JP2004242909A - モールドイン成形用係止部材および係止部材付き樹脂成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車シートや事務用椅子等のクッションやその他の樹脂成形体、特に二次元または三次元の複雑な形状の成形体を成形する際に、この成形体表面に埋め込まれるモールドイン成形用係止部材と成形金型凹部との間隙から樹脂が流入するのを効果的に防止するモールドイン成形用係止部材と係止部材付き樹脂成形体の製造方法を提供すること。
【解決手段】柔軟かつ弾性を有する棒状の芯体および該芯体表面の少なくとも一部を覆うように設けられたループ部材を有することを特徴とするモールドイン成形用係止部材およびその係止部材を用いた樹脂成形体の製造方法。
【選択図】 図3
【解決手段】柔軟かつ弾性を有する棒状の芯体および該芯体表面の少なくとも一部を覆うように設けられたループ部材を有することを特徴とするモールドイン成形用係止部材およびその係止部材を用いた樹脂成形体の製造方法。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車シートや事務用椅子等のクッション性樹脂成形体を成形する際に、この樹脂成形体表面に固定されるモールドイン成形用係止部材および該係止部材を用いた樹脂成形体の製造方法に関するものである。該係止部材付き樹脂成形体は、その表面を繊維布等の被覆体で蔽い、被覆体裏面と該係止部材の係合素子を係止させることで樹脂成形体に被覆体を固定して、シート等に使用される。
【0002】
【従来の技術】
自動車や事務用椅子等に用いられるシートは、発泡ウレタン等からなるクッションの表面に、シートカバー(被覆体)を取付けて構成されている。
自動車シートの成形方法として、表面に多数の係合素子、裏面に多数の埋設素子をそれぞれ備えた係止部材を成形型内の所定の位置にセットし、該成形型内に成形用樹脂を注入して発泡させ、上記係止部材の埋設素子を樹脂成形体内に埋設させて樹脂成形体と係止部材を一体化し、かつ上記係合素子が樹脂成形体の外表面に露出するように埋め込み成形する方法(いわゆるモールドイン成形法)が提案されている。そして、シートカバー(被覆体)の裏面には、上記係止部材の係合素子に係合可能な被係合素子が設けられており、これら両素子を係合させることにより、上記シートカバーを樹脂成形体に沿わせ、樹脂成形体はシートカバーにより被覆される。
従来、成形型に装着する係止部材として、フック状係合素子を有する硬質の係合部材(以下、フック部材ということがある)が扱いやすいために、フック部材を樹脂成形体側に埋設し、被覆体側にループ状係合素子を設けて両者を係合する方式がとられていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記のモールドイン成形法では、通常、成形型の所定の位置に狭い凹部を設け、この凹部に係止部材を係合素子面が凹部底面側となるようにはめ込み、その状態で発泡性成形用樹脂液(以下、単に樹脂ということがある)を成形型に流し込み成形する方法がとられている。この成形方法では、成形型に設けた凹部に係合部材を装着してモールドイン成形する際に、流し込んだ樹脂が係止部材と成形型凹部の間隙から係合素子側に流入し、係合素子が埋没してしまうという問題が生じ、該係合素子が樹脂内に埋没した場合には係合能力を有しないこととなる。
したがって、該係止部材と成形型凹部の間隙から樹脂が浸入することを阻止することが必要である。
【0004】
このような問題を解決するために、係止部材の幅方向両端に基板の裏面に立ち上がる突条を設け、該突条が凹部の壁と係止部材の幅方向の隙間を封止して、樹脂がフック素子に流入することを防止したモールドイン成形用係止部材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
ところで近年、シートの構造や意匠が複雑多岐にわたるようになり、シート用樹脂成形体の構造も平板状から二次元形状、さらには三次元形状で曲線状のものが必要となり、従来の硬質のフック部材を樹脂成形体に埋設する技術では、上記要求に対応できなくなりつつある。
また、硬質のモールドイン成形用係止部材を成形型の狭い凹部に装着し、隙間の封止を高度に達成するには、該係止部材の寸法精度を高めるとともに、凹部に装着する現場の作業管理も厳密に行う必要があり、工業的に実施する際には依然として多くの課題が残されていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−016173号公報
【特許文献2】
