JP2004243284A - 静電塗装装置及び静電塗装方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部印加式の静電塗装において塗着効率を高める。
【解決手段】バッファタンク17を高抵抗18を介して接地側Gに接続しているので、バッファタンク17から塗装ガン10に至る塗料供給路19及びノズル11が所定の電位に保たれ、ノズル11から噴出する塗料Pは所定電位に帯電された状態となっている。噴出された帯電塗料Pは、チャージ電極15によるコロナチャージにより、電位が更に高められる。かかる静電塗装装置によれば、ノズル11が接地されているものに比べて、塗料Pを高い電位に帯電させることができるので、塗着効率がよい。
【選択図】 図1
【解決手段】バッファタンク17を高抵抗18を介して接地側Gに接続しているので、バッファタンク17から塗装ガン10に至る塗料供給路19及びノズル11が所定の電位に保たれ、ノズル11から噴出する塗料Pは所定電位に帯電された状態となっている。噴出された帯電塗料Pは、チャージ電極15によるコロナチャージにより、電位が更に高められる。かかる静電塗装装置によれば、ノズル11が接地されているものに比べて、塗料Pを高い電位に帯電させることができるので、塗着効率がよい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性塗料用の静電塗装装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
導電性を有する塗料に用いられる静電塗装装置としては、外部印加式のものとボルテージブロック式のものがある。外部印加式のものは、塗装ガンの外部にノズルの近傍に位置するようにチャージ電極を設け、ノズルから噴出した塗料に対してコロナチャージにより静電気を帯電させるようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−355582公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
外部印加式の静電塗装装置の場合、コロナ放電による印加を行うためにはチャージ電極をノズルの近くに配置する必要があるが、チャージ電極をノズルに近づけた状態で電圧を高くし過ぎるとリークの虞があることから、チャージ電極の電圧を低い値に抑えざるを得ない。そのため、塗着効率が低く(50%前後)、非静電塗装の塗着効率(40%前後)と大差がない、という欠点を有する。
【0005】
本願発明は上記事情に鑑みて創案され、外部印加式の静電塗装において塗着効率を高めることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ノズルから導電性の塗料を噴出する塗装ガンと、前記塗装ガンの外部に設けられ、前記ノズルから噴出した塗料をコロナチャージにより帯電させるチャージ電極とを備えた静電塗装装置において、前記塗装ガンに供給される塗料が貯留されるバッファタンクと、前記バッファタンクと接地側との間に介設された高抵抗とが設けられている構成とした。
【0007】
請求項2の発明は、塗装ガンのノズルから導電性の塗料を噴出し、前記ノズルから噴出した塗料に、前記塗装ガンの外部に設けたチャージ電極によるコロナチャージにより帯電させる静電塗装方法において、前記塗装ガンに供給される塗料を、高抵抗を介して接地側に接続されたバッファタンク内に貯留することで、所定電圧に帯電させ、その帯電した状態で前記ノズルから噴出した塗料に対し前記チャージ電極によるコロナチャージを行う構成とした。
【0008】
【発明の作用及び効果】
[請求項1の発明]
塗装ガンに供給される塗料を、高抵抗を介して接地側に接続させたバッファタンク内に貯留したことにより、バッファタンクから塗装ガンに至る塗料供給経路及びノズル内の塗料が所定の電位に帯電された状態となる。そして、ノズルから噴出した帯電塗料は、チャージ電極によるコロナチャージにより、電位が更に高められる。このように本発明によれば、ノズルが接地されているものに比べて、塗料を高い電位に帯電させることができるので、塗着効率がよい。
【0009】
