JP2004242935A - パッテイング動作矯正装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パッテイング面上の所定高さに軸受部を有する本体と、
軸受部に、パッテイング面に対して所定傾斜角度で円弧状に揺動可能に支持された揺動アームと、パターのシャフトを把持するための把持部と、この把持部を揺動アームの先端部に連結し、かつその連結軸心の周りに把持部を回動可能とする回動連結部とを備え、パッテイング動作を把持部の動きに対応させることにより矯正するパッテイング動作矯正装置。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パッテイング動作矯正装置に関し、さらに詳しくは、ゴルフやゲートボールのボールを所望方向にパッテイングするためのパッテイング動作、つまりボールの打点でパターのフェイスを所望の方向に向けることができるパターのスイング動作を機械的に案内または誘導することにより、プレイヤーのパッテイング動作を矯正するパッテイング動作矯正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフの標準的なプレイヤーにとって、パッテイングは予想以上に難しいものであるが、具体的にその難しさを表わすデータとして、パッテイングでのストローク数は総ストローク数の約40%を占めるとよく言われる。それゆえに、プレイヤーはパッテイングストローク数を減らすための技術の鍛錬に腐心する。
【0003】
パッテイングストロークの基本は、一般的にパッテイングしようとするボールとカップまでの距離に応じた任意のストローク幅で、テイクバックおよびフォロスルーをパターフェイス面がゴルフボールの所望パッテイング方向(打出し方向)に対して90度の角度を保ちながら、パターヘッドの中心部でヒットすることにある。もちろん、プレイヤーの慣性やプレイ技術の一つとして、パターヘッドのトウ(先端)部分またはヒール(後端)部分でヒットする場合もあるが、この場合でもゴルフボールの打出し角度は、目標方向に対してパターフェイスが90度であることが重要である。
【0004】
しかしながら、パッテイングプレイで要求される上記方法をプレイヤーが常に再現するのはきわめて難しく、プレイヤー自らの技術の鍛錬によって慣性を体得するしか方法は無いとされている。
このようなパッテイング方法をプレイヤーの慣性として体得するために、従来からさまざまなパッテイング矯正機やパッテイング練習機が提案されている。
特に、パターのスイング動作を機械的に案内または誘導することにより、プレイヤーのパッテイング動作を矯正するパッテイング動作矯正装置としては、例えば、ゴルフボールを転動できる転動面を有すると共にこの転動面から直線状でパッテイングの軌跡に対応した弧状の上端面を有する一対の平行なガイドレールを立設し、かつゴルフのパターを保持する保持部と、この保持部をガイドレールに沿ってガイドするガイド部材とを備えたパター練習装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−126010号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このパター練習装置は、ガイドレール上に沿ってゴルフのパターをスイングさせるとパターフェイス面がゴルフボールの所望パッテイング方向に対して90度の角度を保つことができるが、パターの保持部とガイド部材とは、ガイドレールの上方へ自由に離れることができるので、意識的にガイドレール上に摺動するように押さえる必要がある。さらにこのパッテイングには、摺動による抵抗力が加わり、スムースな動作ができないし、確実な動作の案内または誘導が難しく、十分な矯正ができない。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、鋭意研究を重ね、パッテイング動作中、パターが振子に近い状態に振られていることに着目し、パッテイング面より高い位置に支点を有する揺動アームの揺動をベースにしてパッテイング動作を案内または誘導し矯正できるようにすれば、パッテイング動作を、実際のパッテイング動作により近く、かつパッテイングストロークの基本に忠実な状態で体得できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明は、パッテイング面上の所定高さに軸受部を有する本体と、
