JP2004243181A - 水流拡散プレートを備えたし尿処理装置 - Google Patents

水流拡散プレートを備えたし尿処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】し尿と基材を接触させて、し尿中の有機物を生物学的に分解するし尿処理装置の有機物分解性能を飛躍的に向上する。
【解決手段】水流拡散プレート7、8、9によって、周囲を、縦断面視、略六角形状または略半六角形状に囲まれた嫌気性条件部Aが、縦断面視、千鳥状に配置されるように、水流拡散プレート7、8、9を、カートリッジ式反応槽61の内部に複数配設する。
【効果】水流拡散プレート7、8、9によってし尿の通過路が蛇行して、基材とし尿の接触時間が長くなるという利点に加え、し尿が、分解特性の異なる好気性条件部Bと嫌気性条件部Aを交互に通過する状態となるため、有機物の分解性能が飛躍的に向上するという効果が得られる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周辺環境への影響が極めて少なく、例えば、観光地、キャンプ地、イベント会場、高速道路のサービスエリア、駅、建築現場等に設置する水洗式トイレや、養鶏場、養豚場等における糞尿処理装置として最適な、し尿処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、基材を充填した反応槽内で、基材に発生、繁殖した微生物とし尿を接触させ、微生物によってし尿中の有機物を生物学的に分解するように構成されたし尿処理装置が利用されている。
【0003】
このようなタイプのし尿処理装置では、基材が充填された反応槽内で、し尿の通過路が、上下方向に直線状に形成されて短絡してしまうため、基材全体が十分に活用されないという問題があった。また、装置が過負荷状態となって反応槽に一時的に大量のし尿が供給されると、反応槽内を通過するし尿の通過速度が速くなり、し尿が十分に分解されないまま、反応槽から排出されるという問題点もあった。
【0004】
そこで、従来のし尿処理装置では、例えば、反応槽の内部に、左右交互に複数枚の仕切り板を斜め下向きに取付けて、各仕切り板に上下の直線上に並ばないように、排水が通過する通過路を形成することにより、基材と排水の接触時間をなるべく長くする構成が提案されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−8978号(第2頁、第4頁の図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来のし尿処理装置は、排水の通過路を蛇行させて、基材と排水の接触時間を単に長くするのみで、有機物の分解性能を飛躍的に向上することはできないものであった。そのため、処理能力を向上しようとすれば、装置を大型化せざるを得ないという問題があった。
【0007】
また、従来のし尿処理装置は、基材の入れ替え等のメンテナンス作業を行う際には、反応槽に充填した基材をすべて一度に交換する必要があったため、一時的に運用を停止しなければならず、また、反応槽のサイズが大きいため、メンテナンス作業に手間や時間がかかるという問題もあった。
【0008】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、し尿中の有機物を分解する処理能力を、従来よりも十分に向上することができるし尿処理装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のし尿処理装置は、基材が充填される反応槽の内部の一側面とその対面に、3枚のプレート部からなり、縦断面が逆Y字形状となるように形成された水流拡散プレートの長手方向両端部を取付けたし尿処理装置であって、前記水流拡散プレートによって、周囲を、縦断面視、略六角形状に囲まれた嫌気性条件部が、縦断面視、千鳥状に配置されるように、前記水流拡散プレートを複数配設したのである。
【0010】
そして、このようにすることで、反応槽は、嫌気性条件部が、縦断面視、千鳥状となるように配置された状態となるから、本発明のし尿処理装置では、有機物を分解する処理能力を飛躍的に高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のし尿処理装置は、基材が充填される反応槽の内部の一側面とその対面に、3枚のプレート部からなり、縦断面が逆Y字形状となるように形成された水流拡散プレートの長手方向両端部を取付けたし尿処理装置であって、前記水流拡散プレートによって、周囲を、縦断面視、略六角形状に囲まれた嫌気性条件部が、縦断面視、千鳥状に配置されるように、前記水流拡散プレートを複数配設した構成である。