また、バッファタンクが帯電した状態で絶縁されている場合、塗料の補充などの際にはバッファタンクを一旦接地し、作業後に再び帯電させる必要があるため、接地と絶縁の切り替えのための装置が大掛かりになるだけでなく、作業工程が多くなるという問題があるが、本発明では、バッファタンクを高抵抗を介して接地し、バッファタンクから接地側へ常時リーク電流が流れ続けるようにしているので、補充の際にバッファタンク内の塗料と補充される塗料との間で放電が発生する虞がなく、したがって、バッファタンクを接地状態と絶縁状態とで切り替える必要がない。
【0010】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1を参照して説明する。
本実施形態は、水性塗料などのように導電性を有する塗料Pのための外部印加方式の静電塗装装置であり、塗装ガン10、チャージ電極15、バッファタンク17、高抵抗18、及び塗料供給路19を備えて構成されている。
塗装ガン10は、接地側Gから電気的に絶縁されており、その前端に設けたノズル11からは液体の塗料Pが霧化状(細かい粒子状)になって噴出するようになっている。尚、塗料Pを霧化する手段としては、エア供給源13から圧力調整弁14を介して塗装ガン10に供給されたエアが用いられている。ノズル11から噴出した塗料Pは、後述するようにマイナス電位の静電気を帯びた状態で、接地されている被塗物(図示せず)に塗着されるようになっている。
【0011】
チャージ電極15は、接地側Gから電気的に絶縁された状態で、塗装ガン10の外部であってノズル11の近傍位置に設けられている。チャージ電極15には高電圧発生装置16が接続されており、この高電圧発生装置16により、チャージ電極15は、後述するバッファタンク17の電位、ノズル11とチャージ電極15との距離などの塗装条件に応じた所定の負電位に設定されている。
バッファタンク17は、液体状態の塗料Pを貯留するためのものであって、このバッファタンク17は高抵抗18を介して接地されている。この高抵抗18の値は、1000MΩ以下、好ましくは1M〜50MΩとされる。このようにバッファタンク17と接地側Gとの間に高抵抗18を介設することにより、バッファタンク17及びバッファタンク17内に貯留される塗料Pの帯電圧は所定の負電位に調整されている。このバッファタンク17の帯電圧は、20KV以下、好ましくは2KV〜10KVとされる。
【0012】
塗料供給路19は、ゴムなどの絶縁製のホースからなり、接地側Gから電気的に絶縁されている。塗料供給路19の基端(上流端)はバッファタンク17に接続され、塗料供給路19の先端(下流端)は塗装ガン10に接続されている。塗料供給路19にはポンプ(図示せず)とレギュレータ(図示せず)が介設されており、ポンプの駆動によりバッファタンク17内の塗料Pが塗装ガン10に供給されるようになっている。尚、塗装ガン10にはトリガ12が設けられており、このトリガ12の操作によって、ノズル11からの塗料Pの噴出・停止を行なうことができる。
【0013】
また、本実施形態の静電塗装装置には、バッファタンク17に塗料Pを補給するための塗料補給装置20が設けられている。塗料補給装置20には、バッファタンク17内に塗料Pを流し込むためのパイプ21が、バッファタンク17と非接触の状態で設けられている。また、塗料補給装置20には、ポンプ22を介してタンク23が接続されており、タンク23内にはバッファタンク17よりも大量の液体塗料Pが貯留されている。バッファタンク17内の塗料Pの貯留量が一定以下まで減少すると、それを検知した塗料補給装置20がポンプ22を駆動させ、タンク23からバッファタンク17内に塗料Pを補給するようになっている。かかる塗料補給装置20、ポンプ22及びタンク23は、いずれも、接地されている。
【0014】
次に、本実施形態の作用を説明する。
バッファタンク17、バッファタンク17内の塗料P、塗料供給路19内の塗料P、塗装ガン10内の塗料P、及びノズル11を、例えば5KVの負電位に帯電するように、高抵抗18の値を調整する。また、チャージ電極15は例えば35KV、即ちノズル11よりも30KV高い電位に調整する。このように塗装ガン10に供給される塗料Pを、高抵抗18を介して接地側Gに接続したバッファタンク17内に貯留したことにより、バッファタンク17の塗料P、バッファタンク17から塗装ガン10に至る塗料供給経路内の塗料P及び塗装ガン10内の塗料Pが所定の電位に帯電された状態となる。
【0015】