前記軸受部に、パッテイング面に対して所定傾斜角度で円弧状に揺動可能に支持された揺動アームと、
パターのシャフトを把持するための把持部と、
この把持部を前記揺動アームの先端部に連結し、かつその連結軸心の周りに前記把持部を回動可能とする回動連結部と
を備え、パッテイング動作を前記把持部の動きに対応させることにより矯正するパッテイング動作矯正装置である。
【0009】
要するに、本発明は、パッテイング面上の所定高さに揺動アームを軸支し、この揺動アームをその先端部にパターのシャフトの把持部を連結し、かつその連結軸心の周りに把持部を回動可能とすることによって、パッテイング動作を把持部の動きに対応させると、それによってパッテイング動作をスムースに案内または誘導して矯正でき、実際のパッテイング動作により近い状態でパッテイング動作を体得できるようにするものである。
さらに、本発明は、パターのヘッドではなくシャフトを把持できるようにしているので、その把持を解除可能にすれば、ヘッドの形状に左右されず大抵のパターの使用が可能となり、これによってプレイヤーが常用する自身のパターでのパッテイング動作の矯正が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係るパッテイング動作矯正装置において、本体は、パッテイング面上の所定高さに軸受部を有する。
この軸受部としては、後述する揺動アームを滑らかに揺動(振動、回動または回転)可能に支持する必要から、転がり軸受、すべり軸受を挙げることができ、特に限定されないが、前者に含まれるボールベアリングが好ましい。なお、後者には、軸受メタルまたは樹脂製(例えばナイロン樹脂製)ブッシングまたはカラーを用いることができる。
【0011】
本体は、具体的には、このような軸受部と、この軸受部をパッテイング面上の所定高さに支持する支柱と、この支柱に付設され、軸受部の高さを調整するための軸受部高さ調整手段とで構成できる。そして、本体は、支柱を支持し、かつパッテイング面上またはパッテイングマットを設置するベース面上に移動可能に載置する基台をさらに備えることもできる。この基台の大きさ、形状、材料は、プレイヤー自身の両足を載置でき、それによって本発明に係るパッテイング動作矯正装置を動かないように安定させる程度の機能、強度および耐久性を備えるものであれば、特に限定されるものではない。
【0012】
ここで、軸受部について、所定高さとは、プレイヤーがパターを握るグリップの位置より低く、かつパッテイング動作に支障がない範囲内で予め設定する高さを意味する。例えば、この所定高さは、パターの全長によって左右されるわけであるが、標準的な長さのパターに基づいて設定する場合には、例えば、45〜65mm、好ましくは50〜55mmの高さに設定される。そして、実際に使用するときには、プレイヤーのパターの全長に対応して適宜軸受部の高さを調整するために、上述のごとく軸受部の高さを調整するための軸受部高さ調整手段を支柱に付設するのが好ましいわけである。
【0013】
この軸受部高さ調整手段は、特に限定されないが、支柱を、外筒と、この外筒内を上下に摺動移動可能な内筒とに二分し、かつ外筒に螺子を取り付けることによって構成できる。螺子は、ねじ込みよって内筒を所望の高さに固定し、それによって軸受部を所定高さから所望の高さに調整(変更)固定できる。
【0014】
本発明において、この軸受部は、パッテイング面に対して所定傾斜角度で円弧状に揺動可能に揺動アームを支持する。
この揺動アームとしては、揺動に耐え、かつ揺動に大きな力を要しないように適度に剛性で軽量の板状体、棒状体または管状体を用いることができる。