【0012】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、反応槽の内部に、3枚のプレート部からなり、縦断面が逆Y字形状となるように形成された水流拡散プレートを複数配設し、その水流拡散プレートにより、周囲を、縦断面視、略六角形状に囲まれた区域を形成すると、その区域は、反応槽内の他の部分に比べて、空気の出入りが遮断され、嫌気性微生物の繁殖に好都合な部分(以下、「嫌気性条件部」という。)となることを見出した。
一方、反応槽内において、嫌気性条件部以外の部分は、好気性微生物の繁殖に適した部分(以下、「好気性条件部」という。)となっている。
【0013】
そこで、本発明者は、嫌気性条件部が、縦断面視、千鳥状となるように、各水流拡散プレートの取付位置を決定すれば、水流拡散プレートによってし尿の通過路が蛇行して、基材とし尿の接触時間が長くなるという利点に加え、し尿が、分解特性の異なる好気性条件部と嫌気性条件部を交互に通過する状態となるので、その結果、し尿処理装置の有機物分解性能が極めて向上することを知見し、本発明を完成させた。
【0014】
本発明のし尿処理装置では、上記以外の形状の水流拡散プレートを併用することは自由であるが、特に、反応槽の内部の側面を伝って短絡してしまうし尿の流れを効果的に拡散するためには、3枚のプレート部からなる水流拡散プレートを取付けていない一対の側面に、2枚のプレート部からなり、縦断面がへの字状となるように形成された水流拡散プレートの、一方のプレート部を取付けることが望ましい。
このようにすれば、縦断面が逆Y字形状の水流拡散プレートのみでは対応しきれない反応槽内部の側面を伝うし尿の流れを、反応槽の中央寄りに拡散することができるからである。
【0015】
なお、その際には、上記何れかの種類の水流拡散プレートと反応槽の内側面によって、周囲を、縦断面視、略六角形状または略半六角形状に囲まれた嫌気性条件部が、縦断面視、千鳥状に配置されるように、上記何れかの種類の水流拡散プレートを配設することにより、し尿処理装置の性能が向上する。
【0016】
また、本発明のし尿処理装置では、反応槽自体の構造は特に限定されないが、基材の入れ替え等のメンテナンス作業を行う際でも運用を継続でき、しかも、メンテナンス作業を容易にするためには、反応槽を、着脱可能な複数のカートリッジ式反応槽と、この複数のカートリッジ式反応槽を収納する枠体とで構成する方がより望ましい。
このようにすれば、反応槽に充填した基材をすべて一度に交換する必要はなくなり、交換が必要となったカートリッジ式反応槽のみを抜き出して、随時メンテナンス作業を行うことができるからである。
【0017】
また、本発明のし尿処理装置では、基材の材質は限定されず、所望の木質細片や、ガラスビーズ等を用いることができる。しかし、菌類、微生物、原生小動物の増殖を好適にするためには、単位体積当りの表面積の大きい基材を採用する方が望ましい。具体的には、木質細片の中でも、特に、杉チップを用いることが望ましい。
【0018】
【実施例】
以下、本発明のし尿処理装置の実施例を、添付図面を用いて説明する。
図1は、本実施例のし尿処理装置の全体構成を表した説明図、図2は、本実施例の反応槽の構成を表した説明図、図3は、本実施例に用いる水流拡散プレートを表した説明図、図4は、本実施例のカートリッジ式反応槽の一つを表した説明図、図5は、嫌気性条件部が、縦断面視、千鳥状に配置されている状態を表した本実施例のカートリッジ式反応槽の縦断面図、図6は、性能比較試験の結果を表したグラフである。
【0019】
図1は、本実施例のし尿処理装置Sの全体構成を表した説明図であって、(a)は正面から見た状態を、(b)は側面から見た状態を表している。
図1に示すように、本実施例のし尿処理装置Sは、し尿(約7L)を貯留するバット1と、このバット1に貯留したし尿を水流ポンプ2aの作用によって吸引して導入する嫌気槽3と、この嫌気槽3を通過したし尿に、エアーポンプ4から空気を送って曝気し、好気性微生物の代謝作用によって有機物を分解する好気槽5と、この好気槽5を通過したし尿を導入して分解処理する反応槽6により構成される。
なお、2bは、循環させるし尿の量を調整する水量調整バルブを、Fは、各装置を保持する枠を表している。
【0020】
反応槽6の内部には、基材として杉チップが充填されている。本実施例において、基材として、特に、杉チップを採用した理由は、木質細片の中でも杉チップは、単位体積当りの表面積が大きく、菌類、微生物、原生小動物が増殖するのに好適だからである。
反応槽6に導入されたし尿中の有機物は、反応槽6を通過する間に、杉チップに発生、繁殖した微生物の作用によって分解される。そして、反応槽6を通過したし尿は、再びバット1に貯留され、循環処理されることとなる。