特開平8−140713号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の課題を解決するものであって、その目的は、モールドイン成形時に係止部材と成形型凹部との密着性に優れ、かつ複雑な二次元または三次元構造を有する樹脂成形体を得ることができるモールドイン成形用係止部材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の問題を検討し、二次元または三次元の樹脂成形体の成形および狭い凹部との隙間封止の問題を共に解決し、実用性に優れたモールドイン成形用係止部材および該係止部材を用いた樹脂成形体の製造方法を見出した。
【0009】
すなわち本発明は、柔軟かつ弾性を有する棒状の芯体および該芯体表面の少なくとも一部を覆うように設けられたループ部材を有することを特徴とするモールドイン成形用係止部材である。
【0010】
また本発明は、柔軟かつ弾性を有する棒状の芯体および該芯体表面の少なくとも一部を覆うように設けられたループ部材を有するモールドイン成形用係止部材を、成形型の内面に設けられた凹部に該ループ部材が収納されるように押入し、芯体の弾性により該凹部と係止部材の隙間を封止し、次いで成形型内に樹脂を導入し該樹脂を硬化させることを特徴とする係止部材付き樹脂成形体の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のモールドイン成形用係止部材を構成する棒状の芯体を構成する素材としては、柔軟かつ弾性を有する樹脂を用いる。かかる樹脂としてポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニル系等の熱可塑性樹脂が挙げられるが、中でもポリ塩化ビニルに可塑剤を配合したいわゆる軟質塩化ビニルが好ましく用いられる。また、より弾性の高い樹脂として熱可塑性エラストマー樹脂を用いてもよく、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー等を用いることができる。
芯体の形態としては、柱状体、中空体、多孔性樹脂発泡体等が挙げられる。
一方、該係止部材に用いるループ材を構成する素材としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維等が挙げられ、中でもポリエステル系繊維やポリアミド系繊維が好ましい。該ループ部材は、その少なくとも一部分にループ素子を有するものであるが、かかるループ素子を構成する繊維としてはモノフィラメントやマルチフィラメントが挙げられ、中でも係合性能の点からマルチフィラメントが好ましい。
【0012】
以下、図面を用いて本発明を説明する。
図1は本発明のモールドイン成形用係止部材の一例を示す断面模式図であり、図2は、図1に示した本発明のモールドイン成形用係止部材の一例を示す側面模式図である。
本発明のモールドイン成形用係止部材は、芯体1として弾性を有する棒状の柔軟な樹脂成形体と、その周囲を長さ方向に覆うループ部材2が、例えば縫製により上部3で一体化されている。一体化する手法としては、縫製に限らず公知の接合技術が使用できる。該係止部材は、芯体が柔軟であるため自由に曲げ加工ができる。また、芯体を覆うループ部材は芯体の屈曲を妨げない程度の柔軟性を有することが望ましい。柔軟性、係合力の点からループ部材は編織物または不織布からなり、その少なくとも一部に起毛繊維またはループ繊維により形成されるループ素子4を有することが好ましい。
【0013】
該ループ素子はマルチフィラメントをループ状に編織したもの、起毛処理した布帛や不織布、またはネット状布帛等が使用できる。ループ部材においてループ素子が存在する範囲は、図1に示すように少なくとも芯体の下部分を占めることが必要であり、芯体の全体を被覆していてもよい。なお、芯体の全体をループ素子で被覆する場合は、ループ素子が疎で空隙が多すぎると該係止部材を成形型の凹部に押入したときに(図3を参照)、凹部の壁と係止部材の幅方向の封止が十分でなく、樹脂の流入が生ずる場合があるので避けることが好ましい。ループ素子が芯体全体を被覆した係止部材は、上部に存在するループ素子が成形樹脂に埋設され、成形体と係止部材との接合を強化するアンカー部材として機能するので、適度なループ密度を有するループ部材を用いることは好ましい態様である。
【0014】
本発明のモールドイン成形用係止部材の大きさは、目的に応じて適宜選択すればよく、特に制限はない。通常は直径1〜20mm、長さ5cm〜1m程度のものが好ましい。ループ素子の大きさおよび密度も係合力等に応じて適宜選択すればよい。
また、芯体の断面形状は、円形、長円形、三角形、四角形、多角形等任意の形状にできるが、凹部に対する封止性の点からは円形または長円形が好ましい。
【0015】