この揺動アームは、軸受部から先端部までの距離を変更可能に構成するのが好ましい。具体的には、揺動アームを、軸受部にパッテイング面に対して所定傾斜角度で円弧状に揺動可能に支持された揺動アーム部と、この揺動アーム部の先端部分に、軸受部から揺動アームの先端部までの距離を変更させるために回動可能に連結され、かつ回動連結部に連結された回動アーム部とで構成する例を挙げることができ、特に揺動アーム部をクランク状に構成するのが好ましい。
【0015】
パッテイングストロークの基本は、既に述べたごとく任意のストローク幅で、パターフェイス面がゴルフボールの所望パッテイング方向(打出し方向)に対して90度の角度を保つことであるが、そのストローク幅についてパッテイング面にできるだけ沿ってパターヘッドを移動させることが好ましく、それが、上述のごとく揺動アームをその軸受部から先端部までの距離を変更可能に構成することによって可能になる。また、プレイヤーによってはパッテイング方向を合わせるためにパターのヘッドをボールの前に置くアドレス動作をよく見かけるが、この構成によってパターのヘッドを上下させる動作を可能にするという効果もある。
揺動アームは、後述するごとくその揺動をパターのシャフトを介してヘッドに伝達することになるので、その伝達がプレイヤーの腕に無理な力が加わらないでスムースに行われるように、そのアーム長さを弾性復元可能に変更調整するパッテイング時揺動アーム長さ調整手段をさらに備えるのが好ましい。
【0016】
このパッテイング時揺動アーム長さ調整手段は、特に限定されないが、揺動アームを、第1アーム部と、この第1アーム部に一部重なる第2アーム部と、両アーム部の重なり部分に介在しそれぞれに回動可能に連結された中間アーム部とで構成し、第1アーム部と中間アーム部との間および中間アーム部と第2アーム部との間に、揺動アームの先端と末端との間の距離をパッテイング動作に対応して弾性復元可能に変更調整する一対のスプリングをそれぞれ張設して構成できる。このパッテイング時揺動アーム長さ調整手段は、パッテイング動作時に、揺動アームをその軸受部から先端部までの距離を変更可能にすることも含めてパッテイング動作をスムースに行え、かつプレイヤーの腕に無理な力が加わらないようにするためであるが、プレイヤーの腕が感じる抵抗力の大きさによって理想のパッテイング軌道からのズレを感知することもできる。
【0017】
さらに、揺動アームは、その初期アーム長さを調整するための初期アーム長さ調整手段を備えることができる。この初期アーム長さ調整手段は、例えば、揺動アームを、軸受部に近い方から略垂下する垂下アーム部と、この垂下アーム部から前方略水平に延びる水平アーム部とで構成し、両アーム部に、各アーム部長さを調整するための一対の初期アーム部長さ調整手段をそれぞれ介設してもよい。
これらの初期アーム(部)長さ調整手段は、具体的には、付設する揺動アーム(部)を二分し、その一方のアーム(部)に長孔を形成し、この長孔を介して螺子を他方のアーム(部)に取り付け、締め付けることによって、両アーム(部)を結合でき、かつアーム(部)の初期長さを調整できる。
【0018】
さらに、初期アーム長さ調整手段または初期アーム部長さ調整手段は、アームまたはアーム部の長さを弾性復元可能(または伸縮可能)に変更調整できるようにしてもよい。例えば、アームまたはアーム部を二分して長手方向にスライド可能にかつコイルスプリングなどを介して連結してもよい。もちろんこのようにアームまたはアーム部の長さを弾性復元可能に変更調整できるようにする場合は、上述のパッテイング時揺動アーム長さ調整手段を省略できる。
【0019】
本発明においては、パターのシャフトを把持するための把持部を備え、特にその把持部は解除可能(脱着可能)に構成すると、把持部ヘッドの形状に左右されず大抵のパターの使用が可能となり、これによってプレイヤーが常用する自身のパターでのパッテイング動作の矯正が可能となるので好ましい。