【0021】
図2は、本実施例の反応槽6の構成を表した説明図であって、(a)は正面から見た状態を、(b)は側面から見た状態を表している。
本実施例では、図2に示すように、反応槽6を、着脱可能な同大・同形の3個のカートリッジ式反応槽61と、このカートリッジ式反応槽61を縦方向に3段収納する枠体62とで構成している。そして、この各カートリッジ式反応槽61の内部に杉チップを充填するようにしている。
【0022】
従って、本実施例では、杉チップを入れ替えするときは、カートリッジ式反応槽61の単位で着脱できるから、すべてを一度に交換する必要はなく、運用を継続しながらメンテナンスすることが可能となる。また、カートリッジ式反応槽61は小型であるため、メンテナンス作業も容易となる。
なお、図2において、63と64は、カートリッジ式反応槽61の上下に取付けたロートを、61aは、カートリッジ式反応槽61の前面に取付けた引き手部を表している。
【0023】
図3は、本実施例において、カートリッジ式反応槽61の内部に取付ける水流拡散プレート7〜9を表した説明図であり、(a)(b)は、縦断面がへの字状の水流拡散プレート7を、(c)(d)は、縦断面が逆Y字形状の水流拡散プレート8を、(e)(f)は、縦断面がへの字状の水流拡散プレート9を表している。すなわち、本実施例では、取付け位置に応じて、3種類の水流拡散プレート7〜9を使用する。なお、(a)(c)(e)は、正面から見た状態を、(b)(d)(f)は、側面から見た状態を表している。
【0024】
水流拡散プレート7は、カートリッジ式反応槽61の内部の左右側面に取付ける部材であり、図3の(a)(b)に示すように、プレート部71と、計12個の孔72aを設けたプレート部72とを、縦断面が、への字状となるように形成したものである。
なお、(a)において、プレート部71とプレート部72の間の角度は、例えば120°となるようにしている。また、カートリッジ式反応槽61の内部の奥行き方向の長さと、水流拡散プレート7の長手方向の長さは、概ね一致させるようにしている。
【0025】
水流拡散プレート8は、カートリッジ式反応槽61の内部の正面と背面の間に取付ける部材であり、図3の(c)(d)に示すように、プレート部81と、計12個の孔82aを設けたプレート部82と、同じく計12個の孔83aを設けたプレート部83とを、縦断面が、逆Y字形状となるように、形成したものである。
なお、(c)において、プレート部81、82、83間の角度は、それぞれ例えば120°となるようにしている。また、84は、水流拡散プレート8の長手方向両端に設けた接着しろを表している。また、カートリッジ式反応槽61の内部の奥行き方向の長さと、水流拡散プレート8の長手方向の長さは、概ね一致させるようにしている。
【0026】
水流拡散プレート9は、カートリッジ式反応槽61の内部の正面と背面の間に取付ける部材であり、図3の(e)(f)に示すように、計12個の孔92aを設けたプレート部92と、同じく計12個の孔93aを設けたプレート部93とを、縦断面が、への字状となるように形成したものである。
なお、(e)において、プレート部92とプレート部93の間の角度は、例えば120°となるようにしている。また、94は、水流拡散プレート9の長手方向両端に設けた接着しろを表している。また、カートリッジ式反応槽61の内部の奥行き方向の長さと、水流拡散プレート9の長手方向の長さは、概ね一致させるようにしている。
【0027】
図4は、カートリッジ式反応槽61の一つを表した説明図であって、(a)は正面から見た状態を、(b)は側面から見た状態を、(c)は背面から見た状態を表している。
図3と図4の(c)を用いて、水流拡散プレート7、8、9をカートリッジ式反応槽61に取付ける位置について説明すると、先ず、水流拡散プレート7は、プレート部71を上向きとして、カートリッジ式反応槽61の内部の左右側面の何れかに、プレート部71を接着して取付ける。なお、本実施例では、図4の(c)に示すように、カートリッジ式反応槽61の向かって左側の側面に3個、右側の側面にも3個、水流拡散プレート7を取付けている。
【0028】
このようにしたので、本実施例のし尿処理装置Sでは、カートリッジ式反応槽61の中央付近に縦断面が逆Y字形状の水流拡散プレート8を取付けたのみでは対応しきれない、カートリッジ式反応槽61の内部の側面を伝って短絡してしまうし尿の流れを、カートリッジ式反応槽61の内部の中央寄りの方向に拡散することができる。
【0029】