本発明のモールドイン成形用係止部材の芯体は柔軟かつ弾性を有するので、二次元または三次元形状で曲線を有する成形型凹部にも容易に配置でき、さらに凹部の内部に押入して、凹部の壁と係止部材の隙間を確実に封止することができる。該係止部材の幅は成形型凹部の幅より少し広いことが望ましく、その差は芯体の弾性、ループ部材の材質により適宜決定されるが、通常は型の幅より0.5〜3mm程度広いことが好ましい。本発明のモールドイン成形用係止部材は、芯体をループ部材で被覆してもよいし、予めループ部材をパイプ状に形成し、その中に芯体を挿入してもよい。
【0016】
また本発明において、芯体を構成する樹脂として多孔性樹脂を用いると柔軟性と弾性が特に優れ、成形用樹脂に埋設される際に樹脂が芯体の微細孔に浸入して成形体とのアンカー効果をより高めることができる。さらに該係止部材を埋設した樹脂成形体に被覆体を係合するときに(図4を参照)、フック素子との係合においてクッション的効果を示し、係合の脱離に際して適度な緩衝効果を示し、またシートとした際、該位置に人が座ったときに受ける異物感を低減することもできる。
【0017】
特に本発明のモールドイン成形用係止部材は、その曲げ荷重(JIS K 7171に準じて曲げ特性を試験した際の初期荷重)が0.1〜100Nであることが好ましい。
従来のモールドイン成形用係止部材は、テープ状の樹脂製面ファスナーを平面に置いて使用されており、二次元すなわち平面上で曲げると、剛直であるためテープの幅が曲げに対して抵抗となり実質的に曲げて配置することはできなかった。一方、本発明のモールドイン成形用係止部材は、全体が柔軟であるので、使用される型の形状に実質的な制限がないというメリットがある。
【0018】
図3は、本発明の係止部材付き樹脂成形体を製造する方法を示す断面模式図である。成形型5の内部に設けられた成形型凹部6に、本発明のモールドイン成形用係止部材をそのループ素子4が凹部の内部に収容されるよう配置する。ここにおいて、芯体1の弾性によって凹部の幅と係止部材の幅が密着して封止され、成形型に成形用樹脂7が導入されたとき、該樹脂がループ素子側に流入することがない。成形型に成形用樹脂を導入後、該樹脂を硬化させ、本発明の係止部材付き樹脂成形体を得ることができる。
【0019】
図4は、図3に示す方法によって製造された本発明の係止部材付き樹脂成形体に被覆体を係止する方法を示す断面模式図である。得られた樹脂成形体8は表面に凹部を有し、該凹部の底面に本発明のモールドイン成形用係止部材が埋設されている。該樹脂成形体は、その表面にループ素子4を露出している。一方、フック素子10を備えた係止部材11を端部に接合した被覆体12を準備し、該被覆体を樹脂成形体の凹部9に押入することで両者の係止部材を係合して、被覆体を成形体表面に係止固定する。
【0020】
本発明のモールドイン成形用係止部材と成形型凹部の幅方向における封止は、上記の方法により高度に達成できる。さらに成形型凹部の長さ方向端部における封止についても行うことが好ましい。このために、成形型凹部の長さ方向端部に堰、すなわち成形型凹部の壁より少し低い突片を凹部内に設けることが好ましい。該堰に本発明のモールドイン成形用係止部材の長さ方向端部を圧接することにより、成形型凹部の長さ方向端部に対する封止がより確実に行える。かくして本発明のモールドイン成形用係止部材は成形型凹部に対してより完全な封止ができ、ループ素子が樹脂により汚染されることが高度に防止される。
【0021】
本発明に用いる被覆体12は公知の布帛類や皮革類等が使用でき、目的に応じて任意に選択できる。該被覆体に取付けるフック素子10を有する係止部材11は、樹脂の押出成形や射出成形により一体成形体として製造することができる。またはフック状係合素子をテープ状に予め製造し、それを台座というべき基材に接合して製造することもできる。
【0022】
該係止部材11は硬質であるので、長さが長い状態で使用されると本発明のモールドイン成形用係止部材に追随することが困難となる場合がある。この問題を解決するために、係止部材11のフック素子は、適当な箇所に切れ目を設けるか、または適当な長さに切断して連続的に被覆体の端部に設置するのが好ましい。
かくして、被覆体の端部も二次元または三次元の曲線に対応できる。
【0023】
図5は、本発明の係止部材付き樹脂成形体に被覆体を係止する方法の他の一例を示す断面模式図であり、係止部材11として好ましいフック状係合素子の一例を示す。フック素子10が完全に露出する構造であると、フック状係合素子が他の繊維布帛等と係合して損傷を与える場合がある。特に、製造工程で大量の被覆体を使用する場合、大きな問題となり得る。図5のフック状係合素子は、フック素子10の両側に該素子より少し長い保護片13を設けている。該保護片を設けることにより、フック素子の不要な係合を防止できる。本発明のモールドイン成形用係止部材が円形断面であったり、その幅が係止部材11の幅より小さい場合、両者を係合する際に保護片が係合素子の係合を妨げることはなく、より好ましい。