この把持部としては、その構成は特に限定されないが、一対の把持片と、これらの把持片の間にパターのシャフトを挟んで解除可能に締め付け把持(固定)する一対のボルトとで構成でき、さらに一方の把持片に他方の把持片を開閉可能に軸支し、両把持片の間にパターのシャフトを把持した状態でクリップ止め(固定)できるように構成してもよい。
なお、パターのシャフトを把持部に把持するに際しては、後述する揺動アームの下死点でパターフェイス面がパッテイングの目標方向に対して90度の角度になるようにすることが重要である。
【0020】
本発明においては、この把持部を揺動アームの先端部に連結し、かつその連結軸心の周りに前記把持部を回動可能とし、パッテイング動作中の揺動アームの揺動角度とシャフトのパッテイング動作角度との相違を許容する回動連結部を備えている。
この回動連結部としては、具体的には、把持部から延びる連結軸を揺動アームの先端部に実質的に連結し、かつその連結軸の中心軸の周りに把持部を揺動可能とする転がり軸受、すべり軸受を挙げることができ、特に限定されないが、前者に含まれるボールベアリングが好ましい。なお、後者には、軸受メタルまたは樹脂製(例えばナイロン樹脂製)ブッシングまたはカラーを用いることができる。把持部の連結軸を揺動アームの先端部近傍に連結する連結手段としては、連結軸に輪状の溝を形成し、その溝に軸受部の外部からピンを打ち込む構成を挙げることができる。
【0021】
本発明において、揺動アームは、所定傾斜角度を、パッテイング時に自由に変更調整できるようにするか、所望により変更調整して一定傾斜角度にするための傾斜角度調整手段をさらに備えることができる。この傾斜角度調整手段としては、把持部の一部分または揺動アームの把持部側部分を水平軸の周りに回動可能に支持する支持部(支持機構)か、このような支持部と、この支持部を介して把持部を押さえることができ、それによってパッテイング面に対するシャフトの角度を、所定傾斜角度からプレイヤーのパッテイングスタイルに応じて所望の傾斜角度に調整し固定するためのボルトとからなる構成を挙げることができる。
【0022】
次に、本発明に係るパッテイング動作矯正装置をその実施の形態に基づいて詳述する。
[実施の形態1]
図1は本発明に係るパッテイング動作矯正装置の実施の形態1を示す概略構成説明側面図、図2はその要部としての揺動アーム、その傾斜角度調整手段、把持部およびその把持部に把持されたパターヘッドの関係構造を示す拡大斜視図、図3は揺動アームのパッテイング時揺動アーム長さ調整手段の働きを説明する説明図である。
【0023】
まず、図1において、ゴルフの携帯可能なパッテイング動作矯正装置1は、パッテイング面2上の所定高さ(H0)に軸受部3を有する本体4と、軸受部3に、パッテイング面2に対して所定傾斜角度α0(71度)で円弧状に揺動可能に支持された揺動アーム5と、パター(好ましくはヘッド6近傍)のシャフト7を解除可能に把持するための把持部8と、この把持部を揺動アーム5の先端部近傍に連結し、かつその連結軸心Sの周りに把持部8を回動可能とし、パッテイング動作中の揺動アーム5の揺動角度とシャフト7の揺動角度との相違を許容する回動連結部9とを備えている。
【0024】
本体4は、軸受部3と、この軸受部をパッテイング面2上の所定高さH0(例えば、52mm)に支持する支柱10およびその基台(基板)12と、支柱10に付設され、軸受部3の高さを調整するための軸受部高さ調整手段11とからなる。なお、基台12はパッテイング面2上に移動可能に載置されている。
【0025】
ここで、軸受部3は、ボールベアリングよりなる。支柱10は、外筒10aと、この外筒内を上下に摺動移動可能な内筒10bと、外筒10aに取り付けた軸受部高さ調整手段11としての螺子11aとからなり、この螺子を外筒10aにねじ込むことによって内筒10bを固定でき、それによって軸受部3を所定高さH0に固定できる。さらに螺子11aをねじ戻して緩め内筒10bを外筒10a内で上下に摺動移動させ螺子11aを再びねじ込むことによって軸受部3の高さを調整(変更)できる。なお、支柱10は、図示を省略しているが、螺子11aと揺動アーム5が揺動する空隙とを除いてカバーで覆われ、プレイヤーが接触して負傷する危険を防止することができる。
