層61が収容されている。そして、図20に示すように、前記逆浸透膜59の開口部59aで前記中空管58の透孔58aを包むようにして、前記各逆浸透膜59の開口端部を樹脂接着剤等により気密性を保持して前記管58の外周面に固着されて前記管58の周囲に配置されている。これにより各膜59の内部は透孔58aを介して中空管58内と連通している。
【0100】
そして、各逆浸透膜59を各スペーサ60と一緒に中空管58に渦巻状に巻き付けてスパイラル型に構成され、全体の両端に通液構造の枠体62,63(図19参照)を装着することによりスパイラル構造を維持している。
【0101】
前記枠体62,63には弾性ガスケット64,65が固定されている。前記エレメント54は、一方の枠体(図示では枠体62)を一方の閉塞板55側に、また、他方の枠体(図示では枠体63)を他方の閉塞板56側に位置させて、前記ガスケット64,65でシールされてハウジング51内に収容されている。
【0102】
前記中空管58の一端58a(図19において枠体62側)は閉塞され、前記管58の他端58b(図19において枠体63側)側は前記閉塞板56を貫通すると共にシールして板56外に突出させ、この突出端部で前記出口部53を構成してある。
【0103】
前記構成により、ハウジング51の入口部52から圧力導入される水(二次処理水)は、図19に矢印で示すように枠体62側から逆浸透膜59のスペーサ60の部分へ導入される。この水はスペーサ60の部分を通る過程で、その一部の水が逆浸透膜59を透過する。そして、前記膜59を透過した水は前記通過層61に沿って次第に中空管58に近づき、透孔58aを経て中空管58内に取込まれ、残りの水は排水出口57からハウジング51外へ排出され、前記出口57と連結した排水管路P8(図18参照)を通って所定部に排水される。
【0104】
一方、前記管58内に取り入れられた透過水は出口部53からハウジング51外へ送出され、水処理用フィルタへ送給される。この透過水は前記膜51の透過により、水分子以外の略全ての物質が分離除去され、純水ないし限りなく純水に近い水になる。なお、前記透過水は上述したように、水中に含まれているカルシウムやマグネシウム等の硬度成分も全て分離除去されるので、PH値が低下してPH約5.8〜約6.5、平均約6程度の酸性水となる。
【0105】
そして、前記逆浸透膜透過水は管路を通って水処理用フィルタ1の水入口15からハウジング11内に導入され、実施の形態1で説明をしたように水処理用フィルタ1で中和処理(PH値を調整)されて弱アルカリ水となり、この水は水出口16から流出し、管路P6を通って貯水タンク76内に入り、貯留される。この水は身体に好適な弱アルカリ水である。そして、所要時に前記タンク6のコック6aを開けて使用する。
【0106】
また、実施の形態6では、図18に示すように、前記タンク6内に二価三価鉄塩を含有する所望数のセラミック固形物10を出し入れ自在に収容されている。前記固形物10は、例えば、多数の孔を有する容器や網製のケース等に入れた状態で前記タンク5内に収容される。前記セラミック固形物10は実施の形態2で説明した前記セラミック固形物101と同様のものを使用することができる。なお、前記セラミック固形物10は所望に応じて設けるもので、省略してもよい。この点については後述する実施の形態においても同様である。
【0107】
図22は本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置の他の実施の形態(実施の形態7)の全体構成の概略を示すブロック図である。この実施の形態7の水処理装置は実施の形態2の水処理用フィルタ装置(図10ないし図13に開示したフィルタ装置)を用いて構成した水処理装置である。この水処理装置において、実施の形態2及び6で既に説明した構成と共通する部材には同一符号を付し、説明は省略する。
【0108】
実施の形態7は実施の形態6の水処理装置において、前記水処理用フィルタ1と逆浸透膜フィルタ5との間に実施の形態2で説明した水活性用フィルタ2を介装して設けた構成を特徴とする。即ち、実施の形態7では、前記水活性用フィルタ2の水出口43を管路P1により前記水処理用フィルタ1の水入口15と連結すると共に水入口42を管路P5により逆浸透膜フィルタ5の出口部53と連結して配置されている。他の構成は実施の形態6の水処理装置と同様に構成されている。
【0109】