【0024】
本発明の係止部材付き樹脂成形体は、自動車用シート等に用いることができる。成形用の樹脂としては、各種の合成樹脂が使用できるが、成形体が発泡クッション体である場合、ポリウレタンが好ましく用いられる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制約されるものではない。
【0026】
実施例1
軟質塩化ビニル樹脂を用いて直径10mmの円柱状体を押出成形し、得られた円柱状体を50cmごとに切断して芯体を得た。
次に、230dtex/10fのポリアミドマルチフィラメントを用いてループ素子が中央部に10mm幅で形成され、50mm幅となるよう製編し、ループ部材を得た。得られたループ部材を芯体の外周に取付け、次いで縫製により固定してモールドイン成形用係止部材を得た。
一方、型の内面に断面形状が8mm(幅)×13mm(深さ)、長さ50cm、曲率半径が水平方向300mm、垂直方向1000mm、長さ方向端部に堰を設けた凹部を有する成形金型を準備し、この型に上記モールドイン成形用係止部材のループ素子が凹部に収容されるよう手で押し込み、次いで発泡性ウレタン樹脂液を成形型内に導入して常法により係止材付き樹脂成形体を得た。
得られた係止部材付き樹脂成形体は表面のループ素子がウレタン樹脂により汚染されることなく、三次元形状(曲率半径が水平方向300mm、垂直方向1000mm)のループ素子を有するウレタン樹脂発泡体であった。
【0027】
実施例2
芯体としてポリウレタン発泡体を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法にてモールドイン成形用係止部材を得た。得られた係止部材を用いて係止部材付き樹脂成形体を製造したところ、実施例1と同様、表面のループ素子がウレタン樹脂により汚染されることはなかった。
【0028】
実施例3
ループ素子が50mm幅、すなわちループ素子がループ部材の一面全体に存在するよう製編したこと以外は、実施例1と同様の方法にてモールドイン成形用係止部材を得た。得られた係止部材を用いて係止部材付き樹脂成形体を製造したところ、実施例1と同様、表面のループ素子がウレタン樹脂により汚染されることはなかった。
【0029】
実施例4
ポリプロピレン系樹脂を用いて押出成形により図5に示すようなフック素子を有する逆T字型の係止部材を得た。得られた係止部材は、幅7mm、脚部長さ5mmであった。これを2枚の繊維布帛の端部に縫製して、被覆体を得た。得られた被覆体を実施例1によって得られた係止部材付き樹脂成形体に、被覆体のフック素子と成形体のループ素子が合うように押し付けて2つの係止部材を係合し、被覆体を係止部材付き樹脂成形体の表面に固定した。なお、フック素子を有する係止部材には三次元形状への追随性を確保するために1cm間隔に切れ目を設けて繊維布帛に縫製した。これにより外観良好な三次元曲線を有するクッション性樹脂成形体を得ることができた。
【0030】
比較例1
芯体の素材として、硬質塩化ビニル樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にしてモールドイン成形用係止部材を得た。得られた係止部材を用いて係止部材付き樹脂成形体を製造したが、芯体の凹部への追随性が悪く、ループ素子がウレタン樹脂に汚染されており、係合機能が失われていた。
【0031】
【発明の効果】
本発明のモールドイン成形用係止部材は、成形型内の凹部に簡単かつ確実に保持でき、しかも該凹部と係止部材とのシール性に優れ、樹脂組成物の係合素子側への流入を確実に阻止できる。特に二次元または三次元で曲線形状を有する凹部に容易に装着できるモールドイン成形用係止部材を提供し、複雑な形状の係止部材付き樹脂成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモールドイン成形用係止部材の一例を示す断面模式図。
【図2】本発明のモールドイン成形用係止部材の一例を示す側面模式図。
【図3】本発明の係止部材付き樹脂成形体を製造する方法を示す断面模式図。
【図4】本発明の係止部材付き樹脂成形体に被覆体を係止する方法を示す断面模式図。
【図5】本発明の係止部材付き樹脂成形体に被覆体を係止する方法の他の一例を示す断面模式図。
【符号の説明】
1:芯体
2:ループ部材
3:上部
4:ループ素子
5:成形型
6:成形型凹部
7:成形用樹脂
8:樹脂成形体
9:成形体の凹部
10:フック素子
11:係止部材
12:被覆体
13:保護片