この状態で、塗装ガン10のトリガ12を操作すると、ノズル11からは、5KVに帯電(内部印加)された塗料Pが霧化状態で噴出し、その噴出した霧化塗料Pに対してチャージ電極15によるコロナチャージ(外部印加)が行われ、霧化塗料Pは35KVに帯電した状態で被塗物(図示せず)に塗着される。
従来の外部印加方式においてノズルを接地させるとともにチャージ電極とノズルとの電位差を30KVとした場合には塗料の帯電圧がチャージ電極とノズルとの電位差と同じ30KVであるのに対し、本実施形態では、バッファタンク17を高抵抗18を介して接地することで塗料Pの電位を予め5KVまで昇圧し、その5KVの塗料Pに対して更に30KVをコロナチャージにより帯電させたので、最終的な塗料Pの帯電圧を従来よりも5KV高い35KVとすることができた。このように塗料Pの帯電圧を従来よりも高くすることができたので、本実施形態では、被塗物に対する塗着効率が従来の外部印加方式に比べて、約10%向上している。
【0016】
尚、塗料Pの帯電圧を高める方法としては、ノズル11とチャージ電極15との電位差を増大させることが考えられる。しかし、コロナチャージを成立させるためにはチャージ電極15はノズル11にある程度接近させておかなければならず、このようにノズル11とチャージ電極15が接近した状態で両者間の電位差を過大に増大させると、リークする虞がある。したがって、外部印加方式ではチャージ電極15とノズル11との電位差を増大させることには制約がある。しかしながら、本実施形態では、チャージ電極15による帯電を行う前に、予め塗料Pの電位を高めておくことができるので、塗料Pの電位をチャージ電極15とノズル11との電位差よりも高い値に高めることが実現されている。
【0017】
また、バッファタンク17に塗料Pを補充する際には、バッファタンク17を接地させずに、塗料補給装置20のパイプ21から塗料Pをバッファタンク17内の流下させる。このとき、接地状態となっている塗料補給装置20のパイプ21から流下した塗料Pが、5KVに昇圧されているバッファタンク17内の塗料Pに接触するので、この電位差のために放電が懸念される。しかし、バッファタンク17は高抵抗18を介して接地側Gに接続されていて、バッファタンク17から接地側Gへは、常時、電流が流れているので、放電する虞はない。したがって、塗料Pの補給の際にバッファタンク17を接地したり、補給の後にバッファタンク17を絶縁するといった切換作業が不要となっている。
【0018】
また、本実施形態ではバッファタンク17の帯電圧を5KVとしたので、バッファタンク17の絶縁性能としては10KV程度ですむ。したがって、ボールテージブロックする際に求められる条件(例えば、100KVの場合は接地側から300mm離す)も緩和され、接地側Gからの離間距離は30mm程度で済んでいる。尚、バッファタンク17に帯電される5KVの電圧は、冬季における衣服の摩擦などに起因する静電気の帯電圧(ほぼ3KV)と同程度である。
【0019】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では塗料を霧化する手段としてエアを用いたが、本発明は、エアレス塗装装置にも適用することができる。
(2)上記実施形態においてバッファタンクを複数設け、各バッファタンクに互いに色の異なる塗料を貯留するとともに、複数のバッファタンクと塗装ガンとの間に色替え用の切換装置を設けてもよい。この場合、各バッファタンク及び色替え装置は高抵抗を介して設置すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1における静電塗装装置の概略図
【符号の説明】
G…接地側
P…塗料
10…塗装ガン
11…ノズル
15…チャージ電極
17…バッファタンク
18…高抵抗
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性塗料用の静電塗装装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
導電性を有する塗料に用いられる静電塗装装置としては、外部印加式のものとボルテージブロック式のものがある。外部印加式のものは、塗装ガンの外部にノズルの近傍に位置するようにチャージ電極を設け、ノズルから噴出した塗料に対してコロナチャージにより静電気を帯電させるようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−355582公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