実施の形態7の水処理装置は上記のように構成されている。これにより、逆浸透膜フィルタ5から送出される逆浸透膜透過水は管路P5を通って水活性用フィルタ2の水入口42からハウジング41内に導入され、実施の形態2で説明したように前記フィルタ2で処理されて二価三価鉄塩を含有する水となる。そして、この水は水出口43から流出し、管路P1を通って水処理用フィルタ1へ送給され、この水は前記と同様に水処理用フィルタ1で中和(PH値を調整)されて水出口16から流出し、管路P6を通って貯水タンク76内に入り、貯留される。この水は実施の形態6と同様に身体に好適な弱アルカリ性になり、加えて二価三価鉄塩の作用による上述した特性を有する水となる。
【0110】
図23は本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置のさらに他の実施の形態(実施の形態8)の全体構成の概略を示すブロック図である。この実施の形態8は実施の形態3の水処理用フィルタ装置(図14に開示したフィルタ装置)を用いて構成した水処理装置である。この水処理装置において、実施の形態3及び6で既に説明した構成と共通する部材には同一符号を付し、説明を省略する。
【0111】
実施の形態8は実施の形態6の水処理用装置において、前記水活性用フィルタ2を前記水処理用フィルタ1と前記タンク6との間に配置した構成を特徴とする。即ち、実施の形態8においては、水活性用フィルタ2は水入口42を管路P2により水処理用フィルタ1の入出口16と連結すると共に入出口43を管路P6により貯水タンク6の入口部6aと連結して配置されている。他の構成は実施の形態6の水処理装置と同様に構成されている。この実施の形態8によっても実施の形態7で処理した水と同様の水が得られる。
【0112】
図24は本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置のさらに他の実施の形態(実施の形態9)の全体構成の概略を示すブロック図である。この実施の形態9は実施の形態4の水処理用フィルタ装置(図15及び図16に開示したフィルタ装置)を用いて構成した水処理装置である。この水処理装置において、実施の形態4及び6で既に説明した構成と共通する部材には同一符号を付し、説明を省略する。
【0113】
実施の形態9は実施の形態6の水処理装置において、前記逆浸透膜フィルタ5と貯水タンク6との間に実施の形態4で開示した前記水処理用フィルタ1Aを配置した構成を特徴とする。即ち、実施の形態9は前記フィルタ1Aの水入口15を管路P5により逆浸透膜フィルタ5の出口部53と連結すると共に水出口16を管路P6により貯水タンク6の入口部6aと連結して配置されている。他の構成は実施の形態6の水処理装置と同様に構成されている。
【0114】
実施の形態9の水処理装置は上記のように構成されている。これにより、逆浸透膜透過水は管路P5を通って水処理用フィルタ1Aの水入口15からハウジング11内に導入され、実施の形態4で説明したように第2の水処理剤層44で処理されて二価三価鉄塩を含有する水となると共にPH調整用処理器で中和(PH値を調整)されて水出口16から流出し、管路P6を通って貯水タンク6内に入り、貯留される。この水は実施の形態6と同様に身体に好適な弱アルカリ性になり、加えて二価三価鉄塩の作用による上述した特性を有する水となる。
【0115】
図25は本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置のさらに他の実施の形態(実施の形態10)を示す説明図である。この実施の形態10は実施の形態5の水処理用フィルタ装置(図17に開示したフィルタ装置)を用いて構成した水処理装置である。
【0116】
実施の形態5の水処理装置200は、図25に示すように、図17の水処理用フィルタ1Bを出し入れ自在に収容するハウジング201を備えている。ハウジング201は前記フィルタ1Bを収容する円筒状の収容筒202と、この筒202の一端(図において上端)を気密に閉塞する上蓋203と、筒202の他端(図において下端)を気密に閉塞する底部材204とを備えている。
【0117】
前記底部材204の上面中心部には前記フィルタ1Bの水入口15(管)を嵌合してハウジング11の水処理剤収容室33に連通する嵌合孔205を有し、前記フィルタ1Bは水入口15を前記孔205へ嵌合して収容筒202内に収容されている。前記底部材204は前記孔205に連通する水導入口206を有し、水導入口206には接続プラグ207が取付けてある。また、前記上蓋203の中心部には中心孔(図示せず)を有する取付部材208が一体形成され、送水管209の基端部をナット部材210により取付部材208の前記孔と連通させて取付けてある。そして、前記フィルタ1Bの水出口16(管)はシール部材211を貫通して水出口16の先端を送水管209の基端と連通させ、前記ナット部材210で締め付けて、前記フィルタ1Bを収容筒202に固定してある。なお、上述したように、前記フィルタ1Bは図17に開示したものであるため、同一構成部には同一符号を付して説明を省略する。