次に、水流拡散プレート8は、プレート部81を上向きとして、カートリッジ式反応槽61の内部の前面と背面に、水流拡散プレート8の長手方向両端に設けた接着しろ84の部分を接着して取付ける。なお、本実施例では、図4の(c)に示すように、カートリッジ式反応槽61の中央付近に水流拡散プレート8を、合計5個取付けている。
【0030】
また、水流拡散プレート9は、プレート部92、93を斜め下向きとして、カートリッジ式反応槽61の内部の前面と背面に、水流拡散プレート9の長手方向両端に設けた接着しろ94の部分を接着して取付ける。
なお、本実施例では、図4の(c)に示すように、水流拡散プレート9を、カートリッジ式反応槽61の中央付近の最上段の位置に1つ取付けた例を開示したが、この水流拡散プレート9は、本発明の構成に必須のものではなく、例えば、水流拡散プレート8で代用することも可能である。
【0031】
次に、図5を用いて、水流拡散プレート7、8、9の取付位置について、さらに詳しく説明する。図5は、カートリッジ式反応槽61の縦断面を表した図である。
本実施例では、カートリッジ式反応槽61の内部に、上記のように、水流拡散プレート7、8、9を取付けたので、図5に示すように、水流拡散プレート7、8、9とカートリッジ式反応槽61の内側面によって、周囲を、縦断面視、略六角形状または略半六角形状に囲まれた嫌気性条件部Aが、合計10箇所形成されている。そして、本発明は、嫌気性条件部Aが、図5に示すように、縦断面視、千鳥状に配置されるように、水流拡散プレート7、8、9を、それぞれ配設した点に特徴を有するものである。
【0032】
ここで、本発明において、「千鳥状に配置」とは、例えば図5に示すように、嫌気性条件部Aが、最上段の位置に3個(#1、#2、#3)、上から2段目の位置に2個(#4、#5)、上から3段目の位置に3個(#6、#7、#8)、上から4段目の位置に2個(#9、#10)、形成されている場合を例に説明すると、先ず、最上段の#1と#2のほぼ中間に2段目の#4を、最上段の#2と#3のほぼ中間に2段目の#5を配置して、最上段と2段目の位置を決定した上で、3段目以降については、奇数段目は最上段と、偶数段目は2段目と、横方向の位置を揃えること(すなわち、#6、#7、#8は、#1、#2、#3と、また、#9、#10は、#4、#5と、それぞれ横方向の位置を揃えること)により、全体として、嫌気性条件部Aが、互い違いに配置されるようにした位置決め方法をいう。
【0033】
以上のようにしたので、先ず、本実施例では、カートリッジ式反応槽61に導入されたし尿は、水流拡散プレート7、8、9によって蛇行し、直線状に短絡しないため、し尿と杉チップの接触時間が長くなるという作用が得られる。
従って、本実施例では、し尿が十分に分解されないままカートリッジ式反応槽61を通過してしまうといった問題点は、解消することができる。
【0034】
そして、上記の点に加えて、本実施例では、好気性条件部Bの中に、嫌気性条件部Aが、縦断面視、千鳥状に配置されているため、カートリッジ式反応槽61に導入されたし尿は、カートリッジ式反応槽61の内部に形成された好気性条件部Bと嫌気性条件部Aを交互に通過するという作用が得られる。
従って、本実施例では、分解特性の異なる好気性条件部Bと嫌気性条件部Aを交互に通過することによって、有機物の分解性能が飛躍的に向上するという効果が得られる。
【0035】
この点について、本発明者は、本実施例のし尿処理装置Sと同大・同形状で、水流拡散プレート7、8、9を設けない装置を対照装置として、性能比較試験を行った。図6は、その結果を表したグラフである。
【0036】
対照装置では、図6において、「水流拡散プレートなし」と表示している方のグラフが示すように、時間の経過とともに有機物濃度は低下するものの、その低下率は緩慢なものとなった。なお、試験開始時に、7510mg/Lであった人工排水の有機物濃度(COD−Cr)は、5日目には、5030mg/L、13日目には、2350mg/Lとなった。
【0037】
これに対して、水流拡散プレート7、8、9を設けた本実施例のし尿処理装置Sでは、「水流拡散プレートあり」と表示している方のグラフが示すように、2〜3日経過後から、顕著に有機物濃度が低下することが確認された。
ちなみに、試験開始時に、7510mg/Lであった人工排水の有機物濃度(COD−Cr)は、5日目には、1550mg/L(対照装置と比較すると、約3.2倍)、13日目には、1100mg/L(対照装置と比較すると、約2.1倍)にまで低下している。
【0038】
以上より、本実施例のし尿処理装置Sは、水流拡散プレート7、8、9を設けない同大・同形状の対象装置の有機物分解能力を1とした場合、約2〜3倍の性能を示すことが確認された。
【0039】