【0026】
揺動アーム5は、軸受部3に近い方から所望角度で屈曲して略垂下する垂下アーム部13と、この垂下アーム部から前方略水平に延びる水平アーム部14とを備え、さらに垂下アーム部13と水平アーム部14とには初期アーム部長さ調整手段15・16をそれぞれ介設し、垂下アーム部13と水平アーム部14とをパッテイング時揺動アーム長さ調整手段17を介して連結している。
初期アーム部長さ調整手段15は、垂下アーム部13を二分し、その一方のアーム部13aに長孔18を形成し、この長孔を介して螺子19を他方のアーム部13bに取り付けることによって、両アーム部13a・13bを結合し、垂下アーム部の初期長さ調整を可能にしている。なお、水平アーム部14に対する初期アーム部長さ調整手段16は、上述の初期アーム部長さ調整手段15と同様の構成であり、説明を省略する。
【0027】
パッテイング時揺動アーム長さ調整手段17は、特に図1および3において、揺動アーム5を、第1アーム部としてのアーム部13bと、このアーム部に一部重なる第2アーム部23と、両アーム部の重なり部分に介在しそれぞれに回動可能に連結された中間アーム部24とで構成し、かつアーム部13bと中間アーム部24との間および中間アーム部24と第2アーム部23との間に、揺動アーム5の先端と末端との間の距離をパッテイング動作に対応して弾性復元可能に変更調整する一対のスプリング25・26をそれぞれ張設することによって構成される。
【0028】
把持部8は、図1および2において、パターのシャフト7を、一対の把持片8a・8bの間に挟み(両把持片に対向して形成された溝8c・8dにシャフト7を沿わせて挟み)、ボルト27a・27bを締めることによって把持・固定できるように構成されている。なお、8eは把持片8bからその溝8c・8dに垂直に延び、揺動アーム5に実質的に連結される連結軸であり、その先端部近傍には輪状に溝8fを有する。
【0029】
揺動連結部9は、把持部8の連結軸8eを揺動アーム5の先端部近傍に実質的に連結し、かつその連結軸8eの中心軸Sの周りに把持部8を揺動可能とするボールベアリングからなり、パッテイング動作中の揺動アーム5の揺動に対応して、把持部8をその中心軸S周りに揺動可能とし、シャフト7が揺動アーム5の揺動動作に追従できるようにしている。つまり、揺動連結部9としてのボールベアリングは、パッテイング動作中の揺動アーム5の揺動角度とシャフト7の揺動角度との相違を許容する。なお、このボールベアリングに形成された側孔9aにピン9bをその先端が溝8f内に届くように押込み、連結軸8eの抜けを防止している。9cはボールベアリング9から一体に延びる支持片である。
【0030】
揺動アーム5は、所定傾斜角度(ライ角度)α0を、パッテイング時に自由に変更調整できるようにするための傾斜角度調整手段28をさらに備えている。すなわち、傾斜角度調整手段28は、支持片9cを水平軸の周りに揺動可能に支持する支持部28aからなり、シャフト7とパッテイング面2との角度を、パッテイング時に所定傾斜角度α0から所望の傾斜角度αに自由に変更調整できるようにしている。
【0031】
次に、以上の構成を備えたパッテイング動作矯正装置1の作動を説明する。
まず、プレイヤーPのパッテイングスタイルに応じて、軸受部3の高さを調整(変更)する。
軸受部3の高さは、螺子11aを緩めて内筒10bを上げ下げし螺子11aを締めることによって変更できる。
【0032】
次いで、パターのシャフト7を把持部8に把持(固定)する.この際、円弧状に揺動する揺動アーム5の下死点でパターフェイス面がパッテイング目標方向に対して90度の角度になるようにすることが重要である。