【0118】
図25に示す実施の形態5の水処理装置200は上記のように構成したもので、次にその使用方法等につき説明する。前記プラグ207を例えば水道の蛇口等(図示せず)に接続してセットする。そこで、蛇口等のコックを開くと、水は水導入口206を通り、水入口15からハウジング51の前記収容室33内に導入される。この水は上述したように第2及び第3の水処理材層44、36を通過して処理され、また、第1の水処理剤層18で中和(PH値調整)され、水出口16を通り、送水管209から流出する。この水は身体に好適な弱アルカリ性になり、加えて活性炭による作用及び二価三価鉄塩の作用による上述した特性を有する水となる。
【0119】
なお、上述した実施の形態の水処理装置は一例として開示したもので、既に説明したように、水処理装置の種類等は任意の構成に変更できるものである。
【0120】
【発明の効果】
本発明によれば水道水,井戸水,中空糸膜透過水、或いは逆浸透膜透過水その他の水を中和(PH値を調整)して、身体に好適な弱アルカリ性にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水処理用フィルタ装置の一実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】同上装置に採用されるPH調整用処理器の収容ケースのケース本体部分を示す縦断面図である。
【図4】前記収容ケースの蓋部材の部分を示す平面図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】図4のC−C線断面図である。
【図7】同上装置に採用される押え部材を示す平面図である。
【図8】図7のD−D線断面図である。
【図9】同上フィルタ装置の作用説明図である。
【図10】本発明の水処理用フィルタ装置の他の実施の形態の全体構成の概略を示すブロック図である。
【図11】図10の装置に採用される水活性用フィルタの一例を示す縦断面図である。
【図12】図11の前記フィルタの作用説明図である。
【図13】図11の前記フィルタのセラミック固形物の製造工程を示す説明図であって、同図Aはセラミック基材の構成原料を製造する工程を示す説明図、同図Bはセラミック基材の成形品を製造する工程を示す説明図、同図Cはセラミック固形物の完成品を示す説明図である。
【図14】本発明の水処理用フィルタ装置のさらに他の実施の形態の全体構成の概略を示すブロック図である。
【図15】本発明の水処理用フィルタ装置のさらに他の実施の形態を示す縦断面図である。
【図16】図15の前記フィルタ装置の作用説明図である。
【図17】本発明の水処理用フィルタ装置のさらに他の実施の形態を示す縦断面図である。
【図18】本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置の一実施の形態の全体構成の概略を示すブロック図である。
【図19】図18の装置に使用される逆浸透膜フィルタの一例を示す縦断面図である。
【図20】図19の前記フィルタの逆浸透膜エレメントの構成を説明するために示す説明図である。
【図21】前記フィルタの逆浸透膜部分を示す縦断面図である。
【図22】本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置のさらに他の実施の形態の全体構成の概略を示すブロック図である。
【図23】本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置のさらに他の実施の形態の全体構成の概略を示すブロック図である。
【図24】本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置のさらに他の実施の形態の概略を示すブロック図である。
【図25】本発明の水処理用フィルタ装置を用いて構成した水処理装置のさらに他の実施の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…水処理用フィルタ
11…ハウジング
12…PH調整用処理器
13…水合流室
14…水通過用の主通路
15…水入口
16…水出口
17…収容ケース
18…第1の水処理剤層
18b…セラミック固形物
19…水導入部
20…水流出部
Claims (18)
- 水処理用フィルタを備え、水を前記フィルタを通過させて処理する水処理用フィルタ装置において、
前記水処理用フィルタは、水入口及び水出口を有するハウジングと、前記ハウジング内に収容して設けたPH調整用処理器と、前記水出口と連通させて前記ハウジング内に形成された水合流室と、前記入口側と水合流室とを連通させて前記ハウジング内に形成された水通過用の主通路とを備え、