外部印加式の静電塗装装置の場合、コロナ放電による印加を行うためにはチャージ電極をノズルの近くに配置する必要があるが、チャージ電極をノズルに近づけた状態で電圧を高くし過ぎるとリークの虞があることから、チャージ電極の電圧を低い値に抑えざるを得ない。そのため、塗着効率が低く(50%前後)、非静電塗装の塗着効率(40%前後)と大差がない、という欠点を有する。
【0005】
本願発明は上記事情に鑑みて創案され、外部印加式の静電塗装において塗着効率を高めることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ノズルから導電性の塗料を噴出する塗装ガンと、前記塗装ガンの外部に設けられ、前記ノズルから噴出した塗料をコロナチャージにより帯電させるチャージ電極とを備えた静電塗装装置において、前記塗装ガンに供給される塗料が貯留されるバッファタンクと、前記バッファタンクと接地側との間に介設された高抵抗とが設けられている構成とした。
【0007】
請求項2の発明は、塗装ガンのノズルから導電性の塗料を噴出し、前記ノズルから噴出した塗料に、前記塗装ガンの外部に設けたチャージ電極によるコロナチャージにより帯電させる静電塗装方法において、前記塗装ガンに供給される塗料を、高抵抗を介して接地側に接続されたバッファタンク内に貯留することで、所定電圧に帯電させ、その帯電した状態で前記ノズルから噴出した塗料に対し前記チャージ電極によるコロナチャージを行う構成とした。
【0008】
【発明の作用及び効果】
[請求項1の発明]
塗装ガンに供給される塗料を、高抵抗を介して接地側に接続させたバッファタンク内に貯留したことにより、バッファタンクから塗装ガンに至る塗料供給経路及びノズル内の塗料が所定の電位に帯電された状態となる。そして、ノズルから噴出した帯電塗料は、チャージ電極によるコロナチャージにより、電位が更に高められる。このように本発明によれば、ノズルが接地されているものに比べて、塗料を高い電位に帯電させることができるので、塗着効率がよい。
【0009】
また、バッファタンクが帯電した状態で絶縁されている場合、塗料の補充などの際にはバッファタンクを一旦接地し、作業後に再び帯電させる必要があるため、接地と絶縁の切り替えのための装置が大掛かりになるだけでなく、作業工程が多くなるという問題があるが、本発明では、バッファタンクを高抵抗を介して接地し、バッファタンクから接地側へ常時リーク電流が流れ続けるようにしているので、補充の際にバッファタンク内の塗料と補充される塗料との間で放電が発生する虞がなく、したがって、バッファタンクを接地状態と絶縁状態とで切り替える必要がない。
【0010】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1を参照して説明する。
本実施形態は、水性塗料などのように導電性を有する塗料Pのための外部印加方式の静電塗装装置であり、塗装ガン10、チャージ電極15、バッファタンク17、高抵抗18、及び塗料供給路19を備えて構成されている。
塗装ガン10は、接地側Gから電気的に絶縁されており、その前端に設けたノズル11からは液体の塗料Pが霧化状(細かい粒子状)になって噴出するようになっている。尚、塗料Pを霧化する手段としては、エア供給源13から圧力調整弁14を介して塗装ガン10に供給されたエアが用いられている。ノズル11から噴出した塗料Pは、後述するようにマイナス電位の静電気を帯びた状態で、接地されている被塗物(図示せず)に塗着されるようになっている。
【0011】
チャージ電極15は、接地側Gから電気的に絶縁された状態で、塗装ガン10の外部であってノズル11の近傍位置に設けられている。チャージ電極15には高電圧発生装置16が接続されており、この高電圧発生装置16により、チャージ電極15は、後述するバッファタンク17の電位、ノズル11とチャージ電極15との距離などの塗装条件に応じた所定の負電位に設定されている。
バッファタンク17は、液体状態の塗料Pを貯留するためのものであって、このバッファタンク17は高抵抗18を介して接地されている。この高抵抗18の値は、1000MΩ以下、好ましくは1M〜50MΩとされる。このようにバッファタンク17と接地側Gとの間に高抵抗18を介設することにより、バッファタンク17及びバッファタンク17内に貯留される塗料Pの帯電圧は所定の負電位に調整されている。このバッファタンク17の帯電圧は、20KV以下、好ましくは2KV〜10KVとされる。