そして、プレイヤーPは、その両足を基台12の上に置いて基台12をしっかり押さえ、所望のパッテイング方向に対してパターのフェイスが90度の角度になるようパッテイング動作(パターのスイング動作)をゆっくり開始する。そしてシャフト7とパッテイング面2との所定傾斜角度(ライ角度)α0を自身のパッテイングスタイルに合わせて適宜変え(支持部28aによって自由に変えることができる)、パッテイング動作を続けてその動作に抵抗感があれば、それだけ理想のパッテイング動作からズレていることになるので、抵抗感が少なくなるようにそのパッテイング動作を繰り返しそのときの感覚がプレイヤーの慣性となるように矯正し、そのときの感触を体得するように努める。
なお、本装置1によれば、パターのヘッドではなく、シャフト7を把持できるようにしているので、ヘッドの形状に左右されず大抵のパターの使用が可能となり、これによってプレイヤーが常用する自身のパターでのパッテイング動作の矯正が可能となる。
【0033】
[実施の形態2]
図4は本発明の他の実施の形態2を示す図1相当図、図5はその要部を示す拡大斜視図である。
【0034】
まず、図4において、ゴルフの携帯可能なパッテイング動作矯正装置41は、パッテイング面42上の所定高さ(H0)に軸受部43を有する本体44と、軸受部43に、パッテイング面42に対して所定傾斜角度α0(90度)で円弧状に揺動可能に支持された揺動アーム45と、パター(好ましくはヘッド46近傍)のシャフト47を解除可能に把持するための把持部48と、この把持部を揺動アーム45の先端部近傍に連結し、かつその連結軸心Sの周りに把持部48を回動可能とする回動連結部49とを主として備えている。
【0035】
本体44は、軸受部43と、この軸受部をパッテイング面42上の所定高さH0(例えば、52mm)に支持する支柱50およびその基台(基板)52と、支柱50に付設され、軸受部43の高さを調整するための軸受部高さ調整手段51とからなる。なお、基台52は、アルミニウム製で、パッテイング面42上に移動可能に載置されている。
【0036】
ここで、軸受部43は、ボールベアリングよりなる。支柱50の構成は、実施の形態1を示す図1のそれと同一であり、各構成および動作の説明を省略する。
【0037】
図4および5において、揺動アーム45は、軸受部43にパッテイング面42に対して所定傾斜角度で円弧状に揺動可能に支持され,クランク状の揺動アーム部45aと、この揺動アーム部の先端部分に、軸受部43から揺動アーム45の先端部までの距離を変更させるために回動可能に連結され、かつ回動連結部49に連結された回動アーム部56とからなる。なお、揺動アーム部45は、全体を軽量にするため長手方向にスリットを有している。55はボールベアリングである。
【0038】
把持部48は、パターのシャフト47を、一対の把持片48a・48bの間に挟み(両把持片に対向して形成された溝48c・48dにシャフト47を沿わせて挟み)、ボルト67a・67bを締めることによって、解除可能に把持・固定できるように構成されている。なお、48eは把持片48bからその溝48c・48dに対して垂直に延び、後述する傾斜角度調整手段68に実質的に連結される連結軸である。
【0039】
回動連結部49は、略水平に延びる水平管状体49cと、この管状体を揺動アーム45の先端部に管状体49aの水平軸心の周りに回動可能に連結するボールベアリング49a・49bとからなる。
【0040】
回動連結部49は、シャフト47の傾斜角度(ライ角度)をパッテイング時に自由に変更調整できるようにするための傾斜角度調整手段68を把持部48との間にさらに備えている。すなわち、傾斜角度調整手段68は、水平管状体49cに一体に連結され、かつ連結軸48eを水平軸の周りに回動可能に支持する支持部68aからなり、シャフト47とパッテイング面42との角度を、パッテイング時に所定傾斜角度α0から所望の傾斜角度(ライ角度)αに自由に変更調整できるようにしている。
【0041】
次に、以上の構成を備えたパッテイング動作矯正装置41の作動を説明する。