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車シートや事務用椅子等のクッション性樹脂成形体を成形する際に、この樹脂成形体表面に固定されるモールドイン成形用係止部材および該係止部材を用いた樹脂成形体の製造方法に関するものである。該係止部材付き樹脂成形体は、その表面を繊維布等の被覆体で蔽い、被覆体裏面と該係止部材の係合素子を係止させることで樹脂成形体に被覆体を固定して、シート等に使用される。
【0002】
【従来の技術】
自動車や事務用椅子等に用いられるシートは、発泡ウレタン等からなるクッションの表面に、シートカバー(被覆体)を取付けて構成されている。
自動車シートの成形方法として、表面に多数の係合素子、裏面に多数の埋設素子をそれぞれ備えた係止部材を成形型内の所定の位置にセットし、該成形型内に成形用樹脂を注入して発泡させ、上記係止部材の埋設素子を樹脂成形体内に埋設させて樹脂成形体と係止部材を一体化し、かつ上記係合素子が樹脂成形体の外表面に露出するように埋め込み成形する方法(いわゆるモールドイン成形法)が提案されている。そして、シートカバー(被覆体)の裏面には、上記係止部材の係合素子に係合可能な被係合素子が設けられており、これら両素子を係合させることにより、上記シートカバーを樹脂成形体に沿わせ、樹脂成形体はシートカバーにより被覆される。
従来、成形型に装着する係止部材として、フック状係合素子を有する硬質の係合部材(以下、フック部材ということがある)が扱いやすいために、フック部材を樹脂成形体側に埋設し、被覆体側にループ状係合素子を設けて両者を係合する方式がとられていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記のモールドイン成形法では、通常、成形型の所定の位置に狭い凹部を設け、この凹部に係止部材を係合素子面が凹部底面側となるようにはめ込み、その状態で発泡性成形用樹脂液(以下、単に樹脂ということがある)を成形型に流し込み成形する方法がとられている。この成形方法では、成形型に設けた凹部に係合部材を装着してモールドイン成形する際に、流し込んだ樹脂が係止部材と成形型凹部の間隙から係合素子側に流入し、係合素子が埋没してしまうという問題が生じ、該係合素子が樹脂内に埋没した場合には係合能力を有しないこととなる。
したがって、該係止部材と成形型凹部の間隙から樹脂が浸入することを阻止することが必要である。
【0004】
このような問題を解決するために、係止部材の幅方向両端に基板の裏面に立ち上がる突条を設け、該突条が凹部の壁と係止部材の幅方向の隙間を封止して、樹脂がフック素子に流入することを防止したモールドイン成形用係止部材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
ところで近年、シートの構造や意匠が複雑多岐にわたるようになり、シート用樹脂成形体の構造も平板状から二次元形状、さらには三次元形状で曲線状のものが必要となり、従来の硬質のフック部材を樹脂成形体に埋設する技術では、上記要求に対応できなくなりつつある。
また、硬質のモールドイン成形用係止部材を成形型の狭い凹部に装着し、隙間の封止を高度に達成するには、該係止部材の寸法精度を高めるとともに、凹部に装着する現場の作業管理も厳密に行う必要があり、工業的に実施する際には依然として多くの課題が残されていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−016173号公報
【特許文献2】
特開平8−140713号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の課題を解決するものであって、その目的は、モールドイン成形時に係止部材と成形型凹部との密着性に優れ、かつ複雑な二次元または三次元構造を有する樹脂成形体を得ることができるモールドイン成形用係止部材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の問題を検討し、二次元または三次元の樹脂成形体の成形および狭い凹部との隙間封止の問題を共に解決し、実用性に優れたモールドイン成形用係止部材および該係止部材を用いた樹脂成形体の製造方法を見出した。
【0009】
すなわち本発明は、柔軟かつ弾性を有する棒状の芯体および該芯体表面の少なくとも一部を覆うように設けられたループ部材を有することを特徴とするモールドイン成形用係止部材である。
【0010】