【0012】
塗料供給路19は、ゴムなどの絶縁製のホースからなり、接地側Gから電気的に絶縁されている。塗料供給路19の基端(上流端)はバッファタンク17に接続され、塗料供給路19の先端(下流端)は塗装ガン10に接続されている。塗料供給路19にはポンプ(図示せず)とレギュレータ(図示せず)が介設されており、ポンプの駆動によりバッファタンク17内の塗料Pが塗装ガン10に供給されるようになっている。尚、塗装ガン10にはトリガ12が設けられており、このトリガ12の操作によって、ノズル11からの塗料Pの噴出・停止を行なうことができる。
【0013】
また、本実施形態の静電塗装装置には、バッファタンク17に塗料Pを補給するための塗料補給装置20が設けられている。塗料補給装置20には、バッファタンク17内に塗料Pを流し込むためのパイプ21が、バッファタンク17と非接触の状態で設けられている。また、塗料補給装置20には、ポンプ22を介してタンク23が接続されており、タンク23内にはバッファタンク17よりも大量の液体塗料Pが貯留されている。バッファタンク17内の塗料Pの貯留量が一定以下まで減少すると、それを検知した塗料補給装置20がポンプ22を駆動させ、タンク23からバッファタンク17内に塗料Pを補給するようになっている。かかる塗料補給装置20、ポンプ22及びタンク23は、いずれも、接地されている。
【0014】
次に、本実施形態の作用を説明する。
バッファタンク17、バッファタンク17内の塗料P、塗料供給路19内の塗料P、塗装ガン10内の塗料P、及びノズル11を、例えば5KVの負電位に帯電するように、高抵抗18の値を調整する。また、チャージ電極15は例えば35KV、即ちノズル11よりも30KV高い電位に調整する。このように塗装ガン10に供給される塗料Pを、高抵抗18を介して接地側Gに接続したバッファタンク17内に貯留したことにより、バッファタンク17の塗料P、バッファタンク17から塗装ガン10に至る塗料供給経路内の塗料P及び塗装ガン10内の塗料Pが所定の電位に帯電された状態となる。
【0015】
この状態で、塗装ガン10のトリガ12を操作すると、ノズル11からは、5KVに帯電(内部印加)された塗料Pが霧化状態で噴出し、その噴出した霧化塗料Pに対してチャージ電極15によるコロナチャージ(外部印加)が行われ、霧化塗料Pは35KVに帯電した状態で被塗物(図示せず)に塗着される。
従来の外部印加方式においてノズルを接地させるとともにチャージ電極とノズルとの電位差を30KVとした場合には塗料の帯電圧がチャージ電極とノズルとの電位差と同じ30KVであるのに対し、本実施形態では、バッファタンク17を高抵抗18を介して接地することで塗料Pの電位を予め5KVまで昇圧し、その5KVの塗料Pに対して更に30KVをコロナチャージにより帯電させたので、最終的な塗料Pの帯電圧を従来よりも5KV高い35KVとすることができた。このように塗料Pの帯電圧を従来よりも高くすることができたので、本実施形態では、被塗物に対する塗着効率が従来の外部印加方式に比べて、約10%向上している。
【0016】
尚、塗料Pの帯電圧を高める方法としては、ノズル11とチャージ電極15との電位差を増大させることが考えられる。しかし、コロナチャージを成立させるためにはチャージ電極15はノズル11にある程度接近させておかなければならず、このようにノズル11とチャージ電極15が接近した状態で両者間の電位差を過大に増大させると、リークする虞がある。したがって、外部印加方式ではチャージ電極15とノズル11との電位差を増大させることには制約がある。しかしながら、本実施形態では、チャージ電極15による帯電を行う前に、予め塗料Pの電位を高めておくことができるので、塗料Pの電位をチャージ電極15とノズル11との電位差よりも高い値に高めることが実現されている。
【0017】