まず、プレイヤーPのパッテイングスタイルに応じて、軸受部43の高さを調整(変更)する。軸受部43の高さは、軸受部高さ調整手段51を実施の形態1と同様に操作して適宜変更できる。
【0042】
次いで、パターのシャフト47を把持部48に把持(固定)する。この際、円弧状に揺動する揺動アーム45の下死点(回転連結部49の最下点)でパターフェイス面がパッテイング目標方向に対して90度の角度になるようにすることが重要である。
そして、プレイヤーPは、その両足を基台52の上に置いて基台52をしっかり押さえ、所望のパッテイング方向に対してパターのフェイスが90度の角度になるようパッテイング動作(パターのスイング動作)をゆっくり開始する。この際、シャフト47とパッテイング面42との傾斜角度を自身のパッテイングスタイルに合わせて所定傾斜角度α0から適宜傾斜角度(ライ角度)αに変え(傾斜角度調整手段68によって自由に変えることができる)、パッテイングのストローク幅についてパッテイング面42にできるだけ沿ってパターヘッド46を移動させる。この動作は、揺動アーム45に回動可能に連結された56によって、軸受部43から先端部までの距離を変更可能に構成することによって可能になる。また、パターのヘッド46を上下させる動作を可能にするので、プレイヤーの希望によりパッテイング方向を合わせるためにパターのヘッド46をボールの前に置くアドレス動作をすることもできる。
【0043】
パッテイング動作を続けてその動作に抵抗感があれば、それだけ理想のパッテイング動作からズレていることになるので、抵抗感が少なくなるようにそのパッテイング動作を繰り返しそのときの感覚がプレイヤーの慣性となるように矯正し、そのときの感触を体得するように努める。
なお、本装置41によれば、パターのヘッドではなく、シャフト47を把持できるようにしているので、ヘッドの形状に左右されず大抵のパターの使用が可能となり、これによってプレイヤーが常用する自身のパターでのパッテイング動作の矯正が可能となる。
【0044】
なお、本発明に係るパッテイング動作矯正装置(またはパッテイング練習装置と称してもよい)は、ゴルフのパターだけではなく、ゲートボールのスティックなどのパッテイング動作を矯正するのにも好適に用いることができる。またこのパッテイング動作矯正装置は、全体的に小形で軽量に、必要により分解・組み立て可能に、構成してもよく、分解・組立て可能で、かつ携帯可能としてもよい。全体的に軽量にするには、各構成部品をできるだけプラスチック、アルミニウム合金のごとき軽量合金で形成するか、中空やスリット付き部品にするのがよい。
【0045】
さらに、本発明に係るパッテイング動作矯正装置は、本体、揺動アーム、把持部、回動連結部などを備え、上述の実施の形態1および2では、これらの各構成をプレイヤーと把持されたパター(パッテイング動作空間)との間に配置している。しかしこれらの各構成とプレイヤーとの間にパターを把持するように構成することもできる。なお、この場合、把持部はプレイヤーがパターヘッドを見ながらパッテイングできるように水平に延びる回動連結部又はアーム部をL形に形成して把持するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、パッテイング面上の所定高さに揺動アームを軸支し、この揺動アームをその先端部にパターのシャフトの把持部を連結し、かつその連結軸心の周りに把持部を回動可能とすることによって、パッテイング動作を把持部の動きに対応させると、それによってパッテイング動作をスムースに案内または誘導して矯正でき、実際のパッテイング動作により近い状態でパッテイング動作を体得できる。
さらに、本発明によれば、パターのヘッドではなくシャフトを把持できるようにしているので、その把持を解除可能にすれば、ヘッドの形状に左右されず大抵のパターの使用が可能となり、これによってプレイヤーが常用する自身のパターでのパッテイング動作の矯正が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパッテイング動作矯正装置の実施の形態1を示す概略構成説明側面図である。