また本発明は、柔軟かつ弾性を有する棒状の芯体および該芯体表面の少なくとも一部を覆うように設けられたループ部材を有するモールドイン成形用係止部材を、成形型の内面に設けられた凹部に該ループ部材が収納されるように押入し、芯体の弾性により該凹部と係止部材の隙間を封止し、次いで成形型内に樹脂を導入し該樹脂を硬化させることを特徴とする係止部材付き樹脂成形体の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のモールドイン成形用係止部材を構成する棒状の芯体を構成する素材としては、柔軟かつ弾性を有する樹脂を用いる。かかる樹脂としてポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニル系等の熱可塑性樹脂が挙げられるが、中でもポリ塩化ビニルに可塑剤を配合したいわゆる軟質塩化ビニルが好ましく用いられる。また、より弾性の高い樹脂として熱可塑性エラストマー樹脂を用いてもよく、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー等を用いることができる。
芯体の形態としては、柱状体、中空体、多孔性樹脂発泡体等が挙げられる。
一方、該係止部材に用いるループ材を構成する素材としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維等が挙げられ、中でもポリエステル系繊維やポリアミド系繊維が好ましい。該ループ部材は、その少なくとも一部分にループ素子を有するものであるが、かかるループ素子を構成する繊維としてはモノフィラメントやマルチフィラメントが挙げられ、中でも係合性能の点からマルチフィラメントが好ましい。
【0012】
以下、図面を用いて本発明を説明する。
図1は本発明のモールドイン成形用係止部材の一例を示す断面模式図であり、図2は、図1に示した本発明のモールドイン成形用係止部材の一例を示す側面模式図である。
本発明のモールドイン成形用係止部材は、芯体1として弾性を有する棒状の柔軟な樹脂成形体と、その周囲を長さ方向に覆うループ部材2が、例えば縫製により上部3で一体化されている。一体化する手法としては、縫製に限らず公知の接合技術が使用できる。該係止部材は、芯体が柔軟であるため自由に曲げ加工ができる。また、芯体を覆うループ部材は芯体の屈曲を妨げない程度の柔軟性を有することが望ましい。柔軟性、係合力の点からループ部材は編織物または不織布からなり、その少なくとも一部に起毛繊維またはループ繊維により形成されるループ素子4を有することが好ましい。
【0013】
該ループ素子はマルチフィラメントをループ状に編織したもの、起毛処理した布帛や不織布、またはネット状布帛等が使用できる。ループ部材においてループ素子が存在する範囲は、図1に示すように少なくとも芯体の下部分を占めることが必要であり、芯体の全体を被覆していてもよい。なお、芯体の全体をループ素子で被覆する場合は、ループ素子が疎で空隙が多すぎると該係止部材を成形型の凹部に押入したときに(図3を参照)、凹部の壁と係止部材の幅方向の封止が十分でなく、樹脂の流入が生ずる場合があるので避けることが好ましい。ループ素子が芯体全体を被覆した係止部材は、上部に存在するループ素子が成形樹脂に埋設され、成形体と係止部材との接合を強化するアンカー部材として機能するので、適度なループ密度を有するループ部材を用いることは好ましい態様である。
【0014】
本発明のモールドイン成形用係止部材の大きさは、目的に応じて適宜選択すればよく、特に制限はない。通常は直径1〜20mm、長さ5cm〜1m程度のものが好ましい。ループ素子の大きさおよび密度も係合力等に応じて適宜選択すればよい。
また、芯体の断面形状は、円形、長円形、三角形、四角形、多角形等任意の形状にできるが、凹部に対する封止性の点からは円形または長円形が好ましい。
【0015】
本発明のモールドイン成形用係止部材の芯体は柔軟かつ弾性を有するので、二次元または三次元形状で曲線を有する成形型凹部にも容易に配置でき、さらに凹部の内部に押入して、凹部の壁と係止部材の隙間を確実に封止することができる。該係止部材の幅は成形型凹部の幅より少し広いことが望ましく、その差は芯体の弾性、ループ部材の材質により適宜決定されるが、通常は型の幅より0.5〜3mm程度広いことが好ましい。本発明のモールドイン成形用係止部材は、芯体をループ部材で被覆してもよいし、予めループ部材をパイプ状に形成し、その中に芯体を挿入してもよい。
【0016】
また本発明において、芯体を構成する樹脂として多孔性樹脂を用いると柔軟性と弾性が特に優れ、成形用樹脂に埋設される際に樹脂が芯体の微細孔に浸入して成形体とのアンカー効果をより高めることができる。さらに該係止部材を埋設した樹脂成形体に被覆体を係合するときに(図4を参照)、フック素子との係合においてクッション的効果を示し、係合の脱離に際して適度な緩衝効果を示し、またシートとした際、該位置に人が座ったときに受ける異物感を低減することもできる。
【0017】
特に本発明のモールドイン成形用係止部材は、その曲げ荷重(JIS K 7171に準じて曲げ特性を試験した際の初期荷重)が0.1〜100Nであることが好ましい。