また、バッファタンク17に塗料Pを補充する際には、バッファタンク17を接地させずに、塗料補給装置20のパイプ21から塗料Pをバッファタンク17内の流下させる。このとき、接地状態となっている塗料補給装置20のパイプ21から流下した塗料Pが、5KVに昇圧されているバッファタンク17内の塗料Pに接触するので、この電位差のために放電が懸念される。しかし、バッファタンク17は高抵抗18を介して接地側Gに接続されていて、バッファタンク17から接地側Gへは、常時、電流が流れているので、放電する虞はない。したがって、塗料Pの補給の際にバッファタンク17を接地したり、補給の後にバッファタンク17を絶縁するといった切換作業が不要となっている。
【0018】
また、本実施形態ではバッファタンク17の帯電圧を5KVとしたので、バッファタンク17の絶縁性能としては10KV程度ですむ。したがって、ボールテージブロックする際に求められる条件(例えば、100KVの場合は接地側から300mm離す)も緩和され、接地側Gからの離間距離は30mm程度で済んでいる。尚、バッファタンク17に帯電される5KVの電圧は、冬季における衣服の摩擦などに起因する静電気の帯電圧(ほぼ3KV)と同程度である。
【0019】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では塗料を霧化する手段としてエアを用いたが、本発明は、エアレス塗装装置にも適用することができる。
(2)上記実施形態においてバッファタンクを複数設け、各バッファタンクに互いに色の異なる塗料を貯留するとともに、複数のバッファタンクと塗装ガンとの間に色替え用の切換装置を設けてもよい。この場合、各バッファタンク及び色替え装置は高抵抗を介して設置すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1における静電塗装装置の概略図
【符号の説明】
G…接地側
P…塗料
10…塗装ガン
11…ノズル
15…チャージ電極
17…バッファタンク
18…高抵抗
Claims (2)
- ノズルから導電性の塗料を噴出する塗装ガンと、
前記塗装ガンの外部に設けられ、前記ノズルから噴出した塗料をコロナチャージにより帯電させるチャージ電極とを備えた静電塗装装置において、
前記塗装ガンに供給される塗料が貯留されるバッファタンクと、
前記バッファタンクと接地側との間に介設された高抵抗とが設けられていることを特徴とする静電塗装装置。 - 塗装ガンのノズルから導電性の塗料を噴出し、
前記ノズルから噴出した塗料に、前記塗装ガンの外部に設けたチャージ電極によるコロナチャージにより帯電させる静電塗装方法において、
前記塗装ガンに供給される塗料を、高抵抗を介して接地側に接続されたバッファタンク内に貯留することで、所定電圧に帯電させ、
その帯電した状態で前記ノズルから噴出した塗料に対し前記チャージ電極によるコロナチャージを行うことを特徴とする静電塗装方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003038654A JP2004243284A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | 静電塗装装置及び静電塗装方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003038654A JP2004243284A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | 静電塗装装置及び静電塗装方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004243284A true JP2004243284A (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=33023118
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003038654A Pending JP2004243284A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | 静電塗装装置及び静電塗装方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004243284A (ja) |
-
2003
- 2003-02-17 JP JP2003038654A patent/JP2004243284A/ja active Pending
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