【図2】図1の要部としての揺動アーム、把持部およびその把持部に把持されたパターヘッドの関係構造を示す拡大斜視図である。
【図3】揺動アームのパッテイング時揺動アーム長さ調整手段の働きを説明する説明図である。
【図4】本発明の他の実施の形態2を示す図1相当図である。
【図5】図4の要部を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 ゴルフのパッテイング動作矯正装置
2 パッテイング面
3 軸受部
4 本体
5 揺動アーム
6 パターヘッド
7 シャフト
8 把持部
9 揺動連結部
10 支柱
11 軸受部高さ調整手段
12 基台
13 垂下アーム部
13b アーム部(第1アーム部)
14 水平アーム部
15、16 初期アーム部長さ調整手段
17 パッテイング時揺動アーム長さ調整手段
23 第2アーム部
24 中間アーム部
25、26 コイルスプリング
28 傾斜角度調整手段
Claims (13)
- パッテイング面上の所定高さに軸受部を有する本体と、
前記軸受部に、パッテイング面に対して所定傾斜角度で円弧状に揺動可能に支持された揺動アームと、
パターのシャフトを把持するための把持部と、
この把持部を前記揺動アームの先端部に連結し、かつその連結軸心の周りに前記把持部を回動可能とする回動連結部と
を備え、パッテイング動作を前記把持部の動きに対応させることにより矯正するパッテイング動作矯正装置。 - 把持部が、パターのシャフトの把持を解除可能に構成してなる請求項1に記載のパッテイング動作矯正装置。
- 揺動アームが、軸受部から先端部までの距離を変更可能に構成してなる請求項1または2に記載のパッテイング動作矯正装置。
- 揺動アームが、軸受部にパッテイング面に対して所定傾斜角度で円弧状に揺動可能に支持された揺動アーム部と、この揺動アーム部の先端部分に、軸受部から揺動アームの先端部までの距離を変更させるために回動可能に連結され、かつ回動連結部に連結された回動アーム部とからなる請求項3に記載のパッテイング動作矯正装置。
- 揺動アーム部が、クランク状である請求項4に記載のパッテイング動作矯正装置。
- 回動連結部が、揺動アームの所定傾斜角度を調整するための傾斜角度調整手段を該回動連結部の把持部側または揺動アーム側にさらに備えた請求項1〜5のいずれか一つに記載のパッテイング動作矯正装置。
- 回動連結部が、把持部に連結された傾斜角度調整手段と、この傾斜角度調整手段から略水平に延びる水平管状体と、この管状体を揺動アームの先端部に管状体の水平軸心の周りに回動可能に連結するボールベアリングとからなる請求項6に記載のパッテイング動作矯正装置。
- 揺動アームの所定傾斜角度が、90度または71度である請求項1〜7のいずれか一つに記載のパッテイング動作矯正装置。
- 揺動アーム部が、その初期アーム長さを調整するための初期アーム長さ調整手段をさらに備えた請求項4または5に記載のパッテイング動作矯正装置。
- 揺動アームが、軸受部に近い方から略垂下する垂下アーム部と、この垂下アーム部から前方に略水平に延びる水平アーム部とを備え、
初期アーム長さ調整手段が、両アーム部にそれぞれ介設され、各アーム部長さを調整するための一対の初期アーム部長さ調整手段からなる請求項9に記載のパッテイング動作矯正装置。 - 本体が、軸受部と、この軸受部をパッテイング面上の所定高さに支持する支柱と、この支柱に付設され、軸受部の高さを調整するための軸受部高さ調整手段とを備えた請求項1〜10のいずれか一つに記載のパッテイング動作矯正装置。
- 本体が、支柱を支持し、かつパッテイング面上またはパッテイングマットを設置するベース面上に移動可能に載置する基台をさらに備えた請求項11に記載のパッテイング動作矯正装置。
- 分解・組立て可能で、かつ携帯可能である請求項12に記載のパッテイング動作矯正装置。
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