従来のモールドイン成形用係止部材は、テープ状の樹脂製面ファスナーを平面に置いて使用されており、二次元すなわち平面上で曲げると、剛直であるためテープの幅が曲げに対して抵抗となり実質的に曲げて配置することはできなかった。一方、本発明のモールドイン成形用係止部材は、全体が柔軟であるので、使用される型の形状に実質的な制限がないというメリットがある。
【0018】
図3は、本発明の係止部材付き樹脂成形体を製造する方法を示す断面模式図である。成形型5の内部に設けられた成形型凹部6に、本発明のモールドイン成形用係止部材をそのループ素子4が凹部の内部に収容されるよう配置する。ここにおいて、芯体1の弾性によって凹部の幅と係止部材の幅が密着して封止され、成形型に成形用樹脂7が導入されたとき、該樹脂がループ素子側に流入することがない。成形型に成形用樹脂を導入後、該樹脂を硬化させ、本発明の係止部材付き樹脂成形体を得ることができる。
【0019】
図4は、図3に示す方法によって製造された本発明の係止部材付き樹脂成形体に被覆体を係止する方法を示す断面模式図である。得られた樹脂成形体8は表面に凹部を有し、該凹部の底面に本発明のモールドイン成形用係止部材が埋設されている。該樹脂成形体は、その表面にループ素子4を露出している。一方、フック素子10を備えた係止部材11を端部に接合した被覆体12を準備し、該被覆体を樹脂成形体の凹部9に押入することで両者の係止部材を係合して、被覆体を成形体表面に係止固定する。
【0020】
本発明のモールドイン成形用係止部材と成形型凹部の幅方向における封止は、上記の方法により高度に達成できる。さらに成形型凹部の長さ方向端部における封止についても行うことが好ましい。このために、成形型凹部の長さ方向端部に堰、すなわち成形型凹部の壁より少し低い突片を凹部内に設けることが好ましい。該堰に本発明のモールドイン成形用係止部材の長さ方向端部を圧接することにより、成形型凹部の長さ方向端部に対する封止がより確実に行える。かくして本発明のモールドイン成形用係止部材は成形型凹部に対してより完全な封止ができ、ループ素子が樹脂により汚染されることが高度に防止される。
【0021】
本発明に用いる被覆体12は公知の布帛類や皮革類等が使用でき、目的に応じて任意に選択できる。該被覆体に取付けるフック素子10を有する係止部材11は、樹脂の押出成形や射出成形により一体成形体として製造することができる。またはフック状係合素子をテープ状に予め製造し、それを台座というべき基材に接合して製造することもできる。
【0022】
該係止部材11は硬質であるので、長さが長い状態で使用されると本発明のモールドイン成形用係止部材に追随することが困難となる場合がある。この問題を解決するために、係止部材11のフック素子は、適当な箇所に切れ目を設けるか、または適当な長さに切断して連続的に被覆体の端部に設置するのが好ましい。
かくして、被覆体の端部も二次元または三次元の曲線に対応できる。
【0023】
図5は、本発明の係止部材付き樹脂成形体に被覆体を係止する方法の他の一例を示す断面模式図であり、係止部材11として好ましいフック状係合素子の一例を示す。フック素子10が完全に露出する構造であると、フック状係合素子が他の繊維布帛等と係合して損傷を与える場合がある。特に、製造工程で大量の被覆体を使用する場合、大きな問題となり得る。図5のフック状係合素子は、フック素子10の両側に該素子より少し長い保護片13を設けている。該保護片を設けることにより、フック素子の不要な係合を防止できる。本発明のモールドイン成形用係止部材が円形断面であったり、その幅が係止部材11の幅より小さい場合、両者を係合する際に保護片が係合素子の係合を妨げることはなく、より好ましい。
【0024】
本発明の係止部材付き樹脂成形体は、自動車用シート等に用いることができる。成形用の樹脂としては、各種の合成樹脂が使用できるが、成形体が発泡クッション体である場合、ポリウレタンが好ましく用いられる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制約されるものではない。
【0026】
実施例1
軟質塩化ビニル樹脂を用いて直径10mmの円柱状体を押出成形し、得られた円柱状体を50cmごとに切断して芯体を得た。
次に、230dtex/10fのポリアミドマルチフィラメントを用いてループ素子が中央部に10mm幅で形成され、50mm幅となるよう製編し、ループ部材を得た。得られたループ部材を芯体の外周に取付け、次いで縫製により固定してモールドイン成形用係止部材を得た。
一方、型の内面に断面形状が8mm(幅)×13mm(深さ)、長さ50cm、曲率半径が水平方向300mm、垂直方向1000mm、長さ方向端部に堰を設けた凹部を有する成形金型を準備し、この型に上記モールドイン成形用係止部材のループ素子が凹部に収容されるよう手で押し込み、次いで発泡性ウレタン樹脂液を成形型内に導入して常法により係止材付き樹脂成形体を得た。