なお、本実施例では、水流拡散プレート7、8、9のプレート部72、82、83、92、93に、孔72a、82a、83a、92a、93aを設けた実施例を開示したが、これは、本発明の必須の構成要件ではない。
しかし、孔72a、82a、83a、92a、93aを設けた場合には、し尿が適度に通過する状態となり、そのような状態が、嫌気性条件部Aの形成には適していることが判明している。従って、本発明では、水流拡散プレート7、8、9のプレート部72、82、83、92、93には、孔72a、82a、83a、92a、93aのような、適度にし尿を通過させるための孔を所要の個数設ける方が、より望ましい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のし尿処理装置は、基材が充填される反応槽の内部の一側面とその対面に、3枚のプレート部からなり、縦断面が逆Y字形状となるように形成された水流拡散プレートの長手方向両端部を取付けたし尿処理装置であって、前記水流拡散プレートによって、周囲を、縦断面視、略六角形状に囲まれた嫌気性条件部が、縦断面視、千鳥状に配置されるように、前記水流拡散プレートを複数配設したので、水流拡散プレートによってし尿の通過路が蛇行し、基材とし尿の接触時間が長くなるという利点に加え、し尿が、分解特性の異なる好気性条件部と嫌気性条件部を交互に通過する状態となるため、有機物の分解性能が飛躍的に向上するという効果が得られる。
【0041】
また、反応槽の内部において、3枚のプレート部からなる水流拡散プレートを取付けていない一対の側面に、2枚のプレート部からなり、縦断面がへの字状となるように形成された水流拡散プレートの、一方のプレート部を取付けた構成の本発明のし尿処理装置を用いれば、反応槽の内側面を伝って短絡するし尿の流れも効果的に拡散することができる。
【0042】
さらに、着脱可能な複数のカートリッジ式反応槽と、この複数のカートリッジ式反応槽を収納する枠体とで構成される本発明のし尿処理装置を用いれば、基材の交換をすべて一度に行う必要はなくなり、運用を停止することなく基材の交換が行えるため、メンテナンス性が向上するという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のし尿処理装置の全体構成を表した説明図であって、(a)は正面から見た状態を、(b)は側面から見た状態を表している。
【図2】本実施例の反応槽の構成を表した説明図であって、(a)は正面から見た状態を、(b)は側面から見た状態を表している。
【図3】本実施例のカートリッジ式反応槽の内部に取付ける水流拡散プレートを表した説明図であり、(a)(b)は、縦断面がへの字状の水流拡散プレートを、(c)(d)は、縦断面が逆Y字形状の水流拡散プレートを、(e)(f)は、縦断面がへの字状の水流拡散プレートを表している。
【図4】本実施例のカートリッジ式反応槽の一つを表した説明図であって、(a)は、正面から見た状態を、(b)は、側面から見た状態を、(c)は、背面から見た状態を表している。
【図5】嫌気性条件部が、縦断面視、千鳥状に配置されている状態を表した本実施例のカートリッジ式反応槽の縦断面図である。
【図6】性能比較試験の結果を表したグラフである。
【符号の説明】
S し尿処理装置
6 反応槽
61 カートリッジ式反応槽
62 枠体
7、8、9 水流拡散プレート
A 嫌気性条件部

Claims (3)

  1. 基材が充填される反応槽の内部の一側面とその対面に、3枚のプレート部からなり、縦断面が逆Y字形状となるように形成された水流拡散プレートの長手方向両端部を取付けたし尿処理装置であって、前記水流拡散プレートによって、周囲を、縦断面視、略六角形状に囲まれた嫌気性条件部が、縦断面視、千鳥状に配置されるように、前記水流拡散プレートを複数配設したことを特徴とするし尿処理装置。
  2. 前記反応槽の内部において、前記3枚のプレート部からなる水流拡散プレートを取付けていない一対の側面に、2枚のプレート部からなり、縦断面がへの字状となるように形成された水流拡散プレートの、一方のプレート部を取付けた請求項1記載のし尿処理装置であって、前記何れかの種類の水流拡散プレートと前記反応槽の内側面によって、周囲を、縦断面視、略六角形状または略半六角形状に囲まれた嫌気性条件部が、縦断面視、千鳥状に配置されるように、前記何れかの種類の水流拡散プレートを複数配設したことを特徴とするし尿処理装置。
  3. 前記反応槽が、着脱可能な複数のカートリッジ式反応槽と、この複数のカートリッジ式反応槽を収納する枠体とで構成されることを特徴とする請求項1又は2記載のし尿処理装置。
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