前記PH調整用処理器は、収容ケース内に充填した第1の水処理剤層と、前記ケースに設けられ、前記水入口からハウジング内に導入される水の一部を分流させて前記ケース内に導入する分流用の水導入部と、前記ケース内と水合流室側とを連通させて前記ケースに設けた水流出部とを備え、
前記水処理剤層はカルシウム成分を含有する複数個のカルシウム成分含有材で構成されていることを特徴とする、
水処理用フィルタ装置。 - 請求項1記載の水処理用フィルタ装置において、前記水処理用フィルタの前記水入口側と連結して設けられ、水入口及び水出口を有するハウジング内に第2の水処理剤層を充填した水活性用フィルタをさらに備え、
前記第2の水処理剤層は二価三価鉄塩を含有する複数個のセラミック固形物で構成されていることを特徴とする、水処理用フィルタ装置。 - 請求項2記載の前記水活性用フィルタは前記水処理用フィルタの水出口側と連結して設けてあることを特徴とする、請求項1記載の水処理用フィルタ装置。
- 請求項1記載の水処理用フィルタ装置において、前記水処理用フィルタの前記水入口と前記主通路及び前記水導入部とを連通させて前記ハウジング内に形成した水処理剤収容室をさらに備え、前記第2の水処理剤層は前記収容室内に充填されていることを特徴とする、水処理用フィルタ装置。
- 請求項4記載の水処理用フィルタ装置において、前記水処理剤収容室内に充填した第3の水処理剤層をさらに備え、
前記第3の水処理剤層は活性炭で構成されていることを特徴とする、水処理用フィルタ装置。 - 前記カルシウム成分含有材はカルシウム成分を含有するセラミック固形物で構成されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の水処理用フィルタ装置。
- 前記カルシウム成分は珊瑚砂、焼成した珊瑚、焼成した貝化石及び焼成した動物骨の群から選ばれる少なくとも1種の物質であることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の水処理用フィルタ装置。
- 前記二価三価鉄塩は、式
Fe+2 m Fe+3 n Cl2m+3n(式中m及びnは正の整数を示す)で示される化合物であることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれかに記載の水処理用フィルタ装置。 - 前記二価三価鉄塩は請求項8記載の前記式で示される化合物に代え、磁性を帯びた二価三価鉄塩であることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれかに記載の水処理用フィルタ装置。
- 前記磁性を帯びた二価三価鉄塩は、磁鉄鉱を濃塩酸に溶解させた後、この溶液を中和し、この中和した溶液を濃縮して結晶化し、この結晶を、磁鉄鉱を濃塩酸に半溶解させた溶液に加える工程とを含んで得られる化合物であることを特徴とする、請求項9記載の水処理用フィルタ装置。
- 前記水通過用の主通路は前記水処理用フィルタのハウジングの内周壁面と前記PH調整用処理器の前記ケースの外周壁面との間に形成された間隙部で構成されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の水処理用フィルタ装置。
- 前記水導入部はピンホールで構成されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の水処理用フィルタ装置。
- 前記水流出部はピンホールで構成されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の水処理用フィルタ装置。
- 請求項1ないし13のいずれかに記載の水処理用フィルタ装置を用いて構成されていることを特徴とする、水処理装置。
- 請求項14記載の水処理装置において、この水処理装置は前記水処理用フィルタ装置の上流側に連結して設けた逆浸透膜フィルタを備えていることを特徴とする、水処理装置。
- 請求項15記載の水処理装置において、被処理水を前記逆浸透膜フィルタ側へ送給するポンプをさらに備えていることを特徴とする、水処理装置。
- 請求項14ないし16のいずれかに記載の水処理装置において、前記水処理用フィルタ装置の下流側と連結して設けた貯水タンクをさらに備えていることを特徴とする、水処理装置。
- 請求項17記載の水処理装置において、前記タンク内に二価三価鉄塩を含有する所望数のセラミック固形物を出し入れ自在に収容してあることを特徴とする、水処理装置。
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