得られた係止部材付き樹脂成形体は表面のループ素子がウレタン樹脂により汚染されることなく、三次元形状(曲率半径が水平方向300mm、垂直方向1000mm)のループ素子を有するウレタン樹脂発泡体であった。
【0027】
実施例2
芯体としてポリウレタン発泡体を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法にてモールドイン成形用係止部材を得た。得られた係止部材を用いて係止部材付き樹脂成形体を製造したところ、実施例1と同様、表面のループ素子がウレタン樹脂により汚染されることはなかった。
【0028】
実施例3
ループ素子が50mm幅、すなわちループ素子がループ部材の一面全体に存在するよう製編したこと以外は、実施例1と同様の方法にてモールドイン成形用係止部材を得た。得られた係止部材を用いて係止部材付き樹脂成形体を製造したところ、実施例1と同様、表面のループ素子がウレタン樹脂により汚染されることはなかった。
【0029】
実施例4
ポリプロピレン系樹脂を用いて押出成形により図5に示すようなフック素子を有する逆T字型の係止部材を得た。得られた係止部材は、幅7mm、脚部長さ5mmであった。これを2枚の繊維布帛の端部に縫製して、被覆体を得た。得られた被覆体を実施例1によって得られた係止部材付き樹脂成形体に、被覆体のフック素子と成形体のループ素子が合うように押し付けて2つの係止部材を係合し、被覆体を係止部材付き樹脂成形体の表面に固定した。なお、フック素子を有する係止部材には三次元形状への追随性を確保するために1cm間隔に切れ目を設けて繊維布帛に縫製した。これにより外観良好な三次元曲線を有するクッション性樹脂成形体を得ることができた。
【0030】
比較例1
芯体の素材として、硬質塩化ビニル樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にしてモールドイン成形用係止部材を得た。得られた係止部材を用いて係止部材付き樹脂成形体を製造したが、芯体の凹部への追随性が悪く、ループ素子がウレタン樹脂に汚染されており、係合機能が失われていた。
【0031】
【発明の効果】
本発明のモールドイン成形用係止部材は、成形型内の凹部に簡単かつ確実に保持でき、しかも該凹部と係止部材とのシール性に優れ、樹脂組成物の係合素子側への流入を確実に阻止できる。特に二次元または三次元で曲線形状を有する凹部に容易に装着できるモールドイン成形用係止部材を提供し、複雑な形状の係止部材付き樹脂成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモールドイン成形用係止部材の一例を示す断面模式図。
【図2】本発明のモールドイン成形用係止部材の一例を示す側面模式図。
【図3】本発明の係止部材付き樹脂成形体を製造する方法を示す断面模式図。
【図4】本発明の係止部材付き樹脂成形体に被覆体を係止する方法を示す断面模式図。
【図5】本発明の係止部材付き樹脂成形体に被覆体を係止する方法の他の一例を示す断面模式図。
【符号の説明】
1:芯体
2:ループ部材
3:上部
4:ループ素子
5:成形型
6:成形型凹部
7:成形用樹脂
8:樹脂成形体
9:成形体の凹部
10:フック素子
11:係止部材
12:被覆体
13:保護片
Claims (6)
- 柔軟かつ弾性を有する棒状の芯体と該芯体表面の少なくとも一部を覆うように設けられたループ部材を有することを特徴とするモールドイン成形用係止部材。
- 該芯体の表面全体がループ部材で被覆されてなる請求項1記載のモールドイン成形用係止部材。
- 該芯体が多孔性樹脂からなり、該ループ部材が起毛繊維またはループ繊維を一面に有する編織物または不織布からなる請求項1または2のモールドイン成形用係止部材。
- 該芯体が円形または長円形の断面を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のモールドイン成形用係止部材。
- 柔軟かつ弾性を有する棒状の芯体および該芯体表面の少なくとも一部を覆うように設けられたループ部材を有するモールドイン成形用係止部材を、成形型の内面に設けられた凹部に該ループ部材が収納されるように押入し、芯体の弾性により該凹部と係止部材の隙間を封止し、次いで成形型内に樹脂を導入し該樹脂を硬化させることを特徴とする係止部材付き樹脂成形体の製造方法。
- 該モールドイン成形用係止部材を長さ方向の端部に堰部を設けた成形型凹部に押入し、芯体の弾性により凹部と係止部材の幅方向の隙間を封止し、かつ長さ方向の端部を該凹部に設けた堰部と接合して長さ方向端部の隙間を封止する請求項5に記載の係止部材付き樹脂成形体の製造方法。
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